JP4128147B2 - 防災施設用設備管理システム - Google Patents
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Description
従来の遠隔監視制御システムにおいては、例えば、ダムあるいは河川堰の単位で設置された防災施設、各地域毎に設置された複数の防災施設を統括する基地局、複数の基地局を統括する中央局があり、防災施設と基地局、基地局同士、基地局と中央局及び中央局同士は、光ファイバ網及び無線網で結ぶように配置され、防災施設と基地局、基地局同士、基地局と中央局及び中央局同士の通信を行うようにしている。光ファイバ網と無線網は、非常時にいずれか一方を使用して通信を確保できるように冗長化した構成としている。
また、ダムあるいは河川堰機械装置、受電設備、水位計測機器等のように無人状態で広域に分散している各現場設備はそれぞれ防災上重要なものであり常に動作可能な状態に待機させておく必要があるが、落雷などで故障する頻度も高く、防災施設の操作員が落雷が発生した地域の各現場設備を巡回して確認したり、現場設備に落雷警報器を設置し落雷があった場合に専用線で防災設備の操作員へ通報させ、通報を受けた防災施設の操作員がカメラ専用端末で当該現場設備の状態を確認したり当該現場設備に出向いて動作確認を行い、現場設備を常に動作可能な状態に維持している。
このため、落雷等により現場設備の故障が発生した場合、別々の場所に設置された設備データ監視制御システム及び映像監視制御システムの専用操作卓や専用端末で映像信号あるいは被監視設備信号データから被監視設備の故障有無及び復旧対策を判断したり、確認のために現場設備に出向く必要があり、多くの時間と手間を要するため現場設備の故障発生から故障把握までに数時間以上を要し、現場設備を操作する必要があるような緊急事態への対応が遅れるという問題点があった。
監視対象となる被監視設備と、前記被監視設備の状態データを収集して前記設備サーバに出力し又前記設備サーバからの前記被監視設備に向けて操作のための制御データを出力する設備データ収集装置、及び前記被監視設備の状態を映像・音情報として収集し前記設備サーバに出力する映像・音声データ収集装置からなる現場設備と、
前記被監視設備近傍に配置された落雷検出手段からの落雷検出信号を受けて予め指定された所定のWeb端末宛てに落雷通報を発信する落雷通報手段と、
前記現場設備に設けられ前記Web端末から指定された所定の前記被監視設備の自己点検制御信号を発信するとともに前記被監視設備の自己点検動作を監視し異常有無を判別し前記落雷通報手段を介して前記Web端末宛てに前記異常有無を発信する自己点検手段と、を備えたものである。
監視対象となる被監視設備と、前記被監視設備の状態データを収集して前記設備サーバに出力し又前記設備サーバからの前記被監視設備に向けて操作のための制御データを出力する設備データ収集装置、及び前記被監視設備の状態を映像・音情報として収集し前記設備サーバに出力する映像・音声データ収集装置からなる現場設備と、
前記被監視設備近傍に配置された落雷検出手段からの落雷検出信号を受けて予め指定された所定のWeb端末宛てに落雷通報を発信する落雷通報手段と、前記現場設備に設けられ前記Web端末から指定された所定の前記被監視設備の自己点検制御信号を発信するとともに前記被監視設備の自己点検動作を監視し異常有無を判別し前記落雷通報手段を介して前記Web端末宛てに前記異常有無を発信する自己点検手段と、を備えたので、
落雷による被監視設備の障害発生時に、迅速かつ木目細かな対応が可能な、運用信頼性の高い防災施設用設備管理システムを提供することができる。
図1は、本発明の実施の形態1による設備管理システムを含む広域防災監視制御システムの構成を示す図であり、図2は、動作を説明する機能ブロック図である。
なお、メインIPネットワ−ク5、多重無線網6および支線IPネットワ−ク7から構成され広域接続するネットワ−クを広域IPネットワ−クと称する。
さらに、防災施設構内LAN12と第2の支線IPネットワーク14と現場設備内LAN17の範囲を分岐IPネットワ−クと称する。
このようにして、各地に分散配置された防災用現場設備13と、前記現場設備13の監視制御を行うために防災施設・基地局・中央局に配置された監視制御用の複数のWeb端末31と、Webサ−バ機能を有する前記設備サーバ30とは、支線IPネットワーク7を介してメインIPネットワーク5及び多重無線網6によって相互に接続される。このため、広域IPネットワーク上の任意の位置に接続されたWeb端末31から任意の防災用現場設備13を選択して監視制御することが可能となる。
まず、防災施設1にある被監視設備18の監視・制御を行う現場盤18bから設備データ収集装置15に向けて設備状態に関するデータが送信され、設備データ収集装置15のデジタル入出力部40、計測アナログ入力部41、計測デジタル入力部42、計測パルス入力部43等に信号データが収集される。収集された信号データはLANインターフェース部44及び支線IPネットワーク7を介して基地局2の設備サーバ30に送信される。
要求を出したWeb端末31では、配信された音情報が音デコード部81でデコードされ、デコードされた音情報がWeb端末31に装備されているスピーカー83から出力される。
次いで、本発明の特徴部分を構成する被監視設備あるいはその近傍への落雷時における現場設備点検の動作について、以下に説明する。
図3は、例えば、現場設備13の一つである受電設備の一部を示し、受電用電力線105から落雷検出線106を分岐し、その先に他端が接地された落雷検出器107が接続されている。落雷検出線106は、必要によりスイッチ106aにより受電用電力線105から切り離すことができる。落雷により電力線105に所定値以上の異常電圧が生じた場合、アレスタ106bを通して落雷検出線106から落雷検出器107へ一時的に電流が流れる。落雷検出器107に電流が流れると、内部の電路の一部を構成するコイル108が励磁され、これにより検出接点109が閉じるため、出力端子110から接点閉成信号(すなわち落雷有り信号)が出力される。上記の、落雷検出線106、落雷検出器107、コイル108、検出接点109、出力端子110にて落雷検出手段100を構成する。
被監視設備18の現場盤18b内の自己点検手段102は、設備本体制御装置18aに対して自己点検に対応した動作指令を出力し自己点検動作を開始する。さらに自己点検手段102は、自己点検動作指令に対応した設備本体制御装置18aの動作情報を収集して異常の有無を判定するとともに、自己点検動作に伴って発生する信号データを設備サーバ30へ送信しデータ収集サーバ部32に保存する。
上記のように、広域に分散配置された各防災施設1内に設置された、被監視設備18・設備デ−タ収集装置15・映像・音声デ−タ収集装置16とを有する防災用現場設備13と、落雷検出手段100・落雷通報手段101・自己点検手段102とを有する落雷時自己点検機能と、分岐IPネットワ−クとを備えた防災設備システムは、広域IPネットワ−ク上の任意の位置に接続されたWeb端末31から遠隔で監視・制御が可能となるものであり、防災施設用設備管理システムと称する。
ステップST3−5では、遮断器113へ出力回路117からトリップ指令を出力し、しかる後、ステップST3−6で遮断器113からトリップ完了指令ありかを判断する。YESの場合はステップST3−3からステップST3−6までの動作時間を算出して表示装置122に表示し(ステップST3−7)、NOの場合は遮断器の異常を出力する(ステップST3−8)。そして、ステップST3−9において、上記ステップST3−7からの動作時間データ、ステップST3−8からの遮断器113の異常データを外部インターフェース部115aの送信部より伝送路を介して設備データ収集装置15に伝送して点検動作を終了する。
Web端末31から設備サーバ30のWebサーバ部34に届いた各種要求は、ユーザ認証部60にて要求の正当性を、あらかじめ登録されている利用者ID、パスワード及びその利用者に与えられる権限情報に基づいて判断する。利用者IDとパスワードの組み合わせにより利用者を特定し、要求がその利用者に与えられた権限の範囲内の場合は要求を受理し処理を行う。権限の範囲外の場合は要求を拒否する。利用者ID、パスワード、利用者権限、の登録・変更はシステム管理者のみが行う。
Web端末31から設備サーバ30にアクセスがなされた場合には、アクセスの度に設備サーバ30にアクセス内容が記録される。記録内容は、アクセス年月日時分秒93、IPアドレス94、利用者ID95、要求処理識別96、処理結果97を1セットとして管理する。
IPアドレス94は、アクセスしたマシンを特定するために、サーバにアクセスしたWeb端末のIPアドレスを記録する。
利用者ID95は、ログイン時に、パスワードとともに入力され、アクセスした利用者が誰であるかを特定する。
要求処理識別96は、利用者が何を要求したかを記録する。記録内容は、「メニュー画面表示/ログイン/xx画面表示/yy画面表示/a設備機器操作/bbbカメラ映像表示/bbbカメラズーム/bbbカメラ照明点灯/…」等である。
このように、Web端末の利用者IDが、ログイン時に、パスワードとともに入力されるので、設備操作を特定の権限を有する者に限定でき、操作の安全性を向上したシステムを得ることができる。
次に、被監視設備18が樋門である場合について図7〜図10にて説明する。
図7は樋門設備の遠隔制御システムの概念図である。樋門設備125の開閉制御は開閉モータ126を遠隔制御にて操作することで行なわれる。外部からの指令に基づき、樋門設備125が指示された開度になるように、操作盤127は樋門設備125の開閉状態を検知しつつ開閉モータ126を制御する。樋門設備125の状態信号の送出と外部からの操作指令信号の受信、すなわち操作盤127と外部との信号の送受信は、操作盤127の外部接点端子部128からインターフェース装置129に接続しさらにこのインターフェース装置129から前記実施の形態1で説明した第2の支線IPネットワーク14を介して前記実施の形態1で説明した設備サーバ30及びWeb端末(図7には図示せず)と接続することで、設備サーバ30と操作盤127との交信が行なわれる。インターフェース装置129内には、インターフェース装置129と監視カメラ25及び前記外部接点端子部128とのインターフェースとなる外部インターフェース部129aと、前記第2の支線IPネットワーク14側とのインターフェースとなる通信インターフェース部129bとを備えている。樋門設備125の状態信号と監視カメラ25の映像情報は、設備サーバ30へ送信し蓄積される。
操作盤127内の自己点検手段102は、樋門設備125に対して自己点検に対応した動作指令を出力し自己点検動作を開始する。さらに自己点検手段102は、樋門設備125の動作情報を収集して異常の有無を判定するとともに、自己点検動作に伴って発生する信号データを設備サーバ30へ送信しデータ収集サーバ部32に保存する。
(1)光ファイバのループと多重無線網との組合せとしたので、災害・事故等でどちらかのネットワークが機能しなくなっても片方のネットワークで通信を行うことができ、信頼性の高いシステムが得られる。また、通信量が増加した場合でも、2つのネットワークに適宜に振り分けて通信を行うことで通信速度の低下を防止することが可能となり、応答性のよいシステムが得られる。
(2)汎用ネットワークとし、これに汎用Web端末を接続して使用するようにすることで、個々の目的に対応した専用ネットワーク・専用端末が不要となるため、設備構築費用の低減が可能になり、また、各専用端末それぞれに対応した専用ソフトウェアの開発・改修が不要となるため、ソフトウェアの開発・改修が容易になる。
(3)マルチキャスト(Multicast)機能を持たせたWeb配信により、映像情報のマルチキャスト送信が可能となるので、複数箇所から同一の映像情報の要求があっても通信機能障害を引き起こすことを防ぐことができる。
(4)映像情報・音情報と設備信号データを、一つのWeb端末で同時に表示できるので、現場で監視しているのとほぼ同等なビジュアル監視が可能になる。
(5)上記光ファイバのループと無線網との組合せ及びマルチキャスト機能を持たせたWEB配信によるネットワークの冗長性強化及び通信容量の増加によって、災害発生等の緊急時に通信量が増加しても応答性の低下が生じにくいシステムを得ることができる。
(6)落雷によって被監視設備に障害が発生しても、迅速かつ木目細かな対応が可能となり、運用信頼性の高いシステムを得ることができる。
5 メインIPネットワーク、6 多重無線網、7 支線IPネットワーク、
8 スイッチ、9 光伝送装置、10 基地局構内LAN、
11 第1の支線IPネットワーク、12 防災施設構内LAN、13 現場設備、
14 第2の支線IPネットワーク、15 設備データ収集装置、
16 カメラ制御装置(映像・音声デ−タ収集装置)、17 現場設備内LAN、
18 被監視設備、18a 設備本体制御装置、18b 現場盤、25 監視カメラ、
26 マイク、27 スピーカ、28 照明、30 設備サーバ、31 Web端末、
32 データ収集サーバ部、33 カメラサーバ部、34 Webサーバ部、
35 WWWブラウザ、40 デジタル入出力部、41 計測アナログ入力部、
42 計測デジタル入力部、43 計測パルス入力部、
44 LANインターフェース部、45 子局装置通信部、
46 監視・計測データ蓄積部、47 機器遠隔操作部、
48 機器操作記録データ蓄積部、49 機器故障記録データ蓄積部、
50 日報・月報データ算出・保存、51 Web配信部ソフトウェア連携部、
52 Web配信部ソフトウェア連携部、55 監視局画面部、
56 機器遠隔操作表示、57 機器操作記録表示、58 機器故障記録表示、
59 日報・月報表示、60 ユーザ認証部、61 カメラ画像表示部、
62 カメラ画像操作表示部、63 カメラ制御表示部、64 照明制御表示部、
70 映像入力部、71 エンコード部、72 制御部、73 音出力部、
74 エンコード部、75 音入力部、76 デコード部、
77 LANインターフェース部、80 画像デコード部、81 音デコード部、
82 音エンコード部、83 スピーカ、84 マイク、86 映像受信、
87 音受信、88 映像蓄積、89 カメラ制御、90 照明制御、
93 アクセス年月日時分秒、94 IPアドレス、95 利用者ID、
96 要求処理識別、97 処理結果、100 落雷検出手段、101 落雷通報手段、102 自己点検手段、105 電力線、106 落雷検出線、106a スイッチ、
106b アレスタ、107 落雷検出器、108 コイル、109 検出接点、
110 出力端子、111 受電盤、112 受電回路、113 遮断器、
114 変流器、115 保護継電器、115a 外部インターフェース部、
116 補助変流器、117 出力回路、118 D/A変換回路、119 増幅器、
120 論理演算回路、121 A/D変換回路、122 表示装置、
125 樋門設備、126 開閉モータ、127 操作盤、128 外部接点端子部、
129 インターフェース装置、129a 外部インターフェース部、
129b 通信インターフェース部、129c 転送部、129d 記憶部。
Claims (5)
- 複数の基地局間を接続する並列に配置されたメインIPネットワーク及び多重無線網に前記基地局を介して接続された分岐IPネットワークと、前記分岐IPネットワークに接続された現場設備と、前記現場設備近傍に配置され前記基地局に設けられWebサーバ機能を有する設備サーバに対し前記分岐IPネットワークを介して情報の授受を行うWeb端末とを備えた防災施設用設備管理システムにおいて、
監視対象となる被監視設備、前記被監視設備の状態データを収集して前記設備サーバに出力し又前記設備サーバからの前記被監視設備に向けて操作のための制御データを出力する設備データ収集装置、及び前記被監視設備の状態を映像・音情報として収集し前記設備サーバに出力する映像・音声データ収集装置からなる現場設備と、
前記被監視設備近傍に配置された落雷検出手段からの落雷検出信号を受けて予め指定された所定のWeb端末宛てに落雷通報を発信する落雷通報手段と、
前記現場設備に設けられ前記Web端末から指定された所定の前記被監視設備の自己点検制御信号を発信するとともに前記被監視設備の自己点検動作を監視し異常有無を判別し前記落雷通報手段を介して前記Web端末宛てに前記異常有無を発信する自己点検手段と、
を有することを特徴とする防災施設用設備管理システム。 - 前記現場設備近傍に配置されたWeb端末は、ログイン時にパスワードとともに入力される利用者IDにより、閲覧範囲・現場設備操作の範囲に関する許可権限を制限することを特徴とする請求項1に記載の防災施設用設備管理システム。
- 前記落雷検出手段は、受電用電力線に接続されたアレスタの放電により落雷を検出することを特徴とする請求項1に記載の防災施設用設備管理システム。
- 前記現場設備は受電設備であり、前記落雷検出手段と前記自己点検手段を現場盤内に配置し、落雷検知時の自己点検対象が保護リレーであることを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の防災施設用設備管理システム。
- 前記現場設備は樋門設備であり、前記落雷検出手段と前記自己点検手段を現場盤内に配置し、落雷検知時の自己点検対象が樋門操作回路であることを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の防災施設用設備管理システム。
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