JPH06296609A - 超音波診断装置 - Google Patents

超音波診断装置

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JPH06296609A
JPH06296609A JP10726193A JP10726193A JPH06296609A JP H06296609 A JPH06296609 A JP H06296609A JP 10726193 A JP10726193 A JP 10726193A JP 10726193 A JP10726193 A JP 10726193A JP H06296609 A JPH06296609 A JP H06296609A
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原 謙 石
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本 眞 治 岸
Kazunari Ishida
田 一 成 石
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 超音波診断装置において、被検体の診断部位
のBモード像に対し任意方向のMモード像を抽出して表
示する。 【構成】 Bモードの画像データを形成するスキャンコ
ンバータ4と並列に、任意方向のMモード像を描出する
ためのMモード像メモリ8を設けると共に、制御部7は
Mモード像メモリ8のメモリアドレスを制御して任意方
向のMモード像抽出ラインを設定し上記スキャンコンバ
ータ4へ転送するものとし、上記制御部7から送出され
るMモード像の表示開始点及び終了点の位置情報により
任意方向のMモード像抽出ラインを表示するグラフィッ
ク部9を設けたものである。これにより、診断部位のB
モード像に対し任意方向のMモード像を抽出して表示す
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超音波を利用して被検
体の診断部位について超音波画像を作成し表示する超音
波診断装置に関し、特にBモード像に対し任意方向のM
モード像を抽出して表示することができる超音波診断装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の超音波診断装置は、被検
体内に超音波を送受信する探触子と、この探触子を駆動
して超音波を発生させると共に受信した反射エコーの信
号を処理する超音波送受信部と、この超音波送受信部か
らの反射エコー信号をディジタル化するA/D変換器
と、このA/D変換器からのディジタル信号を超音波ビ
ームの走査線ごとに書き込んで画像データを形成するス
キャンコンバータと、このスキャンコンバータから出力
された画像データを入力してアナログ変換するD/A変
換器と、このD/A変換器からのアナログ信号を入力し
て表示する画像表示装置と、上記各構成要素の動作を制
御する制御部とを有して成っていた。ここで、このよう
な超音波診断装置による画像診断では、診断部位のBモ
ード像(断層像)により疾患の有無、部位を把握し、M
モード像によって計測を行い重症度を定量的に評価して
いた。なお、従来のMモード像は、超音波ビーム方向の
輝度レベルの時間変化を描出するものである。
【0003】そして、このような超音波診断装置におけ
る超音波画像の表示様式は、図7に示すようになってい
た。すなわち、図7は例えばリニア走査探触子を用いて
超音波画像を表示した場合であり、同図(a)は被検体
内のある診断部位のBモード像Ib(断層像)を示して
おり、同図(b)はそのBモード像について抽出したM
モード像Imを示している。このとき、図7(a)に示
すBモード像Ibの中央部には、探触子からの超音波ビ
ームの打ち出し方向に一致したMモード像抽出ラインL
mが重畳して表示されており、このMモード像抽出ライ
ンLmが表示された位置の超音波ビームについて同図
(b)に示すようにMモード像Imを表示していた。そ
して、このMモード像抽出ラインLmの方向の超音波ビ
ーム1本分のデータを、そのままMモード像Imとして
記録し、表示していた。
【0004】また、図8は例えばセクタ走査探触子を用
いて心臓のBモード像Ibを表示した場合を示してお
り、このBモード像Ibを用いてMモード像を観察する
場合について説明する。図8において、Bモード像Ib
の視野のうちハッチングを付して示す部分が心臓であ
り、図の右側方が人体の頭部側であり、左側方が人体の
足部側である。そして、従来の心臓の超音波診断におい
ては、心収縮の状況を動画観察して動きの良否を判定し
ていた。しかし、このようなBモード像Ibによる観察
では、定性的な印象でしかなく、診断に精度を欠くもの
であった。そこで、従来からMモード像の観察により、
定量測定を行い診断精度を保っていた。すなわち、図8
において、左心室側壁部のA点の動きがおかしいと認め
られた場合は、図中のMモード像抽出ラインLmを上記
A点の近傍に移動させ、その方向の超音波ビームにより
Mモード像の観察を行っていた。
【0005】この場合の超音波画像の表示様式を示す
と、図9のようになる。同図(a)は図8に示すBモー
ド像Ibと同一の画像を示しており、同図(b)は上記
Bモード像Ib中のA点及びC点の動きを抽出したMモ
ード像Imを示している。このような図9において、人
体の胸(図8参照)の表面部は肋骨によって保護されて
いるので、その内部の診断のためには肋間に探触子を当
てなければならないが、これに適した位置は非常に少な
い。従って、図9(a)において、Mモード像抽出ライ
ンLmが、左心室の収縮の中心線L1に対して直交する左
心室収縮方向の線L2と一致するように探触子を当てる
ことはできないことが多かった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような従
来の超音波診断装置においては、例えばリニア走査探触
子を用いて超音波画像を表示した場合、図7(a)に示
すBモード像Ibにおいて探触子からの超音波ビームの
打ち出し方向の超音波ビーム1本分のデータをそのまま
Mモード像Imとして表示しており、図7(a)に示す
Mモード像抽出ラインLmが探触子からの超音波ビーム
の打ち出し方向に一致していたので、Bモード像Ibに
おける超音波ビームの打ち出し方向しかMモード像Im
を表示することができなかった。従って、図7(a)の
Bモード像Ibにおいて超音波ビームの打ち出し方向に
一致したMモード像抽出ラインLmの方向以外について
は、Mモード像Imを表示することができず、例えば上
記Bモード像Ib上においてMモード像抽出ラインLmに
直交又は斜めに交差する方向のMモード像Imは表示す
ることができないものであった。このことから、操作者
が所望する任意方向のMモード像を表示することができ
ず、例えば被検体内で四方に等方的に収縮、拡張を繰り
返す臓器について、あらゆる方向のMモード像を表示し
てその運動異常等について定性的、定量的な評価をする
ことができないことがあった。
【0007】また、例えばセクタ走査探触子を用いて超
音波画像を表示した場合、図9(a)に示すBモード像
Ibにおいて、A点の動きは図中に示す左心室収縮方向
の線L2に沿って観察する必要があるが、従来装置にお
いては、Mモード像抽出ラインLmは必ず探触子からの
超音波ビームの打ち出し方向に一致しており、それ以外
の方向は選択できなかった。このとき、図9(b)に示
すMモード像Imにおいては、上記Mモード像抽出ライ
ンLmの方向のA点とC点の動きしか表示されないもの
であった。しかるに、診断の目的としては、図9(a)
における左心室収縮方向の線L2上にて心室側壁部のA
点とB点の収縮状況を定量的に把握することにあるの
で、従来装置においては、上記A点とB点をそれぞれ通
る別々のMモード像抽出ラインLm,Lm′を設定し、2
本のMモード像抽出ラインLm,Lm′によりA点とB点
の動きを表示するようにしたものがある。
【0008】しかし、このような従来装置においては、
前述のように構造物の動きのMモード像抽出ライン方向
の成分を表示しているため、図10で説明するように診
断精度が十分とは言えないものであった。すなわち、図
10において、図9(a)に示す左心室側壁部のA点で
本来検出したいのは左心室収縮方向の線L2に沿う動き
aであるが、上記Mモード像抽出ラインLmに沿って上
記aと角度θ1で交わるa1の動き(a1=a・sinθ1
が図9(b)に示すMモード像Imには表示されるもの
であった。同様にして、図9(a)に示す左心室側壁部
のB点で本来検出したいのは左心室収縮方向の線L2
沿う動きb(図10参照)であるが、上記Mモード像抽
出ラインLm′に沿って上記bと角度θ2で交わるb1
動き(b1=b・sinθ2)がMモード像Imには表示され
るものであった。この場合、上記の角度θ1,θ2はそれ
ぞれ異なるため、各Mモード像抽出ラインLm,Lm′方
向への動きの成分の分配は一様ではない。すなわち、精
度が悪いものであった。従来の超音波診断においては、
Mモード像計測時に、上記の角度θ1,θ2等をパラメー
タとして算出値を換算する等の処理を行っているが、被
検体の動きは一様でないことから、誤差が大きくなるこ
とがあった。このため、診断に際しては、操作者の経験
則に頼って診断精度を保つように努めていた。
【0009】そこで、本発明は、このような問題点に対
処して、被検体の診断部位のBモード像に対し任意方向
のMモード像を抽出して表示することができる超音波診
断装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明による超音波診断装置は、被検体内に超音波
を送受信する探触子と、この探触子を駆動して超音波を
発生させると共に受信した反射エコーの信号を処理する
超音波送受信部と、この超音波送受信部からの反射エコ
ー信号をディジタル化するA/D変換器と、このA/D
変換器からのディジタル信号を超音波ビームの走査線ご
とに書き込んで画像データを形成するスキャンコンバー
タと、このスキャンコンバータから出力された画像デー
タを入力してアナログ変換するD/A変換器と、このD
/A変換器からのアナログ信号を入力して表示する画像
表示装置と、上記各構成要素の動作を制御する制御部と
を有して成る超音波診断装置において、上記スキャンコ
ンバータと並列に任意方向のMモード像を描出するため
のMモード像メモリを設けると共に、上記制御部はMモ
ード像メモリのメモリアドレスを制御して任意方向のM
モード像抽出ラインを設定し上記スキャンコンバータへ
転送するものとし、上記制御部から送出されるMモード
像の表示開始点及び終了点の位置情報により任意方向の
Mモード像抽出ラインを表示するグラフィック部を設け
たものである。
【0011】
【作用】このように構成された超音波診断装置は、制御
部によりMモード像メモリのメモリアドレスを制御して
任意方向のMモード像抽出ラインを設定しスキャンコン
バータへ転送し、このスキャンコンバータと並列に設け
られたMモード像メモリにより任意方向のMモード像を
描出するためのMモード像データを記録し、上記制御部
に接続されたグラフィック部で該制御部から送出される
Mモード像の表示開始点及び終了点の位置情報によりM
モード像抽出ラインを表示するように動作する。これに
より、被検体の診断部位のBモード像に対し任意方向の
Mモード像抽出ラインを設定して表示すると共に、任意
方向のMモード像を抽出して表示することができる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて
詳細に説明する。図1は本発明による超音波診断装置の
実施例を示すブロック図である。この超音波診断装置
は、超音波を利用して被検体の診断部位について超音波
画像を作成し表示するもので、図に示すように、探触子
1と、超音波送受信部2と、A/D変換器3と、スキャ
ンコンバータ4と、D/A変換器5と、画像表示装置6
と、制御部7とを有し、さらにMモード像メモリ8と、
グラフィック部9と、合成回路10とを備えて成る。
【0013】上記探触子1は、機械的または電子的にビ
ーム走査を行って被検体に超音波を送信及び受信するも
ので、図示省略したがその中には超音波の発生源である
と共に反射エコーを受信する複数の振動子が内蔵されて
いる。超音波送受信部2は、上記探触子1に対して駆動
パルスを送出して超音波を発生させると共に受信した反
射エコーの信号を処理するもので、図示省略したがその
中には、探触子1から被検体へ送波する超音波ビームを
形成するための公知の送波パルサ及び送波遅延回路と、
上記探触子1の各振動子で受信した反射エコー信号を増
幅する受波増幅器と、上記受信した各反射エコー信号の
位相を揃えて加算し受波の超音波ビームを形成する受波
遅延回路及び加算器等から成る整相回路とが内蔵されて
いる。そして、これら探触子1と超音波送受信部2とで
超音波送受信手段を構成しており、上記探触子1で超音
波ビームを被検体の体内で一定方向に走査させることに
より、1枚の断層像(Bモード像)を得るようになって
いる。
【0014】前記A/D変換器3は、上記超音波送受信
部2からの反射エコー信号を入力してディジタル信号に
変換するものである。また、スキャンコンバータ4は、
上記A/D変換器3から出力されるディジタル信号を入
力して超音波ビームの1走査線又は複数の走査線ごとに
内蔵のラインメモリに書き込んでBモードの画像データ
を形成し、後述のD/A変換器5側へ送出するものであ
る。
【0015】D/A変換器5は、上記スキャンコンバー
タ4から出力された画像データを入力してアナログビデ
オ信号に変換するものである。さらに、画像表示装置6
は、上記D/A変換器5からのアナログビデオ信号を入
力してテレビ表示方式により画像として表示するもの
で、例えばテレビモニタから成る。また、制御部7は、
上記の各構成要素の動作を制御するもので、例えば中央
処理装置(CPU)から成る。なお、この制御部7に
は、キーボード又はトラックボール、ジョイスティック
等の入力装置11が接続されている。
【0016】ここで、本発明においては、前記スキャン
コンバータ4と並列にMモード像メモリ8が設けられる
と共に、制御部7にはグラフィック部9が接続され、か
つその制御部7で上記Mモード像メモリ8のメモリアド
レスを制御するようになっている。上記Mモード像メモ
リ8は、前記A/D変換器3から出力されるディジタル
信号を入力して、任意方向のMモード像を描出するため
のMモード像データを記録するもので、例えば半導体メ
モリから成る。また、グラフィック部9は、上記制御部
7から送出されるMモード像の表示開始点及び表示終了
点の位置情報を入力して、任意方向のMモード像抽出ラ
インを表示するデータを作成するものである。そして、
上記制御部7は、前記入力装置11から操作者の操作に
より任意に入力されるMモード像の表示開始点及び表示
終了点の位置情報を得て、Mモード像メモリ8のメモリ
アドレスを制御し、任意方向のMモード像抽出ラインを
設定して上記スキャンコンバータ4へ送出するものとさ
れている。そして、上記スキャンコンバータ4及びMモ
ード像メモリ8並びにグラフィック部9のそれぞれの出
力側には、一つの合成回路10が設けられており、スキ
ャンコンバータ4から出力されるBモード像(断層像)
のデータと、Mモード像メモリ8から出力されるMモー
ド像のデータと、グラフィック部9から出力される任意
方向のMモード像抽出ラインのデータとを入力して、前
記制御部7からの制御信号により画像表示するために合
成して出力するようになっている。
【0017】次に、このように構成された超音波診断装
置の動作について、図2〜図5を参照して説明する。ま
ず、図1において、探触子1及び超音波送受信部2の動
作により、超音波画像データを収集し、A/D変換器3
及びスキャンコンバータ4並びにD/A変換器5を介し
て、画像表示装置6の画面に図2の左側部分に示すよう
に、被検体内の診断部位についてBモード像Ib(リニ
ア走査探触子の場合)を表示する。次に、操作者は、図
1に示す入力装置11を操作して、図2に示すBモード
像Ib上で、Mモード像の表示開始点としてA点を任意
に設定し、表示終了点としてB点を任意に設定する。こ
れにより、上記A点とB点とを結ぶMモード像抽出ライ
ンLmが設定される。このとき、上記A点とB点とを所
望の任意の位置に設定することにより、上記Mモード像
抽出ラインLmを適宜回転したり、移動したりして診断
部位12に対して任意の方向に設定することができる。
【0018】次に、図1に示す制御部7は、上記入力装
置11から入力されたMモード像の表示開始点Aと表示
終了点Bの位置情報を得て、グラフィック部9に上記M
モード像抽出ラインLmのデータを送り、図2の左側部
分に破線で示すように該Mモード像抽出ラインLmの位
置及び方向を表示する。さらに、制御部7は、図2の左
側部分に示す1フレームのBモード像Ib上で、このB
モード像Ibを形成する超音波打ち出し方向の各超音波
ビームが上記Mモード像抽出ラインLmと交わるポイン
トの番地を算出し、データとして記憶する。これを図3
を用いて説明すると、同図(a)に示すBモード像Ib
上において、超音波ビーム13の本数が例えば128本と
すると、A点は第1のポイントP1となり、B点は第128
のポイントP128となる。そして、ポイントP1からP
128の間で、各超音波ビーム13と交わる点がP2
3,…,P117,…,P127のように並んでいる。
【0019】次に、図3(b)に示すように、Mモード
像Im上にて上記各々のA点〜B点のデータをUS1〜U
45までのMモード画素ラインに分配する。ここで、テ
レビ表示のフレームレートは一般的に30フレーム/秒で
あり、1秒間に30枚のフレーム画像を表示する。いま、
心周期を例えば1.5秒とすると、この心周期の間に 30枚/秒×1.5秒=45枚 のデータが必要となる。このことから、この45枚分のデ
ータで1.5秒分のMモード像Imを再構成していることが
わかり、上記45枚分のデータをUS1〜US45のMモー
ド画素ラインに分配している。このとき、Bモード像I
bの1枚の完像時間は、フレームレートが30フレーム/
秒であるから、1枚の画像については1/30秒=33msと
なる。そして、前記1.5秒分のデータを一般に500画素ラ
インで表示しているので、 となり、1画素ラインの時間軸での幅は3msとなる。従
って、上記のようにBモード像Ibの1枚の完像時間は3
3msであるので、Bモード像1枚分は11画素ラインに相
当している。
【0020】図3(a)に示すBモード像Ibにおいて
は、画像の左端側すなわちB点のある側から超音波ビー
ム13の送受信が行われる。この場合、B点にあたるポ
イントP128が図3(b)に示すMモード像Imにおいて
第1のMモード画素ラインUS1に最初に書き込まれ
る。そして、この第1のMモード画素ラインUS1
は、ポイントP128〜P117までの12点が書き込まれる。
これは、上述のように1本のMモード画素ラインは3ms
の時間軸の幅に相当しており、Bモード像IbのA点〜
B点の各点の時間差は、20cmまでの深度を表示するもの
とすると一般的に260μsであるので、 となるからである。すなわち、図3(a)に示すBモー
ド像Ibの隣接した11〜12点が、図3(b)に示すMモ
ード像Imにおいて1本のMモード画素ラインUS1,U
2,…上に書き込まれる。従って、図3(a)に示す
Bモード像Ib上の次の11点であるポイントP116〜P
106が図3(b)に示す第2のMモード画素ラインUS2
に書き込まれる。このとき、各点の各Mモード画素ライ
ンUS1,US2,…上での番地は、図1に示す制御部7
により図3(a)に示すBモード像Ib上の番地から算
出される。
【0021】図4は以上の動作の処理手順を説明するた
めのタイミング線図である。図4(a)は探触子1から
の超音波送信タイミングを示しており、この場合は、同
図(e)に拡大して示すように例えば290μsで超音波ビ
ームの送信を繰り返している。そして、図4(b)に示
すようにフレーム開始信号が発生されて第1のフレーム
が開始されると同時に、図1に示す制御部7は、超音波
送信回数すなわち超音波ビームの本数をカウントし、超
音波送信回数の11回又は12回ごとに図4(c)に示すよ
うにMモード画素ラインの更新タイミング信号を出力す
る。これにより、図4(d)に示すように、図3(b)
に示すMモード画素ラインUS1,US2,…のアドレス
が順次更新される。さらに、図4(e)に示す超音波送
信のタイミングごとに、図4(g)に示すように、画素
Yアドレス(図3(b)参照)が変更される。
【0022】上記の画素Yアドレスは、図3(b)に示
す1本のMモード画素ラインUS1,US2,…上の位置
を示すアドレスであり、Mモード像Imの上下方向の位
置に対応している。図4(g)において、Y1(128)は図
3(b)における第1のMモード画素ラインUS1上に
てポイントP128のY方向のアドレスを示し、Y2(116)
は第2のMモード画素ラインUS2上にてポイントP116
のY方向のアドレスを示している。この状態で、図1に
示す制御部7は、図3(a)に示すBモード像Ib上で
の各ポイントP1〜P128のデータ位置に対応して、図4
(g)に示す画素Yアドレスで指定した番地への書込み
タイミングを決定し、図4(h)に示すように、画素Y
方向書込み信号として図1に示すMモード像メモリ8へ
送出する。
【0023】これにより、図5に示すように、Mモード
像メモリ8には、Mモード像上での時間情報を正しくす
るため、Mモード像ImのデータをBモード像Ibの1フ
レームの完像時間33msを一つのブロックとして経時的に
時間軸を変更して書き込まれる。このとき、前述のよう
にMモード画素ラインが11本又は12本ごとであるため、
1フレーム分のMモード像のデータと、次のフレーム分
のMモード像のデータとの間が10点又は11点だけ空白と
なる。しかし、これは現状の超音波診断装置で用いられ
ている補間処理により、画像診断に利用できるMモード
像が作成される。このようにして、図2に示すように、
任意の方向に設定したMモード像抽出ラインLmの位置
及び方向で抽出したMモード像Imが画像表示装置6に
表示される。
【0024】なお、上述の図2〜図5を参照して説明し
た表示例は、リニア走査探触子を用いた実施例の場合で
あるが、本発明はこれに限らず、セクタ走査探触子を用
いた場合でも、図6に示すように、上述と同様の手法に
より適用することが可能である。すなわち、図6(a)
において、左心室側壁部のA点及びB点を通る任意方向
のMモード像抽出ラインLmを設定し、A点の動きをa
とし、B点の動きをbとすると、それぞれの動きの方向
は上記任意方向のMモード像抽出ラインLmの方向と一
致しているので、図6(b)に示すMモード像Imには
それぞれの移動量a,bがそのまま正しく表示されるこ
ととなる。従って、高精度の計測が可能となる。
【0025】
【発明の効果】本発明は以上のように構成されたので、
被検体の診断部位のBモード像に対し任意方向のMモー
ド像を抽出して表示することができる。従って、操作者
が所望するあらゆる位置及び方向のMモード像でも表示
することができ、例えば被検体内で四方に等方的に収
縮、拡張を繰り返す臓器(血管など)について、任意方
向のMモード像を表示してその運動異常等について定性
的、定量的な評価を行うことができる。このことから、
超音波診断装置の診断能を向上することができる。
【0026】また、図6に示すセクタ走査探触子を用い
た場合においても、操作者が診断部位の所望する部位に
対して任意方向のMモード像抽出ラインを設定すること
により、Mモード像について高精度の計測を行うことが
できる。そして、経時的な変化が正しく抽出されるの
で、操作者が経験則に頼って診断精度を保つ必要がなく
なり、診断精度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による超音波診断装置の実施例を示す
ブロック図、
【図2】 本発明における任意方向のMモード像の表示
例を示す説明図、
【図3】 Bモード像上で、超音波打ち出し方向の各超
音波ビームが任意方向に設定されたMモード像抽出ライ
ンと交わるポイントの番地を算出し、データとして記憶
する状態を説明する図、
【図4】 本発明における任意方向のMモード像を抽出
表示する動作を説明するためのタイミング線図、
【図5】 Mモード像メモリに対するMモード像のデー
タの書き込み状態を示す説明図、
【図6】 本発明をセクタ走査探触子を用いた装置に適
用した場合の表示例を示す説明図、
【図7】 従来の超音波診断装置におけるMモード像の
表示例を示す説明図、
【図8】 従来装置において例えばセクタ走査探触子を
用いて心臓のBモード像を表示した場合を示す説明図、
【図9】 上記の従来例においてBモード像及びMモー
ド像を表示した場合の表示例を示す説明図、
【図10】 図9の表示例においては診断精度が十分で
ないことを示す説明図。
【符号の説明】
1…探触子、 2…超音波送受信部、 3…A/D変換
器、 4…スキャンコンバータ、 5…D/A変換器、
6…画像表示装置、 7…制御部、 8…Mモード像
メモリ、 9…グラフィック部、 10…合成回路、
11…入力装置、 A…表示開始点、 B…表示終了
点、 Lm…Mモード像抽出ライン。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石 田 一 成 東京都千代田区内神田1丁目1番14号 株 式会社日立メディコ内 (72)発明者 原 島 雅 東京都千代田区内神田1丁目1番14号 株 式会社日立メディコ内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検体内に超音波を送受信する探触子
    と、この探触子を駆動して超音波を発生させると共に受
    信した反射エコーの信号を処理する超音波送受信部と、
    この超音波送受信部からの反射エコー信号をディジタル
    化するA/D変換器と、このA/D変換器からのディジ
    タル信号を超音波ビームの走査線ごとに書き込んで画像
    データを形成するスキャンコンバータと、このスキャン
    コンバータから出力された画像データを入力してアナロ
    グ変換するD/A変換器と、このD/A変換器からのア
    ナログ信号を入力して表示する画像表示装置と、上記各
    構成要素の動作を制御する制御部とを有して成る超音波
    診断装置において、上記スキャンコンバータと並列に任
    意方向のMモード像を描出するためのMモード像メモリ
    を設けると共に、上記制御部はMモード像メモリのメモ
    リアドレスを制御して任意方向のMモード像抽出ライン
    を設定し上記スキャンコンバータへ転送するものとし、
    上記制御部から送出されるMモード像の表示開始点及び
    終了点の位置情報により任意方向のMモード像抽出ライ
    ンを表示するグラフィック部を設けたことを特徴とする
    超音波診断装置。
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