JP4130981B2 - 建物の断熱材施工方法及び断熱構造 - Google Patents

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本発明は、建物の断熱工法等における断熱材施工方法及び断熱構造に関するものである。
周知のように、集合住宅等の鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造、鉄骨ALC(autoclaved light weight concrete)造等の建物の壁における内断熱工法では、合板、石綿ボード、石膏ボード等と断熱材とを接着一体化してなる壁パネルを接着剤により壁躯体に接着固定している。しかし、壁パネルは自重が大きく、接着剤が乾燥、硬化するまでの間に当初の圧着位置からずれを生じたり、壁パネルが躯体面から浮いたりするため、接着剤が乾燥、硬化するまでの間、壁パネルを躯体面に押圧している必要があるという問題点があった。
そこで、上記の問題点を解決する方法として、(1)両面テープと接着剤を併用し、それぞれを壁パネルの一部に配置する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
実公昭54−21370号公報(第1−2頁,第2図−第4図)
一方、壁粗面の不陸を調整しながら壁パネルを貼り付ける方法として、(2)コンクリート躯体の室内側に複数の団子状の接着剤によりコンクリート躯体から間隔を開けて断熱層を設け、コンクリート躯体と断熱層の間に形成された中空層に保水性を有する保水層を設け、断熱層と保水層との間に防湿層を設ける方法も知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開平7−82807号公報(第2−4頁,図1)
しかしながら、上記(1)や(2)の施工方法では、使用する部材が高価であったり、施工に手間がかかったりするという問題点があり、断熱材を施工する手段として現実的ではなく、一般的に採用され難いと考えられる。
また、上記(2)の施工方法では、コンクリート躯体の内側に発生した結露水を保水層により吸収できるものの、結露の発生自体を抑えるものではない。更に、保水層と断熱層の間に防湿層を設ける必要があるので、手間がかかるという問題点がある。
本発明は、以上のような事情や問題点に鑑みてなされたものであり、断熱材の施工を簡易に且つ低コストで実施でき、しかも断熱材の施工後には結露が発生するおそれもない建物の断熱材施工方法及び断熱構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための請求項1の建物の断熱材施工方法は、建物の一部を構成するコンクリート体に断熱材を、最大粒径2mm以下の細骨材と石膏と水とを含有する石膏系接着剤により接着するものである。
請求項2の建物の断熱材施工方法は、前記石膏系接着剤は更に水溶性高分子、及びエマルジョン型接着剤の少なくともいずれかを含有するものである。
請求項3の建物の断熱材施工方法は、前記石膏系接着剤を、前記断熱材の前記コンクリート体に接着される被接着面の全面と前記コンクリート体との間に介在させるものである。
請求項4の建物の断熱材施工方法は、建物の一部を構成するコンクリート体に、断熱材の前記コンクリート体に接着される被接着面の全面を、石膏と水と最大粒径2mm以下の細骨材とを含有する石膏系接着剤により接着するものである。
請求項5の建物の断熱材施工方法においては、前記石膏系接着剤が更に水溶性高分子、及びエマルジョン型接着剤の少なくともいずれかを含有するものである
請求項6の建物の断熱材施工方法は、前記石膏系接着剤を前記被接着面の全面に塗布しておき、この被接着面の全面を前記石膏系接着剤を介して前記コンクリート体に接着するものである。
請求項の建物の断熱材施工方法においては、前記断熱材が合成樹脂発泡体からなる。
請求項8の建物の断熱材施工方法においては、前記合成樹脂発泡体がポリスチレン系発泡体である。
また、請求項9の建物の断熱構造は、建物の一部を構成するコンクリート体に断熱材を、最大粒径2mm以下の細骨材と石膏と水とを含有する石膏系接着剤により接着したものである。
請求項10の建物の断熱構造は、前記石膏系接着剤は、更に水溶性高分子及びエマルジョン型接着剤の少なくともいずれかを含有するものである。
請求項11の建物の断熱構造は、前記石膏系接着剤を、前記断熱材の前記コンクリート体に接着された被接着面の全面と前記コンクリート体との間に介在させたものである。
請求項12の建物の断熱構造は、建物の一部を構成するコンクリート体に、断熱材の前記コンクリート体に接着される被接着面の全面を、石膏と水と最大粒径2mm以下の細骨材とを含有する石膏系接着剤により接着したものである。
請求項13の建物の断熱構造においては、前記石膏系接着剤が水溶性高分子、及びエマルジョン型接着剤の少なくともいずれかを含有する。
請求項14の建物の断熱構造は、前記石膏系接着剤の厚さを10mm以下としたものである。
請求項15の建物の断熱構造においては、前記断熱材が合成樹脂発泡体からなる。
請求項16の建物の断熱構造においては、前記合成樹脂発泡体がポリスチレン系発泡体である。
請求項1及び請求項2の発明によれば、硬化後の接着強度が大きく、初期粘度は小さい石膏系接着剤を使用するので、石膏系接着剤をクシ目ゴテやローラー等により断熱材に簡単に塗布することができる。そのため、断熱材の施工を簡易に且つ低コストで実施できると共に、断熱材の施工後には、コンクリート体と断熱材の間に隙間が生じないか又は生じても小さいために結露が発生するおそれがない。石膏系接着剤が水溶性高分子やエマルジョン型接着剤を含有する場合は、石膏系接着剤の初期の粘度を適宜に調整できると共に、接着強度がより高い。石膏系接着剤が最大粒径2mm以下の細骨材を含有する場合は、施工後の石膏系接着剤の乾燥収縮等による変形を抑えることができると共に、断熱材のコンクリート体に対する密着性を低下させることもない。
請求項3及び請求項11の発明によれば、石膏系接着剤を断熱材の被接着面の全面とコンクリート体との間に介在させるので、断熱材のコンクリート体に対する密着性が高い。
請求項4の発明によれば、硬化後の接着強度が大きく、初期粘度は小さい石膏系接着剤を使用するので、請求項1と同様の効果がある。また、断熱材の被接着面の全面をコンクリート体に接着するので、断熱材のコンクリート体に対する密着性をより高くできる。
請求項5、請求項12、及び請求項13の発明によれば、石膏系接着剤が水溶性高分子やエマルジョン型接着剤を含有する場合は、石膏系接着剤の初期の粘度を適宜に調整できると共に、接着強度がより高い。石膏系接着剤が細骨材を含有する場合は、施工後の石膏系接着剤の乾燥収縮等による変形を抑えることができる。
請求項6の発明によれば、石膏系接着剤を断熱材の被接着面の全面に塗布しておき、この被接着面の全面を石膏系接着剤を介してコンクリート体に接着するので、断熱材の接着作業を行い易い。
請求項7及び請求項15の発明によれば、断熱材が合成樹脂発泡体からなるので、軽量で断熱性能が高く、安価であると共に、石膏系接着剤との接着強度が高い。また、コンクリート体の表面に不陸がある場合であっても、合成樹脂発泡体からなる断熱材は柔軟であり、断熱材をコンクリート体の不陸に追従するように接着できるので、コンクリート体と断熱材の間に隙間が生じにくい。
請求項8及び請求項16の発明によれば、合成樹脂発泡体がポリスチレン系発泡体であるので、吸水性や透湿性が低いと共に、石膏系接着剤との接着強度がより高い。
請求項9及び請求項10の発明によれば、コンクリート体に断熱材を石膏系接着剤により接着しているので、コンクリート体と断熱材の間に隙間がないか又はあっても小さく、結露が発生するおそれがない。
請求項11の発明によれば、コンクリート体に断熱材の被接着面の全面を石膏系接着剤により接着しているので、コンクリート体と断熱材の間に隙間がなく、結露が発生するおそれがないと共に、断熱材のコンクリート体に対する密着性がより高い。
請求項14の発明によれば、石膏系接着剤の厚さを10mm以下としているので、断熱材をコンクリート体に対してより近接した位置に配置でき、そのため建物の内外の空間をより有効に活用できる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
第1実施形態に係る建物の断熱材施工方法は、図1及び図2に示すように、断熱材1を、建物の一部を構成するコンクリート壁(コンクリート体)2に石膏系接着剤3により接着するものである。
断熱材1としては、グラスウール・ロックウール等の無機繊維板、ガラス発泡体等の無機発泡体、合成樹脂発泡体等が挙げられる。ここで、断熱材1を合成樹脂発泡体で構成しておけば、軽量で断熱性能が高く、安価であると共に、石膏系接着剤3との接着強度が高いという利点がある。また、コンクリート壁2の寸法精度が悪く、その屋内側2a等の表面に反りや段差等により不陸がある場合であっても、合成樹脂発泡体からなる断熱材1は柔軟であり、断熱材1をコンクリート壁の不陸に追従するように接着できるので、コンクリート壁2と断熱材1の間に隙間が生じにくいという利点がある。このような合成樹脂発泡体としては、吸水性や透湿性が低く、石膏系接着剤3との接着強度がより高いポリスチレン系発泡体が好適である。
コンクリート体としては、この実施形態のようなコンクリート壁2の他、コンクリートブロック、コンクリート天井、コンクリート柱、コンクリート梁、コンクリート床、布基礎・べた基礎等の基礎(布基礎のベース部、べた基礎の基礎スラブ、布基礎・べた基礎等の立ち上がり部等を含む。)、建物の壁・床・天井等に配置されるALC(autoclaved light weight concrete)パネル等が挙げられる。コンクリート体は、その表面の一部又は全面にモルタル又はセメント等が塗布されたものであってもよい。
石膏系接着剤3は、水溶性高分子及び最大粒径2mm以下の細骨材の少なくともいずれかと、石膏と、水とを含有する水硬性の接着剤である。即ち、石膏系接着剤3としては、水溶性高分子と石膏と水とを含有するもの、最大粒径2mm以下の細骨材と石膏と水とを含有するもの、又は、水溶性高分子と最大粒径2mm以下の細骨材と石膏と水とを含有するものを使用することができる。このような石膏系接着剤3の硬化後の接着強度は大きく、初期粘度は小さいので、取り扱い易くなっている。
石膏としては、半水石膏(焼石膏)等が挙げられる。水は、石膏100重量部に対して数十重量部を配合すればよい。
水溶性高分子としては、セルロース系高分子(例えば、メチルセルロース)等の多糖類のアルキル化誘導体又はヒドロキシアルキル化誘導体、ユリア系・フェノール系・ポリビニルアルコール系等の水溶性高分子接着剤等が挙げられる。この水溶性高分子は1種以上を配合できるが、その配合割合(1種以上の水溶性高分子の総量)としては、石膏100重量部に対して0.01〜40重量部程度が適当である。
細骨材としては、パーライトや砂等が挙げられる。細骨材の配合割合としては、石膏100重量部に対して1〜10重量部程度が適当である。
石膏系接着剤3は、水溶性高分子及び最大粒径2mm以下の細骨材の少なくともいずれかと石膏と水とを適宜の割合で配合し、ミキサー等で混練することにより調製できる。石膏系接着剤3が水溶性高分子を含有する場合は、石膏系接着剤3の初期の粘度を適宜に調整できると共に、接着強度がより高いという利点がある。石膏系接着剤3が最大粒径2mm以下、好ましくは1.5mm以下、より好ましくは1mm以下の細骨材を含有する場合は、施工後の石膏系接着剤3の乾燥収縮等による変形を抑えることができると共に、断熱材1のコンクリート壁2に対する密着性を低下させることもないという利点がある。
ここで、石膏系接着剤3は、水溶性高分子及び最大粒径2mm以下の細骨材の代わりに、エチレン−酢酸ビニル共重合系・アクリル系・酢酸ビニル系等のエマルジョン型接着剤を含有していてもよい。石膏系接着剤3がエマルジョン型接着剤を含有する場合は、石膏系接着剤3の初期の粘度を適宜に調整できると共に、接着強度がより高いという利点がある。このエマルジョン型接着剤は1種以上を配合できるが、その配合割合(1種以上のエマルジョン型接着剤の総量)としては、石膏100重量部に対して0.01〜40重量部程度が適当である。このように、石膏系接着剤3には、水溶性高分子、エマルジョン型接着剤、及び最大粒径2mm以下の細骨材の少なくともいずれかを含有させることができる。
断熱材1の施工に際しては、石膏系接着剤3を、断熱材1のコンクリート壁2に接着される裏面(被接着面)1bの一部(田の字状、日の字状、筋状等に塗布可)もしくは全面、又は、コンクリート壁2の屋内側2aの一部(田の字状、日の字状、筋状等に塗布可)もしくは全面にクシ目ゴテ又はローラー等により塗布した後、石膏系接着剤3を介して断熱材1の裏面1bをコンクリート壁2の屋内側2aに圧着し、所定時間養生すれば、断熱材1の施工が完了する。
この場合、石膏系接着剤3を断熱材1の裏面1bの全面とコンクリート壁2との間に介在させるようにすれば、断熱材1のコンクリート壁2に対する密着性をより高くできるという利点がある。更に、石膏系接着剤3を断熱材1の裏面1bの全面に塗布しておけば、断熱材1の接着作業を行い易いという利点がある。なお、断熱材1をコンクリート体に接着する部位はコンクリート壁2の屋内側2aに限定されるものではなく、コンクリート壁2の屋外側2b等、コンクリート体の屋内側、屋外側、上面、下面等の適宜の部位に接着することができる。
施工後の断熱材1の表面1aには、図3及び図4に示すように、石膏ボード等の内装下地材4を、断熱材1の表面1aに互いに間隔を開けて密着させた複数の団子状の接着剤5等により接着することができる。内装下地材4を複数の団子状の接着剤5により施工すれば、断熱材1の表面1aの不陸を調整しながら内装下地材4を面一に仕上げることができるので、内装下地材4の施工性や仕上げ精度が良好であるという利点がある。なお、内装下地材4としては、この実施形態のような壁下地材の他、天井下地材や床下地材等が挙げられる。また、断熱材1の表面1a等、断熱材1のコンクリート体に接着された被接着面以外の部分には、内装下地材4の他、内装材、外装材、ラス網・胴縁等の外装下地材、モルタル・塗料等の塗材、断熱材、タイル等の化粧材等を施工することもできる。
上記のような施工方法によれば、硬化後の接着強度が大きく、初期粘度は小さい石膏系接着剤3を使用するので、石膏系接着剤3をクシ目ゴテやローラー等により断熱材1に簡単に塗布することができる。そのため、断熱材1の施工を簡易に且つ低コストで実施できると共に、断熱材1の施工後には、コンクリート壁2と断熱材1の間に隙間が生じないか又は生じても小さいために結露が発生するおそれがないという利点がある。更に、施工後の石膏系接着剤3の厚さが10mm以下、好ましくは5mm以下、より好ましくは3mm以下となるようにしておけば、断熱材1をコンクリート壁2に対してより近接した位置に配置できるので、建物の内外の空間をより有効に活用できるという利点がある。
第2実施形態に係る建物の断熱材施工方法は、第1実施形態において、コンクリート壁2に断熱材1の裏面1bの全面を、石膏と水とを含有する石膏系接着剤3により接着するものである。
石膏系接着剤3は、第1実施形態と同様の石膏と水とを含有している。このような石膏系接着剤3の硬化後の接着強度は大きく、初期粘度は小さいので、取り扱い易くなっている。なお、石膏系接着剤3としては、石膏と水の他に第1実施形態と同様の水溶性高分子、エマルジョン型接着剤、及び細骨材の少なくともいずれかを含有するものも使用することができる。石膏系接着剤3が水溶性高分子やエマルジョン型接着剤を含有する場合は、接着強度がより高いという利点がある。石膏系接着剤3が細骨材を含有する場合は、施工後の石膏系接着剤3の乾燥収縮等による変形を抑えることができるという利点がある。石膏、水、水溶性高分子、エマルジョン型接着剤、細骨材の配合割合は第1実施形態と同様でよい。
断熱材1の施工に際しては、石膏系接着剤3を断熱材1の裏面1bの全面又はコンクリート壁2の屋内側2aの全面にクシ目ゴテ又はローラー等により塗布した後、石膏系接着剤3を介して断熱材1の裏面1bをコンクリート壁2の屋内側2aに圧着し、所定時間養生すれば、断熱材1の施工が完了する。この場合、石膏系接着剤3を断熱材1の裏面1bの全面に塗布しておけば、断熱材1の接着作業を行い易いという利点がある。その他の施工要領は第1実施形態と同様である。
上記のような施工方法によれば、硬化後の接着強度が大きく、初期粘度は小さい石膏系接着剤3を使用するので、石膏系接着剤3をクシ目ゴテやローラー等により断熱材1に簡単に塗布することができる。そのため、第1実施形態と同様、断熱材1の施工を簡易に且つ低コストで実施できると共に、断熱材1の施工後には、コンクリート壁2と断熱材1の間に結露が発生するおそれがないという利点がある。また、断熱材1の裏面1bの全面をコンクリート壁2に接着するので、断熱材1のコンクリート壁2に対する密着性をより高くできるという利点がある。
石膏系接着剤としては、半水石膏(丸石石膏株式会社製,焼石膏)100重量部に対し、メチルセルロース(信越化学株式会社製,メトローズSM,粘度グレード100mm2/s)0.2重量部及び水40重量部を加えてミキサーで混練したものを使用した。断熱材としては、押出法により製造されたポリスチレンフォーム〔商品名:カネライトフォーム・スーパーEIIIb(保温板3種b),鐘淵化学工業株式会社製,長さ1820mm×幅910mm×厚さ25mm〕を使用した。コンクリート体としては、建築途中の鉄筋コンクリート造建物のコンクリート壁(コンクリート型枠を取り外してから7日目)を使用した。断熱材の施工に際しては、断熱材のコンクリート壁に接着される裏面の全面に石膏系接着剤をクシ目ゴテで筋状に塗布(塗布量:850g/m2)した後、断熱材の裏面をコンクリート壁の屋内側に圧着した。
石膏系接着剤として、半水石膏100重量部に対し、メチルセルロース0.2重量部、細骨材としてのパーライト(最大粒径1.5mm)5重量部、及び水40重量部を加えてミキサーで混練したものを使用した以外は、実施例1と同様の操作を行った。
石膏系接着剤として、GLボンド(商品名,吉野石膏株式会社製,石膏と最大粒径3mmの細骨材とを含有)を目開き1.5mmのふるいにかけたもの100重量部に対し、水40重量部を加えてミキサーで混練したものを使用した以外は、実施例1と同様の操作を行った。
石膏系接着剤として、半水石膏100重量部に対し、メチルセルロース0.2重量部、エチレン−酢酸ビニル共重合系エマルジョン型接着剤(鐘淵化学工業株式会社製,商品名「パールジョン」)10重量部、及び水30重量部を加えてミキサーで混練したものを使用した以外は、実施例1と同様の操作を行った。
石膏系接着剤として、半水石膏100重量部に対し、メチルセルロース0.2重量部、アクリル系エマルジョン型接着剤(セメダイン株式会社製,商品名「フロアのり」)5重量部、及び水40重量部を加えてミキサーで混練したものを使用した以外は、実施例1と同様の操作を行った。
石膏系接着剤として、半水石膏100重量部に対し、メチルセルロース0.2重量部、酢酸ビニル系エマルジョン型接着剤(コニシ株式会社製,商品名「ボンドCHS740」)5重量部、及び水35重量部を加えてミキサーで混練したものを使用した以外は、実施例1と同様の操作を行った。
実施例1と同様の石膏系接着剤及び断熱材を使用し、石膏系接着剤をローラー(塗布幅:200mm)で断熱材の裏面に日の字状(幅方向の両側縁に各1本ずつ,長手方向の両端に各1本ずつ,中央部に幅方向に対して平行に1本)に塗布(塗布部分の塗布量:1000g/m2)した以外は、実施例1と同様の操作を行った。
〔比較例1〕
石膏系接着剤として、GLボンド(商品名,吉野石膏株式会社製,石膏と最大粒径3mmの細骨材とを含有)100重量部に対し、水40重量部を加えてミキサーで混練したものを使用した以外は、実施例1と同様の操作を行った。
〔比較例2〕
石膏系接着剤の代わりに変成シリコン系接着剤(商品名:PM525,セメダイン株式会社製)を使用した以外は、実施例1と同様の操作を行った。
〔評価方法〕
(1)実施例及び比較例の施工性を評価するため、石膏系接着剤又は変成シリコン系接着剤の断熱材への塗布を開始してから断熱材のコンクリート壁への圧着が完了するまでに要した作業時間を測定した。その結果を表1に示す。なお、断熱材の圧着のみの作業時間は、比較例1の場合を除き、いずれも約10秒であった。比較例1の場合は、断熱材を5分間圧着した。
(2)また、断熱材の施工後の接着強度を評価するための結果として、断熱材を圧着してから20℃、湿度65%の条件で72時間養生した後における「壁・天井ボード用接着剤の接着強さ試験方法(JIS A 1612)」に基づいた接着面の引張接着強さの結果を表1に示す。
Figure 0004130981
〔評価結果〕
表1から明らかなように、実施例1〜7における作業時間は60〜130秒であったが、比較例1では断熱材がコンクリート壁から脱落し、断熱材をコンクリート壁に圧着することができなかった。比較例2における作業時間は、210秒であった。一方、実施例1〜7における引張接着強さは0.28〜0.42N/mm2であり、比較例2では0.22N/mm2となった。以上のことから、実施例1〜7では、施工時間が短くて済む(施工性が良い)こと、及び十分な接着強度を有することが確認された。
建物のコンクリート体における内断熱工法や外断熱工法等に使用される断熱材施工方法や断熱構造として有用であり、特に断熱材の施工を簡易に且つ低コストで実施でき、しかも断熱材の施工後には結露が発生するおそれもない建物を施工するのに適している。
実施形態に係る建物の断熱材施工方法において、断熱材をコンクリート壁に接着する様子を示す要部拡大断面図。 断熱材をコンクリート壁に接着した状態を示す要部拡大断面図。 断熱材に内装下地材を接着する様子を示す要部拡大断面図。 内装下地材を断熱材に接着した状態を示す要部拡大断面図。
符号の説明
1 断熱材
1b 裏面(被接着面)
2 コンクリート壁(コンクリート体)
3 石膏系接着剤

Claims (16)

  1. 建物の一部を構成するコンクリート体に断熱材を、最大粒径2mm以下の細骨材と石膏と水とを含有する石膏系接着剤により接着することを特徴とする建物の断熱材施工方法。
  2. 前記石膏系接着剤は更に水溶性高分子、及びエマルジョン型接着剤の少なくともいずれかを含有することを特徴とする請求項1に記載の建物の断熱材施工方法。
  3. 前記石膏系接着剤を、前記断熱材の前記コンクリート体に接着される被接着面の全面と前記コンクリート体との間に介在させる請求項1又は2記載の建物の断熱材施工方法。
  4. 建物の一部を構成するコンクリート体に、断熱材の前記コンクリート体に接着される被接着面の全面を、石膏と水と最大粒径2mm以下の細骨材とを含有する石膏系接着剤により接着することを特徴とする建物の断熱材施工方法。
  5. 前記石膏系接着剤が更に水溶性高分子、及びエマルジョン型接着剤の少なくともいずれかを含有する請求項4記載の建物の断熱材施工方法。
  6. 前記石膏系接着剤を前記被接着面の全面に塗布しておき、この被接着面の全面を前記石膏系接着剤を介して前記コンクリート体に接着する請求項3乃至5のいずれか記載の建物の断熱材施工方法。
  7. 前記断熱材が合成樹脂発泡体からなる請求項1乃至6のいずれか記載の建物の断熱材施工方法。
  8. 前記合成樹脂発泡体がポリスチレン系発泡体である請求項7記載の建物の断熱材施工方法。
  9. 建物の一部を構成するコンクリート体に断熱材を、最大粒径2mm以下の細骨材と石膏と水とを含有する石膏系接着剤により接着したことを特徴とする建物の断熱構造。
  10. 前記石膏系接着剤は、更に水溶性高分子及びエマルジョン型接着剤の少なくともいずれかを含有することを特徴とする請求項9に記載の建物の断熱構造。
  11. 前記石膏系接着剤を、前記断熱材の前記コンクリート体に接着された被接着面の全面と前記コンクリート体との間に介在させた請求項9又は10記載の建物の断熱構造。
  12. 建物の一部を構成するコンクリート体に、断熱材の前記コンクリート体に接着される被接着面の全面を、石膏と水と最大粒径2mm以下の細骨材とを含有する石膏系接着剤により接着したことを特徴とする建物の断熱構造。
  13. 前記石膏系接着剤が水溶性高分子、及びエマルジョン型接着剤の少なくともいずれかを含有する請求項12記載の建物の断熱構造。
  14. 前記石膏系接着剤の厚さを10mm以下とした請求項9乃至13のいずれか記載の建物の断熱構造。
  15. 前記断熱材が合成樹脂発泡体からなる請求項9乃至14のいずれか記載の建物の断熱構造。
  16. 前記合成樹脂発泡体がポリスチレン系発泡体である請求項15記載の建物の断熱構造。
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