JP5281272B2 - 燃料電池システム及び希釈装置 - Google Patents

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本発明は、酸化オフガスに燃料オフガスを混合させる希釈部を備えた燃料電池システム、および被希釈ガスを希釈ガスに混合させて希釈する希釈装置に関する。
燃料電池システムは、燃料電池から排出された燃料オフガスを酸化オフガスに混合させることにより燃料ガス濃度を低減させて排出している。
このような燃料電池システムにおいて、酸化オフガスへの燃料オフガスの混合を良好にするために、酸化オフガスとの混合箇所の上流側にて、燃料オフガスの流路を複数の邪魔板間に導いて蛇行させたり、拡散空間と絞り空間とを通過させることにより、希釈性能を高める希釈器を設けたものがある(例えば、特許文献1、2参照)。
また、ガスの希釈率を高めるため、導入空気を絞るオリフィスの下流側にて、排ガスを排出する技術も知られている(例えば、特許文献3参照)。
特開2007−18848号公報 特開2007−26747号公報 特開2001−249064号公報
ところで、上記特許文献1では、複数の邪魔板を配置し、特許文献2では、拡散空間と搾り空間とを交互に形成し、特許文献3では、配管を二重構造としているため、いずれも構造の複雑化によるコストアップを招いてしまう。
また、燃料電池システムでは、燃料オフガスに水が含まれるため、この燃料オフガスの水が希釈器内などの溜まってしまうことがある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、燃料オフガス(被希釈ガス)中の水を溜めることなく、燃料オフガス(被希釈ガス)を良好に希釈することができる燃料電池システム及び希釈装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明の燃料電池システムは、燃料電池に酸化ガス及び燃料ガスを供給し、これらガスの電気化学反応により発電する燃料電池システムであって、前記燃料電池から排出された燃料オフガスを当該燃料電池から排出された酸化オフガスに混合させて希釈する希釈部を備え、前記希釈部は、酸化オフガスが流される酸化オフガス配管に対して燃料オフガスが流される燃料オフガス配管が接続されているとともに、前記燃料オフガス配管の吐出端部が前記酸化オフガス配管内に上流側へ向けられて配置されてなる。
この構成によれば、燃料オフガス配管から吐出される燃料オフガスが酸化オフガスの流れに逆らって酸化オフガス配管内に吐出され、これにより、燃料オフガスが酸化オフガスに円滑に混合される。したがって、燃料オフガス配管から吐出される燃料オフガスを良好に希釈することができる。
前記酸化オフガス配管内における前記燃料オフガス配管の吐出端部の周面に複数の孔部が形成されていても良い。
この構成によれば、燃料オフガス配管の吐出端部に、複数の孔部が形成されているので、これら孔部から燃料オフガスを酸化オフガス配管内に拡散させながら吐出させることができ、酸化オフガスへ燃料オフガスをさらに良好に混合させることができる。
本発明の燃料電池システムは、燃料電池に酸化ガス及び燃料ガスを供給し、これらガスの電気化学反応により発電する燃料電池システムであって、前記燃料電池から排出された燃料オフガスを当該燃料電池から排出された酸化オフガスに混合させて希釈する希釈部を備え、前記希釈部は、酸化オフガスが流される酸化オフガス配管にバイパス流路が設けられているとともに、このバイパス流路に、燃料オフガス配管の吐出端部から燃料オフガスが吐出されるように構成されてなる。
この構成によれば、バイパス流路を流れる酸化オフガスに燃料オフガスを混合させた後、さらに酸化オフガス配管を流れる酸化オフガスに混合ガスを混合させることができ、燃料オフガス配管から吐出される燃料オフガスを良好に希釈することができる。
前記バイパス流路の上部には、窓部を有する分離板を介して導入室が形成され、この導入室に、前記燃料オフガス配管の吐出端部が接続されていても良い。
この構成によれば、燃料オフガス配管からの燃料オフガスを導入室に一旦流入させて窓部から下側のバイパス流路へ流れ込ませ、バイパス流路を流れる酸化オフガスに燃料オフガスを円滑に混合させることができる。
前記酸化オフガス配管には、前記バイパス流路との下流側の接続箇所よりも上流側に、オリフィスが設けられていても良い。
この構成によれば、オリフィスの下流側にて酸化オフガスに乱流を生じさせ、バイパス流路から酸化オフガス配管に流れ込む燃料オフガスと酸化オフガスとの混合ガスを、酸化オフガス配管内を流れる酸化オフガスに良好に混合させることができ、希釈効率を高めることができる。
前記燃料オフガス配管は、前記吐出端部が最下方位置に配置されていても良い。
この構成によれば、燃料オフガス配管内の水を、吐出端部に溜めることなく滴下させて排出させることができる。
本発明の希釈装置は、被希釈ガスを希釈ガスに混合させて希釈する希釈装置であって、希釈ガスが流される希釈ガス配管に対して被希釈ガスが流される被希釈ガス配管が接続されているとともに、前記被希釈ガス配管の吐出端部が前記希釈ガス配管内に上流側へ向けられて配置されてなる。
また、本発明の希釈装置は、被希釈ガスを希釈ガスに混合させて希釈する希釈装置であって、希釈ガスが流される希釈ガス配管にバイパス流路が設けられているとともに、このバイパス流路に、被希釈ガスが流される被希釈ガス配管の吐出端部から被希釈ガスが吐出されるように構成されてなる。
本発明の燃料電池システムによれば、燃料オフガス(被希釈ガス)中の水を溜めることなく、燃料オフガス(被希釈ガス)を良好に希釈することができる。
次に、本発明に係る燃料電池システムの一の実施形態を説明する。以下、この燃料電池システムを燃料電池車両の車載発電システムに適用した場合について説明するが、本発明はこのような適用例に限らず、船舶,航空機,電車、歩行ロボット等のあらゆる移動体への適用や、例えば燃料電池が建物(住宅、ビル等)用の発電設備として用いられる定置用発電システムへの適用も可能である。
(第1実施形態)
まず、第1実施形態について説明する。
図1に示される燃料電池システム1において、酸化ガスとしての空気(外気)は、空気供給路71を介して燃料電池20の空気供給口に供給される。空気供給路71には、空気から微粒子を除去するエアフィルタA1、空気を加圧するコンプレッサA3、供給空気圧を検出する不図示の圧力センサ、及び空気に所要の水分を加える加湿器A21が設けられている。コンプレッサA3は、モータによって駆動される。このモータは、後述の制御部50によって駆動制御される。なお、エアフィルタA1には、空気流量を検出する図示省略のエアフローメータ(流量計)が設けられている。
燃料電池20から排出される空気オフガス(酸化オフガス、希釈ガス)は、排気路(酸化オフガス配管)72を経て外部に放出される。排気路72には、排気圧を検出する不図示の圧力センサ、圧力調整弁A4及び加湿器A21が設けられている。この圧力センサは、燃料電池20の空気排気口近傍に設けられている。圧力調整弁A4は、燃料電池20への供給空気圧を設定する調圧(減圧)器として機能する。
これら圧力センサの図示しない検出信号は、制御部50に送られる。制御部50は、コンプレッサA3のモータ回転数及び圧力調整弁A4の開度面積を調整することによって、燃料電池20への供給空気圧や供給空気流量を設定する。
燃料ガスとしての水素ガスは、水素供給源30から水素供給路74を介して燃料電池20の水素供給口に供給される。水素供給源30は、例えば高圧水素タンクが該当するが、いわゆる燃料改質器や水素吸蔵合金等であっても良い。
水素供給路74には、水素供給源30から水素を供給しあるいは供給を停止する遮断弁H100、水素供給源30からの水素ガスの供給圧力を検出する不図示の圧力センサ、燃料電池20への水素ガスの供給圧力を減圧して調整する水素調圧弁H9、水素調圧弁H9の下流の水素ガス圧力を検出する不図示の圧力センサ、燃料電池20の水素供給口と水素供給路74間を開閉する遮断弁H21、及び水素ガスの燃料電池20の入口圧力を検出する不図示の圧力センサが設けられている。
水素調圧弁H9としては、例えば機械式の減圧を行う調圧弁を使用できるが、パルスモータで弁の開度がリニアあるいは連続的に調整される弁であっても良い。圧力センサの図示しない検出信号は、制御部50に供給される。
燃料電池20で消費されなかった水素ガスは、水素オフガス(燃料オフガス、被希釈ガス)として水素循環路75に排出され、水素供給路74の水素調圧弁H9の下流側に戻される。水素循環路75には、水素オフガスの温度を検出する不図示の温度センサ、燃料電池20と水素循環路75を連通/遮断する不図示の遮断弁、水素オフガスから水分を回収する気液分離装置H42、回収した生成水を水素循環路75外の不図示のタンク等に回収する排出制御弁H51、及び水素オフガスを加圧する水素ポンプH50が設けられている。
遮断弁H21は、燃料電池20のアノード側を閉鎖する。温度センサの図示しない検出信号は、制御部50に供給される。水素ポンプH50は、制御部50によって動作が制御される。
水素オフガスは、水素供給路74で水素ガスと合流し、燃料電池20に供給されて再利用される。遮断弁H100,H21は、制御部50からの信号で駆動される。
水素循環路75は、排出制御弁H51を介して、パージ流路(燃料オフガス配管)76によって排気路72に接続されており、この排気路72との接続箇所が、希釈部(希釈装置)10とされている。
排出制御弁H51は、電磁式の遮断弁であり、制御部50からの指令によって作動することにより、水素オフガスは希釈部10にて、空気オフガスに混合されて外部へ排出(パージ)される。このパージ動作を間欠的に行うことによって、水素ガス中の不純物濃度が増加することによるセル電圧の低下を防止することができる。
希釈部10は、図2に示すように、排気路72の上部に、パージ流路76が接続されてパージ流路76における最下方位置とされた構造とされており、さらに、このパージ流路76の吐出端部76aが、排気路72の上流側へ向けて配置されている。
また、図3に示すように、パージ流路76の吐出端部76aには、複数の孔部76bが形成されている。
燃料電池20の冷却水出入口には、冷却水を循環させる冷却路73が設けられている。冷却路73には、燃料電池20から排水される冷却水の温度を検出する不図示の温度センサ、冷却水の熱を外部に放熱するラジエータ(熱交換器)C2、冷却水を加圧して循環させるポンプC1、及び燃料電池20に供給される冷却水の温度を検出する不図示の温度センサが設けられている。ラジエータC2には、モータによって回転駆動される冷却ファンC13が設けられている。
燃料電池20は、水素ガスと空気の供給を受けて電気化学反応により発電する単セルを所要数積層してなる燃料電池スタックとして構成されている。燃料電池20が発生した電力は、図示しないパワーコントロールユニットに供給される。パワーコントロールユニットは、車両の駆動モータを駆動するインバータと、コンプレッサモータや水素ポンプ用モータなどの各種の補機類を駆動するインバータと、二次電池等の蓄電手段への充電や該蓄電手段からのモータ類への電力供給を行うDC−DCコンバータなどが備えられている。
制御部50は、CPU、ROM、RAM、HDD、入出力インタフェース及びディスプレイなどの公知構成から成る制御コンピュータシステムによって構成されており、図示しない車両のアクセル信号などの要求負荷や燃料電池システム1の各部のセンサ(圧力センサ、温度センサ、流量センサ、出力電流計、出力電圧計等)から制御情報を受け取り、システム各部の弁類やモータ類の運転を制御する。
上記の希釈部10を備えた燃料電池システム1では、前述したように、パージ流路76からの水素オフガスが希釈部10にて、空気オフガスに混合されることにより、水素ガスが希釈される。
このとき、希釈部10では、パージ流路76の吐出端部76aが、排気路72の上流側へ向けて配置されているので、パージ流路76からの水素オフガスが空気オフガスの流れに逆らって排気路72内に吐出され、これにより、水素オフガスが空気オフガスに円滑に混合される。したがって、パージ流路76から吐出される水素オフガスの水素ガスを良好に希釈して排出することができる。
また、パージ流路76の吐出端部76aに、複数の孔部76bが形成されているので、これら孔部76bから水素オフガスを排気路72内に拡散させながら吐出させることができ、空気オフガスへ水素オフガスをさらに良好に混合させることができる。
さらに、パージ流路76の吐出端部76aが排気路72の上部に配置されて吐出端部76aがパージ流路76の最下方位置とされているので、パージ流路76内の水を、パージ流路76の吐出端部76aに溜めることなく、排気路72内に滴下させて排出させることができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。
なお、第2実施形態では、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
第2実施形態に係る燃料電池システム1では、第1実施形態とは、希釈部10の構造が異なっている。
図3に示すように、第2実施形態における希釈部10は、排気路72の上部に、希釈ケース81を備えており、この希釈ケース81の上部に、パージ流路76の吐出端部76aが接続され、吐出端部76aがパージ流路76における最下方位置とされている。
この希釈ケース81には、高さ方向の中間部に、略水平に配置された分離板82が設けられており、この分離板82によって、希釈ケース81内が、上部側の導入室81aと、下部側のバイパス室81bとに区画されている。また、この分離板82には、排気路72の上流側に、窓部82aが形成されており、この窓部82aを介して導入室81aとバイパス室81bとが連通されている。
また、希釈ケース81のバイパス室81b側には、排気路72の上流側に導入管路83が接続され、排気路72の下流側に排出管路84が接続されている。これら導入管路83及び排出管路84は、いずれも、排気路72の上部に接続されており、これにより、排気路72内を流れる空気オフガスの一部が、導入管路83から希釈ケース81のバイパス室81b内へ導入されて通過し、排出管路84から排気路72へ戻される。つまり、これら導入管路83、バイパス室81b及び排出管路84によって、排気路72に対する空気オフガスのバイパス流路が形成されている。
また、排気路72には、導入管路83と排出管路84との間の位置に、オリフィス85が設けられており、このオリフィス85の下流側にて、排気路72内を流れる空気オフガスに乱流が生じるようになっている。
上記の希釈部10を備えた燃料電池システム1では、パージ流路76からの水素オフガスが希釈部10の希釈ケース81における導入室81aに流入し、分離板82に当たって窓部82aからバイパス流路を構成するバイパス室81bへ流れ込む。これにより、この水素オフガスは、バイパス室81b内を流れる空気オフガスに円滑に混合される。その後、この混合ガスは、排出管路84から排気路72に流れ込む。
これにより、排出管路84から排気路72に流れ込む空気オフガスと水素オフガスの混合ガスは、排気路72内を流れる空気オフガスに混合され、さらに希釈される。したがって、パージ流路76から吐出される水素オフガスの水素ガスを良好に希釈して排出することができる。
また、排気路72における排出管路84の接続箇所よりも上流側に設けられたオリフィス85によって空気オフガスに乱流を生じさせるので、排出管路84から排気路72に流れ込む水素オフガスと空気オフガスの混合ガスを、排気路72内を流れる空気オフガスに良好に混合させることができ、水素ガスの希釈効率を高めることができる。
さらに、パージ流路76の吐出端部76aが希釈ケース31の上面に接続され、吐出端部76aがパージ流路76の最下方位置とされているので、パージ流路76内の水を、パージ流路76の吐出端部76aに溜めることなく、排気路72内に滴下させて排出させることができる。
本発明の燃料電池システムを概略的に示すシステム構成図である。 第1実施形態にかかる希釈部の構造を示す断面図である。 第1実施形態にかかる希釈部におけるパージ流路の吐出端部を示す断面図である。 第2実施形態にかかる希釈部の構造を示す断面図である。
符号の説明
10…希釈部(希釈装置)、20…燃料電池、72…排気路(酸化オフガス配管)、76…パージ流路(燃料オフガス配管)、76a…吐出端部、76b…孔部、81a…導入室、81b…バイパス室(バイパス流路)、82…分離板、82a…窓部、83…導入管路(バイパス流路)、84…排出管路(バイパス流路)、85…オリフィス、100…燃料電池システム。

Claims (3)

  1. 燃料電池に酸化ガス及び燃料ガスを供給し、これらガスの電気化学反応により発電する燃料電池システムであって、
    前記燃料電池から排出された燃料オフガスを当該燃料電池から排出された酸化オフガスに混合させて希釈する希釈部を備え、
    前記希釈部は、酸化オフガスが流される酸化オフガス配管に対して燃料オフガスが流される燃料オフガス配管が接続されているとともに、前記燃料オフガス配管の吐出端部が前記酸化オフガス配管内に上流側へ向けられて配置されてなる燃料電池システム。
  2. 前記酸化オフガス配管内における前記燃料オフガス配管の吐出端部の周面に複数の孔部が形成されている請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記燃料オフガス配管は、前記吐出端部が最下方位置に配置されている請求項1又は請求項2に記載の燃料電池システム。
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