JP4132337B2 - 金属吸着物質の測定方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属吸着物質の測定方法に関し、特に電気めっき液中の光沢剤、平滑剤などの金属吸着物質の測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、電気めっき液中には、チオ尿素やシアン化物、ポリエチレングリコールなどの光沢剤、平滑剤と呼ばれる添加剤が含まれている。このような添加剤は、金属吸着性物質であり、被めっき物である金属面の凸部に吸着して、めっき析出を妨害し、優先的に凹部にめっき析出させて表面を平坦化させる。
めっき技術を用いた基板等の量産時には、電気めっき液の濃度管理が不可欠であり、そのためには、これらの添加剤の濃度を測定する必要があった。
【0003】
しかし、これらの添加量は微量であり、また電気めっき液中には、金属イオンおよびそれを溶解させるために必要なpH調製剤としての硫酸が溶解しているため、液体クロマトグラフィーによる分析が難しく、特にチオ尿素と硫酸は、液体クロマトグラフィーの保持時間(リテンションタイム)が殆ど同じであり、また、硫酸量がチオ尿素に対して過剰であるため、ベースラインが大きく歪んでしまい、定量分析は不可能であった。
【0004】
そこで、このような電気めっき液中でチオ尿素を定量分析することができる分析方法として、特開平3−207898号公報に挙げられているような、アジ化ナトリウム、ヨウ素、デンプン呈色反応等を利用した吸光光度分析法が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような吸光光度分析法は、煩雑な前処理が必要であり、また、前処理を行った際の反応率によって呈色物質の濃度が変わってしまい、分析精度が低いという問題もあった。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、その目的は、煩雑な前処理を不要とし、高い精度で測定することができる金属吸着物質の測定方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明者らは、鋭意研究した結果、金属製電極に金属吸着物質が付着すると電極の酸化還元反応が抑制され、分極曲線の形態に変化が生じるという現象を発見し、さらに、この現象を利用して、複数の濃度既知の溶液の分極曲線の知見を得ておけば、逆に濃度未知の溶液の分極曲線から金属吸着物質の濃度を測定できることを見いだした。
その結果、発明者らが想到した発明の要旨構成は以下のとおりである。
【0007】
(1)金属吸着物質の溶解する濃度既知の溶液中に、作用電極、対向電極および参照電極を浸漬し、上記作用電極と上記対向電極との間に電圧を掃引印加し、上記参照電極に対する上記作用電極の電位を測定しつつ、上記作用電極と上記対向電極との間に生じる電流を測定して予め分極曲線を求めておき、次に、上記金属吸着物質の溶解する濃度未知の溶液中に、上記作用電極、上記対向電極および上記参照電極を浸漬して同様に分極曲線を求め、
上記2種類の分極曲線の対比から金属吸着物質の濃度を測定することを特徴とする金属吸着物質の測定方法である。
【0008】
上記(1)記載の金属吸着物質の測定方法においては、濃度既知の溶液の分極曲線を用いて、特定電流値における作用電極電位を測定して予め検量線を得、同様にして求めた濃度未知の溶液の分極曲線を用いて、特定電流値における電位を測定して、上記検量線から濃度を算出することが好ましく、
濃度既知の溶液の分極曲線を用いて、初期電流値を測定して予め検量線を得、同様にして求めた濃度未知の溶液の分極曲線を用いて、初期電流値を測定して、上記検量線から濃度を算出することが好ましく、
濃度既知の溶液の分極曲線を用いて、電流密度(=電流/作用電極表面積)が1A/dm2 における分極抵抗(δE/δI)値を求めて予め検量線を得、同様にして求めた濃度未知の溶液の分極曲線を用いて、上記分極抵抗値を求め、上記検量線から濃度を算出することが好ましい。
【0009】
また、上記金属吸着物質の測定方法においては、上記作用電極および上記対向電極はいずれも銅製であり、上記参照電極は飽和カンコウ電極であることが好ましく、上記金属吸着物質は、チオ尿素、シアン化物、ポリエチレングリコールから選ばれる少なくとも1種以上であることが好ましい。
【0010】
また、測定される上記金属吸着物質の濃度は、0.1〜300mg/lの範囲であることが好ましく、上記金属吸着物質の溶解する溶液は、硫酸水溶液であることが好ましい。
【0011】
ところで、特開平7−83881号公報には、分極曲線を用いた過酸化水素の分析方法が開示されているが、この測定は、過酸化水素の測定方法であって、金属吸着物質についての測定方法ではなく、作用電極に対する金属吸着物質の吸着と電流量との関係についても記載されていないのみならず、そのような示唆もなく、本発明とは全く別発明であることを付記しておく。
以下、発明の実施の形態に則して発明を説明する。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の金属吸着物質の測定方法は、金属吸着物質の溶解する濃度既知の溶液中に、作用電極、対向電極および参照電極を浸漬し、上記作用電極と上記対向電極間に電圧を掃引印加し、上記参照電極に対する上記作用電極の電位を測定しつつ、上記作用電極と上記対向電極との間に生じる電流を測定し、予め、分極曲線を求めておき、次に、上記金属吸着物質の溶解する濃度未知の溶液中に、上記作用電極、上記対向電極および上記参照電極を浸漬して同様に分極曲線を求め、上記2種類の分極曲線の対比から金属吸着物質の濃度を測定することに特徴がある。
【0013】
このような本発明の構成によれば、煩雑な前処理が不要で、精度の高い定量分析が可能となる。また、本発明の金属吸着物質の測定方法は、共存する金属イオンや硫酸の影響を受けにくいため、電気めっき液中の添加剤の濃度を確実に測定することができるという利点を有する。
【0014】
本発明では、最初に金属吸着物質の溶解する濃度既知の溶液中に、作用電極、対向電極および参照電極を浸漬し、上記作用電極と上記対向電極との間に電圧を掃引印加し、上記参照電極に対する上記作用電極の電位(以下、作用電極電位ともいう)を測定しつつ、上記作用電極と上記対向電極との間に生じる電流を測定して、電位と電流からなる分極曲線を得る。
上記金属吸着物質は、上記作用電極に吸着して酸化還元反応を抑制するため、上記作用電極と上記対向電極との間に生じる電流が、金属吸着物質の濃度によって異なる。このため、濃度既知で、濃度の異なる複数の溶液について分極曲線を得ておき、同様の分極曲線を濃度未知の溶液について求めれば、上記2種類の分極曲線の対比から濃度が測定できるのである。
【0015】
上記方法を用いた金属吸着物質の測定方法において、濃度既知と濃度未知の分極曲線の対比方法としては、例えば、以下の3つ方法が挙げられる。
対比方法1は、特定電流値における作用電極電位を測定して、予め検量線を得る方法である。
金属吸着物質の濃度の異なる複数の溶液の分極曲線から、特定電流値、例えば、電流値6mAにおける作用電極電位を求める。上記作用電極電位は、金属吸着物質の濃度によって異なるため、濃度と電位の関係を検量線とすることができる。
図1に、硫酸および硫酸銅の水溶液中のチオ尿素の濃度と分極曲線の関係を示す。上記硫酸および硫酸銅は、めっき液中には必要なものであるため、チオ尿素を含まないBLANK溶液として、硫酸および硫酸銅を一定の濃度で含む溶液を使用する。図1では、硫酸を180g/l、硫酸銅を80g/lで使用している。
図1に示したように、チオ尿素の濃度が10mg/l、30mg/l、50mg/lと高くなるに従って、点線で示した電流値6mAにおける作用電極電位も320mV、350mV、380mVと次第に高くなることが判る。
従って、予め、チオ尿素等の金属吸着物質の濃度が既知で、濃度の異なる複数の溶液に対し、上記電流値6mAにおける作用電極電位を測定し、濃度と作用電極電位との関係を示す点をプロットして検量線を描いておけば、濃度未知の溶液の分極曲線から電流値6mAにおける作用電極電位を求めることにより、上記溶液中の金属吸着物質の濃度を知ることができるのである。
このとき、選択する電流値としては、各濃度の金属吸着物質に対して分極曲線が安定して上昇している部分を選ぶ必要がある。
この場合、検量線のもととなる既知濃度の金属吸着物質を含む溶液の分極曲線の測定を多く行い、プロット数を多くすればする程、その分析値に対する信頼性は大きくなる。
【0016】
対比方法2は、初期電流値を測定して、予め検量線を得る方法である。
ここで、上記初期電流値とは、分極曲線の微分係数が0になる最小の電流値である。
図1に示したように、チオ尿素の濃度が10mg/l、30mg/l、50mg/lと高くなるに従って、初期電流値は、A点、B点、C点で示すように、4.5mA、2.6mA、1.0mAと次第に低くなっている。
従って、対比方法1の場合と同様に、金属吸着物質の濃度が既知で、濃度の異なる複数の溶液に対し、上記初期電流値を測定し、濃度と初期電流値との関係を示す点をプロットして検量線を描いておけば、濃度未知の溶液の分極曲線から初期電流値を求めることにより、上記溶液中の金属吸着物質の濃度を知ることができるのである。
【0017】
対比方法3は、電流密度(=電流/作用電極表面積)が1A/dm2 に相当する電流量における分極抵抗(δE/δI)値を求めて、検量線を作成する方法である。
ここで、上記電流密度は、電流値/作用電極表面積で計算される。また、上記分極抵抗値とは、作成した分極曲線(図2)の1A/dm2 の電流密度における傾きの逆数である。
この対比方法3は、検量線を得る場合に使用される作用電極と、濃度未知の溶液の測定に使用される作用電極の大きさが異なっていてもよいため、より汎用的な対比方法である。上記電流密度は、1A/dm2 に限定されず、測定条件等を考慮して適宜設定すればよい。
図2に、BLANKとチオ尿素の濃度30mg/lの場合の分極曲線を示す。図2の分極曲線において、電流密度が1A/dm2 の場合の電位は、点線で示したレベルである。
従って、この分極曲線から分極抵抗値を算出することができる。計算の結果、上記分極抵抗値はBLANKでは、14.0Ωで、チオ尿素の濃度30mg/lでは、5.0Ωである。このように、チオ尿素の存在により、分極抵抗値が大きく変わり、チオ尿素の濃度が高くなるに従い、分極抵抗値は次第に低くなる。
従って、対比方法1の場合と同様に、金属吸着物質の濃度が既知で、濃度の異なる複数の溶液に対し、上記分極抵抗値を測定し、濃度と分極抵抗値との関係を示す点をプロットして検量線を描いておけば、濃度未知の溶液の分極曲線から分極抵抗値を求めることにより、上記溶液中の金属吸着物質の濃度を知ることができるのである。
【0018】
なお、本発明では検量線から濃度を測定する際に、X−Y平面に検量線を描き、その描かれた検量線から濃度を求める古典的な手法だけでなく、検量線の方程式を近似的に演算し、代数学的な処理により濃度を計算する方法も採用することができる。
本発明の測定方法で測定される金属吸着物質としては、例えば、チオ尿素、シアン化物(シアン化カリウム、シアン化ナトリウムなどの金属シアン化物など)、ポリエチレングリコール等が挙げられる。これらは、電気めっきの添加剤として使用され、金属との吸着性に優れるからである。
【0019】
測定される上記金属吸着物質の濃度は、0.1〜300mg/lの範囲であることが好ましい。濃度が高すぎると金属吸着物質の作用電極への吸着量が多くなりすぎ、濃度によって分極曲線の形態が変わらなくなり、濃度が低すぎると、いわゆるブランクの分極曲線とその形態が変わらなくなり、いずれにしても濃度測定が困難になるからである。
【0020】
本発明の測定方法は、電気めっき液中の添加剤の測定に使用される。
上記電気めっきとしては、銅めっき、ニッケルめっき、コバルトめっき、スズめっき、金めっき等が挙げられる。
銅めっき液としては、硫酸と硫酸銅とを含む水溶液を使用することができる。また、ニッケルめっき液としては、硫酸ニッケルまたは塩化ニッケルとほう酸とを含む水溶液を使用することができる。さらに、コバルトめっきとしては、塩化コバルトまたは塩基性炭酸コバルトと亜リン酸とを含む水溶液を使用することができる。スズめっき液としては、塩化スズを含む水溶液を使用することができる。また、金めっきとしては、塩化金またはシアン化金カリウムを含む水溶液を使用することができる。
【0021】
上記金属吸着物質の溶解する溶液は、硫酸水溶液であることが望ましい。硫酸水溶液中の金属吸着物質は、液体クロマトグラフィーによる分析が困難であり、本発明の測定方法が最も有利となるからである。具体的には、電気銅めっき液中のチオ尿素の測定に使用することが最適である。
【0022】
次に、本発明で使用する測定装置について説明する。
図3は、本発明で使用する測定装置の一例を模式的に示したブロック図である。
この測定装置は、金属吸着物質を含む溶液31を入れるための浴槽32と、浴槽32中に浸漬する作用電極33、対向電極34および参照電極35とを具備し、
さらに、作用電極33と対向電極34との間に電圧を掃引印加するための電源部36と、
参照電極35に対する作用電極33の電位、および、作用電極33と対向電極34との間に生じる電流を測定する測定部37と、
電源部36および測定部37を制御する制御部38と、
参照電極35に対する作用電極33の電位および作用電極33と対向電極34との間に生じる電流から分極曲線を描く演算部39と、
演算結果等を記憶する記憶部40とを具備している。
【0023】
上記測定装置において、浴槽32は、酸やアリカリに耐えられる耐食性が必要であるため、ポリカーボネート等のエンジニアリングプラスチック;ステンレス、チタン等の金属等であることが望ましい。
作用電極33および対向電極34は金属であれば使用することができ、銅、炭素鋼、鉄、亜鉛、カドミウム、モネルメタル、チタン、ジルコニウム、タンタル、ニオブから選ばれる少なくとも1種が望ましいが、電気銅めっき液中の金属吸着物質を測定する場合には、銅が最適である。
【0024】
また、参照電極35は飽和カンコウ電極であることが望ましい。最も汎用の参照電極だからである。
電源部36は、作用電極33と対向電極34との間に電圧を掃引印加するものであり、制御部38によって制御される。測定部37では、参照電極35に対する作用電極33の電位、即ち、酸化還元電位、および、作用電極33と対向電極34との間に生じる電流を測定する。この測定結果は、演算部39に送られて分極曲線が演算されるのである。演算された分極曲線は、チャート紙に描画されるか、あるいはデータ化され記憶部に格納される。
【0025】
また、制御部38には、検量線を描く際に、金属吸着物質の濃度を入力し、その濃度の金属吸着物質を含む溶液31を浴槽32に入れれば、スタートスイッチにより、自動的に電圧を掃引印加し、得られた分極曲線を記憶部40に記憶させるプログラム、記憶部40に記憶された分極曲線に基づき、3つの対比方法で必要となる作用電極電位、初期電流値、分極抵抗等を演算部39で計算させるプログラム、金属吸着物質の各濃度における作用電極電位等に基づいて検量線を作成させるプログラム、未知濃度の金属吸着物質を含む溶液を浴槽に入れた際に、作成した検量線に基づいてその金属吸着物質の濃度を算出するプログラム等が収められており、本発明の測定装置を用いることにより、金属吸着物質を含む溶液の濃度を自動的に測定することができるようになっている。
【0026】
一般に、電源部、測定部、制御部、演算部は一体の装置となって市販されており、具体的には、北斗電工社製のFunction generator HB−104、Potentiostat/Galvanostat HA303などの装置がある。
【0027】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
(実施例)
(1)硫酸180g/l、硫酸銅80g/l、チオ尿素(10mg/l、30mg/l、50mg/l)からなる硫酸銅めっき浴を調製した。
(2)表面積50.2dm2 の銅製の作用電極、表面積100mm2 の銅製の対向電極、飽和カンコウ電極を有する分極曲線測定装置として、前述の北斗電工社製のFunction generator HB−104、Potentiostat/Galvanostat HA303を用い、(1)の硫酸銅めっき浴中に電極を浸漬して、作用電極電位0〜400mVの範囲で電圧を印加した。その結果、作用電極と対向電極との間に0〜16mAの電流が発生し、図1に示すような分極曲線が得られた。
【0028】
(3)各分極曲線の電流値6mAにおける作用電極電位を図1より求めた。その結果、チオ尿素濃度10mg/l、30mg/l、50mg/lで、それぞれの作用電極電位は、320mV、350mV、380mVであった。これらの結果から得られた検量線の方程式は、y−2x1.00/3+203.33=0であった。
(4)一方、硫酸180g/l、硫酸銅80g/l、チオ尿素30mg/l、からなる硫酸銅めっき浴を用いて、スレンレス板の表面に10分間電気銅めっきを行った。
このめっきを行った銅めっき液を用いて、(1)と同様に分極曲線を求め、電流値6mAにおける作用電極電位を測定した。その結果、作用電極電位は340mVであった。
検量線の方程式からチオ尿素濃度は、23.3mg/lに減少していることが判った。
【0029】
【発明の効果】
以上の説明のように、本発明の構成からなる測定方法によれば、煩雑な前処理が不要で、精度の高い分析を実現できる。また、共存する金属イオンや硫酸の影響を受けにくいため、電気めっき液中の添加剤の濃度を確実に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の金属吸着物質の測定方法を用いて得られた硫酸、銅イオンおよびチオ尿素を含むめっき液の分極曲線である。
【図2】本発明の金属吸着物質の測定方法を用いて得られた硫酸、銅イオンおよびチオ尿素を含むめっき液(1)、および、硫酸および銅イオンを含むめっき液(2)の分極曲線である。
【図3】 本発明の金属吸着物質の測定方法に用いる測定装置の一例を模式的に示したブロック図である。
【符号の説明】
31 金属吸着物質を含む溶液
33 作用電極
34 対向電極
35 参照電極

Claims (5)

  1. 金属吸着物質の溶解する濃度既知の溶液中に、作用電極、対向電極および参照電極を浸漬し、前記作用電極と前記対向電極との間に電圧を掃引印加し、前記参照電極に対する前記作用電極の電位を測定しつつ、前記作用電極と前記対向電極との間に生じる電流を測定して予め分極曲線を求めておき、
    前記濃度既知の溶液の分極曲線を用いて、電流密度(=電流/作用電極表面積)が1A/dm における分極抵抗(δE/δI)値を求めて予め検量線を得、
    次に、前記金属吸着物質の溶解する濃度未知の溶液中に、前記作用電極、前記対向電極および前記参照電極を浸漬して同様に分極曲線を求め、
    前記濃度未知の溶液の分極曲線を用いて、前記分極抵抗値を求め、前記検量線から金属吸着物質の濃度を測定することを特徴とする金属吸着物質の測定方法。
  2. 前記作用電極および前記対向電極はいずれも銅製であり、前記参照電極は飽和カンコウ電極である請求項1に記載の金属吸着物質の測定方法。
  3. 前記金属吸着物質は、チオ尿素、シアン化物、ポリエチレングリコールから選ばれる少なくとも1種以上である請求項1又は2に記載の金属吸着物質の測定方法。
  4. 測定される前記金属吸着物質の濃度は、0.1〜300mg/lの範囲である請求項1〜3のいずれかに記載の金属吸着物質の測定方法。
  5. 金属吸着物質の溶解する溶液は、硫酸水溶液である請求項1〜4のいずれかに記載の金属吸着物質の測定方法。
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