JP4128862B2 - 超音波撮影装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波撮影装置に関し、特に、造影剤を用いて撮影を行う超音波撮影装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
超音波撮影装置による造影撮影は、造影剤が発生する特有のエコー信号を利用することにより行われる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−272741号公報(第3,6頁、図1,11)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
造影撮影によって得られた画像は、造影剤の集合状態のみを示し、体内の構造を示さないので、撮影部位の判別が困難になる。これは、記録した造影画像に基づいて診断を行う場合等に特に不便である。
【0005】
そこで、本発明の課題は、造影撮影部位の判別が容易な超音波撮影装置を実現することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するための本発明は、対象の内部を超音波でスキャンしエコー信号に基づいて画像を生成する撮影手段と、前記撮影手段に造影撮影を行わせる制御手段と、前記撮影手段に造影撮影中に一時的にBモード撮影を行わせる割り込み手段と、を具備することを特徴とする超音波撮影装置である。
【0007】
本発明では、割り込み手段により、造影撮影中に撮影手段に一時的にBモード撮影を行わせるので、造影画像に加えて体内構造を示す画像も得られる。このため、造影撮影部位の判別が容易となる。
【0008】
前記割り込み手段は使用者の操作に応じて割り込みを行うことが、Bモード撮影を随意に行う点で好ましい。前記操作は専用キーの操作であることが、Bモード撮影を意識的に行う点で好ましい。前記操作は兼用キーの操作であることが、Bモード撮影を他の目的のキー操作に連動して行う点で好ましい。
【0009】
前記兼用キーの操作はフリーズキーの操作であることが、フリーズに連動して行う点で好ましい。前記フリーズキーの操作はフリーズ開始操作またはフリーズ解除操作のうちの少なくともいずれかであることが、フリーズ開始操作またはフリーズ解除操作のうちの少なくともいずれかに連動して行う点で好ましい。
【0010】
前記兼用キーの操作はシネキーの操作であることが、シネ記憶に連動して行う点で好ましい。前記シネキーの操作はシネ記憶開始操作またはシネ記憶終了操作のうちの少なくともいずれかであることが、シネ記憶開始操作またはシネ記憶終了操作のうちの少なくともいずれかに連動して行う点で好ましい。
【0011】
前記撮影手段は、1音線あたり2回受信するエコー同士の重み付け加算によって得られた信号に基づいてBモード画像を生成することが、低MIの超音波によるBモード撮影を効果的に行う点で好ましい。前記撮影手段は、1音線あたり2回受信するエコーのうち2回目に受信するエコーに基づいてBモード画像を生成することが、高MIの超音波によるBモード撮影を効果的に行う点で好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、本発明は実施の形態に限定されるものではない。図1に超音波撮影装置のブロック(block)図を示す。本装置は本発明の実施の形態の一例である。本装置の構成によって、本発明の装置に関する実施の形態の一例が示される。
【0013】
図1に示すように、本装置は、超音波プローブ2を有する。超音波プローブ2は、図示しない複数の超音波トランスデューサ(transducer)のアレイ(array)を有する。個々の超音波トランスデューサは例えばPZT(チタン(Ti)酸ジルコン(Zr)酸鉛)セラミックス(ceramics)等の圧電材料によって構成される。超音波プローブ2は、使用者により対象4に当接して使用される。対象4の関心領域には血流を利用して造影剤402が供給されている。造影剤402としては、微小な気泡を主体とするものが用いられる。
【0014】
超音波プローブ2は送受信部6に接続されている。送受信部6は、超音波プローブ2に駆動信号を与えて超音波を送波させる。送受信部6は、また、超音波プローブ2が受波したエコー信号を受信する。
【0015】
送受信部6は、信号強度が小さな駆動信号を供給できるようになっている。信号強度は、それによって発生する超音波のメカニカルインデックス(MI:mechanical index)が、造影剤が破壊するMIを下まわるように設定されている。以下、そのような超音波を低MI超音波ともいう。低MI超音波は、低MI系の造影剤に対して用いられる。
【0016】
送受信部6は、また、信号強度が大きな駆動信号を供給できるようになっている。信号強度は、それによって発生する超音波のMIが、造影剤が破壊するMIを上まわるように設定されている。以下、そのような超音波を高MI超音波ともいう。高MI超音波は、高MI系の造影剤に対して用いられる。
【0017】
送受信部6は、例えば図2に示すような走査を行う。すなわち、放射点200からz方向に延びる音線202で扇状の2次元領域206をθ方向に走査し、いわゆるセクタスキャン(sector scan)を行う。
【0018】
送波および受波のアパーチャを超音波トランスデューサアレイの一部を用いて形成するときは、このアパーチャをアレイに沿って順次移動させることにより、例えば図3に示すような走査を行うことができる。すなわち、放射点200からz方向に発する音線202を直線状の軌跡204に沿って平行移動させることにより、矩形状の2次元領域206をx方向に走査し、いわゆるリニアスキャン(linear scan)を行う。
【0019】
なお、超音波トランスデューサアレイが、超音波送波方向に張り出した円弧に沿って形成されたいわゆるコンベックスアレイ(convex array)である場合は、リニアスキャンと同様な音線走査により、例えば図4に示すように、音線202の放射点200を円弧状の軌跡204に沿って移動させ、扇面状の2次元領域206をθ方向に走査して、いわゆるコンベックススキャンが行える。
【0020】
造影撮影においては、上記のようなスキャンが、1音線あたり2回の送受信によって行われる。低MI超音波を用いるときは、1回目と2回目で超音波の位相が180゜違えられる。高MI超音波を用いるときは、2回とも同位相とされる。
【0021】
送受信部6はエコー処理部10に接続されている。送受信部6から出力される音線ごとのエコー受信信号は、エコー処理部10に入力される。エコー処理部10はエコー信号を処理して画像データを形成する。エコー処理部10は、次のようにして、造影画像データおよびBモード画像データを形成する。
【0022】
まず、造影画像データの形成について説明すれば、低MIの超音波を用いる場合は、1音線あたり2回受信するエコー同士の加算を行う。1回目のエコーと2回目のエコーは位相が互いに逆になるので、加算により基本波成分が相殺され第2高調波等の偶数調波成分だけが倍加されて得られる。偶数調波成分は造影剤特有のエコーであるから、このような処理により造影剤エコーが抽出され、それに基づいて造影画像データが形成される。
【0023】
高MIの超音波を用いる場合は、1音線あたり2回受信するエコー同士の減算を行う。1回目のエコーには造影剤の破壊にともなって発生するエコーが含まれ、2回目のエコーには造影剤がすでに破壊したことにより造影剤エコーは含まれない。したがって、減算により両エコーに共通に含まれるエコーすなわち体内組織からのエコーが相殺され、造影剤エコーだけを得ることができる。
【0024】
次に、Bモード画像データの形成について説明すれば、低MIの超音波を用いる場合は1音線あたり2回受信するエコーについて、それぞれの重みを変えて加算を行う。重みを変えることにより基本波成分は相殺されなくなるので、体内組織からのエコーを得ることができる。あるいは、いずれか1回分のエコーを利用するしてもよい。このような処理により組織エコーが抽出され、それに基づいてBモード画像データが形成される。
【0025】
高MIの超音波を用いる場合は、2回目のエコーだけを利用する。2回目のエコーは、造影剤がすでに破壊したことにより体内組織からのエコーだけとなっている。なお、Bモード画像データは、通常のBモード撮影を行って得るようにしてもよい。
【0026】
エコー処理部10は画像処理部14に接続されている。画像処理部14は、エコー処理部10から入力されるデータに基づいて、画像を生成する。生成される画像は、造影画像またはBモード画像である。
【0027】
画像処理部14は、図5に示すように、セントラル・プロセシング・ユニット(CPU:Centeral Processing Unit)140を有する。CPU140には、バス(bus)142によって、メインメモリ(main memory)144、外部メモリ146、制御部インターフェース(interface)148、入力データメモリ(data memory)152、ディジタル・スキャンコンバータ(DSC:Digital Scan Converter)154、画像メモリ156、および、ディスプレーメモリ(display memory)158が接続されている。
【0028】
外部メモリ146には、CPU140が実行するプログラムが記憶されている。外部メモリ146には、また、CPU140がプログラムを実行するに当たって使用する種々のデータも記憶されている。後述のシネ(cine)画像も外部メモリ146に記憶される。
【0029】
CPU140は、外部メモリ146からプログラムをメインメモリ144にロード(load)して実行することにより、所定の画像処理を遂行する。CPU140は、プログラム実行の過程で、制御部インターフェース148を通じて後述の制御部18と制御信号の授受を行う。
【0030】
エコー処理部10およびドップラ処理部12から音線ごとに入力された造影画像データおよびBモード画像データは、入力データメモリ152にそれぞれ記憶される。入力データメモリ152のデータは、DSC154で走査変換されて画像メモリ156に記憶される。画像メモリ156のデータはディスプレーメモリ158を通じて表示部16に出力される。
【0031】
画像処理部14には表示部16が接続されている。表示部16は、画像処理部14から画像信号が与えられ、それに基づいて画像を表示するようになっている。表示部16は、カラー(color)画像が表示可能なCRT(cathode−ray tube)を用いたグラフィックディスプレー(graphic display)等で構成される。
【0032】
以上の送受信部6、エコー処理部10、ドップラ処理部12、画像処理部14および表示部16には制御部18が接続されている。制御部18は、それら各部に制御信号を与えてその動作を制御する。制御部18には、被制御の各部から各種の報知信号が入力される。制御部18の制御の下で、Bモード動作およびドップラモード動作が実行される。
【0033】
制御部18には操作部20が接続されている。操作部20は使用者によって操作され、制御部18に適宜の指令や情報を入力するようになっている。操作部20は、例えばキーボード(keyboard)やポインティングデバイス(pointing device)およびその他の操作具を備えている。
【0034】
超音波プローブ2、送受信部6、エコー処理部10、画像処理部14および表示部16からなる部分は、本発明における撮影手段の実施の形態の一例である。制御部18は、本発明における制御手段の実施の形態の一例である。制御部18および操作部20からなる部分は、本発明における割り込み手段の実施の形態の一例である。
【0035】
本装置の動作を説明する。図6に、本装置の動作のフロー(flow)図を示す。同図に示すように、ステップ(step)601で造影撮影が行われる。造影撮影は、低MI系の造影剤に対しては低MI超音波を用いて行われ、高MI系の造影剤に対しては高MI超音波を用いて行われる。
【0036】
次に、ステップ603で、撮影終了か否かの判定が行われ、Noの場合は、ステップ605で、Bモード要求の有無が判定される。Bモード要求がないときはステップ601に戻る。
【0037】
Bモード要求がなくかつ撮影終了でない間は、以上のステップ601〜605の処理が繰り返される。これによって、造影撮影が継続され、表示部16に造影画像が表示される。造影画像は必要に応じてシネ画像として記憶される。シネ画像の記憶は例えば画像処理部14の外部メモリ146等に行われる。
【0038】
このような造影撮影の途中で、使用者は、必要に応じてBモード要求を行う。Bモード要求は、例えば、操作部における専用のキーを操作することによって行われる。
【0039】
Bモード要求が行われたとき、ステップ605でに判定に基づいてステップ607でBモード撮影が行われる。Bモード撮影は、使用者がキーを押している間継続的に行われ、キーを離すと造影画像に戻る。
【0040】
Bモード撮影は、前述したように、低MI超音波による撮影時には、1音線あたり2回のエコーを重み付け加算することによって行われ、高MI超音波による撮影時には、1音線あたり2回目のエコーを利用することによって行われる。
【0041】
Bモード撮影によって、Bモード画像すなわち造影撮影を行っている部位の断層像が表示部14に表示される。使用者はこの画像に基づいて撮影部位を確認することができる。このような、途中に適宜Bモード撮影を割り込ませた造影撮影が撮影終了まで行われる。
【0042】
Bモード要求は、フリーズ(freeze)キー操作に連動させるようにしてもよい。すなわち、造影撮影中に使用者が画像のフリーズ操作を行ったとき、それに連動してBモード要求を発生させる。Bモード要求は、フリーズ開始操作もしくはフリーズ解除操作のいずれか、または、両方で行うようにしてもよい。このようにすれば、あらためてBモード要求を出さなくても自動的にBモード撮影が行われ、その画像がフリーズ画像とともに表示される。
【0043】
Bモード要求は、また、シネキー操作に連動させるようにしてもよい。すなわち、造影撮影中に使用者がシネ画像の記憶操作を行ったとき、それに連動してBモード要求を発生させる。Bモード要求は、シネ記憶開始操作もしくはシネ記憶停止操作のいずれか、または、両方で行うようにしてもよい。このようにすれば、あらためてBモード要求を出さなくても自動的にBモード撮影が行われ、その画像がシネ画像とともに記憶される。Bモード画像をともなうことにより、シネ画像を後で再生した場合でも撮影部位の確認が容易になる。
【0044】
以上のようにして撮影されたBモード画像は、造影画像に並べて常時表示するようにしてもよく、あるいは、表示色を変えて造影画像の背景として表示するようにしてもよい。これによって、撮影部位の把握をいっそう容易にすることができる。
【0045】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、造影撮影部位の判別が容易な超音波撮影装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例の装置のブロック図である。
【図2】音線走査の模式図である。
【図3】音線走査の模式図である。
【図4】音線走査の模式図である。
【図5】画像処理部のブロック図である。
【図6】本発明の実施の形態の一例の装置の動作のフロー図である。
【符号の説明】
2 超音波プローブ
4 対象
402 造影剤
6 送受信部
10 エコー処理部
14 画像処理部
16 表示部
18 制御部
20 操作部

Claims (8)

  1. 対象の内部を超音波でスキャンしエコー信号に基づいて画像を生成する撮影手段と、
    前記撮影手段に、造影撮影のためのスキャンを行わせ造影画像を生成させるか又はBモード撮影のためのスキャンを行わせBモード画像を生成させる制御手段と、
    低MI系の造影剤を用いて前記撮影手段が低MI系の前記造影撮影をしているときに、使用者によるフリーズキーの操作又はシネキーの操作に連動させて、一時的に、1音線あたり2回受信するエコー同士を重み付け加算して前記Bモード撮影を行わせる割り込み手段と、
    を具備することを特徴とする超音波撮影装置。
  2. 対象の内部を超音波でスキャンしエコー信号に基づいて画像を生成する撮影手段と、
    前記撮影手段に、造影撮影のためのスキャンを行わせ造影画像を生成させるか又はBモード撮影のためのスキャンを行わせBモード画像を生成させる制御手段と、
    高MI系の造影剤を用いて前記撮影手段が高MI系の前記造影撮影をしているときに、使用者の操作に応じて、一時的に、1音線あたり2回受信するエコーのうち2回目に受信するエコーを用いる前記Bモード撮影を行わせる割り込み手段と、
    を具備することを特徴とする超音波撮影装置。
  3. 前記操作は専用キーの操作である、
    ことを特徴とする請求項2に記載の超音波撮影装置。
  4. 前記操作は兼用キーの操作である、
    ことを特徴とする請求項2に記載の超音波撮影装置。
  5. 前記兼用キーの操作はフリーズキーの操作である、
    ことを特徴とする請求項4に記載の超音波撮影装置。
  6. 前記フリーズキーの操作はフリーズ開始操作またはフリーズ解除操作のうちの少なくともいずれかである、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項5に記載の超音波撮影装置。
  7. 前記兼用キーの操作はシネキーの操作である、
    ことを特徴とする請求項4に記載の超音波撮影装置。
  8. 前記シネキーの操作はシネ記憶開始操作またはシネ記憶終了操作のうちの少なくともいずれかである、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項7に記載の超音波撮影装置。
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