JP4132373B2 - 放射線画像の連結処理方法および放射線画像処理装置 - Google Patents

放射線画像の連結処理方法および放射線画像処理装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は放射線画像の連結処理方法および放射線画像処理装置に関し、詳細には、複数枚の蓄積性蛍光体シートを連ねて記録された被写体の放射線画像を再構成する際の、画像の連結処理に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、極めて広い放射線露出域にわたる放射線画像を得るものとしてCR(Computed Radiography)システムが広く実用化されている。このCRシステムは、放射線(X線、α線、β線、γ線、電子線、紫外線等)を照射すると、この放射線エネルギーの一部が蓄積され、その後可視光等の励起光を照射すると蓄積されたエネルギーに応じて輝尽発光を示す蓄積性蛍光体シートに、人体等の被写体の放射線画像情報を一旦記録し、この放射線画像が記録されたシートにレーザビーム等の励起光を走査して信号光である画像情報に応じた輝尽発光光を生じせしめ、発光する輝尽発光光をフォトマルチプライヤ等の光電読取手段により読み取って画像信号を得、この画像信号に基づき写真感光材料等の記録媒体、CRT等の表示装置に被写体の放射線画像を可視像として出力させるシステムである(特開昭55-12429号、同56-11395号、同56-11397号など)。
【0003】
このCRシステムで用いられている蓄積性蛍光体シートには従来より、その撮影対象に応じて、半切、大角、四切り、六切り等のサイズが用意されているが、整形外科等においては、脊柱の湾曲度を計測するなどのために、頚部から腰部に至るまでの長尺画像を1枚の画像として観察したいという要望が多く、上述したサイズに比べて一定方向に長い長尺の蓄積性蛍光体シートを用いることが検討されていた。
【0004】
しかし蓄積性蛍光体シートから画像情報を読み取る放射線画像読取装置は、そのような長尺シートに適合するように、シート搬送路を始めとして大幅に設計し直す必要があり、長尺シート専用のものとなるためコスト面で不利になる。
【0005】
そこで従来サイズの2枚のシートを連ねて見かけ上は長尺のシートとし、この見かけ上長尺のシートに上記長尺の画像を撮影記録し、読取りの際には1枚ずつ読み取るようにすれば、既存の放射線画像読取装置を用いて読取りを行うことができ、上述した問題は生じない。
【0006】
またこの方法は、3枚以上の蓄積性蛍光体シートを連ねてさらに長尺の被写体を撮影記録したり、直交する2軸方向にそれぞれシートを連ねて幅広長尺の被写体の画像を撮影記録することも可能となり、被写体に応じた適応性に優れている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このように2枚以上のシートを連ねて撮影記録を行なう場合、この連ねられた複数枚のシートのうち隣接する2枚のシートに注目すれば、シートの端縁同士を付き当てて連ねる方式や、2枚のシートの一部分同士を重複させて連ねる方式が考えられるが、端縁同士を付き当てて連ねる方式では、その境界部分で画像の欠落が生じざるを得ない。一方、2枚のシートの一部分同士を重複させて連ねる方式ではそのような画像の記録に欠落が生じることはない。
【0008】
しかし、2枚のシートの一部分同士を重複させて連ねる方式では、単に2枚のシートからそれぞれ読み取られた2つの放射線画像を隙間無く連結しても、両画像にはそれぞれ重複部分の画像が記録されているため、被写体の正規の放射線画像を再構成することはできない。
【0009】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであって、シートの一部分同士を重複して連ねられた複数のシートにそれぞれ記録された放射線画像を、精度よく位置合わせして再構成することができる放射線画像の連結処理方法および放射線画像処理装置を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の放射線画像の連結処理方法および放射線画像処理装置は、互いに隣接する2枚の蓄積性蛍光体シートのそれぞれに記録された放射線画像を連結処理するにあたり、この2つの放射線画像の、2枚の蓄積性蛍光体シートの重複部分にそれぞれ記録された放射線画像部分について、テンプレートマッチングすることにより、両放射線画像の位置合わせを行うものである。
【0011】
すなわち本発明の放射線画像の連結処理方法は、隣接する2枚の蓄積性蛍光体シートの一部分同士が互いに重複するように連ねられた複数枚の蓄積性蛍光体シートに亘って、被写体の1つの放射線画像が記録され、これら複数枚の各蓄積性蛍光体シートから各別に読み取って得られた複数個の放射線画像を、前記1つの放射線画像を再構成するように連結処理するに際して、
前記隣接する2枚の蓄積性蛍光体シートのうちいずれか一方の蓄積性蛍光体シートから読み取って得られた放射線画像の、他方の蓄積性蛍光体シートとの重複部分に対応する重複領域内の少なくとも1つ以上の領域を、テンプレートとして設定し、
前記他方の蓄積性蛍光体シートから読み取って得られた放射線画像の、前記一方の蓄積性蛍光体シートとの重複部分に対応する重複領域内で、前記テンプレートに合致する領域を探索し、
前記探索して得られた領域と前記テンプレートとを合致させるように、前記2つの放射線画像の位置合わせ行うことを特徴とするものである。
【0012】
ここで以下、2枚の蓄積性蛍光体シートのうち、これらが重複している部分において、被写体から遠い側のシートを第1の蓄積性蛍光体シート、被写体に近い側のシートを第2の蓄積性蛍光体シートと称することとし、第1の蓄積性蛍光体シートから読み取って得られた放射線画像を第1の放射線画像、第2の蓄積性蛍光体シートから読み取って得られた放射線画像を第2の放射線画像と称するものとする。
【0013】
また、「被写体の1つの放射線画像が記録され」とは、「被写体が1つ記録され」という意味ではなく、「被写体の背景を含めた画像として1つ記録され」という意味である。
【0014】
設定するテンプレートは1つだけであってもよいし2以上の複数であってもよいが、複数設定する方が、位置合わせの信頼性を高めることができるため、好ましい。複数のテンプレートを設定する場合は、重複領域内の互いに異なる領域をそれぞれテンプレートとして設定し、各テンプレートに合致する領域の探索に際して、放射線画像におけるこれら複数のテンプレートの位置関係を維持しつつ、これら複数のテンプレートが同時に合致するように、複数の領域の探索を行い、両放射線画像の位置合わせに際して、一方の放射線画像の複数のテンプレートと他方の放射線画像の複数の領域との全てが同時に合致するように、位置合わせを行うようにすればよい。
【0015】
テンプレートは第1の放射線画像における重複領域に設定し、第2の放射線画像の重複領域内で、このテンプレートに合致する領域を領域を探索するようにしてもよいし、反対に、テンプレートは第2の放射線画像における重複領域に設定し、第1の放射線画像の重複領域内で、このテンプレートに合致する領域を探索するようにしてもよいが、後述するように重複領域内で特徴画像を自動的に検出し、検出された特徴画像に基づいてテンプレートを自動的に設定する場合は、重複領域における照射線量が相対的に多い第2の放射線画像からの方が特徴画像を精度よく検出できるため、第2の放射線画像の重複領域にテンプレートを設定するのが好ましい。
【0016】
重複領域は、前記第1の放射線画像における前記第2の蓄積性蛍光体シートとの重複部分の境界線像を検出し、該検出された境界線像に基づいて検出するのが、処理を簡単化する点で好ましい。具体的には、この境界線像の検出は、第1の放射線画像を表す放射線画像データに対して、微分処理等のエッジ検出処理を施すことにより行うようにすればよく、一手法を以下に示す。
【0017】
すなわち、重複部分においては、第1の蓄積性蛍光体シートを第2の蓄積性蛍光体シートが覆うため、第1の蓄積性蛍光体シートの重複部分には、非重複部分よりも少ない線量の放射線が照射される。したがって、この第1の蓄積性蛍光体シートから読み取って得られた第1の放射線画像においては、シートの重複部分に対応する重複領域と非重複部分に対応する非重複領域との間に画像濃度(階調を有する画像における濃淡や明暗などのレベルを表す総称としての意味であり、CRT等の表示装置においては輝度としての意味をも含むものであり、放射線画像が画像信号として表現されるときは画像信号値(画像データ)を表すものである)の差が生じ、その結果、両領域間にこの濃度差による境界線像が形成される。この境界線像は、例えば第1の放射線画像を表す画像データについて、両シートの連結方向に沿って、微分処理等によるエッジ検出処理を行うことで、検出することができる。
【0018】
このようにして第1の放射線画像における境界線像を検出した後は、この境界線像から、重複領域側の画像の端縁までの範囲の領域を、第1の放射線画像における重複領域として認識することができる。一方、第2の放射線画像については、重複領域側の端縁から、上記第1の放射線画像における境界線像から重複領域側の端縁までの長さの範囲、を重複領域として認識すればよい。なお、蓄積性蛍光体シートから放射線画像を読み取るに際して、シートの端縁に記録された画像まで完全に読み取ることができる場合には、上述したように第1の放射線画像における重複領域と第2の放射線画像における重複領域とは完全に一致するが、シートの端縁に記録された画像まで完全に読み取ることができない場合には、第2のシートの端縁から、その読み取ることができない長さに相当する位置が、第2の放射線画像の端縁となるため、第1の放射線画像における重複領域と第2の放射線画像における重複領域とは必ずしも一致せず、第2の放射線画像における重複領域の方が、上記読み取ることができない長さ分だけ、第1の放射線画像における重複領域よりも狭い範囲となる場合がある。したがって、その読み取ることができない長さ分だけ、第2の放射線画像の重複領域側の端縁からの長さを差し引いた長さの範囲を重複領域として認識すればよい。
【0019】
いずれか一方の放射線画像の重複領域に設定するテンプレートは、その重複領域内のいずれの領域であってもよいが、その重複領域内の特徴画像を含む領域とするのが、テンプレートマッチングの確度の観点から好ましい。
【0020】
ここで、特徴画像とは、例えば、シートの重複部分に放射線透過率の極めて低い材料で形成された位置合わせ用マーカを予め配置したうえで撮影記録を行った場合には、両放射線画像の各重複領域に現れたこのマーカの像や、被写体の画像自体として現れた、特徴的な形状の骨部分(特に、この画像部分のエッジ部分)、肋骨同士が交差した画像部分(特に、この画像部分のエッジ部分)や肺野部分(特に、この画像部分のエッジ部分)などを適用することができる。
【0021】
重複領域における特徴画像は、この重複領域内の画像(対応する放射線画像データ)に基づいて自動的に検出してもよいし、オペレータが判断して検出してもよく、テンプレートの設定も、検出された特徴画像に基づいて自動的に設定してもよいし、オペレータが手動で設定してもよいが、いずれも自動で行うのが、オペレータの作業を低減させる上で好ましい。 特徴画像を自動的に検出する場合は、所定の画像部分を特徴画像として検出する検出アルゴリズムを予め記憶させておき、このアルゴリズムにしたがって自動的に検出させるようにすればよく、また、テンプレートの自動設定は、検出された特徴画像の近傍領域を含む所定の形状(矩形や円形等)の局所領域をテンプレートとして設定するテンプレート設定アルゴリズムを予め記憶させておき、このアルゴリズムにしたがって自動的に設定させるようにすればよい。
【0022】
また、重複領域については、被写体に近い側の第2の蓄積性蛍光体シートから読み取られた第2の放射線画像を、被写体から遠い側の第1の蓄積性蛍光体シートから読み取られた第1の放射線画像に上書きして連結処理するのが好ましい。上述したように、第1のシートの重複部分は重複していない部分よりも放射線の到達線量が少ないため、このシートから得られた第1の放射線画像を用いると、両画像の連結部分に画像の濃度差が生じるが、第2のシートの画像を用いれば、両画像の連結部分に画像の濃度差が生じないからである。
【0023】
ただし、シートの端縁に記録された画像まで完全に読み取ることができない場合には、両画像の位置合わせを行う際に、シートの端縁からその読み取ることができない長さ分だけ、第1の放射線画像の境界線像の位置に第2の放射線画像の端縁の位置が一致しないため、その読み取ることができない長さ分の領域については、被写体から遠い側のシートの画像を用いざるを得ない。この場合、連結後の再構成された放射線画像においては、その読み取ることができない長さ分の領域だけ他の部分よりも濃度が薄くなるため、この濃度の低下した部分については、シートが重複していない部分の放射線画像の濃度に略一致するように、濃度値を一律にシフトするなどの補正を行えばよい。
【0024】
このように濃度補正を行うことを前提とする場合は、必ずしも上述したように、第2の放射線画像を第1の放射線画像に上書きして連結処理するものに限るものではなく、この反対に、第1の放射線画像を第2の放射線画像に上書きして連結処理してもよい。重複部分の一部(読み取ることができない長さ分の領域)についてのみ濃度補正を行うのと、重複部分の全体について濃度補正を行うのとでは、補正処理に要する時間に実質的な差は生じないからである。ただし、重複領域における第1の放射線画像は第2の放射線画像に比べて到達線量が少ないため、粒状性(ノイズ)の点で第2の放射線画像に比べて劣る。したがって、可能な限り、第2の放射線画像を用いるのが好ましい。
【0025】
なお蓄積性蛍光体シートに被写体の画像を蓄積記録させる撮影記録操作においては、放射線源から拡がって放射線が出射するため、被写体から遠い側の第1の蓄積性蛍光体シートと、被写体に近い側の第2の蓄積性蛍光体シートとで、記録される被写体の画像のサイズが僅かに異なり、第1の放射線画像の方が第2の放射線画像よりもサイズが大きくなる。このため、再構成された画像において、この連結処理前の2つの放射線画像のサイズの相違が、観察読影に悪影響を与える場合には、第1の放射線画像および/または第2の放射線画像を相対的に拡大縮小処理して、両放射線画像のサイズを一致させるようにしてもよい。
【0026】
また2枚の蓄積性蛍光体シートからそれぞれ読み取って得られた2つの放射線画像のうち、いずれが被写体から遠い側のシートから読み取って得られた放射線画像または被写体に近い側のシートから読み取って得られた放射線画像であるかを予め特定することができない場合は、こられ2つの放射線画像を表す2つの放射線画像データにそれぞれエッジ検出処理を施し、このエッジ検出処理の結果に基づいて、上記2つの放射線画像のうち、いずれが被写体から遠い側のシートから読み取って得られた放射線画像(第1の放射線画像)または被写体に近い側のシートから読み取って得られた放射線画像(第2の放射線画像)であるかを特定するのが、自動処理のうえで好ましい。
【0027】
この場合、連ねられた蓄積性蛍光体シートが全部で2枚の場合は、いずれか一方の放射線画像にのみ境界線像が現れるため、エッジ検出処理により、境界線像が検出された方の放射線画像が、被写体から遠い側の蓄積性蛍光体シートから読み取られた放射線画像であり、境界線像が検出されなかった方の放射線画像が、被写体に近い側の蓄積性蛍光体シートから読み取られた放射線画像であることを特定することができる。また連ねられた蓄積性蛍光体シートが2枚を超える場合には、単に境界線像の有無のみでは、いずれが被写体から遠い側のシートから読み取って得られた放射線画像または被写体に近い側のシートから読み取って得られた放射線画像であるかを特定することができないが、隣接する2枚のシート間での重複部分は、シートの限られた範囲内に限定することができるため、その限定された範囲内では、いずれか一方の放射線画像にのみ境界線像が現れるため、エッジ検出処理により、境界線像が検出された方の放射線画像が、被写体から遠い側の蓄積性蛍光体シートから読み取られた放射線画像であり、境界線像が検出されなかった方の放射線画像が、被写体に近い側の蓄積性蛍光体シートから読み取られた放射線画像であることを特定することができる。
【0028】
本発明の放射線画像処理装置は、本発明の放射線画像の連結処理方法を実施するための装置であって、隣接する2枚の蓄積性蛍光体シートの一部分同士が互いに重複するように連ねられた複数枚の蓄積性蛍光体シートに亘って、被写体の放射線画像が記録され、これら複数枚の各蓄積性蛍光体シートから各別に読み取って得られた複数個の放射線画像を、前記被写体の放射線画像を再構成するように連結処理する連結処理手段を備えた放射線画像処理装置において、
前記隣接する2枚の蓄積性蛍光体シートのうちいずれか一方の蓄積性蛍光体シートから読み取って得られた放射線画像の、他方の蓄積性蛍光体シートとの重複部分に対応する重複領域内の少なくとも1つ以上の領域を、テンプレートとして設定するテンプレート設定手段と、
前記他方の蓄積性蛍光体シートから読み取って得られた放射線画像の、前記一方の蓄積性蛍光体シートとの重複部分に対応する重複領域内で、前記テンプレートに合致する領域を探索するテンプレートマッチング手段と、
前記探索して得られた領域と前記テンプレートとを合致させるように、前記2つの放射線画像の位置合わせを行う位置合わせ手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0029】
ここでテンプレート設定手段が設定するテンプレートは1つであってもよいし、2つ以上の複数であってもよいが、複数のテンプレートを用いた方が、位置合わせの信頼性を高めることができる点で好ましい。
【0030】
また、被写体から遠い側の第1の蓄積性蛍光体シートから読み取って得られた第1の放射線画像における、被写体に近い側の第2の蓄積性蛍光体シートとの重複部分の境界線像を検出し、この検出された境界線像に基づいて、第1の放射線画像および第2の蓄積性蛍光体シートから読み取って得られた第2の放射線画像のそれぞれにおける重複領域を検出する重複領域検出手段をさらに備えたものとするのが好ましい。この場合、重複領域検出手段を、第1の放射線画像を表す放射線画像データに対して、エッジ検出処理を施すことにより、境界線像を検出するものとするのが好ましい。
【0031】
テンプレート設定手段は、放射線画像の重複領域内の特徴画像を含む領域をテンプレートとして設定するものであることが望ましい。
【0032】
さらにテンプレート設定手段を、放射線画像における重複領域内の画像に基づいて特徴画像を自動的に検出するとともに、検出された特徴画像に基づいて、テンプレートを自動的に設定するものとするのが、オペレータの作業低減の観点から望ましい。
【0033】
なお、連結処理手段は、重複領域について、第2の放射線画像を前記第1の放射線画像に上書きして、第1の放射線画像と第2の放射線画像とを連結処理するものとするのが、連結処理により得られた放射線画像の濃度を一様にすることができる点で好ましい。
【0034】
また2枚の蓄積性蛍光体シートからそれぞれ読み取って得られた2つの放射線画像のうち、いずれが被写体から遠い側のシートから読み取って得られた放射線画像または被写体に近い側のシートから読み取って得られた放射線画像であるかを予め特定することができない場合は、これら2つの放射線画像を表す2つの放射線画像データにそれぞれエッジ検出処理を施し、このエッジ検出処理の結果に基づいて、上記2つの放射線画像のうち、いずれが被写体から遠い側のシートから読み取って得られた放射線画像(第1の放射線画像)または被写体に近い側のシートから読み取って得られた放射線画像(第2の放射線画像)であるかを特定する放射線画像特定手段をさらに備えた構成を採用するのが、自動処理のうえで好ましい。
【0035】
【発明の効果】
本発明の放射線画像の連結処理方法および放射線画像処理装置によれば、隣接する2枚の蓄積性蛍光体シートのうち、一方の蓄積性蛍光体シートから読み取って得られた放射線画像の、他方の蓄積性蛍光体シートとの重複部分に対応する重複領域内の少なくとも1つの領域をテンプレートとして設定し、他方の蓄積性蛍光体シートから読み取って得られた放射線画像の、一方の蓄積性蛍光体シートとの重複部分に対応する重複領域内で、このテンプレートに合致する領域を探索し、探索して得られた領域とテンプレートとを合致させるように、2つの放射線画像の位置合わせ行うため、単に2つの放射線画像を隙間無く連結するのとは異なり、精度よく位置合わせを行うことができ、その結果、正規の放射線画像を再構成することができる。
【0036】
また重複領域内のみという限られた領域内でテンプレートマッチングを行うため、テンプレートマッチング処理に要する時間を短くすることができ、さらにそのような狭い領域内で行うため、テンプレートマッチングの精度を高めることができる。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の放射線画像の連結処理方法を実施する放射線画像処理装置の具体的な実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0038】
図1は本発明の放射線画像連結処理方法を実施する放射線画像処理装置の一実施形態の構成を示す図、図2は一部同士が互いに重複した2枚の蓄積性蛍光体シートに被写体の1つの放射線画像が記録される様子を示す図であり、図3は図2に示された2枚の蓄積性蛍光体シートからそれぞれ読み取られた、図1に示す放射線画像処理装置により連結処理される2つの放射線画像を示す図である。
【0039】
図示の放射線画像処理装置は、隣接する2枚の蓄積性蛍光体シート31,32の一部分同士が互いに重複するように連ねられて、図2に示すように、両シート31,32に亘って被写体の放射線画像Pが記録され、これら2枚の各蓄積性蛍光体シート31,32から各別に読み取って得られた2個の放射線画像P1,P2を、被写体の放射線画像Pを再構成するように、これら2個の放射線画像P1,P2をそれぞれ表す放射線画像データS1,S2を連結処理する放射線画像処理装置であって、2枚のシート31,32の重複部分に対応する両放射線画像P1,P2の重複領域をそれぞれ検出する重複領域検出手段11と、被写体に近い側に配された第2の蓄積性蛍光体シート32から読み取って得られた第2の放射線画像P2の、重複領域検出手段11によって検出された重複領域内に記録された特徴画像Xを含む矩形領域を、テンプレートTとして設定するテンプレート設定手段12と、第1の蓄積性蛍光体シート31から読み取って得られた第1の放射線画像P1の、重複領域検出手段11によって検出された重複領域内で、テンプレートTに合致する領域T′を探索するテンプレートマッチング手段13と、探索して得られた領域T′とテンプレートTとを合致させるように、第1の放射線画像P1と第2の放射線画像P2との位置合わせ行う位置合わせ手段14と、位置合わせ手段14により位置合わせされた2つの放射線画像P1,P2(のデータS1,S2)を1つの放射線画像P(のデータS)に連結処理して出力する連結処理手段15とを備えた構成である。
【0040】
ここで重複領域検出手段11は、第1の放射線画像データS1に基づいて、第1の放射線画像P1に表れた、第2のシート32との重複部分の境界線像1cを検出し、第1の放射線画像P1の、この境界線像1cから重複領域側端縁(下端縁)1bまでの距離Lの範囲を重複領域として検出し、一方、第2の放射線画像P2の重複領域側端縁(上端縁)2aから、第1の放射線画像P1の境界線像1cから重複領域側端縁1bまでの距離Lの範囲を重複領域として検出する。
【0041】
第1の放射線画像データS1に基づいた、第1の放射線画像P1に表れた境界線像1cの検出は、図4(2)に示す縦8画素×横1画素のフィルタfを、同図(1)に示す第1の放射線画像P1の矢印X方向(両画像P1,P2の連結方向(矢印Y方向)に直交する方向)に沿って1画素ずつ移動させ、各移動ごとに、フィルタfの第1画素k1,第4画素k2,第5画素k3,第8画素k4にそれぞれ対応する放射線画像P1の画像データS1の値(以下、k1に対応する画像データS1の値をK1,k2に対応する画像データS1の値をK2,k3に対応する画像データS1の値をK3,k4に対応する画像データS1の値をK4という)について、下記論理式(1)にしたがった評価値Mを算出する。
【0042】
Figure 0004132373
この論理式は、第1画素k1のデータ値K1が第8画素k4のデータ値K4よりも大きく(すなわち濃度が濃く)かつ、第4画素k2のデータ値K2が第5画素k3のデータ値K3よりも大きい(濃度が濃い)場合は、第4画素k2と第5画素k3との間に濃度変動の大きい境界線像1cが存在する可能性が高いため、評価値Mを「+1」ずつ加算し、一方、第1画素k1のデータ値K1が第8画素k4のデータ値K4よりも小さくかつ、第4画素k2のデータ値K2が第5画素k3のデータ値K3よりも小さいときは、境界線像1cとは濃度の高低が逆転しているため、評価値Mを「−1」ずつ加算し、その他の場合は、評価値Mを変動させない(M=±0)。
【0043】
そして、X方向に沿って一方の側端縁から他方の側端縁までフィルタfを移動したときの評価値Mの値を、そのライン(X方向に延びるライン)の評価値Mとする。
【0044】
次にフィルタfを矢印Y方向に1画素だけ移動させて上述の作用を繰り返し、1画素移動したラインについての評価値Mを求める。以下、同様にY方向にフィルタを1画素ずつ移動させて各ラインの評価値Mを求め、評価値の値が正かつ最大値となるラインにおいて、フィルタfの第4画素k2と第5画素k3との間に境界線像が存在するということができる。
【0045】
ただしこのアルゴリズムによる境界線像1cの検出は、境界線像1cが放射線画像P1の上端縁または下端縁1bに略平行なものとして現れている場合には非常に有効であるが、境界線像1cが上端縁や下端縁1bに対して傾きを有する場合には、評価値Mが数ラインに亘って同様の値となり、境界線像1cを特定することができない。
【0046】
このように境界線像1cが傾きを有する場合には、評価値Mが同様の値を示した数ライン分の範囲でさらに、放射線画像P1の左右各側端縁近傍各1ヶ所で境界線像1cを探索し、左右各側端縁近傍でそれぞれ検出された境界線像1cを直線で結ぶことにより、境界線像1cを検出すればよい。
【0047】
なお、上述したフィルタfにおいて、単に第4画素k2と第5画素k3との隣接2画素間のデータ値K2,K3の差(K2−K3)のみで評価する微分処理でエッジ検出を行うことも可能であるが、ノイズの影響や記録されている画像自体の影響を受けやすいため、上述したような縦長のフィルタfを用いた評価を行うことで、精度よく境界線像1cを検出することができる。
【0048】
ただし、そのようなエッジ検出を排除するものではなく、第1の放射線画像P1の隣接2画素間の濃度(放射線画像データS1)勾配を、画素を当該矢印Y方向に1つずつ移動させて求め、図示上側の画素の濃度が下側の画素の濃度よりも高い隣接2画素を境界線像の存在位置候補として求め、この矢印方向の探索を、探索位置を矢印に直交する方向に1画素ずつ移動させたうえで同様に行い、この矢印に略直交するX方向に、境界線像1cの存在位置候補が最も多く分布した線を、境界線像1cとして検出する手法や、ハフ変換を利用して境界線像1cを検出するようにしてもよい。
【0049】
テンプレート設定手段12は、第2の放射線画像P2の、重複領域検出手段11によって検出された重複領域内に記録された特徴画像(特徴的な形状の骨部分(特に、この画像部分のエッジ部分)、肋骨同士が交差した画像部分(特に、この画像部分のエッジ部分)や肺野部分(特に、この画像部分のエッジ部分))Xを自動的に検出するように設定された検出アルゴリズムが予め記憶されており、この検出アルゴリズムにしたがって特徴画像を検出し、さらに、検出された特徴画像Xの近傍領域を含む矩形の局所領域をテンプレートTとして設定するテンプレート設定アルゴリズムが予め記憶されており、この設定アルゴリズムにしたがって自動的にテンプレートTを設定する。
【0050】
なお、上述したように特徴画像Xの検出およびテンプレートTの設定は、自動的に行うものに限るものではなく、オペレータがCRT等の表示装置に表示された放射線画像P2を観察して、この表示された放射線画像P2の重複領域内で特徴画像Xを探し、得られた特徴画像を囲むように、タッチパネルやマウス、タッチパネル等のインターフェイスを介して手動でテンプレートTを設定するようにしてもよい。
【0051】
また特徴画像Xとしては、例えば、両シート31および32の重複部分に放射線透過率の極めて低い材料で形成された位置合わせ用マーカを予め配置したうえで撮影記録を行った場合には、両放射線画像P1,P2の各重複領域に現れたこのマーカの像を適用することもできる。
【0052】
連結処理手段15は、位置合わせ手段14により位置合わせされた2つの放射線画像P1,P2のうち、これらの重複部分の画像データとして第2の放射線画像P2のデータS2を採用し、他の重複していない部分については、各画像データS1,S2をそれぞれ採用して、両画像データS1,S2を連結処理するものである。
【0053】
次に本実施形態の放射線画像処理装置の作用について説明する。
【0054】
まず図2に示すように、2枚の蓄積性蛍光体シート31,32に亘って被写体の放射線画像Pが記録されたこれら2枚の各シート31,32から、各別に読み取って得られた2個の放射線画像P1,P2をそれぞれ表す2つの放射線画像データS1,S2が、重複領域検出手段11に入力される。
【0055】
重複領域検出手段11は、第1の放射線画像データS1に基づいて、第1の放射線画像P1に表れた、第2のシート32との重複部分の境界線像1cを上述した作用により検出し、第1の放射線画像P1の、この境界線像1cから重複領域側端縁(下端縁)1bまでの距離Lの範囲を重複領域(図3(1)、図4)として検出し、一方、第2の放射線画像P2の重複領域側端縁(上端縁)2aから、第1の放射線画像P1の境界線像1cから重複領域側端縁1bまでの距離Lの範囲を重複領域(図3(2))として検出する。
【0056】
このようにして各放射線画像P1,P2における重複領域が検出されると、次にテンプレート設定手段12が、予め記憶されている特徴画像検出アルゴリズムにしたがって、第2の放射線画像P2の重複領域内に記録された特徴画像Xを自動的に検出し、さらに予め記憶されているテンプレート設定アルゴリズムにしたがって、検出された特徴画像Xの近傍領域を含む矩形の局所領域をテンプレートTとして自動的に設定する(図3(2))。
【0057】
次いでテンプレートマッチング手段13が、第1の放射線画像P1の重複領域内において、第2の放射線画像P2の重複領域内に設定されたテンプレートTに合致する領域T′を探索し、位置合わせ手段14が、検出された第1の放射線画像P1の領域T′と第2の放射線画像P2のテンプレートTとを合致させるように、第1の放射線画像P1と第2の放射線画像P2との位置合わせ行なう。この位置合わせに際しては、領域T′とテンプレートTとを合致させるために、必要に応じて、両画像のうち少なくとも一方を回転させることも行われる。ただし、上述した重複領域検出手段11による重複領域の検出の際に検出された第1の放射線画像P1中の境界線像1cが、水平方向(放射線画像P1の上端縁または下端縁の延びる方向)に対して傾きを有している場合には、予め第2の放射線画像P2の上端縁2aがその境界線像1cに平行になるように、テンプレート設定手段12により、第2の放射線画像P2を第1の放射線画像P1に対して回転させたうえでテンプレートTを設定してもよい。
【0058】
このようにして位置合わせ手段14により位置合わせされた2つの放射線画像P1,P2のデータS1,S2は、連結処理手段15により、図5に示す1つの放射線画像PのデータSに連結処理されて再構成され、外部のファイリング装置等に出力される。なおこの連結処理の際に、連結処理手段15は、2つの放射線画像P1,P2のうち、これらの重複部分の画像データとして第2の放射線画像P2のデータS2を採用し、他の重複していない部分については、各画像データS1,S2をそれぞれ採用して、両画像データS1,S2を連結処理する。
【0059】
このように本実施形態の放射線画像処理装置によれば、第2の放射線画像P2の、第1の蓄積性蛍光体シート31との重複部分に対応する重複領域内に記録された特徴画像Xを含む領域をテンプレートTとして設定し、第1の放射線画像P1の、第2の蓄積性蛍光体シート32との重複部分に対応する重複領域内で、このテンプレートTに合致する領域T′を探索し、探索して得られた領域T′とテンプレートTとを合致させるように、第1の放射線画像P1と第2の放射線画像P2との位置合わせ行うため、単に2つの放射線画像P1,P2を隙間無く連結するのとは異なり、精度よく位置合わせを行うことができ、その結果、正規の放射線画像Pを再構成することができる。
【0060】
また重複領域内のみという限られた領域内でテンプレートマッチングを行うため、テンプレートマッチング処理に要する時間を短くすることができ、さらにそのような狭い領域内で行うため、テンプレートマッチングの精度を高めることができる。
【0061】
なお本実施形態の放射線画像処理装置においては、境界線像1cが水平方向に対して傾斜していない放射線画像を例にして説明したが、この境界線像1cが水平方向に対して傾斜している放射線画像であっても問題なく適用可能であることはいうまでもない。
【0062】
また本実施形態の放射線画像処理装置では、設定するテンプレートは1つとして説明したが、2つの放射線画像の位置合わせの精度をより向上させるために、重複領域内で2以上の複数のテンプレートを設定するのが好ましく、そのような構成の実施形態を採用することのが望ましい。
【0063】
本実施形態の放射線画像処理装置においては、第1の放射線画像P1に境界線像1cが存在すること、すなわち第1の蓄積性蛍光体シート31の方が第2の蓄積性蛍光体シート32よりも、被写体から遠い側に配置されていることを予め認識していることを前提としているが、いずれの蓄積性蛍光体シート31または32が、他方32または31よりも被写体から遠い側に配されているかが既知でない場合は、境界線像は第1の放射線画像P1に存在するとは限らず、第2の放射線画像P2に存在する場合もある。
【0064】
そこで、このような場合は、上述した重複領域検出手段11による境界線像の検出作用を利用して、両放射線画像P1,P2の双方について上記式(1)による評価値Mを算出し、いずれの放射線画像P1またはP2に境界線像が存在するかを特定するようにしてもよい。
【0065】
すなわち重複領域検出手段11は、入力された両画像データS1およびS2についてそれぞれ、上述したラインごとの評価値Mを求め、各ラインごとの評価値Mのうち、その絶対値が最大のものを各放射線画像データS1,S2についての各評価値|M|max とする。ここで重複領域検出手段11は、、両放射線画像データS1,S2についての各評価値|M|max を比較し、その評価値|M|max が大きい方に境界線像が存在するものと特定する。
【0066】
すなわち、境界線像が存在する側では、フィルタfの第4画素と第5画素との間に境界線像が存在する水平ライン(図4においてX方向)上の全域に亘って、評価値Mが正(+1)または負(−1)のうち一方向に偏って振られるため、1ライン全体での総和の評価値Mの絶対値|M|は、境界線像が存在しない側に比して極めて大きな値となる。境界線像が存在しない側では、1ライン上の全域に亘って評価値Mが正または負の一方向に偏って振られる画像部分が存在せず、正、負または0がランダムに発生するため、1ライン全体の総和の評価値Mの絶対値|M|は、境界線像が存在する場合に比べて、相対的に小さい値を示すからである。
【0067】
なお重複領域検出手段11が、境界線像が存在するものと特定した側の放射線画像P1またはP2について、上述した評価値Mに基づいた境界線像の検出を行うが、第1の放射線画像P1に境界線像が存在する場合と、第2の放射線画像P2に境界線像が存在する場合とでは評価値Mの正負が逆転することに注意を要する。すなわち図2において、下側のシート32の方が、上側のシート31よりも、被写体から遠くなるように重複している場合には、下側のシート32から読み取って得られた放射線画像P2の上部に境界線像が形成され、この場合、上記式(1)によれば、評価値Mが負で、かつその絶対値が最大となるラインにおいて、第4画素k2と第5画素k3との間に境界線像が存在することを検出することができる。
【0068】
このように、両放射線画像P1,P2を表す2つの放射線画像データS1,S2についてそれぞれ境界線像の検出処理を行い、その結果に基づいて、いずれの蓄積性蛍光体シート31または32が、被写体から遠い側に配置された撮影記録が行われたかを特定することで、放射線画像の連結処理を自動化するのに有用となる。
【0069】
また、蓄積性蛍光体シート31,32から放射線画像データS1,S2を読み取る、図示しない放射線画像読取装置が、シートから放射線画像データS1,S2を読み取るに際して、各シートの端縁に記録された画像まで完全に読み取ることができない場合、例えばシート32に記録された画像P2が図6(1)に示すものである場合に、本来読み取って得られる画像P2の端縁2aからその読み取ることができない長さmの領域内の画像情報は失われ、端縁2aから長さmだけ画像P2側に浸食した位置2a′が端縁2aとされた画像P2(図6(2))が重複領域検出手段11に入力されることになる。
【0070】
この場合、テンプレートマッチング手段13によりテンプレートマッチングが行われ、位置合わせ手段14により両放射線画像P1,P2の位置合わせ処理が行われ、連結処理手段15が連結処理して再構成すると、重複領域のうち上記放射線画像の読取り段階で失われた領域部分(長さmの領域部分)については、第2の放射線画像データS2が存在しないため、連結処理手段15は、その長さmの領域部分について、第1の放射線画像P1の境界線像1cから長さmの画像部分に対応する第1の放射線画像データS1を用いて放射線画像Pを再構成する(図7)。
【0071】
このとき、第1の放射線画像データS1を採用して再構成された境界線像1cから長さmの帯状領域については、第2のシート32が重複して記録された画像部分(第1の放射線画像P1)の画像データであるため、他の部分よりも濃度が薄くなる。そこで連結処理手段15が、第1の放射線画像データS1を採用したこの帯状領域の濃度を、他の部分の濃度に略一致するように、一律にシフトするなどの補正処理を行うものとすればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の放射線画像連結処理方法を実施する放射線画像処理装置の一実施形態の構成を示す図
【図2】一部同士が互いに重複した2枚の蓄積性蛍光体シートに被写体の1つの放射線画像が記録される様子を示す図
【図3】図2に示された2枚の蓄積性蛍光体シートからそれぞれ読み取られた2つの放射線画像を示す図
【図4】境界線像検出の作用を説明する図
【図5】図1に示した放射線画像処理装置により連結処理された放射線画像を示す図
【図6】画像読取時に重複領域の一部分が欠落することを説明する図
【図7】重複領域の一部分が欠落した放射線画像に基づいて連結処理された放射線画像を示す図
【符号の説明】
11 重複領域検出手段
12 テンプレート設定手段
13 テンプレートマッチング手段
14 位置合わせ手段
15 連結処理手段
31 第1の蓄積性蛍光体シート
1a 第1の放射線画像に表れた境界線像
1b 第1の放射線画像の下端縁
32 第2の蓄積性蛍光体シート
32a 第2の蓄積性蛍光体シートの重複部分側端縁
2a 第2の放射線画像の端縁
P1 第1の放射線画像
P2 第2の放射線画像
P 元の放射線画像および再構成された放射線画像
S1 第1の放射線画像データ
S2 第2の放射線画像データ
S 再構成された放射線画像データ

Claims (12)

  1. 隣接する2枚の蓄積性蛍光体シートの一部分同士が互いに重複するように連ねられた複数枚の蓄積性蛍光体シートに亘って、被写体の1つの放射線画像が記録され、これら複数枚の各蓄積性蛍光体シートから各別に読み取って得られた複数個の放射線画像を、前記1つの放射線画像を再構成するように連結処理するに際して、
    前記隣接する2枚の蓄積性蛍光体シートのうちいずれか一方の蓄積性蛍光体シートから読み取って得られた放射線画像の、他方の蓄積性蛍光体シートとの重複部分に対応する重複領域内の少なくとも1つ以上の領域を、テンプレートとして設定し、
    前記他方の蓄積性蛍光体シートから読み取って得られた放射線画像の、前記一方の蓄積性蛍光体シートとの重複部分に対応する重複領域内で、前記テンプレートに合致する領域を探索し、
    前記探索して得られた領域と前記テンプレートとを合致させるように、前記2つの放射線画像の位置合わせを行うと共に、
    前記2枚の蓄積性蛍光体シートのうち前記被写体から遠い側の第1の蓄積性蛍光体シートから読み取って得られた第1の放射線画像における、前記被写体に近い側の第2の蓄積性蛍光体シートとの重複部分の境界線像を検出し、該検出された境界線像に基づいて、前記重複領域を検出することを特徴とする放射線画像の連結処理方法。
  2. 前記境界線像の検出は、前記第1の放射線画像を表す放射線画像データに対して、エッジ検出処理を施すことにより行うことを特徴とする請求項記載の放射線画像の連結処理方法。
  3. 前記放射線画像の重複領域内の特徴画像を含む領域を、前記テンプレートとして設定することを特徴とする請求項1または2記載の放射線画像の連結方法。
  4. 前記特徴画像は、前記放射線画像における前記重複領域内の画像に基づいて自動的に検出され、該検出された特徴画像に基づいて前記テンプレートが自動的に設定されることを特徴とする請求項記載の放射線画像の連結処理方法。
  5. 前記重複領域については、前記2枚の蓄積性蛍光体シートのうち前記被写体に近い側の第2の蓄積性蛍光体シートから読み取って得られた第2の放射線画像を、前記被写体から遠い側の第1の蓄積性蛍光体シートから読み取って得られた第1の放射線画像に上書きして、前記前記第1の放射線画像と第2の放射線画像とを連結処理することを特徴とする請求項1からのうちいずれか1項に記載の放射線画像の連結処理方法。
  6. 前記2つの放射線画像を表す2つの放射線画像データにそれぞれ前記重複部分の境界線像を検出するエッジ検出処理を施し、該エッジ検出処理の結果に基づいて、前記2つの放射線画像のうち、いずれが前記被写体から遠い側の第1の蓄積性蛍光体シートから読み取って得られた第1の放射線画像または前記被写体に近い側の第2の蓄積性蛍光体シートから読み取って得られた第2の放射線画像であるかを特定することを特徴とする請求項1からのうちいずれか1項に記載の放射線画像の連結処理方法。
  7. 隣接する2枚の蓄積性蛍光体シートの一部分同士が互いに重複するように連ねられた複数枚の蓄積性蛍光体シートに亘って、被写体の放射線画像が記録され、これら複数枚の各蓄積性蛍光体シートから各別に読み取って得られた複数個の放射線画像を、前記被写体の放射線画像を再構成するように連結処理する連結処理手段を備えた放射線画像処理装置において、
    前記隣接する2枚の蓄積性蛍光体シートのうちいずれか一方の蓄積性蛍光体シートから読み取って得られた放射線画像の、他方の蓄積性蛍光体シートとの重複部分に対応する重複領域内の少なくとも1つ以上の領域を、テンプレートとして設定するテンプレート設定手段と、
    前記他方の蓄積性蛍光体シートから読み取って得られた放射線画像の、前記一方の蓄積性蛍光体シートとの重複部分に対応する重複領域内で、前記テンプレートに合致する領域を探索するテンプレートマッチング手段と、
    前記探索して得られた領域と前記テンプレートとを合致させるように、前記2つの放射線画像の位置合わせを行う位置合わせ手段と
    前記2枚の蓄積性蛍光体シートのうち前記被写体から遠い側の第1の蓄積性蛍光体シートから読み取って得られた第1の放射線画像における、前記被写体に近い側の第2の蓄積性蛍光体シートとの重複部分の境界線像を検出し、該検出された境界線像に基づいて、前記重複領域を検出する重複領域検出手段とを備えたことを特徴とする放射線画像処理装置。
  8. 前記重複領域検出手段は、前記第1の放射線画像を表す放射線画像データに対して、エッジ検出処理を施すことにより、前記境界線像を検出するものであることを特徴とする請求項記載の放射線画像処理装置。
  9. 前記テンプレート設定手段が、前記重複領域内の特徴画像を含む領域を、前記テンプレートとして設定するものであることを特徴とする請求項7または8記載の放射線画像処理装置。
  10. 前記テンプレート設定手段が、前記特徴画像を自動的に検出するとともに、該検出された特徴画像に基づいて前記テンプレートを自動的に設定するものであることを特徴とする請求項からのうちいずれか1項に記載の放射線画像処理装置。
  11. 前記連結処理手段は、前記重複領域について、前記2枚の蓄積性蛍光体シートのうち前記被写体に近い側の第2の蓄積性蛍光体シートから読み取って得られた第2の放射線画像を、前記被写体から遠い側の第1の蓄積性蛍光体シートから読み取って得られた第1の放射線画像に上書きして、前記前記第1の放射線画像と第2の放射線画像とを連結処理するものであることを特徴とする請求項から10のうちいずれか1項に記載の放射線画像処理装置。
  12. 前記2枚の蓄積性蛍光体シートからそれぞれ読み取って得られた2つの放射線画像を表す2つの放射線画像データにそれぞれ前記重複部分の境界線像を検出するエッジ検出処理を施し、該エッジ検出処理の結果に基づいて、前記2つの放射線画像のうち、いずれが前記被写体から遠い側の第1の蓄積性蛍光体シートから読み取って得られた第1の放射線画像または前記被写体に近い側の第の蓄積性蛍光体シートから読み取って得られた第2の放射線画像であるかを特定する放射線画像特定手段をさらに備えたことを特徴とする請求項から11のうちいずれか1項に記載の放射線画像処理装置。
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