JP4130467B1 - レバー式コネクタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】レバー式コネクタ1は、インナーハウジング10と、インナーハウジング10に装着され、一括シール部材50の抜け止めを行うアウターハウジング60と、アウターハウジング60に形成されたスライダ収容溝64内にスライド動作可能に収容され、相手コネクタに設けられたカムピンが入り込むカム溝71を有するスライダ70と、アウターハウジング60に対して回動可能に設けられ、スライダ70をスライド動作させるレバー80とを具備している。相手コネクタとの分離の際に、スライダ70がインナーハウジング10を相手コネクタから遠ざかる向き(矢印Y向き)に引っ張る構成としてある。
【選択図】 図5
Description
従来のこの種のレバー式コネクタとして、例えば、図11及び図12に示すものが知られている(特許文献1参照)。図11は、従来例のレバー式コネクタの断面図である。図12は、図11のレバー式コネクタに用いられるハウジングの断面図である。
図11に示すレバー式コネクタ101は、相手コネクタ150と嵌合するよう構成され、ハウジング110と、1対のスライダ120と、レバー130と、ワイヤカバー140とを備えている。
また、ワイヤカバー140は、ハウジング110の後側に取り付けられ、ハウジング110から導出された電線をハウジング110の左右方向一側に導出するようになっている。
このように、レバー式コネクタ101にあっては、回動するレバー130と、このレバー130に連動する、カム溝121を有するスライダ120とを備えた倍力構造を採用したことにより、嵌合操作力を大幅に低減することができる。
図13及び図14に示すカム式の倍力機構を用いたコネクタ201は、相手コネクタ250と嵌合するよう構成され、ハウジング210と、1対のスライド式のレバー220とを備えている。
コネクタ201と相手コネクタ250とを組み付けるには、先ず、レバー220を分離位置に位置させておき、相手コネクタ250の嵌合部251をレバー式コネクタ201の前側から嵌合する。すると、相手コネクタ250のカムピン252が図13に示すようにレバー220に設けられたカム溝221の入口に進入し、両コネクタ201,250が仮嵌合状態となる。そして、分離位置にあるレバー220を嵌合位置にまで押し込むと、カム溝221とカムピン252の作用により、両コネクタ201,250が互いに引き寄せられて嵌合状態に至る。その逆に、嵌合位置にあるレバー220を分離位置にまで戻すと、カム溝221とカムピン252の作用により、両コネクタ201,250が分離されるのである。
しかしながら、コネクタ201においては、スライド式のレバー220を直接、手で操作する構造であるため、図11及び図12に示すような、回動するレバー130と、このレバー130に連動する、カム溝121を有するスライダ120とを備えた倍力構造を有するレバー式コネクタ101ほどは嵌合操作力の低減は見込めない。
図15に示すレバー式コネクタ301は、相手コネクタCと嵌合するよう構成され、インナーハウジング310と、シール部材320と、一括シール部材330と、アウターハウジング340と、1対のスライダ350と、レバー360と、ワイヤカバー370とを備えている。
シール部材320は、ハウジング本体312の外周に設けられ、嵌合する相手コネクタとハウジング本体312との間をシールし、コンタクト収容キャビティ311内への浸水を防止するようになっている。
また、ワイヤカバー370は、アウターハウジング340の後側に取り付けられ、アウターハウジング340から導出された電線をアウターハウジング340の左右方向一側に導出するようになっている。
即ち、レバー式コネクタ301と相手コネクタCとを組み付けるときにおいて、分離位置にあるレバー360を嵌合位置に向けて回動すると、スライダ350がレバー360と連動してスライダ収容溝343において左右方向に分離位置から嵌合位置までスライド動作し、カム溝351とカムピンの作用により、レバー式コネクタ301及び相手コネクタCが互いに引き寄せられて嵌合状態に至る。この際に、先ずスライダ350の前端面がアウターハウジング340に設けられたスライダ収容溝343の前面343bを矢印X向き、即ち相手コネクタCに近づく向きに押し、次いで、アウターハウジング340がインナーハウジング310の後端面313aを矢印X向きに押すことになる。
アウターハウジング340が係止部及びインナーハウジング310の係止アームを介してインナーハウジング310を矢印Y向きに引っ張る構造になっていると、極数の多いコネクタ同士が嵌合させられて双方のコンタクト間に生じる嵌合抵抗が大きく、インナーハウジング310と相手コネクタCとの嵌合力が強くなっているため、アウターハウジング340の係止部及びインナーハウジング310の係止アームにかかる力が大きく、それら係止部及び係止アームが破損し機能しなくなってしまうことがあった。このように係止部等が機能しなくなると、アウターハウジング340がインナーハウジング310を引っ張りきれずにインナーハウジング310がアウターハウジング340から脱落して相手コネクタC側に残ってしまうという問題点があった。
従って、本発明はこの問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、アウターハウジングのスライダ収容溝内にスライダを収容したレバー式コネクタにおいて、レバー式コネクタと相手コネクタとを分離するときに、インナーハウジングがアウターハウジングから脱落して相手コネクタ側に残ることを回避することができるレバー式コネクタを提供することにある。
更に、本発明のうち請求項3に係るレバー式コネクタは、請求項1記載のレバー式コネクタにおいて、前記相手コネクタとの分離の際には、前記スライダが前記インナーハウジングを前記相手コネクタから遠ざかる向きに引っ張るとともに、前記インナーハウジングの引張動作に連動して前記インナーハウジングが前記アウターハウジングを前記相手コネクタから遠ざかる向きに押すことを特徴としている。
ここで、インナーハウジング10は、絶縁性の樹脂を成形することによって一体に形成されるものであり、図1及び図3乃至図5に示すように、幅方向(図3(A)における左右方向)、上下方向(図3(A)における上下方向)及び前後方向(図3(B)における上下方向)に延びる略直方体形状のハウジング本体11と、ハウジング本体11から後方に延びるフード部12とを備えている。ハウジング本体11には、前後方向に貫通する複数のコンタクト収容キャビティ13が設けられ、フード部12の内側空間は、第2シール部材収容空間14を形成している。各コンタクト収容キャビティ13には、図示しないコンタクトを一次的に係止するためのハウジングランス15が設けられている。
更に、フロントカバー20は、インナーハウジング10の前側に装着されるよう構成され、図1に示すように、幅方向に延びてハウジング本体11の前面を覆うカバー本体21を備えている。フロントカバー20は、絶縁性の樹脂を成形することによって形成される。そして、カバー本体21の後面には、ハウジング本体11の上面及び幅方向両側面を覆うフード部22が後方に延びるように形成されている。
フロントカバー20を設けることにより、相手コネクタ401(図7参照)とレバー式コネクタ1の嵌合時に、相手コネクタ401に設けた相手端子(図示せず)がコンタクトに突き当たってしまう等の問題を回避できる。即ち、インナーハウジング10内に収容されたコンタクトを保護することができる。
また、第1シール部材40は、図1及び図4に示すように、リング状に形成されてインナーハウジング10のハウジング本体11の外側に密着するようになっている。この第1シール部材40は、相手コネクタ401がレバー式コネクタ1に嵌合したときに、相手コネクタ401とハウジング本体11との間をシールし、嵌合部からインナーハウジング10の内部に水が浸入するのを阻止する機能を有する。
レバー式コネクタ1の組み立てに際し、先ず、インナーハウジング10のハウジング本体11の外側に第1シール部材40を装着する。
次いで、フロントカバー20をインナーハウジング10の前側に装着する。この際に、図4(A)に示すように、フロントカバー20に設けられた各対の弾性ラッチアーム26aがインナーハウジング10に設けられた各対の係止部18a間に押し込まれて係止部18aに係止される。また、同図4(A)に示すように、フロントカバー20に設けられた突起26cがインナーハウジング10に設けられた凹部18cに入り込む。また、図4(B)に示すように、フロントカバー20に設けられた弾性係止アーム26bがインナーハウジング10に設けられた切欠18bに係止される。更に、図3(B)に示すように、フロントカバー20に設けられた弾性サイドロック26dがインナーハウジング10の係止凹部18dに係止される。
そして、アウターハウジング60を、第1シール部材40、フロントカバー20、リテーナ30及び第2シール部材50を装着したインナーハウジング10の後側から装着する。この際、インナーハウジング10に設けられたラッチアーム16がアウターハウジング60の係止用段部66に係止される。これにより、第2シール部材50の第2シール部材収容空間14からの抜け止めがなされる。
次に、レバー80の支軸部84を、アウターハウジング60の幅方向一端部に設けられた軸受部65に嵌入するとともに、レバー80のスライダ移動用突起85を、各スライダ70の凹部72に嵌入する。これにより、レバー80はアウターハウジング60に対して図2(A)に示す矢印A向き及び図2(B)に示す矢印B向きの双方向に回動可能になるとともに、スライダ70がレバー80の回動動作に連動してスライダ収容溝64内をスライド移動可能になる。
その後、仮係止位置にあるリテーナ30を押し込んで本係止位置まで押し込む。すると、コンタクトはリテーナ30により二次的に係止される。このとき、フロントカバー20の孔27を通過したリテーナ30のフロントカバー保持突起32が、フロントカバー20の前後方向の移動を規制する。
最後に、ワイヤカバー90をアウターハウジング60の後側に取り付け、アウターハウジング60の電線導出孔63から導出された複数の電線を、アウターハウジング60の長手方向の一側に導出する。
以上の作業により、レバー式コネクタ1の組立てが完了する。
ここで、レバー式コネクタ1及び相手コネクタ401の分離動作の際には、先ず、スライダ70の突起部嵌入溝73が突起部19を介してインナーハウジング10を図5に示す矢印Y向き、即ち相手コネクタ401から遠ざかる向きに引っ張る。そして、このインナーハウジング10の引張動作に連動してインナーハウジング10の後端面12aがアウターハウジング60を相手コネクタ401から遠ざかる向きに押すことになる。
また、レバー式コネクタ1によれば、相手コネクタ401との分離の際に、スライダ70の突起部嵌入溝73が突起部19を介してインナーハウジング10を引っ張るので、簡単な構造でスライダ70がインナーハウジング10を直接引っ張る構成とすることができる。
例えば、相手コネクタ401との嵌合解除のときに、スライダ70の突起部嵌入溝73が突起部19を介してインナーハウジング10を引っ張る構成としているが、スライダ70がインナーハウジング10を引っ張るものであれば、この構成に限らず、スライダ70側に突起部を設け、インナーハウジング10側に突起部嵌入溝を設ける構成としてもよい。
10 インナーハウジング
19 突起部
50 第2シール部材(一括シール部材)
60 アウターハウジング
64 スライダ収容溝
70 スライダ
71 カム溝
73 突起部嵌入溝
80 レバー
401 相手コネクタ
411 カムピン
Claims (4)
- コンタクトを収容したインナーハウジングと、該インナーハウジングに装着され、一括シール部材の抜け止めを行うアウターハウジングと、該アウターハウジングに形成されたスライダ収容溝内にスライド動作可能に収容され、相手コネクタに設けられたカムピンが入り込むカム溝を有するスライダと、前記アウターハウジングに対して回動可能に設けられ、前記スライダをスライド動作させるレバーとを具備し、該レバーの回動操作により前記スライダをスライド動作させて前記相手コネクタとの嵌合及び分離を達成するレバー式コネクタであって、
前記相手コネクタとの分離の際に、前記スライダが前記インナーハウジングを前記相手コネクタから遠ざかる向きに引っ張る構成としたことを特徴とするレバー式コネクタ。 - 前記インナーハウジングに突起部を設け、前記スライダに前記突起部が嵌入される突起部嵌入溝を設け、前記相手コネクタとの分離の際に、前記突起部嵌入溝が前記突起部を介して前記インナーハウジングを引っ張ることを特徴とする請求項1記載のレバー式コネクタ。
- 前記相手コネクタとの分離の際には、前記スライダが前記インナーハウジングを前記相手コネクタから遠ざかる向きに引っ張るとともに、前記インナーハウジングの引張動作に連動して前記インナーハウジングが前記アウターハウジングを前記相手コネクタから遠ざかる向きに押すことを特徴とする請求項1記載のレバー式コネクタ。
- 前記相手コネクタとの嵌合の際には、前記スライダが前記アウターハウジングを前記相手コネクタに近づく向きに押すとともに、前記アウターハウジングの押し込み動作に連動して前記アウターハウジングが前記インナーハウジングを前記相手コネクタに近づく向きに押すことを特徴とする請求項1記載のレバー式コネクタ。
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