JP4127837B2 - グラウンドアンカー工法およびグラウンドアンカー構造 - Google Patents

グラウンドアンカー工法およびグラウンドアンカー構造 Download PDF

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本発明は、被圧地下水が存在する地盤に有効に機能するグラウンドアンカー工法とその工法によって得られたグラウンドアンカー構造に関するものである。
従来、この種の被圧地下水型のグラウンドアンカー構築工法としては、例えば、連壁に削孔した透孔にガイド管を打ち込んで該ガイド管の頭部に止水ボックスを取付け、該ガイド管に先端の逆止弁付きクローネンビットを取付けたケーシングを挿入しながら削孔機で回転削孔して複数の単管ケーシングを接続して挿入し、それらのケーシングにインナロッドを挿入して底部まで注入材を注入して前記クローネンビットを押して外したのち、複数のより線をスペーサで整列し中間に伸縮自在な止水パッカーを設けた組立体を挿入し、前記ケーシングの頭部に加圧ヘッドを取付け、該加圧ヘッドを介して注入材を加圧注入しながら止水パッカーを膨張して組立体とケーシングとの間をシールし、ケーシングを引き抜いて引き抜いたケーシングから順次接続を分離し、最後のケーシングが前記パッカーを越えたら該パッカーを膨張して前記ガイド管及び組立体の間をシールし、前記止水ボックスを取外して前記スペーサに取付けた注入ホースから止水材を注入し、前記注入材を養生したのち、前記より線を緊張定着して前記連壁を地盤に固定するアンカーを築造することを特徴とする被圧水下におけるアンカー築造工法とそれによって構築されたアンカー構造が公知になっている(特許文献1参照)。
この公知のアンカー築造工法においては、ケーシングの引き抜き時に、止水パッカーを膨張して組立体とケーシングとの間をシールしてケーシングを引き抜き、引き抜いたケーシングから順次接続を分離し、最後のケーシングが止水パッカーを越えた時点で止水パッカーを膨張して組立体とガイド管との間をシールし、水及び土砂の逆流を防止すると共に、注入した止水材により止水することにより、湧き水の多い地盤に強固なアンカーを築造することができるというものである。
また、アンカーテンドンの定着部に相当する範囲に織布製の袋体を被せ、この袋体内にグラウト注入管を差し込み、袋体の開口を封止し、この袋体が被せられたグラウト注入管を含むアンカーテンドンをアンカー孔内に挿入した後、前記グラウト注入管よりグラウト材を加圧注入し、袋体の外周面がアンカー孔の孔壁に加圧密着するまで加圧充填することを特徴とするアンカー施工方法とそれにより構築されたアンカー構造が公知になっている(特許文献2参照)。
この公知のアンカー施工方法においては、袋体の外周面がアンカー孔の孔壁に加圧密着するまで加圧充填するので、地盤が高被圧水を流出するような地下水の移動が激しい地盤であっても、充填したグラウト材が固化するまでに洗われたり、希釈されることがなく、アンカー造成ができなかったり、アンカー体と地盤との付着に悪影響を与え、所定のアンカー耐力が得られない、といった課題は全て解決されるというものである。
いずれにしても、公知のアンカー構築工法または施工方法は、被圧水対策の技術であるとされているが、止水パッカーの構造からしてアンカーテンドンに対する止水が不十分であり、また、アンカー構造の内部に緊張材として配設されるアンカーテンドンはその周囲をグラウト材で直接固められている構造である。
特開平6−306860号公報 特開2002−129555号公報
ところで、これら公知のアンカー構築または施工方法において、要するに、前者の構築方法は、緊張材である複数のより線(テンドン)をスペーサで整列し中間に伸縮自在な止水パッカーを設けた組立体を形成していること、加圧ヘッドを介して注入材を加圧注入しながら止水パッカーを膨張して組立体とケーシングとの間をシールするというものであるが、止水パッカーを膨張させても各より線間までは止水できず、ケーシング内に組立体を挿入して注入材(グラウト)を注入すると各より線間から地下水が噴出するのであり、実質的に高被圧水の地盤には対応できないのである。
また、後者の施工方法は、アンカーテンドンの定着部に相当する範囲に織布製の袋体を被せ、該アンカーテンドンをアンカー孔内に挿入し袋体内にグラウト材を加圧注入し、袋体の外周面がアンカー孔の孔壁に加圧密着するまで加圧充填するというものであり、袋体内及びアンカー孔内にグラウト材を充填している間は、アンカー孔の開口部から地下水が溢出し続けるのである。そして、止水については、最後にアンカー孔の口元に口元パッカーをセットし、該口元パッカー内にセメントミルク等のグラウト材を、流水が止まるのを確認するまで注入充填するというものである。
いずれの公知例においても、削孔時やグラウト材注入時など工事の途中において止水が不十分であり噴出した地下水により作業に支障を来すと共に、アンカー孔内に挿入したアンカーテンドンが地下水の噴出に直接晒される状態になり、特に、定着部のより線間に泥や水が侵入したりしてグラウトによる固化が不十分であったり時間の経過と共に錆が発生したりして、その錆が成長すると固化したグラウト材との間での固定性と強度とに問題が生ずる。
従って、従来のアンカー施工または築造工法において構成されるアンカー構造においては、高被圧水の地盤においても地下水の噴出を完全に抑えて作業性を向上させるようにすること、及びアンカーテンドンが一時的にせよ地下水に直接晒されて泥や水が侵入しないようにすることに解決しなければならない課題を有している。
上記した従来例の課題を解決する具体的手段として第1の発明は、被圧地下水が存在する地盤の法面または地下構築物を定着させるために、地盤にアンカー孔を削設し、該アンカー孔内にテンドンを挿着させると共にグラウトを注入して固化させた後、構築物に設けたアンカー頭部にテンドンを緊張固定するグラウンドアンカー工法であって、前記アンカー孔内に挿着されるテンドンは、緊張固定する端部を残して地下水が入り込まないように全体を先端部側にキャップが付いた筒状の拘束体で包み、該拘束体の後端部側は、中間部周面にアラミドパッカー付きストレート管で構成されると共にアンカー頭部側にアンカー孔からの地下水流出を遮蔽するために設けた止水板を挿通して取り付け、前記アンカー孔内に、前記アラミドパッカーを貫通し且つストレート管壁に沿って設けたグラウト注入管を介してグラウトを注入して拘束体の外周面とアンカー孔との隙間を埋め、更に、拘束体の内側にグラウトを注入してテンドンと拘束体内面との隙間を埋め、これら注入した各グラウトが固化した後にテンドンを構築物に設けたアンカー頭部に緊張固定することを特徴とするグラウンドアンカー工法を最も主要な特徴とする。
第2の発明は、被圧地下水が存在する地盤に施工され、削設されたアンカー孔内にテンドンが挿着されグラウトを注入して固化し、テンドンをアンカー頭部に緊張固定したグラウンドアンカー構造であって、グラウトで固化される部分のテンドン全体を、テンドンの隙間を伝って地下水が噴出することがないように先端部側にキャップが付いた筒状の拘束体で包み、該拘束体の後端部側は中間部周面にアラミドパッカー付きストレート管で構成されると共にアンカー頭部側にアンカー孔からの地下水流出を遮蔽するために設けた止水板を挿通して取り付けられていることを特徴とするグラウンドアンカー構造を最も主要な特徴とする。
また、本発明に係る第1のグラウンドアンカー工法並びに第2のグラウンドアンカー構造について、前記筒状の拘束体は、少なくとも先端側の定着部に異径管またはスパイラル管が使用されること;前記筒状の拘束体は、亜鉛めっきにより防錆処理した鋼管またはステンレス製の防食性を有する管であり、複数個を連結して形成すること;及び前記筒状の拘束体には、外周面に凹凸部を設けてあること、を付加的な要件として含むものである。
上記構成を有する本発明のグラウンドアンカー工法は、いずれもアンカー孔内に挿着されるテンドンが、緊張固定する端部を残して地下水が入り込まないように全体を先端部側にキャップが付いた筒状の拘束体で包み込んでいるため、高被圧地下水が存在する地盤において施工しても、テンドン間に地下水や泥が入り込まないし、また、拘束体の後端部側はアラミドパッカー付きストレート管で構成されているため、管の平滑面とアンカー孔の平滑面との間で止水が行われるので、テンドン間からまたはアンカー孔から地下水の噴出を完全に抑えて作業性を向上させることができるのである。
また、グラウンドアンカー構造においても、テンドン全体が先端部側にキャップが付いた筒状の拘束体で包み込まれているため、高被圧地下水が存在する地盤においてもテンドン間に地下水や泥が入り込まないし、また、拘束体の後端部側はアラミドパッカー付きストレート管で構成されているため、地下水の噴出が抑えられているので、一時的にせよテンドンが地下水に晒されないので錆の発生がなく、構築されたアンカー自体の強度が著しく向上する。
本発明においては、被圧地下水が存在する地盤の法面または地下構築物を定着させるために、地盤にアンカー孔を削設し、該アンカー孔内にテンドンを挿着させると共にグラウトを注入して固化させた後、構築物に設けたアンカー頭部にテンドンを緊張固定するグラウンドアンカー工法であるが、特に、前記アンカー孔内に挿着されるテンドンについて、緊張固定する端部を残して地下水が入り込まないように全体を筒状の拘束体で包み込むようにし、該拘束体は複数の管体を接続して構成されるものであって、後端部側はアラミドパッカー付きストレート管で構成されると共に先端側は異径管またはスパイラル管が使用され、後端側のアラミドパッカー付きストレート管はアンカー頭部に設けた止水板と接続させて略完全な止水を行い、前記アンカー孔内にグラウトを注入して拘束体の外周面とアンカー孔との隙間を埋め、更に、拘束体の内側にグラウトを注入してテンドンと拘束体内面との隙間を埋め、これら注入した各グラウトが固化した後にテンドンを構築物に設けたアンカー頭部に緊張固定することにより、実現化したものである。
このように構成したことにより、高被圧地下水が存在する地盤であっても、地下水の噴出による種々の不都合を一挙に解消させたものである。
図1は、本発明に係るグラウンドアンカー構造の具体的な実施例を示すものであって、グラウンドアンカー工法については、アンカーテンドン(以下、単にテンドンという)の特殊な拘束体を用いる以外は従来から行っている工程をそのまま利用することができるものである。即ち、地下水の多い高被圧地下水が存在する地盤1の法面または地下構造物における、例えば、コンクリート構築物(以下、構築物という)2にアンカー定着用孔3を設け、該アンカー定着用孔3から所要深さのアンカー孔4を削孔するに当たって、アンカー定着用孔3に止水ボックス5を取り付ける。
この止水ボックス5を貫通した状態で、まず、構築物2にコアボーリング削孔4aを削孔し、引き続き先端に削孔用ビットを取り付けた公知の削孔機により地盤1に所定深さのアンカー孔4をコアボーリング削孔4aに連続して削孔する。なお、コアボーリング削孔4aにガイド管を取り付けてもよい。
地盤1に所定深さのアンカー孔4を削孔した後に、先端の削孔用ビットを切り離しアンカー孔4の底部にそのまま残して削孔機の管ロッドを引き抜き、そのアンカー孔4内にテンドン6を挿入するものである。
この場合のテンドン6は、複数本のPC鋼より線を使用するものであって、該PC鋼より線は熱硬化性もしくは熱可塑性の合成樹脂被膜を形成により防錆塗装処理を施した、例えば7本撚りの公知のものがそのまま使用できるし、また、防錆処理していないものも使用することができる。
本発明の場合は、このテンドン6については、地下水が直接接触しないように全体を筒状の拘束体8で包み込んだ状態で配設するのである。つまり、アンカー孔4内に筒状の拘束体8を挿入し、その拘束体8の後端部を止水ボックス5の止水板5aに溶接して内部に地下水が入り込まないように止水処理を施して取り付けてから、その拘束体8内にテンドン6を挿入することにより全体が包み込まれた状態で配設されるのである。
この場合の拘束体8は、図2に示したように、主として金属製の剛性を有する管であって、亜鉛めっきにより防錆処理した鋼管またはステンレス製の防食性を有する所要長さの管が使用され、テンドン6の長さに対応させて複数個(本)を連結してその長さに対応させるものであり、その管の種類と接続用の部品も含めて説明する。
例えば、図2の(A)は、アンカー頭部側となる後端部側に取り付けられるパッカー付きストレート管9を示すものであり、両端部に接続用のねじ山9a、9bが形成され、該パッカー付きストレート管9の中間部の周面を覆うようにアラミドパッカー10が一体的に取り付けられ、そのアラミドパッカー10を貫通し管壁に沿って延びるグラウト注入管11が設けられると共に、その対象位置にアラミドパッカー10内へのエアー供給管12が設けられている。
図2(B)は、主としてテンドン6の自由長部分に配設されるストレート管13を示すものであって、該ストレート管13の両端部にもねじ山13a、13bが形成されている。
また、図2(C)は、主としてテンドン6の定着部分に配設される異径管またはスパイラル管14を示すものであって、外周面全体を波形に形成した異径管を使用するか、またはスパイラル状の凹凸を形成したスパイラル管が使用され、その両端部にはねじ山14a、14bが形成されている。この異径管またはスパイラル管14の場合に、要するに、管自体に凹凸部を形成するかまたはストレート管の少なくとも外周面に所要太さの線材をスパイラル状に巻き付けて溶接しても良いのである。
更に、図2(D)は、前述した管9、13、14を接続するために使用されるカップリング15を示すものであり、該カップリング15は両端部にねじ部15a、15bが形成されている。また、図2(E)は、前記異径管またはスパイラル管14の先端部に取り付けられるキャップ16を示すものであり、該キャップ16は一端部側にねじ部16aが形成され、他端部側は閉鎖された構成を有するものである。更に、図2(F)は、フレキシブルジョイント17を示すものであり、該フレキシブルジョイント17の両端にもねじ部17a、17bが形成されており、必要があれば適宜位置に使用することができる。
そして、前記したいずれの管9、13、14においてもその長さは、例えば、短いもので50cm、長いもので2m前後のものがそれぞれ準備されており、アンカー孔4の深さ及びテンドン6の長さに対応して適宜選択して使用できるのである。
例えば、図1に実施例として示した、グラウンドアンカー構造においては、例えば、アンカー頭部7の部分の長さL1が70cmで、耐圧壁の厚みL2が1.5mで、自由長の長さL3が5.0mで、定着部の長さL4が10.0mであるとすると、パッカー付きストレート管9としてその長さが1.40mのものを使用し、これに略10cmのフレキシブルジョイント17を介して自由長部分に配設するストレート管13を接続する。このストレート管13としては、例えば、長さ1mのものを選択しカップリング15を介して順次5本継ぎ足すことにより予定した長さが得られる。
なお、拘束体8の一部にフレキシブルジョイント17を使用することによって、そのジョイント部分で自由に変形できるので、高被圧地下水が存在する地盤において、地下水圧によって生ずる浮力を変形によって吸収すると共に、例えば、地震などにより鉛直方向または水平方向の変位が生じたり過剰な張力が発生した場合でも、アンカー頭部7が壊されないようにジョイント部分の変形によって吸収するのであり、更に、コアボーリング削孔4aから先のアンカー孔4に多少の角度的なズレがあっても、変形してそれに追従させることができるのである。
更に、ストレート管13に対して、カップリング15を介して異径管またはスパイラル管14を接続する。この場合に、例えば、2.0mの異径管またはスパイラル管14を選択すれば、5本の管を繋ぐことにより予定した長さになるのである。そして、先端部に位置する異径管またはスパイラル管14の自由端部にキャップ16を取り付けて先端部から管内に地下水が侵入しないように封鎖して拘束体8が完成するのである。
アンカー孔4の深さ及びテンドン6の長さは、地下水の多い被圧地下水が存在する地盤1の状態によって設計の段階で決まるのであり、テンドン6の長さが決まっていることから、拘束体8として使用される各部品の数と各管9、13、14の長さ及び本数も必然的に決まるのであり、テンドン6は予め工場でスペーサー等を挟み込んで整列させ束ねられた状態に形成され、拘束体8については各管体を接続しない状態で工事現場に持ち込み、削孔されたアンカー孔4内に挿着される段階で適宜接続すれば良いのである。
そして、アンカー孔4内に拘束体8を挿入し止水板5aに取り付け、その拘束体8内にテンドン6を挿着後に位置決めして、まず、エアー供給管12からエアーを供給してアラミドパッカー10を膨張させ、コアボーリング削孔4aの壁面に圧着させることにより地下水の噴出を防止する。特に、アラミドパッカー10は、管9の平滑な外周面とコアボーリング削孔4aの平滑な壁面との間において密着止水することによって、いわゆる完全な防水機能を発揮するのである。このようにすることによって、拘束体8の内部にも地下水は侵入しないし、また、アンカー孔4から地下水が噴出するのを完全に遮断できる。
このように地下水を遮断状態にした後に、グラウト注入管11からアンカー孔4内にグラウトを高圧で注入すると共に、拘束体8の内部にもグラウトを注入する。この場合に、
グラウトの注入は、アンカー孔4と拘束体8に対して同時に行っても良いし、別々に時間差をもって行っても良い。例えば、先に拘束体8の内部にグラウトを注入すれば、該拘束体8の内部には地下水が入っていないので、グラウト注入時には後端部側からエアーが抜けるだけであるため、比較的速やかにかつ短時間でグラウトの注入が遂行でき、その後に、アンカー孔4内にグラウトを注入するようにしても良いのである。
アンカー孔4内に拘束体8で周囲が包み込まれた状態のテンドン6が配設されたことによって、アンカー孔4内には地下水が充満しており、グラウト注入時に地下水の逃げ場が制限されるため、高圧で注入するので水圧が高くなるし注入時間も長く掛かる。従って、拘束体8内に先にグラウトを注入しておけば、アンカー孔4内の水圧が高くなっても、拘束体8には何等影響を及ぼさないのである。
図3に、グラウトを注入後の状態におけるグラウンドアンカー構造の断面を拡大して示してある。即ち、図3(A)はパッカー付きストレート管9の後端部側の断面図であり、図3(B)は自由長部分における断面図であり、図3(C)は定着部分の断面図である。これらの断面から明らかなように、拘束体8の内側に注入されたグラウト18は、PC鋼より線の間に万遍なく注入され、アンカー孔4内に注入されたグラウト19は、アンカー孔4と拘束体8の外周面との間に万遍なく充填されているのである。
そして、注入したグラウトが十分固化した後に、アンカー頭部7においてテンドン6の各PC鋼より線を公知技術と同様の緊張固定手段によって緊張固定すれば良いのである。この時に、テンドン6の定着部においては、拘束体8を構成する異径管またはスパイラル管14は、凹凸面を有しているため、内側のグラウト18及び外側のグラウト19との係合強度が高く一体化されているためズレなどが全く生じないし、また、PC鋼より線は、外筒管の合成樹脂被覆が除去されてより線自体がグラウト18で固められている状態であるので、この部分においてもズレなどが生ずる虞は全くないのである。
本発明に係るグラウンドアンカー工法とその構造は、従来の工法と違ってテンドン6を拘束体8で水密状態に包囲してあるので、地下水の多い被圧地下水が存在する地盤に対してグラウンドアンカーを施工する際に、削孔したアンカー孔にテンドンを挿着した時にテンドンの隙間に地下水や泥が入り込まないし、またグラウトを注入した時にテンドンの隙間及び止水パッカー取り付け部から地下水が噴出することが全くなくなるので作業性が良好であり、地下水の多い全ての地盤にグラウンドアンカー施工する際に有意に利用できるものである。
本発明の第1の実施例に係る具体的なグラウンドアンカー構造を略示的に示した側面図である。 同発明におけるテンドンの拘束体を構成する部品図であり、(A)はアラミドパッカー付きストレート管の側面図、(B)は自由長部に配設するストレート管の側面図、(C)は定着部に配設する異径管またはスパイラル管の側面図、(D)は接続用のカップリングを示す側面図、(E)は先端キャップを示す側面図、(F)はフレキシブルジョイントの側面図である。 図1のグラウンドアンカー構造における要部の断面図であり、(A)はA−A線に沿う拡大断面図、(B)はB−B線に沿う拡大断面図、(C)はC−C線に沿う拡大断面図である。
符号の説明
1 地盤
2 コンクリート構築物(構築物)
3 アンカー定着用孔
4 アンカー孔
4a コアボーリング削孔
5 止水ボックス
5a 止水板
6 アンカーテンドン(テンドン)
7 アンカー頭部
8 拘束体
9 パッカー付きストレート管
9a、9b、13a、13b、14a、14b、15a、15b、16a、17a、
17b ねじ山
10 アラミドパッカー
11 グラウト注入管
12 エアー供給管
13 ストレート管
14 異径管またはスパイラル管
15 カップリング
16 キャップ
17 フレキシブルジョイント
18 拘束体内に注入されたグラウト
19 アンカー孔に注入されたグラウト

Claims (8)

  1. 被圧地下水が存在する地盤の法面または地下構築物を定着させるために、地盤にアンカー孔を削設し、該アンカー孔内にテンドンを挿着させると共にグラウトを注入して固化させた後、構築物に設けたアンカー頭部にテンドンを緊張固定するグラウンドアンカー工法であって、
    前記アンカー孔内に挿着されるテンドンは、緊張固定する端部を残して地下水が入り込まないように全体を先端部側にキャップが付いた筒状の拘束体で包み、
    該拘束体の後端部側は、中間部周面にアラミドパッカー付きストレート管で構成されると共にアンカー頭部側にアンカー孔からの地下水流出を遮蔽するために設けた止水板を挿通して取り付け、
    前記アンカー孔内に、前記アラミドパッカーを貫通し且つストレート管壁に沿って設けたグラウト注入管を介してグラウトを注入して拘束体の外周面とアンカー孔との隙間を埋め、
    更に、拘束体の内側にグラウトを注入してテンドンと拘束体内面との隙間を埋め、
    これら注入した各グラウトが固化した後にテンドンを構築物に設けたアンカー頭部に緊張固定すること
    を特徴とするグラウンドアンカー工法。
  2. 前記筒状の拘束体は、少なくとも先端側の定着部に異径管またはスパイラル管が使用されること
    を特徴とする請求項1に記載のグラウンドアンカー工法。
  3. 前記筒状の拘束体は、亜鉛めっきにより防錆処理した鋼管またはステンレス製の防食性を有する管であり、複数個を連結して形成すること
    を特徴とする請求項1乃至2に記載のグラウンドアンカー工法。
  4. 前記筒状の拘束体には、外周面に凹凸部を設けてあること
    を特徴とする請求項1乃至3に記載のグラウンドアンカー工法。
  5. 被圧地下水が存在する地盤に施工され、削設されたアンカー孔内にテンドンが挿着されグラウトを注入して固化し、テンドンをアンカー頭部に緊張固定したグラウンドアンカー構造であって、
    グラウトで固化される部分のテンドン全体を、テンドンの隙間を伝って地下水が噴出することがないように先端部側にキャップが付いた筒状の拘束体で包み、該拘束体の後端部側は中間部周面にアラミドパッカー付きストレート管で構成されると共にアンカー頭部側にアンカー孔からの地下水流出を遮蔽するために設けた止水板を挿通して取り付けられていること
    を特徴とするグラウンドアンカー構造。
  6. 前記筒状の拘束体は、少なくとも先端側の定着部に異径管またはスパイラル管が使用されること
    を特徴とする請求項5に記載のグラウンドアンカー構造。
  7. 前記筒状の拘束体は、亜鉛めっきにより防錆処理した鋼管またはステンレス製の防食性を有する管であり、複数個を連結して形成すること
    を特徴とする請求項5乃至6に記載のグラウンドアンカー構造。
  8. 前記筒状の拘束体には、外周面に凹凸部を設けてあること
    を特徴とする請求項5乃至7に記載のグラウンドアンカー構造。
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