JP4134528B2 - 被覆電力線用電圧測定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、市街地に配置され、高電圧が印加されている被覆膜を有する被覆電力線用電圧測定技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在の配電系統には、異なるピーク電力を持つ需要家や時間によって大きく必要な電力が異なる需要家等の多様な負荷と分散電源等の多様なジェネレーターが接続されている。これらのジェネレーターで発電した電力を安定的に、需要家へ供給できているかを確認するためには、配電系統の各所に電力線用の電力測定装置を設置する必要がある。
【0003】
一般に、電力線用の電力測定装置は被覆電力線用と裸電力線(芯線が剥き出しの電力線)用といった用途による分類と、接地方式と非接地方式という電力測定装置の構造による分類がある。
【0004】
非接触方式の被覆電力線用電圧測定装置の従来技術に、特開平5−26907号がある。この公報には、被覆電力線の被覆膜と地面との間に構成される対地間寄生容量にかかる電圧を高電圧用容量分圧器を用いて分圧し、その分圧した電圧をポッケルス素子を用いて光学的に検出することが記載されている。この記載を等価回路で表すと図2のようになる。つまり、1pF程度の対地寄生容量Csと直列の分圧容量Cdが電力線の被覆による結合容量Ccを介して電力線に接続され、分圧容量Cdの端子電圧をポッケルス素子で検出する構成である。
【0005】
また、被接触方式の裸電力線用電圧測定装置の従来技術には、特公平1−58739号がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の技術では、市街地設置された被覆電力線の芯線に印加されている電圧を測定する場合に、被覆膜の汚れや雨,雪などによる表面リーク抵抗の影響を受け易く、かつ、電圧は運用上高い測定精度が必要なため、これまで実現が困難であった。
【0007】
特開平5−26907号に記載されている技術は、ポッケルス素子の必要な感度を持つ動作電圧が数100Vと高いため、分圧容量Cdの値も10pF程度と小さくなり、必然的に分圧器の構成は三個の小容量(コンデンサ)の直列回路となる。したがって、a,bのように高インピーダンスの複数の接続点が出来るため、必然的にその接続点に対して生成される電圧測定装置筐体表面リーク抵抗R11や電力線被覆表面リーク抵抗R12に対して敏感となる。従って、GΩオーダのリーク抵抗を無視出来なくなり、雨や氷雪,塵埃,塩害等の環境による影響を考慮するにも原理上限界がある。つまり、この方式では環境による精度低下に対する考慮が図られているとはいえない。
【0008】
また、特公平1−58739号に開示されている技術は、軸電力線用の電圧測定装置に関する技術であり、日本の市街地で用いられる被覆電力線の電圧測定には適用出来ない。
【0009】
また、これらの技術では、電圧測定装置を電力線をいためないように固定する接合部材についての考慮がなされていない。
【0010】
つまり、本発明の目的は、被覆電力線用電圧測定装置における測定精度を向上させることにある。
【0011】
また、他の目的は、被覆電力線を保護可能な被覆電力線用電圧測定装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明に一態様として、電力線の芯線を被覆する被覆膜に接するように配置される第1の導電性部材と、大地との間に容量を形成する第2の導電性部材と、前記第1の導電性部材と前記第2の導電性部材との間に流れる電流信号に比例した波形を有する電圧信号に変換する電流電圧変換手段と、前記電流電圧変換手段により変換された電圧信号から前記電力線に印加されている電圧値を求める電圧値算出手段と、を有するようにするものや、電力線の芯線を被覆する被覆膜の下方に配置される第1の導電性部材と、前記第1の導電性部材の下方に配置される第2の導電性部材と、前記第1の導電性部材と前記第2の導電性部材との間に流れる電流信号に比例した波形を有する電圧信号に変換する電流電圧変換手段と、前記電流電圧変換手段により変換された電圧信号と利得係数を基に電力線に印加されている電圧値を求める電圧値算出手段と、を有するようにするものがある。
【0013】
このように、第1の導電性部材と第2の導電性部材との間に直列に接続されこれらの導電性部材間に流れる電流を、該電流に比例した波形を有する電圧に変換し、その変換した電圧波形から被覆電力線に印加されている電圧値を求めているので、リーク抵抗の影響を減少させることができ、電力線の芯線に印加されている電圧値を精度高く求めることができるようになっている。
【0014】
また、この電流電圧変換手段により変換した電圧から電力線に印加されている電圧を求める際には、変換した電圧の実効値を求め、さらにこの実効値に利得計数を用いた演算を行うことで求めるようにしている。このように求めることができるのは、電力線芯線に印加されている電圧波形に比例した電流と電力線芯線に印加されている電圧との間の関係とその電流波形に比例した電圧との間の関係とから求めた利得計数で実効値を算出しているからである。
【0015】
なお、これらの第1の導電性部材を一定面積を有するように構成すると、大きな結合用容量を得ることができるので、リークに敏感な小容量の電圧分圧点を実質的に除去できることになる。
【0016】
また、これらの第1の導電性部材に、被覆膜の硬度よりも柔らかい導電性部材や高い弾性力の導電性部材を用いることにより、被覆電力線用電圧測定装置を、被覆電力線,被覆膜又は被覆膜と電力線の双方に与える損傷を抑えて設置できるようになっている。
【0017】
また、これらの第1の導電性部材の材料としては、ゴム,スポンジ又はゴム製スポンジが好ましい。さらに、これらの第1の導電性部材を構成する物質としてはシリコーンが適していることが実験的に確認できている。
【0018】
さらに、これらの電力線電圧測定装置は長年使用されると、測定精度が低下することがある。
【0019】
そこで、本発明には、これらの電力線電圧測定装置に、設置環境に応じて電力線電圧測定装置内の利得係数を書き換える利得係数書き換え手段を備えさせる態様もある。
【0020】
この書き換えを繰り返す手段を設けることで、精度を向上させることができる。
【0021】
また、その利得計数書き換え手段により書き換える利得係数を外部から送る利得計数送信手段を設ける態様もある。
【0022】
さらに、この送信手段を無線通信手段を用いる態様では、全く外部と有線接続をしなくてもすむようになり、有線による塩害やリークも防止可能になる。
【0023】
また、塩害などで電力線被覆表面の電位が低下することにより、測定精度が低下するが、この測定精度の低下を防止するために、被覆膜表面の電圧を電力線芯線に印加されている電圧と概ね等電位にする手段を設ける態様もある。その一つの態様として、電力線芯線と導通させるための金属ピンとその金属ピンと電気的に導通しているリング状の導電性ゴムを設ける態様もある。
【0024】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の被覆電力線電圧測定装置600(以後、「電圧測定装置600」と称する。)を用いた電圧測定システムの基本原理を示す等価回路である。
【0025】
この電圧測定システムは、電圧測定装置600と、被覆電力線50で構成され、電圧測定装置600は、被覆電力線50に懸架させて使用され、被覆電力線50の芯線の電圧Viを測定するものである。
【0026】
この電線の被覆膜表面と大地との間には直接リーク電流が流れ、そのリーク電流のリーク抵抗R12が形成される。
【0027】
電圧測定装置600が被覆電力線50に懸架されると、この電圧測定システムには、電圧測定装置600と被覆電力線50の被覆膜との間の結合容量Cc,電圧測定装置600と大地との間の寄生容量Cs、及びセンサを構成する筐体表面から大地に流れるリーク電流のリーク抵抗R11が形成される。
【0028】
ここで、寄生容量Cs,被覆部結合容量Ccの値を示すと、電圧測定装置600は地上高10数mと高い位置に設置されるため、寄生容量Csを1pF程度と小さくなるように設定している。他方、結合容量Ccは、後述するように長さ数10cm程度の電極(第1の導電性部材)を被覆電力線50に密着させることにより形成されるため、100pF程度と大きくなるように設定している。すなわち、寄生容量Cs≪結合容量Ccの関係になるように設定しているので、被覆電力線の被覆膜表面と電圧測定装置の結合点a(実際には容量)の電位は電力線電圧にほぼ等しくなる。
【0029】
また、この電圧測定装置600は、これらの容量11と容量12との間に接続される電流電圧変換手段100と、(図示はしていないが)後述する電圧値算出手段等を有する構成である。
【0030】
なお、電流電圧変換手段100やそのほかの構成については後述する。
【0031】
被覆電力線50に高電圧の商用周波交流電圧V1が印加されると、寄生容量Csの商用周波インピーダンスZcsを用いて、電流電圧変換手段100に流れる電流icsは、
ics=V1/Zcs …(1)
と表すことができる。
【0032】
なお、Zcsは電圧測定装置が設置された条件で一定なインピーダンス値をとるので、予めZcsをicsとV1が比例するように設定しておく。
【0033】
次にリーク抵抗R11,R12の影響について説明する。
【0034】
リーク電流icsの値は小さく(V1の対地電圧が6.6kV/√3、Csを1pFとすると、ics≒1.2μA)かつ、通常、電流電圧変換手段100の内部抵抗は低くしてあるので、端点a−bの電位差は無視出来る程に小さい。したがって、電圧測定装置の筐体表面のリーク抵抗R11の影響は無視でき、リーク抵抗R12の影響のみとなる。
【0035】
一方、リーク抵抗R12に対しては、結合容量Ccと寄生容量Csが並列になり、リークの影響は、Cc≫CsであるからCcによって決まり、リークに敏感な従来のような小容量分圧器としての分圧点は無くなる。また、結合容量Ccの値も従来例のような分圧比設計上の制限を受けず、数10倍ないしそれ以上大きく出来るので、その分リークの影響がリークの影響は低減できる。また出力は、大気を誘電体とする一個の寄生容量のインピーダンスに依存するため、従来のように誘電体の種類の異なる複数の容量の分圧器の温度特性と比較して特に温度影響が少ない。
【0036】
以上の理由で、本発明は、簡単な回路でも高精度化が可能になる。
【0037】
以下、具体的な数値計算によって本発明と従来例の差異を明らかにする。
【0038】
図3はリーク抵抗R12の変化に依存した誤差(電圧測定装置測定値と真値の偏差)の計算結果を示す。
【0039】
特性aは図12に示した従来の容量分圧器方式で、計算条件は分圧容量Cdを10pF、結合容量Ccを10pFとした。
【0040】
特性bは図1に示す本発明の方式で、計算条件は結合容量Ccを100pFとした。また、特性a,b共通条件として寄生容量Csを1pF、リーク抵抗11を1GΩ、電力線対地電圧V1は定格相電圧時の相当値、3810V(6.6kV/√3)とした。
【0041】
特性aではリーク抵抗R12が約2GΩより小さくなると定格電圧の1%(38.1V)以上の誤差を発生するが、特性bでは約0.2GΩまで小さくなっても誤差は定格電圧の1%以下に押さえられる。これより、本発明ではリーク抵抗R12の変化に対して従来手法よりも10倍以上影響を軽減できることが明らかとなった。
【0042】
次にリーク抵抗R11の影響を図4に示す。
【0043】
図3でパラメータとしたリーク抵抗R12は10GΩと固定し、残りの条件は図3のものと共通とした。
【0044】
特性aではリーク抵抗R11が約2GΩより小さくなると定格電圧の1%(38.1V)以上の誤差を発生する。これに対し特性bに示されるように本発明の方式では電流電圧変換手段100が等価的に低インピーダンスであるためリーク抵抗R11の値に実際上依存せず、リーク抵抗R11による誤差は原理的に生じない。
【0045】
次に、電圧測定装置600の全体構成図を図5に示す。
【0046】
図5(a)は垂直方向断面図、図5(b)は被覆電力線に設置した状態での水平方向断面図である。電圧測定装置600は、筐体20,21,導電性部材25,26,金属導体板40,電流電圧変換手段100,電圧測定装置600,マイコン部650,送受信無線機610を有している。なお、電流電圧変換手段100,電圧測定装置600,マイコン部650,送受信無線機610の詳細は後述するので、ここでは簡略に示している。
【0047】
電圧測定装置600の筐体は電力線への活線装着を可能にするため二分割構造をとっている。この接続は、取りつけ効率を向上させる観点から、蝶番と留め具を備えさせるようにするとよい。また、この留め具は、この被覆電力線用電圧測定装置が屋外に長期に渡って設置されることや大電圧が印加されている電力線からの感電を防止する観点から、腐食や通電が生じづらいプラスチックやステンレスにより構成されることが好ましい。本態様では、上部筐体20と下部筐体21で構成している。
【0048】
上部筐体は樹脂製の絶縁体で構成され半円筒状の形状をしている。また、その内部には半円筒状の導電性部材25が内貼りしてある。この筐体20及び/又は21は、図5(b)に図示しているように、少なくとも一方の端部で導電性部材25及び/又は26よりも被覆電力線とほぼ平行な方向に突出している。このように突出させることにより、設置者の感電を防止している。
【0049】
下部筐体21も同様に、半円形状の形状を上部に備え、樹脂製の絶縁体で構成され、導電性部材26が内貼りしてある。
【0050】
これらの導電性部材25及び26は、カーボンが含有されたシリコンスポンジで構成されている。このように、シリコーンを用いることで耐久性が向上し、ゴムをスポンジ状にして用いることより、被覆電力線50の芯線53の周囲に巻いてある被覆部55との密着性が向上し、この導電性部材と芯線との間の結合容量Ccが安定に形成されるようになっている。このことは、被覆電力線の表面が真円でなく、図6の被覆電力線の断面図を示すように、撚り線状部51と氷雪付着防止突起部52を有していることに起因している。したがって、この撚り線状部51に密着するように、これらの導電性部材25及び26の少なくとも一方を撚り線状とすると密着性が向上する。
【0051】
また、これらの導電性部材は、硬さはショアー硬度値で20よりも柔らかいものが好ましく、本態様では抵抗率が10の5乗Ω・cm程度のカーボン入りのシリコンスポンジを用いている。また、シリコンスポンジの厚みは圧縮結合時に20%程度圧縮されるのが望ましいので、その分だけ厚いものを用いている。
【0052】
また、被覆膜を囲むように形成し、さらに電力線とほぼ平行な方向に一定の長さを有するようにしている。このようにすることにより、内部に保持される構成に電力線から生じる磁力,電界及び電磁波を遮蔽でき、この電圧測定の精度が保持されるようになっている。
【0053】
さらに、下部筐体21の内部壁面の下部及び側面部に、電流電圧変換手段100,マイコン650、及び送受信無線機610を囲むようにして金属製の導電性部材で構成された金属導体板40が設けられている。このように、電流電圧変換手段を囲むように金属導体板40が設けられていることにより、電力線からの磁力,電界、及び電磁波や周囲の雷などのサージ電界から保護するためのガード電極の役割を果たすとともに、大地に対して寄生容量Csを発生させる役割も果たす。
【0054】
なお、導電性部材25又は26は導体31によって後述する電流電圧変換手段100内のオペアンプ110の負入力側端子111に接続され、金属導体板40は導体32によって同オペアンプ110の正入力側端子112に接続されている。
【0055】
以上のように構成した筐体を図5(b)に示す如く上部筐体20と下部筐体21とで被覆部55を有する電力線50に結合し、両筐体間を複数のねじ(図示せず)で固定する。結合によって導電性部材25,26は被覆部55に密着すると共に、上下の導電性ゴム部が接触して接続される。
【0056】
次に、電圧測定装置600の詳細なブロック図を含む電圧測定システムのブロック図を図7に示す。
【0057】
電流電圧変換手段100は、高入力インピーダンスのCMOSオペアンプ110,負帰還抵抗120,入力端子111と112の間に逆並列接続されたダイオード115で構成されている。
【0058】
寄生容量Csと結合容量Ccと電力線電圧V1によって実質的に決まるリーク電流icsがオペアンプ110の入力側端子111に流れると、オペアンプ110の出力端子113から帰還抵抗120を介して入力端子111に負帰還され、オペアンプ110の入力側端子111,112の電圧は等しくなる。この場合、オペアンプ110の出力側端子113の出力電圧Voは、Vo=ics・Rfとなり、抵抗値Rfを変換係数としてリーク電流(交流)icsに比例した交流電圧波形が得られる。この交流電圧波形をマイコン部650でサンプリングしてA/D変換し、そのデータ列を実効値演算することにより、被覆電力線50の芯線53に印加されている電圧の値(対地電圧値)V1を知ることが出来る。なお、リーク電流icsの範囲は1〜数μAとなるので、帰還抵抗Rfは1MΩ程度に設定している。
【0059】
このような回路構成によれば、変換インピーダンスが一個の抵抗なので温度特性が良く、高精度と低消費電力動作を両立させることができる。
【0060】
一個又は複数個の電圧測定装置から無線を介して測定データを授受する中継端末700、及び無線機を介して電圧測定装置の出力を正確に設定する較正装置800、などで構成される。電圧測定装置600は既に述べた結合容量11と寄生容量12に直列に挿入されるオペアンプ110による電流電圧変換手段100,マイクロプロセッサ(以下マイコンと称す)部650,送受信無線機610から構成される。電流電圧変換手段100の出力はマイコン部650の内蔵A/D(アナログ−ディジタル)変換器651に入力接続されている。さらに、A/D変換器651からの出力はディジタルフィルタ652を介して実効値演算回路653に入り、利得係数回路654を通って無線機610に入る。マイコン部650にはさらに係数書換回路655とその制御信号によって書き換えられるROM656を備えている。利得係数回路654の機能は実効値演算回路653の出力信号とROM656の係数値乗算機能である。
【0061】
上記の構成における動作は、電力線50の電圧V1に依存して寄生容量に流れる電流icsは電流電圧変換手段100によって交流電圧V0に変換され、出力端子113に出力される。V0はA/D変換器651を介してマイコン650にとりこまれた後、フィルタ652によって基本波成分が抽出される。
【0062】
実効値演算回路653では、フィルタ652の交流電圧波形に対し、比較的演算が容易な2値加算法によって実効値を求める。以下、図9の電圧波形図を用いて2値加算法による実効値算出手順を説明する。
(1)電気角30゜毎の振幅データVa0〜Va5の6点をサンプリングする。(2)90゜離れた2データの絶対値の和(Vx0〜Vx2)を求める。
【0063】
Vxn=|Van|+|Va(n+3)| (n=0〜2)
(3)90゜離れた2データの絶対値の差の絶対値の1/2(Vy0〜Vy2)を求める。
【0064】
Vyn=(1/2)||Van|−|Va(n+3)|| (n=0〜2)
(4)(2)から(3)を引く。
【0065】
Vn=Vxn−Vyn (n=0〜2)
(5)(4)で計算したVnの総和を求め、係数kを掛けることで図9に示す波形の実効値Vrmsが求まる。
【0066】
Vrms=k(V0+V1+V2)
このように求めた実効値に係数ROM656で設定された利得係数が乗算され、電力線導体の電圧実効値として利得係数回路654より送受信無線機610へ渡される。
【0067】
電圧測定装置600は送受信無線機610を介して中継端末700及び較正装置800と通信を行う。図10は電圧測定装置と中継端末700間の無線インターフェイス処理手順及び処理内容の実施例を示す図である。詳細は図10の通りであるが、中継端末700は電圧測定装置600に計測値を要求する信号を送り、それに基づいて電圧測定装置600は計測値を中継端末700へ送信する。この処理により、中継端末700は電圧測定装置600で計測された電力線の電圧を収集することができる。
【0068】
電力線懸架型配電電圧測定装置自身の対地寄生容量を利用した電圧測定装置は、隣接電力線や建造物の有無など、電圧測定装置の設置環境によって対地寄生容量が異なるため、本発明の電圧測定装置では高精度化のために設置現場での較正手段が提供される。
【0069】
図11は本発明の電圧測定装置の現場較正装置の実施例を示す回路ブロック図である。較正装置800は電力線50との結合容量816と高抵抗811及び較正回路820から成る。較正回路820は流入する電流icsを抵抗終端して実効値電圧測定をするA/D変換パネルメータ821,電圧測定装置600と無線でデータを送受する送受信機822,受信データとパネルメータの値を比較判定する比較判定部823で構成する。ここで、結合容量816は、電圧測定装置600と同様に電力線の被覆を介して得られる容量で、結合容量としては数100pFの値にしてあり、また、高抵抗811は3GΩ程度の値にしてある。従って、流れる電流icsは実質高抵抗811によって定まり、結合容量816の影響は非常に少ないが、結合容量の影響を完全に除くため、必要に応じ定格電圧でA/D変換パネルメータ821の出力が所定値に成るようにパネルメータ821の入力終端抵抗値を調整し予め較正される。
【0070】
以上のように構成されているので、較正装置800は、A/D変換パネルメータ821の基準測定電圧と送受信機822を介した電圧測定装置600の測定値を比較し、両者が一致するよう電圧測定装置600に対して変更すべき利得係数を送出する。そして両者が許容値(例えば±0.5%以下)になるまで無線によるループバックを繰り返す。
【0071】
以上のように動作することにより、電圧測定装置600は設置場所の環境に拘わらずA/D変換パネルメータ821の精度並に高精化できる。また較正装置800,電圧測定装置600とも同じオーダの低電流動作なので、予想しうる外乱に対して同様な特性,一種の差動効果が期待できる。さらに、較正装置800に流れるicsは1μA余と小さいので、較正装置800の接地抵抗は10MΩ程度まで許容でき、接地が容易になる利点を有する。
【0072】
図12は較正装置800と電圧測定装置600間の無線インターフェイス処理手順及び処理内容の実施例を示す図である。詳細は図12の通りであるが、較正装置800は電圧測定装置600から計測された電力線電圧V1を受け取り、この値を基に利得係数を計算し、電圧測定装置600へ送信する。電圧測定装置600の送受信無線機610で受け取られた利得係数が、係数書換回路655の制御信号によって係数ROM656に格納されることにより、一連の較正動作が終了する。
【0073】
以上のように、本発明の電圧測定装置は、マイコンのソフトウェア処理を主体としているので、特性変更がフレキシブルで信頼性が高く、全回路とも5V単一電源動作にできる。また、無線送受信機で外部との信号インターフェイスを行うので、光ケーブルなどに比較してケーブル表面を介したリークが無く電界サージ等にも強い、など耐環境性が高い。さらに電圧測定装置の設置現場環境に応じて現場での精密な自動較正ができるので、設置条件に依存せずに常に高い測定精度が得られる。同様の理由で電圧測定装置側の環境も含めた長期的な経時変化にも容易に対応でき経済的に運用できる。
【0074】
図13は電圧測定装置の設置現場での較正に使用する本発明の較正装置800の実施例構成を示す模式図である。較正装置800の構成は、被覆電力線505と較正装置800を容量結合するための導電スポンジ814を内張した引っ掛けフック810,フック810を支持し、かつ導電スポンジ814と接続された高抵抗811を内蔵した絶縁パイプ812,電池動作の較正器820および接地回路813、などである。絶縁パイプ812はジョイント部を有する複数の強化プラスチック(FRP)製のパイプで構成しており、高抵抗811は安全上のためフック810を支持する第1番目のパイプに内蔵されている。
【0075】
較正装置800は、可及的に大きな結合容量を得るため、引っ掛けフックの幅は電圧測定装置のそれよりも長く、一例として50cm程度に設計され、かつ、内張の導電性ゴムパッド814も電力線505と弱い圧力でも密着できるよう電圧測定装置の導電性ゴムパッドよりも柔らかい硬度のものが用いられている。
【0076】
較正器回路820の構成,動作はすでに図11で説明した内容と同じなのでここでは省略する。
【0077】
較正装置800の電圧測定装置接地現場での使用法には二通りの使い方がある。一つは電圧測定装置を設置した時点で作業車上で操作する場合で、その場合は全体のパイプ長は短くてよい。他の使用法は作業車のない場合で、地上から人手で扱うため、全体のパイプ長は長く、10m程度にジョイントして用いる。それゆえ、一人でも扱えるようにパイプは軽量で扱いやすい必要があり、FRPのパイプ径は45mmφ,肉厚1.5〜2mm 程度のものが好ましい。また、軽量化のためには、電池を含む較正器820をパイプ部と分離し地上に設置してもよい。作業車を用いない較正作業は一人作業ができ、簡便で経済的なため、電圧測定装置の設置環境が変わった場合、例えば電圧測定装置に近接した工作物,建物の新設,除去の場合や、周年毎の定期較正等が経済的に実施できる。
【0078】
しかしながら、高抵抗811に対しては入り組んだ配線に対しては他の電力線からの誘導などもあり得るので誘導源となる電力線から十分離れた中間部の1本の絶縁パイプに纏めて収納する。
【0079】
較正装置は大地からの電力線電圧を測定しているので、電圧基準としての接地および安全面からの接地が必要である。しかし、電力線の敷設ルートの多くは市街地であり、敷設ルートの多くはコンクリート,アスファルト舗装で、近くに接地端子も見あたらない場合がある。図14はそのような場合の接地手段の実施例を示している。
【0080】
図14の較正装置においては、較正器回路820に接続されている接地線の先端には金属板815を介して柔らかい導電性ゴムパッド816を張り付け、コンクリート面などに密着するようになっている。密着面の大きさは30cm角程度であればよい。
【0081】
以上のような構成で、接地に先立ちコンクリートの接地面に散水した後導電性ゴムパッド816を密着することにより接地する。後述のように較正器の接地電流は1μA余りであり、大地に対する電力線電圧は3.8kV(=6.6kV/√3)と高いので、許容接地電圧を10V程度とすると10MΩ程度の接地抵抗でもよい。従って、このような高い接地抵抗は図13のような方法で容易に実現できるため、大地の露出面が無い場合においても較正装置の使用が容易になる。なお、電圧測定装置に対する有効大地面積は較正装置の設置面積に比較して十分広面積であるから全く問題ない。
【0082】
既に詳述したように、被覆電力線における電圧測定の特徴は、被覆容量を介して電力線電位を計測する、いわば間接測定である。図15に示すようにその等価回路は、電力線の単位長さ当たりの被覆容量をCcc、単位長さ当たりの表面リーク抵抗をR11、とすると、表面電位は、被覆容量をCccのインピーダンスによって電力線電位へ向かってプルアップ(引き上げ)され、表面リーク抵抗をR11によって大地電位に向かってプルダウン(引き下げ)される梯子型の等価回路で表すことが出来る。それゆえ、被覆容量をCcを大きく出来る本発明は、表面リーク抵抗R11の低下に強いといえるが、表面電位に依存することには変わりなく、表面リークが特に大きくなる場合、例えば電力線が塩害に晒されてリーク抵抗が大幅に低下したような場合には、さらに進んだ工夫が採用される。
【0083】
図16(a),(b)は本発明の他の実施例で、表面リークが大きい場合の電力線の電柱区間に対する被覆電位の関係を示す図である。図16(a)は、電力線の一電柱区間を示す図で、電柱151,152の碍子によって電力線505が固定されている。前述したように、被覆電力線の表面電位は電力線の単位長さの被覆容量によって電力線電圧に向かってプルアップされ、単位長さのリーク抵抗によって設置電位方向にプルダウンされる梯子型の等価回路で表すことが出来るから、碍子を含む電柱を大地へのリーク電流帰路とし、電圧測定装置部の負荷寄生容量を無視すると、被覆電力線の表面電位は電柱からの距離に対して図16(b)の電圧特性1のようになる。すなわち、電柱の中間点で表面電位は最も高くなるが、リークが大きいと電力線電圧に対して大幅な低下は免れない。
【0084】
そのため、図16(a)に示すように、設置した配電電圧測定装置200の電柱側の至近距離に電力線電圧を被覆表面に導くための導電リング300(構造詳細図17)を設置する。その結果、導電リング設置点の被覆電位は電力線電圧V1に等しくできる。
【0085】
図16(b)の電圧特性2は導電リングを設置した場合の特性を示す。即ち、被覆表面電位Vsは、導電リング設置点では電力線電圧に等しくなり、設置点から離れるにしたがって電圧特性2に示すように低下する。
【0086】
ここで、図16(a)の如く導電リング300と電圧測定装置600の距離をLs,電柱の区間距離をLp,電力線電圧をV1,電柱設置点の被覆表面電位Vpとし、リークによる電位低下を簡単に距離比例と見做すと、電圧測定装置設置点電位(電圧測定装置の検出電圧)Vsは、次のように表せる。
【0087】
Vs=V1−(V1−Vp)Ls/Lp …(2)
ここで、VpをV1/2,Ls=10cm,Lp=20mとして(2)式の第二項で表されるVsの誤差を試算すると、誤差は0.25% になる。極端にVp=0Vとしても0.5% しか低下しない。実際のリークによる電圧低下量は、前述した被覆部容量によるプルアップ効果のためリニヤよりも少なく、したがって発生誤差も(2)式の試算よりも小さくなる。(2)式においては、電圧精度は相対的な電圧測定装置の設置距離にのみ存在し、表面リーク抵抗の大小には直接的には依存しない、と言うことが重要である。すなわち、図16(a)で示した本発明は、表面リーク抵抗の大小に拘らず効果的に適用可能なことを示している。
【0088】
さらに、導電リングを2個用いて電圧測定装置の両端に設置した場合には、電圧測定装置の両端は電力線電圧V1になるので誤差は電圧測定装置の設置距離にも依存せず、零に出来る。
【0089】
図17は導電リングの詳細実施例を示す。図17においては、電力線50,被覆部55、に対して複数の画鋲状のスパイク70を内蔵したリング状の導電性ゴム(スポンジ)80,絶縁カラー90が同心円上に配置され、専用工具を用いて巻し締めされる。したがって、スパイク70が電力線50に食い込み、電圧は導電性ゴム80を介して被覆部55に印加されて被覆表面電位は導体電圧に等しくなる。絶縁カラー90の機能は、導電性ゴム80に対する耐候性上の保護および電気的絶縁で、耐候性の高い樹脂が用いられる。施工に際し導電性ゴム80は固く巻き締められており、スパイク点に流れる電流は極めて小さいので、通常雨水などによる長期的な影響,接触不良などの問題は軽減されるが、必要に応じて導電性ゴム内側のスパイク点近傍に粘着ゴムを貼付しておくことによりスパイク点の封じがより密になり、接触信頼性を増すことが出来る。
【0090】
図18は本発明の他の実施例を示す。図18においては、図17で示した画鋲状のスパイク70を内蔵したリング状の導電性ゴムによるガードリング80は、電圧測定装置本体の筐体構造の一部として、電圧測定装置筐体を電力線に勘合するための、二分割した半円筒状の上部絶縁体210と半円筒状の下部絶縁体220の端部内側に設けられる。この場合も導電性ゴム80の位置は、電圧測定装置の結合電極の端から5cm〜10cm離れている。図18においては、画鋲状のスパイクを内蔵したリング状の導電性ゴムは電圧測定装置を電力線に容量結合する際に自動的に同時に取り付けられる。
【0091】
図18の実施例を図17に実施例と比較すると、現場で導電リングを取り付ける工程が不要になるので能率的であり、また導電リング用の絶縁カラー90も電圧測定装置の絶縁体と兼用出来るので安価に適用出来る。反面、被覆部のリーク抵抗が十分高くて導電リングが不要な場合には不要となる。
【0092】
本発明の特徴の一つは、先の図2の等価回路で示したように、電圧測定装置の電力線に対する結合容量Ccと電圧測定装置の対地寄生容量Csの関係をCc≫Csとすることであり、Ccの増大法について開示してきた。しかし、電圧測定装置をより小型化したい、電圧測定装置筐体全体を金属ケースにしたいという要求に対しては、結合容量Ccが増加方向になるため、さらに工夫が必要になる。
【0093】
図19は本発明の電圧測定装置600の他の実施例構成を示す。図19において、電圧測定装置600と被覆部55を有する電力線50との容量結合する二分割した導電性部材25,26はほぼ中央で電流電圧変換手段100と接合されるとともに一端は画鋲状のスパイク70を介して電力線50と接続されている。
【0094】
図19の構成における等価回路は図20のようになる。すなわち、電圧測定装置600の電流電圧変換手段100には導電性部材25,26を電極した結合容量11(Cc)と並列にスパイク70を介した導電ゴムによる抵抗16(Rc)が挿入される。抵抗16に値をRcとすると、その値は次の関係を満たすように選ばれる。
【0095】
CsRc≪1/f, V1/Rc<0.01A
それらの意味するところは、寄生容量Csを商用周波電圧に十分プルアップでき、かつ、電圧測定装置の万一の設置に対しても十分安全に限流できることである。
【0096】
抵抗値Rcの望ましい数値例を示すと、1Mないし数MΩである。この値は、先の図7の実施例で電力線表面に密着させる容量結合電極の導電ゴムの望ましい抵抗率として示した10の5乗Ω・cmのカーボン入りスポンジで教養,実現できる値である。
【0097】
図19,図20の構成で、電流電圧変換手段100と電力線50は容量11と抵抗16の並列回路で接続されていることが重要である。その理由は、
(1)多少電圧測定装置の寄生容量が増加しても商用周波電圧のプルアップが十分で精度低下がない。
(2)雷サージのような急峻な電界に対しては結合容量を介して電圧測定装置の電位は電力線電位になり安全である。
【0098】
そして、電圧測定装置筐体が万一地絡したような場合にも安全に限流できることは既に述べたとおりである。
【0099】
【発明の効果】
本発明によれば、電圧測定装置の測定精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電力線電圧測定装置の基本原理を示す回路図。
【図2】従来の容量分圧器方式の電力線電圧測定装置の基本原理を示す回路図。
【図3】被覆電力線表面等価リーク抵抗の変化に対する本発明と従来例の特性比較図。
【図4】電圧測定装置筐体表面等価リーク抵抗の変化に対する本発明と従来例の特性比較図。
【図5】本発明に用いる電流計回路の実施例図。
【図6】結合手段を含む本発明の望ましい一実施例を示す筐体実装構造図。
【図7】被覆電力線の一例を示す構造図。
【図8】無線インターフェイスを用いた本発明の電圧測定装置の構成回路図。
【図9】2値加算法による実効値算出手順の説明図。
【図10】電圧測定装置と中継端末700間の無線インターフェイス処理手順及び処理内容を示す図。
【図11】較正装置800と電圧測定装置600間の無線インターフェイス処理手順及び処理内容を示す図。
【図12】電圧測定装置の設置現場での較正に使用する本発明の較正装置800の実施例構成図。
【図13】較正装置の接地手段の一実施例図。
【図14】本発明の電圧測定装置の現場較正装置の実施例を示す回路ブロック図。
【図15】本発明の電圧測定装置を電力線に設置した場合の等価回路図。
【図16】リークが大きい場合の電力線の電柱区間距離に対応した被覆電位の関係を示す模式図。
【図17】導電リングの詳細実施例図。
【図18】導電リングの詳細実施例図。
【図19】電力線電圧測定装置の一例を示す図。
【図20】導電リングの詳細説明図。
【符号の説明】
11…結合容量、12…寄生容量、13,14…リーク抵抗、15…分圧容量、20…上部筐体、21…下部筐体、25,26…導電性部材、31,32…導体、40…金属導体板、50…被覆電力線、53…芯線、55…被覆部、70…スパイク、100…電流電圧変換手段、600…電圧測定装置、610…送受信無線機、650…マイコン部、700…中継端末、800…較正装置。
Claims (9)
- 電力線の芯線を被覆する被覆膜の下方に配置される第1の導電性部材と、
前記第1の導電性部材の下方に配置され、かつ、大地と非接触の第2の導電性部材と、
前記第1の導電性部材と前記第2の導電性部材との間に流れる電流信号に比例した波形を有する電圧信号に変換する電流電圧変換手段と、
前記電流電圧変換手段により変換された電圧信号と利得係数を基に電力線に印加されている電圧値を求める電圧値算出手段と、を有することを特徴とする被覆電力線用電圧測定装置であって、
前記電圧値算出手段は、前記電流電圧変換手段により変換された電圧信号から該電圧信号の電圧値を求める手段と、求めた電圧値に特定の利得係数を掛ける電圧換算利得計数回路とを有し、
前記電圧換算利得計数回路で用いる利得計数を記憶する記憶装置と、該電圧換算利得計数回路に対して前記記憶装置に格納されている利得計数を前記電圧換算利得計数回路に送信する、無線により外部とデータの送受信を行う通信手段と、
前記通信手段により利得係数を受信した場合、受け取った利得計数を格納する前記記憶装置とを有することを特徴とする被覆電力線用電圧測定装置。 - 請求項1において、
前記第1の導電性部材及び前記第2の導電性部材は、前記第1の導電性部材と前記被覆膜との間に構成される容量Ccが前記第2の導電性部材と大地との間に構成される容量Csよりも大きくなるように形成されていることを特徴とする被覆電力線用電圧測定装置。 - 請求項1から2のいずれかにおいて、
前記第1の導電性部材と前記芯線に電気的に接続されている第3の導電性部材を有することを特徴とする被覆電力線用電圧測定装置。 - 請求項3において、
前記第3の導電性部材のうち、前記芯線と電気的に接続されている部分の形状が画鋲状であることを特徴とする被覆電力線用電圧測定装置。 - 請求項1から3のいずれかにおいて、
前記第2の導電性部材は、前記第1の導電性部材を覆うように形成されていることを特徴とする被覆電力線用電圧測定装置。 - 請求項1から3のいずれかにおいて、
前記第1の導電性部材の前記被覆膜と接する部分は、凹凸部及び波状部の少なくともいずれかを有することを特徴とする被覆電力線用電圧測定装置。 - 請求項1から3のいずれかにおいて、
前記第1の導電性部材の前記被覆膜と接する部分は、凹部を有することを特徴とする被覆電力線用電圧測定装置。 - 請求項1から3のいずれかにおいて、
前記第1の導電性部材を覆うように配置される絶縁性の筐体を有し、
前記筐体の電力線の延長方向における端部は、前記第1の導電性部材の電力線の延長方向における端部よりも長いことを特徴とする被覆電力線用電圧測定装置。 - 請求項1から2のいずれかにおいて、
前記第1の導電性部材と前記芯線に電気的に接続されている第3の導電性部材と、
前記第1の導電性部材及び前記第3の導電性部材を覆うように配置される絶縁性の筐体を有することを特徴とする被覆電力線用電圧測定装置。
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