JP4125519B2 - ジョイント - Google Patents

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  • Clamps And Clips (AREA)
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビニールハウス,パイプハウスと称する温室において、透明な合成樹脂シートを定着させる蟻溝フレームを骨組たるパイプに直交して横方向に連結させるのに使用するジョイントに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、パイプハウスは、地上に多数のアーチ状パイプを起立し、このアーチ状パイプに対して横方向にジョイントを介して断面蟻溝状の蟻溝フレームを結合し、アーチパイプ上に展張したビニール等の透明な合成樹脂シートをこの蟻溝フレーム内に他の弾性な係止線状を介して定着させ、上記の透明なシートより太陽光線を取り入れて植物等の育成を図っている。
【0003】
上記のジョイントとしては、例えば、実開昭59−113060号公報又は意匠登録第704264号公報に開示されたものが多く使用されている。
【0004】
上記のジョイントは、断面コ字状の挟持金具と、挟持金具に装着された楔と、からなり、挟持金具は、相対向する一対の支持片と、各支持片の両端上部同志を結合する連結片と、各支持片の上部に下方向に向けて形成した断面コ字状の溝と、各支持片の胴部に相対向して形成した楔挿入孔と、を備え、各連結片の内側には上記溝方向に突出させた相対向するフックを設けたものである。
【0005】
そして、アーチ状パイプに各支持片間に開口部を介して挟持金具を横方向から挿入し、次に、パイプの背部より各楔挿入孔に楔を挿入して仮止めし、次いで、溝内に蟻溝フレームを挿入した後に楔を更に打ち込んで本締めを行なうと、楔によって挟持金具がパイプ側に引き寄せられ、その結果、パイプとフックとて蟻溝フレームを挟持し、ジョイントを介して蟻溝フレームをパイプ結合させるものである。
【0006】
しかしながら、上記ジョイントで蟻溝フレームを固定しておくとき、ジョイントには下方に向けて蟻溝フレームと弾性係止線状等の重みによる荷重が作用しており、風圧等によって振動が発生するとジョイントがパイプに沿って下方に若干ずれたり、落下するおそれがあり、その結果、ハウスの骨組全体がゆがみ、あるいは展張したシートがたるんだり、破損するおそれがあった。
【0007】
そこで、実用新案登録第3020803号公報に示すように下方にずれたり、落下するのを防止できるジョイントが開発されている。
【0008】
このジョイントAは、図10,図11に示すように、断面コ字状の挟持金具5と、挟持金具5に装着された楔6とからなり、挟持金具5は相対向する一対の支持片7,8と、各支持片7,8の両端上部同志を結合する連結片9,10の上部に下方に向けて形成した断面コ字状の溝11と、各支持片7,8の胴部に相対向して形成した楔挿入孔12と、を備え、各連結片9,10の内側には上記溝11方向に突出させた相対向するフック13を設け、各支持片7,8間の開口部を介して挟持金具5をパイプ1に挿入し、前記溝11内にパイプ1と直交する蟻溝フレーム2を挿入し、パイプ1の下方から前記各楔挿入孔12に楔6を挿入させ、パイプ1とフック13とで蟻溝フレーム2を挟持させるジョイントであって更に前記各連結片9,10の外端に下方に向けて滑り止め部片14を設けたものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記のジョイントは、滑り止め部片14がパイプ1に係合しているため、ジョイント自体がパイプ1に沿ってずれたり、ずれ落ちたりするのが防止され、機能上すぐれているが、更に次のような不具合が発生する場合があり、その改善が望まれている。
【0010】
第1に、一対の連結片9,10は、ジョイント全体の強度の関係から極端に細くできず、一定の巾を備えている。
【0011】
この為、この連結片9,10の剛性が強く、図11に示すように、楔6を矢印A方向に打ち込んだ時一対の支持片7,8が矢印B,B方向に曲がり、その結果連結片9,10が蟻溝フレーム2からはずれたり、ずれたりし、更に、ジョイント全体が変形する場合もある。
【0012】
第2に、パイプ1がパイプハウスのアーチパイプとして使用されている時、図11に示すように、このアーチパイプの屈曲部分は、断面が点線Cで示すように若干楕円状となり、接触不良を起し、ジョイントがずれてガタが発生するおそれがある。
【0013】
そこで、これを防止するために、滑り止め部片14を長くしたり、楔6の巾を高くすれば良いが、この場合には、逆にパイプ1が真円状態の部位では締付力が強くなりすぎ、楔の打ち込みが困難になったり、パイプ1を変形させるおそれがある。
【0014】
併せて、ジョイントや楔の材料が嵩み、重量も重くなり、経済的にも不利となる。
【0015】
そこで、本発明の目的は、楔の打ち込み時に一対の支持片が互いに近寄る内側方向に曲がるようにしてフックが蟻溝フレームからはずれないように強度アップが図れ、併せてパイプが楕円状となっている部位でも弛むことなくしっかりと締結できるジョイントを提供することである。
【0016】
【課題を解決する為の手段】
断面コ字状又はU字状の挟持金具と、挟持金具に装着される楔とからなり、挟持金具は相対向する一対の支持片と、各支持片の両端上部同士を結合する連結片と、各支持片の上部に下方に向けて形成した溝と、各支持片の胴部に相対向して形成した楔挿入孔と、各連結片の内側に上記溝方向に向けて突出させた一対のフックとを備え、各支持片間にパイプを挿入し、上記溝内にパイプと直交する蟻溝フレームを挿入し、楔挿入孔に楔を挿入させながらパイプとフックとで蟻溝フレームを挟持させるジョイントにおいて、各連結片の中間部を下方に向けて切り起してパイプに対向する滑り止め部片を形成し、各支持片の中間に溝方向に向けて起立する弯曲したパイプ抱持片を設けていることを特徴とするものである。
ジョイント。
【0017】
この場合、滑り止め部片が各連結片の中間部外端又は内端部位に切り起して形成されていても良く、あるいは滑り止め部片が各連結片の中間部における水平面部を切り起して形成されていても良い。
【0018】
同じく、断面コ字状又はU字状の挟持金具と、挟持金具に装着される楔とからなり、挟持金具は相対向する一対の支持片と、各支持片の両端上部同士を結合する連結片と、各支持片の上部に下方に向けて形成した溝と、各支持片の胴部に相対向して形成した楔挿入孔と、各連結片の内側に上記溝方向に向けて突出させた一対のフックとを備え、各支持片間にパイプを挿入し、上記溝内にパイプと直交する蟻溝フレームを挿入し、楔挿入孔に楔を挿入させながらパイプとフックとで蟻溝フレームを挟持させるジョイントにおいて、各連結片の中間部における水平面部を下方に折り曲げて断面ややコ字状又はU字状の滑り止め部片をパイプに対向して設け、各支持片の中間に溝方向に向けて起立する弯曲したパイプ抱持片を設けていることを特徴とするものである。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1乃至図9にもとづいて説明するが、図1乃至図9に示す各ジョイントの基本構造は、図10,図11に示す従来のものと同じ構造である。
【0021】
即ち、各実施の形態に係るジョイントAは、断面コ字状又はU字状の挟持金具5と、挟持金具5に装着される楔6とからなり、挟持金具5は、相対向する一対の支持片7,8と、各支持片7,8の両端上部同士を結合する連結片9,10と、各支持片7,8の上部に下方に向けて形成した溝11と、各支持片7,8の胴部に相対向して形成した楔挿入孔12と、各連結片9,10の内側に上記溝11方向に向けて突出された一対のフック13,13とを備え、各支持片7,8間にパイプ1を挿入し、上記溝11内にパイプ1と直交する蟻溝フレーム2を挿入し、楔挿入孔12に楔6を挿入させながらパイプ1とフック13とで蟻溝フレーム2を挟持させるものである。
【0022】
そして、図1乃至図6及び図8の一実施の形態に係るジョイントAでは、各連結片9,10の中間部を下方に向けて切り起してパイプ1に対向する滑り止め部片24、24aを形成したことを特徴とする。
【0023】
即ち、図1および図8の実施の形態に係るジョイントAでは、それぞれ滑り止め部片24,24aが各連結片9,10の中間部外端又は内端部位に切り起して形成されている。
【0024】
同じく、図9に示す他の実施の形態では滑り止め部片24bが各連結片9,10の中間部における水平面部10aを切り起して形成されているものである。
【0025】
更に、図7に示す他の実施の形態に係るジョイントAでは各連結片9,10の中間部における水平面部9a,10aを下方に折り曲げて断面ややコ字状又はU字状の滑り止め部片24c,24cをパイプ1に対向して設けたことを特徴とする。
【0026】
上記各図の実施の形態に係るジョイントAでは、各支持片7,8の中間に溝11方向に向けて起立する彎曲したパイプ抱持片15,15を設けている。
【0027】
以下更に詳しく説明すると、図1乃至図6の実施の形態に係るジョイントAでは、連結片9,10の中間部においてフック13側の内端部位を切り起して下方に折り曲げ、パイプ1に対向する滑り止め部片24を形成している。
【0028】
この為、連結片9,10は、滑り止め部片24に対応する部位の巾が他の部位より狭くなり剛性が小さくなる。
【0029】
従って、図4に示すように各支持片7,8間に楔6を矢印Y方向に向けて打ち込むと、一方の支持片7が剛性の弱い部位aを支点にして矢印X1方向に変位し、更に、楔6を打ち込んでくると反作用で他方の支持片8も剛性の弱い部位bを支点にして矢印X2方向に変位し、一対の支持片7,8は互いに近寄る方向に曲がる。
【0030】
これにより、フック13は、締り勝手となり、パイプ抱持部15もパイプ1により強く圧接され、ジョイント全体の強度がアップする。
【0031】
滑り止め部片24は、楔6と協働してパイプ1を挟持し、図1においてジョイントAがパイプ1に沿って下方に落下するのが防止される。
【0032】
更に、パイプ抱持部15は、パイプ1方向に向けて彎曲しており、その先端がパイプ1に当接していることにより両側からパイプ1を抱持し、ジョイントAの締結力が向上し、強度アップを図っている。
【0033】
特に、パイプ1がアーチ状に彎曲している部位では若干パイプ1の断面形状が楕円状となり、滑り止め片24との接触が弱くなる場合があるが、この場合には逆にパイプ抱持部15との接触が強くなり、パイプ抱持部15が滑り止め作用を強化することになる。
【0034】
図8は、他の実施の形態に係り、これは、図1の場合と実質的に同じであり、滑り止め部片24aは連結片9,10のフック13と反対側の外端側を下方に向けて切り起したものである。
【0035】
この場合にも滑り止め部片24aを形成した部位の巾が狭くなり剛性が弱くなり楔6を打ち込んだ時、支持片7,8が剛性の弱い部位a,bを支点にして互いに近寄る内側方向に曲がり、上記と同じくジョイントAの締付力を強化する。
【0036】
図7は、本発明の他の実施形態にかかり、これはすでに述べたように、連結片9,10の中間部における水平面部9a,10aを下方に向けて折り曲げて滑り止め面部24cを形成したものであるが、この場合にも楔6を打ち込んだ時、支持片7,8は、連結片9,10における屈曲した部位a1,b1を支点にして矢印X1,X2方向に曲がり、上記と同じく締付力を強化、ジョイントAの強度を向上させる。
【0037】
同じく、図9の実施の形態では、連結片9,10の中間部における水平面部を切り起して滑り止め部片24bを形成しているので、この部分の周辺の剛性が弱くなり、楔6を打ち込んだ時、一対の支持片7,8は、部位a,bを支点にして内側に曲がり上記と同じくジョイントAの強度を向上させる。
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、次の効果が得られる。
【0039】
1)各請求項の発明によれば、連結片の中間部を切り起し又は折り曲げて下方に向く滑り止め部片を形成しているので、この滑り止め部片に対応する連結片の部位の剛性が他の部位の剛性より弱くなり、その結果楔を支持片間に打ち込んだ時滑り止め部片の両側の部位を支点にして各支持片が互いに近寄る方向たる内側に撓み、フックの位置が変化せずジョイント全体の締付力を強化し、強度アップが図れる。
【0040】
2)同じく、支持片に彎曲したパイプ抱持部を起立して設けているので、このパイプ抱持部がパイプに接触して両側から抱持するのでジョイントのガタの発生が防止され、ジョイント全体の締付力が強化され、強度アップが図れる。
【0041】
しかもパイプがアーチ状に屈曲する部位で断面が楕円状になった場合であってもパイプ抱持部がパイプに当接し、パイプに対する滑り止め部片のフリクションでジョイントがパイプに沿ってずれたり、落下するのが防止される
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るジョイントの斜視図である。
【図2】図1の分解斜視図である。
【図3】図1の平面図である。
【図4】図1の横断平面図である。
【図5】図1の縦断側面図である。
【図6】図1の縦断正面図である。
【図7】他の実施の形態に係るジョイントの斜視図である。
【図8】他の実施の形態に係るジョイントの部分斜視図である。
【図9】他の実施の形態に係るジョイントの部分斜視図である。
【図10】従来のジョイントの斜視図である。
【図11】図10の横断正面図である。
【符号の説明】
1 パイプ
2 蟻溝フレーム
5 挟持金具
6 楔
7,8 支持片
9,10 連結片
11 溝
12 楔挿入孔
13,13 フック
24,24a,24b,24c 滑り止め部片

Claims (4)

  1. 断面コ字状又はU字状の挟持金具と、挟持金具に装着される楔とからなり、挟持金具は相対向する一対の支持片と、各支持片の両端上部同士を結合する連結片と、各支持片の上部に下方に向けて形成した溝と、各支持片の胴部に相対向して形成した楔挿入孔と、各連結片の内側に上記溝方向に向けて突出させた一対のフックとを備え、各支持片間にパイプを挿入し、上記溝内にパイプと直交する蟻溝フレームを挿入し、楔挿入孔に楔を挿入させながらパイプとフックとで蟻溝フレームを挟持させるジョイントにおいて、各連結片の中間部を下方に向けて切り起してパイプに対向する滑り止め部片を形成し、各支持片の中間に溝方向に向けて起立する弯曲したパイプ抱持片を設けていることを特徴とするジョイント。
  2. 滑り止め部片が各連結片に中間部外端又は内端部位に切り起して形成されている請求項1のジョイント。
  3. 滑り止め部片が各連結片の中間部における水平面部を切り起して形成させている請求項1のジョイント。
  4. 断面コ字状又はU字状の挟持金具と、挟持金具に装着される楔とからなり、挟持金具は相対向する一対の支持片と、各支持片の両端上部同士を結合する連結片と、各支持片の上部に下方に向けて形成した溝と、各支持片の胴部に相対向して形成した楔挿入孔と、各連結片の内側に上記溝方向に向けて突出させた一対のフックとを備え、各支持片間にパイプを挿入し、上記溝内にパイプと直交する蟻溝フレームを挿入し、楔挿入孔に楔を挿入させながらパイプとフックとで蟻溝フレームを挟持させるジョイントにおいて、各連結片の中間部における水平面部を下方に折り曲げて断面ややコ字状又はU字状の滑り止め部片をパイプに対向して設け、各支持片の中間に溝方向に向けて起立する弯曲したパイプ抱持片を設けていることを特徴とするジョイント。
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