JP4134495B2 - 弁開閉時期制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の動弁装置において吸気弁または排気弁の開閉時期を制御するために使用される弁開閉時期制御装置(内燃機関用バルブタイミング調整装置)に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の弁開閉時期制御装置の一つとして、内燃機関の駆動軸(エンジンのクランクシャフト)から内燃機関の吸気弁または排気弁を開閉する従動軸(カムシャフト)に駆動力を伝達する駆動力伝達系に設けられ、前記駆動軸または前記従動軸と一体的に回転するハウジング部材と、このハウジング部材に設けたシュー部に相対回転可能に組付けられてベーン部にて前記ハウジング部材内に進角油室と遅角油室を形成し前記従動軸または前記駆動軸と一体的に回転するロータ部材とを備えるとともに、前記進角油室及び前記遅角油室への作動油の給排を制御するための油圧回路を備えたものがあり、例えば特開2000−2103号公報に示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記した公報に示されている弁開閉時期制御装置においては、進角油室または遅角油室への作動油の給排通路がドリル加工等の機械加工によって形成した連通孔(例えば、ロータ部材の外周から内周に向けて穿設したドリル加工穴)を備えていて、機械加工による問題(コストアップ等)は避けられない。また、ハウジング部材に設けた環状軸受部への作動油の供給が積極的に行われておらず、当該装置の信頼性・耐久性に改善の余地がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記した問題に対処すべく、内燃機関の駆動軸から内燃機関の吸気弁または排気弁を開閉する従動軸に駆動力を伝達する駆動力伝達系に設けられ、前記駆動軸または前記従動軸と一体的に回転するハウジング部材と、このハウジング部材に設けたシュー部に相対回転可能に組付けられてベーン部にて前記ハウジング部材内に進角油室と遅角油室を形成し前記従動軸または前記駆動軸と一体的に回転するロータ部材とを備えるとともに、前記進角油室及び前記遅角油室への作動油の給排を制御するための油圧回路を備えた弁開閉時期制御装置において、前記ロータ部材が、前記シュー部に回転可能に組付けられるメインロータと、このメインロータの一側に設けられて前記ハウジング部材に設けた環状軸受部に回転可能に組付けられる円筒状のサブロータとを備える構成として、前記メインロータの一側内周部に成形型によって形成した環状凹所と、前記メインロータの一側中間部に成形型によって形成されて前記環状凹所の外周部を前記進角油室または前記遅角油室に連通させる連通凹部と、前記サブロータの他側に成形型によって形成されて径方向に延び前記環状凹所の外周部に前記サブロータによって形成される環状通路に径外方にて連通し径内方にて前記サブロータの内孔に連通する連通凹溝とにより、前記進角油室または前記遅角油室への作動油の給排通路を構成したこと(請求項1に係る発明)に特徴がある。この場合において、前記ハウジング部材に設けた前記環状軸受部の他端が前記環状通路に露呈していること(請求項2に係る発明)が望ましい。
【0005】
【発明の作用・効果】
本発明による弁開閉時期制御装置(請求項1に係る発明)においては、前記メインロータの一側内周部に成形型によって形成した環状凹所と、前記メインロータの一側中間部に成形型によって形成されて前記環状凹所の外周部を前記進角油室または前記遅角油室に連通させる連通凹部と、前記サブロータの他側に成形型によって形成されて径方向に延び前記環状凹所の外周部に前記サブロータによって形成される環状通路に径外方にて連通し径内方にて前記サブロータの内孔に連通する連通凹溝とにより、前記進角油室または前記遅角油室への作動油の給排通路が構成されている。このため、当該給排通路の形成に際して、ドリル加工等の機械加工が全く不要であり、機械加工に伴う問題(コストアップ等)を解消することができる。
【0006】
また、本発明による弁開閉時期制御装置(請求項2に係る発明)においては、上記した構成に加えて、ハウジング部材に設けた環状軸受部の他端が前記環状通路に露呈する構成を備えているため、上記した作用効果が期待できることは勿論のこと、環状通路の全周から環状軸受部の全周に作動油を積極的に供給することができて、環状軸受部での潤滑性能を向上させることができ、当該装置の信頼性・耐久性を向上させることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1〜図14に示した本発明による弁開閉時期制御装置は、カムシャフト10(従動軸)の先端部に一体的に組付けたロータ部材20と、このロータ部材20に所定範囲で相対回転可能に外装されたハウジング部材30と、ハウジング部材30とロータ部材20間に介装されてハウジング部材30に対してロータ部材20を進角側に付勢するトーションスプリングSと、ハウジング部材30とロータ部材20の最遅角位相と最進角位相を規定するストッパ機構Aと、最遅角位相にてハウジング部材30とロータ部材20の相対回転を規制するロック機構Bを備えるとともに、後述する進角油室R1及び遅角油室R2への作動油の給排を制御するとともにロック機構Bのロック・アンロックを制御する油圧回路Cを備えている。
【0008】
カムシャフト10は、吸気弁(図示省略)を開閉する周知のカム(図示省略)を有していて、内燃機関のシリンダヘッド40に回転自在に支持されており、内部にはカムシャフト10の軸方向に延びる進角通路11と遅角通路12が設けられている。進角通路11は、径方向の通路13と環状の通路14と接続通路P1を介して切換弁100の接続ポート101に接続されている。また、遅角通路12は、径方向の通路15と環状の通路16と接続通路P2を介して切換弁100の接続ポート102に接続されている。なお、径方向の通路13,15と環状の通路16はカムシャフト10に形成されており、環状の通路14はカムシャフト10とシリンダヘッド40の段部間に形成されている。
【0009】
切換弁100は、オイルポンプ110、オイル溜120等とにより油圧回路Cを構成していて、ソレノイド103への通電(内燃機関の運転状態に応じて図示省略の通電制御装置によって制御される)によってスプール104をスプリング105に抗して図1の左方向へ移動できるものであり、非通電状態では内燃機関によって駆動されるオイルポンプ110に接続された供給ポート106が接続ポート102に連通するとともに、接続ポート101がオイル溜120に接続された排出ポート107に連通するように、また第1設定電流の通電状態では供給ポート106と排出ポート107が各接続ポート101,102との連通を遮断されるように、さらに第1設定電流より大きい第2設定電流の通電状態では供給ポート106が接続ポート101に連通するとともに、接続ポート102が排出ポート107に連通するように構成されている。
【0010】
このため、ソレノイド103の非通電状態では、オイルポンプ110から遅角通路12に作動油が供給されるとともに、進角通路11からオイル溜120に作動油が排出され、第1設定電流の通電状態では、進角通路11と遅角通路12に作動油が溜められ、第2設定電流の通電状態では、オイルポンプ110から進角通路11に作動油が供給されるとともに、遅角通路12からオイル溜120に作動油が排出される。
【0011】
ロータ部材20は、焼結金属製のメインロータ21と、このメインロータ21の後方(図1の右方)に連結スリーブ22を介して一体的に組付けた焼結金属製で段付筒状のサブロータ23によって構成されていて、ボルト50によってカムシャフト10の前端に一体的に固着されており、ボルト50の頭部によって前端を閉塞された各ロータ21,23及び連結スリーブ22の中心内孔はカムシャフト10に設けた進角通路11に連通している。
【0012】
メインロータ21は、図1、図4〜図6及び図8に示したように、連結スリーブ22及びサブロータ23が同軸的に組付けられるハブ部21aと、このハブ部21aから径外方に延びてハウジング部材30内に4個の進角油室R1及び遅角油室R2を区画形成する4個のベーン部21bを有していて、各ベーン部21bの径方向外端には進角油室R1と遅角油室R2間をシールするためのシール部材24がそれぞれ組付けられている。
【0013】
また、メインロータ21の後側(一側)には、図4及び図8に示したように、環状凹所21cと4個の直線状連通凹部21dと2個の円弧状連通凹部21eが形成されるとともに、位置決めピン25の取付穴21fが形成されている。環状凹所21cは、メインロータ21の後側内周部にメインロータ成形型(メインロータ21の成形時に使用される成形型)によって形成されている。各直線状連通凹部21dは、メインロータ21の後側中間部にメインロータ成形型によって形成されていて、環状凹所21cの外周部を進角油室R1に連通させている。各円弧状連通凹部21eは、環状凹所21cの形成部位にメインロータ成形型によって形成されていて、環状凹所21cより軸方向に深く形成されている(図1参照)。
【0014】
また、メインロータ21の前側(他側)には、図6に示したように、第2の環状凹所21gが形成されるとともに、メインロータ21の軸方向中間部には、図1、図5及び図8に示したように、径方向に延びる4個の連通孔21hが設けられている。第2の環状凹所21gは、トーションスプリングSの後方部位を収容する凹所であり、メインロータ成形型によって形成されていて、ベーン部21bの一つに対応する部位にトーションスプリングSの後方端Sr(径方向に延びている)を収容して当該装置の軸方向寸法を小さくする径外方突出部を有している。各連通孔21hは、メインロータ21の成形後に外周からドリル加工によって穿設されていて、径方向内端にて円弧状連通凹部21eに連通し径方向外端にて遅角油室R2に連通している。
【0015】
一方、サブロータ23には、図1、図4、図7及び図9〜図11に示したように、一対の連通凹溝23a,23bと2個の連通孔23cと環状溝23dが形成されるとともに、フリー凹所23eとロック凹所23fが形成されている。一方の連通凹溝23aは、サブロータ23の前側にサブロータ成形型(サブロータ23の成形時に使用される成形型)によって形成されて径方向に延びており、環状凹所21cの外周部にサブロータ23によって形成される環状通路Dに径外方にて連通し径内方にてサブロータ23の内孔を通して進角通路11に連通している。なお、連通凹溝23aの一部には、図4に示したように、位置決めピン25が係合するようになっていて、メインロータ21とサブロータ23の周方向における位置決めがなされている。
【0016】
他方の連通凹溝23bは、サブロータ23の前側にサブロータ成形型によって形成されて径方向に延びており、径外方にてロック凹所23fと環状通路Dに連通し径内方にてサブロータ23の内孔を通して進角通路11に連通している。各連通孔23cは、サブロータ23を軸方向に貫通するようにしてサブロータ成形型により形成されていて、前端にてメインロータ21の円弧状連通凹部21eに連通し後端にて環状溝23dに連通している。環状溝23dは、サブロータ23の後側にサブロータ成形型によって形成されていて、遅角通路12に連通している。
【0017】
フリー凹所23eとロック凹所23fは、サブロータ23の前側にサブロータ成形型によって形成されている。また、フリー凹所23eは、周方向に延びて円弧形状に形成されており、ハウジング部材30とロータ部材20の相対回転を許容した状態でロックキー61の先端部61aを収容するようになっている。このフリー凹所23eの周方向一端には、ロックキー61の先端部61aとの当接により最遅角位相を規定するストッパ面23e1(図10参照)が形成され、ストッパ面23e1に沿って連続的にロック凹所23fが形成されている。また、フリー凹所23eの周方向他端には、ハウジング部材30に対するロータ部材20の最進角位相(最大相対回転量)を規定する第2のストッパ面23e2(図10参照)がストッパ面23e1に対向して形成されている。
【0018】
ハウジング部材30は、ハウジング本体31と、フロントプレート32と、リヤ薄肉プレート33と、リヤ厚肉プレート34と、これらを一体的に連結する4本のボルト35によって構成されていて、リヤ厚肉プレート34の外周にはスプロケット34aが一体的に形成されている。スプロケット34aは、周知のように、タイミングチェーン(図示省略)を介して内燃機関のクランクシャフト(図示省略の駆動軸)に連結されていて、クランクシャフトからの駆動力が伝達されるように構成されている。
【0019】
ハウジング本体31は、径内方に突出する二対4個のシュー部31aを有していて、各シュー部31aの径方向内端にてシール部材36を介してメインロータ21のハブ部21aを相対回転可能に支承している。フロントプレート32とリヤ薄肉プレート33は、軸方向の対向する端面にて、メインロータ21のハブ部21aの軸方向端面外周と、各ベーン部21bの軸方向端面全体と、各シール部材36の軸方向端面全体にそれぞれ摺動可能に接している。
【0020】
即ち、ハウジング部材30においては、ハウジング本体31とフロントプレート32とにより、後方(図1の右方)に開口する略有底筒状を呈すると共にロータ部材20をその内部に収容する収容部を形成しており、リヤ薄肉プレート33と略平板状のリヤ厚肉プレート34とにより収容部の開口部を覆う被覆部を形成している。リヤ薄肉プレート33は、図12にて示したように、環状に形成されていて、ハウジング本体31とリヤ厚肉プレート34間に挟まれてシール機能を発揮しており、外径部全周にビード状の曲げを形成することによってシール性の向上が図られている。
【0021】
リヤ厚肉プレート34は、図1,図3、図7、図13及び図14にて示したように、フロント側に開口するとともに径内方に開口しフロント側の開口をリヤ薄肉プレート33によって閉塞される収容溝34bをハブ部34cに有していて、前端が環状通路Dに露呈するハブ部34cの内周(環状軸受部)にてハウジング部材30の開口部から突出するサブロータ23の外周に相対回転可能に支承されている。また、収容溝34bには、ロックキー61とこれを常時フリー凹所23eの底面部(リヤ厚肉プレート34の径方向内方)に向けて付勢するロックスプリング62とがリヤ厚肉プレート34と一体回転可能に組付けられている。なお、収容溝34bの径外方端は通孔34d(図1及び図3参照)を通して開放されていて、ロックキー61の迅速な径方向移動が保証されている。
【0022】
リヤ厚肉プレート34のスプロケット34aと収容溝34bと通孔34dは、リヤ厚肉プレート34の成形時に同時に形成されていて、抜き孔34e,34f,34g,34h(図2及び図13参照)も同時に形成されている。これによって、製作コストの低減を図るとともに、当該装置の小型軽量化を可能としている。なお、抜き孔34e,34f,34g,34hは、回転バランスをとるようにして、抜き取られている。
【0023】
ロックキー61は、断面矩形に形成されていて、径内方の先端部61aがサブロータ23のフリー凹所23eに向けて常時突出する長さ(収容溝34bの径外方端に当接するまで径外方に移動しても先端部61aが収容溝34bから突出する長さ)を有しており、径方向外側にはフロント側と径外方に開口してロックスプリング62の一部を収容する溝61bが形成されている。
【0024】
また、ロックキー61は、図1及び図7にて示したように、最遅角位相にて先端部61aをロック凹所23fに周方向移動不能に収容可能であり、連通凹溝23bを通して進角通路11から作動油が供給されると、ロックスプリング62に抗して径外方に押動されて先端部61aがロック凹所23fから退避し、連通凹溝23bを通して作動油が進角通路11に排出されると、ロックスプリング62の付勢力によりロック凹所23fに向けて押動されて先端部61aがロック凹所23fに嵌合して収容されるようになっている。
【0025】
上記のように構成した本実施形態においては、内燃機関の始動時、オイルポンプ110から遅角油室R2に必要十分な作動油が供給されなくても、遅角油室R2内の油圧による遅角方向へのトルクとカムシャフト10に作用する平均変動トルクにより、ハウジング部材30に対してロータ部材20がトーションスプリングSの付勢力に抗して遅角側に相対回転する。したがって、内燃機関の始動時において、ハウジング部材30とロータ部材20の相対回転は、最遅角位相(内燃機関の吸気弁と排気弁とが同時に開いているオーバーラップ期間を最適として、内燃機関の始動性を良好とする位相)にて、ロックキー61、ロック凹所23f、ロックスプリング62等からなるロック機構Bにより規制される。
【0026】
したがって、吸気弁を駆動する際にカムシャフト10に変動トルク(正・負の反転トルク)が作用しても、ロータ部材20がハウジング部材30に対して相対回転することをロックキー61によって規制されて、相対的な回転振動を発生することがなく、かかる回転振動に伴う打音の発生が防止される。なお、内燃機関の始動時において切換弁100が図1の非通電状態にあれば、オイルポンプ110から切換弁100を介して遅角通路12に作動油が供給されて、遅角油室R2に向けて作動油が供給される時点から、遅角油室R2内の油圧によってもロータ部材20とハウジング部材30の相対回転が規制される。
【0027】
かかる状態にて、切換弁100のソレノイド103が非通電状態から第2設定電流の通電状態に切り換えられると、供給ポート106が接続ポート101に連通するとともに、接続ポート102が排出ポート107に連通し、進角通路11に作動油が供給されるとともに、遅角通路12からオイル溜120に作動油が排出される。このため、進角通路11からサブロータ23の連通凹溝23bを通してロック凹所23fに作動油が供給されるとともに、進角通路11からサブロータ23の両連通凹溝23a,23bとメインロータ21の環状凹所21cと各直線状連通凹部21dを通して進角油室R1に作動油が供給され、遅角油室R2からメインロータ21の連通孔21hと円弧状連通凹部21e及びサブロータ23の連通孔23cと環状溝23dを通して遅角通路12に作動油が排出される。
【0028】
したがって、ロック凹所23fに供給された作動油により、ロックキー61がロックスプリング62に抗して径外方に押動されてロック凹所23fから移動退避するとともに、進角油室R1に供給された作動油により、ロータ部材20が図4の反時計方向に押動されてハウジング部材30に対して最遅角位相から進角側に向けて相対回転する。このロータ部材20のハウジング部材30に対する相対回転は、サブロータ23に形成した第2のストッパ面23e2とロックキー61の先端部61aが当接するまで可能である。
【0029】
また、切換弁100のソレノイド103が第2設定電流の通電状態から第1設定電流の通電状態に切り換えられると、供給ポート106と排出ポート107が各接続ポート101,102との連通を遮断されて、進角通路11と遅角通路12に作動油が溜められるため、進角油室R1と遅角油室R2に作動油が溜められた状態とされて、ロータ部材20のハウジング部材30に対する相対回転が規制された状態とされる。
【0030】
また、切換弁100のソレノイド103が第1設定電流の通電状態から非通電状態に切り換えられると、供給ポート106が接続ポート102に連通するとともに、接続ポート101が排出ポート107に連通し、遅角通路12に作動油が供給されるとともに、進角通路11からオイル溜120に作動油が排出される。このため、遅角通路12からサブロータ23の環状溝23dと連通孔23c及びメインロータ21の円弧状連通凹部21eと連通孔21hを通して遅角油室R2に作動油が供給され、進角油室R1からメインロータ21の各直線状連通凹部21dと環状凹所21c及びサブロータ23の両連通凹溝23a,23bとを通して進角通路11に作動油が排出される。
【0031】
したがって、遅角油室R2に供給された作動油により、ロータ部材20が図4の時計方向に押動されてハウジング部材30に対して遅角側に向けて相対回転する。このロータ部材20のハウジング部材30に対する相対回転は、サブロータ23に形成したストッパ面23e1とロックキー61の先端部61aが当接するまで可能である。
【0032】
以上の説明から明らかなように、本実施形態においては、内燃機関の駆動時、切換弁100のソレノイド103への通電状態を制御することにより、ロータ部材20のハウジング部材30に対する相対回転位相を最遅角位相から最進角位相までの範囲の任意の位相に調整することができて、内燃機関の駆動時における弁開閉時期を適宜に調整することができる。
【0033】
ところで、本実施形態においては、メインロータ21の後側内周部にメインロータ成形型によって形成した環状凹所21cと、メインロータ21の後側中間部にメインロータ成形型によって形成されて環状凹所21cの外周部を進角油室R1に連通させる直線状連通凹部21dと、サブロータ23の前側にサブロータ成形型によって形成されて径方向に延び環状凹所21cの外周部にサブロータ23によって形成される環状通路Dに径外方にて連通し径内方にてサブロータ23の内孔に連通する連通凹溝23a,23bとにより、進角油室R1への作動油の給排通路が構成されている。このため、当該給排通路の形成に際して、ドリル加工等の機械加工が全く不要であり、機械加工に伴う問題(コストアップ等)を解消することができる。
【0034】
また、本実施形態においては、リヤ厚肉プレート34におけるハブ部34cの内周(ハウジング部材30の環状軸受部)がその前端にて環状通路Dに露呈する構成であるため、環状通路Dの全周からハブ部34cの内周全周に作動油を積極的に供給することができて、ハブ部34cの内周(環状軸受部)での潤滑性能を向上させることができ、当該装置の信頼性・耐久性を向上させることができる。
【0035】
また、本実施形態においては、ストッパ機構A及びロック機構Bを、上述したロックキー61、フリー凹所23e、ストッパ面23e1,23e2、ロック凹所23f、ロックスプリング62を備える構成として(ストッパ機構Aをロックキー61、フリー凹所23e、ストッパ面23e1,23e2等によって構成し、ロック機構Bをロックキー61、ロック凹所23f、ロックスプリング62等によって構成して)、これらをハウジング部材30とロータ部材20の各ハブ部に設けた。すなわち、ストッパ機構Aとロック機構Bとにおいて、ロックキー61を共用することにより、ストッパ機構Aとロック機構Bとを一体的に構成することを可能としている。従って、当該装置の小型軽量化を可能としている。
【0036】
このため、ハウジング部材30のシュー部31aの周方向端面とロータ部材20のベーン部21bの周方向端面にそれぞれ機械加工を施す必要がなく、またロータ部材20のベーン部21bとハウジング部材30のシュー部31aが高い強度を要求されない。したがって、製作コストの低減を図ることができるとともに、ロータ部材20のベーン部21bの薄肉化が可能であって、小型軽量化を図ることができる。
【0037】
また、ロックキー61の先端部61aとの当接により最遅角位相を規定するストッパ面23e1をフリー凹所23eの周方向一端に形成し、このストッパ面23eに沿って連続的にロック凹所23fを形成したため(ストッパ面23e1とロック凹所23fをサブロータ23の一箇所に形成したため)、最遅角位相に対するロック凹所23fの位置精度は容易に高精度にて得られる。したがって、当該装置の生産性を向上させることができる。
【0038】
また、ロックキー61の先端部61aが収容溝34bから常時突出していて、ロックキー61とこれを摺動可能に支持するハウジング部材30(リヤ薄肉プレート33及びリヤ厚肉プレート34)間には摺動を許容する微小隙間を設けることで実施できて、同隙間に異物が入り込むことは殆どなくて、異物の噛み込みを防止することができ、ロックキー61の作動信頼性を向上させることができる。
【0039】
また、ハウジング部材30に対するロータ部材20の最進角位相(最大相対回転量)を規定する第2のストッパ面23e2をストッパ面23e1に対向してフリー凹所23eの周方向他端に形成したため、フリー凹所23eの周方向長さを精度よく形成することにより、ハウジング部材30に対するロータ部材20の最大相対回転量を容易に高精度にて設定することができる。
【0040】
また、サブロータ23に設けたフリー凹所23eの周方向長さを代えることにより、最大相対回転量を適宜に設定可能であるため、種々な機種に適した弁開閉時期制御装置をサブロータ23の交換によって容易に製作することができ、その他の部品(ロータ部材20のサブロータ23を除く構成部品及びハウジング部材30の構成部品等)の共通化を図ることができる。
【0041】
上記実施形態においては、吸気弁を開閉するカムシャフト10の駆動力伝達系に設けられる弁開閉時期制御装置に本発明を実施したが、本発明は排気弁を開閉するカムシャフトの駆動力伝達系に設けられる弁開閉時期制御装置にも同様にまたは適宜変更して実施することが可能である。また、上記実施形態においては、ロータ部材20に進角油室R1への作動油の給排通路を構成するに際して本発明を実施したが、本発明はロータ部材に遅角油室への作動油の給排通路を構成するに際して実施することも可能である。
【0042】
また、上記実施形態においては、ロック機構Bを備える弁開閉時期制御装置に本発明を実施したが、本発明は他のロック機構を備える弁開閉時期制御装置は勿論のこと、ロック機構を備えていない弁開閉時期制御装置にも同様にまたは適宜変更して実施することが可能である。また、上記実施形態においては、進角油室R1と遅角油室R2をそれぞれ4個備える弁開閉時期制御装置に本発明を実施したが、進角油室と遅角油室の個数は適宜変更可能であり、上記実施形態に限定されるものではない。
【0043】
また、上記実施形態においては、ロータ部材20がカムシャフト10側に組付けられるとともに、ハウジング部材30がクランクシャフト側に組付けられるようにして、本発明を実施したが、ロータ部材がクランクシャフト側に組付けられるとともに、ハウジング部材がカムシャフト側に組付けられるようにして、本発明を実施することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による弁開閉時期制御装置の一実施形態を示す縦断側面図である。
【図2】 図1に示した弁開閉時期制御装置の正面図である。
【図3】 図1に示した弁開閉時期制御装置の背面図である。
【図4】 図1の4−4線に沿った断面図である。
【図5】 図1の5−5線に沿った断面図である。
【図6】 図1に示したスプロケットを省略した図1の6−6線断面図である。
【図7】 図1の7−7線に沿った断面図である。
【図8】 図1に示したメインロータの背面図である。
【図9】 図1に示したサブロータにおける図10の9−9線に沿った断面図である。
【図10】 図9に示したサブロータの正面図である。
【図11】 図9に示したサブロータの背面図である。
【図12】 図1に示したリヤ薄肉プレートの正面図である。
【図13】 図1に示したリヤ厚肉プレートの正面図である。
【図14】 図13に示したリヤ厚肉プレートの要部縦断側面図である。
【符号の説明】
10…カムシャフト(従動軸)、11…進角通路、12…遅角通路、20…ロータ部材、21…メインロータ、21b…ベーン部、21c…環状凹所、21d…連通凹部、23…サブロータ、23a,23b…連通凹溝、D…環状通路、30…ハウジング部材、31a…シュー部、33…リヤ薄肉プレート、34…リヤ厚肉プレート、34c…ハブ部(環状軸受部)、R1…進角油室、R2…遅角油室、C…油圧回路、100…切換弁、110…オイルポンプ、120…オイル溜。

Claims (2)

  1. 内燃機関の駆動軸から内燃機関の吸気弁または排気弁を開閉する従動軸に駆動力を伝達する駆動力伝達系に設けられ、前記駆動軸または前記従動軸と一体的に回転するハウジング部材と、このハウジング部材に設けたシュー部に相対回転可能に組付けられてベーン部にて前記ハウジング部材内に進角油室と遅角油室を形成し前記従動軸または前記駆動軸と一体的に回転するロータ部材とを備えるとともに、前記進角油室及び前記遅角油室への作動油の給排を制御するための油圧回路を備えた弁開閉時期制御装置において、前記ロータ部材が、前記シュー部に回転可能に組付けられるメインロータと、このメインロータの一側に設けられて前記ハウジング部材に設けた環状軸受部に回転可能に組付けられる円筒状のサブロータとを備える構成として、前記メインロータの一側内周部に成形型によって形成した環状凹所と、前記メインロータの一側中間部に成形型によって形成されて前記環状凹所の外周部を前記進角油室または前記遅角油室に連通させる連通凹部と、前記サブロータの他側に成形型によって形成されて径方向に延び前記環状凹所の外周部に前記サブロータによって形成される環状通路に径外方にて連通し径内方にて前記サブロータの内孔に連通する連通凹溝とにより、前記進角油室または前記遅角油室への作動油の給排通路を構成したことを特徴とする弁開閉時期制御装置。
  2. 前記ハウジング部材に設けた前記環状軸受部の他端が、前記環状通路に露呈していることを特徴とする請求項1に記載の弁開閉時期制御装置。
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