JP4135967B2 - 電極対式非接触型マニピュレーション装置並びにマニピュレーション方法 - Google Patents
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Description
【0001】
本発明は、懸濁液中に懸濁された微粒子を所定の位置に移動させ、微粒子同士を移動、分別並びに結合・融合等の操作を行うマニピュレーション装置並びにマニピュレーション方法に関し、より詳しくは、電極に微粒子を接触させることなくこれらの操作を行うことが可能なマニピュレーション装置並びにマニピュレーション方法に関する。
【背景技術】
【0002】
遺伝子的に発生の異なる細胞核を備える細胞Aと細胞Bとを融合させてヘテロカリオン(異核接合体:Heterokaryon)を作り出す方法として、電気融合法と微小電極法が知られている。
電気融合法は、一対の平行電極間に2種類の細胞を懸濁させた細胞懸濁液を配設し、一対の平行電極間に交流電圧を印加する。これにより、パールチェーン(細胞が一列に並んだ状態)を作り出す。このパールチェーンに直流パルスを流して、パールチェーンを構成する細胞同士を融合させる。
微小電極法は、微小ガラス管内に細管状の電極を挿入し、電極の先端を露出させる一方でガラス管内壁と電極外周面とを密着させた微小電極を用いる。この微小電極に交流電圧を印加させて、細胞懸濁液中の細胞を誘導電気泳動現象により誘引し、細胞を微小電極先端に付着させる。そして、電気パルスを細胞に与え、ヘテロカリオンを作り出す。
【0003】
電気融合法では、任意の細胞を融合させることが困難である。例えば、遺伝子的に発生の異なる細胞核を有する2種類の細胞Aと細胞Bを選択し、融合させて、新規のヘテロカリオンA・Bを作成することはできない。また、3以上の細胞を融合させてしまう可能性があり、細胞数を2つに限定して融合させるという制御を行うことができない。
【0004】
微小電極法では、微小電極先端に付着したヘテロカリオンを分取する作業を要する。ヘテロカリオンを傷つけることなしに微小電極から分取することは、高度の熟練を要する作業である。
上記のような公知の方法に関する問題点を解決する手段を特許文献1は開示している。
【0005】
【特許文献1】
特開平5−137576号公報
【0006】
図13は特許文献1に開示される細胞融合装置を示す。
特許文献1に開示される細胞融合装置は、針状電極(N)と板状電極(P)を備える。針状電極(N)の先端と板状電極(P)との間には、細胞(C)が懸濁された懸濁液(S)が満たされる。針状電極(N)の先端部を覆うように絶縁カバー(I)が配される。絶縁カバー(I)と針状電極(N)との間には若干の隙間が形成される。絶縁カバー(I)先端部分には貫通孔(A)が設けられ、貫通孔(A)を介して、懸濁液(S)は絶縁カバー(I)内部に配される針状電極(N)先端部に達する。貫通孔(A)の大きさは、懸濁液(S)中の細胞(C)よりも小さく形成される。針状電極(N)の軸は板状電極(P)に対して略垂直にされる。針状電極(N)及び板状電極(P)に交流電圧を印加すると、針状電極(N)と板状電極(P)との間の懸濁液(S)の層を横切るように電場が誘起される。鋭い先端を有する電極(N)が面を有する電極(P)に対向しているので、誘起される電場は不均一なものとなる。この誘起された電場により、細胞(C)は貫通孔(A)付近に誘引される。
【0007】
上記のような構成を備える細胞融合装置は、針状電極(N)及び板状電極(P)が、まず、一の種の細胞が懸濁された懸濁液に浸けられる。そして、電極(N,P)間に電場を誘起させ、一の種の細胞の1つを貫通孔(A)付近に付着させる。その後、他の種の細胞が懸濁された懸濁液に、針状電極(N)及び板状電極(P)を浸ける。そして、他の種の細胞の1つを貫通孔(A)付近に付着させる。そして、貫通孔(A)付近に付着された異なる種類の細胞を融合させる。融合された細胞は、絶縁カバー(I)上にあるので、交流電圧の印加を解消することで、簡単に絶縁カバー(I)から離すことが可能となる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述のように、特許文献1の細胞融合装置は、従来の電気融合法と微小電極法に関連する問題点を解決するものであったが、以下のような問題点を有している。
特許文献1の細胞融合装置は、針状電極(N)の方向に細胞を誘引することのみを可能とする。即ち、誘引以外の操作を行うことができない。例えば、非接触で所望の方向に向けて細胞を押し移動させることや、細胞の方向を所望の方向へ向けることといった操作は不可能である。
したがって、従来のマニピュレーション装置は、狭い流路内に細胞を非接触で押し込み、該流路内で細胞に所望の動作を与えることや、細胞の方向を所望の方向へ回転させることは出来なかった。
本発明は上記実情を鑑みてなされたものであって、従来のマニピュレーション装置では極めて困難であった微粒子の操作を可能とするとともに、微粒子の移動或いは回転動作を容易に行うことを可能とするマニピュレーション装置並びにマニピュレーション方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求の範囲第1項記載の発明は、基底部と、該基底部上に配されるとともに微粒子が懸濁された懸濁液層と、該懸濁液層内に先端が挿入される少なくとも一対の針状電極と、前記針状電極に交流電圧を供給する電源からなり、前記少なくとも一対の針状電極が一体的に或いはそれぞれ互いに独立に移動可能とされ、該少なくとも一対の針状電極の先端間において、電場を生じさせることを特徴とする電極対式非接触型マニピュレーション装置である。
請求の範囲第2項記載の発明は、基底部と、該基底部上に配される液層と、該液層内に先端が挿入される少なくとも一対の針状電極と、前記針状電極に交流電圧を供給する電源からなり、前記少なくとも一対の針状電極が一体的に或いはそれぞれ互いに独立に移動可能とされ、前記液層は、第1液体と該第1液体とは異なる誘電率を備える第2液体から構成され、前記第2液体は、前記液層内の微小領域を占め、前記少なくとも一対の針状電極の先端間において、電場を生じさせることを特徴とする電極対式非接触型マニピュレーション装置である。
請求の範囲第3項記載の発明は、前記少なくとも一対の針状電極が、前記基底部に対して独立に移動可能であることを特徴とする請求の範囲第1項又は第2項記載の電極対式非接触型マニピュレーション装置である。
【0010】
請求の範囲第4項記載の発明は、前記電源が、前記交流電圧の周波数を変更可能であることを特徴とする請求の範囲第1項又は第2項記載の電極対式非接触型マニピュレーション装置である。
請求の範囲第5項記載の発明は、前記電源が、前記交流電圧の振幅を変更可能であることを特徴とする請求の範囲第1項又は第2項記載の電極対式非接触型マニピュレーション装置である。
請求の範囲第6項記載の発明は、前記電源が、前記交流電圧の交流波形を変更可能であることを特徴とする請求の範囲第1項又は第2項記載の電極対式非接触型マニピュレーション装置である。
請求の範囲第7項記載の発明は、前記電源が直流電圧を印加可能であることを特徴とする請求の範囲第1項又は第2項記載の電極対式非接触型マニピュレーション装置である。
請求の範囲第8項記載の発明は、前記基底部が顕微鏡により観察可能な観察領域に配され、該顕微鏡が前記微粒子を観察可能であることを特徴とする請求の範囲第1項又は第2項記載の電極対式非接触型マニピュレーション装置である。
請求の範囲第9項記載の発明は、前記少なくとも一対の針状電極が、複数対の針状電極であり、該複数対の針状電極のうち、一の針状電極の対に印加される交流電圧の位相と、他の針状電極の対に印加される交流電圧の位相のずれが可変であることを特徴とする請求の範囲第1項又は第2項記載の電極対式非接触型マニピュレーション装置である。
【0011】
請求の範囲第10項記載の発明は、懸濁液層中の微粒子を選定する段階と、該選定された微粒子を挟むように且つ該微粒子と接触しないように少なくとも一対の針状電極を配設する段階と、前記針状電極に電圧を印加する段階と、前記電圧の周波数を調整する段階と、前記針状電極を移動する段階からなり、前記少なくとも一対の針状電極が一体的に或いはそれぞれ互いに独立して移動することを特徴とする電極対式非接触型マニピュレーション方法である。
請求の範囲第11項記載の発明は、前記懸濁液層が第1作業領域並びに第2作業領域に設けられ、前記第1作業領域と前記第2作業領域が狭窄路を介して連通することを特徴とする請求の範囲第10項記載の電極対式非接触型マニピュレーション方法である。
請求の範囲第12項記載の発明は、前記微粒子が楕円形状であって、前記狭窄路の幅が前記微粒子の長軸長さよりも狭く、且つ短軸長さよりも広く形成されていることを特徴とする請求の範囲第11項記載の電極対式非接触型マニピュレーション方法である。
請求の範囲第13項記載の発明は、前記少なくとも一対の針状電極が、複数の対の針状電極であって、前記電圧の周波数を調整する段階が、更に、前記複数の対の針状電極のうち一の針状電極の対に印加される電圧の位相と、他の針状電極の対に印加される電圧の位相のずれを調整する段階を備えることを特徴とする請求の範囲第10項記載の電極対式非接触型マニピュレーション方法である。
請求の範囲第14項記載の発明は、前記少なくとも一対の針状電極が、複数の対の針状電極であって、前記針状電極を移動させる段階が、更に、前記複数の対の針状電極のうち一の針状電極の対の間に発生する電場と、他の針状電極の対の間に発生する電場の交差角を変化させる段階を備えることを特徴とする請求の範囲第10項記載の電極対式非接触型マニピュレーション方法である。
【0012】
請求の範囲第15項記載の発明は、前記微粒子が細胞であって、前記針状電極を移動させる段階において、前記細胞が他の細胞と隣接して配された後、前記懸濁液層中の細胞の生存に必要な養分を不足させることを特徴とする請求の範囲第10項記載の電極対式非接触型マニピュレーション方法である。
請求の範囲第16項記載の発明は、前記微粒子が細胞であって、前記針状電極を移動させる段階において、前記細胞が他の細胞と隣接して配された後、前記隣接して配列された細胞からなる細胞群の端部に直流電圧を印加することを特徴とする請求の範囲第10項記載の電極対式非接触型マニピュレーション方法である。
請求の範囲第17項記載の発明は、前記針状電極を移動させる段階において、前記細胞の向きを調整することを特徴とする請求の範囲第15項又は第16項に記載の電極対式非接触型マニピュレーション方法である。
【0013】
請求の範囲第18項記載の発明は、懸濁液層中の細胞を選定する段階と、該選定された細胞を挟むように且つ該細胞と接触しないように少なくとも一対の針状電極を配設する段階と、前記針状電極に電圧を印加し、前記細胞の外殻組織を破壊し、前記細胞の内部器官を細胞から放出させる段階と、前記内部器官を選定し、該選定された内部器官を挟むように且つ該内部器官と接触しないように前記少なくとも一対の針状電極を配設する段階と、前記針状電極に電圧を印加する段階と、前記電圧の周波数を調整する段階と、前記針状電極を移動する段階からなり、前記少なくとも一対の針状電極が一体的に或いはそれぞれ互いに独立して移動することを特徴とする電極対式非接触型マニピュレーション方法である。
請求の範囲第19項記載の発明は、第1液体からなる液層内に、該第1液体とは異なる誘電率を備える第2液体を滴下する段階と、前記液層に形成された前記第2液体からなる領域の1つを選定する段階と、該選定された領域を挟むように且つ該領域と接触しないように少なくとも一対の針状電極を配設する段階と、前記針状電極に電圧を印加する段階と、前記電圧の周波数を調整する段階と、前記針状電極を移動する段階からなり、前記少なくとも一対の針状電極が一体的に或いはそれぞれ互いに独立して移動することを特徴とする電極対式非接触型マニピュレーション方法である。
【発明の効果】
【0014】
請求の範囲第1項記載の発明によれば、少なくとも一対の電極を一体的に或いは独立して移動させることにより、電極間にある特定の微粒子を所望の位置に移動させ、或いは所望の向きに微粒子を回転させることができる。
請求の範囲第2項記載の発明によれば、少なくとも一対の電極を一体的に或いは独立して移動させることにより、電極間にある特定の微小領域を所望の位置に移動させ、或いは所望の向きに微小領域を回転させることができる。
請求の範囲第3項記載の発明によれば、基台に対して独立に電極を移動させることが可能となる。
【0015】
請求の範囲第4項記載の発明によれば、微粒子又は微小領域の移動方向を微粒子又は微小領域の種類に応じて周波数を調整することによって制御可能となる。
請求の範囲第5項記載の発明によれば、微粒子又は微小領域の移動速度を制御可能となる。
請求の範囲第6項記載の発明によれば、微粒子又は微小領域の移動速度の変化形態を制御可能となる。
請求の範囲第7項記載の発明によれば、微粒子の挙動を観察しながら、微粒子又は微小領域の動作を調整可能となる。
請求の範囲第8項記載の発明によれば、一定方向に微粒子を移動させる動作を生じせしめることができる。或いは微粒子が細胞である場合において、細胞融合操作を行うことが可能となる。
請求の範囲第9項記載の発明によれば、より複雑な移動形態を微粒子に与えることが可能となるとともに、精度の高い位置制御を微粒子に対して行うことが可能となる。
【0016】
請求の範囲第10項記載の発明によれば、微粒子を所望の方向へ移動させることが可能となる。或いは、微粒子の向きを所望の方向へ向けることが可能となる。
請求の範囲第11項記載の発明によれば、微粒子の分別作業を容易に行うことが可能となる。
請求の範囲第12項記載の発明によれば、第1作業領域と第2作業領域の微粒子が意図せず混じり合うことが防止され、効率よく且つ確実な微粒子分別作業を提供できる。
請求の範囲第13項及び第14項記載の発明によれば、より複雑な移動形態を微粒子に与えることが可能となるとともに、精度の高い位置制御を微粒子に対して行うことが可能となる。
【0017】
請求の範囲第15項及び第16項記載の発明によれば、細胞融合を所望の位置で行わしめることが可能となる。
請求の範囲第17項記載の発明によれば、細胞の向きを所望の方向に向けた状態で細胞融合を行うことが可能となる。
【0018】
請求の範囲第18項記載の発明によれば、細胞内部器官の回収を効率的に行うことが可能となる。
請求の範囲第19項記載の発明によれば、微小領域の移動操作を容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明に係る電極対式非接触型マニピュレーション装置及びマニピュレーション方法について、図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明に係る電極対式非接触型マニピュレーション装置の主要部を示す概略図であり、本発明の作業領域(F)の斜視図である。
作業領域(F)は、顕微鏡やその他微粒子を観察可能な手段により観察可能な領域である。
作業領域(F)には、基底部(1)が配される。基底部(1)の上には、懸濁液層(2)が配される。懸濁液層(2)には、微粒子(3)が懸濁されている。尚、以下の説明において、微粒子(3)を細胞とした例を示すが、本発明は、細胞以外の他の微粒子(例えば、高分子微粒子やリポソーム)に対しても適用可能である。
基底部(1)は、懸濁液を収容する容器の底部であってもよいし、他の懸濁液を収容する手段の底部であってもよい。或いは単に平板状の基底部(1)を用いて、該平板状の基底部(1)上に懸濁液を滴下して、基底部(1)上の懸濁液層(2)を形成してもよい。
【0020】
一対の電極(4)の先端が懸濁液層(2)中に挿入される。電極(4)は先端を鋭利に形成された針状の電極である。
電極(4)は、電源(図1中に示さず)に接続される。電源により、電極(4)に交流電圧及び/又は直流電圧が印加される。電圧印加により電極間に電場が生じ、該電場は懸濁液層(2)の液面に対して略平行となる。
【0021】
図2は、図1に示す作業領域の模式図である。
電源(5)に接続された電極(4)に交流電圧を印加すると、一対の電極(4)間に不均一な電場(E)が発生する。この電場(E)中に存在する微粒子(細胞)(3)は分極する。分極した微粒子(細胞)(3)は電場(E)の不均一性を解消するように移動する。
適用される交流電圧の周波数は、100MHz以下の範囲であることが好ましい。周波数が100MHzを超えると、微粒子(細胞)(3)を十分に捕捉して移動させることができないためである。
また、適用される交流電圧の振幅が5mV以上100V以下で、電極間距離(針状電極の最先端間距離)が1μm以上0.5mm以下であることが好ましい。5mV未満の振幅及び/又は0.5mmの電極間距離を超える場合には、発生する電場(E)が弱すぎ、微粒子(細胞)(3)を十分に捕捉して移動させることができない。100Vを超える電圧の大きさ及び/又は1μm未満の電極間距離の場合には、微粒子(細胞)(3)に対する電場(E)からの力が大きくなりすぎ、微粒子(細胞)自体を破壊してしまうためである。
微粒子(細胞)(3)を移動させる力Fdは次式にて表される。
【0022】
【数1】
【0023】
【数2】
【0024】
ここで、aは微粒子(細胞)(3)を球形としたときの微粒子(細胞)(3)の半径を表し、Re(x)は複素数xの実数部である。εpは微粒子(細胞)(3)の複素誘電率、εsは溶媒の複素誘電率である。またEmは印加される電場の振幅を表す。
上記力Fdの向きは、印加される交流電圧の周波数により変化し、周波数の選択により、微粒子(細胞)(3)を電場から離れる方向に向かわせることや一対の電極のいずれか一方に誘引させることや微粒子(細胞)(3)を停止させることが可能となる。また、作用する力の向きや大きさは微粒子(3)や懸濁液の種類によって異なるので、所望の移動動作をもたらすためには、微粒子や懸濁液の種類に応じて周波数が調整される必要がある。
また、交流電圧の振幅を変化させることにより、微粒子(細胞)(3)の移動速度を変化させることができる。
【0025】
尚、微粒子(3)が100μm以下である場合には、電気泳動により、微粒子(3)を移動させることができる。微粒子(3)が正の帯電をしている場合には、負の電極の方向へ移動し、微粒子(3)が負の帯電をしている場合には、正の電極の方向へ移動する。電極(4)に交流電圧を印加すると、電極(4)の正負は交互に変化するので、微粒子(3)は一対の電極(4)間を往復移動する。
【0026】
図3は、本発明に係る電極対式非接触型マニピュレーション装置の全体概略図である。マニピュレーション装置(10)は、主に顕微鏡(11)と電源(5)とモニタ装置(12)から構成される。
顕微鏡(11)の試料載置台が基底部(1)として用いられ、試料載置台(基底部)(1)上に微粒子(3)が懸濁された懸濁液が滴下され、懸濁液層(2)を構成している。懸濁液層(2)中には、一対の針状電極(4)が挿入されている。針状電極(4)は、交流電圧を発生させる電源(5)に電気的に接続されている。
電源(5)は、交流電圧の周波数や振幅や波形を変化可能であることが好ましい。また、交流電圧の波形を観察可能なように、電源(5)がオシロスコープと接続されること或いは波形表示機能を備えることが好ましい。更には、直流電圧を印加可能とされることが好ましい。
針状電極(4)は顕微鏡(11)に備えられた一対の操作アーム(6)にそれぞれ固定されている。操作アーム(6)は、上下方向、左右方向及び前後方向に移動可能とされる。一対の操作アーム(6)はそれぞれ独立して移動可能である。尚、操作アーム(6)の移動は、例えば電動モータにより行われ、針状電極(4)の精密な位置決め、回転或いは往復移動などの反復動作が可能とされることが好ましい。
懸濁液層(2)及び針状電極(4)の少なくとも先端部分は、基底部(1)上方の撮像装置(7)により撮像される。撮像装置(7)によって撮像された像は、モニタ(12)上に映し出される。
【0027】
図4は、図1乃至図3で示したマニピュレーション装置(10)を用いて、微粒子(3)を移動させるための一般的な手順を表すフローチャートである。
図4に示す如く、まず基底部(1)上に懸濁液層(2)を形成する。この段階において、懸濁液層(2)中の微粒子(3)の濃度が調整されることが好ましい。微粒子濃度が高すぎると、懸濁液層(2)に挿入される針状電極(4)に余計な微粒子(3)が付着しやすくなり、微粒子移動操作の妨げになるためである。また微粒子濃度が低すぎると、対象となる微粒子(3)を探すことが困難となるためである。
次に、対象微粒子(3)を選定する。モニタ(12)に映し出された微粒子(3)の像を観察し、所望の微粒子(3)を定める。例えば、微粒子(3)が細胞である場合に、ラベリング操作を施し、特定細胞のみを蛍光発色させ、蛍光発色した細胞を移動対象細胞としてもよい。
対象微粒子(3)の選定の後、対象微粒子(3)を間に挟むように針状電極(4)を配置する。尚、このとき針状電極(4)が対象微粒子(3)に接触しないようにする。
針状電極(4)を配置した後、交流電圧を印加する。このとき電圧の大きさは、低い電圧から高い電圧に徐々に増加させることが好ましい。最初に高い電圧を印加すると、対象微粒子(3)が細胞である場合に、細胞壁・細胞膜が破壊されるためである。
電圧を印加した後、モニタ(12)で対象微粒子(3)の挙動を観察しながら、交流電圧の周波数を調整する。例えば、対象微粒子(3)を針状電極(4)間に生ずる電場から押し出されるように移動させたい場合に、対象微粒子(3)が一方の針状電極(4)に誘引されているならば、周波数を増減させ、電場から押し出されるように調整すればよい。
また、このとき電圧の大きさを調整してもよい。例えば、対象微粒子(3)の移動速度が速すぎる場合には、電圧の大きさを減じて、移動速度を低減可能である。
電圧を調整した後、対象微粒子(3)が所望の方向に移動するように針状電極(4)を移動させる。
【0028】
次に、微粒子移動操作の具体例を示す。図5に、具体例として、楕円形状の細胞を対象微粒子(3)として考え、細胞(3)の長軸を界面に対して平行になるようにして、細胞(3)を界面近傍に配する操作を例示する。図5(a)乃至図5(d)は該操作形態を工程順に表している。
まず、細胞(3)の長軸は界面(I)に対して平行ではなく傾斜している(図5(a)参照)。また針状電極(4)には交流電圧が印加され、図4で示す電圧調整工程において、電圧周波数並びに電圧振幅は調整され、細胞(3)は電場(E)に押し出されるようにされている。
【0029】
針状電極(4)を界面(I)に向けて移動させると、細胞(3)の長軸端のうちの一方が電場(E)内に入る(図5(b)参照)。電場(E)内の長軸端は、電場(E)により押し出され、回転運動をする(図5(b)中、矢印方向)。
そして、細胞(3)の長軸が界面(I)に対して平行になるまで、針状電極(4)を界面(I)に向けて移動させる(図5(d)参照)。細胞(3)の短軸端が電場(E)によって押され、細胞(3)の界面(I)に対する平行状態を保ったまま針状電極(4)を移動させることで、細胞(3)の長軸を界面(I)に対して平行にして、細胞(3)を界面(I)近傍に配することが可能となる。
【0030】
図6は、電気泳動を用いた微粒子(3)の移動操作方法を示す。図6に示す移動操作形態は、微粒子(3)を界面(I)近傍に運搬することである。図6(a)乃至図6(c)は該移動操作時の微粒子(3)の移動を段階順に示している。
まず、図6(a)に示す如く、一対の針状電極(4)間に微粒子(3)が配されている。微粒子(3)は負に帯電されている。
ここで、交流電圧を針状電極(4)に印加すると、針状電極(4)の電圧の正負は交互に入れ替わる。図5(b)に示す如く、右側の針状電極(4)の電圧が正であり、左側の針状電極(4)の電圧が負であるとき、微粒子(3)は右方へ移動する。反対に、右側の針状電極(4)の電圧が負であり、左側の針状電極(4)の電圧が正であるとき、微粒子(3)は左方へ移動する。このように、微粒子(3)は針状電極(4)間を左右に往復運動しながら移動する。微粒子(3)の往復運動の間、針状電極(4)を界面(I)に向けて移動させると、微粒子(3)は左右に往復移動しながら、界面(I)に近づく。
【0031】
図7は、図5に示す微粒子移動操作方法の更なる応用形態である。図7に示す例においては、第1作業領域(F1)から第2作業領域(F2)へ楕円形状の細胞(3)を移動させる。第1作業領域(F1)と第2作業領域(F2)は、狭窄路(T)により、連通している。狭窄路(T)の幅は細胞(3)の長軸の長さよりも狭く且つ短軸の長さよりも広く形成されている。第1作業領域(F1)には、細胞(3)が存在し、第2作業領域(F2)には細胞(3)が存在していない。
図7(a)に示す如く、まず、細胞(3)は狭窄路(T)の壁面から延長する界面(I)に対して平行ではなく傾斜している状態である。ここで、図5に関連して説明した移動操作手順により、細胞(3)の長軸を界面(I)に対して平行にして、細胞(3)を界面(I)近傍に配する(図7(b)参照)。
次に、一方の針状電極(4)を第2作業領域(F2)へ配し、他方の針状電極(4)を第1作業領域(F1)に配する。ここで、一対の針状電極(4)を結ぶ線は狭窄路(T)の軸に対して略平行とされる。
この状態において、電圧の周波数を第2作業領域(F2)に配される針状電極(4)に、細胞(3)が誘引されるように調整する。この結果、細胞(3)は左方に移動する(図7(c)参照)。ここで、細胞(3)の長軸は狭窄路(T)の軸に対して平行であるので、細胞(3)が狭窄路(T)の壁と干渉することなく、狭窄路(T)を通過可能である。尚、図7(d)に示す如く、細胞(3)の移動に合わせて、針状電極(4)を左方に移動させてもよい。細胞(3)は狭窄路(T)を通過し、第2作業領域(F2)へ達する。
このように所望の細胞(3)を選択し、選択された細胞のみを非接触にて所定の空間へ運搬することを容易に行うことができる。また、第1作業領域(F1)と第2作業領域(F2)に配される微粒子の種類の分別作業を行うことが可能となる。
【0032】
図8は、図7に示した第1作業領域(F1)から第2作業領域(F2)へ電気泳動を用いて微粒子(3)を移動させる操作を示す。
まず、第1作業領域(F1)に存在する微粒子(3)左右に一対の針状電極(4)を配する(図8(a)参照)。そして、図6に関連して説明した操作と同様に、針状電極(4)に交流電圧を印加させ、針状電極(4)を狭窄路(T)の一方の壁から延長する界面(I)に近づける(図8(b)参照)。このとき、微粒子(3)は針状電極(4)間を左右に往復移動しながら界面(I)に近づく。
その後、一方の針状電極(4)を第2作業領域(F2)へ配し、一対の針状電極(4)同士を結ぶ線が狭窄路(T)の軸に対して平行になるようにするとともに該線が狭窄路(T)を通過するようにする。この状態で、第2作業領域(F2)に配される針状電極(4)の電圧を正とすることで、負に帯電した微粒子(3)は第2作業領域(F2)に配された針状電極(4)に引き寄せられ、狭窄路(T)を通過し、第1作業領域(F1)から第2作業領域(F2)に至る。
【0033】
上記図5乃至図8において、単純化して説明するために、一対の針状電極(4)が同じ方向、同じ速度で移動しているように説明されてきたが、実際の微粒子移動操作においては、一対の針状電極(4)は独立して操作される。即ち、モニタ(12)に表示される微粒子(3)の像に合わせて、所望の方向に微粒子が移動するように或いは所望の向きに微粒子の軸が向くように、針状電極(4)は独立して動かされる。
【0034】
図9は、細胞(3)内部器官を分離して回収する形態を示す。
図4に関連して説明した電圧印加段階において、比較的高い電圧を針状電極(4)に印加することによって、細胞外殻組織、即ち細胞壁や細胞膜を破壊することが可能となる。
図9(a)に示すように、細胞(3)を挟むように針状電極(4)を配置し、電圧を印加する。電圧の大きさを調整することにより、細胞外殻組織(31)が破壊され、細胞内部の器官(32)(図9において細胞核が内部器官として示されている)が細胞外殻組織(31)から放出される(図9(b)参照)。そして、細胞内部器官(32)を対象微粒子として、図5乃至図7に示すような方法で移動させることが可能である。
【0035】
以上に説明した装置の改良形態として、針状電極(4)先端以外の部分を絶縁体にて被覆してもよい。先端のみが絶縁体から露出することによって、電場の到達範囲をより限定することができるため、対象としない微粒子(3)を移動させることがなくなる。
また、以上に説明した微粒子操作以外にも他の操作も可能である。例えば、図5に関連して説明した操作を応用して、界面(I)上に複数の細胞をそれぞれの長軸を界面(I)に対して平行にして隣接して配列し、懸濁液中の細胞生息環境を劣化(例えば、細胞の生存に必要な養分を不足させるなど)させることにより、界面(I)上に隣接して配列された細胞を融合させることができる。細胞融合のその他の手段として、複数の細胞をそれぞれの長軸を界面(I)に対して平行にして隣接して配列し、一列に細胞が整列した細胞群を形成し、該細胞群の端部に針状電極(4)を近接させ、直流電圧を印加させることによって、細胞融合を生じせしめることも可能である。
【0036】
更に本発明は、上記説明において取り扱ってきた微粒子や細胞と比べて、形状安定性が低い液体から構成される微小領域の移動操作にも適用可能である。
上記説明の微粒子が懸濁された懸濁液層(2)の代わりに、一の液体(ここでは、第1液体と称する)で構成される液層を考える。そして、他の液体(ここでは、第2液体と称する)を該液層内に滴下する。第1液体と第2液体は異なる誘電率を備えるものとする。
第2液体が滴下されると、液層内には、第2液体に占められた微小な領域が形成される。ここで、針状電極(4)に印加される交流電圧の周波数を、電場(E)が第2液体に作用するように設定する。そして、移動対象となる第2液体の微小領域を選定し、該微小領域を挟むように且つ非接触で針状電極(4)を配置する。そして交流電圧を印加し、針状電極(4)を移動させる。
このようにして、液体で構成される微小空間を本発明は移動可能であるので、例えば、油滴で覆われた微粒子の運搬を行うことも可能である。
【0037】
上記において、針状電極(4)に対象微粒子或いは細胞を接触させることなく、移動操作を行う形態について説明してきたが、針状電極(4)にこれら対象物を接触させることによって、本発明独特の操作を行うことも可能である。
図5及び図6に関連して説明した細胞の回転動作は、異方性微小物体の回転であったが、図10には、球状体(3)(細胞、リポソーム、高分子微粒子)の回転操作を示す。図10は、懸濁液層を断面方向から見た図である。
本操作において、一対の針状電極(4)を懸濁液層(2)内の球状体(3)近くに挿入する(図10(a)参照)。そして、一方の針状電極(4)(図10において、右側の針状電極(4))に向かって移動するように、針状電極(4)間の交流電圧の周波数ならびに針状電極(4)の位置を調整し、球状体(3)を移動させる。そして、球状体(3)を針状電極(4)に接触させる(図10(b)参照)。この状態において、球状体(3)外壁と針状電極(4)との間には一定の付着力が生ずる。
その後、球状体(3)がこの針状電極(4)から離れる方向に誘電泳動力Fdが働くように交流電圧周波数を設定する。このとき、その誘電泳動力Fdが、上記付着力を超えないように交流電圧の周波数と振幅を設定する。
球状体(3)は付着した針状電極(4)から離脱することができない状態においては、誘電泳動力Fdが球状体(3)に対して回転モーメントとして作用し、球状体(3)は針状電極(4)上で回転することとなる。
このとき、交流電圧の周波数と振幅を変更することにより、回転数の調節を行うことが可能である。
尚、針状電極(4)を球状体(3)に接触させることなく、球状体(3)の近傍に配して、上記と同様の操作を行うことによっても、球状体(3)に回転動作を与えることは可能である。
【0038】
図11は、本発明の更なる応用形態を示す図である。
上記説明において、一対の電極(4)を用いて微粒子・細胞等(3)を移動或いは回転動作させる形態を示したが、二対或いはそれ以上の電極(4)を用いてもよい。図11は、二対の電極(4)を用いる形態を示している。
二対の電極(4)は、微粒子(3)を中心として、微粒子(3)周囲を取り囲むように90°間隔で配されている。二対の電極(4)のうち、一方の電極対(4a,4b)間には、電場(E1)が生じ、他方の電極対(4c,4d)間には電場(E2)が生じている。これら電場(E1,E2)が交錯することにより、例えば、微粒子(3)の回転動作の精度を高めることが可能となる。
【0039】
例えば、図11に示す例において、一方の電極対(4a、4b)と他方の電極対(4c、4d)の交流電圧の周波数並びに振幅を同じ値に設定する。そして、電極対(4a、4b)と電極対(4c、4d)の間の位相を90°ずらした設定にする。この結果、従来の回転電場法と同様に、印加電場が回転するため、それに応じて、微粒子(3)にトルクが働き、微粒子(3)は回転運動する(例えば、M. P. Hughes, 「Nanoelectromechanics in Engineering and Biology」 (CRC Press, 2003)参照)。
このようにすれば、微粒子(3)の回転速度を周波数と振幅の設定で、高精度に制御することが可能となる。
【0040】
図12は、二対の針状電極(4)を用いた他の例を示す。
図12に示す例は、図11に示す例と略同様であるが、電極(4b)が電極(4a)に隣接して配され、電極(4c)が電極(4d)に隣接して配されている。また、電極対(4a、4b)の間には、電場(E1)が生じ、電極対(4c、4d)の間には、電場(E2)が生じている。
【0041】
電極対(4a、4b)及び電極対(4c、4d)に印加される交流電圧の周波数、振幅を、微粒子(3)が針状電極(4)から離れるように調整する。
このようにすることによって、例えば、微粒子(3)を針状電極(4)先端間で往復動作させることが可能となる。
【0042】
一対の電極(4)を用いた場合、微粒子(3)の動作に対する入力パラメータは、電極(4)の位置並びに移動方向、電極(4)に印加される交流電圧の振幅及び直流電圧の大きさ、電極(4)に印加される交流電圧の周波数であったが、複数の電極対(4)を用いることで上記入力パラメータに加えて、電場(E1,E2)の交差角度、電極対(4)間に印加される交流電圧の位相差も微粒子(3)の動作に対する入力パラメータとすることが可能となる。例えば、電場(E1,E2)の交差角度の変更や調整を図4に示す電極移動段階で行うことが可能であり、電極対(4)間に印加される交流電圧の位相差の変更や調節を図4に示す電圧調整段階において行うことが可能である。
このようにして、微粒子(3)に対して、一層複雑な動作を与えることができ、所望の動作制御を行うことが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は、微粒子の移動、微粒子の分別、細胞融合、細胞内部器官の回収といった作業を効率よく行うことが可能な装置及び方法に好適に適用される。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明に係るマニピュレーション装置の主要部を示す図である。
【図2】図1に示す主要図の模式図である。
【図3】本発明に係るマニピュレーション装置の全体概略図である。
【図4】本発明に係るマニピュレーション方法のフローチャートである。
【図5】本発明に係るマニピュレーション方法の一例を示す図である。
【図6】本発明に係るマニピュレーション方法の一例を示す図である。
【図7】本発明に係るマニピュレーション方法の一例を示す図である。
【図8】本発明に係るマニピュレーション方法の一例を示す図である。
【図9】本発明に係るマニピュレーション方法の一例を示す図である。
【図10】本発明に係るマニピュレーション方法の一例を示す図である。
【図11】本発明に係るマニピュレーション方法の一例を示す図である。図11に示す例において、二対の電極を用いている。
【図12】本発明に係るマニピュレーション方法の一例を示す図である。図11に示す例において、二対の電極を用いている。
【図13】従来のマニピュレーション装置を示す図である。
【符号の説明】
【0045】
1・・・・・・・・・・・・・基底部
10・・・・・・・・・・・・マニピュレーション装置
11・・・・・・・・・・・・顕微鏡
2・・・・・・・・・・・・・懸濁液層
3・・・・・・・・・・・・・微粒子
4・・・・・・・・・・・・・電極
5・・・・・・・・・・・・・電源
F1・・・・・・・・・・・・第1作業領域
F2・・・・・・・・・・・・第2作業領域
T・・・・・・・・・・・・・狭窄路
Claims (19)
- 基底部と、
該基底部上に配されるとともに微粒子が懸濁された懸濁液層と、
該懸濁液層内に先端が挿入される少なくとも一対の針状電極と、
前記針状電極に交流電圧を供給する電源からなり、
前記少なくとも一対の針状電極が一体的に或いはそれぞれ互いに独立に移動可能とされ、
該少なくとも一対の針状電極の先端間において、電場を生じさせることを特徴とする電極対式非接触型マニピュレーション装置。 - 基底部と、
該基底部上に配される液層と、
該液層内に先端が挿入される少なくとも一対の針状電極と、
前記針状電極に交流電圧を供給する電源からなり、
前記少なくとも一対の針状電極が一体的に或いはそれぞれ互いに独立に移動可能とされ、
前記液層は、第1液体と該第1液体とは異なる誘電率を備える第2液体から構成され、
前記第2液体は、前記液層内の微小領域を占め、
前記少なくとも一対の針状電極の先端間において、電場を生じさせることを特徴とする電極対式非接触型マニピュレーション装置。 - 前記少なくとも一対の針状電極が、前記基底部に対して独立に移動可能であることを特徴とする請求の範囲第1項又は第2項記載の電極対式非接触型マニピュレーション装置。
- 前記電源が、前記交流電圧の周波数を変更可能であることを特徴とする請求の範囲第1項又は第2項記載の電極対式非接触型マニピュレーション装置。
- 前記電源が、前記交流電圧の振幅を変更可能であることを特徴とする請求の範囲第1項又は第2項記載の電極対式非接触型マニピュレーション装置。
- 前記電源が、前記交流電圧の交流波形を変更可能であることを特徴とする請求の範囲第1項又は第2項記載の電極対式非接触型マニピュレーション装置。
- 前記電源が直流電圧を印加可能であることを特徴とする請求の範囲第1項又は第2項記載の電極対式非接触型マニピュレーション装置。
- 前記基底部が顕微鏡により観察可能な観察領域に配され、
該顕微鏡が前記微粒子を観察可能であることを特徴とする請求の範囲第1項又は第2項記載の電極対式非接触型マニピュレーション装置。 - 前記少なくとも一対の針状電極が、複数対の針状電極であり、 該複数対の針状電極のうち、一の針状電極の対に印加される交流電圧の位相と、他の針状電極の対に印加される交流電圧の位相のずれが可変であることを特徴とする請求の範囲第1項又は第2項記載の電極対式非接触型マニピュレーション装置。
- 懸濁液層中の微粒子を選定する段階と、
該選定された微粒子を挟むように且つ該微粒子と接触しないように少なくとも一対の針状電極を配設する段階と、
前記針状電極に電圧を印加する段階と、
前記電圧の周波数を調整する段階と、
前記針状電極を移動する段階からなり、
前記少なくとも一対の針状電極が一体的に或いはそれぞれ互いに独立して移動することを特徴とする電極対式非接触型マニピュレーション方法。 - 前記懸濁液層が第1作業領域並びに第2作業領域に設けられ、
前記第1作業領域と前記第2作業領域が狭窄路を介して連通することを特徴とする請求の範囲第10項記載の電極対式非接触型マニピュレーション方法。 - 前記微粒子が楕円形状であって、
前記狭窄路の幅が前記微粒子の長軸長さよりも狭く、且つ短軸長さよりも広く形成されていることを特徴とする請求の範囲第11項記載の電極対式非接触型マニピュレーション方法。 - 前記少なくとも一対の針状電極が、複数の対の針状電極であって、
前記電圧の周波数を調整する段階が、更に、前記複数の対の針状電極のうち一の針状電極の対に印加される電圧の位相と、他の針状電極の対に印加される電圧の位相のずれを調整する段階を備えることを特徴とする請求の範囲第10項記載の電極対式非接触型マニピュレーション方法。 - 前記少なくとも一対の針状電極が、複数の対の針状電極であって、
前記針状電極を移動させる段階が、更に、前記複数の対の針状電極のうち一の針状電極の対の間に発生する電場と、他の針状電極の対の間に発生する電場の交差角を変化させる段階を備えることを特徴とする請求の範囲第10項記載の電極対式非接触型マニピュレーション方法。 - 前記微粒子が細胞であって、
前記針状電極を移動させる段階において、前記細胞が他の細胞と隣接して配された後、 前記懸濁液層中の細胞の生存に必要な養分を不足させることを特徴とする請求の範囲第10項記載の電極対式非接触型マニピュレーション方法。 - 前記微粒子が細胞であって、
前記針状電極を移動させる段階において、前記細胞が他の細胞と隣接して配された後、 前記隣接して配列された細胞からなる細胞群の端部に直流電圧を印加することを特徴とする請求の範囲第10項記載の電極対式非接触型マニピュレーション方法。 - 前記針状電極を移動させる段階において、前記細胞の向きを調整することを特徴とする請求の範囲第15項又は第16項に記載の電極対式非接触型マニピュレーション方法。
- 懸濁液層中の細胞を選定する段階と、
該選定された細胞を挟むように且つ該細胞と接触しないように少なくとも一対の針状電極を配設する段階と、
前記針状電極に電圧を印加し、前記細胞の外殻組織を破壊し、前記細胞の内部器官を細胞から放出させる段階と、
前記内部器官を選定し、該選定された内部器官を挟むように且つ該内部器官と接触しないように前記少なくとも一対の針状電極を配設する段階と、
前記針状電極に電圧を印加する段階と、
前記電圧の周波数を調整する段階と、
前記針状電極を移動する段階からなり、
前記少なくとも一対の針状電極が一体的に或いはそれぞれ互いに独立して移動することを特徴とする電極対式非接触型マニピュレーション方法。 - 第1液体からなる液層内に、該第1液体とは異なる誘電率を備える第2液体を滴下する段階と、
前記液層に形成された前記第2液体からなる領域の1つを選定する段階と、
該選定された領域を挟むように且つ該領域と接触しないように少なくとも一対の針状電極を配設する段階と、
前記針状電極に電圧を印加する段階と、
前記電圧の周波数を調整する段階と、
前記針状電極を移動する段階からなり、
前記少なくとも一対の針状電極が一体的に或いはそれぞれ互いに独立して移動することを特徴とする電極対式非接触型マニピュレーション方法。
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