JP4135831B2 - 昇降機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は昇降機構に関する。さらに詳述すると、本発明は被昇降部材を支持して上下方向又は斜め方向に配置されるフレームに沿って自在に昇降し任意の位置でフレームに固定させる昇降機構の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
椅子やテーブル等の機能を持たせた買い物カートでは、座板や天板等として利用される板材をパイプフレームに沿って上下動させ任意の位置で固定し得るように設けることがある。このような場合における昇降手段機構としては、例えば図6〜図11に示すものが従来知られている。
【0003】
図6及び図7に示す昇降機構101は、ガススプリング102を利用したもので、上部フレーム103と下部フレーム104との間に設けられた水平フレーム105にガススプリング102の一端部を固定すると共に、板状部材100を支持して上部フレーム103に沿って昇降するスライダ106にガススプリング102の他端部を固定している。そして、レバー107によってガススプリング102の調節ピン108を押圧してガススプリング102を伸縮可能にすることにより、板状部材100の昇降を行うことができ、また調節ピン108の押圧を解除してガススプリング102の長さを固定(ロッドの出入りを固定)することにより板状部材100の位置決めを行うことができる。
【0004】
また、図8及び図9に示す昇降機構201は、上部フレーム103に沿って昇降すると共に板状部材100を支持するスライダ106に、締め付け用ねじ203とこれを締め付けるグリップ202を設けたものである。このグリップ202は、スライダ106に螺合するねじ部203を有している。そして、グリップ202の締め付けによりねじ部203の先端が上部フレーム103を押圧するので、スライダ106と上部フレーム103との間の摩擦により板状部材100を位置決め固定することができる。また、グリップ202を弛めることによりスライダ106が昇降可能となるので、板状部材100の昇降を行うことができる。
【0005】
さらに、図10及び図11に示す昇降機構301は、例えば上部フレーム103の間に左右方向の支持フレーム302を溶接等により複数設けておき、板状部材100を爪303により支持フレーム302に引っ掛けて支持させるものがある。ここで、板状部材100の爪303が支持フレーム302に引っ掛かると共に板状部材100の端面304が上部フレーム103に当接することにより、板状部材100が上部フレーム103に例えば水平に固定される。この昇降機構301では、板状部材100は支持フレーム302の設置位置にのみ取り付けられるので、板状部材100は支持フレーム302の設置位置に応じて段階的に昇降可能となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図6及び図7の昇降機構101では、板状部材100の昇降可能な範囲がガススプリング102のストロークの範囲に限られてしまうので、長い上部フレーム103の広い範囲で板状部材100を昇降させることは困難であった。また、ガススプリング102の調節ピン108を押圧するためのレバー107等の周辺部材を必要とするので、構造が複雑になって組立性が悪くなる。さらに、これらの周辺部材を要すると共にガススプリング102自体が高価であるので、昇降機構101のコストが高くなってしまう。
【0007】
また、図8及び図9の昇降機構201では、昇降の都度にグリップ202を弛めたり締め付けたりしなければならないので、操作性が悪い。しかも、グリップ202の締め付け方が弱いと板状部材100の使用中に弛んで板状部材100が下がってしまったり、逆にグリップ202の締め付け方が強過ぎると上部フレーム103が凹んで弛み易くなってしまうので、固定の信頼性に欠けてしまう。
【0008】
さらに、図10及び図11の昇降機構301では、板状部材100を固定可能な段数を増やすには支持フレーム302の本数を増やさなければならず、デザイン上の制約を受けたり外観上の問題からフレーム数の増加が難しかったり買い物カートの重量やコストを増大させてしまう問題を有している。
【0009】
そこで、本発明は、被昇降部材を固定する信頼性が高く、操作性が良く、固定位置の調整が容易で、しかも構造が簡易で軽く安価な昇降機構を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために請求項1記載の発明は、被昇降部材を支持して上下方向又は斜め方向に配置されるフレームに沿って昇降可能なスライダを有し、該スライダを任意の位置でフレームに固定させる昇降機構において、スライダに設けられたフレームに達する貫通孔と、該貫通孔に収容されたストッパ球と、ストッパ球を支持しフレームに向けて付勢する付勢手段と、フレームに設けられたストッパ球の一部が陥入するストッパ球受けとを備え、スライダに被昇降部材がストッパ球を付勢手段の上から押圧してストッパ球受けに押し込むロック位置とストッパ球から離れたアンロック位置との間で位置変更可能に支持され、被昇降部材の位置変更によってストッパ球を固定あるいは移動可能にするようにしている。
【0011】
したがって、被昇降部材を昇降させる際は、被昇降部材をアンロック位置に移動させてストッパ球から離すだけの操作でストッパ球の拘束を解き、ストッパ球の動きを自由にする。そこで、ストッパ球に加わる付勢手段による付勢力に抗する外力がスライダの相対移動によってストッパ球に作用すると、ストッパ球は付勢手段に抗してストッパ球受けから抜け出てスライダとフレームとを切り離しスライダのフレームに沿った移動を可能にする。これにより、被昇降部材をスライダと共にフレームに沿って昇降させることができる。このとき、ストッパ球は付勢手段により支持されると共にフレームに押圧されているので、昇降の際に貫通孔から脱落することなくフレームの表面を回転若しくは摺動する。
【0012】
一方、被昇降部材をロックする際には、スライダ及びこれに支持される被昇降部材を任意のストッパ球受けの位置まで移動させて、ストッパ球がストッパ球受けに陥入したことを確認してから、被昇降部材をロック位置に位置させるだけの操作で、被昇降部材が付勢手段を介してストッパ球をストッパ球受けに強く押し込む。これにより、ストッパ球がフレームとスライダとに跨って存在するので、スライダ及び被昇降部材をフレームに対してロックすることができる。ここで、ストッパ球がストッパ球受けに位置したことは、ストッパ球がストッパ球受けに付勢手段により押し込まれる際のクリック音あるいはスライダを相対移動させる際の抵抗の変化、クリック感などによって確認することができる。
【0013】
また、請求項2記載の昇降機構では、被昇降部材はスライダに揺動可能に支持され、ストッパ球を付勢手段の上から押圧してストッパ球受けに押し込むロック位置とストッパ球から離れたアンロック位置との間で位置変更可能とされている。
【0014】
したがって、被昇降部材をロック位置に位置させたときは、被昇降部材はストッパ球保持部材として付勢手段を介してストッパ球をストッパ球受けに押し込むと共に揺動中心を支点として付勢手段を作用点とする片持ち状態で支持されているので、被昇降部材への荷重が大きくなる程、ストッパ球への押し込み力、即ちロックの固定力が大きくなる。
【0015】
また、被昇降部材をアンロック位置に変更するときは、被昇降部材を僅かに上方に揺動させてストッパ球から離すだけの操作で良いので、被昇降部材を昇降させるための一連の動作の中で特別な操作をすることなくロックを解除できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成を図面に示す実施の形態の一例に基づいて詳細に説明する。図1〜図5に本発明の昇降機構の一実施形態を折り畳み式の買い物カートに適用した場合について示す。ここで、買い物カート10は、図5に示すように、第1のフレーム11と、この第1のフレーム11に相対回転可能に連結され取っ手を兼ねる第2のフレーム12と、この第2のフレーム12に支持される板形状の被昇降部材13及び車輪17とで主に構成されている。そして、第1のフレーム11と第2のフレーム12とは、水平フレーム16を中心に回転可能とされており、両フレーム11,12が挟みつけるように重なる折り畳み状態と、図5に示すように両フレーム11,12間が開いた状態とに変化し得るように設けられている。したがって、フレーム11,12を折り畳んだときは車輪17と両フレーム11,12とが一直線上に配置されて携行して荷物を運搬することができると共に、図5に示すようにフレーム11,12を開いたときには自立して椅子やテーブルとして使用することができる。さらに、第2のフレーム12には、取っ手を兼ねた上部フレーム32が出入り自在に設けられている。
【0017】
上部フレーム32,32には、図1〜図4に示すような昇降機構1を介して座板あるいは蓋板として使用される被昇降部材13が取り付けられている。
【0018】
昇降機構1は、図1〜図4に示すように、被昇降部材13を支持して上下方向又は斜め方向に配置される上部フレーム32に沿って昇降可能なスライダ40と、スライダ40に設けられた上部フレーム32に達する貫通孔2と、該貫通孔2に収容されたストッパ球3と、ストッパ球3を支持し上部フレーム32に向けて付勢する付勢手段4と、上部フレーム32に設けられたストッパ球3の一部が陥入する例えば透孔から成るストッパ球受け5と、ストッパ球3をストッパ球受け5に押し込みかつその状態を維持する被昇降部材13によって構成されるストッパ球保持部材とから構成されている。
【0019】
本実施形態においてストッパ球保持部材は、スライダ40に揺動可能に支持されている被昇降部材13が兼ねている。即ち、被昇降部材13は、昇降機構1のスライダ40寄りの側縁の中央部に矩形の切欠部44が形成され、該切欠部44の左右の両側端部9がブラケット45及び支持軸46を介してスライダ40に揺動可能に取り付けられている。そして、被昇降部材13は、切欠部44の連結軸41と平行な端面(以下、押圧面という)8がスライダ40と当接したときに付勢手段4を介してストッパ球3を押圧するように設けられている。この押圧面8は、図2に示すように、被昇降部材13を水平に倒したときに、両フレーム11,12間を開いて自立状態にある買い物カート10のスライダ40と平行になる傾斜面とされ、金属製の補強板47によって補強されている。すなわち、被昇降部材13は、支持軸46,46に支持される部分を支点とすると共に付勢手段4に当接する部分を作用点とする片持ち状態で支持されている。このため、被昇降部材13は、ストッパ球3を付勢手段4の上から押圧してストッパ球受け5に押し込むロック位置(図2中の実線で示す位置と図3(A)及び図4(A)に示す状態)と、支持軸46を中心に反転してストッパ球3から離れたアンロック位置(図2中の二点鎖線で示す上部フレーム32に沿った位置と図3(B)及び図4(B)に示す状態)との間で位置変更可能とされている。
【0020】
尚、被昇降部材13は、図5に示すように上部フレーム32の上端付近まで持ち上げられたときには、上部フレーム32より水平フレーム16側にほぼ水平に支持された状態(図中、実線で示す)から上側を回って上部フレーム32に吊り下がった状態(図中、二点鎖線で示す)の間で回転することができる。そして、荷台フレーム18の上に載置される荷物やかご等の蓋として使われる。
【0021】
昇降機構1のスライダ40は円筒形状で、各上部フレーム32に摺動自在に嵌合されている。スライダ40は、金属製の筒部材から成る外筒6と、該外筒6の内部に圧入されたプラスチック製の筒部材から成るスリーブ7とで構成されている。スリーブ7の存在により、スライダ40を上部フレーム32に対して円滑に摺動することができる。さらに、左右のスライダ40,40は、連結軸41を介して連結されて同時に昇降可能とされている。
【0022】
貫通孔2は、図1〜図4に示すように、各スライダ40の前面に形成されている。また、貫通孔2に収容されるストッパ球3は、貫通孔2の内径よりも僅かに小さい外径の鋼球等の金属製としている。但し、ストッパ球3の材質は金属に限られず、例えばプラスチック等の他の材質としても良い。そして、ストッパ球3の材質を変更することにより、ストッパ球受け5に陥入したときのクリック感を変更することもできる。
【0023】
ストッパ球3の一部が陥入するストッパ球受け5は、上部フレーム32の前面側の任意の位置例えば下部と上部とに形成された透孔から成る。このストッパ球受け5の数及び位置は特に限られるものではなく、必要に応じてその数(すなわち段数)及び位置が設定される。また、本実施形態ではストッパ球受け5を透孔で形成しているが、少なくともストッパ球3の一部が落ち込む形状で有れば足り、例えば窪みや溝等でも良い。この場合、上部フレーム32の強度を維持したまま固定位置を設定することができる。
【0024】
付勢手段4は、各スライダ40の周方向に沿って貫通孔2を覆う板ばねから成る。この付勢手段4の基端部は、止め部材51によりスライダ40に固定されている。そして、付勢手段4の先端部が貫通孔2を覆うと共にストッパ球3を上部フレーム32に向けて付勢している。これにより、付勢手段4はストッパ球3を落下させないように保持しながら上部フレーム32に向けて付勢することができる。ここで、付勢手段4がストッパ球3を押圧する付勢力は、少なくともストッパ球3が脱落しない程度に保持しうるもので、好ましくはストッパ球受け5に入ったときにクリック音・クリック感を生ずる程度とすることである。即ち、スライダ40の上部フレーム32に対する固定は被昇降部材13の自重及びそれに加わる荷重により果たされるので、付勢手段4の付勢力を被昇降部材13をロックする程に大きくする必要はない。また、各スライダ40の付勢手段4を取り付ける部分には、周方向に沿った溝52が形成されている。これにより、付勢手段4が止め部材51を中心に回転することを防ぐので、ストッパ球3が貫通孔2から落下することを防止できる。
【0025】
ここで、ストッパ球3の外径とスライダ40の厚み及びストッパ球受け5の径とは、ストッパ球3がストッパ球受け5に陥るときにストッパ球3の一部が貫通孔2から外側に僅かに飛び出しているような大きさに設定することが好ましい。これにより、ストッパ球3がストッパ球受け5に陥るときに被昇降部材13の押圧面8が付勢手段4を押圧すると、被昇降部材13の荷重をストッパ球3からストッパ球受け5に直接作用させることができ、ストッパ球3とストッパ球受け5との間でがたつきを生ずることなく被昇降部材13のロックを強固にすることができる。勿論、押圧面8側にストッパ球3を押圧する凸部を設けるようにしても良い。
【0026】
上述した昇降機構1のロック動作及びアンロック動作について説明する。
【0027】
上部フレーム32に沿って被昇降部材13を下降させると、スライダ40に保護されたストッパ球3が上部フレーム32のストッパ球受け5に陥入したときに、クリック音を発し固定可能な位置に達したことを知らせる。この状態ではストッパ球3は付勢手段4のみによってストッパ球受け5に向けて付勢されているので、付勢力が弱く、スライダ40の昇降動作によって容易にストッパ球受け5から離脱する。
【0028】
この状態で被昇降部材13をほぼ水平に倒してその自重あるいは別途荷重を掛けると、被昇降部材13の押圧面8が付勢手段4に当接してストッパ球3をストッパ球受け5に完全に押し込み、スライダ40を固定する。このとき、被昇降部材13に荷重例えば体重等がかかればかかるほど、ストッパ球3を押さえる力が大きくなり、より強固にスライダ40及び被昇降部材13を上部フレーム32に固定させうる。そして、使用者は被昇降部材13を例えば座板として利用することができ、上部フレーム32,32及びその上部の把持部を背凭れとして使用することができる。またはテーブルなどとして利用することも可能である。
【0029】
一方、被昇降部材13を上昇ないし降下させるときには、被昇降部材13を上方に回転させてアンロック位置に位置させる。この状態で被昇降部材13及びスライダ40を上部フレーム32に沿って移動させようとすると、ストッパ球3を抑える強い力が働いていないために、ストッパ球3がストッパ球受け5から押し出されてスライダ40及び被昇降部材13の上部フレーム32に沿って移動・昇降を可能とする。そして、所定位置まで移動させクリック音を確認したときに、被昇降部材13を再び水平に戻して固定させる。
【0030】
なお、上述の実施形態は本発明の好適な実施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。
【0031】
また、被昇降部材13をスライダ40に対して僅かに上下動可能なように支持させることによって、被昇降部材13を解放して降下させたときに押圧面8が付勢手段4を押圧し、被昇降部材13を持ち上げたときに付勢手段4への押圧を無くしてアンロック状態を得るようにしても良い。この場合、簡易であると共に操作が容易な機構でかつ確実なロック機構を構成することができる。
【0032】
さらに、上述した実施形態では被昇降部材13は付勢手段4を介してストッパ球3を押圧しているが、これには限られずストッパ球3を直接押圧するようにしても良い。例えば、ストッパ球3を保持する付勢手段4の中央部に貫通孔を形成し、この貫通孔を通してストッパ球3と被昇降部材13とを直接接触させることによって、ストッパ球3をストッパ球受け5に押し込むようにしても良い。
【0033】
また、上述した実施形態では被昇降部材13が昇降する上部フレーム32が傾斜しているが、鉛直なフレームに対して昇降するようにしても良いし、水平に配置されたフレームに沿って水平移動可能に構成しても良い。
【0034】
さらに、上述した実施形態では昇降機構1を買い物カート10に適用した場合について主に説明したが、これに特に限定されるものではなく、椅子の座や背凭れ、肘掛けあるいはテーブルなどの昇降機構として適用することも可能である。
【0035】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、請求項1の昇降機構によれば、被昇降部材をスライダに対して移動させロック位置に位置させるだけで、ストッパ球をストッパ球受けに押し込みかつその状態を維持しているので、確実にスライダをフレームに固定でき、信頼性及び安全性を高めうる。しかも、本発明の昇降機構によれば、ロック位置にある被昇降部材は少なくともその自重によりストッパ球をストッパ球受けに押し込んでロックを確実なものとすることができる。また、被昇降部材がロック状態にあるときに被昇降部材への荷重が大きくなる程、ロックの固定力が大きくなるので、荷重が大きくなるとストッパ効果が低下する従来の昇降機構よりもロックの信頼性及び安全性を向上することができる。また、被昇降部材をアンロック位置に移動させるだけでアンロック状態にでき、被昇降部材を昇降させるための一連の動作の中でロックを解除できるので、ロック状態を切り替えるための専用のボタンやグリップ等の操作を必要とせず操作性を向上させることができる。
【0036】
また、フレームの任意の位置にストッパ球受けを形成するだけでそこに被昇降部材を固定可能とできるので、固定位置の設定のために他の部材を追加する必要がないと共に外観を大きく変える必要がなく、デザイン上で受ける制約が少なくなるばかりか固定位置の設定作業を容易にすることができる。
【0037】
また、この昇降機構によれば付勢手段がストッパ球を支持して付勢しているので、ストッパ球の落下を防止するだけでなくストッパ球がストッパ球受けに落ち込んだときにクリック音を発生する。このため、被昇降部材を昇降中に固定位置に有ることを容易に確認できるので、操作性を向上することができる。
【0038】
しかも、この昇降機構はフレームと昇降可能なスライダとを備えた従来の昇降機構に新たな部材としてストッパ球及び付勢手段のみの追加により形成できるので、ガススプリング等の複雑な部品の組付けを必要とせず簡易な機構で組み立て作業を容易化してコストの削減を図ると共に重量化を防止することができる。
【0039】
また、請求項2記載の昇降機構によれば、ロック位置にある被昇降部材は少なくともその自重によりストッパ球をストッパ球受けに押し込んでロックを確実なものとすることができる。また、被昇降部材がロック状態にあるときに被昇降部材への荷重が大きくなる程、ロックの固定力が大きくなるので、荷重が大きくなるとストッパ効果が低下する従来の昇降機構よりもロックの信頼性及び安全性を向上することができる。
【0040】
また、被昇降部材を僅かに上方に揺動させるだけでアンロック状態にでき、被昇降部材を昇降させるための一連の動作の中でロックを解除できるので、ロック状態を切り替えるための専用のボタンやグリップ等の操作を必要とせず操作性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の昇降機構を買い物カートに適用した一実施形態を示す斜視図である。
【図2】 図1の昇降機構部分の中央縦断面図である。
【図3】 図1の昇降機構の要部を示す中央縦断面図で、(A)はロック状態、(B)はアンロック状態を示す。
【図4】 図1の昇降機構の要部を示す中央横断面図で、(A)はロック状態、(B)はアンロック状態を示す。
【図5】 図1の昇降機構を適用した買い物カートを開いた状態で示す斜視図である。
【図6】 第1の従来の昇降機構を示す斜視図である。
【図7】 図6の昇降機構の中央縦断面図である。
【図8】 第2の従来の昇降機構を示す斜視図である。
【図9】 図8の昇降機構の縦断面図である。
【図10】 第3の従来の昇降機構を示す斜視図である。
【図11】 図10の昇降機構の中央縦断面図である。
【符号の説明】
1 昇降機構
2 貫通孔
3 ストッパ球
4 付勢手段
5 ストッパ球受け
13 被昇降部材(ストッパ球保持部材)
32 上部フレーム(フレーム)
40 スライダ
Claims (2)
- 被昇降部材を支持して上下方向又は斜め方向に配置されるフレームに沿って昇降可能なスライダを有し、該スライダを任意の位置で前記フレームに固定させる昇降機構において、前記スライダに設けられた前記フレームに達する貫通孔と、該貫通孔に収容されたストッパ球と、前記ストッパ球を支持し前記フレームに向けて付勢する付勢手段と、前記フレームに設けられた前記ストッパ球の一部が陥入するストッパ球受けとを備え、前記スライダに前記被昇降部材が前記ストッパ球を前記付勢手段の上から押圧して前記ストッパ球受けに押し込むロック位置と前記ストッパ球から離れたアンロック位置との間で位置変更可能に支持され、前記被昇降部材の位置変更によって前記ストッパ球を固定あるいは移動可能にすることを特徴とする昇降機構。
- 前記被昇降部材は前記スライダに揺動可能に支持され、前記ストッパ球を前記付勢手段の上から押圧して前記ストッパ球受けに押し込むロック位置と前記ストッパ球から離れたアンロック位置との間で位置変更可能とされることを特徴とする請求項1記載の昇降機構。
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