JP4133574B2 - 偏芯測定器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学機器に用いられるレンズの偏芯を測定する偏芯測定器に関する。
【0002】
【背景技術】
従来、光学機器に用いられるレンズの偏芯を測定するための偏芯測定器が知られている(例えば、特許文献1)。
図3に示されるように、この公報の偏芯測定器100によれば、ケース102内に収容されるとともに、光軸L上に、光源111と、この光源111からの光を集束する集光レンズ112と、集光レンズ112の焦点に配置されたピンホール113aを有する指標113と、ピンホール113aを焦点として配置されたコリメータレンズ114と、コリメータレンズ114からの平行光を測定物、つまり被検レンズ130の近軸焦点に投影するためのフォーカスレンズ(対物レンズ)系115を含み構成された照明光学系110と、フォーカスレンズ系115と被検レンズ130の間に配置され被検レンズ130からの光を観測するための観測手段120とを備えて構成されている。
【0003】
ここで、フォーカスレンズ系115は、光軸Lに沿って移動可能に設けられた第1フォーカスレンズ116と、固定された第2フォーカスレンズ117とを含み構成されている。
また、観測手段120は、ビームスプリッタ121と、このビームスプリッタ121からの光を集光する投影レンズ123と、投影レンズ123からの光を投影させて観測するための受光センサ24とを含み構成されている。
なお、被検レンズ130は図示しない高精度の回転台に載置されている。
【0004】
このように構成された偏芯測定器において、光源111から照射された光は、ピンホール113aを通過した後、コリメータレンズ114に入射される。すると、コリメータレンズ114はピンホール113aを焦点としていることから、コリメータレンズ114に入射された光は、平行光としてフォーカスレンズレンズ系115に入射される。
このフォーカスレンズ系115に入射された平行光は、ビームスプリッタ121を透過した後、被検レンズ130の近軸焦点で結像するように被検レンズ130に入射される。被検レンズ130に入射された光は、近軸焦点から発せられた光と同等であるので、被検レンズ130によって平行光として反射され、この反射光はビームスプリッタ121で向きを変える方向に反射され、観測手段120によって観測される。
【0005】
観測手段120において被検レンズ130からの反射像、つまり、ピンホール113aの投影像の投影位置は、被検レンズ130の偏芯度に応じて変化する。被検レンズ130を回転させながら、投影像の軌跡であるリサージュ図形を観測することによって、被検レンズ130の偏芯度を測定することができる。
以上のように、フォーカスレンズ系115からの光を被検レンズ130の近軸焦点に投影し、反射光を平行光とすることにより、被検レンズ130の曲率半径に影響を受けず、高精度な偏芯測定をすることができる。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−205998号公報。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の偏芯測定器100では、ビームスプリッタ121がハーフミラーで構成されており、第1フォーカスレンズレンズ116、および第2フォーカスレンズ117を通過した光がビームスプリッタ121から被検レンズ130に到達し、そこから再度ビームスプリッタ121に反射されて受光センサ24に結像するようになっている。
その結果、まず、第1フォーカスレンズレンズ116、および第2フォーカスレンズ117からビームスプリッタ121に入射するとき、半分(50%)の光量は透過するが、残りの半分(50%)の光量は反射するため、この時点で50%の光量のロスが生じる。
【0008】
次いで、被検レンズ130で反射された光はビームスプリッタ121によって受光センサ124側に反射されるが、被検レンズ130からビームスプリッタ121に入射するとき、被検レンズ130に届いた50%の光量の半分(25%)の光量は反射するが、残りの半分(25%)の光量は透過するため、受光センサ124に届く光量は25%に過ぎず、反射と透過の合計で75%にも及ぶ大きな光量のロスが発生している。
その結果、被検レンズの反射率が小さい場合には、光源のパワーを大きくしなければ、被検レンズ130からの反射像を投影することができず、被検レンズ130の偏芯度を測定することができないという問題がある。
【0009】
また、従来の偏芯測定器100では、フォーカスレンズ系115の2つのレンズ116,117と、コリメータレンズ114、および投影レンズ123の合計4個のレンズが用いられており、さらに、フォーカスレンズ系115の第1フォーカスレンズ116が、光軸Lに沿って移動可能とされているため、移動用の駆動部が必要となる。その結果、構造が複雑になり、その分、測定精度に必ずしも十分な信頼性が得られないおそれがあり、また、装置が大型化するという問題もある。
【0010】
本発明の目的は、光量のロスを少なくできてエネルギーの低減化を図れるとともに、構造の簡略化および小型化を図れ、かつ測定精度の信頼を得ることが可能となる偏芯測定器を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の偏芯測定器は、光源と、この光源からの光を通過させる指標と、この指標を通過した光を被検レンズ側に全反射させるとともに透過部を有する全反射部材と、この全反射部材からの光を前記被検レンズの近軸焦点に結像させる対物レンズを有する照明光学系と、前記被検レンズによる反射像を観測する観測手段と、を備えた偏芯測定器であって、前記対物レンズは、前記照明光学系を構成するとともに、前記被検レンズからの反射像を前記全反射部材の前記透過部近傍で結像させて観察可能とし、前記観測手段を構成するものであることを特徴とするものである。
【0012】
この発明において、被検レンズからの反射像が結像される全反射部材の透過部近傍とは、透過部の位置そのものを含むとともに、透過部の被検レンズ側に所定距離寄った位置、あるいは、透過部を越えて観測手段側に所定距離寄った位置も含むものである。
【0013】
このような構成によれば、光源から発射された光は、指標を通過した後、全反射部材に入射し、そこから対物レンズに入射されて、被検レンズの近軸焦点に結像される。被検レンズからの反射光は、被検レンズの近軸焦点から発射された光と同等となるので、被検レンズからの反射光は平行光となる。この被検レンズからの反射像は対物レンズに入射されるとともに、対物レンズによって全反射部材の透過部近傍で結像される。そして、その像を観測手段で観測することで、被検レンズの偏芯度を測定することができる。
【0014】
その結果、光源から発射された光のほとんどが全反射部材で反射されて対物レンズに入射するので、光量のロスがほとんどなくなる。従って、被検レンズの反射率が小さい場合でも、光源のパワーを大きくしなくても被検レンズ130からの反射像を容易に投影することができ、エネルギーの低減化を図れる。
また、対物レンズが全反射部材から反射される光を被検レンズの近軸焦点に結像させるとともに、被検レンズからの反射光を全反射部材の透過部近傍で結像させることができるようになっているので、1つの部材で照明光学系および観測手段の2つの役割を果たすことができる。従って、部品点数の削減ができ、構造の簡略化、小型化およびコストダウンを図ることができる。
さらに、例えば、被検レンズの曲率半径に合わせて、対物レンズに設けた移動可能な焦点距離調整用レンズを移動させるための駆動機構が不要となり、その結果、ここでも構造の簡略化、小型化およびコストダウンを図れるとともに、調整部が減るため、測定精度に十分な信頼性が得られるようになる。
【0015】
ここで、被検レンズを換えて測定するときは、被検レンズの近軸焦点に対物レンズからの光を投影するように、被検レンズの曲率半径に合わせて偏芯測定器全体、あるいは被検レンズを移動させて調整する。このとき、被検レンズの曲率半径の分だけ移動させればよいので、種類の異なる被検レンズの測定に容易に対応することができる。
【0016】
請求項2に記載の偏芯測定器は、請求項1に記載の偏芯測定器において、前記観測手段は、前記全反射部材の透過部近傍で結像された前記被検レンズからの反射像を拡大する投影レンズと、この投影レンズからの光を結像させる受光センサとを含み構成されていることを特徴とするものである。
【0017】
このような構成によれば、全反射部材の透過部近傍で結像された被検レンズからの反射像を投影レンズで拡大して受光センサに投影できるので、透過部を最小の穴径とすることができ、その結果、光量のロスを最大限に防止することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1には、本発明にかかる偏芯測定器の一実施形態が示されている。
第1実施形態の偏芯測定器1は、ケース2内に収容され、測定されるレンズ、つまり被検レンズ30に対して光を入射させる照明光学系10と、被検レンズ30からの反射光を観測するための観測手段20を備えて構成されている。
【0019】
照明光学系10は、光源11と、集光レンズ12と、指標13と、全反射部材である全反射ミラー14と、対物レンズ15とを備えている。
これら光源11等は、光源11から被検レンズ30に向かう照明光学系10の光軸L1に沿って配置されている。なお、光軸L1は、垂直な第1の光軸L1ー1と、この光軸L1ー1と直交する水平な第2の光軸L1ー2とで構成されている。
【0020】
光源11は、光を発射する発光体であって、種々の発熱発光灯や放電灯を用いることができる。
集光レンズ12は、光源11の下方に設けられており、光源11からの光を集光するようになっている。
指標13は、集光レンズ12の焦点に合うように設けられており、ピンホール13aを有している。
【0021】
全反射ミラー14は、指標13の下方に設けられている。この全反射ミラー14は、光源11からの光を反射する反射面14aを有し、光源11からの光のほとんどが被検レンズ30側に反射するように、垂直な第1の光軸L1ー1に対して45°傾斜して配置されている。また、全反射ミラー14の中心には、所定の大きさの透過部14bが形成されている。
対物レンズ15は、第2の光軸L1−2上で全反射ミラー14の反射面14aと被検レンズ30側に設けられ、被検レンズ30の近軸焦点にピンホール13aの像を結像させるようになっている。
【0022】
観測手段20は、光軸L2上に配置された前記対物レンズ15と、投影レンズ21と、受光センサ22を備えて構成されている。
対物レンズ15は、全反射ミラー14から反射された光を前述のように、被検レンズ30の近軸焦点にピンホール13aの像を結像させる他、被検レンズ30から反射された光を全反射ミラー14の透過部14bの位置で結像させることができる。
投影レンズ21は、対物レンズ15によって全反射ミラー14の透過部14bで結像された像を拡大して受光センサ24上に拡大投影させることができる。
被検レンズ30は回転台(不図示)に載置され、この回転台は、光軸L1ー2、L2回りに高精度で回転可能に設けられている。
【0023】
以上のような構成の偏芯測定器1は、対物レンズ15を移動させる駆動機構を有しないため、曲率半径が異なる被検レンズ30の測定を行う場合、偏芯測定器1全体を被検レンズ30の曲率半径に合わせて移動させるか、あるいは、偏芯測定器1に対して被検レンズ30を移動させてから、測定に移行する。
なお、被検レンズ30としては、偏芯測定器1全体、あるいは、被検レンズ30を移動させやすい距離、例えば曲率半径±50mm以下のレンズ面の測定に使用することが好ましいが、曲率半径の大きさは上記大きさに限定されない。
【0024】
次に、このような構成の偏芯測定器1による被検レンズ30の測定方法を説明する。
まず、光源11から発射され、集光レンズ12で絞られた光は、指標13のピンホール13aを通過する。ピンホール13aを通過した光は全反射ミラー14に入射され、この全反射ミラー14の反射面14aで透過部14bを除いた全部の光が反射される。
【0025】
全反射ミラー14で反射された光は対物レンズ15に入射された後、被検レンズ30の近軸焦点で像を結ぶ。この被検レンズ30に入射された光は、被検レンズ30の近軸焦点から発射された光と同等であることから、被検レンズ30から平行光として反射され、上記対物レンズ15に入射される。この対物レンズ15に入射された光は、全反射ミラー14の透過部14bで結像された後、投影レンズ21に入射されて拡大され、拡大された像が受光センサ22に投影される。そして、この投影された像を観測することにより、被検レンズ30の偏芯度が測定される。
【0026】
ここで、曲率半径が異なる被検レンズ30の偏芯度を測定する場合は、対物レンズ15が固定されているため、偏芯測定器1全体、あるいは被検レンズ30を曲率半径の変化分と同等の距離だけ移動させる。例えば、被検レンズ30の曲率半径を30mmから50mmに変えた場合、被検レンズ30で平行光が得られるように、20mmだけ偏芯測定器1全体、あるいは被検レンズ30を移動させてから測定すればよい。
【0027】
次に、以上の偏芯測定器1を用いて、図2に示すように、被検レンズ30Aが凹レンズである場合の測定方法を説明する。
この場合、全反射ミラー14で反射された光源11からの光は、対物レンズ15に入射された後、被検レンズ30Aの手前位置に相当する近軸焦点で像を結ぶ。この被検レンズ30Aに入射された光は、被検レンズ30Aの近軸焦点から発射された光と同等であることから、被検レンズ30Aの凹面から平行光として反射され、前記対物レンズ15に入射される。この対物レンズ15に入射された光は、前記被検レンズ30の場合と同様、全反射ミラー14の透過部14bで結像された後、投影レンズ21に入射されて拡大され、拡大された像が受光センサ22に投影される。そして、この投影された像を観測することにより、被検レンズ30Aの偏芯度が測定される。
【0028】
以上のような構成の偏芯測定器1によれば、次のような効果がある。
(1) 全反射ミラー14の透過部14bで結像させることによって、全反射ミラー14の透過部14bの径を小さくすることができるため、光源11から発射された光のほとんどが全反射ミラー14で反射されて対物レンズ15に入射する。その結果、光量のロスを少なくすることができ、被検レンズの反射率が小さい場合でも、光源のパワーを大きくせずに被検レンズ130からの反射像を容易に投影することができ、エネルギーの低減化を図れる。
【0029】
(2) 対物レンズ15が全反射ミラー14から反射される光を被検レンズ30の近軸焦点に結像させるとともに、被検レンズ30からの反射光を全反射ミラー14の透過部14bの位置で結像させることができるので、1つの部材で照明光学系10および観測手段20の2つの役割を果たすことができる。従って、部品点数の削減ができ、構造の簡略化、小型化およびコストダウンを図ることができる。
【0030】
(3) 本実施形態の偏芯測定器1では、例えば、被検レンズの曲率半径に合わせて、対物レンズに設けた移動可能な焦点距離調整用レンズを移動させるための駆動機構が不要となり、その結果、構造の簡略化、小型化およびコストダウンを図れるとともに、調整部が減るため、測定精度に十分な信頼性が得られるようになる。
(4) 偏芯測定器1が、前述のように構造の簡略化、小型化が図られており、小さなユニットとすることができるので、組み込みユニットとして流用しやすくなる。
【0031】
(5) 指標13のピンホール13aの像を、被検レンズ30の近軸焦点で結像するように入射しているため、被検レンズ30の偏芯量による受光センサ22の入射位置が、被検レンズ30の曲率半径によって変化せずに常に一定となり、その結果、感度を一定に維持することができる。
【0032】
なお、本発明の偏芯測定器は、上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更を加え得ることはもちろんである。
例えば、前記実施形態では、被検レンズ30からの反射光は、対物レンズ15によって、全反射ミラー14の透過部14bの位置で結像させるようになっているが、これに限らず、全反射ミラー14の透過部14bの近傍で結像させるものであれば、透過部14bから対物レンズ15側に寄った位置、あるいは、透過部14bを越えて投影レンズ21側に寄った位置で結像させるようにしてもよい。このようにすれば、透過部14bの穴径が実施形態よりわずかに大きくなるが、前記(1) とほぼ同様の効果を得ることができる。
【0033】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明の偏芯測定器によれば、光量のロスを少なくできてエネルギーの低減化を図れるとともに、構造の簡略化および小型化を図れ、かつ測定精度の信頼を得ることが可能となるという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す図である。
【図2】前記実施形態において、被検レンズが異なるタイプの場合を示す図である。
【図3】従来技術を示す図である。
【符号の説明】
1 偏芯測定器
10 照明光学系
11 光源
13 指標
13a ピンホール
14 全反射ミラー(全反射部材)
14b 透過部
15 対物レンズ
20 観測手段
21 投影レンズ
22 受光センサ
30 被検レンズ
L1、L2 光軸

Claims (2)

  1. 光源と、この光源からの光を通過させる指標と、この指標を通過した光を被検レンズ側に全反射させるとともに透過部を有する全反射部材と、この全反射部材からの光を前記被検レンズの近軸焦点に結像させる対物レンズを有する照明光学系と、前記被検レンズによる反射像を観測する観測手段と、を備えた偏芯測定器であって、
    前記対物レンズは、前記照明光学系を構成するとともに、前記被検レンズからの反射像を前記全反射部材の前記透過部近傍で結像させて観察可能とし、前記観測手段を構成するものであることを特徴とする偏芯測定器。
  2. 請求項1に記載の偏芯測定器において、
    前記観測手段は、前記全反射部材の透過部近傍で結像された前記被検レンズからの反射像を拡大する投影レンズと、この投影レンズからの光を結像させる受光センサとを含み構成されていることを特徴とする偏芯測定器。
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