JP4134085B2 - 芝刈機 - Google Patents
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Description
特許文献2は、同公報の第1図によれば、刈取部の排草口に集草バックの取入口を刈草搬送路で繋ぎ、集草バックに刈取部5を送風路Bで繋ぐことで、空気循環路を形成したものである。
また、特許文献2の草刈機における集草装置では、空気を刈取部の後方に戻すようにしたものであり、刈取部の後方に戻すときに空気を直角に曲げる必要があるため圧力損失があり、好ましいことではない。また、特許文献2の草刈機における集草装置では、外部へ空気を放出する構造であるので、騒音が大きくホコリも放出される。
そこで、空気戻し通路をカッタデッキ内の上面に形成し、空気戻し通路のカッタデッキ側開口をカッタブレードに一体的に形成されたエアリフト部の回転範囲に臨ませ、カッタブレードの回転で旋回風を発生させ、この旋回風でエアリフト部の下面に負圧を発生させ、この負圧を利用してカッタデッキ側開口からカッタデッキに戻りの空気を引き込むようにすることで、カッタブレードの回転で起こる旋回流を利用してカッタデッキ側開口からカッタデッキに戻りの空気を引き込む。これをもって、グラスバッグからカッタデッキに向けて能率的な排気循環をさせる。この結果、芝刈機の騒音の低減及び塵埃の抑制を図ることができる。
また、本発明に係る芝刈機10は、後述するように、刈り草をグラスバッグに搬送した後にグラスバッグ24内の空気をカッタデッキ12に戻す排気循環式の芝刈機でもあり、以下、その詳細を説明する。
カッタデッキ12は、カッタブレード14の回転を許容するとともにカッタブレード14を囲むスクロール部31と、このスクロール部31から延出することで刈り芝を搬送風とともにグラスバッグ24に搬送する刈り芝搬送通路32と、搬送した刈り芝のみをグラスバッグ24に残して空気のみをカッタデッキ12に戻す空気戻し通路33と、を備える。
刈り芝搬送通路32は、スクロール部31の機体11後方に形成するとともに機体11の一方側に形成する。
空気戻し通路33は、カッタデッキ側開口35・・・(・・・は複数個を示す。以下同じ)及びグラスバッグ側開口36を備える。カッタデッキ側開口35・・・は、カッタデッキ12のスクロール部31の上部に形成するとともにカッタブレードのエアリフト部39,39の回転範囲に臨ませた。グラスバッグ側開口36は上方に向けて形成した。
すなわち、カッタブレード14を回転させることで、エアリフト部39,39の下面に生ずる負圧で地表の芝草を立上げ、刃部38,38で芝草を刈り取り、刈り取った刈り芝をエアリフト部39,39の上面でヒットし、カッタブレード14の回転で起きる旋回流に載せ、搬送風とともに刈り芝をグラスバッグ24に送る。
通風隔壁部42は、空気と刈り芝を分離可能なフィールタであり、下室44に刈り芝を集め、上室43に空気のみを通過させる部材である。
刈り芝は空気よりも重い。そこで、グラスバッグ24に、刈り芝搬送通路32と空気戻し通路33とを仕切る通風隔壁部42を形成することで上下2室に分離し、上室43に空気戻し通路33を接続し、下室44に刈り芝搬送通路32を接続することで、刈り芝と空気とを完全に分けることができる。これにより、刈り芝を取り除いた空気のみをカッタデッキ12に戻すことができる。
空気戻し通路33のカッタデッキ側開口35・・・は、カッタブレード14のエアリフト部39,39の回転範囲に臨ませたことを示す。また、カッタブレードは、刃部38,38を前にして回転する。従って、カッタブレード14の回転方向は、白抜き矢印aのように反時計廻りである。すなわち、カッタデッキ側開口35・・・から噴出する空気の流れをカッタデッキ12内の旋回流に倣わせた。さらに、カッタデッキ側開口35・・・を、回転軸28を通る機体中心線Cを挟んで刈り芝搬送通路32の逆側に配置した。
芝刈機10は、カッタデッキ12に内在するカッタブレード14を図1に示すエンジン13(駆動源)にて回転させることで芝を刈り、この刈り芝を搬送風とともに刈り芝搬送通路32を経由させてグラスバッグ24(図1参照)に搬送し、このグラスバッグ24に刈り芝を収集するとともにグラスバッグ24から空気戻し通路33を経由させ空気のみをカッタデッキ12に戻す形式の芝刈機において、空気戻し通路33を、カッタデッキ12内の上面に形成し、空気戻し通路33のカッタデッキ側開口35・・・を、カッタブレード14のエアリフト部39,39の回転範囲に臨ませたものであると言える。
カッタデッキ12にグラスバック24(図1参照)内の空気を効率よく戻すためにはグラスバック24とカッタデッキ12との間に有効な圧力差が必要である。
そこで、空気戻し通路33をカッタデッキ12内の上面に形成し、空気戻し通路33のカッタデッキ側開口35をカッタブレード14のエアリフト部39の回転範囲に臨ませることで、カッタブレード14の回転で起こる旋回流で発生する負圧を利用してカッタデッキ側開口35からカッタデッキ12に戻りの空気を引き込む。これをもって、グラスバッグ24(図1参照)からカッタデッキ12に向けて能率的な排気循環をさせることができる。この結果、芝刈機10(図1参照)の騒音の低減及び塵埃の抑制を図ることができる。
また、空気戻し通路33のカッタデッキ側開口35をカッタブレード14のエアリフト部39の回転範囲に臨ませることで、カッタデッキ12の中央部に空気を戻す場合に比べ、排気循環のための構造を簡単にすることができる。
カッタブレード14を矢印aのように回転させる。カッタブレード14の回転でカッタデッキ12内では矢印b,bのように旋回流が発生する。この旋回流でベンチェリ管のように、カッタブレード側開口35からカッタデッキ12に矢印cの如く空気を引き込む作用が働く。
なお、P3は、カッタブレード14を回転させることで、エアリフト部39の下面に生ずる負圧ゾーンを示す。
一定の速度を持つ旋回流に対し、平行した開口部(カッタデッキ側開口35)を設けると霧吹き(又はベンチェリ管)のように旋回流に引き寄せられ、この理由により開口部(カッタデッキ側開口35)に負圧が発生する。
また、「一定の速度を持つ旋回流に対し、平行した開口部は固定された状態」にあるが、この関係は、「旋回流を固定したものてみなし、開口部を旋回流と逆方向へ回転させた状態」と同じであるとも言える。この状態は、「回転中のカッタブレード14のエアリフト部39下面の状態(負圧ゾーンP3を生ずる)」に極めて近い。
以上から、旋回流に対して固定された開口部(カッタデッキ側開口35)に大きな負圧が生ずることになる。
図7(a),(b)は本発明に係る芝刈機の作用説明図であり、(a)は芝刈機10の正面断面を示し、(b)は芝刈機10の下面を示す。
(a)において、芝刈りのメカニズムを考察すると、先ず、カッタブレード14を回転させることで、エアリフト部39,39の下面に負圧(図6に示す負圧ゾーンP3)を生じさせる。この負圧で地表の芝草を立上げ、刃部38,38(一方不図示)で芝草を刈り取り、刈り取った刈り芝Gをエアリフト部39,39の上面でヒットし、カッタブレード14の回転で起きる旋回流に載せ、搬送風とともに刈り芝Gをグラスバッグ24に送る。
カッタデッキ側開口35・・・を、これらの開口35・・・から噴出する空気がカッタデッキ12内の空気の流れに倣わせる方向に指向させることで、カッタデッキ12内に発生する空気の流れに逆らうことはない。この結果、カッタデッキ12内の円滑な空気の流れの実現を図ることができる。
カッタデッキ側開口35・・・を、カッタブレード14の回転軸28を挟んで刈り芝搬送通路32の逆側に配置することで、空気戻し通路33の急激な方向変換を回避する。この結果、空気戻し通路33の圧力損失の低減を図ることができる。
(a)において、カッタデッキ側開口51は、空気戻し通路33側に切り起こして形成した開口で、カッタデッキ12側に開口を突出させないように形成した。この結果、カッタデッキ12側のスペース効率の改善を図ることができる。なお、A1はカッタブレード14の回転方向、A2は旋回流、A3は戻り空気の流れを示す。
Claims (1)
- カッタデッキに内在するカッタブレードを駆動源にて回転させることで芝を刈り、この刈り芝を搬送風とともに刈り芝搬送通路を経由させてグラスバッグに搬送し、このグラスバッグに刈り芝を収集するとともに前記グラスバッグから空気戻し通路を経由させ空気のみをカッタデッキに戻す形式の芝刈機において、
前記空気戻し通路を、前記カッタデッキ内の上面に形成し、前記空気戻し通路のカッタデッキ側開口を、前記カッタブレードに一体的に形成されたエアリフト部の回転範囲に臨ませ、前記カッタブレードの回転で旋回風を発生させ、この旋回風で前記エアリフト部の下面に負圧を発生させ、この負圧を利用して前記カッタデッキ側開口から前記カッタデッキに戻りの空気を引き込むようにしたものであり、
前記空気戻し通路のグラスバッグ側開口を、グラスバッグ内上部に設けるとともに、上方に向けて開口させたことを特徴とする芝刈機。
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