JP4132758B2 - 新規アミジン化合物、その製造法、および使用法 - Google Patents

新規アミジン化合物、その製造法、および使用法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規アミジン化合物、詳しくは、イソシアネート化合物の反応触媒として有用な新規アミジン化合物、その製造法、および使用法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、アミジン化合物としては、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4.4.0]−5−デセン、あるいは1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネンなどが知られている。これらのアミジン化合物は、非常に塩基性が強い有機化合物であり、そのままの形で、あるいは種々の有機酸や無機酸との塩、さらには4級アンモニウム塩の形で、ポリウレタン樹脂の製造におけるイソシアネート化合物の反応触媒、エポキシ樹脂用の硬化促進剤、オレフィン合成におけるハロゲン化アルキルの脱ハロゲン化水素剤などに利用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のアミジン化合物やその塩は、イソシアネート基と反応する官能基が無いため、ポリウレタン樹脂の製造において、それらのアミジン化合物をポリオールとイソシアネート化合物の反応触媒として使用した場合、時間の経過とともに、ポリウレタン樹脂の表面に上記アミジン化合物が徐々にブリードアウトするという問題があった。例えば、ポリウレタンフォームにポリ塩化ビニルをラミネート加工して得られるポリウレタン製クッションにおいて、ブリードアウトしたアミジン化合物と該クッション表皮のポリ塩化ビニルとが反応して徐々に表面が変色する現象、いわゆるビニルステイン現象が発生する不具合があった。
そこで、本発明は、ポリウレタン樹脂からブリードアウトすることがない、イソシアネート化合物の反応触媒として有用なアミジン化合物を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記問題を解決すベく鋭意検討した結果、ヒドロキシル基を導入した新規アミジン化合物を使用すれば、ポリウレタン樹脂の製造などにおいて、アミジン化合物本来のイソシアネート化合物に対する触媒効果を損なわずに、ブリードアウトの問題を解決できることを見出し、さらに好適な態様を決定して、本発明を完成した。
即ち、本発明は、一般式[I]で表わされるアミジン化合物である。
【化3】
Figure 0004132758
(式中、R1は水素原子または炭素数1〜3のアルキル基、R2は水素原子、炭素数1〜16のアルキル基もしくはアルキレン基、またはフェニル基を表す。また、R1とR2は互いに結合して炭素数5〜8の環を形成してもよい。R3は水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表す。mは2〜4の整数を示す。)
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。本発明のアミジン化合物は、前記したように、一般式[I]で表され、同式において、R1は水素原子または炭素数1〜3のアルキル基である。炭素数1〜3のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基などが挙げられる。
2は水素原子、炭素数1〜16のアルキル基もしくはアルキレン基、またはフェニル基を表す。炭素数1〜16のアルキル基またはアルキレン基としては、例えば、メチル基、エチル基、ヘキシル基、ステアリル基などの飽和アルキル基;3−ブチレン基、7−オクチレン基などのアルキレン基;ブトキシメチル基、フェノキシメチル基、メタクリロイロキシメチル基、ベンゾイロキシメチル基、フルオロメチル基、クロロメチル基などの置換アルキル基が挙げられる。
また、R2がフェニル基である場合、該フェニル基は、ハロゲン基、アルキル基、置換アルキル基などで置換されていてもよく、例えば、フルオロ基、メチル基、4−クロロメチルフェニル基などが挙げられる。
【0006】
1とR2は前記したもののほか、互いに結合して炭素数5〜8の環を形成してもよい。R1とR2が互いに結合して形成する炭素数5〜8の環としては、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、ノルボルナン環、シクロオクタン環などが挙げられる。これらの環は各種の置換基を有していてもよく、置換基としては、メチル基、ビニル基、1−メチルビニル基などが挙げられる。
【0007】
3は水素原子または炭素数1〜3のアルキル基であり、R3の炭素数1〜3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基などが挙げられる。
【0008】
上で述べたR1、R2、R3の内、本発明のアミジン化合物の製造時における蒸留精製の容易さの点からは、R1、R2、R3が共に水素原子、あるいはR1、R3が水素原子、R2がメチル基であることが好ましい。また、上記式中、mは2〜4の整数であるが、同様の理由から2または4が好ましい。
すなわち、本発明の新規アミジン化合物の好ましい具体例としては、6−(2−ヒドロキシエチル)−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、6−(2−ヒドロキシプロピル)−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、7−(2−ヒドロキシエチル)−1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、7−(2−ヒドロキシプロピル)−1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネンが挙げられる。
【0009】
本発明のアミジン化合物は、下記反応式に従って製造することができる。
【0010】
【化4】
Figure 0004132758
【0011】
即ち、一般式[II]で表されるアミジン化合物をアニオン化剤でアニオン化した後、モノエポキシ化合物を付加させ、次いでプロトン供与性化合物(プロトン源)で処理することにより、ヒドロキシル基を有する本発明の新規アミジン化合物を得ることができる。
【0012】
一般式[II]で表されるアミジン化合物としては、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4.4.0]−5−デセン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネンなどが挙げられる。
一般式[II]で表されるアミジン化合物をアニオン化剤でアニオン化する反応は、反応熱のコントロールを容易にするためと、生成するアニオンの固化を避けるために,溶剤中で行うことが好ましい。該溶剤としては、アニオン化剤と反応しないもの、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類;n−ヘキサン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;あるいはこれらの混合物が挙げられる。
【0013】
上記アニオン化剤としては、公知のものを使用することができ、例えば、n−ブチルリチウム、メチルマグネシウムブロマイドなどの有機金属化合物;リチウムハイドライド、ナトリウムハイドライド、リチウムアルミニウムテトラハイドライドなどの無機ハイドライド化合物;カリウム−t−ブトキサイドなどのアルコキサイド類などが挙げられる。これらのアニオン化剤は、通常、上記のエーテル類、脂肪族あるいは芳香族炭化水素類などの溶液として使用するのが簡便で好ましい。上記アニオン化剤の使用量は、一般式[II]で表されるアミジン化合物1モルに対し、通常、0.9〜2.0モル、好ましくは1.0〜1.1モルである。
一般式[II]で表されるアミジン化合物のアニオン化反応は、該アミジン化合物の溶液に、−78〜100℃、好ましくは50〜40℃の温度で、アニオン化剤の溶液を滴下し、同温度で0.5〜5時間攪拌することで完結する。
【0014】
本発明のアミジン化合物の製造法では、上記アニオン化反応後、アニオン化された一般式[II]で表されるアミジン化合物に、モノエポキシ化合物を開環付加させる。モノエポキシ化合物としては、[化4]で示したように、エチレンオキサイドを前記したR1、R2、R3で置換したもの、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、1,2−ブテンオキサイド、2,3−ペンテンオキサイド、炭素数6〜18のα―オレフィンオキサイド、スチレンオキサイド、4−クロロメチルスチレンオキサイドなどのアルキレンオキサイド類;シクロペンテンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、4−ビニル−1−シクロヘキセンオキサイド、リモネン−1,2―オキサイド、イソホロンオキサイド、2,3−エポキシノルボルネン、シクロオクテンオキサイドなどの脂環式エポキサイド類;ブチルグリシジルエーテル、ヘプチルグリシジルエーテル、高級アルコール(炭素数10〜16)のグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、4−メトキシフェニルグリシジルエーテルなどのグリシジルエーテル類;グリシジルブチレート、グリシジルメタクリレート、グリシジルベンゾエートなどのグリシジルエステル類が挙げられる。
これらのモノエポキシ化合物の内、得られるアミジン化合物の蒸留精製の容易さの点から、低分子量のモノエポキシ化合物が好ましく、特にエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドが好ましい。なお、これらのエポキシ化合物は単独で用いてもよく、必要により2種以上を併用してもよい。また、上記モノエポキシ化合物の使用量は、使用したアニオン化剤1モルに対し、通常、0.9〜2.0モル、好ましくは1.0〜1.1モルである。
【0015】
モノエポキシ化合物の開環付加は、アニオン化された一般式[II]で表されるアミジン化合物の溶液に、−78〜50℃、好ましくは−50〜30℃でモノエポキシ化合物を滴下し、同温度で1〜3時間攪拌した後、必要により30〜80℃で1〜3時間攪拌して行う。モノエポキシ化合物は、そのまま滴下してもよく、既述のエーテル類や炭化水素類の溶液にして滴下してもよい。
【0016】
上記モノエポキシ化合物を開環付加した後、使用したアニオン化剤1モルに対し、0〜50℃、好ましくは10〜30℃で、通常、1.0〜5.0モル、好ましくは1.5〜2.0モルのプロトン供与性化合物(プロトン源)を加えて、1〜3時間攪拌する。上記プロトン源としては、水、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどが挙げられる。
上記プロトン源を加えて、1〜3時間攪拌したときに析出する金属水酸化物あるいは金属アルコキサイドを、ろ過または遠心分離により除いた後、未反応の原料アミジン化合物やプロトン源および溶媒を留去することにより、一般式[I]で表される本発明の新規アミジン化合物が得られる。得られたアミジン化合物はそのままでも各種用途に供しうるが、さらに高純度が必要な時は、減圧蒸留により精製して使用する。
本発明の新規アミジン化合物はそのままの形で、または有機酸もしくは無機酸の塩、あるいは4級アンモニウム塩の形で、イソシアネート化合物の反応触媒として使用することができる。
【0017】
本発明のアミジン化合物の塩を製造するのに用いる有機酸もしくは無機酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、カプロン酸、2−エチルヘキサン酸、ラウリン酸、ステアリン酸のような飽和脂肪酸;アクリル酸、クロトン酸、オレイン酸、リノール酸のような不飽和脂肪酸;乳酸、グリコール酸、リシノール酸、ヒドロキシステアリン酸などのオキシ脂肪酸;コハク酸、アジピン酸などの二塩基脂肪酸;安息香酸、サリチル酸、フタル酸、テレフタル酸などの芳香族カルボン酸;フェノール、クレゾール、レゾルシノール、カテマール、フェノールノボラック樹脂などのフェノール類;ジブチルホスフェート、モノラウリルホスフェートなどの有機リン酸エステル類;ラウリルサルフェート、ドデシルベンゼンスルホン酸などの硫酸エステルやスルホン酸類;炭酸、ホウ酸、硫酸、リン酸、塩酸などの無機酸が挙げられる。
【0018】
本発明のアミジン化合物の有機酸あるいは無機酸塩を合成する反応は、中和反応で発熱するため、液状の該アミジン化合物1.0モルに対し、通常、0.9〜1.1モル、好ましくは1.0モルの酸を冷却下、徐々に添加することが好ましい。なお、得られる塩が固体である場合は、融点以上の温度で反応させ、製品を溶融状態で取り出し、固化後粉砕するか、エーテル系溶剤、ケトン系溶剤、あるいは炭化水素系溶剤中で中和反応を行い、析出する塩をろ過して捕集、乾燥してもよい。
【0019】
本発明のアミジン化合物の4級塩は、無溶剤下、あるいはアルコール類、エステル類、ケトン類などを溶剤として、炭酸ジメチル、炭酸ジエチルなどの炭酸ジアルキル;塩化メチル、臭化ブチル、塩化ベンジルなどのハロゲン化アルキル;あるいはジメチル硫酸、ジエチル硫酸などのジアルキル硫酸をアミジン化合物と反応させることで得られる。
また、カウンターイオンが前記のフェノール類やカルボン酸などの残基である本発明のアミジン化合物の4級塩は、例えば、上記の反応で得られた炭酸アルキル塩に、フェノール類やカルボン酸類を加えて、溶剤を加熱留去することで容易に得ることができる。
【0020】
本発明の新規アミジン化合物、特にその塩は、イソシアネート化合物の反応触媒として使用することができる。ここで、イソシアネート化合物の反応とは、ポリオールとのポリウレタン樹脂生成反応、イソシアネート化合物の二量化、三量化によるウレチジオンやイソシアヌレート化合物の生成反応、イソシアネート化合物2モルの脱炭酸によるカルボジイミドの生成反応をいう。
【0021】
上記イソシアネート化合物およびポリオールは、硬質、半硬質、軟質ポリウレタンフォーム、エラストマー発泡体およびポリウレタン成型品などの製造に通常用いられている原料などであり特に限定はない。
上記イソシアネート化合物の具体例としては、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族イソシアネート;ジフェニルメタンジイソシアネートの水素添加物やイソホロンジイソシアネートなどの脂環式イソシアネート;これらの変性物;およびこれらとポリオールとの反応による末端イソシアネ−ト基含有プレポリマーが挙げられる。
【0022】
上記ポリオールの具体例としては、高分子ポリオール、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、1,2−および1,4−ブチレンオキサイドなどのアルキレンオキサイド類を、エチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコール;グリセリン、トリメチロールプロパン、トリエタノールアミン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、蔗糖などの3個以上のヒドロキシル基を有するポリオールなどの多価アルコールやエチレンジアミン、ジエチルトリアミン、トリレンジアミン、キシリレンジアミン、ピペラジン、N−アミノアルキルピペラジン、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、シクロヘキシレンジアミンなどのアミン化合物を開始剤として、付加重合して得られるポリエーテルポリオール;該ポリエーテルポリオール中でアクリロニトリル、スチレン、メタクリル酸メチル、ブタジエンなどのエチレン性不飽和単量体をラジカル重合させた重合体ポリオール;コハク酸、セバシン酸、マレイン酸、アジピン酸、フマル酸、フタル酸、ダイマー酸などのポリカルボン酸と上記の多価アルコールとの反応によって得られるポリエステルポリオール;ポリカルボン酸とポリエーテル類とから得られるポリエステルポリエーテルポリオール;およびこれらの二種以上の混合物が挙げられる。
【0023】
上記イソシアネート化合物の反応においては、必要により、架橋剤ないしは鎖伸長剤としての活性水素化合物を使用することができる。そのような活性水素化合物としては、例えば、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ブタンジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン、p−ビス(2−ヒドロキシエチル)フェニレンエーテルなどの低分子ポリオール、トリレンジアミン、キシリレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、メチレンビス−o−クロロアニリンなどのポリアミンが挙げられる。
【0024】
上記イソシアネート化合物の反応においては、必要により他の添加剤も使用することができる。例えば、フッ素系炭化水素、メチレンクロライドなどのハロゲン置換炭化水素系発泡剤、炭酸ガス、水などの発泡剤、シリコン製泡剤などの界面活性剤、着色剤、充填剤、難燃剤、安定剤などが挙げられる。
また、本発明のアミジン化合物とその塩は、他の公知のウレタン触媒と併用することもでき、それらの合計使用量は、ポリオール100重量部に対して、通常、0.01〜5重量部、好ましくは0.1〜2重量部である。本発明のアミジン化合物とその塩および他のウレタン触媒の合計使用量が0.01重量部未満では、触媒活性が低く、反応完了までに時間がかかり過ぎ、5重量部より多いとポットライフが短くなり、作業性が悪くなる。
【0025】
【実施例】
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれに限定されない。なお、以下において、部および%はそれぞれ重量部および質量%を示す。また、表1〜3中、DBU;1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、DBN;1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、HE−DBU;6−(2−ヒドロキシエチル)−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、HP−DBU;6−(2−ヒドロキシプロピル)−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、HP−DBN;7−(2−ヒドロキシプロピル)−1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、HE−DBN;7−(2−ヒドロキシエチル)−1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネンである。
【0026】
(実施例1)
6−(2−ヒドロキシエチル)−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(HE−DBU)の合成:
1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(DBU)152g(1モル)をテトラヒドロフラン900gに加え、ドライアイス/アセトン浴で−20℃に冷却した。これにn−ブチルリチウムの14.7%ヘキサン溶液437g(純分64g,1.05モル)を液温−10℃以下、3時間で滴下した。その後、同温度で1時間攪拌後、0℃を超えない温度で47.9g(1.09モル)のエチレンオキサイドを3時間で通入した。そして、同温度で1時間、さらに20℃で1時間攪拌した後、18.9g(1.05モル)の水を加えて、室温で1時間攪拌し、析出した無機物をろ過して除いた。ろ液から常圧で溶媒を除いた後、減圧下に未反応のDBUを留去し、86g(収率44%)のHE−DBUを得た。得られたHE−DBUの各種分析値を以下に示す。なお、アミン価の単位は、mgKOH/gである。
(分析値)
全アミン価(HClO4法)283(理論値286)、3級アミン価(HCl法)263(理論値286)。ガスクロマトグラフによる純度92.9%(不純物ピークとして
HE−DBUのC=N二重結合が加水分解したものが検出された)。
【0027】
(実施例2)
6−(2−ヒドロキシプロピル)−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(HP−DBU)の合成:
エチレンオキサイドに代えて、60.9g(1.05モル)のプロピレンオキサイドを滴下した以外は、実施例1と同様にして136.5g(収率65%)のHP−DBUを得た。得られたHP−DBUの各種分析値を以下に示す。なお、アミン価の単位は、mgKOH/gである。
(分析値)
全アミン価(HClO4法)269(理論値267)、3級アミン価(HCl法)256(理論値267)。ガスクマトグラフによる純度95.9%。
このものを、さらに減圧蒸留で精製して、沸点160℃/1mmHg、116gのHP−DBU製品を得た。このHP−DBU製品の各種分析値を以下に示す。
(分析値)
全アミン価(HClO4法)267(理論値267)、3級アミン価(HCl法)263(理論値267)。ガスクロマトグラフによる純度99.0%。
【0028】
(実施例3)
7−(2−ヒドロキシプロピル)−1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン(HP−DBN)の合成:
1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン(DBN)124g(1モル)をジエチルエーテル700gに加え、氷浴で10℃以下に冷却した。これにメチルマグネシウムブロマイドの3.0Mジエチルエーテル溶液350g(純分125.2g、1.05モル)を10〜20℃、2.5時間で滴下した。20〜30℃で2時間攪拌後、60.9g(1.05モル)のプロピレンオキサイドを2時間で滴下し、さらに2時間、同温度で攪拌した。そして、メタノール64g(2モル)を室温で加え、3時間攪拌した後、反応液を静置して、無機物を沈降させた。上澄み液から常圧で溶剤を留去し、減圧蒸留で精製して、沸点148℃/1mmHg、131g(収率72%)のHP−DBNを得た。得られたHP−DBNの各種分析値を以下に示す。なお、アミン価の単位は、mgKOH/gである。
(分析値)
全アミン価(HClO4法)308(理論値308)、3級アミン価(HCl法)304(理論値308)。ガスクロマトグラフによる純度98.5%。
【0029】
(実施例4)
7−(2−ヒドロキシエチル)−1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン(HE−DBN)の合成:
プロピレンオキサイドに代えて、47.9g(1.09モル)のエチレンオキサイドを滴下した以外は、実施例3と同様にして84.0g(収率50%)のHE−DBNを得た。得られたHE−DBNの各種分析値を以下に示す。なお、アミン価の単位は、mgKOH/gである。
(分析値)
全アミン価(HClO4法)336(理論値334)、3級アミン価(HCl法)322(理論値334)。ガスクマトグラフによる純度92.0%。
このものを、さらに減圧蒸留で精製して、沸点130℃/1mmHg、75gのHE−DBN製品を得た。このHE−DBN製品の各種分析値を以下に示す。
(分析値)
全アミン価(HClO4法)334(理論値334)、3級アミン価(HCl法)330(理論値334)。ガスクロマトグラフによる純度99.0%。
【0030】
(実施例5)
新規アミジン化合物のカルボン酸塩の合成:
実施例1で得たHE−DBU10.5g(0.054モル)に窒素雰囲気下、室温で7.8g(0.054モル)の2−エチルヘキサン酸を加え、1時間攪拌して、淡褐色、高粘度のHE−DBUの2−エチルヘキサン酸塩を得た。同様にして、実施例2、3、4で得たHP−DBU、HP−DBN、HE−DBNの2−エチルヘキサン酸塩を得た。これらの各種分析値を表1に示す。なお、表1中、全アミン価の単位は、mgKOH/gであり、IR吸収は、薄膜(NaCl)、C=O吸収(cm-1)を示す。
【0031】
【表1】
Figure 0004132758
【0032】
(実施例6)
ポリウレタンフォーム用の反応触媒としての効果:
ポリオール;サンニックスFA−703(三洋化成工業社製、商品名)、イソシアネート化合物;クルードMDI(CRMDI、住友バイエル社製、インデックス105、商品名)、水および反応触媒としてアミジン化合物の2−エチルヘキサン酸塩を表2に示す配合割合で処方した原料(原料温度25℃)を、離型剤としてボンドワックスURT−35T(ボンドワックスKK.社製、商品名)を内面に塗布した金型(サイズ20cm×20cm×1cm、金型温度40℃)に注入し、室温で10分間のキュアー条件下で発泡硬化させて、ポリウレタン硬質フォームを得た。
次いで、得られたポリウレタン硬質フォームを40g取り、はさみで約5mm角の細片に刻んで、1,000gのメタノールに加え、加熱還流下48時間攪拌した。
室温に冷却後、上記ポリウレタン硬質フォームをろ過して除き、ろ液中のメタノールを常圧で留去した。その後、残液の全アミン価から、抽出された反応触媒量を測定し、反応触媒の抽出率(%)を求めた。その結果を表2に示す。
【0033】
【表2】
Figure 0004132758
【0034】
表2の結果から、ヒドロキシル基を有する本発明のアミジン化合物のポリウレタン硬質フォームからの抽出率は、従来のDBUやDBNに比べてかなり低く、このことから、本発明のアミジン化合物が、ポリウレタンフォーム用の反応触媒として有用であることが分る。
【0035】
(実施例7)
塩ビシートラミネートポリウレタンフォームの製造例および塩ビシートの変色度:
ポリオール;サンニックスFA−703(同上)100重量部、トリエタノールアミン4重量部、水2.5重量部、および反応触媒としてアミジン化合物の2−エチルヘキサン酸塩1.0重量部を均一に混合し、これにクルードMDI(同上)58.9重量部を加えて、7秒間、高速攪拌機で攪拌した。
次いで、離型剤としてボンドワックスURT−35T(同上)を内面に塗布すると共に、予め10cm×10cmの淡褐色のスラッシュ成型塩ビシートを内面に両面接着テープで貼付した金型(サイズ20cm×20cm×1cm、金型温度40℃)に、得られた原料(原料温度25℃)を注入し、室温で10分間のキュアー条件下で発泡硬化させて、各触媒とも密度(塩ビを除く)0.13〜0.14g/cm3の良好な塩ビシートラミネートポリウレタンフォームを得た。
そして、これらの塩ビシートラミネートポリウレタンフォームを120℃の恒温乾燥機に入れ、継続加熱した時の塩ビシートの変色状況を調べた。その結果を表3に示す。なお、表3中、○は変色なし、△は塩ビシートの周辺部が黒褐色に変色、×は塩ビシートの全面が黒褐色に変色、を意味する。
【0036】
【表3】
Figure 0004132758
【0037】
表3の結果から分るように、本発明のアミジン化合物を使用した場合、従来のアミジン化合物とは異なり、アミジン化合物のブリードアウトに起因する塩ビシートの変色は全く認められなかった。
【0038】
【発明の効果】
本発明の新規アミジン化合物は、イソシアネート化合物の反応触媒として、従来のアミジン化合物と同等の効果をもち、さらに、分子中のヒドロキシル基がイソシアネート基と反応することにより、従来のアミジン化合物では避けられなかった、塩ビラミネートポリウレタンフォームにおけるビニルステイン問題を大幅に改善することができる。このように、本発明の新規アミジン化合物は、ブリードアウトすることがなく、ポリウレタン樹脂等の製造におけるイソシアネート化合物の反応触媒として極めて有用である。

Claims (4)

  1. 一般式[I]で表されるアミジン化合物。
    Figure 0004132758
    (式中、R1は水素原子または炭素数1〜3のアルキル基、R2は水素原子、炭素数1〜16のアルキル基もしくはアルキレン基、またはフェニル基を表す。また、R1とR2は互いに結合して炭素数5〜8の環を形成してもよい。R3は水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表す。mは2〜4の整数を示す。)
  2. 一般式[I]において、R1、R3が水素原子、R2が水素原子またはメチル基であり、かつmが2または4である請求項1記載のアミジン化合物。
  3. 一般式[II]で表されるアミジン化合物をアニオン化剤でアニオン化した後、モノエポキシ化合物を付加させ、次いでプロトン供与性化合物で処理することを特徴とする一般式[I]で示されるアミジン化合物の製造法。
    Figure 0004132758
    (式中、mは2〜4の整数を示す。)
  4. ポリオールとイソシアネート化合物からポリウレタン樹脂を製造するに当り、一般式[I]で示されるアミジン化合物またはその塩を触媒として用いて反応させることを特徴とするアミジン化合物の使用法。
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