JP4133614B2 - 燃料電池システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として車両に搭載される燃料電池システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車などの車両において、窒素化合物、炭化水素、一酸化炭素といった有害排気物質が少ないなどの理由から電気自動車が開発され、電気自動車のモータの電源として、内燃機関に比較してエネルギロスが少ない燃料電池が実用化され始めている。このような車両に搭載される燃料電池を含む燃料電池システムでは、燃料電池が安全に、かつ効率よく発電するために各種の制御を行っている。
【0003】
この種の燃料電池システムにおける燃料電池は、負極活物質としての水素を、プラチナ(白金)などの触媒と接触させて電子と水素イオンに解離した後、この水素イオンを正極活物質としての酸素と反応させて水が得られるという反応機構に基づいている。すなわち、燃料電池では、水素から放出された電子の移動により起電力が生じるようになされている。それゆえ、このような原理に基づけば、化学的エネルギ変化を直接的に電気エネルギに変換できるため、燃料電池では、他の方式に比べて極めてエネルギ効率が高いものとなる。
【0004】
このような燃料電池において、水素及び酸素の供給方法としては、水素ガスタンク等から水素含有ガスを供給するとともに、コンプレッサを介して空気中の酸素を導入する方法が考えられている。そして、余剰の水素含有ガス、すなわち排気水素含有ガスの排出方法としては、例えば、発電に寄与した以外の余剰の空気、すなわち排気酸素含有ガスと混合して水素濃度を低減させた状態で大気中に排出する方法が考えられている。このような燃料電池の一例として、例えば特許文献1に示されるものが挙げられる。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−289237
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した構成のものでは、コンプレッサにより空気を燃料電池に供給し、そのままの圧力で排気酸素含有ガスを大気中に排出するようにしている。そして、コンプレッサから供給される空気の量が、燃料電池の出力の増大につれて多くなるように構成している。また、排気水素含有ガスと混合するための排気酸素含有ガスは、特許文献1の図7に示されるように、圧力を調整する手段である調圧弁よりも下流から分岐して導入している。このような構成のものでは、燃料電池の出力が小さい場合、コンプレッサから供給される空気の量も少なくなり、排気水素含有ガスと混合する排気酸素含有ガスの流量も少なくなる。
【0007】
しかして、排気酸素含有ガスの流量が少なくなると、排気水素含有ガス中の水素が十分に希釈されずに排出され、燃焼してしまう可能性が生じた。
【0008】
本発明は、このような不具合を解消することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明に係る燃料電池システムは、燃料電池に水素を含む水素含有ガスと酸素を含む酸素含有ガスとを供給して発電させるとともに、燃料電池から排出される排気水素含有ガスを排気酸素含有ガスで希釈するようにしてなる燃料電池システムであって、排気水素含有ガスと排気酸素含有ガスとを混合する希釈器と、排気水素含有ガスを希釈器に案内する排気水素含有ガス排出路と、排気酸素含有ガスを大気中に排出する排気酸素含有ガス排出路と、排気酸素含有ガス排出路から分岐して希釈器に連通する希釈用ガス供給路とを備えているとともに、前記排気酸素含有ガス排出路の前記希釈用ガス供給路との分岐よりも下流に、排気酸素含有ガスの圧力が上昇した場合には、その開度を増加させて前記圧力を下降させるようにするとともに、前記圧力が下降した場合には、その開度を減少させて前記圧力を上昇させ、燃料電池内の酸素含有ガスの圧力を燃料電池の発電に適した圧力に調整するとともに前記希釈器に導入される排気酸素含有ガスの流量を保持する機能を有する調圧弁をさらに備えていることを特徴とする。
【0010】
このようなものであれば、排気酸素含有ガスの圧力が下降した場合には調圧弁の開度を減少させて前記圧力を上昇させるとともに希釈用ガス供給路に導入される排気酸素含有ガスの割合を増加させ、逆に排気酸素含有ガスの圧力が上昇した場合には調圧弁の開度を増加させて前記圧力を下降させるとともに希釈用ガス供給路に導入される排気酸素含有ガスの割合を減少させ、希釈器に供給される排気酸素含有ガスの流量を燃料電池の出力に関らず一定に保持できるので、排気中の水素濃度を確実に低下させ、安全性の向上を図ることができるようになる。
【0011】
排気水素含有ガスの流量が急に増大した際に、希釈器を介して排気水素含有ガスが排気酸素含有ガス排出路に逆流して調圧弁から上流の圧力が急に上昇することや大気への排気中の水素濃度が急に上昇することを防ぐために望ましい態様として、前記希釈用ガス供給路が、排気水素含有ガスの圧力に抗する逆止弁を備えるものが挙げられる。
【0012】
発電の終了以降、排気酸素含有ガスの流量が減少して燃料電池内に残る前記水素含有ガスの排出に時間がかかる不具合を解消するために望ましい態様として、発電の終了以降に、調圧弁の開度を減少させ、前記排気酸素含有ガス排出路の前記希釈用ガス供給路との分岐よりも上流の排気酸素含有ガスの圧力を上昇させるとともに希釈器に導入する排気酸素含有ガスの流量を増加させる制御を行う制御手段をさらに備えているものが挙げられる。このようにすれば、調圧弁の開度を減少させることにより排気酸素含有ガスが希釈器に供給される割合を増加させ、希釈器に供給される排気酸素含有ガスの流量を確保することができるからである。
【0013】
排気中の水素濃度を低く保ちつつ燃料電池内に残る前記水素含有ガスを早く排出できるようにするために望ましい構成として、前記排気水素含有ガス排出路の前記希釈器より上流の部位に排気水素含有ガスの排出を制御する排出制御弁をさらに設けてなるとともに、前記制御手段が、発電の終了以降に、燃料電池内の水素含有ガスの圧力の低下に応じて排出制御弁の開成時間を長くする制御をさらに行うものが挙げられる。排気水素含有ガスの圧力が低下すると、排気水素含有ガス中の水素の分圧もまた低下するので、排出制御弁の開成時間を長くしても希釈器内の水素濃度が急激に高くなりにくく排気中の水素濃度を低く保つことができ、流速の低下による排出効率の低下を補うことができるからである。
【0014】
また、排気中の水素濃度を低く保ちつつ燃料電池内に残る前記水素含有ガスを迅速に排出できるようにするために望ましい構成として、希釈された排気水素含有ガスを選択的に排出する希釈弁を希釈器の下流にさらに設けてなり、発電の終了以降に、制御手段が燃料電池内の水素含有ガスの圧力の低下に応じて希釈弁の開成時間を長くする制御をさらに行う制御手段を備えているものも挙げられる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0016】
本実施形態に係る燃料電池システムSは、図1に示すように、車両、特に自動車に搭載されるもので、燃料電池1、発電に必要な水素含有ガスである水素ガスの貯蔵手段である水素ガスタンク2、酸素含有ガスである空気の供給手段であるコンプレッサ3、蓄電手段である二次電池4、発電に付随する各種制御を行う制御装置5、燃料電池1の温度を調節する温度制御装置TC等を備えている。この燃料電池システムSは、車両を走行させるためのモータを含む走行装置Mや、燃料電池1を制御するための電磁弁、ファンモータ、さらに電動式のコンプレッサ3等の電気機器を負荷とするものである。また、この燃料電池システムSでは、基本的には燃料電池1は負荷に追従して発電量を変更するのでなく、発電効率の最もよい発電量となるように定電力発電制御されるようにしている。
【0017】
燃料電池1は、この分野で広く知られたものを用いることができ、例えば電解部としてのイオン交換膜に密着するようにして正極部と負極部とを配設したセルの複数を直列接続してスタックを形成し、そのスタックに対して水素ガスと空気とを所定の圧力で供給し得るように、ハウジング内に収納したものである。この燃料電池システムSにおいては、前記水素ガスタンク2と燃料電池1とを連通する水素含有ガス供給路たる水素ガス供給路P1を設けていて、この水素ガス供給路P1を介して燃料電池1に水素を供給するようにしている。また、前記水素ガス供給路P1上には、水素ガス圧力を調整するレギュレータRGを設けていて、このレギュレータRGにより、水素の供給圧力をほぼ所定圧力に保つようにしている。さらに、前記水素ガス供給路P1上の前記レギュレータRGと燃料電池1との間には、燃料電池1に供給される水素ガスの圧力、すなわちスタック内の水素ガスの圧力を検出する水素圧力センサS1を設けている。燃料電池1内に供給された水素ガスは、各セルの負極部に案内される。
【0018】
一方、空気はエアフィルタAF及び前記コンプレッサ3を有する酸素含有ガス供給路たる空気供給路P3を介して燃料電池1内に供給される。すなわち、空気は、エアフィルタAFを介して供給手段であるコンプレッサ3に導かれ、コンプレッサ3により圧縮された後燃料電池1に導入される。また、本実施形態では、前記コンプレッサ3と燃料電池1との間に加湿モジュールHを備えていて、空気に水分を含ませるようにしている。そして、燃料電池1内に供給された空気は、各セルの正極部に案内される。各セルの負極部に案内された水素は、各セルの正極部に案内された空気中の酸素と反応して発電する。この燃料電池1からの電流は、走行装置M等の負荷に供給される。
【0019】
発電に寄与した以外の余剰の空気、すなわち排気酸素含有ガスは、循環することなく、発電により生成した水のほぼ全量とともに、排気酸素含有ガス排出路P4から排気管P5を介して燃料電池1外に排出される。この排気酸素含有ガス排出路P4には、排気酸素含有ガスの圧力を検出する空気圧力センサS2が備えられている。燃料電池1と排気酸素含有ガス排出路P4とは直接に連通しているので、燃料電池1内の空気の圧力と排気酸素含有ガス排出路P4内の排気酸素含有ガスの圧力とは等しい。すなわち、空気圧力センサS2は、排気酸素含有ガスの圧力を検出することにより燃料電池内の空気の圧力を検出していることになる。なお、前記空気圧力センサS2に替えて、燃料電池1内やコンプレッサ3と燃料電池1との間の部分における空気の圧力を測定するセンサを設けてもよい。
【0020】
一方、反応せずに残った余剰の水素ガスである排気水素含有ガスは、燃料電池1からこの燃料電池1に連通して設けられている排気水素含有ガス排出路P2を介して排出される。この排気水素含有ガス排出路P2からは、排気水素含有ガスだけでなく、イオン交換膜を介して負極部にしみだし付着した水もまた排出される。この排気水素含有ガス排出路P2中には、電磁弁からなる排出制御弁B1が設けられている。そして、この排気水素含有ガス排出路P2は、希釈器6に接続していて、前記排出制御弁B1を通過した排気水素含有ガスは希釈器6に排出されるようにしている。さらに、排気酸素含有ガス排出路P4からは希釈用ガス供給路たる希釈用空気供給路P6が分岐していて、この希釈用空気供給路P6の他端も前記希釈器6に連通している。また、この希釈用空気供給路P6は、図1の要部を拡大して示した図である図2に示すように、排気酸素含有ガスとともに排出される水が希釈器6に導入されるのを抑えるべく、その排気酸素含有ガス排出路P4に連通する側の端部P6aを下流側に向けて開口しているとともに、前記端部P6aを排気酸素含有ガス排出路P4の管壁から離している。そして、前記希釈器6内で排気水素含有ガスと排気酸素含有ガスとが混合し、水素濃度が低下した排気水素含有ガスが、排気管P5を介して車外に排出される。
【0021】
また、前記二次電池4は、燃料電池1により充電されるとともに、自動車が減速された場合や下り坂を走行した場合に、前記駆動用モータの回生運転による回生電流により充電される。車両は、この二次電池4からの電力により走行し、電力が不足した場合に燃料電池1から不足分が補充されるように構成している。すなわち、本実施形態に係る燃料電池システムSの燃料電池1は、車両の走行中常時発電するのでなく、必要に応じて間欠的に発電する。
【0022】
しかして本実施形態では、前記図1、及びこの図1の要部を拡大して示した図である図2に示すように、前記排気酸素含有ガス排出路P4の前記希釈用空気供給路P6との分岐よりも下流に、調圧弁B2を備えている。この調圧弁B2は、排気酸素含有ガスの圧力を調整することにより燃料電池1内の空気の圧力を調整する機能を有する。すなわち、前記圧力が上昇した場合には、その開度を増加させて、前記圧力を下降させるようにするとともに、前記圧力が下降した場合には、その開度を減少させて、前記圧力を上昇させる機能を有する。そして、前記希釈器6に導入される排気酸素含有ガスの流量をほぼ一定に保持するように機能する。
【0023】
また、前記希釈器6の下流には、希釈された排気水素含有ガスを選択的に排出する希釈弁B3を設けている。前記排出制御弁B1及び前記希釈弁B3は、後述するように、制御装置5により制御されて開閉するようにしている。
【0024】
さらに、前記図1及び図2に示すように、排気水素含有ガスの流量が急に増大した際に、希釈器6を介して排気水素含有ガスが排気酸素含有ガス排出路P4に逆流して調圧弁B2から上流の圧力が急に上昇することや大気への排気中の水素濃度が急に上昇することを防ぐべく、前記希釈用空気供給路P6には、希釈器6から排気水素含有ガスが排気酸素含有ガス排出路P4に逆流して調圧弁B2より上流の圧力が急に上昇することを防ぐ機能を有する逆止弁B4を設けている。
【0025】
前記制御装置5は、CPU51、内部メモリ52、入力インタフェース53、出力インタフェース54を少なくとも備えたマイクロコンピュータシステムを主体として構成され、前記走行装置Mへの通電を制御すべくコンバータ及びインバータ(ともに図示略)をも備えている。そして、図3に示すように、入力インタフェース53には前記水素圧力センサS1、前記空気圧力センサS2、及び走行装置Mに備えられ、アクセルペダル、ブレーキペダル、及び通常の内燃機関により走行する自動車のイグニッションキースイッチに相当するキースイッチ(いずれも図示略)等の状態を検知する状況検知手段MS(図1では図示略)等が接続されていて、これらから入力される信号を受け付ける。一方、出力インタフェース54には、前記排出制御弁B1、前記調圧弁B2、前記希釈弁B3、及び前記コンプレッサ3等が接続されていて、前記入力センサ53が受け付けた信号に基づき、前記内部メモリ52に格納されたプログラムに従いCPU51等と協働してこれらの制御を行う。
【0026】
以下に制御装置5が行う具体的な制御の例について述べる。まず、制御装置5は、前記コンプレッサ3の回転数を発電量に基づいた所定の回転数に保持した状態において、前記排気酸素含有ガス排出路P4のうち前記調圧弁B2より上流の部分の圧力をほぼ一定に保持すべく、前記空気圧力センサS2から出力される排気酸素含有ガス圧力信号に基づき、前記調圧弁B2の開度を変更するフィードバック制御を行う。具体的には、前記圧力が上昇した場合には、前記調圧弁B2の開度を増加させて、前記圧力を下降させる制御を行う。一方、前記圧力が下降した場合には、前記調圧弁B1の開度を減少させて、前記圧力を上昇させる制御を行う。すなわち、この制御装置5は、前記調圧弁B1に、前記排気酸素含有ガス排出路P4のうち前記調圧弁B2より上流の部分の圧力を調整し、燃料電池1の発電に適した圧力とするとともに、前記希釈器6に導入される排気酸素含有ガスの流量をほぼ一定に保持する機能を発揮させる制御を行っている。
【0027】
さらに、前記制御装置5は、発電中に、燃料電池1内の負極部にしみだして付着した水を排気水素含有ガスとともに排出するパージと呼ばれる操作を行うべく、所定の周期において前記排出制御弁B1を予め設定した所定時間であるパージ時間だけ開成する制御も行う。すなわち、前記排出制御弁B1は、この制御装置5による制御を受けて前記所定の周期ごとに前記パージ時間だけ開成する。また、前記制御装置5は、パージを行う際に、希釈弁B3もまた前記所定の周期において予め設定した所定時間である希釈弁開成時間だけ開成する制御も行う。なお、前記排出制御弁B1及び前記希釈弁B3を開成するタイミング、前記パージ時間、及び前記希釈弁開成時間は、前記所定の周期ごとに排出制御弁B1及び希釈弁B3を開成するとともに、排気水素含有ガスを十分希釈してから排出するようにできれば、任意に設定してよい。
【0028】
前記制御装置5は、その他、前記コンバータの出力側において検出する発電量及び前記空気圧力センサS2から出力される排気酸素含有ガス排出圧力信号に基づくコンプレッサ3の制御、燃料電池1内の温度を検出する図示しない温度センサが出力する信号に基づく前記温度制御装置TCの制御等も行う。
【0029】
加えて、前記制御装置5は、キースイッチがOFFされた場合には、図示しない電磁弁によって水素ガスの供給を停止するとともに、燃料電池1内から水素ガス及び負極部に付着した水を排出するパージを行うための制御も行う。
【0030】
本実施形態では、前記制御装置5が前記パージを行うための制御を行っている間は、コンプレッサ3は発電している場合と同様に作動させておくとともに、より迅速に燃料電池1内から水素ガス及び負極部に付着した水を排出すべく、排出制御弁B1、調圧弁B2、及び希釈弁B3の制御を行っている。
【0031】
以下に、前記キースイッチがOFFされた場合に制御装置5が排出制御弁B1、調圧弁B2、及び希釈弁B3に対して行う制御の詳細を図4、図5、及び図6を参照して述べる。なお、図4及び図5はフローチャート、図6は作用図である。また、図4にはステップST1〜ST9、図5にはステップST10〜ST14をそれぞれ示している。
【0032】
まず、ステップST1では、制御装置5は、前記キースイッチがOFFされたか否かを確認する。前記キースイッチがOFFされていないならば、ステップST2に進む。前記キースイッチがOFFされたならば、ステップST3に進む。
【0033】
ステップST2では、調圧弁B2に対するフィードバック制御を行い希釈器6に導入する排気酸素含有ガスの流量をほぼ一定に調整するとともに所定間隔で排出制御弁B1及び希釈弁B3を所定時間開成して負極部に付着した水を排気水素含有ガスとともに排出する。その後、ステップST1に戻る。
【0034】
ステップST3では、調圧弁B2の開度を減少させ、排気酸素含有ガスの圧力を上昇させるとともに希釈器6に導入する排気酸素含有ガスの流量を増加させる制御を行う。
【0035】
それから、ステップST4において、空気圧力センサS2から入力される排気酸素含有ガスの圧力、すなわち燃料電池1内の空気の圧力が所定の値Paに達しているか否かを判定する。前記圧力が所定の値Paに達していなければ、前記圧力が所定の値Paに達するまで待機して希釈器6に導入する排気酸素含有ガスの流量を確保する。一方、前記圧力が所定の値Paに達していれば、ステップST5に進む。
【0036】
ステップST5では、排気中の水素濃度が爆発を起こす低濃度側の限界濃度よりも十分低くなり、燃料電池1内の水素ガスの圧力が希釈弁B3による制御が不要になる所定値Pb以下であるか否かを判定する。上述したように水素ガスの供給が停止されたことにより、燃料電池1内の水素ガスの圧力が前記所定値Pb以下になった場合には、ステップST6に進む。一方、図6の時刻T1におけるように、燃料電池1内の水素ガスの圧力が前記所定値Pbを超えている場合には、後述するステップST10に進む。
【0037】
ステップST6では、希釈弁B3を開成して、希釈器6内のガスを排出する。それから希釈時間td後に、ステップST7に進む。
【0038】
ステップST7では、排出制御弁B1を予め設定した最終パージ時間tp9だけ開成して、燃料電池1内の水素ガス、すなわち排気水素含有ガスを希釈器6に導入するとともに、この排気水素含有ガスを排気酸素含有ガスにより希釈して大気中に排出する。
【0039】
ステップST8では、燃料電池1内の水素ガスの圧力が所定値Pc以下であるか否かを判定する。なお、この所定値Pcは、ほぼ大気圧である。燃料電池1内の水素ガスの圧力が所定値Pc以下であれば、ステップST9に進む。一方、燃料電池1内の水素ガスの圧力が所定値Pc以下でなければ、パージ間隔時間ti経過後、ステップST7に戻る。なお、上述したように、燃料電池1内の水素ガスの圧力は希釈弁B3による制御が不要になる程度に低くなっているので、希釈弁B3は開成したままの状態である。
【0040】
ステップST9では、希釈弁B3を閉成し、パージを終了する。
【0041】
ステップST10では、排出制御弁B1と希釈弁B3とを同時に所定の第一次パージ時間tp1だけ開成して、排気水素含有ガスを負極部に付着した水とともに排出する。
【0042】
その後、ステップST11において、再び燃料電池1内の水素ガスの圧力が前記所定値Pb以下であるか否かを判定する。ここで、燃料電池1内の水素ガスの圧力が前記所定値Pb以下であれば、パージ間隔時間ti経過後、ステップST6に進む。一方、図6の時刻T2におけるように、燃料電池1内の水素ガスの圧力が所定値Pbを超えている場合には、ステップST12に進む。
【0043】
ステップST12では、排出制御弁B1の開成時間であるパージ時間tpを、燃料電池1内の水素ガスの圧力をパラメータとする図示しない開成時間テーブルを参照して計算し、パージ間隔時間ti経過後にステップST13に進む。なお、前記開成時間テーブルの詳細については後述する。
【0044】
ステップST13では、まず希釈弁B3を、次いでその希釈時間td後に排出制御弁B1を開成して、排気水素含有ガスを負極部に付着した水とともに排出し、前記パージ時間tp後、排出制御弁B2及び希釈弁B3を同時に閉成する。
【0045】
ステップST14では、再び燃料電池1内の水素ガスの圧力が所定値Pb以下であるか否かを判定する。図6の時刻T3におけるように、燃料電池1内の水素ガスの圧力が所定値Pb以下であれば、パージ間隔時間ti経過後、前記ステップST6に進む。一方、燃料電池1内の水素ガスの圧力が所定値Pbを超えている場合には、前記ステップST12に戻る。
【0046】
前記ステップST12に用いる開成時間テーブルは、上述したように燃料電池1内の水素ガスの圧力をパラメータとしてパージ時間tpを設定したもので、制御装置5に備えている。この開成時間テーブルでは、代表的な燃料電池1内の水素ガスの圧力に対して開成時間が設定してあり、それ以外の燃料電池1内の水素ガスの圧力に対する開成時間は、補間計算により算出する。さらに、この開成時間テーブルでは、燃料電池1内の水素ガスの圧力が低い場合、圧力低下による排気水素含有ガスの流速の低下を補い、1回のパージで排出される排気水素含有ガスの量をなるべく減らさないようにすべく、パージ時間tpを延長するように設定している。そして、燃料電池1内の水素ガスの圧力が所定値Pc以下である場合に前記最終パージ時間tp9となるようにしている。
【0047】
また、前記ステップST13において、希釈弁B3を開成してから希釈時間td経過後に排出制御弁B1の開成を行い、希釈弁B3の閉成と排出制御弁B1の閉成とを同時に行うようにしているので、希釈弁B3の開成時間は希釈時間tdと前記パージ時間tpとの和である。すなわち、燃料電池1内の水素ガスの圧力低下に伴う排気水素含有ガス流速の低下によって増加する排気時間を相殺すべく希釈弁B3の開成時間も延長するようにしている。また、燃料電池1内の水素ガスの圧力が所定値Pb以下である場合においては、上述したようにステップST6〜ST8を行い、燃料電池1内の水素ガスの圧力低下による排気水素含有ガス流速の低下を補うとともに、希釈器6内に残る排気水素含有ガスを迅速に排出するようにすべく、燃料電池1内の水素ガスの圧力が所定値Pc以下となりパージが終了するまで希釈弁B3を開成するように設定している。
【0048】
本発明の燃料電池システムは、以上に述べたように、排気水素含有ガスを、排気水素含有ガス排出路P2を介して希釈器6に案内しているとともに、排気酸素含有ガス排出路P4から希釈用空気供給路P6を分岐させて希釈器6に案内し、さらに排気酸素含有ガス排出路P4の希釈用空気供給路P6より下流側に調圧弁B2を設け、この調圧弁B2より上流の排気酸素含有ガスの圧力を調整するようにしている。従って、排気酸素含有ガスの圧力に基づきこの調圧弁B2をフィードバック制御することにより、希釈器6に供給される排気酸素含有ガスの流量を一定に保持できるので、発電量、すなわち排気酸素含有ガスの量に関らず排気水素含有ガスを確実に希釈でき、安全性の向上を図ることができる。
【0049】
また、希釈用空気供給路P6が、排気水素含有ガスの圧力に抗する逆止弁B4を備えているので、パージ等により排気水素含有ガスの流量が急に増大した際に、希釈器6を介して排気水素含有ガスが排気酸素含有ガス排出路P4に逆流し、コンプレッサ3と調圧弁B2との間の圧力が急に上昇することや排気中の水素濃度が急に上昇することを防ぐことができる。
【0050】
さらに、制御装置5が、発電の終了以降に、調圧弁B2の開度を減少させる制御を行うようにしているので、希釈器6に供給される排気酸素含有ガスの流量を増加させることができる。従って、燃料電池1内に残る水素ガスを排出する際に、これに対応して1回のパージで排気中の水素濃度が爆発を起こす低濃度側の限界濃度以下となる範囲でより多くの排気水素含有ガスを燃料電池1内から排出させるようにすることができ、発電の終了以降、燃料電池1内に残る水素ガスをより迅速に、かつ安全に排出できるようになる。さらに、負極部に付着した水を燃料電池1内に残る水素ガスともにより迅速に排出できるようになるので、次回の燃料電池1の起動をスムーズに行うことができる。
【0051】
また、制御装置5は燃料電池1内の水素ガスの圧力低下に応じて排出制御弁の開成時間であるパージ時間tpを延長する制御をさらに行うので、燃料電池1内の水素ガスの圧力低下による排気水素含有ガス流速の低下を補い、1回のパージで排出される排気水素含有ガスの量をなるべく減らさないようにでき、発電の終了以降、燃料電池1内に残る水素ガスをさらに迅速に排出できる。
【0052】
加えて、希釈された排気水素含有ガスを選択的に排出する希釈弁B3を希釈器6の下流にさらに備えているので、排気水素含有ガスを十分希釈してから排出させるべく制御装置5によりこの希釈弁B3を開閉させ、希釈器6内部のガスを時間をかけて排出する制御を行い、排気水素含有ガスが十分に希釈されないまま大気中に排出されることを防ぐことができる。その一方で、制御装置5は、キースイッチがOFFされた後には、燃料電池1内の水素ガスの圧力の低下に応じて希釈弁B3の開成時間を長くする制御をさらに行うので、燃料電池1内の水素ガスの圧力低下によって排気水素含有ガス流速が低下しても1回のパージで排出される排気水素含有ガスの量をほぼ一定に保ちつつ排出することができるとともに、希釈器6内に残る排気水素含有ガスを十分に希釈しつつ迅速に排出することもできる。
【0053】
そして、本実施形態では、希釈用空気供給路P6の排気酸素含有ガス排出路P4に連通する端部P6aが、下流側に向かって開口しているので、排気酸素含有ガスに含まれる水は希釈器6に導入されにくく、水が大量に希釈器6に導入されて希釈器6内からの水抜きが必要になる事態を起こしにくくできる。
【0054】
なお、本発明は以上に述べた実施の形態に限られない。
【0055】
例えば、希釈用ガス供給路の排気酸素含有ガス排出路に連通する端部は、必ずしも下流側に向けて開口させる必要はなく、例えば排気酸素含有ガスの流れと直交する方向に開口させるようにしてもよいし、前記端部を上流側に向けて開口するようにしてもよい。なお、前記端部を上流側に向けて開口させる場合、希釈器に水抜き機構を設けることが望ましい。
【0056】
また、上述した実施形態では、排気水素含有ガスの排気酸素含有ガス排出路への逆流を防ぐべく希釈用ガス供給路に逆止弁を設けているが、排出制御弁の下流側に排気水素含有ガスの排出圧力を低下させる手段を別に設ける等の手段により、排気水素含有ガスの排気酸素含有ガス排出路への逆流のおそれを小さくしているものであれば、この逆止弁は必ずしも設けなくてもよい。
【0057】
さらに、上述した実施形態では、排気中の水素濃度を制御し、水素濃度の高い排気が大気中に急に排出されるのを防ぐべく希釈弁を設けているが、希釈器に導入される排気水素含有ガスの量に対して希釈用ガス供給路を介して希釈器に導入される排気酸素含有ガスの量を十分多く設定している場合等、このような制御を必ずしも必要としないものであれば、この希釈弁は必ずしも設けなくてもよい。
【0058】
また、上述した実施形態の燃料電池システムSから希釈弁B3を省略した態様において、前記制御装置5が以下に述べる制御を行うようにしてもよい。
【0059】
この態様においても、前記制御装置5は、キースイッチがOFFにされた場合には図示しない電磁弁によって水素ガスの供給を停止し、燃料電池1内から水素ガス及び負極部に付着した水を排出するパージを行うための制御も行うとともに、前記制御装置5が前記パージを行うための制御を行っている間は、コンプレッサ3は発電している場合と同様に作動させておき、より迅速に燃料電池1内から水素ガス及び負極部に付着した水を排出すべく、排出制御弁B1及び調圧弁B2の制御は燃料電池1の発電中と異なる制御を行っている。
【0060】
この態様において、前記制御装置5が排出制御弁B1及び調圧弁B2に対して行う制御の流れをフローチャートである図7、及び作用図である図8を参照しながら以下に示す。
【0061】
ステップST101では、キースイッチがOFFにされたか否かを確認する。キースイッチがOFFにされていなければ、ステップST102に進む。キースイッチがOFFにされていれば、ステップST103に進む。
【0062】
ステップST102では、調圧弁B2に対するフィードバック制御を行い希釈器6に導入する排気酸素含有ガス流量をほぼ一定に調整するとともに、運転時パージ周期時間ti11が経過するごとに排出制御弁B1を所定時間開成するパージ操作を行い、負極部に付着した水を排気水素含有ガスとともに排出し、ステップST101に戻る。
【0063】
ステップST103では、まず、燃料電池内の空気の圧力の所定値Paを燃料電池1内の水素の圧力をパラメータとする図示しない圧力所定値テーブルを用いて算出する。この圧力所定値テーブルの詳細については後述する。次いで、排気空気圧力センサS2から入力される排気酸素含有ガス圧力信号が示す燃料電池内の空気の圧力が、この所定値Paに達しているか否かを判定する。前記圧力が所定の値Paに達していればステップST104、前記圧力が所定の値Paに達していなければステップST105に進む。
【0064】
ステップST104では、調圧弁B2の開度を固定し、燃料電池内の空気の圧力並びに希釈器6に導入する排気酸素含有ガスの量を固定する。
【0065】
一方、ステップST105では、調圧弁B2の開度を減少させる制御を行い、排気酸素含有ガスの圧力を増加させて希釈器6に導入する排気酸素含有ガスの量を増加させる。
【0066】
ステップST106では、排出制御弁B1を所定時間開成するパージ操作を行い負極部に付着した水を排気水素含有ガスとともに排出する。図8に示すように、排出制御弁B1を開成する所定時間は、キースイッチがOFFされる以前よりも短くしている。
【0067】
そして、ステップST107で、燃料電池1内の水素ガスの圧力がほぼ大気圧である所定の値Pc以下であるか否かを判定する。燃料電池1内の水素ガスの圧力が所定値Pc以下であれば、ステップST108に進む。一方、燃料電池1内の水素ガスの圧力が所定値Pc以下でなければ、排出制御弁B1の開成開始から所定の停止後パージ周期時間ti12が経過するのを待ってステップST103に戻る。すなわち、燃料電池1内の水素ガスの圧力が所定値Pc以下になるまで、前記停止後パージ周期時間ti12周期でパージを繰り返し行う。前記停止後パージ周期時間ti12は、キースイッチがOFFされる以前のパージ操作を行う周期である運転時パージ周期時間ti11よりも短くしている。
【0068】
ステップST108では、排出制御弁B1を閉成し、水素排気処理を終了する。この際、図8に示すように、燃料電池1内の水素の圧力がより低い場合には、排気酸素含有ガスの圧力の所定値Paをより高くしてより多量の排気酸素含有ガスを希釈器6に導入するようにしている。
【0069】
前記ステップST103において用いられる圧力所定値テーブルは、上述したように燃料電池1内の水素ガスの圧力をパラメータとして圧力所定値Paを設定したもので、制御装置5に備えている。この圧力所定値テーブルでは、代表的な燃料電池1内の水素ガスの圧力に対して圧力所定値Paが設定してあり、それ以外の燃料電池1内の水素ガスの圧力に対する圧力所定値は、補間計算により算出する。さらに、この圧力所定値テーブルでは、燃料電池1内の水素ガスの圧力が低い場合の排気水素含有ガス流速の低下を補うべく、燃料電池1内の水素ガスの圧力の低下につれて圧力所定値Paを高い値に設定している。
【0070】
なお、希釈弁を備える態様においても、上述したようにキースイッチがOFFされる以前より発電停止信号を受け付けてから以後にパージ操作の間隔を短縮する制御を行うようにしてもよい。
【0071】
このような制御を行うような態様であっても、先に説明した実施形態と同様に、コンプレッサ3は発電している場合と同様に作動させておくとともに、調圧弁B2の開度を減少させる制御を行うようにしているので、希釈器6に供給される排気酸素含有ガスの流量を増加させることができる。従って、燃料電池1内に残る水素ガスを排出する際に、これに対応して1回のパージで、排気中の水素濃度が高くきわめて燃焼しやすい状態になることを抑えつつより多くの燃料電池1内の水素ガスを排出させるようにすることができるので、発電の終了以降、燃料電池1内に残る水素ガスをより迅速に、かつ安全に排出できるようになる。
【0072】
一方、発電の終了以降、排出制御弁B1を開成する所定時間を運転中よりも短くしているので、上述したように希釈器6に供給される排気酸素含有ガスの流量が増加することにより排気水素含有ガスが一気に大気中に排出されるようになるにもかかわらず、一回のパージによる水素排出量が多くなりすぎず、水素濃度が濃い排気が一気に排出されることを抑えることができる。その一方で、停止後パージ間隔時間ti12も、運転時パージ間隔時間ti11よりも短くしているので、一回のパージによる水素排出量が少なくなることにより燃料電池1内からの水素ガスの排出に要する時間が延長してしまう不具合の発生を抑えることができる。
【0073】
そして、燃料電池1内の水素ガスの圧力の低下につれて圧力所定値Paを高い値に設定しているので、逆に燃料電池1内の水素ガスの圧力が高い場合には圧力所定値Paは低く、この点からも高い水素濃度の排気が一気に排出されることを抑えることができる。
【0074】
加えて、本発明に係る燃料電池システムは、自動車だけでなく、鉄道に用いられる機関車等、他の車両に用いてももちろんよい。この場合、車両に備えた発電停止ボタンや鉄道運行システムから発せられた停止信号等によって燃料電池の発電停止を行う構成にするとよい。
【0075】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【0076】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0077】
すなわち、本発明の燃料電池システムは、排気水素含有ガスと排気酸素含有ガスとを混合する希釈器と、排気水素含有ガスを希釈器に案内する排気水素含有ガス排出路と、排気酸素含有ガス排出路から分岐して前記希釈器と連通する希釈用ガス供給路を備えているとともに、排気酸素含有ガス排出路の希釈用ガス供給路より下流に燃料電池内の酸素含有ガスの圧力をほぼ一定に保持する機能を有する調圧弁をさらに備えている。従って、調圧弁の作用により前記希釈器に案内される排気酸素含有ガスの流量を発電量に関らず一定にできるので、排気水素含有ガスを確実に希釈して安全性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る燃料電池システムを示す概略図。
【図2】図1における要部を拡大した図。
【図3】同実施形態に係る燃料電池システムの制御装置の機能ブロックを示す図。
【図4】同実施形態に係る燃料電池システムの制御装置が行う制御の流れを示すフローチャート。
【図5】同実施形態に係る燃料電池システムの制御装置が行う制御の流れを示すフローチャート。
【図6】同実施形態に係る燃料電池システムの制御装置が行う制御の作用図。
【図7】本発明の他の実施形態に係る燃料電池システムの制御装置が行う制御の流れを示すフローチャート。
【図8】同実施形態に係る燃料電池システムの制御装置が行う制御の作用図。
【符号の説明】
S…燃料電池システム
1…燃料電池
5…制御手段
6…希釈器
P2…排気水素含有ガス排出路
P4…排気酸素含有ガス排出路
P6…希釈用空気供給路(希釈用ガス供給路)
B1…排出制御弁
B2…調圧弁
B3…希釈弁
Claims (5)
- 燃料電池に水素を含む水素含有ガスと酸素を含む酸素含有ガスとを供給して発電させるとともに、燃料電池から排出される排気水素含有ガスを排気酸素含有ガスで希釈するようにしてなる燃料電池システムであって、
排気水素含有ガスと排気酸素含有ガスとを混合する希釈器と、排気水素含有ガスを希釈器に案内する排気水素含有ガス排出路と、排気酸素含有ガスを大気中に排出する排気酸素含有ガス排出路と、排気酸素含有ガス排出路から分岐して希釈器に連通する希釈用ガス供給路とを備えているとともに、
前記排気酸素含有ガス排出路の前記希釈用ガス供給路との分岐よりも下流に、排気酸素含有ガスの圧力が上昇した場合には、その開度を増加させて前記圧力を下降させるようにするとともに、前記圧力が下降した場合には、その開度を減少させて前記圧力を上昇させ、燃料電池内の酸素含有ガスの圧力を燃料電池の発電に適した圧力に調整し、前記希釈器に導入される排気酸素含有ガスの流量を保持する機能を有する調圧弁をさらに備えていることを特徴とする燃料電池システム。 - 前記希釈用ガス供給路が、排気水素含有ガスの圧力に抗する逆止弁を備えることを特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。
- 発電の終了以降に、調圧弁の開度を減少させ、前記排気酸素含有ガス排出路の前記希釈用ガス供給路との分岐よりも上流の排気酸素含有ガスの圧力を上昇させるとともに希釈器に導入する排気酸素含有ガスの流量を増加させる制御を行う制御手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1又は2記載の燃料電池システム。
- 前記排気水素含有ガス排出路の前記希釈器より上流の部位に排気水素含有ガスの排出を制御する排出制御弁をさらに設けてなるとともに、前記制御手段が、発電の終了以降に、燃料電池内の水素含有ガスの圧力の低下に応じて排出制御弁の開成時間を長くする制御をさらに行うことを特徴とする請求項3記載の燃料電池システム。
- 希釈された排気水素含有ガスを選択的に排出する希釈弁を希釈器の下流にさらに設けてなり、発電の終了以降に、制御手段が燃料電池内の水素含有ガスの圧力の低下に応じて希釈弁の開成時間を長くする制御をさらに行うことを特徴とする請求項3又は4記載の燃料電池システム。
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