JP4136561B2 - 外壁構造体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築物の外壁を構成する外壁構造体に関し、より詳細には、外壁下地にタイルや石材などの外壁部材が接着剤を介して貼り合わされている外壁構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、建築物の外壁を構成するのに、外壁下地用に接着剤を塗布し、該接着剤層の表面にタイルや石材などの外壁材を貼り合わせた構造が広く用いられている。この種の接着剤としては、従来、変成シリコーン−エポキシ2成分タイプの接着剤が用いられていた。
【0003】
従来の変成シリコーン−エポキシ2成分系タイプの接着剤を用いた場合、接着剤の接着耐久性が十分でないことがあった。また、外壁材間の目地をシーリング材などにより充填しない場合には、上記接着剤層の表面が外部に露出されるため、接着剤の耐候性が強く求められている。
【0004】
他方、特許文献1には、目地をシーリング材などで充填する必要がない外壁の化粧方法が開示されている。ここでは、外壁下地の表面に、耐候性湿気硬化型接着剤が塗布され、該接着剤表面に表面化粧板が接着されることにより外壁が構成されている。そして、耐候性湿気硬化型接着剤としては、a)分子中に1個以上の反応性珪素基を有する高分子化合物(A)及びその硬化促進剤(B)になるシリコーン系及び/または変成シリコーン系接着剤、並びに/またはb)上記(A)及び/または(B)とエポキシ基を有する高分子化合物(C)及びその硬化剤(D)の混合物よりなる変成シリコーン系エポキシ接着剤などにより構成され得る旨が記載されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−101319号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に記載の外壁の化粧方法では、上記耐候性湿気硬化型接着剤を用いることにより、接着剤表面が目地に露出したとしても耐候性も十分である旨記載されている。
【0007】
しかしながら、接着剤表面が外部に露出されるため、そり一層耐候性が高められることが強く求められている。
本発明は、従来技術の現状に鑑み、接着剤部分の耐久性及び耐候性に優れた外壁構造体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の外壁構造体は、外壁下地と、外壁下地の表面に形成された接着剤層と、前記接着剤層の外壁下地とは逆の面に貼り合わされた外壁材とを備え、前記接着剤が、少なくとも架橋可能な加水分解性シリル基を少なくとも1個有する有機重合体と、層状珪酸塩と、下記一般式(4)で示される構造を有する基を分子中に有するヒンダードアミン系光安定剤とを含む硬化性組成物の硬化物により構成されていることを特徴とする。
【化1】
Figure 0004136561
【0009】
本発明のある特定の局面では、上記接着剤として、少なくとも架橋可能な加水分解性のシリル基を有するビニル系重合体を主成分とする硬化性組成物が用いられる。
【0010】
本発明のさらに限定的な局面では、上記ビニル系重合体が(メタ)アクリル酸エステル系重合体である硬化性組成物が用いられる。
本発明に係る外壁構造体のさらに別の特定の局面では、上記硬化性組成物にさらにエポキシ化合物が添加され、それによって耐久接着性が高められる。
【0011】
以下、本発明の詳細を説明する。
本発明の外壁構造体における外壁下地としては、従来よりビルや住宅等の適宜の下地材が用いられる。この種の下地材は、例えば、サイディング材、ALCなどからなる。
【0012】
本発明では、図1に示すように、外壁下地1の外表面に、後述する硬化性組成物からなる接着剤2が塗布され、該接着剤2により外壁材3が外壁下地1に貼り合わされる。外壁材3としては、タイルや石材など公知の外壁化粧材が適宜用いられる。
【0013】
次に、本発明で用いられる上記硬化性組成物の詳細を説明する。
本発明で用いられる硬化性組成物は、架橋可能な加水分解性シリル基を少なくとも1個有する有機重合体を主成分として含む。このような有機重合体としては、主鎖が本質的にビニル系重合体あるいはポリエーテル系重合体からなるものが用いられる。
【0014】
好ましくは、少なくとも架橋可能な加水分解性のシリル基を有するビニル系重合体を主成分とする硬化性組成物が、耐候性の点において優れているため好適に用いられる。
【0015】
主鎖が本質的にビニル系重合体からなり、架橋可能な加水分解性シリル基を有するビニル系重合体は、例えば、1)架橋可能な加水分解性シリル基を有する開始剤を用いて重合を開始する方法、2)架橋可能な加水分解性シリル基を有する連鎖移動剤を用いる方法、3)架橋可能な加水分解性シリル基を有する共重合性モノマーを用いる方法により得ることができる。なお、上記ビニル系重合体には、主鎖及び側鎖にモノマー全体の50%以下の範囲でウレタン結合あるいはシロキサン結合からなる単位を含んでいてもよい。
【0016】
ポリエーテル系重合体(b)を製造する際に用いられるビニルモノマーとしては特に限定されないが、その具体例としては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロヘキシル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、グリシジル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、α−エチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ビニルモノマーに含まれる東亜合成化学工業(株)製のアロニクスM−5700、東亜合成化学工業(株)のマクロモノマーであるAS−6、AN−6、AA−6、AB−6、AK−5、ダイセル化学工業(株)製のPlaccel FA−1、Placcel FM−1、Placcel FM−4、(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステル類などのα,β−エチレン性不飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステル類とリン酸もしくはリン酸エステル類との縮合生成物たるリン酸エステル基含有ビニル系化合物;スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、スチレンスルホン酸、4−ヒドロキシスチレン、ビニルトルエンなどの芳香族炭化水素系ビニル系化合物;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などの不飽和カルボン酸、それらの塩(アルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩など)、それらの酸無水物(無水マレイン酸など)またはそれらと炭素数1〜20の直鎖または分岐のアルコールとのジエステルまたはハーフエステルなどの不飽和カルボン酸のエステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ジアリルフタレートなどのビニルエステルやアリル化合物;ビニルピリジン、アミノエチルビニルエーテルなどのアミノ基含有ビニル系化合物;イタコン酸ジアミド、クロトン酸アミド、マレイン酸ジアミド、フマル酸ジアミド、N−ビニルピロリドンなどのアミド基含有ビニル系化合物;2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、メチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、クロロプレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン、フルオロオレフィンマレイミド、N−ビニルイミダゾール、ビニルスルホン酸などのその他のビニル系化合物が挙げられる。
【0017】
これらのビニル系モノマーは単独で用いてもよく、また2種以上併用してもよい。これらのビニル系モノマーを用いて、例えば、以下のような合成を行なうことにより、重合体が得られる。
【0018】
(1)特開昭54−36395号公報に記載されているように、アリル基を有する(メタ)アクリル基エステル系共重合体をVIII族遷移金属の存在下で、下記の一般式(1)で表わされるヒドロシリコン化合物と反応させる方法。
【0019】
【化2】
Figure 0004136561
【0020】
式中、Rは1価の炭化水素基及びハロゲン化された1価の炭化水素基の中から選ばれた基、aは0、1または2をそれぞれ示し、Xは、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基及びケトキシメート基より選ばれた基または原子を示す。
【0021】
(2)特開昭57−179210号公報に記載されているように、ビニルモノマーを、アルコキシシリル基を含有するアルキル(メタ)アクリレート及びメルカプト基を含有する連鎖移動剤の存在下で共重合させる方法。
【0022】
(3)特開昭59−78222号公報に記載されているように、ビニルモノマーを、2官能ラジカル重合性化合物及び連鎖移動剤としてのアルコキシシリル基を含有するメルカプタンの存在下で共重合させる方法。
【0023】
(4)特開昭60−23405号公報に記載されているように、ビニルモノマーを、重合開始剤としてアルコキシシリル基を含有するアゾビスニトリル化合物を使用して重合する方法。
【0024】
(5)特開平11−130931号公報に記載されているように、リビングラジカル重合法により、ビニル系重合体を製造する方法。
これらの重合体の中でも、主鎖が(メタ)アクリル酸とアルキル基の炭素数が1〜12のアルキル(メタ)アクリレートからなる(メタ)アクリレート系共重合体が、柔軟性の点から好ましく、さらに好ましくは(メタ)アクリル酸とアルキル基の炭素数が2〜8のアルキル(メタ)アクリレートからなる共重合体である。また、架橋可能な加水分解性シリル基としては、メトキシシリル基及びエトキシシリル基などのアルコキシシリル基が反応後有害な副生成物を生成しないので好適である。
【0025】
ビニル系重合体(a)の分子量は特に限定されないが、数平均分子量が好ましくは1万〜15万であって、分子量分布Mw/Mnが3以下のビニル系重合体(a)が、作業性と硬化物の伸びとのバランスに優れている点で好ましい。
【0026】
なお、加水分解性シリル基は、下記の一般式(2)で表される。
【0027】
【化3】
Figure 0004136561
【0028】
(式中、R2は1価の炭化水素基、Yは加水分解性基、bは0,1,2の整数を意味する。Yとしてはアルコキシ基。)
第1の発明では、上記ビニル系重合体(a)に加えて、少なくとも架橋可能な加水分解性シリル基を含有するポリエーテル系重合体(b)が配合されてもよい。ポリエーテル系重合体(b)を添加することにより、硬化物の耐水性を高めたり、ゴム弾性を高めることができる。
【0029】
ビニル系重合体(a)及び(b)を併用する場合、その配合割合は、ビニル系重合体(a)100重量部に対し、ポリエーテル系重合体(b)0.1〜200重量部が好ましく、より好ましくは0.5〜100重量部である。
【0030】
ポリエーテル系重合体(b)の配合割合が0.1重量部未満では、接着性改善効果が小さくなることがあり、200重量部を越えると、耐候性が低くなることがあり、かつ接着性向上効果がそれ程高くならないからである。
【0031】
ポリエーテル系重合体(b)とは、主鎖が本質的にポリエーテルであり、かつ末端に架橋可能な加水分解性シリル基を含有する重合体(b)とは、主催が本質的に、一般式〔−(R−O)n−、式中のRは炭素数1〜4であるアルキレン基を示す。〕で表される化学的に結合された繰り返し単位を含み、かつ末端に架橋可能な加水分解性シリル基を含有する重合体をさす。
【0032】
また、ポリエーテル系重合体(b)は、主鎖がポリエーテルと(メタ)アクリル酸エステルとからなる共重合体であってもよい。
上記重合体(b)は、例えば、末端にアリル基を有するポリアルキレンオキサイドをVIII族遷移金属の存在化で下記化学式(3)により表されるヒドロシラン化合物を反応させることによって合成される。
【0033】
【化4】
Figure 0004136561
【0034】
(式中R1は1価の炭化水素基及びハロゲン化された1価の炭化水素基から選択される基、aは0、1または2の整数、Xはハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基及びケトキシメート基より選択される原子または基を意味する。)上記重合体(b)の主鎖であるポリエーテル類としては、例えば、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリブチレンオキサイド等が挙げられるが、硬化性組成物の硬化物が耐水性に優れ、かつシーリング材としての弾性を確保できるという点でポリプロピレンオキサイドが好ましい。
【0035】
上記架橋可能な加水分解性シリル基としては、反応後有害な副生成物を生成しない物が好ましく、例えば、メトキシシリル基、エトキシシリル基等のアルコキシシリル基が挙げられる。
【0036】
ポリエーテル系重合体(b)の数平均分子量が小さくなると、硬化物の伸びが十分でなくなり、目地面に対する追従性が低下し、大きくなると硬化前の粘度が高くなり、配合工程の作業性が悪くなる。従って、好ましくは、数平均分子量は、4000〜30000であり、さらに好ましくは10000〜30000であり、かつ分子量分布は1.6以下が望ましい。
【0037】
上記ポリエーテル系重合体(b)としては、例えば、商品名「MSポリマー」(鐘淵化学工業社製)として、MSポリマーS−203、S−303など、商品名「サイリルポリマー」(鐘淵化学工業社製)として、サイリルSAT−200、SAT−350、SAT−400や、商品名「エクセスター」(旭硝子社製)として、エクセスターESS−3620、ESS−3430、ESS−2420、ESS−2410などが市販されている。
【0038】
本発明で用いられる層状珪酸塩とは、層間に交換性陽イオンを有する珪酸塩鉱物を意味する。本発明で用いられる層状珪酸塩としては特に限定されず、例えば、モンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト、バイデライト、スティブンサイト、ノントロナイト等のスメクタイト系粘土鉱物、バーミキュライト、ハロイサイト、膨潤性マイカ等が挙げられる。中でも、モンモリロナイト、膨潤性マイカが好ましい。上記層状珪酸塩は天然物または合成物のいずれであってもよく、これらの1種または2種以上を用い得る。
【0039】
上記層状珪酸塩としては、下記式により定義される形状異方性効果が大きいスメクタイト類や膨潤性マイカを用いることが、硬化性組成物の機械強度向上やガスバリヤ性向上の点からより好ましい。なお、層状珪酸塩の結晶表面(A)及び結晶端面(B)を図2に模式的に示す。
【0040】
形状異方性効果=結晶表面(A)の面積/結晶端面(B)の面積
図3に示すように、上記層状珪酸塩の層間に存在する交換性陽イオンとは、結晶表面上のナトリウム、カルシウム等のイオンであり、これらのイオンは、カチオン性物質とイオン交換性を有するので、カチオン性を有する種々の物質を上記層状珪酸塩の層間に捕捉(インターカレート)することができる。
【0041】
上記層状珪酸塩の陽イオン交換容量としては特に限定されないが、50〜200ミリ等量/100gであるのが好ましい。50ミリ等量/100g未満であると、イオン交換により結晶層間に捕捉(インターカレート)できるカチオン性界面活性剤の量が少なくなるので、層間が十分に非極性化されないことがある。一方、200ミリ等量/100gを超えると、層状珪酸塩の層間の結合力が強固となり、層状珪酸塩の各層を構成している結晶薄片間の距離を増大し難くなることがある。
【0042】
上記層状珪酸塩は、ベース樹脂100重量部に対して、0.1〜100重量部配合される。さらに好ましくは0.5〜50重量部、特に好ましくは1〜10重量部である。0.1重量部未満では硬化物の耐候性向上や難燃化などの作用が発現され難く、100重量部を越えると、硬化性組成物の粘度が高くなり作業性、生産性が低下することがある。
【0043】
なお、ベース樹脂とは、上記ビニル系重合体(a)、あるいは上記ビニル系重合体(a)と必要に応じて添加されるポリエーテル系重合体(b)の合計である。
【0044】
上記層状珪酸塩は、広角X線回折測定法により測定した(001)面の平均層間距離が3nm以上であり、5層以下で存在しているものを含んで分散しているものが好ましい。平均層間距離が3nm以上であり、5層以下で分散していると、硬化性組成物の耐候性、難燃性の性能発現に有利となる。
【0045】
なお、本明細書において、層状珪酸塩の平均層間距離とは、微細薄片状結晶を層とした場合の平均の層間距離であり、X線回折ピーク及び透過型電子顕微鏡撮影により、すなわち、広角X線回折測定法により算出できるものである。3nm以上に層間が開裂し、5層以下で存在しているものを含んで分散している状態は、層状珪酸塩の積層体の一部または全てが分散していることを意味しており、層間の相互作用が弱まっていることによる。
【0046】
さらに、層状珪酸塩の平均層間距離が6nm以上であると、難燃性、機械物性、耐熱性等の機能発現に特に有利である。平均層間距離が6nm以上であると、層状珪酸塩の結晶薄片層が層毎に分離し、層状珪酸塩の相互作用がほとんど無視できるほどに弱まるので、層状珪酸塩を構成する結晶薄片の樹脂中での分散状態が剥離安定化の方向に進行する。すなわち、層状珪酸塩が1枚づつ薄片状に乖離した状態で硬化性組成物中に安定化されて存在することとなる。
【0047】
層状珪酸塩の分散状態としては、ベースとなる樹脂中において層状珪酸塩の薄片状結晶が高度に分散していることが好ましい。より具体的には、層状珪酸塩の10重量%以上が5層以下で存在している状態に分散されていることが好ましく、より好ましくは、層状珪酸塩の20重量%以上が5層以下の状態で存在していることが望ましい。さらに、分散している薄片状結晶の積層数が5層以下であれば、層状珪酸塩の添加による効果が良好に得られるが、3層以下であればより好ましく、単層状に分散していることがさらに望ましい。
【0048】
本発明の層状珪酸塩は、4級アンモニウム塩で処理されてなる層状珪酸塩であることが好ましい。4級アンモニウム塩で処理することにより、層状珪酸塩の上記ベース樹脂中への分散性を向上させることができるからである。また、4級アンモニウム塩は上記有機重合体の架橋反応に対する触媒作用があることが知られており、層状珪酸塩と共に上記ベース樹脂中に分散することにより分散性の向上と共に硬化速度を促進させることも可能となる。
【0049】
上記4級アンモニウム塩としては、例えば、ラウリルトリメチルアンモニウム塩、ステアリルトリメチルアンモニウム塩、トリオクチルアンモニウム塩、ジステアリルジメチルアンモニウム塩、ジ硬化牛脂ジメチルアンモニウム塩、ジステアリルジベンジルアンモニウム塩、N−ポリオキシエチレン−N−ラウリル−N,N−ジメチルアンモニウム塩等が挙げられ、これらの4級アンモニウム塩は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。上記の中でも、良好な分散性が得られることから、炭素数6以上のアルキル鎖またはポリオキシアルキレン鎖を有する4級アルキルアンモニウムイオン塩が好ましい。
【0050】
層状珪酸塩の分散には各種攪拌機を用いることができるが、分散しにくい場合には3本ロール等の高剪断がかかる装置を用いて分散を行うと所望の分散状態を得やすい場合がある。
【0051】
(エポキシ化合物)
本発明に係る外壁構造体の上記接着剤用硬化性組成物では、好ましくは、前述したようにエポキシ化合物がさらに添加されるエポキシ化合物は、硬化性組成物の硬化物の接着力を高めるために配合され、エポキシ化合物は、ビニル系重合体(a)100重量部またはビニル系重合体(a)及びポリエーテル系重合体(b)の合計100重量部に対し、0.5〜20重量部の割合で配合されることが好ましい。0.5重量部未満では、接着力が十分に高まらず、20重量部より多い場合には、一液型硬化性組成物とした場合には、貯蔵安定性が低くなることがある。
【0052】
上記エポキシ化合物としては特に限定されないが、エポクロルヒドリン−ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポクロルヒドリン−ビスフェノールF型エポキシ樹脂、テトラブロモビスフェノールAのグリシジルエーテルなどの難燃型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAプロピレンオキシド付加物のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、p−オキシ安息香酸グリシジルエーテルエステル型エポキシ樹脂、m−アミノフェノール系エポキシ樹脂、ジアミノジフェニルメタン系エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、各種脂環式エポキシ樹脂、N,N−ジグリシジルアニリン、N,N−ジグリシジル−o−トルイジントリグリシジルイソシアヌレート、ポリアルキレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンなどの多価アルコールのグリシジルエーテル、ヒダントイン型エポキシ樹脂、石油樹脂などの不飽和重合体のエポキシ化合物などが用いられ得る。なお、これらに限定されず、一般に使用されているエポキシ樹脂を用いることができる。
【0053】
(紫外線吸収剤・光安定剤)
また、上記硬化性組成物には、耐候性を高めるために、紫外線吸収剤及び/または光安定剤が配合されてもよい。
【0054】
紫外線吸収剤及び光安定剤が配合されている場合、耐候性が高められるが、上述した通り、層状珪酸塩がさらに配合されている場合には、層状珪酸塩自体による紫外線吸収作用による耐候性向上効果だけでなく、層状珪酸塩によって紫外線吸収剤及び光安定剤のブリードアウトが抑制され、より一層耐候性を高めることができる。
【0055】
上記紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系等の公知の紫外線吸収剤が挙げられ、中でもベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が紫外線吸収性能が高いので好ましい。上記紫外線吸収剤を配合する場合には、上記ビニル系重合体(a)またはビニル系重合体(a)及びポリエーテル系重合体(b)からなるベース樹脂100重量部に対して、0.1〜20重量部、より好ましくは、0.5〜10重量部配合されているのが好ましい。0.1重量部よりも少ないと耐候性の向上効果が不十分であることがあり、20重量部を越えると、呈色によりシーリング材としての外観を損なう等の問題を生じることがある。
【0056】
上記光安定剤としては、例えばヒンダードアミン系光安定剤が用いられる。ヒンダードアミン系光安定剤は、一般に紫外線吸収剤と併用すると優れた効果を発揮する。上記ヒンダードアミン系光安定剤(以下、光安定剤)の中でも、下記一般式(4)で示される構造を有する基を分子中に有するものが、層状珪酸塩と併用すると特に著しい効果がある。このようヒンダードアミン系光安定剤としては、例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)セバケート、ポリ[{6−(1,1,3,3,−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)イミノ}]等が挙げられる。これらは単独で用いられてもよいし、2種以上併用されてもよい。
【0057】
【化5】
Figure 0004136561
【0058】
本発明に係る外壁構造体の接着剤を構成するために上記硬化性組成物には、必要に応じて、1分子中にアミノ基またはアルコキシシリル基を有する化合物、可塑剤、シラノール縮合触媒、脱水剤、充填剤、たれ防止剤などを配合することができる。
【0059】
(1分子中にアミノ基及びアルコキシシリル基を有する化合物)
この化合物は接着性付与剤として添加されるものである。該化合物としては、例えば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N' −ビス−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、N,N' −ビス−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、N,N' −ビス−[3−(メチルジメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、N,N' −ビス−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]ヘキサメチレンジアミン、N,N' −ビス−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]ヘキサメチレンジアミン、N,N' −ビス−[3−(メチルジメトキシシリル)プロピル]ヘキサメチレンジアミン、N,N−ビス−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、N,N−ビス−[3−(メチルジメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、N,N−ビス−[3−(トリエトキシシリル)プロ ピル]エチレンジアミン、N,N−ビス−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]ヘキサメチレンジアミン、N,N−ビス−[3−(メチルジメトキシシリル)プロピル]ヘキサメチレンジアミン、N,N−ビス−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]ヘキサメチレンジアミン、N,N−ビス−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]アミン、N,N−ビス−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]アミン、N,N−ビス−[3−(メチルジメトキシシリル)プロピル]アミンなどが挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0060】
(可塑剤)
可塑剤は硬化物の伸びを高めたり、低モジュラスト化するため使用されるものであり、例えば、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ブチルベンジルフタレート等のフタル酸エステル類;アジピン酸ジオクチル、コハク酸イソデシル、セバシン酸ジブチル等の脂肪族二塩基酸エステル類;ジエチレングリコールジべンゾエート、ペンタエリスリトールエステルなどのグリコールエステル類;オレイン酸ブチル、アセチルリシノール酸メチル等の脂肪族エステル類;リン酸トリオクチル、リン酸オクチルジフェニル等のリン酸エステル類;エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油等のエポキシ可塑剤類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のグリコール類;塩素化パラフィン、ポリブタジエン、イソパラフィンなどが挙げられる。
【0061】
これらの可塑剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用できる。好ましくは、数平均分子量(Mn)500〜30000のポリプロピレングリコールが用いられる。
上記可塑剤の配合量は、上記ベースとなる樹脂100重量部に対して、80重量部以上が好ましい。80重量部よりも多くなると、塗装性が低下する。
【0062】
(硬化触媒)
上記硬化触媒は、加水分解性シリル基の湿気硬化反応を促進するために使用されるものであり、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫フタレート、ビス(ジブチル錫ラウリン酸)オキサイド、ジブチル錫ビスアセチルアセトナート、ジブチル錫ビス(モノエステルマレート)、オクチル酸錫、ジブチル錫オクトエート、ジオクチル錫オキサイド等の錫化合物;テトラ−n−ブトキシチタネート、テトライソプロポキシチタネート等のチタネート系化合物;ジブチルアミン−2−エチルヘキソエート等のアミン塩;他の酸性触媒及び塩基性触媒などが挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0063】
(脱水剤)
上記脱水剤は、硬化性組成物の保存時における侵入水分を除去するために使用されるものであり、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、フェニルトリメチルシラン、ジフェニルジメトキシシラン等のシラン化合物類;オルトギ酸メチル、オルトギ酸エチル、オルト酢酸メチル、オルト酢酸エチル等の加水分解性エステル化合物類が挙げられる。これらは、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0064】
(各種の充填剤)
充填剤は硬化後の組成物の補強を目的として使用されるものであり、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、含水ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸カルシウム、シリカ、二酸化チタン、クレー、タルク、カーボンブラック、ガラスバルーン、また、その他用途に応じて、顔料や燃料剤が添加されてもよい。これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0065】
(たれ防止剤)
上記たれ防止剤としては、例えば、水添ひまし油、脂肪族ビスアマイド、ヒュームドシリカ等のたれ防止剤が挙げられる。
【0066】
本発明の硬化組成物には、さらに必要に応じて、老化防止剤、顔料、溶剤、香料等を配合することができる。
【0067】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の具体的な実施例を説明することにより、本発明をより詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
重合体の合成は、特開平11−100433号公報に記載の比較合成例1及び合成例1と同様にして、下記重合体A及び重合体Bを得た。
【0068】
(ビニル系重合体合成例1)
架橋性シリル素基含有モノマーを用いた架橋性シリル基を有するポリ(アクリル酸−n−ブチル)(以下、重合体Aとする)の合成
トルエン400g、アクリル酸ブチル385g、メタクリル酸メチルジメトキシプロピル15g、アゾビスイソブチロニトリル6gを1Lのフラスコ中で窒素バブリングしつつ105℃で7時間重合した。トルエンを留去することにより、架橋性シリル基を有するポリ(アクリル酸−n−ブチル)が重合体Aとして得られた。
【0069】
重合体Aの粘度は、23℃の温度で74Pa・sであり、数平均分子量(Mn)は、GPC測定(ポリスチレン換算)により、8500であり、分子量分布(Mw/Mn)は2.5であった。また、1H−NMR分析より求めた重合体1分子当りの平均の水酸基の数は1.4であった。
【0070】
(ポリマー合成例2)
末端に架橋性シリル基を有するポリ(アクリル酸−n−ブチル)(以下、重合体B)の合成
50mLのフラスコに臭化第一銅0.63g、ペンタメチルジエチレントリアミン0.76g、アセトニトリル5mL、2,5−ジブロモアジピン酸ジエチル0.78g、アクリル酸ブチル44.7gを仕込み、凍結脱気を行った後、窒素雰囲気下で70℃の温度で6時間反応させた。活性アルミナが充填されたカラムを通して銅触媒を除去し、精製することにより、末端にBr基を有する重合体が得られた。得られた重合体の数平均分子量は、GPC測定(ポリスチレン換算)で23600であり、分子量分布1.1であった。
【0071】
窒素雰囲気下、200mLのフラスコに上記で得た末端にBr基を有する重合体34g、ペンテン酸カリウム1.0g、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)34mLを仕込み、70℃で4時間反応させた。反応混合液中の未反応のペンテン酸カリウム及び生成した臭化カリウムを水で抽出し、除去し、末端にアルケニル基を有する重合体を得た。
【0072】
上記末端にアルケニル基を有する重合体と、等重量(30.5g)の珪酸アルミニウムとをトルエンに混合し、100℃で攪拌した。4時間後、珪酸アルミニウムを濾過し、濾液の揮発分を減圧下加熱して留去し、重合体を得た。得られた重合体の数平均分子量はGPC測定(ポリスチレン換算)で24800、分子量分布1.1であった。また、1H−NMR分析により求められた重合体1分子当りのアルケニル基の個数は1.5であった。
【0073】
200mLの耐圧反応管に、上記のようにして得られた末端にアルケニル基を有する重合体21g、メチルジメトキシシラン0.94mL、オルトギ酸メチル0.13mL、及び白金ビス(ジビニルテトラメチルジシロキサン)2×10-4mmolを仕込み、100℃で4時間反応させ、末端に架橋性シリル基を有する重合体Bを得た。得られた重合体の粘度は、23℃で100Pa・sであり、数平均分子量はGPC測定(ポリスチレン換算)で25400であり、分子量分布は1.2であった。また、1H−NMR分析により求めた重合体Bの1分子当りの架橋性シリル基の個数は1.5個であった。
【0074】
(実施例1,2,比較例1,2)
表1に示した配合となるように、上記重合体Aまたは重合体Bと、下記の充填剤、下記の可塑剤、下記の脱水剤、接着性付与剤、シラノール縮合触媒、ヒンダードアミン系光安定剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、及び層状珪酸塩を、外部から湿気が入らないように密封された混合撹拌機で減圧下で均一に混合し、実施例1,2及び比較例1,2の各硬化性組成物を得た。
【0075】
なお、炭酸カルシウムについては、予め110℃で減圧乾燥したものを用いた。
・炭酸カルシウム(充填剤、白石工業社製、品番:CCR)
・酸化チタン(充填剤、石原産業社製、品番:R−820)
・エピコート828(ジャパンエポキシ製ビスフェノールA型エポキシ化合物)
・ビニルトリメトキシシラン(脱水剤、チッソ社製、商品名:サイラエースS210)
・N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン)(接着性付与剤、信越化学工業社製、品番:KBM−603)
・ジブチル錫ジラウレート(シラノール縮合触媒)
・ヒンダードアミン系光安定剤(三共社製、商品名:サノールLS770)
・ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(チバスペシャリティーケミカルズ社製、商品名:チヌビン327)
・層状珪酸塩(ポリオキシプロピレンジエチル4級アンモニウム塩で有機処理された膨潤性フッ素雲母、コープケミカル社製、商品名:ソマシフMPE−100)
・トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール(エポキシ硬化剤:PTIジャパン社製DMP30)
上記実施例及び比較例で得られた各硬化性組成物について、下記の要領で、(1)耐候性及び(2)接着耐久性を評価した。
【0076】
(1)耐候性
各硬化性組成物を50mm×150mm×厚み1mmのステンレス板に厚み0.5mmとなるように塗布し、23℃で168時間硬化・養生した後、下記の条件で光を照射し、表面の状態を目視により評価した。
【0077】
光照射条件…岩崎電気社製アイスーパーUVテスター「SUV−F11型」を用いた。295nm〜450nmの波長の紫外線を、UV強度100mW/cm2及びブラックパネル温度63℃ の条件でかつ光源と試料との間の距離を235mmとして、光を照射した。
【0078】
300時間光照射毎に、目視により硬化物を観察し、表面にクラックが生じているか否かを評価した。クラックが生じていないものを○、クラックが生じたものを×と判定した。結果を下記の表1に示す。
【0079】
(2)接着耐久性
モザイクタイルと窯業系サイディング材を「有機接着剤を利用した外装タイル・石張りシステム用接着剤の品質基準案」に準拠し、温度23±2℃、相対湿度50±5RH%で672時間養生後引っ張り試験を行った。また、アルカリ温水試験を60±2℃の水酸化カルシウム飽和水溶液中で168時間のアルカリ浸漬を行った後と行う前の結果が接着強さが0.40N/mm2以上である場合に接着耐久性が優れているとして、下記の表1において○印を付し、0.40N/mm2未満である場合には接着耐久性が不十分であるとして×印を付した。
【0080】
【表1】
Figure 0004136561
【0081】
【発明の効果】
本発明に係る外壁構造体では、接着剤が架橋可能な加水分解性シリル基を少なくとも1個有する有機重合体と、層状珪酸塩とからなる硬化性組成物により構成されているため、該硬化性組成物が大気中の湿気と反応して、ゴム弾性を有する硬化物を与える。1液型の硬化性組成物により接着剤が構成されているので、外壁構造体の施工性を高めることができる。
【0082】
また、上記架橋可能な加水分解性シリル基を少なくとも1個有する有機重合体を主成分とする硬化性組成物は、外壁下地やタイルもしくは石材などの外壁材等を十分な接着強度で接合するため、接着強度及び接着耐久性に優れた外壁構造体を提供することができる。
【0083】
さらに、上記層状珪酸塩の配合により、上記硬化性組成物の硬化物の耐候性が効果的に高められる。従って、外壁構造体の耐候性を高めることができ、特に、上記硬化性組成物からなる接着剤層が目地において外部に露出している場合であっても、耐候性に優れた外壁構造体を構成することができる。
【0084】
特に、少なくとも架橋可能な加水分解性シリル基を有するビニル系重合体を主成分とする硬化性組成物を上記接着剤として用いた場合には、主鎖がポリエーテルからなり、架橋可能な加水分解性のシリル基を有するビニル系重合体を主成分とする硬化性組成物に比べて耐候性に優れているため、外壁構造体の耐候性を効果的に高めることができる。
【0085】
また、主鎖が本質的に(メタ)アクリル酸重合体からなる硬化性組成物を用いた場合には、硬化物の柔軟性が高められるため、外壁構造体における石材やタイルなどの外壁材に衝撃が加わった場合に、外壁材の表面の損傷や剥離等を効果的に防止することができる。
【0086】
光安定剤及び紫外線吸収剤が上記硬化性組成物に配合されている場合には、それによって耐候性が高められるだけでなく、層状珪酸塩により紫外線吸収剤及び光安定剤のブリードアウトが抑制されるため、より一層耐候性を高めることができる。
【0087】
本発明に係る外壁構造体において、硬化性組成物にエポキシ化合物が配合されている場合には、上記接着剤の耐久接着性がより一層高められる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の外壁構造体の模式的断面図。
【図2】層状珪酸塩の薄片状結晶の結晶表面(A)及び結晶端面(B)を説明するための模式図。
【図3】層状珪酸塩の層間を模式的に示す図。
【符号の説明】
1…外壁下地
2…接着剤
3…外壁材

Claims (4)

  1. 外壁下地と、外壁下地の表面に形成された接着剤層と、前記接着剤層の外壁下地とは逆の面に貼り合わされた外壁材とを備え、前記接着剤が、少なくとも架橋可能な加水分解性シリル基を少なくとも1個有する有機重合体と、層状珪酸塩と、下記一般式(4)で示される構造を有する基を分子中に有するヒンダードアミン系光安定剤とを含む硬化性組成物の硬化物により構成されている外壁構造体。
    Figure 0004136561
  2. 前記接着剤が、少なくとも架橋可能な加水分解性シリル基を有するビニル系重合体を主成分とする請求項1に記載の外壁構造体。
  3. 前記ビニル系重合体が(メタ)アクリル酸エステル系重合体である、請求項2に記載の外壁構造体。
  4. 前記硬化性組成物にエポキシ化合物が配合されている、請求項1〜3のいずれかに記載の外壁構造体。
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