JP4127042B2 - 誘導加熱装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般家庭やオフィス、レストラン、工場等で使用される誘導加熱調理器、誘導加熱を利用した湯沸かし器、加温装置等の誘導加熱装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
誘導加熱装置の例として、誘導加熱調理器について説明する。誘導加熱調理器では、誘導加熱コイルから高周波磁界が発生し、誘導加熱コイル近傍に置かれた金属製の鍋等の被加熱物に、電磁誘導によって渦電流が発生し被加熱物が加熱される。
【0003】
従来誘導加熱調理器は、誘導加熱コイルに高周波電流を発生するため、2石式のプッシュプルインバータを具備していた(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
従来の誘導加熱調理器を図8および図9に示している。図8において誘導加熱調理器は第1のスイッチング素子1と第2のスイッチング素子2を有するインバータ3と、インバータ3に接続された誘導加熱コイル4とを備える。また、第1のスイッチング素子1及び第2のスイッチング素子2には、各々第1のダイオード5及び第2のダイオード6が並列接続される。
【0005】
インバータ3により供給された高周波の共振電流によって誘導加熱コイル4からは高周波磁界が発生し、電磁誘導による渦電流のために調理鍋7が加熱される。入力電力の可変及び安定化のため、インバータ3の電源電流をカレントトランス8により検知する。その検知結果に応じて制御回路9は、第1及び第2のスイッチング素子1、2の駆動周波数を変化させ、あるいは駆動周波数を一定にしてその導通比を変化させて、インバータ3の出力を制御する。
【0006】
第1及び第2のスイッチング素子1、2の駆動周波数は、スイッチング損失を抑制するよう、誘導加熱可能な範囲で出来るだけ低周波でかつ、可聴域を外すよう、出来るだけ高周波とする必要があるため、通常20kHz〜30kHzとしている。
【0007】
図9は、従来の誘導加熱調理器における各部波形であり、図9(a)は第1のスイッチング素子1駆動制御端子電圧を、同図(b)は第2のスイッチング素子2駆動制御端子電圧を、同図(c)は第1のスイッチング素子1と第1のダイオード5に流れる電流を、同図(d)は第1のスイッチング素子1と第1のダイオード5に加わる電圧を、同図(e)は第2のスイッチング素子2と第2のダイオード6に流れる電流を、同図(f)は第2のスイッチング素子2と第2のダイオード6に加わる電圧を、同図(g)は誘導加熱コイル4に流れる電流をそれぞれ示している。
【0008】
この時、第1のスイッチング素子1導通期間中に遮断すると、遮断された共振電流は、第2のダイオード6に流れる。第2のダイオード6導通期間中に、第2のスイッチング素子2を駆動することにより、第2のダイオード6を流れていた共振電流が転流した際に、既に第2のスイッチング素子2は導通可能な状態にあるため、遮断→駆動時の第2のスイッチング素子2のスイッチング損失が生じない。また第1のスイッチング素子1の遮断→駆動時も同様である。上記の動作において、第1のスイッチング素子1及び第2のスイッチング素子2の同時導通による破壊を防止するため、同時遮断期間が設けられている。
【0009】
【特許文献1】
特開2001−160484号公報(第2頁、図13)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の構成において、特に大電力時には、誘導加熱コイル4と共振コンデンサ10に供給する共振電流を大きくする必要がある。その結果、第1のスイッチング素子1及び第2のスイッチング素子2の遮断時の電流が大となる。さらに、第1のスイッチング素子1及び第2のスイッチング素子2の電圧は、平滑コンデンサ11電圧まで急激に上昇するため、遮断時のスイッチング損失が増大する。このスイッチング損失は、一般に第1のスイッチング素子1及び第2のスイッチング素子2の温度が上昇するにつれて増加するため、大電力時の部品発熱増加が損失増加につながり、回路として不安定な状態である。
【0011】
また、第1のスイッチング素子1及び第2のスイッチング素子2の遮断時における急激な電圧変化はノイズの原因となるため、大電力化がノイズ増加につながる。
【0012】
上記課題を解決するため、従来は、図10に示すように、第1のスイッチング素子14又は第2のスイッチング素子15にスナバコンデンサ27が並列接続されていた。これによると、第1のスイッチング素子14又は第2のスイッチング素子15が遮断時には、共振電流がスナバコンデンサ27を充電することになるため、第1のスイッチング素子14又は第2のスイッチング素子15遮断時の電圧上昇が緩やかとなり、スイッチング損失が低減される。
【0013】
しかしながら、調理鍋20材質によっては、スナバコンデンサ27を充電するのに十分な共振電流が得られない場合も生じる。スナバコンデンサ27の充電が不十分なまま、他方のスイッチング素子が導通した場合、インバータ電源となる平滑コンデンサ24とスナバコンデンサ27に電圧差が生じているために、導通したスイッチング素子に急激な短絡電流が流れ、他方のスイッチング素子のスイッチング損失が増加するといった課題が生じる。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記従来の課題を解決するために、本発明の誘導加熱装置は、被加熱物を加熱する誘導加熱コイルと、共振コンデンサと、1つ以上のスイッチング素子とを含むインバータと、前記被加熱物の材質を判別する判別手段と、前記スイッチング素子の少なくともひとつに並列に、整流素子とスナバコンデンサの直列接続体を含む充電経路を接続し、前記スイッチング素子の遮断時に、前記整流素子を介して前記スナバコンデンサを充電するとともに、前記スイッチング素子の電圧が低下後所定のタイミングで前記スナバコンデンサの蓄積電荷放電する放電制御手段とを備え、前記被加熱物の導電率が低いと前記判別手段が判別した場合は、前記放電制御手段を停止するものである。これによって、スイッチング素子のスイッチング損失及びノイズを低減し、さらに大電力化を容易となる誘導加熱装置を提供することを目的とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
請求項1に記載の発明は、被加熱物を加熱する誘導加熱コイルと、共振コンデンサと、1つ以上のスイッチング素子とを含むインバータと、前記被加熱物の材質を判別する判別手段と、前記スイッチング素子の少なくともひとつ(以下当該スイッチング素子という)に並列に、整流素子とスナバコンデンサの直列接続体を含む充電経路を接続し、前記スイッチング素子の遮断時に、前記整流素子を介して前記スナバコンデンサを充電するとともに、前記スイッチング素子の電圧が低下後所定のタイミングで前記スナバコンデンサの蓄積電荷を放電する放電制御手段とを備え、前記被加熱物の導電率が低いと前記判別手段が判別した場合は、前記放電制御手段を停止することにより、被加熱物の材質による影響で、スイッチング素子の遮断時に流れる共振電流が減少する場合には、放電制御手段を停止して、スナバコンデンサの機能が働かないようにすることができる。
【0016】
従って、スイッチング素子の遮断時に電圧が立ち上がりやすくなり、他のスイッチング素子の導通時に短絡電流が流れることを防止し、スイッチング損失やスイッチングノイズの増加を抑制することが可能となる。
【0017】
請求項2に記載の発明は、被加熱物を加熱する誘導加熱コイルと、共振コンデンサと、1つ以上のスイッチング素子とを含むインバータと、インバータの出力の大きさを検出する出力検出手段と、前記スイッチング素子の少なくともひとつに並列に、整流素子とスナバコンデンサの直列接続体を含む充電経路を接続し、前記スイッチング素子の遮断時に、前記整流素子を介して前記スナバコンデンサを充電するとともに、前記スイッチング素子の電圧が低下後所定のタイミングで前記スナバコンデンサの蓄積電荷を放電する放電制御手段とを備え、前記出力検出手段の検出結果に応じて、例えば、共振電流が少ない場合、電源電流が少ない場合、スイッチング素子の遮断時電流が少ない場合など、前記スナバコンデンサへの充電が不十分となり、前記スイッチング素子導通時に短絡電流が流れることで、スイッチング損失の増加が予測される場合においては、前記スナバコンデンサの機能を停止するよう、前記放電制御手段を停止し、前記スイッチング素子への短絡電流を防止し、短絡電流によるスイッチング損失を抑制することが可能となる。
【0018】
請求項3に記載の発明は、特に、請求項1または2に記載の放電制御手段を、放電制御手段は、コイルと補助スイッチング素子の直列接続体を経路に含みスナバコンデンサの蓄積電荷を放電する第1の放電経路と、前記コイルと前記補助スイッチング素子の接続点に陽極端子が接続され平滑コンデンサの正極端子に陰極端子が接続された第2の整流素子を経路とする第2の放電経路とを有し、前記スナバコンデンサの電荷を前記補助スイッチング素子を導通して前記第1の放電経路で放電後、前記補助スイッチング素子を遮断して、前記コイルに蓄積された磁気エネルギーを、前記第2の放電経路により前記平滑コンデンサに放出することにより前記スナバコンデンサの蓄積電荷を放電するので、補助スイッチング素子導通時に流れる電流がコイルで制限され、補助スイッチング素子の損失を抑制する。
【0019】
また、補助スイッチング素子の遮断後において、補助スイッチング素子の高電位側端子の電位が平滑コンデンサの正極に到達すると、第2の整流素子が順方向にバイアスされ、前記平滑コンデンサの電圧でクランプされ、補助スイッチング素子に加わる電圧を抑制する。また、抵抗などで補助スイッチング素子の電流を制限する場合の当該抵抗の発熱に比して、コイルの発熱を小さくできる。
【0020】
請求項4に記載の発明は、特に、請求項1から3記載の誘導加熱装置において、一端がスイッチング素子の一端に、他端が平滑コンデンサの一端に接続された他のスナバコンデンサを設けることにより、前記放電制御手段が停止している場合においても、スイッチング素子におけるスイッチング損失を低減することが可能となる。
【0021】
請求項5に記載の発明は、特に、請求項1から4記載の誘導加熱装置において、放電制御手段の動作又は停止に応じて、平滑コンデンサの両端に直列に接続された2つのスイッチング素子の同時に遮断される期間を変化させることにより、共振電流が少なく、前記スナバコンデンサへの充電に時間がかかる場合において、同時遮断期間を長くし、前記スナバコンデンサへの充電が完了したと判断した時点でスイッチング素子を導通するよう制御することで、共振電流減少時でもスイッチング損失の低減、ノイズの低減が可能となる。
【0022】
請求項6に記載の発明は、電源と、平滑コンデンサ間に接続された第1のスイッチング素子と第2のスイッチング素子の直列接続体、誘導加熱コイル、共振コンデンサ、前記第1のスイッチング素子または前記第2のスイッチング素子に並列接続された第1の整流素子とスナバコンデンサの直列接続体、及び前記スナバコンデンサに並列接続された電流制限素子と第3のスイッチング素子の直列接続体、及び前記スナバコンデンサに並列接続された電流制限素子と第3のスイッチング素子の直列接続体とを備え、前記整流素子と前記スナバコンデンサが並列接続された側の前記第1のスイッチング素子または前記第2のスイッチング素子の導通期間中またはその両端に印加する電圧の低下期間中に、前記第3のスイッチング素子を導通し、スナバコンデンサの電荷を放電するようにした誘導加熱装置であって、さらに、電源からの入力電流を検知する第1電流検知手段と、前記誘導加熱コイルの電流を検知する第2電流検知手段とを備え、前記第1電流検知手段と前記第2電流検知手段の検知結果に基づき被加熱物の材質を判別し、前記被加熱物が導電率の低い金属であると判断した場合には、前記第3のスイッチング素子を遮断することにより、前記スナバコンデンサの機能を停止するようにした、被加熱物によっては、スイッチング素子の遮断時に流れる共振電流が減少する場合があるが、その場合には判別手段がその材質であることを識別して、その識別結果に基づき放電制御手段を停止して、スナバコンデンサの機能が働かないようにすることができる。
【0023】
請求項7に記載の発明は、平滑コンデンサ間に接続された第1のスイッチング素子と第2のスイッチング素子の直列接続体、誘導加熱コイル、共振コンデンサ、前記第1のスイッチング素子または前記第2のスイッチング素子に並列接続された第1の整流素子とスナバコンデンサの直列接続体、及び前記スナバコンデンサに並列接続された電流制限素子と第3のスイッチング素子の直列接続体、及び前記スナバコンデンサに並列接続された電流制限素子と第3のスイッチング素子の直列接続体とを備え、前記整流素子と前記スナバコンデンサが並列接続された側の前記第1のスイッチング素子または前記第2のスイッチング素子の導通期間中またはその両端に印加する電圧の低下期間中に、前記第3のスイッチング素子を導通し、スナバコンデンサの電荷を放電するようにした誘導加熱装置であって、さらに、スナバコンデンサの電圧を検知する電圧検知手段を有し、その検知電圧が所定値以下となった場合には、第3のスイッチング素子を遮断することにより、前記スナバコンデンサの機能を停止するようにし、第3のスイッチング素子導通中に、スナバコンデンサが放電完了した後は、第3のスイッチング素子が導通しなくなり、本来第1または第2のスイッチング素子に流れるべき共振電流が、第3のダイオードを通して第3のスイッチング素子にも流れるのを防止して、第1のダイオード、第3のスイッチング素子の損失が抑えられる。
【0024】
請求項8に記載の発明は、電源と、平滑コンデンサ間に接続された第1のスイッチング素子と第2のスイッチング素子の直列接続体、誘導加熱コイル、共振コンデンサ、前記第1のスイッチング素子または前記第2のスイッチング素子に並列接続された第1の整流素子とスナバコンデンサの直列接続体、及び前記スナバコンデンサに並列接続された電流制限素子と第3のスイッチング素子の直列接続体、及び前記スナバコンデンサに並列接続された電流制限素子と第3のスイッチング素子の直列接続体とを備え、前記整流素子と前記スナバコンデンサが並列接続された側の前記第1のスイッチング素子または前記第2のスイッチング素子の導通期間中またはその両端に印加する電圧の低下期間中に、前記第3のスイッチング素子を導通し、スナバコンデンサの電荷を放電するようにした誘導加熱装置であって、さらに、電源からの入力電流を検知し、所定値以下の入力電流となった場合には第3のスイッチング素子を遮断することにより、前記スナバコンデンサの機能を停止するようにし、入力電流と共振電流はほぼ相関関係にあるために、共振電流の減少を入力電流から推定し、スイッチング損失の増加、ノイズの増加を抑えることが可能となる。
【0025】
請求項9に記載の発明は、特に、請求項6〜8に記載の電流制限素子をコイルとするとともに、前記コイルと第3のスイッチング素子の接続点側に陽極端子を、平滑コンデンサの正極側端子側に陰極を接続して、前記コイルの蓄積エネルギーを前記平滑コンデンサに放出させる第2の整流素子を具備することにより、スナバコンデンサの蓄積電荷を放電する際に、第3のスイッチング素子導通時に流れる電流がコイルで制限され、第3のスイッチング素子の損失を抑制する。
【0026】
また、第3のスイッチング素子の遮断後において、第3のスイッチング素子の高電位側端子の電位が平滑コンデンサの正極に到達すると、第2の整流素子が順方向にバイアスされ、前記平滑コンデンサにコイルに蓄積されたエネルギーが平滑コンデンサに放出され、前記平滑コンデンサの電圧でクランプされ、補助スイッチング素子に加わる電圧を抑制する。また、抵抗などで補助スイッチング素子の電流を制限する場合の当該抵抗の発熱に比して、コイルを使用しているので発熱を小さくできる。
【0027】
請求項10に記載の発明は、特に、第1のスイッチング素子または第2のスイッチング素子に並列に第2のスナバコンデンサを接続したことにより、第2のスナバコンデンサの容量を小さくして、共振電流が十分少ない場合においても、充電可能な値に設計することで、第1及び第2のスイッチング素子におけるスイッチング損失をさらに低減することが可能となる。
【0028】
請求項11に記載の発明は、特に、スナバコンデンサの充電時間に応じて、第1のスイッチング素子または第2のスイッチング素子の一方の遮断から、他方のスイッチング素子導通までの期間を変更することにより、スナバコンデンサへの充電に時間がかかる場合において、第1のスイッチング素子と第2のスイッチング素子の同時遮断期間を長くし、スナバコンデンサへの充電が完了した時点で他方のスイッチング素子を導通するよう制御することで、共振電流減少時でもスイッチング損失の低減、ノイズの低減が可能となる。
【0029】
【実施例】
以下本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0030】
(実施例1)
図1は、本発明の第1の実施例における誘導加熱装置の概略回路図を示すものである。電源28は低周波交流電源である200V商用電源であり、ブリッジダイオードである整流器29の入力端に接続される。整流器29の出力端間にインバータ33の入力端が接続されている。インバータ33は、入力端間に平滑コンデンサ30が接続され、第1のスイッチング素子31と第2のスイッチング素子32の直列接続体が平滑コンデンサ30の両端に接続されている。
【0031】
第1のスイッチング素子31及び前記第2のスイッチング素子32の高電圧側端子(コレクタ)と低電圧側端子(エミッタ)間には、それぞれ第1のダイオード34及び第2のダイオード35が両スイッチング素子に逆方向に電流が流れるように並列接続されている。
【0032】
第2のスイッチング素子32のコレクタ−エミッタ間には、誘導加熱コイル36と共振コンデンサ37の直列接続体が並列接続されており、誘導加熱コイル36には、被加熱物である調理鍋38が対向して配置されている。また、第2のスイッチング素子32のコレクタにはダイオード39のアノードが接続され、ダイオード39のカソードと第2のスイッチング素子32のエミッタ間には第1のスナバコンデンサ40が接続されている。
【0033】
さらに、第2のスイッチング素子32のコレクタ−エミッタ間には、第1のスナバコンデンサ40に比較して容量の小さい第2のスナバコンデンサ41が並列接続されている。第1のスナバコンデンサ40の高電位側端子にはコイル42の一端が接続され、コイル42の他端と第3のスイッチング素子43の高電位側端子(コレクタ)が接続され、第3のスイッチング素子43の低電位側端子(エミッタ)は、第1のスナバコンデンサ40の低電位側端子に接続される。
【0034】
また、第3のスイッチング素子43のコレクタと第1のスイッチング素子31のコレクタ間には、第4のダイオード44が接続され、そのアノードが第3のスイッチング素子43のコレクタに接続されている。
【0035】
45は制御回路であり、電源28からの入力電流を検知する第1のカレントトランス46と、誘導加熱コイル36の電流を検知する第2のカレントトランス47と、第1のスナバコンデンサ40の電圧を検知する第1の電圧検出手段48と、平滑コンデンサ30の電圧を検知する第2の電圧検出手段49との検知信号を入力するとともに、第1のスイッチング素子31、第2のスイッチング素子32、第3のスイッチング素子43の駆動及び遮断を制御する。ここで、コイル42、第3のスイッチング素子43、前記第4のダイオード44が、第1のスナバコンデンサ40の放電を制御する放電制御手段50に含まれる。
【0036】
上記の構成において、電源28は整流器29によって整流され、平滑コンデンサ30によって平滑される。この平滑された電圧がインバータ33の直流電源となる。第1のスイッチング素子31及び第2のスイッチング素子32は制御回路45によって交互に導通するよう制御され、誘導加熱コイル36と共振コンデンサ37に高周波電流が発生し、この結果、誘導加熱コイル36からは高周波磁界が発生し、調理鍋38内には電磁誘導による渦電流が流れ、そのジュール熱のために調理鍋38が加熱される。
【0037】
所定入力電力で安定動作時のインバータ33の動作について説明する。図2に示す波形図は、本実施例における誘導加熱装置各部波形であり、図2(a)は第1のスイッチング素子31駆動制御端子電圧を、同図(b)は第2のスイッチング素子32駆動制御端子電圧を、同図(c)は第3のスイッチング素子43駆動制御端子電圧を、同図(d)は第1のスイッチング素子31と第1のダイオード34に流れる電流を、同図(e)は第2のスイッチング素子32と第2のダイオード35に流れる電流を、同図(f)は第2のスイッチング素子32と第2のダイオード35に加わる電圧を、同図(g)は第3のスイッチング素子43に流れる電流を、同図(h)は第4のダイオード44に流れる電流を、同図(i)は第1のスナバコンデンサ40に加わる電圧をそれぞれ示している。
【0038】
また、図3は図2の時点P1〜P4で区切られる各期間毎に変化する電流の流れを示す概略回路図である。
【0039】
制御回路45は、第1のスイッチング素子31及び第2のスイッチング素子32を交互に導通し、駆動周期が一定になるよう制御する。なお、ここで詳細は図示しないが、公知の通り、第1のスイッチング素子31及び第2のスイッチング素子32のそれぞれの駆動期間の間には同時遮断期間が設けられ、同時導通による破壊を防止している。
【0040】
また、制御回路45は、入力電力の可変及び安定化のため、第1のカレントトランス46の検知結果に応じて第1のスイッチング素子31及び第2のスイッチング素子32の導通比を変化させてインバータ33の出力を制御する。第3のスイッチング素子43は、第2のスイッチング素子32の導通期間中に導通開始し、導通期間終了前に遮断するよう制御する。
【0041】
P1時点で、第2のスイッチング素子32が導通したとき、第1のスナバコンデンサ40には電荷が充電されているが、第3のダイオード39のために、第2のスイッチング素子32側には放電電流が流れない。P2時点で、第3のスイッチング素子43が導通したとき、第1のスナバコンデンサ40からコイル42と第3のスイッチング素子43を通じた放電経路が形成される。コイル42は放電電流を制限する役割を果たし、コイル42と第3のスイッチング素子43を通して第1のスナバコンデンサ40の放電電流が流れる。
【0042】
所定時間後のP3時点で第3のスイッチング素子43を遮断したとき、コイル42に蓄積されたエネルギーにより、放電電流が第4のダイオード44を通じて平滑コンデンサ30側へ流れ続け、第1のスナバコンデンサ40の放電が完了する。P4時点で第2のスイッチング素子32が遮断したとき、共振電流の一部は、第3のダイオード39を通じて、放電が完了した第1のスナバコンデンサ40を充電するよう流れ、第2のスイッチング素子32にかかる電圧は緩やかに上昇する。そのため、第2のスイッチング素子32の遮断時の損失は大幅に低減される。
【0043】
また、急激な電圧変化に起因するノイズも低減される。第1のスイッチング素子31導通期間中は、第3のスイッチング素子43が遮断されている。
【0044】
また、起動時から所定入力電力で安定動作時までのインバータ33の動作について説明する。起動時において、制御回路45は、大電流がインバータ33に供給されないよう、第1のスイッチング素子31の駆動期間を最小に設定し駆動させる。また、制御回路45は、第1のカレントトランス46の検知結果をモニターしながら、第1のスイッチング素子31の駆動期間を徐々に長くし、第1のスイッチング素子31及び第2のスイッチング素子32の導通比を変化させ、所定火力に相当する電源電流となるよう制御する。
【0045】
さらに、制御回路45は、第1のカレントトランス46及び第2のカレントトランス47の検知結果から、調理鍋38の材質を判別する。図4において、複数の曲線は各種調理鍋を加熱した際の起動から安定動作時までの動作点を結んだものである。斜線網掛けを伴う直線は、各種調理鍋の材質を判別する境界線である。制御回路45内部には図4の斜線網掛けを伴う直線に相当するデータを備えており、このデータと第1のカレントトランス46及び第2のカレントトランス47の検知結果との相関から、調理鍋38の材質を判別する。このとき、調理鍋38が磁性を持ち、導電率が低い金属製であると判別された場合には、共振電流が少なくなることが明らかであるために、第3のスイッチング素子43は遮断させたままにする。
【0046】
第1のスナバコンデンサ40の機能は停止することになるが、第2のスナバコンデンサ41は第3のスイッチング素子43の動作に関係なく機能する。また、第2のスナバコンデンサ41は、第1のスナバコンデンサ40に比較して容量が小さいため、共振電流が少ない場合においても、充放電時間を短縮することができる。従って、共振電流が少ない場合は、スイッチング素子に短絡電流が起こるのを抑制し、共振電流が多い場合にはスイッチング素子に印可する電圧の立ち上がりを緩やかにして、第1のスイッチング素子31及び第2のスイッチング素子32のスイッチング損失が抑制される。
【0047】
また制御回路45は、調理鍋38の判別結果に関わらず、使用者による火力設定が低い場合などにおいて、第1のカレントトランス46又は第2のカレントトランス47の検知結果により、電源電流が少ない若しくは共振電流が少ないと判断すれば、同様に第3のスイッチング素子43を遮断させたままとする。このときにおいても、第1のスナバコンデンサ40は機能しないが、第2のスナバコンデンサ41により、第1のスイッチング素子31及び第2のスイッチング素子32のスイッチング損失が抑制される。
【0048】
また、平滑コンデンサ30の両端に印加される電圧波形は、図5に示すように、商用電源28の周期の1/2の周期で変化し、その包絡線は電源28を全波整流した波形とほぼ相似になる。つまり、平滑コンデンサ30に周期的に電圧値が低下する脈流の直流電源が与えられ、その谷間部分で十分な共振が行われない期間が存在する。制御回路45は、第2の電圧検出手段49の検知結果により、平滑コンデンサ30電圧が低く、共振電流が少ない場合には、第3のスイッチング素子43を遮断する。
【0049】
従って、周期的に、平滑コンデンサ30電圧が高い期間は、第1のスナバコンデンサ40の機能が働き、平滑コンデンサ30電圧が低い期間では、第1のスナバコンデンサ40の機能が停止し、第2のスナバコンデンサ41のみ機能することで、共振電流が少ない場合は、スイッチング素子に短絡電流が起こるのを抑制し、共振電流が多い場合にはスイッチング素子に印可する電圧の立ち上がりを緩やかにして、第1のスイッチング素子31及び第2のスイッチング素子32のスイッチング損失が抑制される。
【0050】
また、第1のスナバコンデンサ40の電荷は、第3のスイッチング素子43が導通されることにより、コイル42を通して放電されるが、コイル42の直流電流重畳インダクタンス特性ばらつきによって第1のスナバコンデンサ40放電時間が左右されるため、第3のスイッチング素子43導通時間をコイル42特性ばらつきに合わせて決定する必要がある。導通時間が長ければ、本来第2のスイッチング素子32に流れるべき共振電流が、第3のダイオード39、コイル42、第3のスイッチング素子43に流れ込むため、これらの部品損失が増加する。
【0051】
また、導通時間が短ければ、第1のスナバコンデンサ40放電が十分でないために、第2のスイッチング素子32遮断時において、第2のスイッチング素子32電圧が第1のスナバコンデンサ40電圧まで急激に上昇し、損失が増加する。しかしながら、第1の電圧検出手段48により第1のスナバコンデンサ40の放電状況を検知し、所定値以下の電圧になった場合に、制御回路45によって第3のスイッチング素子43を遮断することにより、コイル42ばらつきによる影響を吸収することが可能であり、第3のスイッチング素子43の導通時間の長短による損失増加を防止することが出来る。
【0052】
また、図6は、第2のスイッチング素子32遮断時における各部電圧電流波形を示したものである。第2のスイッチング素子32が遮断された後、第1のスナバコンデンサ40に充電されていき、第1のスナバコンデンサ40及び第2のスイッチング素子32電圧は緩やかに上昇する。このとき図6(a)に示すように、共振電流が大きければ第1のスナバコンデンサ40充電期間は短くなるが、図6(b)に示すように共振電流が少なければ充電期間が長くなる。第2のスイッチング素子32遮断後の第1のスイッチング素子31導通のタイミングは、第1のスナバコンデンサ40充電が完了する(第2のスイッチング素子32の高電位側端子が平滑コンデンサ30の正極端子の電位に到達する)前であると、第1のスイッチング素子31を通して第1のスナバコンデンサ40への充電電流が急激に流れる(短絡電流が流れる)ため、第1のスイッチング素子31の耐量を超え、破壊する可能性がある。
【0053】
従って、第1のスイッチング素子31の導通のタイミングは、第1のスナバコンデンサ40充電完了後であることが望ましい。図6(a)に合わせた導通タイミングであると、図6(b)の場合に導通タイミングが早すぎることになる。
【0054】
しかしながら、制御回路45は、第1のカレントトランス46及び第2のカレントトランス47の検知結果により、電源電流若しくは共振電流が比較的少ないと判断すれば、第3のスイッチング素子43の制御は継続したまま、第1のスナバコンデンサ40が十分充電する期間を推定し、第2のスイッチング素子32遮断から第1のスイッチング素子31駆動までの同時遮断期間を長くする。第1のスナバコンデンサ40が充電完了してから第1のスイッチング素子31を導通するため、共振電流が比較的少なく、第1のスナバコンデンサ40充電期間が長くなる場合においても、スイッチング損失の低減、ノイズの低減が可能となる。
【0055】
以上のように、本実施例によれば、被加熱物である調理鍋38を加熱する誘導加熱コイル36と、共振コンデンサ41と、2つのスイッチング素子31、32とを含むインバータを備え、スイッチング素子32に並列に、整流素子であるダイオード39と第1のスナバコンデンサ40の直列接続体を含む充電経路を接続し、前記スイッチング素子の遮断時に、ダイオード39を介して第1のスナバコンデンサ40を充電するとともに、第2のスイッチング素子22の電圧が低下(導通、あるいは逆並列に接続された第2のダイオード35が導通時を含む)後所定のタイミングで第1のスナバコンデンサ40の蓄積電荷を放電する放電制御手段50(補助スイッチング素子である第3のスイッチング素子43、コイル42、及び第4のダイオードを含む)とを設けたことにより、第1のスナバコンデンサ40が第3のダイオードを介して充電されると放電制御手段により放電しない限り、スナバコンデンサとしての機能を果たすことができなくなる。
【0056】
従って、第1のスナバコンデンサの機能を働かせたり、その機能を禁止したりすることを、制御回路48が放電制御手段50を構成する第3のスイッチング素子43を制御することで行うことができ、負荷変動あるいは入力電圧変動などの動作条件に対応して選択的に働かせ、誤動作防止、スイッチング損失の低減あるいは、ノイズの低減が可能となる。
【0057】
また、放電制御手段50は、コイル42と補助スイッチング素子である第3のスイッチング素子43の直列接続体を経路に含み第1のスナバコンデンサ40の蓄積電荷を放電する第1の放電経路と、コイル42と第3のスイッチング素子43の接続点に陽極端子(アノード)が接続され平滑コンデンサ30の正極端子(+側)に陰極端子(カソード)が接続された第2の整流素子である第4のダイオード44を経路とする第2の放電経路とを有し、第1のスナバコンデンサ40の電荷を第3のスイッチング素子43を導通して第1の放電経路で放電後、第3のスイッチング素子43を遮断して、コイル42に蓄積された磁気エネルギーを、第2の放電経路により平滑コンデンサ30に放出することにより第1のスナバコンデンサ40の蓄積電荷を放電するので、第3のスイッチング素子43導通時に流れる電流がコイル42で制限され、第3のスイッチング素子43の損失を抑制する。
【0058】
また、第3のスイッチング素子43の遮断後において、第3のスイッチング素子43の高電位側端子の電位が平滑コンデンサ30の正極に到達すると、第4のダイオード44が順方向にバイアスされ、平滑コンデンサ30の電圧でクランプされ、第3のスイッチング素子43に加わる電圧を抑制する。また、抵抗などで第3のスイッチング素子43の電流を制限する場合の当該抵抗の発熱に比して、コイル42の発熱を小さくできる。
【0059】
また、制御回路45は、被加熱物である調理鍋38の材質を判別する判別手段を有し、前記判別手段の判別結果に応じて、放電制御手段50を構成する第3のスイッチング素子43を導通させるか又は遮断させるかを決定することにより、調理鍋38の材質による影響で、スイッチング素子32の遮断時に流れる共振電流が減少する場合には、放電制御手段50の動作を停止して(第3のスイッチング素子43を継続して遮断して)、第1のスナバコンデンサ40の機能が働かないようにすることができる。
【0060】
従って、第1のスイッチング素子40の遮断時に電圧が立ち上がりやすくなり、第2のスイッチング素子31の導通時に短絡電流が流れることを防止し、スイッチング損失やスイッチングノイズの増加を抑制することが可能となる。
【0061】
また、整流器29が全波整流器である場合には、平滑コンデンサ30に脈流の直流電源が供給されることになるが、第2の電圧検出手段49の検知結果を基に、脈流の直流電源の最小電圧となる位相近傍で、放電制御手段50を動作(所定のタイミングで第1のスナバコンデンサ40の放電動作を行う)又は停止(第3のスイッチング素子43を継続して遮断)することにより、共振電流が少なく、スナバコンデンサへの充電が不十分となる電源位相で、放電制御手段50の動作を停止し、第1のスナバコンデンサ40の機能を停止することで、インバータ33の脈流の谷間に対応する位相における第1のスイッチング素子31の短絡電流の発生を防止しノイズ低減が可能となる。
【0062】
また、一端が第2のスイッチング素子32の高電位側端子(コレクタ)に、他端が平滑コンデンサ30の負極側端子に接続された第2のスナバコンデンサを設けることにより、放電制御手段50が停止している(第3のスイッチング素子43が継続して遮断状態にある)場合においても、第1及び第2のスイッチング素子における遮断時のスイッチング損失を低減することが可能となる。
【0063】
また、インバータ33の出力の大きさを検出する出力検出手段48または出力検知手段49を有し、当該出力検出手段の検出結果に応じて、放電制御手段50を動作させるか又は停止するかを決定することにより、例えば、共振電流が少ない場合、電源電流が少ない場合、第1のスイッチング素子32の遮断時電流が少ない場合など、第1のスナバコンデンサ40への充電が不十分となり、第1のスイッチング素子31導通時に短絡電流が流れることで、スイッチング損失の増加が予測される場合においては、第1のスナバコンデンサ40の機能を停止するよう、放電制御手段50の機能を停止し、第1のスイッチング素子31への短絡電流発生を防止し、短絡電流によるスイッチング損失を抑制することが可能となる。
【0064】
また、放電制御手段50の動作又は停止に応じて、平滑コンデンサ30の両端に直列に接続された2つのスイッチング素子(高電位側の第1のスイッチング素子31と低電位側の第2のスイッチング素子32)が同時に遮断される期間を変化させることにより、共振電流が少なく、第1のスナバコンデンサ40への充電に時間がかかる場合において、同時遮断期間を長くし、第1のスナバコンデンサ40への充電が完了したと判断した時点でスイッチング素子を導通するよう制御することで、共振電流減少時でもスイッチング損失の低減、ノイズの低減が可能となる。
【0065】
また、第1のスナバコンデンサ40の電圧を検知する第1の電圧検知手段40を有し、その検知電圧が所定値以下となった場合には、第3のスイッチング素子43を遮断することにより、第3のスイッチング素子43導通中に、第1のスナバコンデンサ40が放電完了した後は、第3のスイッチング素子43が導通しなくなり、本来第2のスイッチング素子32に流れるべき共振電流が、第3のダイオード39を通して第3のスイッチング素子43にも流れるのを防止して、第1のダイオード、第3のスイッチング素子の損失が抑えられる。
【0066】
なお、本実施例において、第2のスナバコンデンサ41として、コンデンサを単体で使用した例をあげたが、これに限定されるものではなく、コンデンサに直列に電流制限抵抗が接続されたものなど、コンデンサを含み、充放電を行い、第1のスイッチング素子31及び第2のスイッチング素子32の電圧上昇を緩やかにする効果のある素子であれば同様の効果が得られる。
【0067】
また、本実施例において、共振電流の大小を判断する際に、第1のカレントトランス46による電源電流又は第2のカレントトランス47による共振電流を検知する例を挙げたが、これに限定するものではなく、第1のスイッチング素子31又は第2のスイッチング素子32に流れる電流を検知して各スイッチング素子の遮断時の電流(遮断電流)を測定して行う、あるいは、誘導加熱コイル36又は共振コンデンサ37電圧の検知により行うなどによっても同様の効果が得られる。
【0068】
また、平滑コンデンサ30電圧の検知を行う例を挙げたが、これに限定されるものではなく、電源28電圧の検知、電源28位相の検知等でも同様の効果が得られる。
【0069】
(実施例2)
次に本発明の第2の実施例について図7を参照しながら説明する。実施例1と同一部材については同一符合を付して説明を省略し、相違点についてのみ説明する。
【0070】
図に示すように、本実施例の誘導加熱装置は、高周波インバータ33の電源を昇圧する昇圧手段52を有するとともに、制御手段51は、第2のスイッチング素子32aの電圧を検知する電圧検知手段53の検知情報を得ているものである。昇圧手段52は、調理鍋38が誘導加熱することが困難である非磁性で電気導電率が高い材質(例えば、アルミニウムや銅)で形成されている場合であっても、誘導加熱可能とすべく高周波インバータ33の入力する電源(例えば交流200V)の電圧を昇圧している。
【0071】
また、制御手段51は、第1のスイッチング素子21に流れる電流を検知する電流検知手段42より、その導通開始時における短絡電流(第1のスイッチング素子31aに順方向の電圧が印加した状態で導通する状態で第1のスナバコンデンサ40の充電電流となる)に関する検知情報を得ているものである。
【0072】
上記構成において、電圧検知手段53によって、逆導通型の第2のスイッチング素子32aの電圧を検知しているので、インバータ33の電源電圧である昇圧手段52の出力電圧の低下を検知し、共振電流の減少を予測することが可能となる。このような場合においては、制御手段51は、電圧検知手段53からの信号に基づき、第3のスイッチング素子43を遮断継続し、スナバコンデンサ40の充電が不十分である場合に生じる第1のスイッチング素子31aのスイッチング損失増加を抑えることが出来る。なお、インバータ33の電源電圧を測定する手段はこれに限定されるものではなく、例えば平滑コンデンサ30の両端電圧を測定しても良い。
【0073】
また、第2のスイッチング素子32aが遮断した時の遮断電流、すなわちその時点での共振電流が少ない場合においては、第1のスナバコンデンサ40への充電が速やかに行うことが出来ない。このとき、第1のスナバコンデンサ40とインバータ電源となる平滑コンデンサ30に電圧差が生じたままで、第1のスイッチング素子31aが導通した場合、第1のスナバコンデンサ40へ流れる短絡電流が、第1のスイッチング素子31aに流れ、そのままであるとスイッチング損失が増加する。
【0074】
本実施例においては、第1のスイッチング素子31aを流れる短絡電流を電流検知手段54で検知し、制御手段51によって第3のスイッチング素子43を遮断したままにする。従って、第1のスナバコンデンサ40が放電する経路がなく、充電されたままとなって第1のスナバコンデンサ40の機能が停止される。このように、第1のスナバコンデンサ40の機能の有効、無効を選択して制御することが可能であるため、第1のスイッチング素子40、及び第2のスイッチング素子32aの損失増加を抑えることが出来る。また、短絡電流が検知されなくなれば、例えば一定期間後に、再度前記第3のスイッチング素子43を動作させ、第1のスナバコンデンサ40の機能を有効とすればよい。
【0075】
なお、本実施例においては、短絡電流検知を電流検知手段54で行う例を挙げたが、第1のスイッチング素子31aに逆並列に接続されたダイオード、あるいは第1のスナバコンデンサ40の電流を検知するもの、平滑コンデンサ30と第1のスナバコンデンサ40の電圧差を検知するもの、短絡電流が流れた際の急激なdi/dtと配線インピーダンスによって生じる同一ライン上での電圧差を検知するものなどで行っても良い。
【0076】
【発明の効果】
以上のように、請求項1〜11に記載の発明によれば、スイッチング素子のスイッチング損失及びノイズを低減し、さらに大出力の誘導加熱装置を提供することが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1における誘導加熱装置の回路図
【図2】 本発明の実施例1における誘導加熱装置の各部電圧電流波形図
【図3】 本発明の実施例1における誘導加熱装置の動作を示す要部回路図
【図4】 本発明の実施例1における誘導加熱装置の各種調理鍋を加熱した際の起動から安定動作時までの動作点と、鍋種判別境界線をを示す図
【図5】 本発明の実施例1における誘導加熱装置の平滑コンデンサ電圧と電源電圧波形図
【図6】 (a)本発明の実施例1における誘導加熱装置の第2のスイッチング素子遮断電流大時の各部電圧電流波形図
(b)本発明の実施例1における誘導加熱装置の第2のスイッチング素子遮断電流小時の各部電圧電流波形図
【図7】 本発明の実施例2における誘導加熱装置の回路図
【図8】 従来の誘導加熱装置の回路図
【図9】 従来の誘導加熱装置の各部電圧電流波形図
【図10】 他の従来の誘導加熱装置の回路図
【符号の説明】
31、31a 第1のスイッチング素子
32、32a 第2のスイッチング素子
33 インバータ
39 第3のダイオード(整流素子)
40 第1のスナバコンデンサ(スナバコンデンサ)
41 第2のスナバコンデンサ
42 コイル(電流制限素子)
43 第3のスイッチング素子(補助スイッチング素子)
44 第4のダイオード(第2の整流素子)
45 制御回路
46 第1のカレントトランス(出力検出手段)
47 第2のカレントトランス(出力検出手段)
48 第1の電圧検出手段(出力検出手段)
49 第2の電圧検出手段(出力検出手段)
50 放電制御手段
51 制御手段
52 昇圧手段
53 電圧検知手段
54 電流検知手段

Claims (11)

  1. 被加熱物を加熱する誘導加熱コイルと、共振コンデンサと、1つ以上のスイッチング素子とを含むインバータと、前記被加熱物の材質を判別する判別手段と、前記スイッチング素子の少なくともひとつに並列に、整流素子とスナバコンデンサの直列接続体を含む充電経路を接続し、前記スイッチング素子の遮断時に、前記整流素子を介して前記スナバコンデンサを充電するとともに、前記スイッチング素子の電圧が低下後所定のタイミングで前記スナバコンデンサの蓄積電荷を放電する放電制御手段とを備え、前記被加熱物の導電率が低いと前記判別手段が判別した場合は、前記放電制御手段を停止する誘導加熱装置。
  2. 被加熱物を加熱する誘導加熱コイルと、共振コンデンサと、1つ以上のスイッチング素子とを含むインバータと、インバータの出力の大きさを検出する出力検出手段と、前記スイッチング素子の少なくともひとつに並列に、整流素子とスナバコンデンサの直列接続体を含む充電経路を接続し、前記スイッチング素子の遮断時に、前記整流素子を介して前記スナバコンデンサを充電するとともに、前記スイッチング素子の電圧が低下後所定のタイミングで前記スナバコンデンサの蓄積電荷を放電する放電制御手段とを備え、前記出力検出手段の検出結果により、前記スナバコンデンサへの充電が不十分となり、前記スイッチング素子導通時に短絡電流が流れることが予測される場合においては、前記スナバコンデンサ機能を停止するよう、前記放電制御手段の機能を停止する誘導加熱装置。
  3. 放電制御手段は、コイルと補助スイッチング素子の直列接続体を経路に含みスナバコンデンサの蓄積電荷を放電する第1の放電経路と、前記コイルと前記補助スイッチング素子の接続点に陽極端子が接続され平滑コンデンサの正極端子に陰極端子が接続された第2の整流素子を経路とする第2の放電経路とを有し、前記スナバコンデンサの電荷を前記補助スイッチング素子を導通して前記第1の放電経路で放電後、前記補助スイッチング素子を遮断して、前記コイルに蓄積された磁気エネルギーを、前記第2の放電経路により前記平滑コンデンサに放出することにより前記スナバコンデンサの蓄積電荷を放電する請求項1または2記載の誘導加熱装置。
  4. 一端がスイッチング素子の一端に、他端が平滑コンデンサの一端に接続された他のスナバコンデンサを設けることを特徴とした請求項1〜3いずれか1項記載の誘導加熱装置。
  5. 放電制御手段の動作又は停止に応じて、平滑コンデンサの両端に直列に接続された2つのスイッチング素子の同時に遮断される期間を変化させることを特徴とした請求項1〜4いずれか1項記載の誘導加熱装置。
  6. 電源と、平滑コンデンサ間に接続された第1のスイッチング素子と第2のスイッチング素子の直列接続体、誘導加熱コイル、共振コンデンサ、前記第1のスイッチング素子または前記第2のスイッチング素子に並列接続された第1の整流素子とスナバコンデンサの直列接続体、及び前記スナバコンデンサに並列接続された電流制限素子と第3のスイッチング素子の直列接続体、及び前記スナバコンデンサに並列接続された電流制限素子と第3のスイッチング素子の直列接続体とを備え、前記整流素子と前記スナバコンデンサが並列接続された側の前記第1のスイッチング素子または前記第2のスイッチング素子の導通期間中またはその両端に印加する電圧の低下期間中に、前記第3のスイッチング素子を導通し、スナバコンデンサの電荷を放電するようにした誘導加熱装置であって、さらに、電源からの入力電流を検知する第1電流検知手段と、前記誘導加熱コイルの電流を検知する第2電流検知手段とを備え、前記第1電流検知手段と前記第2電流検知手段の検知結果に基づき被加熱物の材質を判別し、前記被加熱物が導電率の低い金属であると判断した場合には、前記第3のスイッチング素子を遮断することにより、前記スナバコンデンサの機能を停止するようにした誘導加熱装置。
  7. 平滑コンデンサ間に接続された第1のスイッチング素子と第2のスイッチング素子の直列接続体、誘導加熱コイル、共振コンデンサ、前記第1のスイッチング素子または前記第2のスイッチング素子に並列接続された第1の整流素子とスナバコンデンサの直列接続体、及び前記スナバコンデンサに並列接続された電流制限素子と第3のスイッチング素子の直列接続体、及び前記スナバコンデンサに並列接続された電流制限素子と第3のスイッチング素子の直列接続体とを備え、前記整流素子と前記スナバコンデンサが並列接続された側の前記第1のスイッチング素子または前記第2のスイッチング素子の導通期間中またはその両端に印加する電圧の低下期間中に、前記第3のスイッチング素子を導通し、スナバコンデンサの電荷を放電するようにした誘導加熱装置であって、さらに、スナバコンデンサの電圧を検知する電圧検知手段を有し、その検知電圧が所定値以下となった場合には、第3のスイッチング素子を遮断することにより、前記スナバコンデンサの機能を停止するようにした誘導加熱装置。
  8. 電源と、平滑コンデンサ間に接続された第1のスイッチング素子と第2のスイッチング素子の直列接続体、誘導加熱コイル、共振コンデンサ、前記第1のスイッチング素子または前記第2のスイッチング素子に並列接続された第1の整流素子とスナバコンデンサの直列接続体、及び前記スナバコンデンサに並列接続された電流制限素子と第3のスイッチング素子の直列接続体、及び前記スナバコンデンサに並列接続された電流制限素子と第3のスイッチング素子の直列接続体とを備え、前記整流素子と前記スナバコンデンサが並列接続された側の前記第1のスイッチング素子または前記第2のスイッチング素子の導通期間中またはその両端に印加する電圧の低下期間中に、前記第3のスイッチング素子を導通し、スナバコンデンサの電荷を放電するようにした誘導加熱装置であって、
    さらに、電源からの入力電流を検知し、所定値以下の入力電流となった場合には第3のスイッチング素子を遮断することにより、前記スナバコンデンサの機能を停止するようにした誘導加熱装置。
  9. 電流制限素子をコイルとするとともに、前記コイルと第3のスイッチング素子の接続点側に陽極端子を、平滑コンデンサの正極側端子側に陰極を接続して、前記コイルの蓄積エネルギーを前記平滑コンデンサに放出させる第2の整流素子を具備する請求項6〜8に記載の誘導加熱装置。
  10. 第1のスイッチング素子または第2のスイッチング素子に並列に第2のスナバコンデンサを接続した請求項6〜9のいずれか1項に記載の誘導加熱装置。
  11. スナバコンデンサの充電時間に応じて、第1のスイッチング素子または第2のスイッチング素子の一方の遮断から、他方のスイッチング素子導通までの期間を変更する請求項6〜10のいずれか1項に記載の誘導加熱装置。
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