JP3600874B2 - 細胞刺激装置及び細胞刺激方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、細胞刺激装置及び細胞刺激方法に関するものである。より詳細には、本発明は、培養細胞に非接触の状態で該培養細胞に電気的刺激を与えることができる細胞刺激装置及び細胞刺激方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
神経細胞の特徴の一つは、細胞自体が神経活動と呼ばれる電気的な活動を有することである。未熟な神経細胞が分化・発達していく過程において、神経細胞は神経伝達物質や神経栄養因子などの刺激に反応してイオンチャンネルや伝達物質受容体などを発現し、神経細胞固有の伝達物質感受性や興奮性(固有の神経活動)を獲得していき、そのパターンが神経細胞の個々の歴史や個性を表現していると考えられる。また、近年ではこの神経活動、即ち電気的な刺激が逆に神経に関連する物質の動態を制御していることも明らかとなってきている。
【0003】
本発明者らはこれまで、神経活動とその生物学的役割を明らかにするために研究を行ってきた。その結果、神経活動のパターン(電気的活動のパターン)が情報コードシステムとして働いている可能性があることが明らかになってきた。本発明者らの研究の最終的な目標は、神経活動のパターンを制御することにより脳の可塑性を制御することであるが、そのために重要なことは、神経活動(神経インパルス)のパターンの持つ役割を明らかにし、神経活動のパターンを解読し、神経活動のパターンのプロファイリングを行うことである。そのためには、人為的によくコントロールされた刺激条件下で実験を行うことが必要であった。
【0004】
また、神経細胞の電気的な活動を制御することにより、脳の可塑性を制御し、治療に応用することも可能である。再生医療においても、特に神経の再生においては、神経細胞の電気的な活動を持たせることが正常な機能を獲得する上で必須と考えられている。そのためには、生体外で効率よく大量の神経細胞に細胞を傷つけることなく、直接電気刺激を与えるための電気刺激装置が必須であった。
【0005】
細胞に電気刺激を与えるための従来の方法としては、(1)電極を神経細胞に挿入することにより刺激する方法、または(2)刺激用電極基盤上に神経細胞を接着させることにより刺激する方法が知られている。しかし、上記(1)の方法では、一度に多数の細胞を刺激することが困難であり、また細胞へのダメージも大きいという欠点がある。また、上記(2)の方法では、電極基盤上に接着できる神経細胞は極めて少なく、実用的な刺激装置として機能させることは困難であるという欠点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記した従来技術の問題点を解消することを解決すべき課題とした。即ち、本発明は、生体外で効率よく大量の神経細胞に、細胞を傷つけることなく、直接電気刺激を与えるための電気刺激装置を提供することを解決すべき課題とした。本発明はまた、生体外で効率よく大量の神経細胞に、細胞を傷つけることなく、直接電気刺激を与えることができる細胞刺激方法を提供することを解決すべき課題とした。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、支持板に取り付けられた同一方向に延びる複数の正負の電極と、培養細胞から一定距離離れたところで上記複数の正負の電極を支持する手段とを備える細胞刺激装置を用いることにより細胞に所望の電気的刺激を与えることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち、本発明によれば、培養細胞に非接触の状態で該培養細胞に電気的刺激を与える装置であり、該装置が支持板に取り付けられた同一方向に延びる複数の正負の電極と、培養細胞から一定距離離れたところで前記複数の正負の電極を支持する手段とを備えることを特徴とする、細胞刺激装置が提供される。
【0009】
本発明の好ましい態様によれば、該基枠の内側において培養細胞を入れるための培養容器を支持する容器支持手段と、前記基枠の内側に設けられ、前記複数の正負の電極と接続可能な複数のコネクタとを更に備え、前記複数のコネクタは電気信号発生装置に接続されていることを特徴とする、上記の細胞刺激装置;
前記基枠には前記電気信号発生装置に接続可能なアダプタが設けられ、前記複数のコネクタが前記基枠内部の配線によりそれぞれ前記アダプタに接続されていることを特徴とする、上記の細胞刺激装置;
前記容器支持手段が、前記基枠に対して着脱可能であることを特徴とする、上記の細胞刺激装置;
前記複数の正負の電極が3〜10mm間隔で配置されていることを特徴とする、上記の細胞刺激装置:
複数の電極が個別に制御されていることを特徴とする、上記の細胞刺激装置;並びに、
細胞と電極との間の距離をインピーダンスを測定することにより一定に保つことができることを特徴とする、上記の細胞刺激装置:
が提供される。
【0010】
本発明の別の側面によれば、培養細胞を含む培養プレートに複数の正負の電極を、該培養細胞が形成する面に対して同一の方向から該細胞に接触しないように設置し、該電極を用いて電場を形成し、該電場により該培養細胞を刺激することを特徴とする、細胞の電気的刺激方法が提供される。
【0011】
本発明の好ましい態様によれば、
培養細胞が神経細胞である、上記の細胞の電気的刺激方法;
複数の正負の電極を3〜10mm間隔で設置する、上記の細胞の電気的刺激方法;
複数の正負の電極による電気的刺激のタイミングをずらして培養細胞を刺激することを特徴とする、上記の細胞の電気的刺激方法;並びに、
上記した本発明の細胞刺激装置を用いて細胞を電気的に刺激する、上記の細胞の電気的刺激方法:
が提供される。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明に係る細胞刺激装置1の基枠3及びこれに設けられる部材を示す正面図である。基枠3は中空部材を使用して矩形形状に構成されており、該矩形形状の内側に収納部5が形成されている。また収納部5には細胞の入った培養容器たるシャーレ(図1には図示せず)を載せるための容器支持手段たる培養用トレー7が上方へ着脱可能な状態で設けられており、培養用トレー7には、ガスや水蒸気を通すための複数の穴9が全体に亘って形成されている。
【0013】
基枠3の内側には一例として6つのコネクタ11が設けられており、これらコネクタ11には各々後述する電極装置の基端側コネクタが接続できるようになっている。各コネクタ11からは配線13が延びており、配線13は基枠3を構成する中空部材内を通り、その他端側が基枠3の外側に設けられるアダプタ15に各々接続されている。
【0014】
アダプタ15には図2に示す切換装置17が適宜の配線を介して接続可能である。図2(a)は切換装置17の前面側を示し、図2(b)は切換装置17の背面側を示す。本例の切換装置17では、電極へのパルス電流の切換えを最短で1ミリ秒毎に行えるようにトランジスタが搭載されている。
【0015】
図2(a)に示すように切換装置17の前面側には、アイソレータ19(図3参照)に接続するための接続端子21、各チャンネルの情報を設定するためのスイッチ23、各チャンネルのパルスを設定するためのスイッチ25、各チャンネルのためのON−OFFスイッチ27及び主電源28が設けられている。ON−OFFスイッチ27は、横方向のch1、ch2・・・ch32及び縦方向のp1、p2・・・p32によってその位置を特定するマトリックス状に配列されたスイッチ群から構成されており、これらから任意の2以上のスイッチを選択してONにすることにより、後述する各電極間に選択的にパルス電流を供給できるようになっている。
【0016】
また図2(b)に示すように切換装置17の背面側には、アダプタ15への出力接続部29、100V電源に接続可能な接続コンセント31及びアイソレータ19からの信号を受け入れる入力部33が設けられている。
【0017】
図3は切換装置17とアイソレータ19との接続状態を示す図である。アイソレータ19は後述する電極装置35に正確に電気が流れるように制御する装置であり、複数の電極装置35に同時にパルスを供給する場合には各電極装置35に対して各々アイソレータ19を対応させて用意する必要がある。一方、複数の電極装置35に時間をずらしてパルスを送るようにする場合には、1つのアイソレータ19だけで対応することができる。この点については後述する。
【0018】
図3に示すように切換装置17の接続端子21からアイソレータ19へ送られた電気はアイソレータ19において所定の電極に応じたパルス数の電気信号に変換され、これが切換装置17の入力部33へ入力する。入力部33へ入ったパルス信号は出力接続部29よりアダプタ15を介して所定のコネクタ11から以下説明する電極装置へ供給されるようになっている。尚、切換装置17及びアイソレータ19は電気信号発生装置に対応する。
【0019】
以下、本発明の特徴的構成を備える電極装置35について図4〜図6を参照しながら説明する。図4は、電極装置35を細胞37の入ったシャーレ39にセットした状態を示す側面図である。電極装置35は支持板41を備えており、該支持板41の上面から配線43が延び、該配線43の末端にはコネクタ11に接続可能な基端側コネクタ12が形成されている。また電極装置35の下面からは、3〜10mm間隔で配置された複数の正負の電極45が下方へ延びている。
【0020】
電極装置35は、シャーレ39の蓋部47に形成された開口部に対して支持されるようになっており、このとき電極装置35から下方へ延びる電極45の少なくとも先端部分が、シャーレ39内の培地49に挿入されるが、細胞37には直接触れないような高さに維持されるようになっている。尚、電極装置45の高さを維持するための構造は、図4に示すような構造に限定されるものではなく、例えば電極装置35自体を直接シャーレ39の上端に支持させるようにしたり、適宜の補助具等を使用して、これにより電極45の先端が細胞37に直接触れないように支持するようにしてもよい。
【0021】
電極45の先端以外の部分は絶縁塗料が塗布されているため、培地49中への通電は電極45の先端部分のみから行われる。電極45は、図5に示すようにほぼ等間隔に整列して配置されており、上述したON−OFFスイッチ27における例えば2つのスイッチを選択的にONにすることにより、該ONにしたスイッチに対応する2つの電極45a、45b間に予め設定したパルス電流を流すことができる。
【0022】
1つのアイソレータ19を使用して複数の電極45にパルス電流を供給する場合には、第1セットの電極にパルス電流を流した後、一定間隔をあけて第2セットの電極にパルス電流を流し、その後も一定間隔をあけて第3〜第nセットの電極にパルス電流を流し、これを繰り替えす方法を採ることができる。
【0023】
例えば10個の電極45があり正負で1組となったセットが5個ある場合を仮定する。例えば全てのセットを1Hzで30分間刺激したい場合、1秒に1回の刺激が30分間続くようになる。2セット目の刺激は1セット目のパルス電流が流れた後、1.1ミリ秒後に行われ、3セット目は1.2秒後、4セット目は1.3秒後、5セット目は1.4秒後にそれぞれパルス電流が流れ、その後1セット目にパルス電流を流すという工程を循環させる。これにより30分後には30ミリ秒以内の誤差で刺激が全体に平均的に与えられるようになる。全体での刺激をどのように設定するかの条件に応じて、各セットの刺激タイミングを変えることもできる。上記の実施の形態では5セットの電極に全て異なるタイミングでパルス電流を流しているが、例えば2つのアイソレータ19を使用することにより、第1セットの電極と第3セットの電極から刺激が開始され、それぞれ第2、第3・・・の各セット、また第4、第5・・・の各セットというように2つの循環パターンで電極を順次刺激していくことも可能である。
以下の実施例により本発明をさらに具体的に示すが、本発明は実施例によって限定されるものではない。
【0024】
【実施例】
実施例1:分泌型ニューレグリンを特異的に認識する抗体の作製
(1)抗原ハプテンペプチドの設計
タンパク質の限定分解反応を補足する抗ペプチド抗体を調製するためには、標的とする基質タンパク質の切断部位に関する情報が必要である。本実施例では分泌型ニューレグリンのC末端を含む短いペプチド(5merあるいは6mer)にシステイン残基を付加したペプチドを合成し、ハプテンとして用いた。具体的には、Cys−Glu−Leu−Tyr−Gln及びCys−Glu−Leu−Tyr−Gln−Lysの混合ペプチドを抗原として用いた。
【0025】
(2)用いた試薬
・合成ハプテンペプチド
・KLH(keyhole limpet hemocyanin) in 50%グリセロール(約80%mg/ml) 〔Calibiochem社〕
・DMFA (ジメチルホルムアルデヒド)
・MBS (m−マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル)〔Pierce社〕
・ゲル濾過カラム(ファルマシアPD−10)
・50mMリン酸ナトリウムバッファー (pH7.5)
・100mMリン酸ナトリウムバッファー (pH7.2)
【0026】
免疫
・フロイント完全アジュバント(FCA)
・フロイント不完全アジュバント(FIA)
・シリンジ・注射針など
【0027】
抗体のアフィニティー精製
・100mM HEPESバッファー (pH7.5)
・Affigel 10または15〔バイオラッド社〕
・30%酢酸
・20%エタノール
・PBS
・50mMクエン酸バッファー(pH3.0)
・2Mトリスバッファー(pH9.5)
・20%グリセロール含Na−PBS
【0028】
(3)抗原(ハプテン/キャリア複合体)の調製
▲1▼ MBS/活性化KLHを調製する。KLH約40mg(0.5ml)を50mM リン酸ナトリウムバッファー(pH7.5)1.5mlに加え、スターラーを用いて撹拌する。次に、9.3mgのMBSを0.38mlのDMFAに溶解したものを(用時調製)、これに加える。MBS添加後、室温で30分撹拌する。その後、2,000rpmで2分程度遠心し、上清を以下で用いた。
【0029】
▲2▼ MBS/活性化KLHをフリーのMBSから分離する。ファルマシアPD−10カラムをを50mM リン酸ナトリウムバッファー(pH7.5)40〜50mlで洗浄し、平衡化しておく。これに▲1▼の遠心上清2mlを添加し、ゲルに浸潤した後に0.5mlのバッファーを加える。浸潤し終わった時点で溶出液の回収を始め(最初の2.5mlをprevoidとして捨てる)、2mlの溶出液(MBS/活性化KLH)を回収する。これで4回分のカップリングに使用することのできる標品が得られる。
【0030】
▲3▼ 合成ハプテンペプチドを活性化KLHにカップリングする。合成ペプチド5mg程度を4.5mlの100mMリン酸Naバッファー(pH7.2)に溶解し、撹拌する。この際、pH試験紙を用いて溶液のpHが下がっていないことを確認する。これに、0.5mlのMBS/活性化KLHを加え、4℃で一昼夜撹拌する。その後、透析する必要はない。これを免疫原として使用する。保存は−20℃または−80℃で行う。
【0031】
(4)免疫
▲1▼ ウサギを用いてポリクローナル抗体を調製した。まず、体重約3kgのウサギに対して1次免疫を行う。抗原溶液0.3mlに対して0.6mlのFCAを加え、撹拌後、超音波処理〔Branson Sonifier 185 (bath type)、power7〜10、3分程度〕によってエマルジョンを調製する。これを、左右の背筋上に位置する皮下部分に10ヶ所程度に分けて注射する。注射針は18Gあるいは21Gを用いる。
▲2▼ 約1ヵ月後に2次免疫を行う。この場合は、0.3mlの抗原溶液に対して0.6mlのFLAを用いて、同様にエマルジョンを調製する。左右の大腿筋に注射する。
▲3▼ 2次免疫の2週間後と4週間後に、3次免疫及び4次免疫を行う。この場合は、0.15mlの抗原溶液を0.45mlのPBSで希釈し、▲1▼と同様に背中に皮下注射を行う。用いる注射針は26Gでよい。
▲4▼ 4次免疫の約1週間後に、部分採血を行う。40〜50ml程度採血し抗体の生成状態をチェックした後、アフィニティー精製を行う。良好であれば、約1ヶ月休ませて、2回ほど追加免疫を行って、全採血を行う。
【0032】
(5)抗体のアフィニティー精製
▲1▼ アフィニティーゲルを調製する。アフィニティー担体としてはAffigel 10または15を用いる。まず、ハプテンペプチド1〜5mgを4mlの100mM HEPESバッファー(pH7.5)に溶解する。次に、1〜2mlのAffigelをグラスフィルター上で吸引洗浄し(氷冷蒸留水10ml×2回)、直ちにペプチド溶液に加える。一昼夜4℃で回転撹拌した後、フリーのペプチドを除くために、再度グラスフィルター上で吸引洗浄する。この場合は、十分量の蒸留水以外に30%酢酸や20%エタノールを用いて完全に洗浄し、最後にPBSで平衡化しておく。保存は冷蔵で行う。
【0033】
▲2▼ 特異的抗体をアフィニティーカラムに吸着させる。アフィニティーゲルをカラムに(内径5〜10mm程度)に詰め、PBSで洗浄する。非働化血清10mlを同量のPBSで希釈し、フィルター(0.22または0.45μm)を通し、カラムに添加する。透過液を回収し、3〜4回再添加を繰り返す(流速は1ml/分程度)。さらに、約50mlのPBSでカラムを洗浄する。
【0034】
▲3▼ 抗体を回収する。あらかじめ0.5mlの2Mトリスバッファー(pH9.5)を入れておいたチューブに、アフィニティーゲルから抗体を溶出させる。溶出は、5mlの50mMクエン酸バッファー(pH3.0)を1ml/分程度の速度で添加して行う。次に、溶出液を透析チューブに移し、20%グリセロール含Na−PBSに対して透析を行う(4℃、一昼夜)。抗体の定量は、280nmの吸収を計測して行う(1mg IgG/ml、A280=1.4)。通常、1〜10mgの特異的IgGが回収される。保存は、分注後−80℃で行う。
【0035】
実施例2:ニューレグリンの病態作用機序
(方法)
(1)細胞の調製
脳橋核の神経細胞および小脳顆粒細胞を各々E18BALB/CおよびP7マウスから標準法によって調製した。7 DIV(days in vitro)培養物を、両方の細胞種におけるPMA及び電気刺激のために使用した。顆粒細胞は、受容体サブユニット発現の定量のために、10mMのKCl条件下インビトロで1〜21日間培養した。脳橋核ニューロンは、10%馬血清を含むDMEM(Gibco BRL)で1又は2日間培養し、その後、B−27(Gibco BRL)を補充したNeurobasal培地(Gibco BRL)で維持した。培養物には、B−27(Gibco BRL)を補充したNeurobasal培地(Gibco BRL)から成る培地を供給した。GFPタグ及びベクターを含む全長のNRGプラスミド(pEGFP、Clontech)をLipofectamine(登録商標)2000(Gibco BRL)により各々トランスフェクションした(脳橋核のトランスフェクション効率;1〜3%、顆粒細胞;5〜10%)。トランスフェクションの24〜36時間後にニューロンを1μMのPMA(Tocris)で60分間刺激した。
【0036】
(2)切断型のNRGの検出
本実施例における電気刺激は、本明細書中上記した構造を有し、図1から6に示した構造を有する細胞刺激装置を用いて行った。
組み換え全長mNRGをトランスフェクションした5×10〜5×10細胞に30分間の電気刺激(1mA、30〜60V細胞外)を加えた後、細胞から得られた条件培地を回収し、セントリコン10及び100(Millipore)を用いて濃縮し、大分子量(>100kD)及び小分子量(<10kD)のタンパク質を除去した。7DIVの顆粒細胞は、脳橋核ニューロン及び顆粒細胞から得た濃縮条件培地で処理した。ErbBリン酸化において、ポリクローナル抗−ErbB4抗体(Santa Cruz)による免疫沈降後に、マウスモノクローナル抗ホスホチロシン抗体(4G10)を用いて標準法によりウエスタンブロット分析を行った(Rieff HI他 J Neurosci, 19(24), 10757−10766(1999))。免疫沈降試験のために、ライセートを免疫沈降抗体の適当な稀釈物と一緒に4℃で1時間インキュベートした後、プロテインA−Sepharoseと一緒に4℃で1時間インキュベートした。次いで、ライセートを15000rpmで3分間遠心し、上清を廃棄した。ペレットを溶解緩衝液で2回洗浄し、ゲルローディング緩衝液に再懸濁した。試料を3分間煮沸し、タンパク質を電気泳動で分離した。
【0037】
CREBリン酸化を検出するために、7DIVの培養顆粒細胞を、条件培地で10〜15分間刺激した後、4%パラホルムアルデヒドで10分間固定化し、ポリクローナル抗−NRGβ1抗体、ポリクローナル抗−PCREB抗体(BioLabs)で染色した。染色した顆粒細胞をレーザー共焦点顕微鏡(Carl Zeiss)で観察した。Alexa(登録商標)染料(Molecular probe)を二次抗体として使用した。
【0038】
(結果)
(1)脳橋核ニューロン及び小脳顆粒細胞におけるNRGの膜貫通型のタンパク質分断
図7Aの実験で使用した小脳顆粒細胞及び脳橋核ニューロンの分散初代培養物の状態を調べた。脳橋核ニューロン(PN)は、18日目の胚(E18)から調製し、小脳顆粒細胞(GC)は出生後7日目(P7)から調製した。培養ニューロンでのmNRGのタンパク質分断の有無を調べるために、抗ErbB及び抗ホスホチロシン抗体による免疫沈降、及び抗PCREB抗体を用いた免疫細胞化学分析を、GFP−tagを含む組み換え全長NRGβ1をトランスフェクションした場合としない場合について、PKC活性化因子であるホルボール−12−ミリステート−13−アセテート(PMA)で60分間刺激した脳橋核ニューロン及び顆粒細胞を用いて行った。
【0039】
苔状線維と顆粒細胞の間のシナプスにおけるNRG受容体に関連して、ErbB2及びErbB4が小脳系に関与していることは既報である(Ozaki M 他 Nature, 390, 691−694(1997);及びOzaki M 他 Neurosci Res, 30 (4), 351−354(1998))。ErbB4の発現は、小脳顆粒細胞ではインビトロ及びインビボでErbB2の発現よりも強かった。サイクリックAMP応答部位結合タンパク質(CREB)のリン酸化が、ErbB4シグナル伝達経路のさらに下流に関与していた(Taberbero A 他 Mol Cell Neurosci, 10, 309−322(1998))。PMAで処理後の脳橋核ニューロン及び顆粒細胞の培養物の条件培地を回収し、濃縮し、顆粒細胞に5〜10分間適用した。抗ErbB4抗体による免疫沈降後に、顆粒細胞からのライセートをSDS−PAGEで解析し、ブロットを抗−ホスホチロシン抗体(抗−TYK)で検出した。トランスフェクションしない脳橋核ニューロン(None)、ベクターをトランスフェクションした脳橋核(vPN)、NRGをトランスフェクションした脳橋核ニューロン(tPN)、ベクターをトランスフェクションした顆粒細胞(vGC)、及びmNRGをトランスフェクションした顆粒細胞(tGC)から、条件培地を回収した。mNRGをトランスフェクションした脳橋核ニューロン及び顆粒細胞は共に、トランスフェクションしないニューロン及びベクターのみをトランスフェクションした細胞と比較して、強いリン酸化活性を示した(図7B、図7C)。上昇したsNRG量は、顆粒細胞を用いてErbBリン酸化によって確認した。mNRGをトランスフェクションしたニューロンから得られた条件培地による180kDのチロシン−リン酸化バンドは、PMA刺激を用いた場合に顕著であった(図7B)。トランスフェクションした脳橋核ニューロン及び顆粒細胞をPKC阻害剤であるH7で処理した場合の条件培地では、リン酸化活性は抑制された。内在性NRGはErbBリン酸化の顕著な活性を示さなかった。しかし、リコンビナント(組み換え)mNRGを培養ニューロンにトランスフェクトした場合、ErbB4リン酸化は顕著であった。これらの結果は、PKC活性化後にsNRGが組み換えmNRGから産生したことを示す。図7Cにおいて、リン酸化の比率は、ErbB4抗体による免疫沈降後にブロットしたErbB4シグナルに対して標準化した。
【0040】
CREB−リン酸化の結果を図7のDに示す。PMA刺激(60分間)により放出される可溶型をスピンカラムを用いて濃縮し、培養顆粒細胞に添加した。刺激した顆粒細胞を固定後、抗ホスホCREB抗体で染色した。脳橋核ニューロンからの条件培地を刺激(a、b及びc)のために使用し、顆粒細胞培養物からの条件培地を刺激(d、e及びf)のために使用した。パネルDは、コントロール(a、d)、ベクター(b、e)及び全長NRG(c、f)を示す。条件培地(c及びf)は、切断された内在性及び組み換えのNRGを有するはずである。cからbの引き算及びfからeの引き算は、組み換えmNRG由来のsNRGにより誘発されるCREBリン酸化を示す。条件培地による5分以上の処理後に、異なるCREBリン酸化が観察された。生培養顆粒細胞を使用した場合には、KCl刺激によるNRGの放出は明白には観察されなかった。
【0041】
全長mNRGをトランスフェクションした脳橋核ニューロン及び顆粒細胞からの条件培地は、ErbB−及びCREB−リン酸化の異なる活性を示した。ErbB−及びCREB−リン酸化活性の測定から、タンパク質分断に必要なアミノ酸配列を同定した。図7E及び7Fに示す通り、ELYQKRVLT領域内の欠失変異体は、タンパク質分断を明白には示さなかった。この領域内のKからGへの点変異は表、図7Fに示す通り切断の減少を生じた。NRGはメタロプロテアーゼ(ADAMs)ファミリープロテアーゼの基質として報告されている(Shirakabe K 他 J Biol Chem, 276(12), 9352−9358(2000))。メタロプロテアーゼによるNRG切断は、主としてゴルジ体で起こると報告されている。mNRGのある種のタンパク質分断は細胞表面で起こることが報告されている(Loeb JA 他 Mol Cell Neurosci, 11(1−2), 77−91(1998))。NRGのタンパク質分断は、細胞の種類、NRG及びプロテアーゼのタンパク質局在、及び時期に依存して複数のプロテアーゼによって調節されている可能性がある。
【0042】
(2)パターン化電気刺激によるNRGのタンパク質分断
CREB−リン酸化活性を、抗−PCREB抗体を用いた免疫細胞化学分析により測定し、電気刺激による小脳顆粒細胞のCREBリン酸化の最適条件を調べた。顆粒細胞を異なる周波数で5分間電気的に直接刺激した(図8のA及びB)。1Hzから100Hzの周波数でリン酸化活性が検出され、50Hzが最適であった。50HzでのCREB−リン酸化活性は、ナトリウムチャンネルブロッカーTTXで36.6±5.45%ブロックされた。図Bにおいて、PCREB−陽性細胞を計測し、全細胞数に対して標準化した。これらの実験は、異なる周波数によりニューロン細胞内に異なる状況が生じることを示唆する。NRGのタンパク質分断に最適な周波数は50Hzであった。
【0043】
NRGのタンパク質分断が異なるパターンの電気刺激で生じるかどうかを確かめるために、異なる周波数での電気刺激後に、ErbBリン酸化を抗−TYK及び抗−ErbB4抗体を用いた免疫沈降により検出した。抗−ErbB4抗体で落とした切断型NRGは、抗TYK抗体を用いた免疫ブロットにより検出した。抗TYKを使用して、リン酸化したErbB受容体を認識した。リン酸化の効率は、ErbB4シグナルに対して標準化することにより測定した。リン酸化シグナルは、他の周波数の場合と比較して50Hzの刺激で有意に強かった(図9A及び図9B)。条件培地のCREB−リン酸化活性も50Hzの刺激が最適であった。図8B及び図9Dのグラフは同様のパターンを示す。
【0044】
上記方法を使用後、図9E及び9Fに記載した方法を使用して切断型のNRGを検出した。実施例1で作製した切断型ニューレグリンのC末端のみを認識する抗体(抗sNRG抗体)を使用した。電気刺激後、約1×10個のトランスフェクションした顆粒細胞を使用して条件培地を回収した。100kD以上及び10kD未満のタンパク質をセントリコン10及び100遠心濾過を用いて除去し、セントリコン10によりさらに濃縮した。その後、抗sNRG抗体を用いて免疫沈降を行い、NRGのβ1アイソフォームのみを認識できる抗−NRGβ1抗体を用いてイムノブロットした。ブロットを図9Gに示す。切断したNRGのシグナルは約30kDの位置に検出された。H7で50Hzの刺激の場合、切断型のNRGのシグナルは明白には検出されなかった。以上の結果から、sNRGは、特定のパターンの電気刺激により開始かつ制御されたタンパク質分断によりmNRGから産生することが判明した。
【0045】
実施例3:伝達受容体発現機構の解析
(方法)NMDA及びGABAA受容体サブユニットのリアルタイム定量分析
電気刺激後、リアルタイム定量分析(ABI prism 7700, Perkin Elmer)を行った。Primer Express(PE Biosystems)を用いてプライマー及びTaqManプローブを設計した。各プライマーにより増幅したPCR産物はアガロースゲル上でシングルバンドであった。産物を直接配列によって確認した。使用した全プライマーは他の遺伝子と交差しなかった。薬理実験では、TTX(1μM、Tocris)、D−AP5(50μM、Tocris)、MK801(25μM、Tocris)、CNQX(10μM、Tocris)、Cd(100μM、Wako Inc.)及びEGTA(1mM、Sigma)を使用した。
【0046】
(結果)電気刺激により制御されたNMDA及びGABAA受容体サブユニットの発現
NMDA及びGABAA受容体サブユニット発現を制御できる電気活性のパターンを調べた。リアルタイム定量化ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法を用いて、NMDA及びGABAA受容体サブユニットのmRNAの発現を、インビトロで1〜21日目の培養中で定量した。先ず、培養顆粒細胞中のNMDA及びGABAA受容体の各サブユニットのmRNA発現レベルを調べた(図10A)。ニューロン特異的エノラーゼ(NSE)を対照として用いた。P7マウスから調製した7DIV(days in vitro)培養ニューロンの性質は、成熟期でインビボでP14マウスのものと理論的に同一である。インビボのP14で、NR2B発現は小脳顆粒細胞でシャットダウンする一方、NR2C発現は全顆粒細胞で見られる。NMDA受容体のサブユニットの切り替えはマウスではP14でほぼ終了した。一方、GABAAのα1、β2及びγ2サブユニットはインビボのP14で大量発現していた。インビトロの状況をインビボに適合するように調整するために、インビトロで7日間培養した顆粒細胞を選択して電気刺激した。
【0047】
培養顆粒細胞を異なる周波数(0〜100Hz)で1mAで30分間刺激した(図10B、10C)。刺激後の細胞の生物学的活性は化学染色及び抗NRG抗体染色によって確認したが、生細胞数の有意な差異は何れの場合も見られなかった。NMDA受容体NR2B及びGABAAα2、γ1の場合、電気刺激の効果は何れの周波数でも明白には検出されなかった。NMDA受容体NR2Cサブユニットの発現は、1Hz及び100Hzの周波数での直接刺激によって促進され、100Hzなどの高周波数での刺激で検出された増加はTTXによりブロックされた。1Hzの刺激によるNR2Cの増加は、TTXにより強くはブロックされなかった。GABAA受容体β2サブユニットの場合、mRNA発現は、0.1から10Hzの低周波数の刺激で増加した。低周波数の刺激による増加はTTXにより部分的にブロックされたが、100Hzによるβ2の増加はTTXによりブロックされなかった。
【0048】
薬理学的実験によれば、NMDA及びAMPA受容体活性、並びにカルシウムチャンネルがNR2C及びβ2発現の保持に関与していることが示された。1Hzで刺激したNR2Cでは、mRNAの発現はNMDA、AMPA受容体アンタゴニストにより強く阻害された。刺激周波数100Hzでは、特にMK801(非競合NMDA受容体アンタゴニスト)がNR2C増加を強くブロックした。また、カルシウムチャンネルは、AMPA受容体よりもNR2C発現に寄与していた。1Hzで刺激したβ2では、刺激周波数1HzのNR2Cの場合と同様の結果であった。100Hzで刺激したβ2のmRNAの増加は、NMDA、AMPA受容体アンタゴニスト及びカルシウムチャンネルブロッカー(非特異的ブロッカー;Cd&EGTA)により阻害された。NR2C及びβ2の両方の場合で、カルシウムチャンネルブロッカーは高周波数でサブユニットの発現を強く阻害したが、低周波数では阻害しなかった。異なる周波数は、関与する顆粒細胞受容体の組み合わせと活性の度合いを制御していることがわかる。また、特定の電気刺激は、アンタゴニスト及びブロッカーの存在下でも正常な活性を部分的に回復することができた。1Hzの刺激でカルシウムチャンネルブロッカーを用いた場合の例を示す(図10C、β2の場合)。
【0049】
(実施例の考察)
図11に示す通り、小脳顆粒細胞は、NMDA及びGABAA受容体を介して苔状線維及びゴルジ細胞からの興奮性及び抑制性シグナルの入力のバランスを取っていると考えられる。顆粒細胞のニューロン発火のパターンは、各種受容体の関与によってシナプス発達中に変化する。顆粒細胞における最終的神経活動のパターンは、伝達物質、神経ペプチド、及び神経栄養因子、並びに、シナプス前部ニューロンを含む環境刺激からの他のものなどの分子の組み合わせによって決まる可能性が高い。分子の異なる組み合わせは、分子の挙動と電気活性のパターンの関係において、異なるパターンのニューロン発火をもたらすはずである。幾つかの遺伝子発現がパターン化された電気活性によって調節されていることは既報である(Buonanno A 他 Curr Opin Neurobiol, 9, 110−120(1999))。パターン化された電気活性によって分子のリン酸化活性が制御されていることは確かである(Buonanno A 他 Curr Opin Neurobiol, 9, 110−120(1999))。
【0050】
実施例2では、タンパク質分断などのタンパク質プロセシングが、パターン化された電気活性によって制御されることを実証した。NRGのタンパク質分断は低周波数から高周波数で検出されたが、シナプス前細胞である苔状線維とシナプス後細胞である顆粒細胞からのNRGのタンパク質分断に最適な刺激周波数は共に50Hzであった。この現象は、分子的観点から、シナプス前後細胞間で神経活動のパターンが同調する機構を裏付けている。シナプス前部シグナルは先ずシナプス後部ニューロンを活性化し、次に、シナプス前部及びシナプス後部ニューロンを同調させる。シナプス後部細胞がシナプス前部細胞と同調する際に、シナプス後部ニューロンはオートクライン機構で自己活性化し、第III期に入る可能性がある(図11)。シナプス形成過程において、シナプス前部ニューロンからのシグナルや逆行性シグナル伝達を介した分子情報の交換の後に、mNRGは刺激依存型のタンパク質分断を受ける可能性もある。何れの場合も、50Hzの刺激はシナプス前部及びシナプス後部のニューロンの間の伝達における中間段階と考えられる(図11のII)。
【0051】
さらに、sNRGにより調節されるNR2C及びβ2発現の分子機構が明らかになった。低周波数の刺激では(1Hz)、β2RNAはグルタミン酸受容体及びErbB受容体の活性化を介して、NR2C RNAよりも多量に転写された。NR2CmRNAは、高周波数(100Hz)ではβ2よりも強く誘導され、グルタミン酸受容体(特に、NMDA受容体)の活性化を伴なった。NRGのタンパク質分断の最適周波数である50Hzでは、NR2C及びβ2サブユニット発現は観察できなかった。NR2C発現にはニューロン活動が必要であり、可溶型のNRGの産生効率は電気活動によって制御されている可能性は既に提唱されている(Ozaki M 他 The Neuroscientist, 7(2), 146−154(2001))。本実施例では、NRGのタンパク質分断が周波数に依存した形で電気活動のパターンによって制御されていることを初めて実証した。NRGはNR2C及びβ2サブユニット発現を誘導するのに必要であるけれども、発現段階(図7のI及びIII)及び中間段階(図11のII)の間で周波数の最適値に不一致が生じた。この不一致を説明するために、薬理学的実験を行った。この薬理学的実験の結果から、ErbB受容体を含む複数の受容体がNR2C及びβ2サブユニット発現の制御に関与していることが判明した。
【0052】
直接的電気刺激実験から、以下の2つの事項が示唆される。(1)遺伝子発現を誘導するために必要な受容体の活性化には、細胞自身のもつ神経活動が必要な場合があり、(2)直接的電気刺激は、受容体及びイオンチャンネルブロッカーの効果を部分的に補うことができる(図10、C)。シナプス成熟の過程において、特定のパターンのニューロン活性と受容体活性化の間にカスケードが存在する可能性がある(図12)。受容体Aが活性化される場合、ニューロンはパターンAの神経活動を有する。次に、受容体BがパターンAによって活性化され、パターンBが産生する。その結果、ニューロンはパターンAとBをあわせた活動パターンを有する。カスケードにおける各パターンの活動が分子挙動を制御する可能性がある。特定のパターンが分子挙動を制御し、ニューロン発火のパターンが、個々の受容体又はチャンネルの活性化の組み合わせによって構成されていると考えられる。構成された各パターン内に遺伝子発現リン酸化タンパク質のプロセッシングなどの分子の挙動を制御する一定の過程が存在するはずである。従って、活性化した受容体及びイオンチャンネルの組み合わせ及びそれらの活性化の順序が、上記した不一致を解くための鍵を握っている可能性がある。
【0053】
さらに、アンタゴニスト及びブロッカーによりブッロク可能な受容体の幾つかの作用は、特定の電気刺激によって補うことができた。これは、シナプス前部ニューロン、受容体及びチャンネル活性の役割がある特定パターンの電気活性によって模倣できることを意味する。従って、ニューロン形成を人工的に制御する電気活性のパターンの役割を調べることは重要である。
【0054】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、電極を直接細胞に挿入しないため、細胞へのダメージが小さく、また多数の細胞に一度に電気的刺激を与えることができる。また請求項2に記載の発明によれば、培養容器を容器支持手段上に載せた状態で、各コネクタに電極装置を接続して、複数の培養容器内の細胞に一度に電気的刺激を与えることができる。
また請求項3に記載の発明によれば、アダプタに切換装置からの配線を接続することで、各コネクタに電気を供給可能な状態とすることができる。また基枠内部に配線することにより、すっきりとした配線構造を実現することができる。
また請求項4に記載の発明によれば、培養容器の基枠内へのセット及び取り出しを容器支持手段の着脱によって効率的に行うことができる。
また請求項5に記載の発明によれば、培養容器内に存在する細胞に対して、ほぼ平均的に電気的刺激を与えることが可能となる。
また請求項6から9に記載の発明によれば、生体外で効率よく大量の神経細胞に、細胞を傷つけることなく、直接電気刺激を与えることができる。
【0055】
【配列表】
Figure 0003600874
【0057】
Figure 0003600874

【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の細胞刺激装置の基枠及びこれに設けられる部材を示す正面図である。
【図2】図2(a)は切換装置の前面側を示し、図2(b)は切換装置の背面側を示す。
【図3】切換装置とアイソレータとの接続状態を示す図である。
【図4】電極装置を細胞の入ったシャーレにセットした状態を示す側面図である。
【図5】電極装置を細胞の入ったシャーレにセットした状態を示す一部破断上面図である。
【図6】基枠内に複数のシャーレを配置して細胞に電気的刺激を与えている様子を示す上面図である。
【図7】図7は、PMA刺激によるニューレグリンのタンパク質分断を示す。脳橋核ニューロン及び小脳顆粒細胞を7DIV(days in vitro)で抗NRGβ1抗体で染色した。両ニューロンで、細胞体及びニューロン性プロセスはNRG陽性であった(図A)。スケールバー;60μm図Bでは、脳橋核ニューロン及び顆粒細胞を、膜貫通型のNRGをトランスフェクションしたものとしないものについて調製し、PMAで60分間刺激し、条件培地を回収した。条件培地のチロシンリン酸化活性を小脳顆粒細胞を用いて調べた。顆粒細胞培養物を、回収・濃縮した条件培地で5〜10分間刺激した。顆粒細胞からのライセートをSDS−PAGEで分解し、ブロットを抗−ErbB4抗体で免疫沈降した後、抗ホスホチロシン抗体(4G10)で検出した。180kDのチロシンリン酸化したバンドを刺激により検出した(図B)。条件培地をPN(トランスフェクションしない脳橋核ニューロン)、tPN(トランスフェクションした脳橋核ニューロン)、GC(トランスフェクションしない顆粒細胞)、及びtGC(トランスフェクションした顆粒細胞)から回収した。結果を図Cに要約する。実験は独立に3又は4回繰り返した。
図Dでは、小脳顆粒細胞を用いて、条件培地刺激後のCREB−リン酸化を確かめた。血清飢餓小脳顆粒細胞を、脳橋核ニューロン及び顆粒細胞培養物から回収した条件培地で処理した(5〜10分間)。脳橋核ニューロンからの条件培地をa、b及びcにおいて刺激のために使用した。d、e及びfでは、条件培地を顆粒細胞培養物から調製した。
a、d:対照
b、e:ベクター(pEGFP−N3)
c、f:pNRG−GFP
刺激した顆粒細胞は、固定化後、ホスホ−CREB抗体で染色した。PMA刺激(60分間)により放出された可溶型を濃縮し、培養顆粒細胞に加えた。条件培地は、パネルc及びfにおいて内在性NRG及び組み換えNRGを含むはずである。b及びeからの差し引きは、組み換えmNRGから切断されたNRGの作用を示した。ErbB及びCREBリン酸化アッセイ系を使用して、E及びFにおいてタンパク質分解に必要なアミノ酸配列を同定した。ELYQKRVLT配列は膜貫通ドメインのすぐN末側の細胞外領域上に位置していた。配列を欠失またはリジンからグリシンに変異させた場合、タンパク質分解の効率はFに示す通り阻害された。リジン残基はプロテアーゼによる認識に必須のアミノ酸であった。
【図8】図8は、電気刺激によるCREB−リン酸化活性を示す。
脳橋核ニューロン及び小脳顆粒細胞を18日齢の胎児マウス及び生後7日のマウスからそれぞれ調製した。ニューロンを7日間培養し、異なるパターンの電気刺激で刺激した。電気刺激後、CREB−リン酸化を顆粒細胞を用いて調べた(図A及びB)。抗PCREB抗体に陽性の細胞を計数し、全細胞数に対して標準化した。各皿からランダムな5箇所の顕微鏡視野(20倍)を細胞計数のために撮影した。独立した実験から、3〜5枚の皿を計数した。CREBリン酸化の効率は50Hz刺激で最高であった。リン酸化はTTXにより部分的にブロックされた。
【図9】図9は、電気刺激によるNRGのタンパク質分断を示す。
電気刺激後、ErbB4のチロシンリン酸化活性をPMA刺激により同一の方法で測定した。パネルAは、脳橋核ニューロン及び顆粒細胞においては、ErbB4に対する条件培地のチロシン−リン酸化活性の効率が50Hzの刺激で最高あることを示す。チロシンリン酸化はPKC阻害剤であるH7によりブロックされた。結果をグラフに要約する(図B)。図C及びDでは、小脳顆粒細胞を用いて条件培地刺激による刺激後に、CREBリン酸化を確認した。血清飢餓小脳顆粒細胞を、電気刺激後の顆粒細胞培養物から回収した条件培地で試験した(15分間)。50Hzの刺激では77.4±2.08%の顆粒細胞がPCREB陽性であり、100Hzの刺激では62.5±4.17%がPCREB陽性であった。PCREBの反応ピークは50Hzで検出された(n=15,*P<0.015)。
最後に、免疫沈降後のイムノブロットにより切断されたNRGを直接検出した結果をGに示す。検出の手法を図E及びFに要約する。mNRGを電気刺激後にトランスフェクションした(トランスフェクション効率;〜5%)5×10〜5×10個の顆粒細胞から、条件培地を回収した。培地をセントリコンを用いて濃縮し、抗−sNRG抗体で免疫沈降した。抗体としては、切断型NRGのc末端のみを認識する抗sNRGポリクローナル抗体(実施例1で作成した抗体)を使用した。免疫沈降後に、NRGβ1のみを認識する抗NRGβ1抗体を用いてウエスタンブロット分析を行った。図Gに示す通り、50Hzの刺激で切断型NRGのシグナルが検出できた。このシグナルはPKC阻害剤であるH7により消失した。これらの結果から、培地中に放出されたNRG量は周波数の刺激に応じて異なることが分かる。
【図10】図10は、リアルタイム定量化PCR法により定量したNMDA及びGABAA受容体サブユニット発現を示す。
図Aでは、インビトロで1〜21日間10mMのKClを用いて培養した顆粒細胞を用いて、NMDA及びGABAA受容体サブユニット発現を調べた。電気刺激実験のために7DIV(days in vitro)を選択した。7DIVでは、顆粒細胞は未だ生きているが、NMDA受容体、NR2C、2B及びGABAA受容体β2サブユニットmRNAは減少している。GABAA受容体α1及びγ2mRNAは7DIVでは保持されていた。異なるパターンの電気刺激後にRT−PCRのリアルタイム定量分析を行った。NR2C及びβ2サブユニットの転写を異なる周波数で制御した。NR2C転写は、1.0及び100Hzの刺激で促進され(図B)、100Hzで検出された増加はTTX処理でブロックされた。しかし、1.0Hzでの増加はTTXでは強くはブロックされなかった。一方、β2転写は、0.1〜10Hzの刺激でNR2Cよりも強く促進され、増加はTTX処理でブロックされた。100Hzでの増加はTTXで部分的にブロックされた。0.1Hz;n=6、1Hz;n=18、10Hz;n=10、50Hz;n=12、100Hz;n=26、TTXで非刺激;n=3、1Hz及びTTX;n=6、100Hz&TTX;n=6、*p<0.001、**p<0.00001
図Cでは薬理実験を電気刺激の下で行った。NR2Cの場合、1及び100Hzで増加した転写は全てのアンタゴニスト及びブロッカーにより部分的にブロックされた。しかしながら、MK801はNR2CmRNA発現を強くブロックした。β2の場合、MK801に加えてCNQXは1.0及び100Hzの刺激で転写をブロックした。100HzでのmRNAの増加は非特異的カルシウムブロッカーにより強く阻害されたが、1.0Hzでの増加は明らかにはブロックされなかった。何れの場合も、直接的電気刺激は、少なくとも基底レベルまで受容体の活性化を部分的に模倣できた。AP5;競合NMDA受容体アンタゴニスト、MK801;非競合NMDA受容体アンタゴニスト、CNQX;AMPA受容体アンタゴニスト、Cd&EGTA;非特異的カルシウムチャンネルブロッカー。各実験は独立に3〜8回繰り返した。
【図11】図11は、周波数依存形式で制御されたNMDA及びGABAA受容体サブユニット発現の模式図を示す。
小脳顆粒細胞は、苔状線維から興奮シグナルを、そしてゴルジ細胞からGABAA受容体を介して抑制性シグナルを受ける。これらのシグナルの組み合わせが、神経活動のパターンを決定する。苔状線維によって刺激されない顆粒細胞でも自発発火を有する。比較的低い周波数において、NR2C及びβ2サブユニット発現は共に検出されたが、β2発現はNR2Cよりも促進された(I)。一方、NR2C発現は、100Hzのような高周波数でより強く誘導された。NR2Cの発現は苔状線維刺激顆粒細胞で誘導される可能性があり、相当量の受容体活性化が関与している(III)。
【図12】図12は、受容体活性化のモデル及びニューロン活性のパターンを示す。
【符号の説明】
1 細胞刺激装置
3 基枠
5 収納部
7 培養用トレー
9 穴
11 コネクタ
12 電極の基端側コネクタ
13 配線
15 アダプタ
17 切換装置
19 アイソレータ
21 接続端子
23 各チャンネルの情報を設定するためのスイッチ
25 各チャンネルのパルスを設定するためのスイッチ
27 ON−OFFスイッチ
28 主電源
29 出力接続部
31 接続コンセント
33 入力部
35 電極装置
37 細胞
39 シャーレ
41 支持板
43 配線
45、45a、45b 電極
47 蓋部
49 培地

Claims (12)

  1. 培養細胞に非接触の状態で該培養細胞に電気的刺激を与える装置であり、該装置が支持板に取り付けられた同一方向に延びる複数の正負の電極と、培養細胞から一定距離離れたところで前記複数の正負の電極を支持する手段とを備えることを特徴とする、細胞刺激装置。
  2. 基枠と、該基枠の内側において培養細胞を入れるための培養容器を支持する容器支持手段と、前記基枠の内側に設けられ、前記複数の正負の電極と接続可能な複数のコネクタとを更に備え、前記複数のコネクタは電気信号発生装置に接続されていることを特徴とする、請求項1に記載の細胞刺激装置。
  3. 前記基枠には前記電気信号発生装置に接続可能なアダプタが設けられ、前記複数のコネクタは前記基枠内部の配線によりそれぞれ前記アダプタに接続されていることを特徴とする、請求項2に記載の細胞刺激装置。
  4. 前記容器支持手段は、前記基枠に対して着脱可能であることを特徴とする、請求項2又は3に記載の細胞刺激装置。
  5. 前記複数の正負の電極は3〜10mm間隔で配置されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の細胞刺激装置。
  6. 複数の電極が個別に制御されていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の細胞刺激装置。
  7. 細胞と電極との間の距離をインピーダンスを測定することにより一定に保つことができることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の細胞刺激装置。
  8. 培養細胞を含む培養プレートに複数の正負の電極を、該培養細胞が形成する面に対して同一の方向から該細胞に接触しないように設置し、該電極を用いて電場を形成し、該電場により該培養細胞を刺激することを特徴とする、細胞の電気的刺激方法。
  9. 培養細胞が神経細胞である、請求項8に記載の細胞の電気的刺激方法。
  10. 複数の正負の電極を3〜10mm間隔で設置する、請求項8または9に記載の細胞の電気的刺激方法。
  11. 複数の正負の電極による電気的刺激のタイミングをずらして培養細胞を刺激することを特徴とする、請求項8から10の何れかに記載の細胞の電気的刺激方法。
  12. 請求項1〜7のいずれかに記載の細胞刺激装置を用いて細胞を電気的に刺激する、請求項8〜11のいずれかに記載の細胞の電気的刺激方法。
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