JP4131873B2 - 身体補装具 - Google Patents

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Description

この発明は、変形し機能障害が生じている脊柱や四肢関節等に装着して、矯正や機能回復等を促進する身体補装具に関する。
人体の骨や関節は、いろいろな原因により変形が生じて痛みが発生したり、関節が動きにくくなる等の機能障害が起こる。また、病気の影響で身体の一部が麻痺して動作ができなくなることがある。
例えば、日本人の膝関節の加齢性変形は内反変形(O脚変形)が多い。偏った関節荷重により関節面を覆う軟骨が磨耗し、露出した骨面で荷重を支えるようになると、疼痛と骨性変形が発現する。変形を矯正する保存的療法として、足底板により膝関節面の向きを変える方法、金属支柱や樹脂を用いた膝装具(硬性装具)で直接矯正を行う方法などがある。外科的療法として骨切り術や人工関節置換術が行われる。膝関節変形は、発現から高度化まで数年をかけて徐々に進行する性質のものであるが、現在行われている保存的療法(薬物療法を含む)には変形進行阻止効果が少なく、変形の高度化を待って手術が行われているのが現状である。重症例は一般に高齢者に多くなるが、硬性装具は日常性活動を阻害し、外科的療法は高齢者に対する適応に限界がある。従って、膝関節変形痛に悩む高齢者に適切な治療法がないのが現状である。
一方、美容健康機器の分野では両膝を外側から弾力性バンドで巻くことによって変形膝を矯正する機器がある。しかし、筋力増強、膝関節可動域訓練と同時に膝変形を矯正する機器は開発されていない。良好で持続的な膝関節変形(内反膝および外反膝(X脚))矯正を達成するためには、膝関節変形凹部の関節包・靱帯の伸展性増加、関節可動域の増加および膝関節伸展筋の筋力増加が必要である。特に後者の所見は、最近の運動学的研究の成果であり、膝関節変形と疼痛の発生および可動域減少の大きな増悪因子に膝伸筋力(大腿四頭筋)の低下があること、また大腿四頭筋の筋力低下は膝関節変形性痛に起因することが多く、膝痛との間に悪循環を形成している。さらに、大腿四頭筋の積極的強化により、疼痛と関節可動域が改善することが明らかとなっている。なおX脚やO脚を矯正するためには、膝関節の凹変形部の組織の柔軟性を増し、さらに膝を伸ばす筋を鍛える必要がある。
その他、脊柱・骨盤接合部疾患の代表例は変形性腰椎症である。従来の保存的療法は軟性あるいは硬性コルセットを使用し、コルセット構成素材の金属または樹脂支柱、およびコルセットによる腹圧増加効果による内蔵支柱の両者により、罹患部への荷重の一部を罹患部以外の骨盤部分へバイパスさせていた。腰椎の変性・変形が高度になると、硬性コルセットの持続的使用が必要となるが、強固な固定は組織萎縮を誘発し、また日常生活動作を阻害する。
股関節疾患の代表である変形性股関節症に対しては、股関節外転装具が一般に用いられる。この装具は大腿骨頭荷重面の変更と股関節外転筋力補強効果による疼痛軽減を目的とするもので、股関節荷重バイパス効果はない。股関節免荷装具としては金属あるいは硬質樹脂製の装具があるが、日常生活活動を阻害し実用的ではない。一方、脊椎変性疾患に対しては徐圧・固定術、股関節変性疾患に対しては骨切り術や人工関節置換術があるが、いずれも侵襲が大きく高齢者には適応が少ない。
また、脳卒中後の片麻痺発症後、手指・手関節の屈筋力が回復したにもかかわらず伸筋力が十分に回復していない状態の患者は、手指・手関節は屈筋の痙縮性(意思に関わらず収縮すること)のため、握り締め屈曲位を取る場合が多い。このままではやがて関節包・靱帯の拘縮(関節が柔軟性を失う状態)が発生し、たとえ伸筋力が回復しても動かせなくなる。これを予防するためには、他動的に例えば訓練士など他者や自分の麻痺していない手等を使って動かし、関節の柔軟性を保つ必要がある。しかし、これを日常生活において頻繁に実施することは難しい。また、他動的に開いた手を自分の意思で握ることができる患者の場合、何らかの方法で麻痺した手を開くことが可能なら、手すりにつかまる、物を握る等の動作が可能になる。脳卒中後の片麻痺上肢に対し、常時身体装着可能な関節拘縮予防改善訓練具や、手指握り動作を補助する装具はまだ開発されていない。手掌に空気袋を置きその膨張により手指や手関節を受動的に伸展させる訓練機器は、特許文献1、特許文献2に開示されているが、手掌側が機器により占拠されているため手指・手掌を用いた物体掴み・握り動作は不可能である。また手指・手関節の伸展訓練に用いる場合でも、機器が大型で重く、また電源コード式電力供給方式のため、患者は訓練中機器の前から離れることができない。このため多くの片麻痺患者の手は、不自由なまま放置される場合が多い。
一般に脊柱の後側弯変形度は加齢により増加し、背部痛や内臓の圧迫性障害が加齢に従って出現してくる傾向がある。脊柱の後側弯変形の矯正方法には保存的療法(矯正体操、装具による矯正)と外科的療法がある。変形矯正が体外から加えられる矯正力で良好に得られる場合には保存療法が行なわれ、不十分な場合には外科的療法の対象となる。
しかしながら、矯正体操による矯正力は弱く、脊柱変形部が胸椎である場合、脊柱可動部は変形部より下方の腰椎であることが多く、体幹の伸展矯正体操では脊柱は可動部で動き、胸椎変形部に矯正力が作用しないという欠点がある。
一方、軟性装具とは、レザー、パッド、ベルト等から構成される装具であり、さらに金属フレームや樹脂モノコックが加わると硬質装具となる。硬性装具の使用は脊椎可動性を減じ、傍脊柱筋を萎縮させ、日常生活動作を大きく阻害する。また、使用上の不快感も大きい。特に高齢者に対する硬性装具の適応は少ない。また、外科的療法も高齢者では身体条件のため適応外となることが多い。高齢者の脊柱変形では、軟性装具の効果は不十分であるが、硬性装具では良好な矯正が得られる場合が少なくない。
従って、硬性装具に匹敵する矯正力を持ち、同時に軟性装具の如く脊柱可動性を可能とする身体装具の開発が要請されている。
実開昭60−10636号公報 実開昭62−74824号公報
上記従来の技術の場合、金属、樹脂、化学繊維などで作られている装具は、身体へのあたりが強く、また保持力の調整が難しかった。特許文献1、2に開示されている空気袋により訓練する機能改善器は、単に手指の機能改善を行うだけで、身体の他の部分の機能改善や矯正効果はないものである。また特許文献1,2の構造は身体へのあたりが柔らかいが、機器が大型で重く、また電源コード式電力供給方式のため、使用者は訓練中機器の前から離れることができなかった。このことから、日常的に手軽に装着でき、装着しながら散歩や外出などの生活をすることにより、楽で効果的な機能回復訓練や矯正を行うことができる器具が求められていた。
この発明は、上記従来の技術の問題点に鑑みてなされたものであり、着用感が良好で手軽に日常的に装着することができ、装着したまま散歩等の生活をすることにより、快適で効果的な機能回復訓練等も可能な身体補装具を提供することを目的とする。
本発明は、伸縮性が小さく気密性のある生地で作られた空気袋と、前記空気袋を着用者の下肢に取り付ける取付部材が設けられ、前記空気袋は、骨盤から前記下肢の鼠蹊部を一周するリング部と、前記鼠蹊部の側方から前記下肢の外側に沿って下方に延出し踝付近に達する棒状の下肢外側部と、前記鼠蹊部の内側から前記下肢の内側に沿って下方に延出し踝付近に達する棒状の下肢内側部とから成り、前記取付部材は、収縮性と緊締力を有し着用者の前記下肢を水平に一周する環状の複数の帯体であり、前記下肢に沿った一番上に位置する前記空気袋のリング部を覆って前記下肢に密着して巻き付けられ、前記下肢の膝及び踝にも各々密着して巻き付けられる身体補装具である。
前記下肢内側部と膝関節との間の空間に、局所的空気袋を設け、前記膝関節と前記下肢内側部とを密着させる また、前記取付部材は、着用者のウエストから踝までを覆うタイツであり、前記タイツは適度な伸縮性と緊締力を有する生地で作られている。または、前記取付部材は、着用者の骨盤・下肢に沿って設けられる剛性を有した枠でも良い。
前記空気袋は、着用者の胸付近を略水平に一周する胸郭部環状部と、前記胸郭部環状部の体幹側方の腋窩付近に連続し下方に延出して腰側部、膝、踝に達する棒状の下肢外側部と、前記下肢の付け根付近から下肢の内側に沿って下方に延出し踝付近に達する棒状の下肢内側部が設けられ、前記帯体は、着用者の体幹を略水平に一周する前記胸郭部環状部に巻き付けられ、前記胸郭部環状部を前記下肢外側部に密着させて巻き付けられる。
本発明の身体補装具は、軽量で柔軟なため着用感が良好であり、衣服の下等に日常的に装着することができ、装着することにより関節変形の矯正および矯正位の保持、関節可動筋力を補強、荷重関節に免荷効果を与えることができる。さらに、身体へのあたりが柔らかく、且つ保持力の調整が容易であり、装着者ひとりひとりに合った装着状態で使用することができる。
以下、この発明の実施形態について図面に基づいて説明する。図1、図2はこの発明の第一実施形態を示すもので、この実施形態の身体補装具10は、膝関節変形の矯正と矯正位の維持、および膝関節にかかる荷重の一部を足関節付近にバイパスすることにより、膝の疼痛を軽減し立位・歩行を容易にするものである。身体補装具10には、空気袋12が設けられている。空気袋12は、伸縮性が小さく気密性のある生地で袋状に形成され、図示しない空気入口が設けられているとともに、図示しない携帯可能なポンプに接続されている。空気を入れる前は柔軟であり、ポンプで空気を入れると空気袋が膨張して所望の形状になり、剛性が大きくなる。
空気袋12は、着用者16の下肢鼠蹊部を一周するリング部12aが設けられ、リング部12aの身体横の部分には、下肢の外股側に沿って下方に延出し踝付近に達する棒状の下肢外側部12bが連結して設けられている。リング部12aの身体の内側部分には、下肢の内側に沿って下方に延出し踝付近に達する棒状の下肢内側部12cが連結して設けられている。下肢内側部12cは、リング部12aとの連結部分が二股に分かれて上方に開く三角形の環状に形成されている。
空気袋12の外側には、取付部材である帯体14が設けられている。帯体14は、適度な弾力性と緊締力を有する素材で作られ、着用者16の下肢をほぼ水平方向に一周する環状に形成されている。帯体14は帯状のものを巻き回して面ファスナ等で止めてもよい。帯体14は、下肢鼠蹊部を空気袋12のリング部12aを覆って一周する位置と、膝の上、膝の下、踝の4箇所に設けられている。帯体14の幅や長さは、取り付ける位置に合わせて適宜選択する。空気袋12は帯体14により、下肢に密着して取り付けられている。
身体補装具10の使用方法は、着用者16の片方の下肢のみに取り付けても、両方の下肢にそれぞれ取り付けてもよい。まず空気袋12を下肢に当て、帯体14で固定し、空気袋12に空気を入れる。すると下肢外側部12b、下肢内側部12cが膨張して直線状となり、O脚等の変形した膝に、ほぼ垂直方向に沿う直線に近づける力が作用する。これにより、膝関節包・靱帯の緩和度・柔軟度に応じた変形矯正が得られる。また、空気袋12のリング部12aは股関節の周囲を一周して坐骨結節・恥骨・大転子と接触し、それらの部分にかかる着用者16の荷重を受けている。リング部12aが受けた荷重は、接続している下肢外側部12b、下肢内側部12cにかかり、足関節付近にバイパスされ、膝関節の免荷が可能である。このように身体補装具10を取り付けると、図3に示すように外側に湾曲していた着用者16の右下肢が、身体補装具10により垂直方向に沿って直線に矯正される。
この実施形態の身体補装具10によれば、膝関節変形の矯正と矯正位の維持、および膝関節の荷重の一部をバイパスさせることにより、膝の疼痛を軽減し立位・歩行を容易にするものである。身体補装具10を装着することにより、膝変形進行の軽減あるいは阻止が可能であり、膝痛発現原因が除かれ膝痛が軽減あるいは消失する。また自己筋力を補助するため、筋萎縮を防止することができる。身体補装具10は軽量で柔軟性・可動性を有し、身体へのあたりが柔らかく、快適に使用することができる。衣服の下等に装着することができ、外観が良好で違和感がない。自己装着可能であり、手軽に着脱することができる。このことから高齢者のみならず、一般の膝変形痛患者に従来の軟性膝装具になかった機能を提供するものである。空気袋12は携帯型のポンプで空気圧を調整するため着用者は自由に移動することができ、身体補装具10を装着しながら活動することができ、筋力や体力の増加を図ることができる。携帯型のポンプにより空気を入れるようにすることで、服を脱がなくても空気圧の調整が可能である。さらに、身体補装具10を変形発生初期から用いることにより変形進行の軽減あるいは阻止が可能である。
なお、空気袋12の位置や本数、太さは、着用者16の状態に応じて適宜変更可能である。直線形の空気袋12を下肢の前面や後面に設けてもよい。O脚以外にX脚などにも使用することができる。
また、この実施形態の身体補装具10は、膝関節の変形が大きく膝の矯正が不十分な場合、図4に示すように、空気袋12の下肢内側部12cと膝関節の凹部との間に、局所的空気袋18を挿入する。これにより、着用者16の膝関節と下肢内側部12cが密着し、矯正と荷重のバイパスが確実になる。また、膝下に局所的空気袋19を挿入することにより荷重のバイパス度を増大させることができる。
また、この実施形態の身体補装具10は、帯体14の形状は自由に変更可能であり、例えば図5に示すように骨盤部分に一周して巻き付け、これに連続して股下に別体の帯体14を通してもよい。この骨盤用の帯体14に空気袋12を取り付けて、身体に装着することにより、空気袋12を確実に骨盤に取り付けることができる。さらに、帯体14は、ある程度剛性を有したものでも良い。これより、より安定して空気袋12を固定することができる。
次にこの発明の第二実施形態について図6に基づいて説明する。なお、ここで、上記実施形態と同様の部材は同様の符号を付して説明を省略する。この実施形態の身体補装具20は、空気袋12を取り付ける取付部材がタイツ22である。タイツ22は着用者16のウエストから踝までを覆う形状であり、適度な伸縮性と緊締力を有する生地で作られている。なお、タイツ22の外側に図5に示す骨盤用の帯体14を併用してもよい。
この実施形態の身体補装具20によれば、タイツ22を着用するだけで空気袋12を下肢に密着して取り付けることができる。着脱が容易であり、簡単に使用することができる。外観に凹凸が少なく、外観がすっきりとし、日常的に違和感なく用いることができる。
次にこの発明の第三実施形態について図7、図8に基づいて説明する。この実施形態の身体補装具24は、膝関節伸展動作により膝関節伸筋力の増強、膝関節可動域の改善と、変形膝関節の矯正を同時に達成するものである。
身体補装具24には、空気袋26が設けられている。空気袋26は、下肢の外股側に沿って大腿鼠蹊部から足関節に達するペダリング下肢外側部26aと、下肢の内側に沿って大腿部の中間付近からふくらはぎの中間付近に達するペダリング内側部26bである。
ペダリング下肢外側部26aとペダリング内側部26bの外側には、取付部材である帯体28が設けられている。帯体28は、ペダリング外下肢側部26aとペダリング内側部26bの上端部と下端部に2個設けられ、下肢を一周して空気袋26を下肢に密着して取り付けている。
ペダリング下肢外側部26aには、ホース30が内部空間に連通して気密に取り付けられている。ホース30の先端は、ペダル駆動式空気圧発生装置32に接続されている。なお、ペダリング内側部26bにも、ホース30とペダル駆動式空気圧発生装置32が接続されてもよい。
身体補装具24の使用方法は、着用者16の片下肢のみに取り付けても両方の下肢にそれぞれ取り付けてもよい。身体補装具24のペダリング下肢外側部26aとペダリング内側部26bを膝関節側面に当て、帯体28で固定する。まず、着用者16はペダリング下肢外側部26aとペダリング内側部26bを脱気状態にして膝を90度前後に屈曲させる。次に、膝伸展・屈曲動作(ペダリング動作)を行い膝・下肢関節を伸展させて床等に置かれたペダル駆動式空気圧発生装置32のペダルを踏む。着用者16のペダリング運動によりペダル駆動式空気圧発生装置32から発生した空気がホース30を通過してペダリング下肢外側部26aを膨張させ、その膨張力で膝関節変形を矯正する。なお変形矯正力は、下肢全周を圧迫しない構造とする。下肢伸展位での膝変形矯正状態を一定時間保った後、膝屈曲を開始する。屈曲開始時にペダリング下肢外側部26aの空気を同時に出し始める。空気を出す操作は、自動でも手動でもよい。膝の屈曲が完了するとペダリング外下肢側部26aは初めの柔軟な状態に戻る。この一連の動作を繰り返し、着用者16は痛みの少ない軽い運動から徐々に訓練を開始する。このとき、下肢の神経、血管、筋肉に逃げ場がない圧迫が生じないように注意する。ペダリング外下肢側部26aと同時にペダリング内側部26bにも空気の出し入れを行ってもよい。
この実施形態の身体補装具24によれば、外科的療法によらない保存的手段により、膝関節の矯正と同時に膝関節の凹変形部の軟部組織機能の改善を図ることができる。関節変形を保存的手段で改善させるためには月単位の持続的な治療が要求され、身体補装具24を使用することにより日常容易に継続的な治療が可能となる。膝関節への荷重負荷が少ないペダリング動作を自己運動により行い、大腿四頭筋筋力増強、膝関節可動域改善、膝変形矯正などを同時に可能とし、さらに下腿三等筋の筋力増加も図ることができる。
次にこの発明の第四実施形態について、図9に基づいて説明する。この実施形態の身体補装具33は、木や樹脂、金属で形成され、剛性のある枠35に、空気袋37が取り付けられている。枠35は、O脚である下肢を挟むように下肢内側と下肢外側に縦方向に設けられた一対の棒状の縦枠35aと、一対の縦枠35aを横方向に連結する上下一対の横枠35bが設けられている。空気袋37は、外股側の縦枠35aと、外側に変形した膝関節との間に取り付けられている。これにより、着用者16の膝関節は内側に向かって圧迫され、変形矯正を得ることができる。
また、O脚の変形が大きい場合、関節面の内側は既に磨耗し、外側の靱帯は伸びたままなので、荷重により変形が元に戻ってしまうという問題があり、この問題を解決するため、図10に示すように膝関節の手術が行われることがある。(a)は従来の骨切り手術を示すものであり、下腿骨(すね)から楔状の部分Aを切除し、切除した面を合わせて、下腿骨(すね)の角度を修正するものである。一方(b)は、手術の前に膝関節の矯正が行われ、膝関節変形矯正の後、膝関節の内側の部分Bを上方に回転し、部分Bの下の外側に骨の破片部分Cを追加するものである。なお、この時の隙間は自然に骨が増殖して埋められる。この方法は、(a)よりも患者への負担が軽い方法である。この実施形態の身体補装具10を、(b)の手術の前の膝関節矯正に使用すると、関節変形が元に戻ることがなく、確実に効果が得られ、患者の負担を軽減することができる。
次にこの発明の第五実施形態について図11に基づいて説明する。この実施形態の身体補装具34は、上半身重量の一部を直接下肢にバイパスさせることにより、脊柱・骨盤接合部疾患および股関節疾患における罹患部疼痛の減少を図る。
身体補装具34には、空気袋36が設けられている。空気袋36は、着用者16の胸付近をほぼ水平に一周する胸郭部環状部36aが設けられ、着用者16の身体横の脇部分には、腋窩から下方に延出して腰部および膝関節を経由し足関節に達する棒状の下肢外側部36bが連結して設けられている。下肢の内側部分には、下肢の内側に沿って下方に延出し踝付近に達する棒状の下肢内側部36cが連結して設けられている。
空気袋36の外側には、取付部材である帯体38が設けられている。帯体38は、着用者16の腹部や下肢をほぼ水平方向に一周する環状に形成され、着用者16の腹部で胸郭部環状部36aの下の位置と、下肢鼠蹊部、膝、踝の4箇所に設けられている。なお、図5に示す骨盤用の帯体14を併用してもよい。
身体補装具34の使用方法は、空気袋36を身体に当て、帯体38で固定し、空気袋36に空気を入れる。すると、下肢外側部36b、下肢内側部36cは膨張して直線となり、体重を支持する。これにより着用者16の荷重の一部が空気袋36に伝わり、下肢首付近にバイパスされ、腰付近の負担が軽減される。
この実施形態の身体補装具34によれば、小型軽量で自己装着可能な軟性装具により罹患部への荷重の一部が骨盤を経由せず、下肢に直接バイパスすることができる。罹患部への体重負荷を減らすことにより、脊椎変性疾患および股関節変性疾患の病変進行ならびに疼痛発生を防ぐことができる。従来の軟性補装具に対する補完効果もある。また、各種疾患における体幹安定性改善効果および起立・歩行補助効果もある。
なお、この発明の身体補装具は、上記各実施形態に限定されず、適宜変更可能である。
この発明の第一実施形態の身体補装具の空気袋を取り付けた状態を示す正面図である。 この実施形態の身体補装具の空気袋を帯体で固定した状態を示す正面図である。 この実施形態の身体補装具により矯正された状態を示す概略図である。 この実施形態の身体補装具の局所用空気袋を使用した状態を示す正面図である。 この実施形態の身体補装具の空気袋を帯体で固定した状態を示す正面図である。 この発明の第二実施形態の身体補装具の正面図である。 この発明の第三実施形態の身体補装具の正面図である。 この発明の第三実施形態の身体補装具の左側面図である。 この発明の第四実施形態の身体補装具の正面図である。 従来の手術を示す概略図(a)と、この実施形態の身体補装具で変形矯正を行った後の手術を示す概略図(b)である。 この発明の第五実施形態の身体補装具の正面図である。
符号の説明
10 身体補装具
12 空気袋
14 帯体
16 着用者

Claims (6)

  1. 伸縮性が小さく気密性のある生地で作られた空気袋と、前記空気袋を着用者の下肢に取り付ける取付部材が設けられ、前記空気袋は、前記下肢の鼠蹊部を一周するリング部と、前記鼠蹊部の側方から前記下肢の外側に沿って下方に延出し踝付近に達する棒状の下肢外側部と、前記鼠蹊部の内側から前記下肢の内側に沿って下方に延出し踝付近に達する棒状の下肢内側部とから成り、前記取付部材は、収縮性と緊締力を有し着用者の前記下肢を水平に一周する環状の複数の帯体であり、前記下肢に沿った一番上に位置する前記空気袋のリング部を覆って前記下肢に密着して巻き付けられ、前記下肢の膝及び踝にも各々密着して巻き付けられることを特徴とする身体補装具。
  2. 前記下肢内側部は、前記リング部との連結部分が二股に分かれて上方に開く三角形状に形成されていることを特徴とする請求項1記載の身体補装具。
  3. 前記下肢内側部と膝関節との間の空間に、局所的空気袋を設け、前記膝関節と前記下肢内側部とを密着させることを特徴とする請求項1記載の身体補装具。
  4. 前記取付部材は、着用者のウエストから踝までを覆うタイツを備え、前記タイツは適度な伸縮性と緊締力を有する生地で作られている請求項1記載の身体補装具。
  5. 前記取付部材は、着用者の骨盤や下肢に沿って設けられ剛性を有した枠を備えることを特徴とする請求項1記載の身体補装具。
  6. 前記空気袋は、着用者の胸付近を略水平に一周する胸郭部環状部と、前記胸郭部環状部の体幹側方の腋窩付近に連続し下方に延出して腰側部、膝外側部、踝に達する棒状の下肢外側部と、前記鼠蹊部付近から下肢の内側に沿って下方に延出し踝付近に達する棒状の下肢内側部が設けられ、前記帯体は、着用者の体幹を略水平に一周する前記胸郭部環状部に巻き付けられ、前記胸郭部環状部を前記下肢外側部に密着させて巻き付けられることを特徴とする請求項1記載の身体補装具。
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