JP4127940B2 - 復水器内給水加熱器の搬出入方法及び復水器内給水加熱器の搬出入装置 - Google Patents

復水器内給水加熱器の搬出入方法及び復水器内給水加熱器の搬出入装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、復水器内給水加熱器の搬出入方法及び復水器内給水加熱器の搬出入装置に係り、特に復水器内給水加熱器を非分解状態でタービン室の天井クレーンにより外部に搬出,若しくは外部から搬入する復水器内給水加熱器の搬出入方法及び復水器内給水加熱器の搬出入装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
蒸気タービンプラントにおける復水器上部胴内の給水加熱器の搬入および据付に際しては、従来、主にタービン室引き回し方法である次の2つの搬出入方法の内いずれかの方法を採用するようにしているのが普通である。
【0003】
すなわち、その第1の方法としては、復水器の上部胴の据付レベルである2階床面と同一レベルの建屋壁に開口部を設けるとともに、その屋外に同一レベルの仮高架台を設置し、その開口部を境にして、屋外から据付位置までに引き込み用の軌道を仮設する。そして、この軌道上にコロ引き等のスキッドを載せ滑らせるようにウインチで牽引して給水加熱器を搬出入する方法である。
【0004】
また、第2の方法としては、蒸気タービンプラントの建設時,すなわち、まだプラントに係る配管が敷設されていない時点では、給水加熱器をタービン室の2階面に搬送するうえで何ら障害物が無いために、大物搬入口から天井クレーンにて2階面まで吊揚げ、そこに仮設したデッキに載せ、そこからはコロ引き等によって水平に引き込み、タービン室の2階床面をコロ引きおよびウインチ等によって牽引し、復水器上部胴内部に搬入する方法である。
【0005】
次に、このタービン室引き回し工法による既設プラントの給水加熱器(以後、ヒータと略称する)の取替工法例を図2および図3に基づき説明する。
【0006】
先ず、その工法と周辺状況の概要を図2a、bによって説明する。状況は図に示されているように、搬出入経路の上部には被搬送機器であるヒータ100の最上部レベルより低い配管140が多数あり、また搬出を妨げる立上り配管および弁類などが多数ある、さらにヒータをタービン室外に搬出するための仮開口部はコンクリートブロックによって現状では塞がっている。
【0007】
工事は先ず、撤去材および搬出用機材および、新旧ヒータの搬出入の入口を確保するために、予め開口可能なコンクリートブロックにて、塞いであった壁145の開口作業を行う。次に、干渉配管141a,bの切断撤去を可能な限り少なくできる経路を設定するとともに、搬入に支障となる配管は切断をして経路を確保する。その上で、搬出準備作業に入る。先ず、ヒータの接続配管140を切断し各系統の切り離しを行う。次いで、復水器の側板の一部をガス切断機によって、ヒータと復水器間の切り離しを行い、復水器前側開口部122の設置を行う。
【0008】
次に、搬出入に支障となるタービン室2階の天井の配管・弁類およびサポート等を切断し、一時撤去を行う。これはこのヒータが大型で、床補強レールも大型となるために、ヒータの最上部は床上約3.5mになる、このため床上2.5mから3.5mの大量の干渉配管が発生する。
【0009】
次に、タービン床面のモルタルおよび合成樹脂ライニング面に損傷を防止するために養生ブリキ板等により養生を行う。その上で、搬出入用のレール材となるH鋼およびその上に敷き仮設床面となる鋼板を搬入し、搬入路を仮設置する。このように干渉する配管および弁類撤去の後に床養生、移送用レール、方向転換部の扇形鋼板床の仮設作業を行う。
【0010】
次に基礎ボルトをはずし、機器の両わきに荷重を受けるための鋼材を引き込み設置し、ヒータの下部に荷重受け台を前2箇所、後2箇所、4箇所に油圧ジャッキを設定する。このジャッキアップした状態で、ヒータの下とレールの間にコロ(厚肉鋼管等の円柱体)およびスキッド(そり)を前後左右の4箇所に配置する。そこで、油圧ジャッキを操作し、レールのコロに荷重が移ったところで移送作業に入る。
【0011】
先ず、前後のスキッド400を連結する鉄枠401別置のウインチ430との3点間にワイヤー410aを張り、第1ステップの移送準備は完了する。次に、ウインチを操作して移送を行う。ここで、1箇所5〜10本のコロを使用し、4箇所で20〜40本のコロを感と経験でハンマーで叩き、操作して移送方向を決定しながら移動してゆく。曲線の経路に入る前で、一時停止し、ジャッキアップを行いコロの並べ換え、およびワイヤーの張り替え410bを行う。このジャッキアップ、コロの方向替えとワイヤーの張り替えを頻繁に繰り返し予定の経路まで搬出し、揚重機にて積み替えを行うのである。
【0012】
なお、この搬出の後に新しいヒータの搬入作業は、以上述べてきた搬出作業と反対の手順で実施される。
【0013】
図3は第2の方法でヒータが据え付けられている復水器の後側に開口部を設け、かつ、屋外との境界の壁にも開口部を設け、タービン室内床面上を水平に搬出入する方法が示されている。
【0014】
この方法は前述した第1の方法とほぼ同様で、第1の反対側から直線に曳きだし、開口部の屋外に地上約10mの高架台を仮設し、ここまで牽引後、揚重機によってトレーラに吊り下ろしする方法である。タービン室内干渉物の一時撤去、復旧、床面養生、仮設レールおよび、牽引等は第1の工法とほぼ同一であるので詳細は省略する。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
復水器内のヒータは、直径が2mを越え、かつ重量が50〜60トンにも及ぶものも多々あるが、建設時には搬出入経路上の床強度に十分余裕があり、また干渉物となる機器配管も存在しないため、高さや幅員および荷重の制限も殆どなく、前述の2つの工法いずれでも採用可能である。しかし、このヒータの交換工事ともなると、既にタービン室床面には、他の機器類が設置され、また配管や弁類がところ狭しと敷設されていることから、このタービン室床上を、重量物であるヒータを引き回すことは非常に難しい作業となる。
【0016】
すなわち、ヒータの交換工事に際しては、床上にも床下にも配管等が懸架され、また機器類が設置をされていることから、荷重的にも制限があり、このために重厚な床養生が必要とされる。さらにヒータの搬入据付け後に据付けられた周辺の機器や経路上床上から約3mの配管類は全て撤去する必要がある。この一時撤去配管、サポートおよび弁類の重量は大凡200トンに及ぶために、その復旧工事には膨大な工事になり長期間を要することになる。また、タービン室引き回し工法では据付位置から搬出口までの干渉物と養生を必要とする距離は百数十mにも及ぶ場合もある。これらの撤去復旧のための付帯工事が膨大になってくる。
【0017】
一方、第2の方法は、復水器に隣接して仮開口部の設置が可能な場合においても、干渉物の撤去および床養生を必要であるが、さらに屋外には地上約10m以上で、全長が約15m、重量が50〜60トンの荷重に耐える高架台の仮設置が必要であり、これらの仮設工事の鋼材物量はヒータの数倍にも及ぶ仮設のための大型揚重機、ヒータの積み替え用の揚重機等、各種の重機とともに膨大工事用員が必要とされ、これに伴って工事期間も長期になる。
【0018】
このように従来の搬出入方法では、ヒータを多くの配管が据えられているタービン室2階床上を水平に引き廻わすことになり、その膨大な干渉配管の撤去,またその復旧作業に多くの時間が費やされる嫌いがあり、また、重量物であるヒータの牽引作業には多くの煩雑な作業が必要であり、この作業には多くの熟練者が必要であり、また工期の長期化が避けられない等この復水器内ヒータの搬出,搬入には多くの問題点を含んでいた。
【0019】
なお、以上の方法の他に、一つの考えとしてヒータを多くの配管が据えられているタービン室2階床上を水平に引き廻わさないようにするために、タービンピット開口部(タービンが取り払われている状態で)から搬出あるいは搬入することが考えられる。すなわち、復水器上部胴内に据付られるヒータの上部はタービンが設置してあるが、これを一時撤去し、復水器上部開口部からヒータの取替およびその据付工事を行う方法である。
【0020】
この方法であると、前述の方法比べ干渉物は極端に少なくすることができ、かつタービン室内の引き回しが無くなり、搬入経路上の養生等がなくなる。また、屋外の仮設の高架台または、大物搬入口の一時受けのための高架台(踊り場)が不要となり、さらに既設のタービン室の天井クレーンを利用することでヒータの積み降しが可能であり、前述工法では高架台からの積み降し、高架台の組立解体等のために各種の揚重機を用いていたが、その必要性が無くなるなど有効と思われる。
【0021】
しかし、この方法では、復水器上部にはタービンの撤去後には数mの角穴状の開口部(ピット開口部)ができるが、この開口部より10数mの長さのヒータを据え付けられている水平の状態では、タービン室天井クレーンによってそのままの搬出入を行うことはできない。したがって、T−G(タービンおよび発電機)架台に接触しないように少し立て、反対側は復水器細管に接触しないように少し下げながら、上部の開口部に向けて、ヒータ先端部を少しずつ引き上げていくことになる。
【0022】
ある机上検討例ではこのときの細管とTG架台および上部胴の3点の間隔は50mm程度までに接近することとなり、単にヒータにワイヤを掛けて、クレーン操作のみで搬出することは作業上困難がある。それはヒータの重心が復水器上部の開口より外側に位置するためで、ワイヤ掛けとクレーン操作のみで吊揚ることは不可能であると考えられ、大きくは次の3点の問題が残った。
【0023】
第1点は、60ton以上14mと長大で重量物であるが、これをヒータ内で水平からほぼ垂直に立てるまでに、先端部と後端部を異なった軌跡で同時に移動する必要があるためで、これを天井クレーンの運転操作で行うことは殆ど不可能であると見られる。すなわち、上昇中にヒータの角度を微妙に調整する必要があるが、質量慣性モーメントがあまりにも大きいために”動きだしたら止まらない”と言う性質があり、人力による手動案内は非常に困難である。
【0024】
第2点目はヒータは構造上一点吊りをしてはならないために可能なかぎり荷重を分散させて支持する方法を採用する必要がある。特に復水器上部胴内のヒータは重量と長さが大きいために、自重による曲げ応力が過大となるためであり、長さ方向を2箇所(4点)〜3箇所(6点)で支持する必要がある。したがって、通常のワイヤによる4点吊りを必要とされるが、ワイヤーの一部がTG架台に干渉し、引き上げることはできない。天秤を使用しても同様に、その一部がTG架台と干渉する。
【0025】
第3点目は水器内の様子はクレーン運転席からは見えないために、復水器内部に位置する者からその状況と指示をTG架台の上の開口部付近に位置する合図者に伝達してクレーンを操作することになるが、ヒータの吊揚げ角度の操作はこのような方法では不可能である。
【0026】
このように前述した第1、第2の方法共に、在来工法では多くの作業ステップを要し、膨大な作業要員が必要になるとともに、長期の工事期間を必要とし、このため、プラントの稼働率向上の面からも可能な限り短期間で取替ができる方法の開発改良が望まれていた。
【0027】
本発明はこれに鑑みなされたもので、その目的とするところは、ヒータの搬出あるいは搬入に際し、膨大な干渉配管の撤去などを不要となし、作業簡単にしてかつ短時間にヒータの搬出,搬入が可能なこの種の復水器内ヒータの搬出入方法およびその装置を提供することにある。
【0028】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、タービン下方部の復水器内に配置されているヒータを非分解状態でタービン室の天井クレーンにより外部に搬出,若しくは外部から搬入する復水器内ヒータの搬出入方法において、前記復水器の上部に配置されているタービンの据付前の状態,あるいは復水器の上部に配置されているタービンを一時撤去した状態で、タービン据付けピット開口部から前記復水器上部胴内に跨りガイドレールを敷設するとともに、前記ヒータに前記ガイドレールに係合案内される支持金具を取付け、ヒータを前記ガイドレールの案内により復水器上部のタービン据付けピット開口部からタービン室の天井クレーンによって搬出入するようにし所期の目的を達成するようにしたものである。
【0029】
また、この場合、前記ヒータの搬出入に際し、タービン据付けピット開口部では、前記ヒータを、その長手方向に傾斜して搬出入するようにしたものである。
【0030】
また本発明は、タービン下方部の復水器内に配置されているヒータを非分解状態でタービン室の天井クレーンにより外部に搬出,若しくは外部から搬入する復水器内ヒータの搬出入装置において、前記タービンが据付けられるピット開口部と前記復水器上部胴内との間に敷設され、ヒータの移送方向をガイドするガイドレールと、該ガイドレールに係合案内され、かつヒータの胴部に取り付けられたガイド装置とを備え、前記ガイドレールおよびガイド装置を介してヒータをタービン据付けピット開口部からタービン室へ搬出若しくはタービン室から搬入するようにしたものである。
【0031】
すなわちこのような復水器内ヒータの搬出入方法であると、復水器の上部にタービンがない状態で、タービン据付けピット開口部にガイドレールが敷設され、ヒータがこのガイドレールに案内され、すなわち、ヒータの移動が架台との干渉が避けられる軌跡になるガイドレールによって案内されるので、TG架台およびその周辺の構造物に干渉物することなく搬出あるいは搬入されるので、従来のように膨大な干渉配管の撤去などは不要となり、作業簡単にしてかつ短時間にヒータの搬出,搬入が可能,すなわち現場における工事期間の短縮化を図ることができるのである。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下図示した実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。図1にはそのヒータの搬出入方法を説明するためのタービン設備の要部が示されている。図中130がタービンおよび発電機の架台であり、120が復水器、100がヒータ、143が給水加熱器支持架台、300が天井クレーン、132が2階床面、150が天井クレーン(主クレーンフック)、151が天井クレーン(補助クレーンフック)、210,220がガイドレール、200がガイドレール上部固定フレーム、210が前側ガイドレール、220が後側ガイドレール、221がストッパ、230がガイドレール下部固定フレームである。
【0033】
ヒータ100の搬出に際しては、架台130の上部にタービンが据付けられていない状態、すなわちタービンの据付前あるいはタービンを一時撤去した状態で、タービン据付けピット開口部から復水器上部胴内に跨り傾斜した4本のガイドレール210,220仮設され、また天井クレーン150から吊り下げられた支持具300には、前記ガイドレール210,220に沿って走行,すなわち係合案内される4個の車輪が設けられている。
【0034】
天井クレーン150により支持具300を介してヒータ100を吊り上げることにより、ヒータ100は4個の車輪およびガイドレール210,220に案内支持され、ガイドレール案内方向に沿って傾斜して移動し、復水器120およびその周囲機器等に干渉することなく搬出される。勿論、搬入に際してはこの逆の動作となる。
【0035】
このように本発明では、天井クレーン150から吊り上げたヒータ100は予め干渉しない軌道を有するガイドレール210,220を辿り移動するため、クレーンの上昇下降の操作によって、容易に干渉物をかわし、搬出入を行うことができるわけであるが、この作業ステップについて図に基づいてもう少し詳しく説明する。図4から図17は、その搬出入方法の詳細ステップを示すもので、これらの図には、ステップ1〜ステップ31までの各ステップの作業状態および装置の作動状況が示されている。
【0036】
まず、ヒータ100の搬出に際しては、タービンの上半ケーシング110を天井クレーン150によって吊揚て解体し、所定の位置(据付けピット開口部外)に移動する(ステップ1,図4)。次に、同様にタービンのロータ112を天井クレーン150によって吊揚て解体し、所定の位置に移動する(ステップ2,図5)。
【0037】
次いで、復水器内ヒータとタービン間の抽気管の切断切り離し(ステップ3)を行い、また復水器とタービン下半ケーシングの連結部の切り離し(ステップ4)を行う。さらに、タービンの下半ケーシング113を天井クレーン150によって吊揚て解体する(ステップ5,図6)。
【0038】
次いで、復水器上部開口部の格子121を切断し撤去する(ステップ6)。次いで、復水配管等の復水器内ヒータ100の接続配管を切断し切り離す(ステップ7)。さらに、作業通路を兼ねて、復水器前側に開口部122を設置する。これにより復水器とヒータ間の接続部が切り離される(ステップ8)。
【0039】
次に、復水器上部胴内にH鋼等の養生材を天井クレーンで吊り下ろし鋼板等にて養生を行なう(ステップ9)。そのうえで、前側ガドレール210、次いで、後側ガイドレール220を同天井クレーンで吊り下ろし設定する。さらに、ガイドレールの上部はTG架台との間にステー梁を設置し固定する(ステップ10,11,図8)。次いで、旧ヒータの胴体部の前後左右の合計4箇所にトラニオン固定のための当板を溶接固定する(ステップ12)。これにローラ付きトラニオンをボルトで固定する(ステップ13)。
【0040】
次に、既に復水器内に仮設置の前側ガイドレール210および後側ガイドレール220を各順にクレーンで吊り、トラニオンに付属するローラがガイドレールの溝に入るように関係位置調整を行なったうえでボルト固定する。さらに、前側ガイドレールおよび後側ガイドレールの上部をステイ鋼材に固定する(ステップ14,15)。ここで、ステイ鋼材をジャッキで少々押し上げて、ヒータの荷重をガイドローラに移し、かつ4本のガイドレールで支持する。また、既設のヒータの下部に位置する架台105を撤去する(ステップ16)。
【0041】
次に、2個のフックを有する吊揚天秤152をヒータ100の後部トラニオン103の左右に掛ける(ステップ18)。次に、天井クレーンの主クレーンフック150によって天秤を吊揚げる(ステップ19)。その中間高さの位置で停止する(ステップ19)。ここで、遠隔作動のストッパー221をローラの下に移動させる(ステップ20)。また、クレーンを少し下げ、トラニオンのローラ102を下から支えることで、ヒータを中間位置に一時固定する(ステップ22)。この状態で、2個のフックを有する吊揚天秤152のフックを外し、クレーンを移動させ、次に4個のフックを有する天秤155を主クレーンフック150に吊り替え、さらに天秤の副吊揚フック156にワイヤーを掛け、吊揚げる(ステップ23)。
【0042】
次に、天秤を所定の角度になるまで補助クレーンを上昇して4個のトラニオンに掛かるように調整する(ステップ24)。この状態の天秤を復水器内120に下ろし、各の4本のフック153,154をトラニオン101.102に掛ける(ステップ25)。そこで、ヒータを吊揚げる。このとき、補助クレーンのワイヤーは弛めておくことで、ガイドレール210,220に沿って、ヒータの傾斜は制御され角度を替えながら上昇する(ステップ26,図12)。この上昇移動はレールから外れる寸前で停止する(ステップ27,図13)。
【0043】
次に補助クレーンのワイヤーがほぼ張りつめるまで補助クレーンのみを上昇させ、ヒータの前側荷重が補助クレーンのワイヤに移動した時点で上昇を停止する。ここで主クレーンを僅か上昇しガイドレールから離し、次に、補助クレーン151を上昇し、ヒータ100が水平になる時点で停止する(ステップ28,図14)。これからは、搬出される経路に沿い、3階床上131に一時仮置し、ワイヤーに吊り換える(ステップ29,図15)。
【0044】
ここで、主天井クレーンのフック150を回すようにして、ヒータを180度旋回し、大物搬入口上まで移動する(ステップ29)。そこから、待機中のトレーラ310に積載し、搬出を行う(ステップ32,図16)。
【0045】
取替工事に際しての新ヒータの搬入据付はこれまでの操作の逆順で行うことで完遂される。
【0046】
次にもう一つの実施例について述べる。特に狭隘な復水器において、大型のヒータの搬出入を行う場合、本発明のガイドレールによる干渉回避の軌跡が定まらないことも予想される。この場合には、性能が保証される可能な限りヒータの外径を大きく、全長を短くすることで回避するようにする。また、ヒータの前側が下方の構造物に接触する可能性がある場合は、ガイドレールに屈曲を設けることで干渉を回避するようにする。
【0047】
すなわち、この場合はガイドレールに平行して水平レールを設置し、この上に移動を容易にするためのローラ付き台車を設置し、その台車上に油圧等による上昇と支持を兼ねた受台を設置することで、ヒータの上昇の初期の段階で、予めヒータの前側を上昇しておくことによって、ヒータの後部を上昇始める搬出の初期の段階で円滑にヒータを上昇させることができる。
【0048】
また、傾動初期上昇の2個のフックを有する天秤とクレーンを使用する代わりに、油圧制御装置および油圧シリンダを設置することにより、プログラムされたとおりに制御用の信号を受け取り、これを油圧制御装置のデバイスに接続しクレーンの操作では極端に困難な通過点の移動を行うことも可能である。本実施例では、新ヒータの搬入時の最終点での緩衝効果に寄与する。
【0049】
以上説明してきたようにこのような復水器内ヒータの搬出入方法であると、
(1)搬出入時の煩雑な搬入作業が大幅に省略される。すなわち、従来の工法で多くの手順と工程を要していた干渉物撤去、復旧作業、床の養生、仮設のH鋼材敷設、およびレール敷設は不要となり、代わりに4本のガイドレールを復水器内のヒータの両側に敷設するのみとなる。タービン室内を引き廻し牽引ワイヤーの張り替え作業および方向転換時にジャッキアップ作業が不要となる。これは新ヒータの搬入作業とも全く同様に現地での工事が短縮され、実施例による工事期間は従来工法の40%以下に短縮され、プラントの停止時間の短縮になる。
【0050】
(2)この搬出入方法では、既設のタービン室の天井クレーンの使用で殆どの搬出入作業を行うことが可能であり、例えば仮設の揚重機などは不要であり、現場の大幅な省力化が図れる。
【0051】
(3)ガイドレールと車輪によりヒータの搬出入の移動軌跡制御することにより,例えば約40mm程度までの干渉物からの距離でも十分に干渉することなく搬出入が可能となる。また、吊揚には天秤を使用することでガイドレールに加わる荷重をバランスさせて最小限にする効果がありレールの重量軽減に寄与する。また、本作業例のガイドレールによる実施例において、ヒータの傾斜が安定化されるため、振れによる接触および干渉が回避され、したがって狭隘な場所でも、わずかなクリアランスをもって移送可能で、干渉物に対し、一時撤去および復旧作業などを最小限にすることができ、この点でも現地作業は省力化され、工事期間の短縮に寄与する。
【0052】
【発明の効果】
以上説明してきたように本発明によれば、ヒータの搬出あるいは搬入に際し、膨大な干渉配管の撤去などを不要となし、作業簡単にしてかつ短時間にヒータの搬出,搬入が可能なこの種の復水器内ヒータの搬出入方法を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の工法およびそれに用いる搬出入装置例を示す全体の側面および平面図である。
【図2】在来工法でその第1の例のを示す全体の側面および平面図である。
【図3】在来工法でその第2の例のを示す全体の側面および平面図である。
【図4】本工法のステップ1の作業状態移を示す側面図である(タービン上半分解の作業状態)。
【図5】本工法のステップ2の作業状態移を示す側面図である(タービンロータの分解の作業状態)。
【図6】本工法のステップ3の作業状態移を示す側面図である(タービン下半の撤去作業状態)。
【図7】本工法のステップ4の作業状態移を示す側面図である(ヒータ接続配管の撤去作業状態)。
【図8】本工法のステップ5の作業状態移を示す側面および正面図である(搬出装置例の仮設作業状態)。
【図9】本工法のステップ6の作業状態移を示す側面図である(ヒータ後部の吊揚げ作業状態)。
【図10】本工法のステップ7の作業状態移を示す側面図である(ヒータ後部の吊揚げ中間停止状態)。
【図11】本工法のステップ8の作業状態移を示す側面および正面図である(天秤の取付け作業状態)。
【図12】本工法のステップ9の作業状態移を示す側面図である(天秤使用ヒータ吊揚げ作業状態)。
【図13】本工法のステップ10の作業状態移を示す側面図である(傾斜吊揚げ完了作業状態)。
【図14】本工法のステップ11の作業状態移を示す側面図である(ヒータを傾斜から水平に転換作業)。
【図15】本工法のステップ12の作業状態移を示す側面図である(ワイヤーに吊り換えのため仮置き作業)。
【図16】本工法のステップ13の作業状態移を示す側面図である(大物搬入口のトレーラに積載作業)。
【図17】本工法の作業ステップを示す図である。
【符号の説明】
100…給水加熱器(ヒータ)、101…前側トラニオン、102…前側トラニオンローラ、103…後側トラニオン、104…後側トラニオンローラ、111…タービン上半ケーシング、112…タービンロータ、113…タービン下半ケーシング、114…復水器上部胴格子、120…復水器、121…復水器上部胴格子、122…復水器前側開口部、123…復水器後側開口部、124…復水器上部胴養生材、130…TG架台、131…3階床面、132…2階床面、133…地上面、140…接続配管、141…前面干渉配管、142…後面干渉配管、143…給水加熱器支持架台、150…天井クレーン(主クレーンフック)、151…天井クレーン(補助クレーンフック)、152…2個フック天秤、153…4個フック天秤前側フック、154…4個フック天秤後側フック、155…4個フック天秤の主吊揚フック、156…4個フック天秤の副吊揚フック、200…ガイドレール上部固定フレーム、210…前側ガイドレール、220…後側ガイドレール、221…ストッパ、230…ガイドレール下部固定フレーム、310…トレーラ、400…コロ引きスキッド、410…ワイヤー、420…滑車、430…ウインチ。

Claims (7)

  1. タービン下方部の復水器内に配置されている給水加熱器を非分解状態でタービン室の天井クレーンにより外部に搬出,若しくは外部から搬入する復水器内給水加熱器の搬出入方法において、
    前記復水器の上部に配置されているタービンの据付前に、タービン据付けピット開口部から前記復水器上部胴内に跨りガイドレールを敷設するとともに、前記給水加熱器に前記ガイドレールに係合案内される支持金具を取付け、給水加熱器を前記ガイドレールの案内により復水器上部のタービン据付けピット開口部からタービン室の天井クレーンによって搬出入するようにしたことを特徴とする復水器内給水加熱器の搬出入方法。
  2. タービン下方部の復水器内に配置されている給水加熱器を非分解状態でタービン室の天井クレーンにより外部に搬出,若しくは外部から搬入する復水器内給水加熱器の搬出入方法において、
    前記復水器の上部に配置されているタービンを一時撤去するとともに、タービンが撤去されたタービン据付けピット開口部から前記復水器上部胴内に跨りガイドレールを敷設し、かつ前記給水加熱器に前記ガイドレールに係合案内される支持金具を取付け、給水加熱器を前記ガイドレールの案内により復水器上部のタービン据付けピット開口部からタービン室の天井クレーンによって吊り上げ搬出入するようにしたことを特徴とする復水器内給水加熱器の搬出入方法。
  3. 前記給水加熱器の搬出入に際し、タービン据付けピット開口部では、前記給水加熱器が、その長手方向に傾斜して搬出入されるものである請求項1または2記載の復水器内給水加熱器の搬出入方法。
  4. 前記給水加熱器の吊りあげを4点吊揚の天秤を介して行うとともに、給水加熱器の重心位置と天秤の吊揚位置を一致させるようにしたものである請求項1,2又は3記載の復水器内給水加熱器の搬出入方法。
  5. 前記ガイドレールによる給水加熱器の搬出入に際し、さらに給水加熱器の左右にトラニオンを受ける金具を設け、この金具を油圧シリンダーによって支持し、給水加熱器の搬出入の一部の力を油圧作動により押上げる機構を併用し、油圧駆動装置によって搬出時の押上げおよび据付時の降下に際し、衝撃力の緩和および微動位置調整を図るようにした請求項1,2,3または4記載の復水器内給水加熱器の搬出入方法。
  6. タービン下方部の復水器内に配置されている給水加熱器を非分解状態でタービン室の天井クレーンにより外部に搬出,若しくは外部から搬入する復水器内給水加熱器の搬出入装置において、
    前記タービンが据付けられるピット開口部と前記復水器上部胴内との間に敷設され、給水加熱器の移送方向をガイドするガイドレールと、該ガイドレールに係合案内され、かつ給水加熱器の胴部に取り付けられたガイド装置とを備え、前記ガイドレールおよびガイド装置を介して給水加熱器をタービン据付けピット開口部からタービン室へ搬出若しくはタービン室から搬入するようにしたことを特徴とする復水器内給水加熱器の搬出入装置。
  7. 前記ガイドレールが給水加熱器の両側に対向して複数個設置されるとともに、前記ガイド装置が、前記給水加熱器の胴体部の前後左右の4箇所に設けられたトラニオンと、該トラニオンの先端部に設けられ、前記ガイドレールと接触回動する車輪とより構成されてなる請求項6記載の復水器内給水加熱器の搬出入装置。
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