JP4127340B2 - ダイオキシン類汚染構造物の解体工法及びダイオキシン類の浄化方法 - Google Patents

ダイオキシン類汚染構造物の解体工法及びダイオキシン類の浄化方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ダイオキシン類汚染構造物の解体工法及びダイオキシン類の浄化方法に関し、より詳細には、微生物を含有する組成物を用いることによるダイオキシン類で汚染された構造物の解体工法及びダイオキシン類化合物の浄化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ダイオキシン類は、ゴミ焼却場の存続を左右するほど深刻な社会問題となっている。我が国には、約1,800カ所の焼却施設が存在し、現在、緊急に対策を講じなければならない施設は22カ所程度あるものと推定される。しかし、平成14年12月1日からさらに法規制値が強化されると、その規制値に適合しない既存施設は、約1,600カ所を上るといわれている。これらの規制値に適合しない施設は、全施設を解体する、あるいは焼却場設備のうちの焼却炉のみ等を改良することが必須となるため、焼却施設等の解体や撤去工事の際のダイオキシン類の処理対策を講じる必要がある。このような解体工事や撤去工事等を行うにあたり、焼却プラント等の内部に付着し、汚染を生じさせているダイオキシン類の除去や無害化は、ダイオキシン類による汚染の拡大を防止するために必要不可欠な処理である。図1及び図2には、それぞれゴミ焼却プロセスにおけるダイオキシン類の発生メカニズムと、ゴミ焼却プロセスにおけるダイオキシン類の行方とを示す。
【0003】
図1に示すように、焼却場の焼却炉1中でゴミGが燃焼すると、燃焼による化学反応の結果、飛灰、すなわちフライアッシュFAが形成される。ゴミGに含まれる有機化合物ORGの燃焼反応Rにより生じたフライアッシュFA上の粒子状炭素は、ゴミGの燃焼により発生した塩素CLと反応し、ダイオキシン類を形成するいわゆるde novo合成DNが、300〜400℃の低温域となる冷却塔2や、集塵機3内で発生する。この結果ゴミG中にもともと含まれているダイオキシン類Dの他、燃焼により発生するダイオキシン類が焼却場の各設備の内面に付着することによりダイオキシン類汚染が発生する。本発明にいうダイオキシン類とは、主としてポリ塩素化ジベンゾパラジオキシン(PCDDs)及びポリ塩素化ジベンゾフラン(PCDFs)のことをいう。このダイオキシン類化合物を含んだ焼却灰4は、図1に示すように焼却灰4として回収されるが、一部は集塵機3を通過して煙突の頂部から排気ガスEGとして排出されることになる。
【0004】
図2は、焼却場におけるゴミ焼却プロセス毎に各設備に堆積した焼却灰4の処理について示した図である。燃焼炉1に蓄積した焼却灰4は、灰ピット5へと堆積され、この結果灰ピット5の内面もダイオキシン類化合物により汚染されることになる。灰ピット5に蓄積された焼却灰4は、集塵機3によりトラップされたフライアッシュFAと共に回収され、最終的には産業廃棄物として埋立て地LFにおいて埋立てが行われる。集塵機3により回収しきれなかった焼却灰4は、煙突6へと流れて行き、煙突6の内部を汚染する。燃焼により生じたガスは、最終的には排気ガスEGとして煙突6の頂部から排出されることになる。
【0005】
これまで、このような焼却場の各設備の内面に付着して汚染を生じさせているダイオキシン類を除去するため、いくつかの方法が知られている。このような除去方法としては、例えばエアーブラスト工法よりある程度ダイオキシン類を除去した後、その除去したダイオキシン類を別の処理施設内で無害化する方法を挙げることができる。この方法によれば、ダイオキシン類を含む燃焼灰4の除去はある程度可能であるものの、付着汚染したダイオキシン類の除去は完全ではなく、次に行う解体や撤去作業において、除去できなかったダイオキシン類の飛散等が人体に悪影響を及ぼしたり周辺環境へのダイオキシン類による汚染の拡大が大きな問題となっている。また、ウォータージェット工法により付着汚染したダイオキシン類を焼却場設備の内面から除去した場合には、除去のために大量の水を使用することや、ダイオキシン類除去後の水の排水処理が非常に困難であること等も大きな問題点となっている。
【0006】
上述したようなウォータージェット工法ではまた、除去されたダイオキシン類化合物を処理するための方法が別途必要とされる。このように汚染された焼却場の各設備から除去したダイオキシン類の処理は、光化学的分解法、超臨界水酸化分解法、触媒酸化法、および溶媒抽出分解法といった技術を適用する試みもなされている。しかしながら、各技術に共通な問題点として、一度に処理できる量が少ない点や、処理に要するコストが非常に高い点、原位置での仮設プラントの設置が困難な点等が挙げられているのが現状である。
【0007】
微生物、特に白色腐朽菌が難分解性の環境汚染物質、具体的には、ダイオキシン類や、コプラナーPCBを分解できることがサイエンス誌に発表されて以来、ダイオキシン類の微生物分解が注目されるようになってきている(John A. Bumps, Ming Tien David Wright, and Steven D. Aust, Oxidation of Persistent Environmental Pollutants by a White Rot Fungus, Science 228: 1434-1436, 1985年)。その後、近年、微生物によるダイオキシン類の分解に関連した研究は、数多く行われてきており、例えば、これらの研究は、R.-M. Wittichによる総説等に記載されているものを挙げることができる(R.-M. Wittich, Degradation of dioxin-like compounds by microorganisms, Appl. Microbiol. Biotechnol. 49:489-499, 1998年)。
【0008】
上述のように包括固定化剤を用いて微生物担体を作製し、水系での汚染物質浄化処理に適用する手法が知られており、また、ダイオキシン類に汚染された土壌等にダイオキシン類分解能を有する微生物を散布して、ダイオキシン類を分解・無害化する手法、いわゆるバイオレメディエーションも知られている。
【0009】
しかしながら、焼却場の各設備の解体に際して周囲環境にダイオキシン類といった汚染物質を飛散させず、さらに解体された後の産業廃棄物のダイオキシン類を、ダイオキシン類分解微生物を包括固定化剤とダイオキシン分解能賦活化栄養成分等と混合した溶液として、直接、汚染した部分に噴霧・固定化させることにより、固相系においてダイオキシン類を分解・無害化することが、上述した問題点を解決するために必要とされている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述した問題点に鑑みなされたものであり、本発明は、ダイオキシン類分解微生物を含有する固定化処理剤組成物(以下、ダイオキシン類処理剤と略す)を用いることにより、ダイオキシン類の飛散を防止し、ダイオキシン類を微生物により分解・無害化処理し、分解・無害化後に廃棄物処理を行うことを可能とする微生物のダイオキシン類分解能を利用した安全、かつ経済的な環境調和型のダイオキシン類付着汚染構造物の解体工法及びダイオキシン類の浄化方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、本発明の解体工法及び浄化方法を提供することにより達成される。
【0012】
すなわち、本発明の請求項1の発明によれば、ダイオキシン類により汚染された焼却場設備を周囲環境から遮断し、上記焼却場設備の内面にダイオキシン類分解能を有する微生物と被膜形成性の固定化剤とを含む組成物の被膜を付着させ、上記焼却場設備を解体することを特徴とするダイオキシン類汚染構造物の解体工法が提供される。
【0013】
本発明の請求項2の発明によれば、上記微生物は、白色腐朽菌であることを特徴とする解体工法が提供される。
【0014】
本発明の請求項3の発明によれば、上記組成物は、ダイオキシン類分解能賦活化栄養成分を含有することを特徴とする解体工法が提供される。
【0015】
本発明の請求項4の発明によれば、上記焼却場設備の解体後に上記ダイオキシン類を上記微生物により分解することを特徴とする解体工法が提供される。
【0016】
本発明の請求項5の発明によれば、上記焼却場設備の解体は、ワイヤソーイングを用いて行われることを特徴とする解体工法が提供される。
【0017】
本発明の請求項6の発明によれば、上記組成物の付着は、上記組成物をミスト状とし、上記焼却場設備の内面を通して循環させることにより行われることを特徴とする解体工法が提供される。
【0018】
本発明の請求項7の発明によれば、上記組成物の付着は、上記焼却場設備の内面に上記組成物を噴霧することにより行われることを特徴とする解体工法が提供される。
【0019】
本発明の請求項8の発明によれば、ダイオキシン類により汚染された汚染領域にダイオキシン類分解能を有する微生物と被膜形成性の固定化剤とダイオキシン類分解賦活化栄養成分とを含む組成物の被膜を付着させた後、上記微生物により上記汚染領域のダイオキシン類を分解することを特徴とするダイオキシン類の浄化方法が提供される。
【0020】
本発明の請求項9の発明によれば、上記汚染領域は、焼却場設備の内面であることを特徴とするダイオキシン類の浄化方法が提供される。
【0021】
本発明の請求項10の発明によれば、上記汚染領域は、焼却場設備の周辺土壌とされていることを特徴とするダイオキシン類の浄化方法が提供される。
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面を参照しつつ詳細に説明する。図3には、本発明の解体工法の詳細を示したフローチャートを示す。本発明の焼却場の解体工法は、ステップ100から開始し、ステップ101において焼却場の各設備を周囲環境から遮断する。ステップ102においては、ダイオキシン類処理剤をダイオキシン類により汚染された焼却場の各設備の内面を通して循環させるか、又はダイオキシン類処理剤を焼却場の汚染された各設備の内面に噴霧することにより焼却場の各設備の内面に付着させることにより、ダイオキシン類を含有する焼却灰4を解体工程中に飛散させないようにした後、ステップ103の解体工程を行うものである。本発明の解体工程は、さらにステップ104においてステップ103で得られた産業廃棄物を微生物により分解・無害化し、ステップ105でダイオキシン類が分解・無害化された産業廃棄物を廃棄する工程を有していても良い。
【0022】
本発明の解体工法のステップ102で用いられるダイオキシン類分解微生物としては、細菌や酵母、カビ、さらには担子菌類を挙げることができる。本発明のダイオキシン類処理剤は、培養菌体とダイオキシン類の分解・無害化能を賦活化するダイオキシン類分解賦活化栄養成分と、焼却施設の内面に付着汚染したダイオキシン類を固定化できる固定化剤とを混合した組成物として製造される。
【0023】
上述した微生物のうちでもリグニンを代謝する木材腐朽菌が好ましく、これらの木材腐朽菌としては、コリオラス属(Coriolus versicolor IFO 9791等)、ファネローケテ属(Phanerochaete sordida, YK-624 ATCC 90872, Phanerochaete chrysosporium IFO 31249等)、ダイエダリー属(Daedalea dickinsii IFO 31163)、ポリポラス属(Polyporus adusata IFO 5307)、レンチテス属(Lenzites Betulisa IFO 8715)、ガノデルマ属(Ganoderma lucidum IFO 31863等)、プリューロタス属(Pleurotus osteatus IFO 30776等)、イルペックス属(Irpex lacteus ATCC 11245等)、レンチヌス属(Lentinus edodes IFO 31866等)、クリニペリス属(Crinipellis stripitaria IFO 30259等)等を挙げることができる。特に上述した木材腐朽菌の中でも特に担子菌類の白色腐朽菌Phanerochaete sordidaを用いることが好ましい。
【0024】
本発明に用いる微生物は、ダイオキシン類分解能を高める条件で培養することが好ましい。上述したダイオキシン類の分解能を高めるための培養方法としては例えば、担子菌類の白色腐朽菌Phanerochaete sordidaを、低濃度窒素培地(M. Tien and T. K. Kirk, Lignin peroxidase of Phanerochaete chrysosporium, Methods Enzymol. 161: 238-249, 1988年)を用いて、30℃で7日間培養を行う培養方法を挙げることができる。その培養液に微生物のための上述したダイオキシン分解賦活化栄養成分と固定化剤とを添加し、溶解・混合してダイオキシン類処理剤を製造する。
【0025】
上述したダイオキシン類分解賦活化栄養成分としては、単糖類、多糖類といった化合物を挙げることができる。このような、単糖類としては、モノース、ジオース、トリオース、テトロース、ペントース、ヘキソース、ヘプトース、オクトース、ノノース、デコース、フラノース、ピラノース、セプタノースの他、グルコース、サッカロース、フルクトース、アラビノース、エリスロース、リボース、マンノース、ソルボース、シクロデキストリン等、またこれら単糖類の燐酸エステル又は置換基で置換された誘導体等を挙げることができる。
【0026】
上述したダイオキシン類分解賦活化栄養成分として用いられる多糖類としては、デンプン、グリコーゲン、カロニン、ラミナラン、デキストラン、フルクタン、イヌリン、レバン、マンナン、ゾウゲヤシマンナン、キシラン、ガラクツロナン、ペクチン酸、マンヌロナン、アルギン酸、グアラン、コンニャクマンナン、コンドロイチン酸、ヒアルロン酸、メスキットガム、ガッチガム、アラビアゴム等を挙げることができる。また、上述した単糖類及び多糖類は適宜混合して用いることも可能である。これらのダイオキシン類分解賦活化栄養成分は、ダイオキシン類処理剤組成物の固形分に対して0.1重量%〜25重量%で添加されることが好ましい。なお、固形分には微生物をも含むものとする。この際、ダイオキシン分解能賦活化栄養成分としては、具体的にはグルコースをダイオキシン類処理剤組成物中における最終濃度が1重量%となるように添加したものを挙げることができる。
【0027】
上述した固定化剤としては、例えば、デンプン、カゼイン、ゼラチン、デキストリン、アラビアゴム、ペクチンといった天然の高分子材料、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリルアミド、ポリエチレングリコール、ポリビニールアルコール、アクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリ(スチレン−エチレンオキシド)ブロック共重合体、ポリ(エチレン−ビニルアルコール)−g−(エチレンオキシド)といったグラフト共重合体等の合成高分子、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ビスコース等のセルロースの水溶性誘導体、デンプン誘導体といった水溶性高分子の他、アクリルアミド、ビニルピロリドン、アクリル酸等の重合性単量体等を挙げることができる。これらの固定化剤は、本発明に用いるダイオキシン類処理剤組成物の固形分に対して1重量%〜30重量%で添加されることが好ましく、より好ましくは、5重量%前後の範囲で添加することが好ましい。固定化剤が1重量%よりも少ないと充分に焼却灰4の固定化を行うことができなくなり、30重量%よりも大きいとダイオキシン類分解能が充分に得られなくなる可能性があるためである。
【0028】
本発明に用いるダイオキシン類処理剤組成物中には、適宜白色腐朽菌といった木材腐朽菌が代謝するためのリグニンといった代謝成分を適宜分散させておくか又はリグニンを水溶性として添加しておくこともできる。同様に本発明に用いるダイオキシン類処理剤組成物中には、窒素源、リン源といった栄養成分を添加しておくことも可能である。このような窒素源としては具体的には硝酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸ナトリウム、硫酸アンモニウム、クエン酸二アンモニウム、等を挙げることができる。上述したリン源としては具体的には、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸一水素カリウム、リン酸一水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム等を挙げることができる。また、本発明に用いるダイオキシン類微生物の添加量は、ダイオキシン類処理剤組成物中にダイオキシン分解能力が適切な速度となるように添加することができる。このような速度としては、例えば2週間でPCDDs及びPCDFsを約50%〜70%分解する速度を挙げることができる。
【0029】
図4には、本発明の解体工法のステップ102のダイオキシン類処理剤付着工程に用いるダイオキシン類処理剤を焼却場の各設備を通して循環させ、焼却場の各設備の内面にダイオキシン処理剤を付着させる工程の第1の実施例を示す。図4では、焼却場の設備である焼却炉1と、冷却塔2と、集塵機3と、灰ピット5と、煙突6とが、循環ファン7と、本発明の浄化装置を周辺環境から遮断してダイオキシン類化合物を周辺環境へと飛散しないようにさせるために、各設備を連結するダクト8とにより連結されているのが示されている。さらに、本発明の解体工法においては、上述したダイオキシン類処理剤を供給するための処理剤供給タンク9及び必要に応じて上述した固定化剤を重合させて固定化を向上させるための固定化剤を重合するための重合剤を供給する重合剤供給タンク10とを用いる。このような重合剤としては、上述した水溶性高分子を架橋させるための架橋剤や、上述した重合性単量体を重合可能なラジカル開始剤等を挙げることができる。処理剤供給タンク9には、本発明のダイオキシン類処理剤に含有される微生物を生存させ、活性を維持させるために、図示しない酸素供給手段や温度制御手段等が用いられても良い。
【0030】
本発明の解体工法におけるステップ102のダイオキシン類処理剤付着工程の図4に示した実施例では、ダクト8は、煙突6頂部から循環ファン7に連結され、さらに循環ファン7の下流側で焼却炉1の開口部11へと連結されていて、煙突6の頂部と焼却炉1の間で空気が矢線で示すように循環されている。焼却炉1の別の開口部12,13には、さらにダクト8が連結されていて、開口部12は、循環ファン7を介してダクト8により冷却塔2へと連結され、開口部13は、灰ピット5の開口14,15へとダクト8により連結されている。冷却塔2の開口部16は、循環ファン7を介してダクト8により集塵機3の開口部17へと連結され、さらに集塵機3の他の開口部18は、循環ファン7を介してダクト8により煙突6の下側に設けられた煙道口19へと連結されている。このようにすることにより本発明の浄化装置を完全に周囲環境から遮断することが可能となり、周囲環境にダイオキシン類により汚染された焼却灰4を飛散させることなくダイオキシン類により汚染された構造体を解体することが可能となる。なお、集塵機3にバグフィルターが用いられている場合には、予めバグフィルターを除去しておく必要がある。
【0031】
図4に示すように本発明の解体工法におけるステップ102のダイオキシン類処理剤付着工程では、さらに処理剤供給タンク9や重合剤供給タンク10からダイオキシン類処理剤や重合剤を供給するための複数の供給ポンプPを用いる。これらの供給ポンプPは、上流側の配管20を通して処理剤供給タンク9や重合剤供給タンク10へと連結され、さらに下流側の配管20を通してダイオキシン類処理剤又は必要に応じて用いられる重合剤、又はこれら双方の薬剤を循環ファン7に隣接した位置へと送液している。循環ファン7は、ダクト8により周囲環境から遮断された焼却場設備の内部に空気を循環させると共に、供給ポンプPにより送液されたダイオキシン類処理剤、重合剤、又はそれら双方を循環空気流により各設備内面へと供給し、微生物及び固定化剤として上述した被膜形成性の高分子物質を含むダイオキシン類処理剤を各設備の内面へと付着させるようになっている。循環ファン7へとダイオキシン類処理剤を供給する際には、ダイオキシン類処理剤を噴散させるための噴散手段が循環ファン7に隣接して設けられていても良い。また、循環ファン7の送風能力、供給ポンプPの送液能力についても本発明が適用される構造体の容積等を考慮して適宜設定することが可能である。
【0032】
図4には、各設備の内面に堆積した焼却灰4が示されており、焼却灰4に付着したダイオキシン類処理剤は被膜21として示されている。このように本発明の解体工法におけるステップ102のダイオキシン類処理剤付着工程は、ダイオキシン処理剤の被膜21により焼却灰4を被覆してしまって解体工程中にダイオキシン類が飛散しないようにさせることもできるし、被膜を形成させずに解体工程中に焼却灰4が飛散しない程度にダイオキシン類処理剤を付着するようにすることもできる。
【0033】
図5は、本発明の解体工法のステップ102におけるダイオキシン類処理剤付着工程の第2の実施例を、焼却炉1に適用する場合を例にとって示した図である。図5では、焼却炉1を例にとって説明しているものの、言うまでもなく本発明の第2の実施例のダイオキシン類処理剤付着工程は、冷却塔2や、集塵機3などに用いることも可能である。図5に示すダイオキシン類処理剤付着工程ではまず、図5(a)に示すように焼却炉1といった設備を鉄板やコンクリート板といった密閉部材22で密閉して、周囲環境から汚染された設備を遮断する。次いでダイオキシン類処理剤の噴霧装置23を挿入するため焼却炉1の中央部となる位置において上部壁24に開口25を形成する。次いで図5(b)に示すように、噴霧装置23を開口25から挿入する。次いで、図5(c)に示すように噴霧装置23の端部に設けられたアーム26を水平方向へと移動させアーム26の先端部に設置された噴霧ノズル27を焼却炉1の内面に対向させる。さらに、噴霧装置23を矢線Aで示すように回動させることにより噴霧ノズル27を回動させつつ、ダイオキシン類処理剤を処理剤供給タンク9から供給して焼却炉1の内面に付着させる。
【0034】
必要に応じて固定化剤による固定化を向上させたい場合には、噴霧ノズル27から重合剤をダイオキシン類処理剤と同時に噴霧させるか、又はダイオキシン類処理剤を内壁に付着させた後に重合剤を別途噴霧させ、図示しない加熱手段等を設けて加熱処理等を行うことも可能である。この際、噴霧装置23は、アーム26を矢線Aで示すように回転させつつ矢線Bで示すように鉛直方向に上下動させる。また、アーム26は、矢線Cで示すように水平方向へと移動可能に構成されているため、焼却炉1の形状によらず内面全体にわたってダイオキシン類処理剤を付着させることが可能となる。
【0035】
図6は、本発明の解体工法に用いる噴霧装置23を一部断面として示した図である。図6では、本発明の解体工法に用いる噴霧装置23が、上部壁24に設けられた開口25を通して焼却炉1内へと挿入されたところが示されている。噴霧装置23は、上部壁24に噴霧装置23を保持させるための保持部材28と、軸受け部材29a,29bと、軸受け部材29aに連結されたセンターホールジャッキ30と各種配管が挿通され噴霧装置23を回動駆動させるための図示しない駆動部材を連結するための連結管31とを備えている。軸受け部材29bは、その径方向外側面が保持部材28に取り付けられ、径方向内側面は、センターホールジャッキ30を回動可能に保持していて、軸受け部材29aと共にスラスト軸受けを構成している。保持部材28の上部壁24と重なり合う部分には、噴霧装置23を堅固、かつ着脱可能に保持するためのアンカー部材32が挿通されていて、アンカー部材32が上部壁24まで延ばされているのが示されている。
【0036】
図6には、センターホールジャッキ30の先端部に、複数のアーム26がアーム保持部材33により保持されているのが示されている。また、このセンターホールジャッキ30は、アーム26を鉛直方向に移動可能に保持している。アーム保持部材33は、図示しないアーム駆動機構により鉛直方向に延びた図5(b)に示した位置から、図5(c)及び図6に示した水平方向の位置へと移動可能にアーム26に保持している。図6には、アーム26を一部切り欠いてその断面が示されている。図6に示されるようにこのアーム26は、ジャッキから構成されているので、アーム26の焼却炉1の内面に対向する側の端部に配置された噴霧ノズル27を水平方向へと移動可能とさせ、焼却炉1の内面にくまなくダイオキシン類処理剤を付着させることができるようにされている。図6では、アーム26は2本として示しているがこのアーム26は、適切に焼却炉1の内面へとダイオキシン類処理剤等を付着させることが可能であれば、必要に応じて何本でも用いることができる。また、センターホールジャッキ30、アーム26を構成するジャッキは、いかなるものでも用いることができる。また、図示しないアーム駆動機構についても、アーム26を鉛直方向から水平方向へと移動させることができればいかなるものでも用いることができる。
【0037】
噴霧装置23には、図6に示されるように連結管31の上部からダイオキシン類処理剤供給チューブ34といった配管が挿通されているのが示されている。噴霧装置23には、この他、必要に応じて図示しない油圧ケーブルが挿通されている。ダイオキシン類処理剤供給チューブ34は、さらにセンターホールジャッキ30の内部を通され、アーム26の内部を通されて、噴霧ノズル27へとダイオキシン類処理剤や、必要に応じて用いられる重合剤等を供給するようにされている。
【0038】
図7には、アーム26に取り付けられた噴霧部材35の詳細を示す。図7に示した噴霧部材35は、保持部36とノズル取付部37とからなり、保持部36に取り付けられたステー38により、アーム26に保持されている。このステー38は、図7に示すようにアーム26の先端部付近に、アーム26に対して噴霧部材35をステー38を中心として矢線D方向へとスイング可能とするように配設することもできる。このようにスイング可能に取り付けることにより、さらにダイオキシン類処理剤の付着性を向上させることができる。ノズル取付部37には、複数の噴霧ノズル27が取り付けられており、この噴霧ノズル27は、ダイオキシン類処理剤等を内壁に向かって噴霧する。このノズル取付部37は、回動可能に保持部36に保持されていて、噴霧ノズル27を矢線Eの方向へと回転させながらダイオキシン類処理剤等をミスト状に噴霧させている。この噴霧部材35をアーム26に対してスイングさせるための機構及びノズル取付部37を回転可能に保持するための機構としては従来知られているいかなる機構でも用いることができる。
【0039】
さらに、本発明の解体工法を図3を用いて説明する。本発明の解体工法は、次いでステップ103の焼却場の解体工程に移る。ステップ103の解体工程においては、ステップ102で焼却炉1、冷却塔2、集塵機3、灰ピット4の各内面にダイオキシン類処理剤を付着させているため、ハツリ等通常の焼却場解体工程を用いて解体を行うことが可能となる。また煙突6の解体については、従来のハツリ、横倒し等の解体工法を用いることも可能であるが万全の安全を期するため、特願平11−142503号に記載のワイヤーソーイングを用いた無人化煙突解体工法を用いることが好ましい。また、煙突6ばかりではなく、焼却炉1等についても特願平11−142503号に記載の解体工法を適用して解体を行うことも可能である。
【0040】
また、本発明に用いる噴霧装置23の保持部36に、図示しないCCDカメラを取付け、CCDカメラからの映像を確認しつつ付着状況を遠隔的に確認することが可能とされていても良い。CCDカメラの保持部36への取付は、噴霧ノズル27ごしに付着状況を確認することができれば、スイング可能に取り付けられていても良く、また固定して取り付けられていても良く、この際の取り付け方法及び手段としては従来公知のいかなるものでも用いることができる。
【0041】
次いで本発明の解体工法は、図3におけるステップ104のダイオキシン類の分解・無害化工程を用いる。ワイヤーソーイング等を用いて切断されて得られた産業廃棄物は、この段階ではダイオキシン類が内面に蓄積されているので、ステップ104では、産業廃棄物を現場内に仮設した分解・無害化保管庫内に移動して分解・無害化処理工程を行う。分解・無害化保管庫内は、ダイオキシン類分解微生物の分解能を賦活化する適切な温度や湿度、pH、酸素濃度等の環境条件に設定することが必要である。この分解・無害化処理を行っている間、状況に応じて、ダイオキシン類分解微生物と分解能賦活化栄養成分とを散布し、定期的(1週間毎程度)にダイオキシン類濃度を測定しながら、分解・無害化目標値まで処理することが好ましい。
【0042】
ステップ104の分解・無害化工程の後、ステップ105の廃棄工程で付着汚染しているダイオキシン類が分解・無害化されたコンクリート、煉瓦、鉄筋等の部材は、ダイオキシン類処理剤を除去した後、通常の廃棄物として分別され、適当な場合には、再利用されても良い。また、除去したダイオキシン類処理剤は、焼却施設内に付着していた焼却灰4、固定化剤として利用した高分子化含物、及びダイオキシン類分解微生物を含んでいるので、溶融固化処理を行い減量化した後、廃棄物として処分する。
【0043】
これまで本発明を、焼却場の各設備を解体することを例にとって説明してきたが、本発明は、すでに環境中に放出され、その処理対策がきわめて困難とされているダイオキシン類汚染土壌等、顕著な例としては、焼却施設内やその周辺土壌の浄化にも適用可能である。土壌等のダイオキシン類汚染は、一般的に表層のみであるといわれているので、土壌等にダイオキシン類処理剤を散布して、土壌の汚染部分である表層のみにダイオキシン類処理剤を付着・固定化し、この固定化された土壌層を切り出し、分解・無害化処理保管庫内で、微生物により完全に分解・無害化することも可能である。
【実施例】
(A)ダイオキシン類処理剤の作成
本発明に用いるダイオキシン類処理剤を下記の組成とした。
i) 白色腐朽菌 Panerochaete sordida YK-624 ATCC90872 所定量
ii) ポリエチレングリコール 20重量%
iii)グルコース 1重量%
iv) 水 残部
【0044】
上述の組成を有するダイオキシン類処理剤は、下記手順で製造した。まず、白色腐朽菌Panerochaete sordida YK-624 ATCC90872を低濃度窒素培地(M. Tien and T. K. Kirk, Lignin peroxidase of Phanerochaete chrysosporium, Methods Enzymol. 161: 238-249, 1988年)を用いて、30℃で7日間培養を行ない、この培養液を分離し、グルコース溶液をグルコースがダイオキシン類処理剤に対して1重量%となるように添加し、さらに、ポリエチレングリコール水溶液をポリマー固形分が20重量%となるようにゆっくりと添加した。
【0045】
(B)ダイオキシン類処理剤による処理
上述のようにして得られたダイオキシン類処理剤を滅菌した霧吹き中に入れた後、焼却場の内側壁面から採取した焼却灰をガラスプレート上に載せ、この焼却灰に霧吹きによりダイオキシン類処理剤を噴霧し、焼却灰上にダイオキシン類処理剤の被膜を形成させた。
【0046】
(C)ダイオキシン類処理剤による浄化
上述のようにして得られた試料を恒温槽内で30℃で2週間保存した。3日毎にグルコース及び新鮮菌の溶液を噴霧して供給した。2週間後ダイオキシン類処理剤により処理された焼却灰中のダイオキシン類濃度をガスクロマトグラフフィーを用いて、処理前の焼却灰中のダイオキシン類濃度を基準として測定したところ、ダイオキシン類処理剤で処理した試料中のPCDDs及びPCDFsの濃度は、約50%まで低減していた。上述のように、本発明の被膜形成性のダイオキシン類処理剤を用いて、ダイオキシン類の浄化が可能であることが判明した。上述の実施例では、ガラスプレート上に載せた焼却灰を用いて本発明の浄化方法を説明したが、汚染領域として焼却場設備の内面や、焼却場設備の周辺土壌に適用することができる。
【0047】
【発明の効果】
本発明の請求項1の発明によれば、ダイオキシン類により汚染された焼却場設備を周囲環境から遮断し、上記焼却場設備の内面にダイオキシン類分解能を有する微生物と被膜形成性の固定化剤とを含む組成物を付着させ、上記焼却場設備を解体することを特徴とするダイオキシン類汚染構造物の解体工法が提供されるので、ダイオキシン類処理剤を汚染面へと噴霧・固定化処理することによりダイオキシン類処理剤を汚染面へと固定化させると共にダイオキシン類処理剤による被膜を汚染面に形成させることでダイオキシン類の飛散を防止し周辺環境へのダイオキシン類汚染の拡大を防止する環境調和型のダイオキシン類付着汚染構造物の解体工法を提供することが可能となる。
【0048】
本発明の請求項2の発明によれば、上記微生物は、白色腐朽菌であることを特徴とする解体工法が提供されるので、解体・撤去作業を行った後、ダイオキシン類を微生物により分解・無害化処理し、分解・無害化後に廃棄物処理を行うことによって微生物の分解能を利用した安全かつ経済的な環境調和型のダイオキシン類付着汚染構造物の解体工法を提供することが可能となる。
【0049】
本発明の請求項3の発明によれば、上記組成物は、ダイオキシン類分解賦活化栄養成分を含有することを特徴とする解体工法が提供されるので、微生物によるダイオキシン類分解能をいっそう高めることが可能となる。
【0050】
本発明の請求項4の発明によれば、上記焼却場設備の解体後にダイオキシン類を上記微生物により分解することを特徴とする解体工法が提供されるので、ダイオキシン類の飛散を防止し周辺環境へのダイオキシン類汚染の拡大を防止することができる。次いで構造物の解体・撤去作業を行った後、ダイオキシン類を微生物により分解・無害化処理し、分解・無害化後に廃棄物処理を行うことによって微生物の分解能を利用した安全かつ経済的な環境調和型のダイオキシン類付着汚染構造物の解体工法を提供することが可能となる。
【0051】
本発明の請求項5の発明によれば、上記焼却場設備の解体は、ワイヤソーイングを用いて行われることを特徴とする解体工法が提供されるので、構造物の解体中におけるダイオキシン類の飛散がさらに低減できる。
【0052】
本発明の請求項6の発明によれば、上記組成物の付着は、上記組成物をミスト状とし、上記焼却場設備の内面を通して循環させることにより行われることを特徴とする解体工法が提供されるので、効率良く上記組成物を上記焼却場の内面に付着させることができる。
【0053】
本発明の請求項7の発明によれば、上記組成物の付着は、上記焼却場設備の内面に上記組成物を噴霧することにより行われることを特徴とする解体工法が提供されるので、上記焼却場設備の内面の形状によらず効率良く上記組成物を上記焼却場の内面に付着させることができる。
【0054】
本発明の請求項8の発明によれば、ダイオキシン類により汚染された汚染領域にダイオキシン類分解能を有する微生物と被膜形成性の固定化剤とダイオキシン類分解能賦活化栄養成分とを含む組成物を付着させた後、上記微生物により上記汚染領域のダイオキシン類を分解することを特徴とするダイオキシン類の浄化方法が提供されるので、ダイオキシン類を微生物により分解・無害化処理し、分解・無害化後に廃棄物処理を行うことによって微生物の分解能を利用した安全かつ経済的な環境調和型のダイオキシン類の浄化方法を提供することができる。
【0055】
本発明の請求項9の発明によれば、上記汚染領域は、焼却場設備の内面であることを特徴とするダイオキシン類の浄化方法が提供されるので、焼却場設備のダイオキシン類による汚染を安全かつ経済的に浄化可能な環境調和型のダイオキシン類の浄化方法が提供できる。
【0056】
本発明の請求項10の発明によれば、上記汚染領域は、焼却場設備の周辺土壌とされていることを特徴とするダイオキシン類の浄化方法が提供されるので、焼却場設備の周辺土壌のダイオキシン類による汚染を安全かつ経済的に浄化可能な環境調和型のダイオキシン類の浄化方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ゴミ焼却プロセスにおけるダイオキシン類発生メカニズムを示した図。
【図2】ゴミ焼却プロセスにおけるダイオキシン類の処理を示した図。
【図3】本発明の焼却場の各設備の解体工程を示したフローチャート。
【図4】本発明の解体工法に用いるダイオキシン類処理剤の被膜を形成させるための第1の実施例を示した図。
【図5】本発明の解体工法に用いるダイオキシン類処理剤の被膜を形成するための第2の実施例を示した図。
【図6】本発明の解体工法に用いる噴霧装置を示した図。
【図7】本発明の解体工法に用いる噴霧装置の噴霧部材及びアームを示した拡大図。
【符号の説明】
1…焼却炉
2…冷却塔
3…集塵機
4…焼却灰
5…灰ピット
6…煙突
7…循環ファン
8…ダクト
9…処理剤供給タンク
10…重合剤タンク
11〜18…開口部
19…煙道口
20…配管
21…被膜
22…密閉部材
23…噴霧装置
24…上部壁
25…開口
26…アーム
27…噴霧ノズル
28…保持部材
29a,29b…軸受け部材
30…センターホールジャッキ
31…連結管
32…アンカー部材
33…枢軸部材
34…供給チューブ
35…噴霧部材
36…保持部
37…ノズル取付部
38…ステー
G…ゴミ
FA…フライアッシュ
EG…排気ガス
D…ゴミ中のダイオキシン類
ORG…有機化合物
CL…塩素
R…化学反応
DN…デノボ合成
P…供給ポンプ

Claims (10)

  1. ダイオキシン類により汚染された焼却場設備を周囲環境から遮断し、
    前記焼却場設備の内面にダイオキシン類分解能を有する微生物と被膜形成性の固定化剤とを含む組成物を付着させ、
    前記焼却場設備を解体することを特徴とするダイオキシン類汚染構造物の解体工法。
  2. 前記微生物は、白色腐朽菌であることを特徴とする請求項1に記載の解体工法。
  3. 前記組成物は、ダイオキシン類分解能賦活化栄養成分を含有することを特徴とする請求項1に記載の解体工法。
  4. 前記焼却場設備の解体後に前記ダイオキシン類を前記微生物により分解することを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の解体工法。
  5. 前記焼却場設備の解体は、ワイヤソーイングを用いて行われることを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載の解体工法。
  6. 前記組成物の付着は、前記組成物をミスト状とし、前記焼却場設備の内面を通して循環させることにより行われることを特徴とする請求項1から5のいずれか1つに記載の解体工法。
  7. 前記組成物の付着は、前記焼却場設備の内面に前記組成物を噴霧することにより行われることを特徴とする請求項1から5のいずれか1つに記載の解体工法。
  8. ダイオキシン類により汚染された汚染領域にダイオキシン類分解能を有する微生物と被膜形成性の固定化剤とダイオキシン類分解能賦活化栄養成分とを含む組成物を付着させた後、前記微生物により前記汚染領域のダイオキシン類を分解することを特徴とするダイオキシン類の浄化方法。
  9. 前記汚染領域は、焼却場設備の内面であることを特徴とする請求項8に記載のダイオキシン類の浄化方法。
  10. 前記汚染領域は、焼却場設備の周辺土壌とされていることを特徴とする請求項8に記載のダイオキシン類の浄化方法。
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