JP2000139609A - 昇降機構 - Google Patents

昇降機構

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JP2000139609A
JP2000139609A JP10316639A JP31663998A JP2000139609A JP 2000139609 A JP2000139609 A JP 2000139609A JP 10316639 A JP10316639 A JP 10316639A JP 31663998 A JP31663998 A JP 31663998A JP 2000139609 A JP2000139609 A JP 2000139609A
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stopper
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ball
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被昇降部材を固定する信頼性が高く、操作性
が良く、固定位置の調整が容易で、しかも構造が簡易で
軽く安価にする。 【解決手段】 被昇降部材13を支持して上下方向又は
斜め方向に配置される上部フレーム32等のフレームに
沿って昇降可能なスライダ40を有し、該スライダ40
を任意の位置で上部フレーム32に固定させる昇降機構
1において、スライダ40に設けられた上部フレーム3
2に達する貫通孔2と、該貫通孔2に収容されたストッ
パ球3と、ストッパ球3を支持し上部フレーム32に向
けて付勢する付勢手段4と、上部フレーム32に設けら
れたストッパ球3の一部が陥入するストッパ球受け5
と、ストッパ球3をストッパ球受け5に押し込みかつそ
の状態を維持するストッパ球保持部材13とを備え、ス
トッパ球保持部材13の移動によってストッパ球3を固
定あるいは移動可能にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は昇降機構に関する。
さらに詳述すると、本発明は被昇降部材を支持して上下
方向又は斜め方向に配置されるフレームに沿って自在に
昇降し任意の位置でフレームに固定させる昇降機構の改
良に関する。
【0002】
【従来の技術】椅子やテーブル等の機能を持たせた買い
物カートでは、座板や天板等として利用される板材をパ
イプフレームに沿って上下動させ任意の位置で固定し得
るように設けることがある。このような場合における昇
降手段機構としては、例えば図8〜図13に示すものが
従来知られている。
【0003】図8及び図9に示す昇降機構101は、ガ
ススプリング102を利用したもので、上部フレーム1
03と下部フレーム104との間に設けられた水平フレ
ーム105にガススプリング102の一端部を固定する
と共に、板状部材100を支持して上部フレーム103
に沿って昇降するスライダ106にガススプリング10
2の他端部を固定している。そして、レバー107によ
ってガススプリング102の調節ピン108を押圧して
ガススプリング102を伸縮可能にすることにより、板
状部材100の昇降を行うことができ、また調節ピン1
08の押圧を解除してガススプリング102の長さを固
定(ロッドの出入りを固定)することにより板状部材1
00の位置決めを行うことができる。
【0004】また、図10及び図11に示す昇降機構2
01は、上部フレーム103に沿って昇降すると共に板
状部材100を支持するスライダ106に、締め付け用
ねじ203とこれを締め付けるグリップ202を設けた
ものである。このグリップ202は、スライダ106に
螺合するねじ部203を有している。そして、グリップ
202の締め付けによりねじ部203の先端が上部フレ
ーム103を押圧するので、スライダ106と上部フレ
ーム103との間の摩擦により板状部材100を位置決
め固定することができる。また、グリップ202を弛め
ることによりスライダ106が昇降可能となるので、板
状部材100の昇降を行うことができる。
【0005】さらに、図12及び図13に示す昇降機構
301は、例えば上部フレーム103の間に左右方向の
支持フレーム302を溶接等により複数設けておき、板
状部材100を爪303により支持フレーム302に引
っ掛けて支持させるものがある。ここで、板状部材10
0の爪303が支持フレーム302に引っ掛かると共に
板状部材100の端面304が上部フレーム103に当
接することにより、板状部材100が上部フレーム10
3に例えば水平に固定される。この昇降機構301で
は、板状部材100は支持フレーム302の設置位置に
のみ取り付けられるので、板状部材100は支持フレー
ム302の設置位置に応じて段階的に昇降可能となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図8及
び図9の昇降機構101では、板状部材100の昇降可
能な範囲がガススプリング102のストロークの範囲に
限られてしまうので、長い上部フレーム103の広い範
囲で板状部材100を昇降させることは困難であった。
また、ガススプリング102の調節ピン108を押圧す
るためのレバー107等の周辺部材を必要とするので、
構造が複雑になって組立性が悪くなる。さらに、これら
の周辺部材を要すると共にガススプリング102自体が
高価であるので、昇降機構101のコストが高くなって
しまう。
【0007】また、図10及び図11の昇降機構201
では、昇降の都度にグリップ202を弛めたり締め付け
たりしなければならないので、操作性が悪い。しかも、
グリップ202の締め付け方が弱いと板状部材100の
使用中に弛んで板状部材100が下がってしまったり、
逆にグリップ202の締め付け方が強過ぎると上部フレ
ーム103が凹んで弛み易くなってしまうので、固定の
信頼性に欠けてしまう。
【0008】さらに、図12及び図13の昇降機構30
1では、板状部材100を固定可能な段数を増やすには
支持フレーム302の本数を増やさなければならず、デ
ザイン上の制約を受けたり外観上の問題からフレーム数
の増加が難しかったり買い物カートの重量やコストを増
大させてしまう問題を有している。
【0009】そこで、本発明は、被昇降部材を固定する
信頼性が高く、操作性が良く、固定位置の調整が容易
で、しかも構造が簡易で軽く安価な昇降機構を提供する
ことを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに請求項1記載の発明は、被昇降部材を支持して上下
方向又は斜め方向に配置されるフレームに沿って昇降可
能なスライダを有し、該スライダを任意の位置でフレー
ムに固定させる昇降機構において、スライダに設けられ
たフレームに達する貫通孔と、該貫通孔に収容されたス
トッパ球と、ストッパ球を支持しフレームに向けて付勢
する付勢手段と、フレームに設けられたストッパ球の一
部が陥入するストッパ球受けと、ストッパ球をストッパ
球受けに押し込みかつその状態を維持するストッパ球保
持部材とを備え、ストッパ球保持部材の移動によってス
トッパ球を固定あるいは移動可能にするようにしてい
る。
【0011】したがって、被昇降部材を昇降させる際
は、ストッパ球保持部材をストッパ球から離すように操
作することによってストッパ球の拘束を解き、ストッパ
球の動きを自由にする。そこで、ストッパ球に加わる付
勢手段による付勢力に抗する外力がスライダの相対移動
によってストッパ球に作用すると、ストッパ球は付勢手
段に抗してストッパ球受けから抜け出てスライダとフレ
ームとを切り離しスライダのフレームに沿った移動を可
能にする。これにより、被昇降部材をスライダと共にフ
レームに沿って昇降させることができる。このとき、ス
トッパ球は付勢手段により支持されると共にフレームに
押圧されているので、昇降の際に貫通孔から脱落するこ
となくフレームの表面を回転若しくは摺動する。
【0012】一方、被昇降部材をロックする際には、ス
ライダ及びこれに支持される被昇降部材を任意のストッ
パ球受けの位置まで移動させて、ストッパ球がストッパ
球受けに陥入したことを確認してから、ストッパ球保持
部材をストッパ球に押しつけるように操作することによ
って、ストッパ球をストッパ球受けに強く押し込む。こ
れにより、ストッパ球がフレームとスライダとに跨って
存在するので、スライダ及び被昇降部材をフレームに対
してロックすることができる。ここで、ストッパ球がス
トッパ球受けに位置したことは、ストッパ球がストッパ
球受けに付勢手段により押し込まれる際のクリック音あ
るいはスライダを相対移動させる際の抵抗の変化、クリ
ック感などによって確認することができる。
【0013】また、請求項2記載の昇降機構では、被昇
降部材はスライダに揺動可能に支持され、ストッパ球を
付勢手段の上から押圧してストッパ球受けに押し込むロ
ック位置とストッパ球から離れたアンロック位置との間
で位置変更可能とされ、ストッパ球保持部材を兼ねるよ
うにしている。
【0014】したがって、被昇降部材をロック位置に位
置させたときは、被昇降部材はストッパ球保持部材とし
て付勢手段を介してストッパ球をストッパ球受けに押し
込むと共に揺動中心を支点として付勢手段を作用点とす
る片持ち状態で支持されているので、被昇降部材への荷
重が大きくなる程、ストッパ球への押し込み力、即ちロ
ックの固定力が大きくなる。
【0015】また、被昇降部材をアンロック位置に変更
するときは、被昇降部材を僅かに上方に揺動させてスト
ッパ球から離すだけの操作で良いので、被昇降部材を昇
降させるための一連の動作の中で特別な操作をすること
なくロックを解除できる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成を図面に示す
実施の形態の一例に基づいて詳細に説明する。図1〜図
5に本発明の昇降機構の一実施形態を折り畳み式の買い
物カートに適用した場合について示す。ここで、買い物
カート10は、図5に示すように、第1のフレーム11
と、この第1のフレーム11に相対回転可能に連結され
取っ手を兼ねる第2のフレーム12と、この第2のフレ
ーム12に支持される板形状の被昇降部材13及び車輪
17とで主に構成されている。そして、第1のフレーム
11と第2のフレーム12とは、水平フレーム16を中
心に回転可能とされており、両フレーム11,12が挟
みつけるように重なる折り畳み状態と、図5に示すよう
に両フレーム11,12間が開いた状態とに変化し得る
ように設けられている。したがって、フレーム11,1
2を折り畳んだときは車輪17と両フレーム11,12
とが一直線上に配置されて携行して荷物を運搬すること
ができると共に、図5に示すようにフレーム11,12
を開いたときには自立して椅子やテーブルとして使用す
ることができる。さらに、第2のフレーム12には、取
っ手を兼ねた上部フレーム32が出入り自在に設けられ
ている。
【0017】上部フレーム32,32には、図1〜図4
に示すような昇降機構1を介して座板あるいは蓋板とし
て使用される被昇降部材13が取り付けられている。
【0018】昇降機構1は、図1〜図4に示すように、
被昇降部材13を支持して上下方向又は斜め方向に配置
される上部フレーム32に沿って昇降可能なスライダ4
0と、スライダ40に設けられた上部フレーム32に達
する貫通孔2と、該貫通孔2に収容されたストッパ球3
と、ストッパ球3を支持し上部フレーム32に向けて付
勢する付勢手段4と、上部フレーム32に設けられたス
トッパ球3の一部が陥入する例えば透孔から成るストッ
パ球受け5と、ストッパ球3をストッパ球受け5に押し
込みかつその状態を維持するストッパ球保持部材とから
構成されている。
【0019】本実施形態においてストッパ球保持部材
は、スライダ40に揺動可能に支持されている被昇降部
材13が兼ねている。即ち、被昇降部材13は、昇降機
構1のスライダ40寄りの側縁の中央部に矩形の切欠部
44が形成され、該切欠部44の左右の両側端部9がブ
ラケット45及び支持軸46を介してスライダ40に揺
動可能に取り付けられている。そして、被昇降部材13
は、切欠部44の連結軸41と平行な端面(以下、押圧
面という)8がスライダ40と当接したときに付勢手段
4を介してストッパ球3を押圧するように設けられてい
る。この押圧面8は、図2に示すように、被昇降部材1
3を水平に倒したときに、両フレーム11,12間を開
いて自立状態にある買い物カート10のスライダ40と
平行になる傾斜面とされ、金属製の補強板47によって
補強されている。すなわち、被昇降部材13は、支持軸
46,46に支持される部分を支点とすると共に付勢手
段4に当接する部分を作用点とする片持ち状態で支持さ
れている。このため、被昇降部材13は、ストッパ球3
を付勢手段4の上から押圧してストッパ球受け5に押し
込むロック位置(図2中の実線で示す位置と図3(A)
及び図4(A)に示す状態)と、支持軸46を中心に反
転してストッパ球3から離れたアンロック位置(図2中
の二点鎖線で示す上部フレーム32に沿った位置と図3
(B)及び図4(B)に示す状態)との間で位置変更可
能とされている。
【0020】尚、被昇降部材13は、図5に示すように
上部フレーム32の上端付近まで持ち上げられたときに
は、上部フレーム32より水平フレーム16側にほぼ水
平に支持された状態(図中、実線で示す)から上側を回
って上部フレーム32に吊り下がった状態(図中、二点
鎖線で示す)の間で回転することができる。そして、荷
台フレーム18の上に載置される荷物やかご等の蓋とし
て使われる。
【0021】昇降機構1のスライダ40は円筒形状で、
各上部フレーム32に摺動自在に嵌合されている。スラ
イダ40は、金属製の筒部材から成る外筒6と、該外筒
6の内部に圧入されたプラスチック製の筒部材から成る
スリーブ7とで構成されている。スリーブ7の存在によ
り、スライダ40を上部フレーム32に対して円滑に摺
動することができる。さらに、左右のスライダ40,4
0は、連結軸41を介して連結されて同時に昇降可能と
されている。
【0022】貫通孔2は、図1〜図4に示すように、各
スライダ40の前面に形成されている。また、貫通孔2
に収容されるストッパ球3は、貫通孔2の内径よりも僅
かに小さい外径の鋼球等の金属製としている。但し、ス
トッパ球3の材質は金属に限られず、例えばプラスチッ
ク等の他の材質としても良い。そして、ストッパ球3の
材質を変更することにより、ストッパ球受け5に陥入し
たときのクリック感を変更することもできる。
【0023】ストッパ球3の一部が陥入するストッパ球
受け5は、上部フレーム32の前面側の任意の位置例え
ば下部と上部とに形成された透孔から成る。このストッ
パ球受け5の数及び位置は特に限られるものではなく、
必要に応じてその数(すなわち段数)及び位置が設定さ
れる。また、本実施形態ではストッパ球受け5を透孔で
形成しているが、少なくともストッパ球3の一部が落ち
込む形状で有れば足り、例えば窪みや溝等でも良い。こ
の場合、上部フレーム32の強度を維持したまま固定位
置を設定することができる。
【0024】付勢手段4は、各スライダ40の周方向に
沿って貫通孔2を覆う板ばねから成る。この付勢手段4
の基端部は、止め部材51によりスライダ40に固定さ
れている。そして、付勢手段4の先端部が貫通孔2を覆
うと共にストッパ球3を上部フレーム32に向けて付勢
している。これにより、付勢手段4はストッパ球3を落
下させないように保持しながら上部フレーム32に向け
て付勢することができる。ここで、付勢手段4がストッ
パ球3を押圧する付勢力は、少なくともストッパ球3が
脱落しない程度に保持しうるもので、好ましくはストッ
パ球受け5に入ったときにクリック音・クリック感を生
ずる程度とすることである。即ち、スライダ40の上部
フレーム32に対する固定は被昇降部材13の自重及び
それに加わる荷重により果たされるので、付勢手段4の
付勢力を被昇降部材13をロックする程に大きくする必
要はない。また、各スライダ40の付勢手段4を取り付
ける部分には、周方向に沿った溝52が形成されてい
る。これにより、付勢手段4が止め部材51を中心に回
転することを防ぐので、ストッパ球3が貫通孔2から落
下することを防止できる。
【0025】ここで、ストッパ球3の外径とスライダ4
0の厚み及びストッパ球受け5の径とは、ストッパ球3
がストッパ球受け5に陥るときにストッパ球3の一部が
貫通孔2から外側に僅かに飛び出しているような大きさ
に設定することが好ましい。これにより、ストッパ球3
がストッパ球受け5に陥るときに被昇降部材13の押圧
面8が付勢手段4を押圧すると、被昇降部材13の荷重
をストッパ球3からストッパ球受け5に直接作用させる
ことができ、ストッパ球3とストッパ球受け5との間で
がたつきを生ずることなく被昇降部材13のロックを強
固にすることができる。勿論、押圧面8側にストッパ球
3を押圧する凸部を設けるようにしても良い。
【0026】上述した昇降機構1のロック動作及びアン
ロック動作について説明する。
【0027】上部フレーム32に沿って被昇降部材13
を下降させると、スライダ40に保護されたストッパ球
3が上部フレーム32のストッパ球受け5に陥入したと
きに、クリック音を発し固定可能な位置に達したことを
知らせる。この状態ではストッパ球3は付勢手段4のみ
によってストッパ球受け5に向けて付勢されているの
で、付勢力が弱く、スライダ40の昇降動作によって容
易にストッパ球受け5から離脱する。
【0028】この状態で被昇降部材13をほぼ水平に倒
してその自重あるいは別途荷重を掛けると、被昇降部材
13の押圧面8が付勢手段4に当接してストッパ球3を
ストッパ球受け5に完全に押し込み、スライダ40を固
定する。このとき、被昇降部材13に荷重例えば体重等
がかかればかかるほど、ストッパ球3を押さえる力が大
きくなり、より強固にスライダ40及び被昇降部材13
を上部フレーム32に固定させうる。そして、使用者は
被昇降部材13を例えば座板として利用することがで
き、上部フレーム32,32及びその上部の把持部を背
凭れとして使用することができる。またはテーブルなど
として利用することも可能である。
【0029】一方、被昇降部材13を上昇ないし降下さ
せるときには、被昇降部材13を上方に回転させてアン
ロック位置に位置させる。この状態で被昇降部材13及
びスライダ40を上部フレーム32に沿って移動させよ
うとすると、ストッパ球3を抑える強い力が働いていな
いために、ストッパ球3がストッパ球受け5から押し出
されてスライダ40及び被昇降部材13の上部フレーム
32に沿って移動・昇降を可能とする。そして、所定位
置まで移動させクリック音を確認したときに、被昇降部
材13を再び水平に戻して固定させる。
【0030】なお、上述の実施形態は本発明の好適な実
施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発
明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能で
ある。例えば、上述した実施形態ではストッパ球3をス
トッパ球受け5に押し込みかつその状態を維持するスト
ッパ球保持部材を被昇降部材13により兼用している
が、これには限られずストッパ球保持部材を被昇降部材
13とは別の部材で構成しても良い。例えば、図6に示
すようにストッパ球保持部材54を一部に切り欠き55
を有するリングで構成するようにして、スライダ40の
外周面に形成される溝52に回転可能に嵌合したものと
することができる。この場合、被昇降部材13をロック
しないときは、図中実線で示すようにストッパ球保持部
材54の切り欠き55に付勢手段4が位置するようにす
る。一方、被昇降部材13をロックするときは、ストッ
パ球保持部材54を回転させて図中二点鎖線で示すよう
に付勢手段4を外側から押圧するようにする。また、図
7に示すように、ストッパ球保持部材54を内周面に大
径部56と小径部57と傾斜部58を有する円筒で構成
して、スライダ40に摺動可能に嵌合したものとするこ
とができる。この場合、被昇降部材13をロックしない
ときは、図中実線で示すようにストッパ球保持部材54
の大径部56に付勢手段4が位置するようにする。一
方、被昇降部材13をロックするときは、ストッパ球保
持部材54を摺動させて、付勢手段4を傾斜部58によ
り外側から押圧して図中二点鎖線で示すように小径部5
7により押圧した状態をロックするようにする。これら
の昇降機構1によっても、ストッパ球3の押し込みによ
りスライダ40及び該スライダ40に支持された被昇降
部材13を確実にフレームに固定することができる。
【0031】また、被昇降部材13をスライダ40に対
して僅かに上下動可能なように支持させることによっ
て、被昇降部材13を解放して降下させたときに押圧面
8が付勢手段4を押圧し、被昇降部材13を持ち上げた
ときに付勢手段4への押圧を無くしてアンロック状態を
得るようにしても良い。この場合、簡易であると共に操
作が容易な機構でかつ確実なロック機構を構成すること
ができる。
【0032】さらに、上述した実施形態では被昇降部材
13やストッパ球保持部材54は付勢手段4を介してス
トッパ球3を押圧しているが、これには限られずストッ
パ球3を直接押圧するようにしても良い。例えば、スト
ッパ球3を保持する付勢手段4の中央部に貫通孔を形成
し、この貫通孔を通してストッパ球3とストッパ球保持
部材54とを直接接触させることによって、ストッパ球
3をストッパ球受け5に押し込むようにしても良い。
【0033】また、上述した実施形態では被昇降部材1
3が昇降する上部フレーム32が傾斜しているが、鉛直
なフレームに対して昇降するようにしても良いし、水平
に配置されたフレームに沿って水平移動可能に構成して
も良い。
【0034】さらに、上述した実施形態では昇降機構1
を買い物カート10に適用した場合について主に説明し
たが、これに特に限定されるものではなく、椅子の座や
背凭れ、肘掛けあるいはテーブルなどの昇降機構として
適用することも可能である。
【0035】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、請求項
1の昇降機構によれば、ロック時にはストッパ球保持部
材によりストッパ球をストッパ球受けに押し込みかつそ
の状態を維持しているので、確実にスライダをフレーム
に固定でき、信頼性及び安全性を高めうる。
【0036】また、フレームの任意の位置にストッパ球
受けを形成するだけでそこに被昇降部材を固定可能とで
きるので、固定位置の設定のために他の部材を追加する
必要がないと共に外観を大きく変える必要がなく、デザ
イン上で受ける制約が少なくなるばかりか固定位置の設
定作業を容易にすることができる。
【0037】また、この昇降機構によれば付勢手段がス
トッパ球を支持して付勢しているので、ストッパ球の落
下を防止するだけでなくストッパ球がストッパ球受けに
落ち込んだときにクリック音を発生する。このため、被
昇降部材を昇降中に固定位置に有ることを容易に確認で
きるので、操作性を向上することができる。
【0038】しかも、この昇降機構はフレームと昇降可
能なスライダとを備えた従来の昇降機構に新たな部材と
してストッパ球及び付勢手段のみの追加により形成でき
るので、ガススプリング等の複雑な部品の組付けを必要
とせず簡易な機構で組み立て作業を容易化してコストの
削減を図ると共に重量化を防止することができる。
【0039】また、請求項2記載の昇降機構によれば、
ロック位置にある被昇降部材は少なくともその自重によ
りストッパ球をストッパ球受けに押し込んでロックを確
実なものとすることができる。また、被昇降部材がロッ
ク状態にあるときに被昇降部材への荷重が大きくなる
程、ロックの固定力が大きくなるので、荷重が大きくな
るとストッパ効果が低下する従来の昇降機構よりもロッ
クの信頼性及び安全性を向上することができる。
【0040】また、被昇降部材を僅かに上方に揺動させ
るだけでアンロック状態にでき、被昇降部材を昇降させ
るための一連の動作の中でロックを解除できるので、ロ
ック状態を切り替えるための専用のボタンやグリップ等
の操作を必要とせず操作性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の昇降機構を買い物カートに適用した一
実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1の昇降機構部分の中央縦断面図である。
【図3】図1の昇降機構の要部を示す中央縦断面図で、
(A)はロック状態、(B)はアンロック状態を示す。
【図4】図1の昇降機構の要部を示す中央横断面図で、
(A)はロック状態、(B)はアンロック状態を示す。
【図5】図1の昇降機構を適用した買い物カートを開い
た状態で示す斜視図である。
【図6】昇降機構の他の実施形態を示す中央横断面図で
ある。
【図7】昇降機構の更に他の実施形態を示す中央縦断面
図である。
【図8】第1の従来の昇降機構を示す斜視図である。
【図9】図8の昇降機構の中央縦断面図である。
【図10】第2の従来の昇降機構を示す斜視図である。
【図11】図10の昇降機構の縦断面図である。
【図12】第3の従来の昇降機構を示す斜視図である。
【図13】図12の昇降機構の中央縦断面図である。
【符号の説明】
1 昇降機構 2 貫通孔 3 ストッパ球 4 付勢手段 5 ストッパ球受け 13 被昇降部材(ストッパ球保持部材) 32 上部フレーム(フレーム) 40 スライダ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被昇降部材を支持して上下方向又は斜め
    方向に配置されるフレームに沿って昇降可能なスライダ
    を有し、該スライダを任意の位置で前記フレームに固定
    させる昇降機構において、前記スライダに設けられた前
    記フレームに達する貫通孔と、該貫通孔に収容されたス
    トッパ球と、前記ストッパ球を支持し前記フレームに向
    けて付勢する付勢手段と、前記フレームに設けられた前
    記ストッパ球の一部が陥入するストッパ球受けと、前記
    ストッパ球を前記ストッパ球受けに押し込みかつその状
    態を維持するストッパ球保持部材とを備え、前記ストッ
    パ球保持部材の移動によって前記ストッパ球を固定ある
    いは移動可能にすることを特徴とする昇降機構。
  2. 【請求項2】 前記被昇降部材は前記スライダに揺動可
    能に支持され、前記ストッパ球を前記付勢手段の上から
    押圧して前記ストッパ球受けに押し込むロック位置と前
    記ストッパ球から離れたアンロック位置との間で位置変
    更可能とされ、前記ストッパ球保持部材を兼ねることを
    特徴とする請求項1記載の昇降機構。
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