WO2004094587A1 - 細胞刺激装置及び細胞刺激方法 - Google Patents

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Abstract

 本発明の目的は、生体外で効率よく大量の神経細胞に、細胞を傷つけることなく、直接電気刺激を与えるための電気刺激装置を提供することである。本発明によれば、培養細胞を入れるための培養容器の一方から前記培養細胞に接触しないか、細胞表面に接触する距離まで延びる正または負のうち一方の第一の電極と、前記培養容器の他方から前記培養細胞に接触しないか、細胞表面に接触する距離まで延びる正または負のうち他方の第二の電極とを備え、前記第一の電極と前記第二の電極とにより細胞を刺激する電場を形成することを特徴とする、細胞刺激装置が提供される。

Description

明細書
細胞刺激装置及び細胞刺激方法 技術分野
本発明は、細胞刺激装置及び細胞刺激方法に関するものである。より詳細には、 本発明は、 培養細胞に非接触又は表面に軽く接触する程度の状態で該培養細胞に 電気的刺激を与えることができる細胞刺激装置及ぴ細胞刺激方法に関するもので ある。 背景技術
神経細胞の特徴の一つは、 細胞自体が神経活動と呼ばれる電気的な活動を有す ることである。 未熟な神経細胞が分化 ·発達していく過程において、 神経細胞は 神経伝達物質や神経栄養因子などの刺激に反応してィオンチャンネルや伝達物質 受容体などを発現し、神経細胞固有の伝達物質感受性や興奮性(固有の神経活動) を獲得していき、 そのパターンが神経細胞の個々の歴史や個性を表現していると 考えられる。 また、 近年ではこの神経活動、 即ち電気的な刺激が逆に神経に関連 する物質の動態を制御していることも明らかとなってきている。
本発明者らはこれまで、 神経活動とその生物学的役割を明らかにするために研 究を行ってきた。 その結果、 神経活動のパターン (電気的活動のパターン) が情 報コードシステムとして働いている可能性があることが明らかになつてきた。 本 発明者らの研究の最終的な目標は、 神経活動のパターンを制御することにより脳 の可塑性を制御することであるが、 そのために重要なことは、 神経活動 (神経ィ ンパルス) のパターンの持つ役割を明らかにし、 神経活動のパターンを解読し、 神経活動のパターンのプロフアイリングを行うことである。 そのためには、 人為 的によくコントロールされた刺激条件下で実験を行うことが必要であった。
また、 神経細胞の電気的な活動を制御することにより、 脳の可塑性を制御し、 治療に応用することも可能である。 再生医療においても、 特に神経の再生におい ては、 神経細胞の電気的な活動を持たせることが正常な機能を獲得する上で必須 と考えられている。 そのためには、 生体外で効率よく大量の神経細胞に細胞を傷 つけることなく、 直接電気刺激を与えるための電気刺激装置が必須であった。 細胞に電気刺激を与えるための従来の方法としては、 (1 )電極を神経細胞に揷 入することにより刺激する方法、 または (2 ) 刺激用電極基盤上に神経細胞を接 着させることにより刺激する方法が知られている。 しかし、 上記 (1 ) の方法で は、 一度に多数の細胞を刺激することが困難であり、 また細胞へのダメージも大 きいという欠点がある。 また、 上記 (2 ) の方法では、 電極基盤上に接着できる 神経細胞は極めて少なく、 実用的な刺激装置として機能させることは困難である という欠点がある。 発明の開示
本発明は上記した従来技術の問題点を解消することを解決すべき課題とした。 即ち、本発明は、生体外で効率よく大量の神経細胞に、細胞を傷つけることなく、 直接電気刺激を与えるための電気刺激装置を提供することを解決すべき課題とし た。 本発明はまた、 生体外で効率よく大量の神経細胞に、 細胞を傷つけることな く、 直接電気刺激を与えることができる細胞刺激方法を提供することを解決すベ き課題とした。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、 培養細胞を入れる ための培養容器の一方から前記培養細胞に接触しないか、 細胞表面に接触する距 離まで延びる正または負のうち一方の第一の電極と、 前記培養容器の他方から前 記培養細胞に接触しないか、 細胞表面に接触する距離まで延びる正または負のう ち他方の第二の電極とを備えた細胞刺激を用いて、 前記第一の電極と前記第二の 電極とにより電場を形成して、 該電場により細胞を刺激することにより、 細胞に 所望の電気的刺激を与えることができることを見出し、 本発明を完成するに至つ た。
即ち、 本発明によれば、 培養細胞を入れるための培養容器の一方から前記培養 細胞に接触しないか、 細胞表面に接触する距離まで延びる正または負のうち一方 の第一の電極と、 前記培養容器の他方から前記培養細胞に接触しないか、 細胞表 面に接触する距離まで延びる正または負のうち他方の第二の電極とを備え、 前記 第一の電極と前記第二の電極とにより細胞を刺激する電場を形成することを特徴 とする、 細胞刺激装置が提供される。
好ましくは、 培養細胞を入れるための培養容器の上面又は側面の一方から前記 培養細胞に接触しないか、 細胞表面に接触する距離まで延びる正または負のうち 一方の第一の電極と、 前記培養容器の上面又は側面の他方から前記培養細胞に接 触しないか、 細胞表面に接触する距離まで延びる正または負のうち他方の第二の 電極とを備え、 前記第一の電極と前記第二の電極とにより細胞を刺激する電場を 形成することを特徴とする、 上記の細胞刺激装置が提供される。
好ましくは、 前記第一の電極は、 円形のリング電極である。
好ましくは、 前記第二の電極は、 一本の点電極であるか、 複数の多点電極であ るか、 メッシュ状のシート状電極であるか、 あるいは多点電極を含むシート状電 極である。
本発明の別の側面によれば、 前記の何れかの細胞刺激装置を用いて、 前記第一 の電極と前記第二の電極とにより電場を形成し、 該電場により培養細胞を刺激す ることを特徴とする、 細胞の電気的刺激方法が提供される。
好ましくは、 本発明の細胞の電気的刺激方法で刺激する培養細胞は神経細胞で
図面の簡単な説明
図 1は、 第一の電極が円形のリング電極 (小型) であり、 第二の電極が一本の 点電極である場合の細胞刺激装置を示す。
図 2は、 第一の電極が円形のリング電極 (大型) であり、 第二の電極が一本の 点電極である場合の細胞刺激装置を示す。
図 3は、 第一の電極が円形のリング電極 (大型) であり、 第二の電極が複数の 多点電極である場合の細胞刺激装置を示す。
図 4は、 第一の電極が円形のリング電極であり、 第二の電極がメッシュ状のシ 一ト状電極である場合の細胞刺激装置を示す。
図 5は、 第一の電極が円形のリング電極であり、 第二の電極が多点電極を含む シート状電極である場合の細胞刺激装置を示す。
図 1〜5において、 1は正 (又は負) の電極、 2は負 (又は正) の電極、 3は 配線、 4は培養容器本体、 5は培養容器蓋部、 6は細胞、 7は電源を示す。
図 6は、 P MA刺激によるニューレグリンのタンパク質分断を示す。
脳橋核二ユーロン及び小脳顆粒細胞を 7 D I V (days in vitro) で抗 N R G β 1抗体で染色した。 両ニューロンで、 細胞体及びニューロン性プロセスは N R G 陽性であった (図 Α)。 スケールバー; 6 0 μ ΐη
図 Βでは、 脳橋核ニューロン及び顆粒細胞を、 膜貫通型の N R Gをトランスフ ェクシヨンしたものとしないものについて調製し、 ΡΜΑで 6 0分間刺激し、 条 件培地を回収した。 条件培地のチロシンリン酸化活性を小脳顆粒細胞を用いて調 ベた。 顆粒細胞培養物を、 回収 ·濃縮した条件培地で 5〜1 0分間刺激した。 顆 粒細胞からのライセートを S D S— P AG Eで分解し、 ブロットを抗一ErbB4抗 体で免疫沈降した後、 抗ホスホチロシン抗体 (4 G 1 0 ) で検出した。 1 8 0 k Dのチロシンリン酸化したバンドを刺激により検出した(図 B )。条件培地を P N
(トランスフエクションしない脳橋核ニューロン)、 t P N (トランスフエクショ ンした脳橋核ニューロン)、 G C (トランスフエクシヨンしない顆粒細胞)、 及び t G C (トランスフエクシヨンした顆粒細胞) から回収した。 結果を図 Cに要約 する。 実験は独立に 3又は 4回繰り返した。
図 Dでは、小脳顆粒細胞を用いて、条件培地刺激後の CREB—リン酸化を確かめ た。 血清飢餓小脳顆粒細胞を、 脳橋核二ユーロン及ぴ顆粒細胞培養物から回収し た条件培地で処理した ( 5〜: L 0分間)。 脳橋核二ユーロンからの条件培地を a、 b及ぴ cにおいて刺激のために使用した。 d、 e及ぴ f では、 条件培地を顆粒細 胞培養物から調製した。 a、 d :対照
b、 e :ベクター (pEGFP— N3)
c、 f : p NRG-GF P
刺激した顆粒細胞は、固定化後、ホスホー CREB抗体で染色した。 PMA刺激(6 0分間)により放出された可溶型を濃縮し、培養顆粒細胞に加えた。条件培地は、 パネル c及ぴ f において内生の NRG及ぴ組み換え NRGを含むはずである。 b 及び eからの差し引きは、 組み換え mNRGから切断された NRGの作用を示し た。 ErbB及ぴ CREBリン酸化アツセィ系を使用して、 E及ぴ Fにおいてタンパク 質分解に必要なアミノ酸配列を同定した。 E LYQKRVLT配列は膜貫通ドメ インの細胞外並列の上に位置していた。 配列を欠失またはリジンからグリシンに 変異させた場合、 タンパク質分解の効率は Fに示す通り阻害された。 リジン残基 はプロテアーゼによる認識に必須のァミノ酸であつた。
図 7は、 電気刺激による CREB—リン酸化活性を示す。
脳橋二ユーロン及ぴ小脳顆粒細胞を 18日齢の胎児マウス及ぴ生後 7日のマウス からそれぞれ調製した。 ニューロンを 7日間培養し、 異なるパターンの電気刺激 で刺激した。 電気刺激後、 CREB—リン酸ィ匕を顆粒細胞を用いて調べた (図 A及ぴ B)。抗 PCREB抗体に陽性の細胞を計数し、全細胞数に対して標準化した。各皿か らランダムな 5箇所の顕微鏡視野 (20倍) を細胞計数のために撮影した。 独立 した実験から、 3〜 5枚の皿を計数した。 CREBリン酸化の効率は 50Hz刺激で 最高であった。 リン酸化は TTXにより部分的にプロックされた。
図 8は、 電気刺激による N R Gのタンパク質分断を示す。
電気刺激後、 ErbB4のチロシンリン酸化活性を PMA刺激により同一の方法で 測定した。 パネル Aは、 脳橋核ニューロン及ぴ顆粒細胞においては、 ErbB4に対 する条件培地のチロシン一リン酸化活性の効率が 50Hzの刺激で最高あること を示す。 チロシンリン酸化は PKC阻害剤である H 7によりブロックされた。 結 果をグラフに要約する (図 B)。 図 C及ぴ Dでは、小脳顆粒細胞を用いて条件培地 刺激による刺激後に、 CREBリン酸化を確認した。 血清飢餓小脳顆粒細胞を、 電気 刺激後の顆粒細胞培養物から回収した条件培地で試験した (15分間)。
Full - NRG:これらの実験では、全長 NRGを顆粒細胞にトランスフエクシヨンした。 Del-NRG: NRGのアミノ酸番号 197〜216を欠失させ、 タンパク質はタンパク質分 解に耐性である。
最後に、 免疫沈降後のィムノブロットにより切断された NRGを直接検出した 結果を Gに示す。 検出の手法を図 E及ぴ Fに要約する。 mNRGを電気刺激後に トランスフエクシヨンした (トランスフエクション効率;〜 5 %) 約 5 X 107 個の顆粒細胞から、 条件培地を回収した。 培地をセントリコンを用いて濃縮し、 抗ー s NRG抗体で免疫沈降した。 抗体としては、 切断型 NRGの c末端のみを 認識する抗 s N R Gポリクローナル抗体(実施例 1で作成した抗体)を使用した。 免疫沈降後に、 NRGi3 1のみを認識する抗 NRG 1抗体を用いてウェスタン ブロット分析を行った。 図 Gに示す通り、 5 OH zの刺激で切断型 NRGのシグ ナルが検出できた。 このシグナルは P K C阻害剤である H 7により消失した。 こ れらの結果から、 培地中に放出された N R G量は周波数の刺激に応じて異なるこ とが分かる。
図 9は、 リアルタイム定量 PCR法により定量した NMDA及ぴ GAB AA受 容体サブュニット発現を示す。
図 Aでは、 インビトロで 1〜21日間 1 OmMの KC 1を用いて培養した顆粒 細胞を用いて、 NMDA及ぴ GABAA受容体サブユニット発現を調べた。 電気 刺激実験のために 7D I V (days in vitro) を選択した。 7D I Vでは、 顆粒細 胞は未だ生きているが、 NMDA受容体、 NR2C、 2 B及び GABAA受容体 β 2サブュニット mRNAは減少している。 GABAA受容体 α 1及ぴ γ 2mR NAは 7D I Vでは保持されていた。 異なるパターンの電気刺激後に RT— PC Rのリアルタイム定量分析を行った。 NR2C及び 2サブユニットの転写を異 なる周波数で制御した。 N R 2 C転写は、 1. 0及ぴ 100 H zの刺激で促進さ れ(図 B)、 100Hzで検出された増加は TTX処理でブロックされた。し力 し、 1. OH zでの増加は TTXでは強くはブロックされなかった。 一方、 ]32転写 は、 0. 1〜10Hzの刺激で NR2Cよりも強く促進され、 増加は TTX処理 でブロックされた。 10 OH ζでの増加は ΤΤΧで部分的にブロックされた。 0. 1Ηζ ; η=6、 1Ηζ ; η= 18、 10Hz ; n= 10、 50Hz ; n=12s 100Hz ; n = 26、 T T Xで非刺激; n = 3、 1Hz及び T ΤΧ; η = 6、 10 OH ζ &ΤΤΧ ; η= 6、 * ρ < 0. 001、 * * ρ < 0. 00001 図 Cでは薬理実験を電気刺激の下で行つた。 N R 2 Cの場合、 1及ぴ 100 Η ζで増加した転写は全てのアンタゴニスト及びプロッカーにより部分的にプロッ クされた。 しかしながら、 ΜΚ801は NR 2 CmRNA発現を強くブロックし た。 ]32の場合、 MK801に加えて CNQXは 1. 0及ぴ 100Hzの刺激で 転写をブロックした。 10 OH zでの mRN Aの増加は非特異的カルシウムプロ ッカーにより強く阻害されたが、 1. 0Hzでの増加は明らかにはブロックされ なかった。 何れの場合も、 直接的電気刺激は、 少なくとも基底レベルまで受容体 の活性化を部分的に模倣できた。 AP 5 ;競合 NMD A受容体アンタゴニスト、 MK801 ;非競合 NMD A受容体アンタゴニスト、 CNQX; AMP A受容体 アンタゴニスト、 C d &EGTA;非特異的カルシウムチャンネルブロッカー。 各実験は独立に 3〜 8回繰り返した。
図 10は、 周波数依存形式で制御された NMD A及び GAB AA受容体サブュ ニット発現の模式図を示す。
小脳顆粒細胞は、 苔状線維から興奮シグナルを、 そしてゴルジ体から GAB A A受容体を介して阻害シグナルを受ける。 これらの活性の組み合わせが、 ニュー 口ン活性のパタ一ンを決定する。 苔状線維によつて刺激されない顆粒細胞でも自 発的活性を有する。 比較的低い周波数において、 NR 2C及ぴ 2サブユニット 発現は共に検出されたが、 2発現は NR 2 Cよりも促進された (1)。 一方、 Ν R2C発現は、 10 ΟΗζのような高周波数でより強く誘導された。 NR2Cの 発現は苔状線維刺激顆粒細胞で誘導される可能性があり、 相当量の受容体活性化 に関与している (111)。
図 1 1は、 受容体活性化のモデル及びニューロン活性のパターンを示す。 発明を実施するための最良の形態
本発明の細胞刺激装置は、 培養細胞を入れるための培養容器の一方から前記培 養細胞に接触しないか、 細胞表面に接触する距離まで延びる正または負のうち一 方の第一の電極と、 前記培養容器の他方から前記培養細胞に接触しないか、 細胞 表面に接触する距離まで延びる正または負のうち他方の第二の電極とを備え、 前 記第一の電極と前記第二の電極とにより細胞を刺激する電場を形成することを特 徴とするものである。
上記した第一の電極及び第二の電極はそれぞれ正又は負の電極を構成し、 両者 を組み合わせて使用することにより、 細胞を刺激するための電場が形成される。 上記した第一の電極及び第二の電極はそれぞれ培養容器の上面又は側面から培養 細胞に接触しないか、細胞表面に接触する距離まで延びるように設置されている。 本発明の一例では、 第一の電極は円形のリング電極とし、 第二の電極を一本の 点電極、 複数の多点電極、 メッシュ状のシート状電極、 あるいは多点電極を含む シート状電極とすることができる。 以下、 上記したような本発明の各種の実施の 形態を図面に基づいて説明する。
図 1は、 本発明の第一の態様の細胞刺激装置を示すものであり、 具体的には、 第一の電極が円形のリング電極 (小型) であり、 第二の電極が一本の点電極であ る場合の細胞刺激装置を示す。 図 1の上段の図は側面図を示し、 中段の図は斜視 図を示し、 それぞれ、 正 (又は負) の電極 1 (一本の点電極) と負 (又は正) の 電極 2 (円形のリング電極) とが、 培養容器蓋部 5の異なる位置から配線 3によ り電源 7に接続された状態で、 培養容器本体 4の底面上で培養している細胞 6の 表面に接触する地点まで延びている状態を示す。 なお、 電極 1と電極 2は片方が 正の電極の場合は、他方が負の電極になるように選択される。図 1の下段の図は、 上面から見た電極 1と電極 2の位置関係を示す。
図 2は、 本発明の第二の態様の細胞刺激装置を示すものであり、 具体的には、 第一の電極が円形のリング電極 (大型) であり、 第二の電極が一本の点電極であ る場合の細胞刺激装置を示す。 図 2の上段の図は側面図を示し、 正 (又は負) の 電極 1 (一本の点電極) と負 (又は正) の電極 2 (円形のリング電極) とが、 培 養容器蓋部 5の異なる位置から配線 3により電源 7に接続された状態で、 培養容 器本体 4の底面上で培養している細胞 6の表面に接触する地点まで延びてレヽる状 態を示す。 なお、 電極 1と電極 2は片方が正の電極の場合は、 他方が負の電極に なるように選択される。 図 2の下段の図は、 上面から見た電極 1と電極 2の位置 関係を示す。
図 3は、 本発明の第三の態様の細胞刺激装置を示すものであり、 具体的には、 第一の電極が円形のリング電極 (大型) であり、 第二の電極が複数の多点電極で ある場合の細胞刺激装置を示す。 図 3の上段の図は側面図を示し、 正 (又は負) の複数の多点電極 1と負 (又は正) の電極 2 (円形のリング電極) とが、 培養容 器蓋部 5の異なる位置から配線 3により電源 7に接続された状態で、 培養容器本 体 4の底面上で培養している細胞 6の表面に接触する地点まで延びている状態を 示す。 なお、 電極 1と電極 2は片方が正の電極の場合は、 他方が負の電極になる ように選択される。 図 3の下段の図は、 上面から見た電極 1と電極 2の位置関係 を示す。
図 4は、 本発明の第四の態様の細胞刺激装置を示すものであり、 具体的には、 第一の電極が円形のリング電極であり、 第二の電極がメッシュ状のシート状電極 である場合の細胞刺激装置を示す。 図 4の上段の図は側面図を示し、 正 (又は負 ) の電極 1 (メッシュ状のシート状電極) と負 (又は正) の電極 2 (円形のリン グ電極) とが、 培養容器蓋部 5から配線 3により電源 7に接続された状態で、 培 養容器本体 4の底面上で培養している細胞 6の表面に接触する地点まで延ぴてい る状態を示す。 なお、 電極 1と電極 2は片方が正の電極の場合は、 他方が負の電 極になるように選択される。 図 4の下段の図は、 上面から見た電極 1と電極 2の 位置関係を示す。 第二の電極 1においては、 メッシュ状に形成された電極 2が、 全体としてはシートを形成している。
図 5は、 本発明の第五の態様の細胞刺激装置を示すものであり、 具体的には、 第一の電極が円形のリング電極であり、 第二の電極が多点電極を含むシート状電 極である場合の細胞刺激装置を示す。 図 5の上段の図は側面図を示し、 正 (又は 負) の電極 1 (多点電極を含むシート状電極) と負 (又は正) の電極 2 (円形の リング電極)とが、培養容器蓋部 5から配線 3により電源 7に接続された状態で、 培養容器本体 4の底面上で培養している細胞 6の表面に接触する地点まで延びて いる状態を示す。 なお、 電極 1と電極 2は片方が正の電極の場合は、 他方が負の 電極になるように選択される。 図 5の下段の図は、 上面から見た電極 1と電極 2 の位置関係を示す。 第二の電極 2においては、 多数の電極 (多点電極) 1が全体 としてはシートを形成している。
図 1〜図 5に構造を示す本発明の細胞刺激装置においては、 培養細胞に接触し ないか、 細胞表面に接触する距離まで延びる正と負の電極の組み合わせにより培 養容器中の培地内に電場を形成し、 この電場により細胞を電気的に刺激すること ができる。本発明においては、刺激する細胞の種類や性質、形成する電場の強さ、 並びに電場を形成する領域などに応じて、 上記した図 1〜図 5に記載した構造を 有する細胞刺激装置の中から最も適したものを適宜選択して使用することができ る。
以下の実施例により本発明をさらに具体的に示すが、 本発明は実施例によって 限定されるものではない。 実施例
実施例 1 :分泌型ニューレグリンを特異的に認識する抗体の作製
( 1 ) 抗原ハプテンペプチドの設計
タンパク質の限定分解反応を補足する抗ぺプチド抗体を調製するためには、 標 的とする基質タンパク質の切断部位に関する情報が必要である。 本実施例では分 泌型ニューレグリンの C末端を含む短いペプチド (5 merあるいは 6 mer) にシス ティン残基を付加したペプチドを合成し、 ハプテンとして用いた。 具体的には、 Cys-Glu-Leu-Tyr-Gln及ぴ Cys- Glu- Leu-Tyr- Gin Lysの混合ぺプチドを抗原とし て用いた。
( 2 ) 用いた試薬
合成ハプテンペプチド
KLH (keyhole limpet hemocyanin) in 50%グ リ セ ロ ーノレ(約 80°/omg/ml) [Calibiochem社〕
DMFA (ジメチルホルムアルデヒド)
MBS (m—マレイミ ドベンゾィルー N—ヒ ドロキシスクシンイミ ドエステル) [Pierceネェ J
ゲル濾過カラム (フアルマシア PD- 10)
50mMリン酸ナトリウムパッファー (pH7. 5)
lOOmMリン酸ナトリウムバッファー (pH7. 2)
免疫
フロイント完全アジュパント (FCA)
フロイント不完全アジュバント (FIA)
シリンジ '注射針など
抗体のァフィ二ティー精製
lOOmM HEPESバッファー (pH7. 5)
Affigel 10または 15 〔バイオラッド社〕
30%酢酸 I
20%エタノール
PBS
50mMクェン酸パッファー(pH3. 0)
2 M トリスバッファー(ρΗ9· 5)
20%グリセ口ール含 Na-PBS
( 3 ) 抗原 (ハプテン Zキャリア複合体)の調製
① MBS/活性化 KLHを調製する。 KLH約 40mg (0. 5ml)を 50mM リン酸ナトリウム バッファー(ρΗ7· 5) 1. 5mlに加え、 スターラーを用いて撹拌する。 次に、 9. 3mgの MBSを 0. 38mlの DMFAに溶解したものを(用時調製)、これに加える。 MBS添加後、 室温で 30分撹拌する。 その後、 2,000rpmで 2分程度遠心し、 上清を以下で用い た。
② MBS/活性化 KLHをフリーの MBSから分離する。フアルマシア PD- 10カラムを を 50mMリン酸ナトリゥムバッファー (ρΗ7· 5) 40〜50mlで洗浄し、 平衡化してお く。 これに①の遠心上清 2mlを添加し、 ゲルに浸潤した後に 0. 5mlのパッファー を加える。 浸潤し終わった時点で溶出液の回収を始め (最初の 2. 5mlを prevoid として捨てる)、 2mlの溶出液(MBSZ活性化 KLH) を回収する。 これで 4回分の力 ップリングに使用することのできる標品が得られる。
③ 合成ハプテンぺプチドを活性化 KLHに力ップリングする。 合成ぺプチド 5mg 程度を 4. 5mlの lOOmMリン酸 Naバッファー (pH7. 2) に溶解し、 撹拌する。 この 際、 pH試験紙を用レ、て溶液の pHが下がっていないことを確認する。これに、 0. 5ml の MBS/活性化 KLHを加え、 4°Cで一昼夜撹拌する。その後、透析する必要はない。 これを免疫原として使用する。 保存は _20°Cまたは一 80°Cで行う。
( 4 ) 免疫
① ゥサギを用いてポリクローナル抗体を調製した。 まず、 体重約 3kgのゥサギ に対して 1次免疫を行う。抗原溶液 0. 3mlに対して 0. 6mlの FCAを加え、撹拌後、 超音波処理 [Branson Sonifier 185 (bath type)、 power 7〜 1 0、 3分程度〕 に よってェマルジヨンを調製する。 これを、左右の背筋上に位置する皮下部分に 10 ケ所程度に分けて注射する。 注射針は 18Gあるいは 21Gを用いる。
② 約 1力月後に 2次免疫を行う。 この場合は、 0. 3mlの抗原溶液に対して 0. 6ml の FLAを用いて、 同様にェマルジヨンを調製する。 左右の大腿筋に注射する。
③ 2次免疫の 2週間後と 4週間後に、 3次免疫及び 4次免疫を行う。この場合は、 0. 15mlの抗原溶液を 0. 45mlの PBSで希釈し、①と同様に背中に皮下注射を行う。 用いる注射針は 26Gでよい。
④ 4次免疫の約 1週間後に、 部分採血を行う。 40〜50ml程度採血し抗体の生成 状態をチェックした後、 ァフィ二ティー精製を行う。 良好であれば、 約 1ヶ月休 ませて、 2回ほど追加免疫を行って、 全採血を行う。
( 5 ) 抗体のァフィ二ティー精製
① ァフィ二ティーゲルを調製する。 ァフィ二ティー担体としては Affigel 10 または 15を用いる。 まず、 ハプテンペプチド l〜5mgを 4mlの lOOmM HEPESバッ ファー (pH7. 5) に溶解する。 次に、 l〜2mlの Affigelをグラスフィルター上で 吸引洗浄し (氷冷蒸留水 10ml X 2回)、 直ちにペプチド溶液に加える。 一昼夜 4°C で回転撹拌した後、 フリーのペプチドを除くために、 再度グラスフィルター上で 吸引洗浄する。 この場合は、十分量の蒸留水以外に 30¾酢酸や 20%エタノ一ルを用 いて完全に洗浄し、 最後に PBSで平衡化しておく。 保存は冷蔵で行う。
② 特異的抗体をァフィ二ティーカラムに吸着させる。 ァフィ二ティーゲルを力 ラムに (内径 5〜10mm程度) に詰め、 PBSで洗浄する。 非働化血清 10mlを同量の PBSで希釈し、 フィルター (0. 22または 0. 45 μ πι) を通し、 カラムに添加する。 透過液を回収し、 3〜4回再添加を繰り返す(流速は 1ml/分程度)。さらに、約 50ml の PBSでカラムを洗浄する。
③ 抗体を回収する。 あらかじめ 0. 5mlの 2 M トリスバッファー (pH9. 5) を入れ ておいたチューブに、 ァフィ二ティーゲルから抗体を溶出させる。 溶出は、 5ml の 50mMクェン酸バッファー(PH3. 0)を 1ml/分程度の速度で添加して行う。次に、 溶出液を透析チューブに移し、 20%グリセロール含 Na-PBS に対して透析を行う
(4°C、 一昼夜)。 抗体の定量は、 280nmの吸収を計測して行う (lmg IgG/ml、 A280 = 1. 4)。 通常、 l〜10mgの特異的 IgGが回収される。 保存は、 分注後一 80°Cで行
実施例 2 :ニューレグリンの病態作用機序
(方法)
( 1 ) 細胞の調製
脳橋核の神経細胞およぴ小脳顆粒細胞を各々 E 1 8 B A L B Z Cおよび P 7マ ウスから標準法によって調製した。 7 DIV (days in vitro) 培養物を、 両方の細 胞種における PMA及ぴ電気刺激のために使用した。 顆粒細胞は、 受容体サブュ ニット発現の定量のために、 10111]^の1:じ 1条件下インビトロで 1〜21日間 培養した。 脳橋核ニューロンは、 10°/。馬血清を含む DMEM (Gibco BRL) で 1又 は 2日間培養し、その後、 B-27 (Gibco BRL) を補充した Neurobasal培地(Gibco BRL) で維持した。 培養物には、 B- 27 (Gibco BRL) を補充した Neurobasal培地
(Gibco BRL) から成る培地を供給した。 G F Pタグ及ぴベクターを含む全長の NRGプラスミド(pEGFP、 Clontech) を Lipof ectamine (登録商標) 2000 (Gibco BRL) により各々トランスフエクシヨンした (脳橋核のトランスフエクシヨン効 率; 1〜 3 %、顆粒細胞; 5〜 10 %)。 トランスフエクシヨンの 24〜 36時間 後にニューロンを 1 μΜの PMA (Tocris) で 60分間刺激した。
(2) 切断型の NRGの検出
本実施例における電気刺激は、 本明細書中上記した構造を有し、 図 1から 5に 示した構造を有する細胞刺激装置を用いて行った。
組み換え全長 mNRGをトランスフエクシヨンした 5 X 106〜5 X 107細 胞に 30分間の電気刺激 (lmA、 30〜60V細胞外) を加えた後、 細胞から 得られた条件培地を回収し、セントリコン 10及ぴ 100 (Millipore) を用いて 濃縮し、 大分子量 (> 100 kD) 及び小分子量 (< 10 kD) のタンパク質を 除去した。 7 D I Vの顆粒細胞は、 脳橋核二ユーロン及ぴ顆粒細胞から得た濃縮 条件培地で処理した。 ErbB リン酸化において、 ポリクローナル抗 _ErbB4抗体
(Santa Cruz) による免疫沈降後に、 マウスモノクローナル抗ホスホチロシン抗 体(4G 10)を用いて標準法によりウェスタンブロット分析を行った(Rieff HI 他 JNeurosci, 19 (24) , 10757—10766(1999))。 免疫沈降試験のために、 ライセー トを免疫沈降抗体の適当な稀釈物と一緒に 4でで 1時間ィンキュペートした後、 プロテイン Α—Sepharose と一緒に 4 °Cで 1時間インキュベートした。 次いで、 ライセートを 15000 r pmで 3分間遠心し、 上清を廃棄した。 ペレッ トを溶 解緩衝液で 2回洗浄し、 ゲルローディング緩衝液に再懸濁した。 試料を 3分間煮 沸し、 タンパク質を電気泳動で分離した。 C R E Bリン酸ィ匕を検出するために、 7 D I Vの培養顆粒細胞を、 条件培地で 1.0〜15分間刺激した後、 4%パラホルムアルデヒドで 10分間固定ィ匕し、 ポ リクローナル抗一 NRGi3 1抗体、ポリクローナル抗一PCREB抗体(BioLabs) で染色した。 染色した顆粒細胞をレーザー共焦点顕微鏡 (Carl Zeiss) で観察し た。 Alexa (登録商標) 染料 (Molecular probe) を二次抗体として使用した。
(結果)
( 1 ) 脳橋核ニューロン及び小脳顆粒細胞における NRGの膜貫通型のタンパク 質分断
図 6 Aの実験で使用した小脳顆粒細胞及ぴ脳橋核ニューロンの分散初代培養物 の状態を調べた。 脳橋核ニューロン (PN) は、 18日目の胚 (E 18) から調 製し、 小脳顆粒細胞 (GC) は出生後 7日目 (P 7) 力 ^調製した。 培養ニュー ロンでの mNRGのタンパク質分断の有無を調べるために、抗 ErbB及び抗ホスホ チロシン抗体による免疫沈降、 及ぴ抗 PCREB抗体を用いた免疫細胞化学分析を、 GF P- t a gを含む組み換え全長 NRG ]3 1をトランスフエクシヨンした場合 としない場合について、 PKC活性化因子であるホルボール一 1 2_ミリステー トー 13—ァセテート (PMA) で 60分間刺激した脳橋核ニューロン及ぴ顆粒 細胞を用いて行った。
苔状線維と顆粒細胞の間のシナプスにおける N R G受容体に関連して、 ErbB 2 及び ErbB 4が小脳系に関与していることは既報である (Ozaki M他 Nature, 390, 691-694(1997) ;及び Ozaki M他 Neurosci Res, 30 (4), 351-354 (1998) )0 ErbB4 の発現は、 小脳顆粒細胞ではィンビトロ及ぴィンビボで ErbB2の発現よりも強か つた。 サイタリック AMP応答部位結合タンパク質(CREB) のリン酸化が、 ErbB4 シグナル伝達経路のさらに下流に関与していた (Taberbero A 他 Mol Cell Neurosci, 10, 309-322 (1998) )0 PMAで処理後の脳橋核ニューロン及び顆粒細 胞の培養物の条件培地を回収し、 濃縮し、 顆粒細胞に 5〜10分間適用した。 抗 ErbB4抗体による免疫沈降後に、顆粒細胞からのライセートを SDS-PAGEで解析し、 ブロットを抗一ホスホチロシン抗体(抗ー TYK) で検出した。 トランスフエクショ ンしない脳橋核ニューロン(None)、ベクターをトランスフエクシヨンした脳橋核 (vPN)、 NRGをトランスフエクシヨンした脳橋核ニューロン (t PN)、 ベ クタ一をトランスフエクシヨンした顆粒細胞(vGC)、及び mNRGをトランス フエクシヨンした顆粒細胞 (t GC) から、 条件培地を回収した。 mNRGをト ランスフエクシヨンした脳橋核二ユーロン及ぴ顆粒細胞は共に、 トランスフエク シヨンしないニューロン及びベクターのみをトランスフエクションした細胞と比 較して、 強いリン酸化活性を示した (図 6 B、 図 6 C)。 上昇した s NRG量は、 顆粒細胞を用いて ErbBリン酸化によって確認した。 mNRGをトランスフエクシ ョンしたニューロンから得られた条件培地による 1 80 kDのチロシン一リン酸 化バンドは、 PMA刺激を用いた場合に顕著であった(図 6 B)。 トランスフエク シヨンした脳橋核二ユーロン及び顆粒細胞を P K C阻害剤である H 7で処理した 場合の条件培地では、 リン酸化活性は抑制された。内在性 NRGは ErbBリン酸ィ匕 の顕著な活性を示さなかった。 しかし、 リコンビナント (組み換え) mNRGを 培養ニューロンにトランスフエタトした場合、 ErbB4 リン酸化は顕著であった。 これらの結果は、 PKC活性化後に s NRGが組み換え mNRGから産生したこ とを示す。 図 6 Cにおいて、 リン酸ィヒの比率は、 ErbB4抗体による免疫沈降後に ブロットした ErbB4シグナルに対して標準化した。
CREB—リン酸化の結果を図 6の Dに示す。 PMA刺激 (60分間) により放出さ れる可溶型をスピンカラムを用いて濃縮し、 培養顆粒細胞に添加した。 刺激した 顆粒細胞を固定後、抗ホスホ CREB抗体で染色した。脳橋核ニューロンからの条件 培地を刺激 (a、 b及ぴ c) のために使用し、 顆粒細胞培養物からの条件培地を 刺激 (d、 e及ぴ f ) のために使用した。 パネル Dは、 コントロール (a、 d)、 ベクター (b、 e) 及ぴ全長 NRG (c、 f ) を示す。 条件培地( c及ぴ f ) は、 切断された内在性及ぴ組み換えの NRGを有するはずである。 cから bの引き算 及ぴ f から eの引き算は、 組み換え mNRG由来の s NRGにより誘発される CREBリン酸化を示す。 条件培地による 5分以上の処理後に、 異なる CREB リン酸 化が観察された。 生培養顆粒細胞を使用した場合には、 KC 1刺激による NRG の放出は明白には観察されなかった。
全長 mNRGをトランスフエクシヨンした脳橋核ニューロン及ぴ顆粒細胞から の条件培地は、 ErbB—及び CREB—リン酸化の異なる活性を示した。 ErbB—及ぴ CREB-リン酸化活性の測定から、 タンパク質分断に必要なァミノ酸配列を同定し た。 図 6 E及び 6 Fに示す通り、 ELYQKRVLT領域内の欠失変異体は、 タ ンパク質分断を明白には示さなかった。 この領域内の Kから Gへの点変異は表、 図 6 Fに示す通り切断の減少を生じた。 NRGはメタ口プロテアーゼ (ADAM s)フアミリープロテア一ゼの基質として報告されている(ShirakabeK他 J Biol Chem, 276(12), 9352-9358 (2000) )0 メタ口プロテアーゼによる NRG切断は、 主 としてゴルジ体で起こると報告されている。 mNRGのある種のタンパク質分断 は細胞表面で起こることが報告されている (Loeb JA他 Mol Cell Neurosci, 11(1-2), 77-91(1998))。 NRGのタンパク質分断は、 細胞の種類、 NRG及びプ 口テアーゼのタンパク質局在、 及び時期に依存して複数のプロテアーゼによって 調節されている可能性がある。
(2) パターン化電気刺激による N R Gのタンパク質分断
CREB—リン酸化活性を、 抗ー PCREB抗体を用いた免疫細胞化学分析により測定 し、電気刺激による小脳顆粒細胞の CREBリン酸化の最適条件を調べた。顆粒細胞 を異なる周波数で 5分間電気的に直接刺激した(図 7の A及ぴ B)。 1Hzから 1 0 OH zの周波数でリン酸化活性が検出され、 50Hzが最適であった。 50H zでの CREB—リン酸化活性は、 ナトリウムチャンネルブロッカー TTXで 36. 6 ± 5. 45 %ブロックされた。 図 Bにおいて、 PCREB—陽性細胞を計測し、 全細 胞数に対して標準化した。 これらの実験は、 異なる周波数によりニューロン細胞 内に異なる状況が生じることを示唆する。 N R Gのタンパク質分断に最適な周波 数は 5 OH zであった。
N R Gのタンパク質分断が異なるパターンの電気刺激で生じるかどうかを確か めるために、 異なる周波数での電気刺激後に、 ErbBリン酸化を抗ー TYK及ぴ抗ー ErbB4抗体を用いた免疫沈降により検出した。 GC及ぴ P N培養物を、 刺激装置に パラレルに接続したマルチ白金電極を装着した 35 mm皿中で電気的に刺激した。 電気刺激は、 定常電流で 30秒間、 0. 1〜 100 H zで連続的に送られる 0. 2ms e cの矩形パルスの交流 (1mA) で行なった。 十分に切断された形の N RGを入手するために、 ニューロンを異なる周波数で 30分間刺激した。 各々の 刺激により、 刺激されたニューロンには、 異なる定常状態のカルシウムレベルが 付与される。 高周波数は高い定常状態のカルシウムレベルを示す。 刺激中の培地 の p H及び温度は、 刺激しない場合と同じであった。
抗一 ErbB4抗体で落とした切断型 NRGは、 抗 TYK抗体を用いた免疫プロット により検出した。 リン酸化の効率は、 ErbB4 シグナルに対して標準化することに より測定した。 リン酸化シグナルは、 他の周波数の場合と比較して 50 H zの刺 激で有意に強かった (図 8八及ぴ図86)。 条件培地の CREB—リン酸化活性も 5 OH zの刺激が最適であった (図 8C及ぴ図 8D)。 さらに、 PNNからの条件培地 も CREBリン酸化において GCと同様の傾向を示した。 5 OH zの刺激で、 77.4土 2.08%の GCは PCREB陽性であり、 100 H zの刺激では、 62.5±4.17%の GCが PCREB 陽性である。 PCREB の反応ピークは 5 OH zで観察された (n=15、 コント口 ールに対して P<0. 00018、 t検定)。 5 OH zの刺激による CREBリン酸 化は H 7により阻害された (n= 7、 5 OH z刺激に対して P = 0. 003)。 非 切断型の NRG (欠失変異体) を顆粒細胞にトランスフエクシヨンし、 細胞を 5 OH zで刺激した場合、 pCREB の数は有意に減少した (n = 5、 5 OHz刺激に 対して P = 0. 005)。
上記方法を使用後、 図 8 E〜Gに記載した方法を使用して切断型の NRGを検 出した。 実施例 1で作製した切断型ニューレグリンの C末端のみを認識する抗体
(抗 s NRG抗体) を使用した。 電気刺激後、 約 5 X 107個のトランスフエク シヨンした顆粒細胞を使用して条件培地を回収した。 100 k D以上及ぴ 10 k D未満のタンパク質をセントリコン 10及ぴ 100遠心濾過を用いて除去し、 セ ントリコン 10によりさらに濃縮した。 その後、 抗 s NRG抗体を用いて免疫沈 降を行い、 NRGの ]3 1ァイソフォームのみを認識できる抗ー NRG 3 1抗体を 用いてィムノプロットした。 プロットを図 8 Gに示す。 切断した NRGのシグナ ルは約 3 0〜 40 k Dの位置に検出された。 H 7で 5 0 H zの刺激の場合、 切断 型の NRGのシグナルは明白には検出されなかった。 以上の結果から、 s NRG は、 特定のパターンの電気刺激により開始かつ制御されたタンパク質分断により m N R Gから産生することが判明した。 実施例 3 :伝達受容体発現機構の解析
(方法) NMDA及ぴGABAA受容体サブュニットのリアルタイム定量分析 電気刺激後、 リアルタイム定量分析 (ABI prism 7700, Perkin Elmer) を行つ た。 Primer Express (PE Biosystems)を用いてプライマー及び TaqManプローブを 設計した。 各プライマーにより増幅した P C R産物はァガロースゲル上でシング ルバンドであった。 産物を直接配列によって確認した。 使用した全プライマーは 他の遺伝子と交差しなかった。 薬理実験では、 TTX ( 1 μΜ、 Tocris), D— A P 5 (5 0 j M、 Tocris)、 MK 8 0 1 (2 5 μΜ、 Tocris)、 CNQX ( 1 0 μ M、 Tocris)、 C d (1 0 0 μΜ、 Wako Inc. ) 及び EGTA ( 1 mM、 Sigma) を 使用した。
(結果) 電気刺激により制御された NMD A及ぴ GABAA受容体サブュニット の発現
NMDA及ぴGABAA受容体サブュニット発現を制御できる電気活性のパタ ーンを調べた。 リアルタイム定量化ポリメラーゼ連鎖反応(P CR)法を用いて、 NMDA及ぴGABAA受容体サブュニッ トの mRNAの発現を、 インビトロで 1〜2 1日目の培養中で定量した。 先ず、 培養顆粒細胞中の NMD A及ぴ GAB AA受容体の各サブユニットの mRNA発現レベルを調べた (図 9 A)。 ニューロ ン特異的エノラーゼ (NS E) を対照として用いた。 P 7マウスから調製した 7 D I V (days in vitro) 培養ニューロンの性質は、 成熟期でインビボで P 1 4マ ウスのものと理論的に同一である。 インビポの P 1 4で、 NR 2 B発現は小脳顆 粒細胞でシャツトダウンする一方、 N R 2 C発現は全顆粒細胞で見られる。 NM DA受容体のサブュニットの切り替えはマウスでは P 14でほぼ終了した。一方、 GAB AA の α 1、 ]32及び γ 2サブュニットはインビボの Ρ 14で大量発現し ていた。 インビトロの状況をインビボに適合するように調整するために、 インビ トロで 7 Θ間培養した顆粒細胞を選択して電気刺激した。
培養顆粒細胞を異なる周波数 (0〜100Ηζ) で 1mAで 30分間刺激した (図 9 B、 9 C)。刺激後の細胞の生物学的活性は化学染色及ぴ抗 NRG抗体染色 によって確認したが、 生細胞数の有意な差異は何れの場合も見られなかった。 N MDA受容体 NR 2 B及ぴ GAB ΑΑα 2、 γ 1の場合、電気刺激の効果は何れの 周波数でも明白には検出されなかった。 NMDA受容体 NR 2 Cサブュニットの 発現は、 1 Hz及ぴ 10 ΟΗζの周波数での直接刺激によって促進され、 100 Η ζなどの高周波数での刺激で検出された増加は ΤΤΧによりブロックされた。 1 Η ζの刺激による N R 2 Cの増加は、 Τ Τ Xにより強くはブロックされなかつ た。 GAB ΑΑ受容体 ]32サブユニットの場合、 mRNA発現は、 0. 1から 1 0Hzの低周波数の刺激で増加した。 低周波数の刺激による増加は TTXにより 部分的にブロックされたが、 10 OH zによる j32の増加は TTXによりブロッ クされなかった。
薬理学的実験によれば、 NMD A及ぴ AMP A受容体活性、 並びにカルシウム チャンネルが NR 2 C及び j32発現の保持に関与していることが示された。 1H zで刺激した NR 2 Cでは、 mRNAの発現は NMDA、 AMP A受容体アンタ ゴニストにより強く阻害された。刺激周波数 100 H zでは、特に MK 801 (非 競合 NMD A受容体アンタゴニスト)が NR 2 C増加を強くブロックした。また、 カルシウムチャンネルは、 AMP A受容体よりも NR 2 C発現に寄与していた。 1 H zで刺激した ]32では、 刺激周波数 1Hzの NR2Cの場合と同様の結果で あった。 100Hzで刺激した 2の mRNAの増加は、 NMDA、 AMPA受 容体アンタゴニスト及びカルシウムチャンネルブロッカー (非特異的ブロッ力 一; C d&EGTA) により阻害された。 NR 2 C及ぴ ]32の両方の場合で、 力 ルシゥムチャンネルブロッカーは高周波数でサブュニットの発現を強く阻害した が、 低周波数では阻害しなかった。 異なる周波数は、 関与する顆粒細胞受容体の 組み合わせと活性の度合いを制御していることがわかる。 また、 特定の電気刺激 は、 アンタゴニスト及ぴブロッカーの存在下でも正常な活性を部分的に回復する ことができた。 1 H Zの刺激でカルシウムチャンネルプロッカーを用いた場合の 例を示す (図 9 C、 β 2の場合)。
( C ) 考察
(実施例の考察)
図 1 0に示す通り、 小脳顆粒細胞は、 NMD A及ぴ GA B AA受容体を介して 苔状線維及びゴルジ細胞からの興奮性及び抑制性シグナルの入力のバランスを取 つていると考えられる。 顆粒細胞のニューロン発火のパターンは、 各種受容体の 関与によつてシナプス発達中に変化する。 顆粒細胞における最終的神経活動のパ ターンは、 伝達物質、 神経ペプチド、 及ぴ神経栄養因子、 並びに、 シナプス前部 ニューロンを含む環境刺激からの他のものなどの分子の組み合わせによって決ま る可能性が高い。 分子の異なる組み合わせは、 分子の挙動と電気活性のパターン の関係において、 異なるパターンのニューロン発火をもたらすはずである。 幾つ かの遺伝子発現がパターン化された電気活性によつて調節されていることは既報 である (Buonanno A他 Curr Opin Neurobiol, ' 9, 110-120 (1999) ) 0 パターン化 された電気活性によって分子のリン酸化活性が制御されていることは確かである (Buonanno A他 Curr Opin Neurobiol, 9, 110-120 (1999) ) 0
実施例 2では、 タンパク質分断などのタンパク質プロセシングが、 パターン化 された電気活性によつて制御されることを実証した。 N R Gのタンパク質分断は 低周波数から高周波数で検出されたが、 シナプス前細胞である苔状線維とシナプ ス後細胞である顆粒細胞からの N R Gのタンパク質分断に最適な刺激周波数は共 に 5 0 H zであった。 この現象は、 分子的観点から、 シナプス前後細胞間で神経 活動のパターンが同調する機構を裏付けている。 シナプス前部シグナルは先ずシ ナプス後部ニューロンを活性化し、 次に、 シナプス前部及ぴシナプス後部ニュー ロンを同調させる。 シナプス後部細胞がシナプス前部細胞と同調する際に、 シナ ブス後部ニューロンはオートクライン機構で自己活性化し、 第 III期に入る可能 性がある (図 1 0)。 シナプス形成過程において、シナプス前部ニューロンからの シグナルや逆行性シグナル伝達を介した分子情報の交換の後に、 m N R Gは刺激 依存型のタンパク質分断を受ける可能性もある。 何れの場合も、 50H zの刺激 はシナプス前部及びシナプス後部の-ユー口ンの間の伝達における中間段階と考 えられる (図 1 0の I I )。
さらに、 s NRGにより調節される NR 2 C及ぴ 2発現の分子機構が明らか になった。低周波数の刺激では( 1 H z:)、 β 2 RNAはグルタミン酸受容体及ぴ ErbB受容体の活性化を介して、 NR 2 C R N Aよりも多量に転写された。 NR 2 CmRNAは、 高周波数 (1 0 0H z) では 3 2よりも強く誘導され、 グルタ ミン酸受容体 (特に、 NMDA受容体) の活性化を伴なつた。 NRGのタンパク 質分断の最適周波数である 5 0H zでは、 NR 2 C及ぴ ]3 2サブュニット発現は 観察できなかった。 NR 2 C発現にはニューロン活動が必要であり、 可溶型の N Gの産生効率は電気活動によつて制御されている可能性は既に提唱されている (Ozaki M他 The Neuroscientist;, 7(2), 146-154 (2001) )0 本実施例では、 NR Gのタンパク質分断が周波数に依存した形で電気活動のパターンによって制御さ れていることを初めて実証した。 NRGは NR 2 C及ぴ β 2サブュニット発現を 誘導するのに必要であるけれども、 発現段階 (図 1 0の I及び III) 及び中間段 階 (図 1 0の II) の間で周波数の最適値に不一致が生じた。 この不一致を説明す るために、 薬理学的実験を行った。 この薬理学的実験の結果から、 ErbB受容体を 含む複数の受容体が NR 2 C及ぴ j3 2サブュニット発現の制御に関与しているこ とが判明した。
直接的電気刺激実験から、以下の 2つの事項が示唆される。 (1)遺伝子発現を 誘導するために必要な受容体の活性化には、 細胞自身のもつ神経活動が必要な場 合があり、 (2)直接的電気刺激は、受容体及びイオンチャンネルプロッカーの効 果を部分的に捕うことができる (図 9、 C)。 シナプス成熟の過程において、 特定 のパターンのニューロン活性と受容体活性化の間にカスケ一ドが存在する可能性 がある (図 1 1 )。受容体 Aが活性化される場合、ニューロンはパターン Aの神経 活動を有する。 次に、 受容体 Bがパターン Aによって活性化され、 パターン Bが 産生する。 その結果、 ニューロンはパターン Aと Bをあわせた活動パターンを有 する。カスケ一ドにおける各パターンの活動が分子挙動を制御する可能性がある。 特定のパターンが分子挙動を制御し、 ニューロン発火のパターンが、 個々の受容 体又はチャンネルの活性化の組み合わせによって構成されていると考えられる。 構成された各パターン内に遺伝子発現リン酸化タンパク質のプロセッシングなど の分子の挙動を制御する一定の過程が存在するはずである。 従って、 活性化した 受容体及ぴィオンチヤンネルの組み合わせ及びそれらの活性化の順序が、 上記し た不一致を解くための鍵を握っている可能性がある。
さらに、 アンタゴニスト及ぴプロッカーによりブッロタ可能な受容体の幾つか の作用は、 特定の電気刺激によって補うことができた。 これは、 シナプス前部二 ユーロン、 受容体及ぴチャンネル活性の役割がある特定パターンの電気活性によ つて模倣できることを意味する。 従って、 ニューロン形成を人工的に制御する電 気活性のパターンの役割を調べることは重要である。 産業上の利用の可能性
本発明によれば、 電気的刺激が直接細胞に及ぼされないから、 細胞へのダメー ジが小さく、 また多数の細胞に一度に電気的刺激を与えることができる。 また細 胞が電流の流れる通路に置かれるようになるため、 細胞の電気的刺激を短時間で 効率的に行えるようになる。 即ち、 本発明によれば、 生体外で効率よく大量の神 経細胞に、 細胞を傷つけることなく、 直接電気刺激を与えることができる。

Claims

請求の範囲
1 . 培養細胞を入れるための培養容器の一方から前記培養細胞に接触しない 力 細胞表面に接触する距離まで延びる正または負のうち一方の第一の電極と、 前記培養容器の他方から前記培養細胞に接触しないか、 細胞表面に接触する距離 まで延びる正または負のうち他方の第二の電極とを備え、 前記第一の電極と前記 第二の電極とにより細胞を刺激する電場を形成することを特徴とする、 細胞刺激
2 . 培養細胞を入れるための培養容器の上面又は側面の一方から前記培養細 胞に接触しないか、 細胞表面に接触する距離まで延びる正または負のうち一方の 第一の電極と、 前記培養容器の上面又は側面の他方から前記培養細胞に接触しな いか、 細胞表面に接触する距離まで延びる正または負のうち他方の第二の電極と を備え、 前記第一の電極と前記第二の電極とにより細胞を刺激する電場を形成す ることを特徴とする、 請求項 1に記載の細胞刺激装置。
3 . 前記第一の電極が円形のリング電極である、 請求項 1又は 2に記載の細 胞刺激装置。
4 . 前記第二の電極が一本の点電極である、 請求項 1から 3の何れかに記載 の細胞刺激装置。
5 . 前記第二の電極が複数の多点電極である、 請求項 1カゝら 3の何れかに記 載の細胞刺激装置。
6 . 前記第二の電極がメッシュ状のシート状電極である、 請求項 1から 3の 何れかに記載の細胞刺激装置。
7 . 前記第二の電極が多点電極を含むシート状電極である、 請求項 1から 3 の何れかに記載の細胞刺激装置。
8 . 請求項 1カゝら 7の何れかに記載の細胞刺激装置を用いて、 前記第一の電 極と前記第二の電極とにより電場を形成し、 該電場により培養細胞を刺激するこ とを特徴とする、 細胞の電気的刺激方法。
9 . 培養細胞が神経細胞である、 請求項 8に記載の細胞の電気的刺激方法。
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