JP2003144136A - 細胞刺激装置及び細胞刺激方法 - Google Patents

細胞刺激装置及び細胞刺激方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生体外で効率よく大量の神経細胞に、細胞を
傷つけることなく、直接電気刺激を与えるための電気刺
激装置を提供すること。 【解決手段】 培養細胞に非接触の状態で該培養細胞に
電気的刺激を与える装置であり、該装置が支持板に取り
付けられた同一方向に延びる複数の正負の電極と、培養
細胞から一定距離離れたところで前記複数の正負の電極
を支持する手段とを備えることを特徴とする、細胞刺激
装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、細胞刺激装置及び
細胞刺激方法に関するものである。より詳細には、本発
明は、培養細胞に非接触の状態で該培養細胞に電気的刺
激を与えることができる細胞刺激装置及び細胞刺激方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】神経細胞の特徴の一つは、細胞自体が神
経活動と呼ばれる電気的な活動を有することである。未
熟な神経細胞が分化・発達していく過程において、神経
細胞は神経伝達物質や神経栄養因子などの刺激に反応し
てイオンチャンネルや伝達物質受容体などを発現し、神
経細胞固有の伝達物質感受性や興奮性(固有の神経活
動)を獲得していき、そのパターンが神経細胞の個々の
歴史や個性を表現していると考えられる。また、近年で
はこの神経活動、即ち電気的な刺激が逆に神経に関連す
る物質の動態を制御していることも明らかとなってきて
いる。
【0003】本発明者らはこれまで、神経活動とその生
物学的役割を明らかにするために研究を行ってきた。そ
の結果、神経活動のパターン(電気的活動のパターン)
が情報コードシステムとして働いている可能性があるこ
とが明らかになってきた。本発明者らの研究の最終的な
目標は、神経活動のパターンを制御することにより脳の
可塑性を制御することであるが、そのために重要なこと
は、神経活動(神経インパルス)のパターンの持つ役割
を明らかにし、神経活動のパターンを解読し、神経活動
のパターンのプロファイリングを行うことである。その
ためには、人為的によくコントロールされた刺激条件下
で実験を行うことが必要であった。
【0004】また、神経細胞の電気的な活動を制御する
ことにより、脳の可塑性を制御し、治療に応用すること
も可能である。再生医療においても、特に神経の再生に
おいては、神経細胞の電気的な活動を持たせることが正
常な機能を獲得する上で必須と考えられている。そのた
めには、生体外で効率よく大量の神経細胞に細胞を傷つ
けることなく、直接電気刺激を与えるための電気刺激装
置が必須であった。
【0005】細胞に電気刺激を与えるための従来の方法
としては、(1)電極を神経細胞に挿入することにより
刺激する方法、または(2)刺激用電極基盤上に神経細
胞を接着させることにより刺激する方法が知られてい
る。しかし、上記(1)の方法では、一度に多数の細胞
を刺激することが困難であり、また細胞へのダメージも
大きいという欠点がある。また、上記(2)の方法で
は、電極基盤上に接着できる神経細胞は極めて少なく、
実用的な刺激装置として機能させることは困難であると
いう欠点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記した従来
技術の問題点を解消することを解決すべき課題とした。
即ち、本発明は、生体外で効率よく大量の神経細胞に、
細胞を傷つけることなく、直接電気刺激を与えるための
電気刺激装置を提供することを解決すべき課題とした。
本発明はまた、生体外で効率よく大量の神経細胞に、細
胞を傷つけることなく、直接電気刺激を与えることがで
きる細胞刺激方法を提供することを解決すべき課題とし
た。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意検討した結果、支持板に取り付けら
れた同一方向に延びる複数の正負の電極と、培養細胞か
ら一定距離離れたところで上記複数の正負の電極を支持
する手段とを備える細胞刺激装置を用いることにより細
胞に所望の電気的刺激を与えることができることを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0008】即ち、本発明によれば、培養細胞に非接触
の状態で該培養細胞に電気的刺激を与える装置であり、
該装置が支持板に取り付けられた同一方向に延びる複数
の正負の電極と、培養細胞から一定距離離れたところで
前記複数の正負の電極を支持する手段とを備えることを
特徴とする、細胞刺激装置が提供される。
【0009】本発明の好ましい態様によれば、該基枠の
内側において培養細胞を入れるための培養容器を支持す
る容器支持手段と、前記基枠の内側に設けられ、前記複
数の正負の電極と接続可能な複数のコネクタとを更に備
え、前記複数のコネクタは電気信号発生装置に接続され
ていることを特徴とする、上記の細胞刺激装置;前記基
枠には前記電気信号発生装置に接続可能なアダプタが設
けられ、前記複数のコネクタが前記基枠内部の配線によ
りそれぞれ前記アダプタに接続されていることを特徴と
する、上記の細胞刺激装置;前記容器支持手段が、前記
基枠に対して着脱可能であることを特徴とする、上記の
細胞刺激装置;前記複数の正負の電極が3〜10mm間
隔で配置されていることを特徴とする、上記の細胞刺激
装置:複数の電極が個別に制御されていることを特徴と
する、上記の細胞刺激装置;並びに、細胞と電極との間
の距離をインピーダンスを測定することにより一定に保
つことができることを特徴とする、上記の細胞刺激装
置:が提供される。
【0010】本発明の別の側面によれば、培養細胞を含
む培養プレートに複数の正負の電極を、該培養細胞が形
成する面に対して同一の方向から該細胞に接触しないよ
うに設置し、該電極を用いて電場を形成し、該電場によ
り該培養細胞を刺激することを特徴とする、細胞の電気
的刺激方法が提供される。
【0011】本発明の好ましい態様によれば、培養細胞
が神経細胞である、上記の細胞の電気的刺激方法;複数
の正負の電極を3〜10mm間隔で設置する、上記の細
胞の電気的刺激方法;複数の正負の電極による電気的刺
激のタイミングをずらして培養細胞を刺激することを特
徴とする、上記の細胞の電気的刺激方法;並びに、上記
した本発明の細胞刺激装置を用いて細胞を電気的に刺激
する、上記の細胞の電気的刺激方法:が提供される。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の実施の形態を図
面に基づいて説明する。図1は本発明に係る細胞刺激装
置1の基枠3及びこれに設けられる部材を示す正面図で
ある。基枠3は中空部材を使用して矩形形状に構成され
ており、該矩形形状の内側に収納部5が形成されてい
る。また収納部5には細胞の入った培養容器たるシャー
レ(図1には図示せず)を載せるための容器支持手段た
る培養用トレー7が上方へ着脱可能な状態で設けられて
おり、培養用トレー7には、ガスや水蒸気を通すための
複数の穴9が全体に亘って形成されている。
【0013】基枠3の内側には一例として6つのコネク
タ11が設けられており、これらコネクタ11には各々
後述する電極装置の基端側コネクタが接続できるように
なっている。各コネクタ11からは配線13が延びてお
り、配線13は基枠3を構成する中空部材内を通り、そ
の他端側が基枠3の外側に設けられるアダプタ15に各
々接続されている。
【0014】アダプタ15には図2に示す切換装置17
が適宜の配線を介して接続可能である。図2(a)は切
換装置17の前面側を示し、図2(b)は切換装置17
の背面側を示す。本例の切換装置17では、電極へのパ
ルス電流の切換えを最短で1ミリ秒毎に行えるようにト
ランジスタが搭載されている。
【0015】図2(a)に示すように切換装置17の前
面側には、アイソレータ19(図3参照)に接続するた
めの接続端子21、各チャンネルの情報を設定するため
のスイッチ23、各チャンネルのパルスを設定するため
のスイッチ25、各チャンネルのためのON−OFFス
イッチ27及び主電源28が設けられている。ON−O
FFスイッチ27は、横方向のch1、ch2・・・c
h32及び縦方向のp1、p2・・・p32によってそ
の位置を特定するマトリックス状に配列されたスイッチ
群から構成されており、これらから任意の2以上のスイ
ッチを選択してONにすることにより、後述する各電極
間に選択的にパルス電流を供給できるようになってい
る。
【0016】また図2(b)に示すように切換装置17
の背面側には、アダプタ15への出力接続部29、10
0V電源に接続可能な接続コンセント31及びアイソレ
ータ19からの信号を受け入れる入力部33が設けられ
ている。
【0017】図3は切換装置17とアイソレータ19と
の接続状態を示す図である。アイソレータ19は後述す
る電極装置35に正確に電気が流れるように制御する装
置であり、複数の電極装置35に同時にパルスを供給す
る場合には各電極装置35に対して各々アイソレータ1
9を対応させて用意する必要がある。一方、複数の電極
装置35に時間をずらしてパルスを送るようにする場合
には、1つのアイソレータ19だけで対応することがで
きる。この点については後述する。
【0018】図3に示すように切換装置17の接続端子
21からアイソレータ19へ送られた電気はアイソレー
タ19において所定の電極に応じたパルス数の電気信号
に変換され、これが切換装置17の入力部33へ入力す
る。入力部33へ入ったパルス信号は出力接続部29よ
りアダプタ15を介して所定のコネクタ11から以下説
明する電極装置へ供給されるようになっている。尚、切
換装置17及びアイソレータ19は電気信号発生装置に
対応する。
【0019】以下、本発明の特徴的構成を備える電極装
置35について図4〜図6を参照しながら説明する。図
4は、電極装置35を細胞37の入ったシャーレ39に
セットした状態を示す側面図である。電極装置35は支
持板41を備えており、該支持板41の上面から配線4
3が延び、該配線43の末端にはコネクタ11に接続可
能な基端側コネクタ12が形成されている。また電極装
置35の下面からは、3〜10mm間隔で配置された複
数の正負の電極45が下方へ延びている。
【0020】電極装置35は、シャーレ39の蓋部47
に形成された開口部に対して支持されるようになってお
り、このとき電極装置35から下方へ延びる電極45の
少なくとも先端部分が、シャーレ39内の培地49に挿
入されるが、細胞37には直接触れないような高さに維
持されるようになっている。尚、電極装置45の高さを
維持するための構造は、図4に示すような構造に限定さ
れるものではなく、例えば電極装置35自体を直接シャ
ーレ39の上端に支持させるようにしたり、適宜の補助
具等を使用して、これにより電極45の先端が細胞37
に直接触れないように支持するようにしてもよい。
【0021】電極45の先端以外の部分は絶縁塗料が塗
布されているため、培地49中への通電は電極45の先
端部分のみから行われる。電極45は、図5に示すよう
にほぼ等間隔に整列して配置されており、上述したON
−OFFスイッチ27における例えば2つのスイッチを
選択的にONにすることにより、該ONにしたスイッチ
に対応する2つの電極45a、45b間に予め設定した
パルス電流を流すことができる。
【0022】1つのアイソレータ19を使用して複数の
電極45にパルス電流を供給する場合には、第1セット
の電極にパルス電流を流した後、一定間隔をあけて第2
セットの電極にパルス電流を流し、その後も一定間隔を
あけて第3〜第nセットの電極にパルス電流を流し、こ
れを繰り替えす方法を採ることができる。
【0023】例えば10個の電極45があり正負で1組
となったセットが5個ある場合を仮定する。例えば全て
のセットを1Hzで30分間刺激したい場合、1秒に1
回の刺激が30分間続くようになる。2セット目の刺激
は1セット目のパルス電流が流れた後、1.1ミリ秒後
に行われ、3セット目は1.2秒後、4セット目は1.
3秒後、5セット目は1.4秒後にそれぞれパルス電流
が流れ、その後1セット目にパルス電流を流すという工
程を循環させる。これにより30分後には30ミリ秒以
内の誤差で刺激が全体に平均的に与えられるようにな
る。全体での刺激をどのように設定するかの条件に応じ
て、各セットの刺激タイミングを変えることもできる。
上記の実施の形態では5セットの電極に全て異なるタイ
ミングでパルス電流を流しているが、例えば2つのアイ
ソレータ19を使用することにより、第1セットの電極
と第3セットの電極から刺激が開始され、それぞれ第
2、第3・・・の各セット、また第4、第5・・・の各
セットというように2つの循環パターンで電極を順次刺
激していくことも可能である。以下の実施例により本発
明をさらに具体的に示すが、本発明は実施例によって限
定されるものではない。
【0024】
【実施例】実施例1:分泌型ニューレグリンを特異的に
認識する抗体の作製 (1)抗原ハプテンペプチドの設計 タンパク質の限定分解反応を補足する抗ペプチド抗体を
調製するためには、標的とする基質タンパク質の切断部
位に関する情報が必要である。本実施例では分泌型ニュ
ーレグリンのC末端を含む短いペプチド(5merあるい
は6mer)にシステイン残基を付加したペプチドを合成
し、ハプテンとして用いた。具体的には、Cys-Glu-Leu-
Tyr-Gln及びCys-Glu-Leu-Tyr-Gln-Lysの混合ペプチドを
抗原として用いた。
【0025】(2)用いた試薬 ・合成ハプテンペプチド ・KLH(keyhole limpet hemocyanin) in 50%グリセロー
ル(約80%mg/ml) 〔Calibiochem社〕 ・DMFA (ジメチルホルムアルデヒド) ・MBS (m−マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシス
クシンイミドエステル)〔Pierce社〕 ・ゲル濾過カラム(ファルマシアPD-10) ・50mMリン酸ナトリウムバッファー (pH7.5) ・100mMリン酸ナトリウムバッファー (pH7.2)
【0026】免疫 ・フロイント完全アジュバント(FCA) ・フロイント不完全アジュバント(FIA) ・シリンジ・注射針など
【0027】抗体のアフィニティー精製 ・100mM HEPESバッファー (pH7.5) ・Affigel 10または15〔バイオラッド社〕 ・30%酢酸 ・20%エタノール ・PBS ・50mMクエン酸バッファー(pH3.0) ・2Mトリスバッファー(pH9.5) ・20%グリセロール含Na-PBS
【0028】(3)抗原(ハプテン/キャリア複合体)の
調製 MBS/活性化KLHを調製する。KLH約40mg(0.5ml)を50
mM リン酸ナトリウムバッファー(pH7.5)1.5mlに加え、
スターラーを用いて撹拌する。次に、9.3mgのMBSを0.38
mlのDMFAに溶解したものを(用時調製)、これに加え
る。MBS添加後、室温で30分撹拌する。その後、2,000rp
mで2分程度遠心し、上清を以下で用いた。
【0029】 MBS/活性化KLHをフリーのMBSから分
離する。ファルマシアPD-10カラムをを50mM リン酸ナト
リウムバッファー(pH7.5)40〜50mlで洗浄し、平衡化
しておく。これにの遠心上清2mlを添加し、ゲルに浸
潤した後に0.5mlのバッファーを加える。浸潤し終わっ
た時点で溶出液の回収を始め(最初の2.5mlをprevoidと
して捨てる)、2mlの溶出液(MBS/活性化KLH)を回収
する。これで4回分のカップリングに使用することので
きる標品が得られる。
【0030】 合成ハプテンペプチドを活性化KLHに
カップリングする。合成ペプチド5mg程度を4.5mlの100m
Mリン酸Naバッファー(pH7.2)に溶解し、撹拌する。こ
の際、pH試験紙を用いて溶液のpHが下がっていないこと
を確認する。これに、0.5mlのMBS/活性化KLHを加え、4
℃で一昼夜撹拌する。その後、透析する必要はない。こ
れを免疫原として使用する。保存は−20℃または−80℃
で行う。
【0031】(4)免疫 ウサギを用いてポリクローナル抗体を調製した。ま
ず、体重約3kgのウサギに対して1次免疫を行う。抗原
溶液0.3mlに対して0.6mlのFCAを加え、撹拌後、超音波
処理〔Branson Sonifier 185 (bath type)、power7〜
10、3分程度〕によってエマルジョンを調製する。こ
れを、左右の背筋上に位置する皮下部分に10ヶ所程度に
分けて注射する。注射針は18Gあるいは21Gを用いる。 約1ヵ月後に2次免疫を行う。この場合は、0.3mlの
抗原溶液に対して0.6mlのFLAを用いて、同様にエマルジ
ョンを調製する。左右の大腿筋に注射する。 2次免疫の2週間後と4週間後に、3次免疫及び4次免
疫を行う。この場合は、0.15mlの抗原溶液を0.45mlのPB
Sで希釈し、と同様に背中に皮下注射を行う。用いる
注射針は26Gでよい。 4次免疫の約1週間後に、部分採血を行う。40〜50ml
程度採血し抗体の生成状態をチェックした後、アフィニ
ティー精製を行う。良好であれば、約1ヶ月休ませて、2
回ほど追加免疫を行って、全採血を行う。
【0032】(5)抗体のアフィニティー精製 アフィニティーゲルを調製する。アフィニティー担
体としてはAffigel 10または15を用いる。まず、ハプテ
ンペプチド1〜5mgを4mlの100mM HEPESバッファー(pH7.
5)に溶解する。次に、1〜2mlのAffigelをグラスフィル
ター上で吸引洗浄し(氷冷蒸留水10ml×2回)、直ちに
ペプチド溶液に加える。一昼夜4℃で回転撹拌した後、
フリーのペプチドを除くために、再度グラスフィルター
上で吸引洗浄する。この場合は、十分量の蒸留水以外に
30%酢酸や20%エタノールを用いて完全に洗浄し、最後に
PBSで平衡化しておく。保存は冷蔵で行う。
【0033】 特異的抗体をアフィニティーカラムに
吸着させる。アフィニティーゲルをカラムに(内径5〜1
0mm程度)に詰め、PBSで洗浄する。非働化血清10mlを同
量のPBSで希釈し、フィルター(0.22または0.45μm)
を通し、カラムに添加する。透過液を回収し、3〜4回再
添加を繰り返す(流速は1ml/分程度)。さらに、約50ml
のPBSでカラムを洗浄する。
【0034】 抗体を回収する。あらかじめ0.5mlの
2Mトリスバッファー(pH9.5)を入れておいたチューブ
に、アフィニティーゲルから抗体を溶出させる。溶出
は、5mlの50mMクエン酸バッファー(pH3.0)を1ml/分程
度の速度で添加して行う。次に、溶出液を透析チューブ
に移し、20%グリセロール含Na-PBSに対して透析を行う
(4℃、一昼夜)。抗体の定量は、280nmの吸収を計測し
て行う(1mg IgG/ml、A2 80=1.4)。通常、1〜10mgの特
異的IgGが回収される。保存は、分注後−80℃で行う。
【0035】実施例2:ニューレグリンの病態作用機序 (方法) (1)細胞の調製 脳橋核の神経細胞および小脳顆粒細胞を各々E18BA
LB/CおよびP7マウスから標準法によって調製し
た。7 DIV(days in vitro)培養物を、両方の細胞種に
おけるPMA及び電気刺激のために使用した。顆粒細胞
は、受容体サブユニット発現の定量のために、10mM
のKCl条件下インビトロで1〜21日間培養した。脳
橋核ニューロンは、10%馬血清を含むDMEM(Gibco BR
L)で1又は2日間培養し、その後、B-27(Gibco BR
L)を補充したNeurobasal培地(Gibco BRL)で維持し
た。培養物には、B-27(Gibco BRL)を補充したNeurob
asal培地(Gibco BRL)から成る培地を供給した。GF
Pタグ及びベクターを含む全長のNRGプラスミド(p
EGFP、Clontech)をLipofectamine(登録商標)2000(G
ibco BRL)により各々トランスフェクションした(脳
橋核のトランスフェクション効率;1〜3%、顆粒細
胞;5〜10%)。トランスフェクションの24〜36
時間後にニューロンを1μMのPMA(Tocris)で60
分間刺激した。
【0036】(2)切断型のNRGの検出 本実施例における電気刺激は、本明細書中上記した構造
を有し、図1から6に示した構造を有する細胞刺激装置
を用いて行った。組み換え全長mNRGをトランスフェ
クションした5×106〜5×107細胞に30分間の電
気刺激(1mA、30〜60V細胞外)を加えた後、細
胞から得られた条件培地を回収し、セントリコン10及
び100(Millipore)を用いて濃縮し、大分子量(>
100kD)及び小分子量(<10kD)のタンパク質
を除去した。7DIVの顆粒細胞は、脳橋核ニューロン
及び顆粒細胞から得た濃縮条件培地で処理した。ErbBリ
ン酸化において、ポリクローナル抗−ErbB4抗体(Santa
Cruz)による免疫沈降後に、マウスモノクローナル抗
ホスホチロシン抗体(4G10)を用いて標準法により
ウエスタンブロット分析を行った(Rieff HI他 J Neuro
sci, 19(24), 10757-10766(1999))。免疫沈降試験のた
めに、ライセートを免疫沈降抗体の適当な稀釈物と一緒
に4℃で1時間インキュベートした後、プロテインA−
Sepharoseと一緒に4℃で1時間インキュベートした。
次いで、ライセートを15000rpmで3分間遠心
し、上清を廃棄した。ペレットを溶解緩衝液で2回洗浄
し、ゲルローディング緩衝液に再懸濁した。試料を3分
間煮沸し、タンパク質を電気泳動で分離した。
【0037】CREBリン酸化を検出するために、7D
IVの培養顆粒細胞を、条件培地で10〜15分間刺激
した後、4%パラホルムアルデヒドで10分間固定化
し、ポリクローナル抗−NRGβ1抗体、ポリクローナ
ル抗−PCREB抗体(BioLabs)で染色した。染色し
た顆粒細胞をレーザー共焦点顕微鏡(Carl Zeiss)で観
察した。Alexa(登録商標)染料(Molecular probe)を
二次抗体として使用した。
【0038】(結果) (1)脳橋核ニューロン及び小脳顆粒細胞におけるNR
Gの膜貫通型のタンパク質分断 図7Aの実験で使用した小脳顆粒細胞及び脳橋核ニュー
ロンの分散初代培養物の状態を調べた。脳橋核ニューロ
ン(PN)は、18日目の胚(E18)から調製し、小
脳顆粒細胞(GC)は出生後7日目(P7)から調製し
た。培養ニューロンでのmNRGのタンパク質分断の有
無を調べるために、抗ErbB及び抗ホスホチロシン抗体に
よる免疫沈降、及び抗PCREB抗体を用いた免疫細胞化学
分析を、GFP−tagを含む組み換え全長NRGβ1
をトランスフェクションした場合としない場合につい
て、PKC活性化因子であるホルボール−12−ミリス
テート−13−アセテート(PMA)で60分間刺激し
た脳橋核ニューロン及び顆粒細胞を用いて行った。
【0039】苔状線維と顆粒細胞の間のシナプスにおけ
るNRG受容体に関連して、ErbB2及びErbB4が小脳系
に関与していることは既報である(Ozaki M 他 Nature,
390, 691-694(1997);及びOzaki M 他 Neurosci Res,
30 (4), 351-354(1998))。ErbB4の発現は、小脳顆粒細
胞ではインビトロ及びインビボでErbB2の発現よりも強
かった。サイクリックAMP応答部位結合タンパク質
(CREB)のリン酸化が、ErbB4シグナル伝達経路のさら
に下流に関与していた(Taberbero A 他 Mol CellNeuro
sci, 10, 309-322(1998))。PMAで処理後の脳橋核ニ
ューロン及び顆粒細胞の培養物の条件培地を回収し、濃
縮し、顆粒細胞に5〜10分間適用した。抗ErbB4抗体
による免疫沈降後に、顆粒細胞からのライセートをSDS-
PAGEで解析し、ブロットを抗−ホスホチロシン抗体(抗
−TYK)で検出した。トランスフェクションしない脳橋
核ニューロン(None)、ベクターをトランスフェクショ
ンした脳橋核(vPN)、NRGをトランスフェクショ
ンした脳橋核ニューロン(tPN)、ベクターをトラン
スフェクションした顆粒細胞(vGC)、及びmNRG
をトランスフェクションした顆粒細胞(tGC)から、
条件培地を回収した。mNRGをトランスフェクション
した脳橋核ニューロン及び顆粒細胞は共に、トランスフ
ェクションしないニューロン及びベクターのみをトラン
スフェクションした細胞と比較して、強いリン酸化活性
を示した(図7B、図7C)。上昇したsNRG量は、
顆粒細胞を用いてErbBリン酸化によって確認した。mN
RGをトランスフェクションしたニューロンから得られ
た条件培地による180kDのチロシン−リン酸化バン
ドは、PMA刺激を用いた場合に顕著であった(図7
B)。トランスフェクションした脳橋核ニューロン及び
顆粒細胞をPKC阻害剤であるH7で処理した場合の条
件培地では、リン酸化活性は抑制された。内在性NRG
はErbBリン酸化の顕著な活性を示さなかった。しかし、
リコンビナント(組み換え)mNRGを培養ニューロン
にトランスフェクトした場合、ErbB4リン酸化は顕著で
あった。これらの結果は、PKC活性化後にsNRGが
組み換えmNRGから産生したことを示す。図7Cにお
いて、リン酸化の比率は、ErbB4抗体による免疫沈降後
にブロットしたErbB4シグナルに対して標準化した。
【0040】CREB−リン酸化の結果を図7のDに示す。
PMA刺激(60分間)により放出される可溶型をスピン
カラムを用いて濃縮し、培養顆粒細胞に添加した。刺激
した顆粒細胞を固定後、抗ホスホCREB抗体で染色した。
脳橋核ニューロンからの条件培地を刺激(a、b及び
c)のために使用し、顆粒細胞培養物からの条件培地を
刺激(d、e及びf)のために使用した。パネルDは、
コントロール(a、d)、ベクター(b、e)及び全長
NRG(c、f)を示す。条件培地(c及びf)は、切
断された内在性及び組み換えのNRGを有するはずであ
る。cからbの引き算及びfからeの引き算は、組み換
えmNRG由来のsNRGにより誘発されるCREBリン酸
化を示す。条件培地による5分以上の処理後に、異なる
CREBリン酸化が観察された。生培養顆粒細胞を使用した
場合には、KCl刺激によるNRGの放出は明白には観
察されなかった。
【0041】全長mNRGをトランスフェクションした
脳橋核ニューロン及び顆粒細胞からの条件培地は、ErbB
−及びCREB−リン酸化の異なる活性を示した。ErbB−及
びCREB−リン酸化活性の測定から、タンパク質分断に必
要なアミノ酸配列を同定した。図7E及び7Fに示す通
り、ELYQKRVLT領域内の欠失変異体は、タンパ
ク質分断を明白には示さなかった。この領域内のKから
Gへの点変異は表、図7Fに示す通り切断の減少を生じ
た。NRGはメタロプロテアーゼ(ADAMs)ファミ
リープロテアーゼの基質として報告されている(Shirak
abe K 他 J Biol Chem, 276(12), 9352-9358(2000))。
メタロプロテアーゼによるNRG切断は、主としてゴル
ジ体で起こると報告されている。mNRGのある種のタ
ンパク質分断は細胞表面で起こることが報告されている
(Loeb JA 他 Mol Cell Neurosci, 11(1-2), 77-91(199
8))。NRGのタンパク質分断は、細胞の種類、NRG
及びプロテアーゼのタンパク質局在、及び時期に依存し
て複数のプロテアーゼによって調節されている可能性が
ある。
【0042】(2)パターン化電気刺激によるNRGの
タンパク質分断 CREB−リン酸化活性を、抗−PCREB抗体を用いた免疫細
胞化学分析により測定し、電気刺激による小脳顆粒細胞
のCREBリン酸化の最適条件を調べた。顆粒細胞を異なる
周波数で5分間電気的に直接刺激した(図8のA及び
B)。1Hzから100Hzの周波数でリン酸化活性が
検出され、50Hzが最適であった。50HzでのCREB
−リン酸化活性は、ナトリウムチャンネルブロッカーT
TXで36.6±5.45%ブロックされた。図Bにお
いて、PCREB−陽性細胞を計測し、全細胞数に対して標
準化した。これらの実験は、異なる周波数によりニュー
ロン細胞内に異なる状況が生じることを示唆する。NR
Gのタンパク質分断に最適な周波数は50Hzであっ
た。
【0043】NRGのタンパク質分断が異なるパターン
の電気刺激で生じるかどうかを確かめるために、異なる
周波数での電気刺激後に、ErbBリン酸化を抗−TYK及び
抗−ErbB4抗体を用いた免疫沈降により検出した。抗−E
rbB4抗体で落とした切断型NRGは、抗TYK抗体を用い
た免疫ブロットにより検出した。抗TYKを使用して、リ
ン酸化したErbB受容体を認識した。リン酸化の効率は、
ErbB4シグナルに対して標準化することにより測定し
た。リン酸化シグナルは、他の周波数の場合と比較して
50Hzの刺激で有意に強かった(図9A及び図9
B)。条件培地のCREB−リン酸化活性も50Hzの刺激
が最適であった。図8B及び図9Dのグラフは同様のパ
ターンを示す。
【0044】上記方法を使用後、図9E及び9Fに記載
した方法を使用して切断型のNRGを検出した。実施例
1で作製した切断型ニューレグリンのC末端のみを認識
する抗体(抗sNRG抗体)を使用した。電気刺激後、
約1×106個のトランスフェクションした顆粒細胞を
使用して条件培地を回収した。100kD以上及び10
kD未満のタンパク質をセントリコン10及び100遠
心濾過を用いて除去し、セントリコン10によりさらに
濃縮した。その後、抗sNRG抗体を用いて免疫沈降を
行い、NRGのβ1アイソフォームのみを認識できる抗
−NRGβ1抗体を用いてイムノブロットした。ブロッ
トを図9Gに示す。切断したNRGのシグナルは約30
kDの位置に検出された。H7で50Hzの刺激の場
合、切断型のNRGのシグナルは明白には検出されなか
った。以上の結果から、sNRGは、特定のパターンの
電気刺激により開始かつ制御されたタンパク質分断によ
りmNRGから産生することが判明した。
【0045】実施例3:伝達受容体発現機構の解析 (方法)NMDA及びGABAA受容体サブユニットの
リアルタイム定量分析 電気刺激後、リアルタイム定量分析(ABI prism 7700,
Perkin Elmer)を行った。Primer Express(PE Biosyste
ms)を用いてプライマー及びTaqManプローブを設計し
た。各プライマーにより増幅したPCR産物はアガロー
スゲル上でシングルバンドであった。産物を直接配列に
よって確認した。使用した全プライマーは他の遺伝子と
交差しなかった。薬理実験では、TTX(1μM、Tocr
is)、D−AP5(50μM、Tocris)、MK801
(25μM、Tocris)、CNQX(10μM、Tocri
s)、Cd(100μM、Wako Inc.)及びEGTA(1
mM、Sigma)を使用した。
【0046】(結果)電気刺激により制御されたNMD
A及びGABAA受容体サブユニットの発現 NMDA及びGABAA受容体サブユニット発現を制御
できる電気活性のパターンを調べた。リアルタイム定量
化ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法を用いて、NMD
A及びGABAA受容体サブユニットのmRNAの発現
を、インビトロで1〜21日目の培養中で定量した。先
ず、培養顆粒細胞中のNMDA及びGABAA受容体の
各サブユニットのmRNA発現レベルを調べた(図10
A)。ニューロン特異的エノラーゼ(NSE)を対照と
して用いた。P7マウスから調製した7DIV(days i
n vitro)培養ニューロンの性質は、成熟期でインビボ
でP14マウスのものと理論的に同一である。インビボ
のP14で、NR2B発現は小脳顆粒細胞でシャットダ
ウンする一方、NR2C発現は全顆粒細胞で見られる。
NMDA受容体のサブユニットの切り替えはマウスでは
P14でほぼ終了した。一方、GABAAのα1、β2
及びγ2サブユニットはインビボのP14で大量発現し
ていた。インビトロの状況をインビボに適合するように
調整するために、インビトロで7日間培養した顆粒細胞
を選択して電気刺激した。
【0047】培養顆粒細胞を異なる周波数(0〜100
Hz)で1mAで30分間刺激した(図10B、10
C)。刺激後の細胞の生物学的活性は化学染色及び抗N
RG抗体染色によって確認したが、生細胞数の有意な差
異は何れの場合も見られなかった。NMDA受容体NR
2B及びGABAAα2、γ1の場合、電気刺激の効果
は何れの周波数でも明白には検出されなかった。NMD
A受容体NR2Cサブユニットの発現は、1Hz及び1
00Hzの周波数での直接刺激によって促進され、10
0Hzなどの高周波数での刺激で検出された増加はTT
Xによりブロックされた。1Hzの刺激によるNR2C
の増加は、TTXにより強くはブロックされなかった。
GABAA受容体β2サブユニットの場合、mRNA発
現は、0.1から10Hzの低周波数の刺激で増加し
た。低周波数の刺激による増加はTTXにより部分的に
ブロックされたが、100Hzによるβ2の増加はTT
Xによりブロックされなかった。
【0048】薬理学的実験によれば、NMDA及びAM
PA受容体活性、並びにカルシウムチャンネルがNR2
C及びβ2発現の保持に関与していることが示された。
1Hzで刺激したNR2Cでは、mRNAの発現はNM
DA、AMPA受容体アンタゴニストにより強く阻害さ
れた。刺激周波数100Hzでは、特にMK801(非
競合NMDA受容体アンタゴニスト)がNR2C増加を
強くブロックした。また、カルシウムチャンネルは、A
MPA受容体よりもNR2C発現に寄与していた。1H
zで刺激したβ2では、刺激周波数1HzのNR2Cの
場合と同様の結果であった。100Hzで刺激したβ2
のmRNAの増加は、NMDA、AMPA受容体アンタ
ゴニスト及びカルシウムチャンネルブロッカー(非特異
的ブロッカー;Cd&EGTA)により阻害された。N
R2C及びβ2の両方の場合で、カルシウムチャンネル
ブロッカーは高周波数でサブユニットの発現を強く阻害
したが、低周波数では阻害しなかった。異なる周波数
は、関与する顆粒細胞受容体の組み合わせと活性の度合
いを制御していることがわかる。また、特定の電気刺激
は、アンタゴニスト及びブロッカーの存在下でも正常な
活性を部分的に回復することができた。1Hzの刺激で
カルシウムチャンネルブロッカーを用いた場合の例を示
す(図10C、β2の場合)。
【0049】(実施例の考察)図11に示す通り、小脳
顆粒細胞は、NMDA及びGABAA受容体を介して苔
状線維及びゴルジ細胞からの興奮性及び抑制性シグナル
の入力のバランスを取っていると考えられる。顆粒細胞
のニューロン発火のパターンは、各種受容体の関与によ
ってシナプス発達中に変化する。顆粒細胞における最終
的神経活動のパターンは、伝達物質、神経ペプチド、及
び神経栄養因子、並びに、シナプス前部ニューロンを含
む環境刺激からの他のものなどの分子の組み合わせによ
って決まる可能性が高い。分子の異なる組み合わせは、
分子の挙動と電気活性のパターンの関係において、異な
るパターンのニューロン発火をもたらすはずである。幾
つかの遺伝子発現がパターン化された電気活性によって
調節されていることは既報である(Buonanno A 他 Curr
Opin Neurobiol, 9, 110-120(1999))。パターン化さ
れた電気活性によって分子のリン酸化活性が制御されて
いることは確かである(Buonanno A 他 Curr Opin Neur
obiol, 9, 110-120(1999))。
【0050】実施例2では、タンパク質分断などのタン
パク質プロセシングが、パターン化された電気活性によ
って制御されることを実証した。NRGのタンパク質分
断は低周波数から高周波数で検出されたが、シナプス前
細胞である苔状線維とシナプス後細胞である顆粒細胞か
らのNRGのタンパク質分断に最適な刺激周波数は共に
50Hzであった。この現象は、分子的観点から、シナ
プス前後細胞間で神経活動のパターンが同調する機構を
裏付けている。シナプス前部シグナルは先ずシナプス後
部ニューロンを活性化し、次に、シナプス前部及びシナ
プス後部ニューロンを同調させる。シナプス後部細胞が
シナプス前部細胞と同調する際に、シナプス後部ニュー
ロンはオートクライン機構で自己活性化し、第III期に
入る可能性がある(図11)。シナプス形成過程におい
て、シナプス前部ニューロンからのシグナルや逆行性シ
グナル伝達を介した分子情報の交換の後に、mNRGは
刺激依存型のタンパク質分断を受ける可能性もある。何
れの場合も、50Hzの刺激はシナプス前部及びシナプ
ス後部のニューロンの間の伝達における中間段階と考え
られる(図11のII)。
【0051】さらに、sNRGにより調節されるNR2
C及びβ2発現の分子機構が明らかになった。低周波数
の刺激では(1Hz)、β2RNAはグルタミン酸受容
体及びErbB受容体の活性化を介して、NR2C RNA
よりも多量に転写された。NR2CmRNAは、高周波
数(100Hz)ではβ2よりも強く誘導され、グルタ
ミン酸受容体(特に、NMDA受容体)の活性化を伴な
った。NRGのタンパク質分断の最適周波数である50
Hzでは、NR2C及びβ2サブユニット発現は観察で
きなかった。NR2C発現にはニューロン活動が必要で
あり、可溶型のNRGの産生効率は電気活動によって制
御されている可能性は既に提唱されている(Ozaki M 他
The Neuroscientist, 7(2), 146-154(2001))。本実施
例では、NRGのタンパク質分断が周波数に依存した形
で電気活動のパターンによって制御されていることを初
めて実証した。NRGはNR2C及びβ2サブユニット
発現を誘導するのに必要であるけれども、発現段階(図
7のI及びIII)及び中間段階(図11のII)の間で周
波数の最適値に不一致が生じた。この不一致を説明する
ために、薬理学的実験を行った。この薬理学的実験の結
果から、ErbB受容体を含む複数の受容体がNR2C及び
β2サブユニット発現の制御に関与していることが判明
した。
【0052】直接的電気刺激実験から、以下の2つの事
項が示唆される。(1)遺伝子発現を誘導するために必
要な受容体の活性化には、細胞自身のもつ神経活動が必
要な場合があり、(2)直接的電気刺激は、受容体及び
イオンチャンネルブロッカーの効果を部分的に補うこと
ができる(図10、C)。シナプス成熟の過程におい
て、特定のパターンのニューロン活性と受容体活性化の
間にカスケードが存在する可能性がある(図12)。受
容体Aが活性化される場合、ニューロンはパターンAの
神経活動を有する。次に、受容体BがパターンAによっ
て活性化され、パターンBが産生する。その結果、ニュ
ーロンはパターンAとBをあわせた活動パターンを有す
る。カスケードにおける各パターンの活動が分子挙動を
制御する可能性がある。特定のパターンが分子挙動を制
御し、ニューロン発火のパターンが、個々の受容体又は
チャンネルの活性化の組み合わせによって構成されてい
ると考えられる。構成された各パターン内に遺伝子発現
リン酸化タンパク質のプロセッシングなどの分子の挙動
を制御する一定の過程が存在するはずである。従って、
活性化した受容体及びイオンチャンネルの組み合わせ及
びそれらの活性化の順序が、上記した不一致を解くため
の鍵を握っている可能性がある。
【0053】さらに、アンタゴニスト及びブロッカーに
よりブッロク可能な受容体の幾つかの作用は、特定の電
気刺激によって補うことができた。これは、シナプス前
部ニューロン、受容体及びチャンネル活性の役割がある
特定パターンの電気活性によって模倣できることを意味
する。従って、ニューロン形成を人工的に制御する電気
活性のパターンの役割を調べることは重要である。
【0054】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、電極を
直接細胞に挿入しないため、細胞へのダメージが小さ
く、また多数の細胞に一度に電気的刺激を与えることが
できる。また請求項2に記載の発明によれば、培養容器
を容器支持手段上に載せた状態で、各コネクタに電極装
置を接続して、複数の培養容器内の細胞に一度に電気的
刺激を与えることができる。また請求項3に記載の発明
によれば、アダプタに切換装置からの配線を接続するこ
とで、各コネクタに電気を供給可能な状態とすることが
できる。また基枠内部に配線することにより、すっきり
とした配線構造を実現することができる。また請求項4
に記載の発明によれば、培養容器の基枠内へのセット及
び取り出しを容器支持手段の着脱によって効率的に行う
ことができる。また請求項5に記載の発明によれば、培
養容器内に存在する細胞に対して、ほぼ平均的に電気的
刺激を与えることが可能となる。また請求項6から9に
記載の発明によれば、生体外で効率よく大量の神経細胞
に、細胞を傷つけることなく、直接電気刺激を与えるこ
とができる。
【0055】
【配列表】 <110> RIKEN <120> A device for cell stimulation and a method for stimulating cells <130> A11456MA <160> 2
【0056】 <210> 1 <211> 6 <212> PRT <213> Synthetic peptide <400> 1 Cys Glu Glu Leu Tyr Gln 1 5
【0057】 <210> 2 <211> 6 <212> PRT <213> Synthetic peptide <400> 2 Cys Glu Leu Tyr Gln Lys 1 5
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の細胞刺激装置の基枠及びこれに設けら
れる部材を示す正面図である。
【図2】図2(a)は切換装置の前面側を示し、図2
(b)は切換装置の背面側を示す。
【図3】切換装置とアイソレータとの接続状態を示す図
である。
【図4】電極装置を細胞の入ったシャーレにセットした
状態を示す側面図である。
【図5】電極装置を細胞の入ったシャーレにセットした
状態を示す一部破断上面図である。
【図6】基枠内に複数のシャーレを配置して細胞に電気
的刺激を与えている様子を示す上面図である。
【図7】図7は、PMA刺激によるニューレグリンのタ
ンパク質分断を示す。脳橋核ニューロン及び小脳顆粒細
胞を7DIV(days in vitro)で抗NRGβ1抗体で
染色した。両ニューロンで、細胞体及びニューロン性プ
ロセスはNRG陽性であった(図A)。スケールバー;
60μm図Bでは、脳橋核ニューロン及び顆粒細胞を、
膜貫通型のNRGをトランスフェクションしたものとし
ないものについて調製し、PMAで60分間刺激し、条
件培地を回収した。条件培地のチロシンリン酸化活性を
小脳顆粒細胞を用いて調べた。顆粒細胞培養物を、回収
・濃縮した条件培地で5〜10分間刺激した。顆粒細胞
からのライセートをSDS−PAGEで分解し、ブロッ
トを抗−ErbB4抗体で免疫沈降した後、抗ホスホチロシ
ン抗体(4G10)で検出した。180kDのチロシン
リン酸化したバンドを刺激により検出した(図B)。条
件培地をPN(トランスフェクションしない脳橋核ニュ
ーロン)、tPN(トランスフェクションした脳橋核ニ
ューロン)、GC(トランスフェクションしない顆粒細
胞)、及びtGC(トランスフェクションした顆粒細
胞)から回収した。結果を図Cに要約する。実験は独立
に3又は4回繰り返した。図Dでは、小脳顆粒細胞を用
いて、条件培地刺激後のCREB−リン酸化を確かめた。血
清飢餓小脳顆粒細胞を、脳橋核ニューロン及び顆粒細胞
培養物から回収した条件培地で処理した(5〜10分
間)。脳橋核ニューロンからの条件培地をa、b及びc
において刺激のために使用した。d、e及びfでは、条
件培地を顆粒細胞培養物から調製した。 a、d:対照 b、e:ベクター(pEGFP−N3) c、f:pNRG−GFP 刺激した顆粒細胞は、固定化後、ホスホ−CREB抗体で染
色した。PMA刺激(60分間)により放出された可溶
型を濃縮し、培養顆粒細胞に加えた。条件培地は、パネ
ルc及びfにおいて内在性NRG及び組み換えNRGを
含むはずである。b及びeからの差し引きは、組み換え
mNRGから切断されたNRGの作用を示した。ErbB及
びCREBリン酸化アッセイ系を使用して、E及びFにおい
てタンパク質分解に必要なアミノ酸配列を同定した。E
LYQKRVLT配列は膜貫通ドメインのすぐN末側の
細胞外領域上に位置していた。配列を欠失またはリジン
からグリシンに変異させた場合、タンパク質分解の効率
はFに示す通り阻害された。リジン残基はプロテアーゼ
による認識に必須のアミノ酸であった。
【図8】図8は、電気刺激によるCREB−リン酸化活性を
示す。脳橋核ニューロン及び小脳顆粒細胞を18日齢の胎
児マウス及び生後7日のマウスからそれぞれ調製した。
ニューロンを7日間培養し、異なるパターンの電気刺激
で刺激した。電気刺激後、CREB−リン酸化を顆粒細胞を
用いて調べた(図A及びB)。抗PCREB抗体に陽性の細
胞を計数し、全細胞数に対して標準化した。各皿からラ
ンダムな5箇所の顕微鏡視野(20倍)を細胞計数のた
めに撮影した。独立した実験から、3〜5枚の皿を計数
した。CREBリン酸化の効率は50Hz刺激で最高であっ
た。リン酸化はTTXにより部分的にブロックされた。
【図9】図9は、電気刺激によるNRGのタンパク質分
断を示す。電気刺激後、ErbB4のチロシンリン酸化活性
をPMA刺激により同一の方法で測定した。パネルA
は、脳橋核ニューロン及び顆粒細胞においては、ErbB4
に対する条件培地のチロシン−リン酸化活性の効率が5
0Hzの刺激で最高あることを示す。チロシンリン酸化
はPKC阻害剤であるH7によりブロックされた。結果
をグラフに要約する(図B)。図C及びDでは、小脳顆
粒細胞を用いて条件培地刺激による刺激後に、CREBリン
酸化を確認した。血清飢餓小脳顆粒細胞を、電気刺激後
の顆粒細胞培養物から回収した条件培地で試験した(1
5分間)。50Hzの刺激では77.4±2.08%の
顆粒細胞がPCREB陽性であり、100Hzの刺激では6
2.5±4.17%がPCREB陽性であった。PCREBの反応
ピークは50Hzで検出された(n=15,*P<0.
015)。最後に、免疫沈降後のイムノブロットにより
切断されたNRGを直接検出した結果をGに示す。検出
の手法を図E及びFに要約する。mNRGを電気刺激後
にトランスフェクションした(トランスフェクション効
率;〜5%)5×106〜5×107個の顆粒細胞から、
条件培地を回収した。培地をセントリコンを用いて濃縮
し、抗−sNRG抗体で免疫沈降した。抗体としては、
切断型NRGのc末端のみを認識する抗sNRGポリク
ローナル抗体(実施例1で作成した抗体)を使用した。
免疫沈降後に、NRGβ1のみを認識する抗NRGβ1
抗体を用いてウエスタンブロット分析を行った。図Gに
示す通り、50Hzの刺激で切断型NRGのシグナルが
検出できた。このシグナルはPKC阻害剤であるH7に
より消失した。これらの結果から、培地中に放出された
NRG量は周波数の刺激に応じて異なることが分かる。
【図10】図10は、リアルタイム定量化PCR法によ
り定量したNMDA及びGABAA受容体サブユニット
発現を示す。図Aでは、インビトロで1〜21日間10
mMのKClを用いて培養した顆粒細胞を用いて、NM
DA及びGABAA受容体サブユニット発現を調べた。
電気刺激実験のために7DIV(days in vitro)を選
択した。7DIVでは、顆粒細胞は未だ生きているが、
NMDA受容体、NR2C、2B及びGABAA受容体
β2サブユニットmRNAは減少している。GABAA
受容体α1及びγ2mRNAは7DIVでは保持されて
いた。異なるパターンの電気刺激後にRT−PCRのリ
アルタイム定量分析を行った。NR2C及びβ2サブユ
ニットの転写を異なる周波数で制御した。NR2C転写
は、1.0及び100Hzの刺激で促進され(図B)、
100Hzで検出された増加はTTX処理でブロックさ
れた。しかし、1.0Hzでの増加はTTXでは強くは
ブロックされなかった。一方、β2転写は、0.1〜1
0Hzの刺激でNR2Cよりも強く促進され、増加はT
TX処理でブロックされた。100Hzでの増加はTT
Xで部分的にブロックされた。0.1Hz;n=6、1
Hz;n=18、10Hz;n=10、50Hz;n=
12、100Hz;n=26、TTXで非刺激;n=
3、1Hz及びTTX;n=6、100Hz&TTX;
n=6、*p<0.001、**p<0.00001 図Cでは薬理実験を電気刺激の下で行った。NR2Cの
場合、1及び100Hzで増加した転写は全てのアンタ
ゴニスト及びブロッカーにより部分的にブロックされ
た。しかしながら、MK801はNR2CmRNA発現
を強くブロックした。β2の場合、MK801に加えて
CNQXは1.0及び100Hzの刺激で転写をブロッ
クした。100HzでのmRNAの増加は非特異的カル
シウムブロッカーにより強く阻害されたが、1.0Hz
での増加は明らかにはブロックされなかった。何れの場
合も、直接的電気刺激は、少なくとも基底レベルまで受
容体の活性化を部分的に模倣できた。AP5;競合NM
DA受容体アンタゴニスト、MK801;非競合NMD
A受容体アンタゴニスト、CNQX;AMPA受容体ア
ンタゴニスト、Cd&EGTA;非特異的カルシウムチ
ャンネルブロッカー。各実験は独立に3〜8回繰り返し
た。
【図11】図11は、周波数依存形式で制御されたNM
DA及びGABAA受容体サブユニット発現の模式図を
示す。小脳顆粒細胞は、苔状線維から興奮シグナルを、
そしてゴルジ細胞からGABAA受容体を介して抑制性
シグナルを受ける。これらのシグナルの組み合わせが、
神経活動のパターンを決定する。苔状線維によって刺激
されない顆粒細胞でも自発発火を有する。比較的低い周
波数において、NR2C及びβ2サブユニット発現は共
に検出されたが、β2発現はNR2Cよりも促進された
(I)。一方、NR2C発現は、100Hzのような高
周波数でより強く誘導された。NR2Cの発現は苔状線
維刺激顆粒細胞で誘導される可能性があり、相当量の受
容体活性化が関与している(III)。
【図12】図12は、受容体活性化のモデル及びニュー
ロン活性のパターンを示す。
【符号の説明】
1 細胞刺激装置 3 基枠 5 収納部 7 培養用トレー 9 穴 11 コネクタ 12 電極の基端側コネクタ 13 配線 15 アダプタ 17 切換装置 19 アイソレータ 21 接続端子 23 各チャンネルの情報を設定するためのスイッチ 25 各チャンネルのパルスを設定するためのスイッチ 27 ON−OFFスイッチ 28 主電源 29 出力接続部 31 接続コンセント 33 入力部 35 電極装置 37 細胞 39 シャーレ 41 支持板 43 配線 45、45a、45b 電極 47 蓋部 49 培地

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 培養細胞に非接触の状態で該培養細胞に
    電気的刺激を与える装置であり、該装置が支持板に取り
    付けられた同一方向に延びる複数の正負の電極と、培養
    細胞から一定距離離れたところで前記複数の正負の電極
    を支持する手段とを備えることを特徴とする、細胞刺激
    装置。
  2. 【請求項2】 基枠と、該基枠の内側において培養細胞
    を入れるための培養容器を支持する容器支持手段と、前
    記基枠の内側に設けられ、前記複数の正負の電極と接続
    可能な複数のコネクタとを更に備え、前記複数のコネク
    タは電気信号発生装置に接続されていることを特徴とす
    る、請求項1に記載の細胞刺激装置。
  3. 【請求項3】 前記基枠には前記電気信号発生装置に接
    続可能なアダプタが設けられ、前記複数のコネクタは前
    記基枠内部の配線によりそれぞれ前記アダプタに接続さ
    れていることを特徴とする、請求項2に記載の細胞刺激
    装置。
  4. 【請求項4】 前記容器支持手段は、前記基枠に対して
    着脱可能であることを特徴とする、請求項1〜3のいず
    れかに記載の細胞刺激装置。
  5. 【請求項5】 前記複数の正負の電極は3〜10mm間
    隔で配置されていることを特徴とする、請求項1〜4の
    いずれかに記載の細胞刺激装置。
  6. 【請求項6】 複数の電極が個別に制御されていること
    を特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の細胞刺
    激装置。
  7. 【請求項7】 細胞と電極との間の距離をインピーダン
    スを測定することにより一定に保つことができることを
    特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の細胞刺激
    装置。
  8. 【請求項8】 培養細胞を含む培養プレートに複数の正
    負の電極を、該培養細胞が形成する面に対して同一の方
    向から該細胞に接触しないように設置し、該電極を用い
    て電場を形成し、該電場により該培養細胞を刺激するこ
    とを特徴とする、細胞の電気的刺激方法。
  9. 【請求項9】 培養細胞が神経細胞である、請求項8に
    記載の細胞の電気的刺激方法。
  10. 【請求項10】 複数の正負の電極を3〜10mm間隔
    で設置する、請求項8または9に記載の細胞の電気的刺
    激方法。
  11. 【請求項11】 複数の正負の電極による電気的刺激の
    タイミングをずらして培養細胞を刺激することを特徴と
    する、請求項8から10の何れかに記載の細胞の電気的
    刺激方法。
  12. 【請求項12】 請求項1〜7のいずれかに記載の細胞
    刺激装置を用いて細胞を電気的に刺激する、請求項8〜
    11のいずれかに記載の細胞の電気的刺激方法。
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