JP4125456B2 - コンバイン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は脱穀部で脱穀及び選別処理された穀物を穀物タンクに貯留すると共に、穀物タンク内の穀物を排出オーガによって外部に取出すコンバインに関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
従来、排出オーガの先端に設ける排出口は固定構造のため、排出位置を変更したい場合には機体の移動や、排出オーガの旋回及び上下動に頼るしか方法はない。そのため、排出口を前後方向に移動調節したい場合には排出オーガの上下動或いは機体の移動の2通りの方法が行われているが、排出オーガの上下動で動かす排出口の前後移動量は僅かであり、また機体を動かすにはその都度排出オーガの駆動を一時停止させる必要があるなどの作業の悪さがある。
【0003】
【課題を解決するための手段】
したがって本発明は、穀物タンク内の穀物を取出す排出オーガを穀物タンク上方に昇降且つ旋回自在に備えたコンバインにおいて、排出オーガの先端に排出口を回動自在に連結させ、排出オーガを機体外側の作業セット位置まで自動旋回させる時には、排出口も所定の作業セット位置まで自動回動させるように設けたコンバインであって、前記排出口は、排出オーガの先端下側に横方向の回動支点軸を介して回動自在に取付ける排出部材と、排出部材の先端外周に固定する排出筒とを備え、回動モータの駆動で回動支点軸を回動させるとき、回動支点軸と一体に排出部材及び排出筒もオーガ軸の軸芯方向となる前後方向に回動させるように構成し、前記排出部材は、排出オーガの先端開口部を臨ませる外周壁を前記回動支点軸を中心とした円弧部に形成すると共に、該円弧部より一定寸法外側で円弧部に沿う内周面を有する排出口カバーを排出オーガ外側に連結固定させて、排出オーガに近接して排出オーガと略平行に折畳む排出口の収納状態のとき、円弧部より開放される排出オーガの先端上方域を排出口カバーで覆うように構成して、排出口に塵埃や雨水などが侵入するのを防止するものである。
【0004】
また、排出オーガを機体内側の収納位置まで自動旋回時には、排出口も所定の収納位置まで自動回動させて、排出オーガ収納時における排出口のしまい忘れを防止すると共に、排出口をその都度収納操作する手間の煩わしさを解消させるものである。
【0005】
さらに、排出オーガの自動旋回作業中における排出オーガの最大上昇時に、排出口を自動回動させて、排出口の自動セット或いは収納作業中に排出口が機体やトラック荷台などに接触して損傷するなどの事故を防止して、排出口の良好なセット或いは収納作業を可能とさせるものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳述する。図1はコンバインの全体側面図、図2は同平面図であり、図中(1)は走行クローラ(2)を装設するトラックフレーム、(3)は前記トラックフレーム(1)に架設する機台、(4)はフィードチェン(5)を左側に張架し扱胴(6)及び処理胴(7)を内蔵している脱穀部、(8)は刈刃(9)及び穀稈搬送機構(10)などを備える刈取部、(11)は排藁チェン(12)終端を臨ませる排藁処理部、(13)は脱穀部(4)からの穀粒を揚穀筒(14)を介して搬入する穀物タンク、(15)は前記タンク(13)内の穀粒を機外に搬出する排出オーガ、(16)は運転操作部(17)及び運転席(18)を備える運転キャビン、(19)は運転キャビン(16)下方に設けるエンジンであり、連続的に穀稈を刈取って脱穀するように構成している。
【0007】
図3に示す如く、前記揚穀筒(14)の揚穀コンベア(20)下端を中継コンベア(21)を介し脱穀部(4)の1番コンベア(22)に連動連結させて、脱穀部(4)で脱穀された穀粒を揚穀コンベア(20)を介し穀物タンク(13)内に投入して貯留する一方、前記穀物タンク(13)底部に設ける前後方向の底部横送りオーガ(23)によって穀物タンク(13)内底部の穀粒を後部に横送りし縦送りオーガ(24)に受継いでタンク(13)上方位置まで搬送した後、上部排出オーガ(15)に受継いで先端の排出口(25)より機外に穀物を取出すように構成している。
【0008】
なお、(26)は各オーガ(15)(23)(24)の駆動及び駆動停止を行うオーガクラッチである。
【0009】
図4に示す如く、前記上部排出オーガは後部を中心として水平方向に旋回自在に設けるもので、前記排出オーガ(15)の後側基部を中心に前側先端部を昇降させる油圧昇降シリンダ(27)を設け、前記縦送りオーガ(24)上端部に排出オーガ(15)基部を水平軸芯回りに上下回動自在に連結させると共に、縦送りオーガ(24)の上半分を1対のギヤ(28)(29)を介し軸芯回りに回転させる電動旋回モータ(30)を設け、縦送りオーガ(24)の略垂直な軸芯回りに縦送りオーガ(24)上半分及び排出オーガ(15)を一体回転させるもので、前記昇降シリンダ(27)制御によって排出オーガ(15)先端の排出口(25)を昇降させると共に、前記旋回モータ(30)制御によって排出オーガ(15)先端の排出口(25)を左右に旋回させるように構成している。
【0010】
さらに、前記モータ(30)上面に固設するセンサブラケット(31)にポテンショメータ型オーガ位置センサ(32)を取付け、該センサ(32)の検出軸(33)を小径ギヤ(28)に取外し自在に連結させて、前記排出オーガ(15)の旋回位置(旋回角度)を位置センサ(32)で検出するように構成している。
【0011】
図5乃至図9に示す如く、前記排出口(25)は、排出オーガ(15)のオーガ筒(34)先端下側に横方向の回動支点軸(35)を介して回動自在に取付ける側面視略逆L形状の排出部材(36)と、排出部材(36)の先端外周にボルト(37)を介し取外し自在に固定する断面略4角形状で縦長の筒部である排出筒(38)とを備え、図9に示す如く排出筒(38)は1枚のゴム板を4角筒状に折曲げて両端の重合部をビス或いはリベットなど締結部材(39)によって固着させ、排出部材(36)先端の左右外側と排出筒(38)の左右内側との間に側面視U字形の左右1組のバネ鋼(丸棒、ピアノ線)製などの鋼線体(40)上端をボルト(37)を介し固定させ、鋼線体(40)の下端を排出筒(38)の下端に略一致させる長さに鋼線体(40)の上下長さを形成して、可撓性排出筒(38)の筒形状保持を図ると共に、トラック荷台などに排出筒(38)が当接した場合にも排出筒(38)が破損するなどの事故を防止するように構成している。
【0012】
前記オーガ筒(34)の先端外周上面に軸受部材(41)を取外し自在に固設させ、排出オーガ(15)のオーガ軸(15a)先端を軸受部材(41)に回転自在に支持させると共に、軸受部材(41)より基端側のオーガ筒(34)下部外側に回動ベース板(42)を固設させ、前記支点軸(35)を回転自在に支持する筒軸(43)をベース板(42)下面にボルト(44)を介し取外し自在に固定させている。
【0013】
また、回動駆動部材である排出口回動モータ(45)を取付けるモータ台(46)を前記ベース板(42)の左側面にボルト(47)を介し取外し自在に固定させると共に、モータ(45)のモータ軸(48)に取付ける小径ギヤ(49)を前記支点軸(35)の固定大径ギヤ(50)に結合させ、支点軸(35)の左右両端に固設する左右枢着板(51)を前記排出部材(36)の左右内側面にボルト(52)を介し取外し自在に固定させて、回動モータ(45)の駆動で支点軸(35)を回動させるとき支点軸(35)と一体に排出部材(36)及び排出筒(38)もオーガ軸(15a)の軸芯方向となる前後方向に回動させるように構成している。
【0014】
さらに、前記排出部材(36)は、オーガ筒(34)の先端開口部を臨ませる外周壁を前記支点軸(35)を中心とした円弧部(36a)に形成すると共に、該円弧部(36a)より一定寸法外側で円弧部(36a)に沿う内周面(53a)を有する排出口カバー(53)をオーガ筒(34)外側に連結固定させて、オーガ筒(34)に近接してオーガ筒(34)と略平行に折畳む排出口(25)の収納状態のとき、円弧部(36a)より開放されるオーガ筒(34)の先端上方域をカバー(53)で覆って、排出口(25)に塵埃や雨水などが侵入するのを防止するように構成している。
【0015】
また、前記支点軸(35)に連結するポテンショメータ型排出口位置センサ(54)をセンサブラケット(55)を介し排出口カバー(53)に取付けて、オーガ筒(34)と排出口(25)との相対角変化を検出するように構成している。
【0016】
さらに、前記排出口(25)を回動する回動機構である回動モータ(45)及びギヤ(49)(50)は、オーガ筒(34)と排出部材(36)及び排出口カバー(53)の左側板間に配設され、回動モータ(45)の長手方向をオーガ(15)の軸芯方向に一致させて、排出口カバー(53)の左側板で常にモータ(45)を覆って保護すると共に、ギヤ(49)(50)を側面視で排出部材(36)の左側板の外観線より常に内側に位置させて、ギヤ(49)(50)の露出を防止しギヤ(49)(50)を保護するように構成している。
【0017】
そして前記回動モータ(45)の駆動制御によって、図5に示す如く排出口(25)を回動角(θ)が0の水平収納状態より90゜〜180゜の最大回動角(θ1)の間の回動範囲で回動させて、排出口(25)の先端投口(25a)を常に水平より下方向に臨ませ、穀物のスムーズな排出を促進させるもので、また排出オーガ(15)の昇降でオーガ(15)が何れの傾斜角にあるときにも排出口(25)の投口(25a)を常に下方向に臨ませる制御も可能とさせて、穀物タンク(13)からの良好な穀物の取出しを行うように構成している。
【0018】
また図11に示す如く、排出口(25)の最大回動角(θ1)位置までの最大回動時には、オーガ筒(34)先端及び排出口(25)の基端穀物受部となる排出部材(36)先端側の後部受面(36b)より排出オーガ(15)のスパイラ(15b)先端をそれぞれ寸法(t1)(t2)(t1<t2)前方に突出させて、排出オーガ(15)によって送られる穀物がオーガ筒(34)内に堆積するのを解消させ、スムーズな排出を促進させて穀物の詰まり事故を防止すると共に、排出部材(36)との間の隙間などからの穀物洩れやオーガ筒(34)と排出部材(36)間の詰まりなども防止して穀物の良好な排出を促進させるように構成している。
【0019】
図9に示す如く、前記排出部材(36)の左外側面で支点軸(35)の近傍位置に遠隔操作装置である遠隔操作ボックス(56)を設けると共に、排出オーガ(15)を昇降及び旋回操作するクロス形オーガ操作レバー(57)と、前記オーガクラッチ(26)の入切を行うオーガクラッチ操作部材(58)と、機体外側の排出セット位置まで旋回した排出オーガ(15)を自動で元のオーガレスト(59)位置まで戻す自動収納操作部材であるオートリターンスイッチ(60)と、排出口(25)を排出セット位置或いは収納位置に回動操作する排出口回動操作部材(61)とを前記ボックス(56)に設けて、トラック荷台など運転席(18)より離れた排出作業位置でこれら操作レバー(57)・操作部材(58)(61)・スイッチ(60)を操作して排出オーガ(15)の旋回や排出口(25)の回動を行うように構成している。なお図10に示す如く、前記操作ボックス(56)を排出口(25)後位置の排出オーガ(15)のオーガ筒(34)の左外側面に直接的に設ける構成でも良く、この場合排出口(25)の回動位置に関係なく、常に排出オーガ(15)の一定位置で操作ボックス(56)の操作を行って、この操作性を向上させることができる。
【0020】
また図2、図12に示す如く、運転席(18)近傍のオーガ操作パネル(62)にも、前述同様のオーガ操作レバー(57)と、オーガクラッチ操作部材(58)と、オートリターンスイッチ(60)と、排出口回動操作部材(61)とを設けると共に、前記排出オーガ(15)を自動でオーガレスト(59)の収納位置から機体外側の排出セット位置まで旋回するオートセットスイッチ(63)と、この排出セット位置を任意に設定するポテンショメータ型のオートセット設定ボリウム(64)と、前記排出口(25)の排出セット位置を任意に設定するポテンショメータ型の排出口セットボリウム(65)とを設けて、運転席(18)で排出オーガ(15)の各種操作を行うように構成している。
【0021】
そして図12に示す如く、前記操作レバー(57)の昇降操作を検出するオーガ上昇及び下降スイッチ(66)(67)と、前記操作レバー(57)の旋回操作を検出するオーガ左及び右旋回スイッチ(68)(69)と、前記オーガクラッチ操作部材(58)の入切操作を検出するオーガクラッチ入及び切スイッチ(70)(71)と、オートリターンスイッチ(60)と、排出口回動操作部材(61)のセット及び収納操作を検出する排出口セット及び収納スイッチ(72)(73)と、オートセットスイッチ(63)と、オートセット設定ボリウム(64)と、排出口セットボリウム(65)と、オーガ位置センサ(32)と、排出口位置センサ(54)とをコントローラ(74)に接続させると共に、前記昇降シリンダ(27)を作動する電磁昇降バルブ(75)と、オーガ旋回モータ(30)と、前記オーガクラッチ(26)を入切駆動するオーガクラッチモータ(76)と、排出口回動モータ(45)とにコントローラ(74)を接続させて、排出オーガ(15)の自動及び手動による旋回や排出口(25)の自動及び手動による回動などを行うように構成している。
【0022】
図14に示す如く、上部排出オーガ(15)の旋回範囲を270゜に設定したもので、オーガレスト(59)の収納位置を旋回角度0゜とし、最大旋回位置である排出セット位置を旋回角度270゜とし、排出口(25)が機体上方に位置する排出不可能域と、左側及び後側及び右側の各排出域によって上部排出オーガ(15)の旋回範囲を形成すると共に、収納位置或いはセット位置に上部排出オーガ(18)が旋回移行するとき、高速旋回する定速動作域から減速動作域及び遅速動作域に移動して2段階に旋回速度が減速され、上部排出オーガ(15)の旋回慣性力を段階的に小さくして旋回動作を停止させるように構成している。
【0023】
さらに、図13のフローチャートに示す如く、オートリターンスイッチ(60)が操作されることにより、オーガ位置センサ(32)出力が収納位置ではないとき、昇降シリンダ(27)及び旋回モータ(30)を自動制御して前記オーガ(15)をオーガレスト(59)に支持させる収納動作を自動的に行わせ、この自動収納のとき並びに前記オーガ(18)が収納位置のときはオーガクラッチ(26)が入操作されても切動作されて切保持されると共に、前記の手動操作が行われていない場合でオートセットスイッチ(63)が操作されることにより、オートセット設定ボリウム(64)とオーガ位置センサ(32)の出力に差があり、オーガ位置センサ(32)出力がセット位置に到達していないとき、昇降シリンダ(27)及び旋回モータ(30)を自動制御し、オートセット設定ボリウム(64)のセット位置に前記オーガ(15)を移行させるセット動作を自動的に行わせ、また前記オーガ(15)がセット位置のとき、オーガクラッチ入切スイッチ(70)(71)によりオーガクラッチ(26)の入動作または切動作を行わせるもので、前記の自動収納動作及び自動セット動作時、前記オーガ(15)が収納位置或いはセット位置に対して所定以上離れているときは定速動作域として連続動作によって高速で旋回モータ(30)を作動させ、また前記オーガ(15)が収納位置或いはセット位置に接近したときは減速動作域及び遅速動作域としてパルス動作によって段階的に減速して旋回モータ(30)を作動させる。
【0024】
また、運転席(18)近傍の操作パネル(62)の操作レバー(57)で各スイッチ(66)〜(69)の手動操作が行われたとき、前記の自動収納及びセット動作が中止され、オーガ位置センサ(32)が収納位置或いはセット位置に到達していないとき、図14の定速及び減速及び遅速の各動作域の速度で旋回モータ(30)を作動させ、定速動作域において各スイッチ(68)(69)がオフになるまで連続動作によって高速で旋回モータ(30)を作動させる高速手動動作が行われると共に、前記オーガ(15)が収納位置のときはオーガクラッチ(26)が入操作されても切動作されて切保持される一方、前記高速手動動作が行われたとき或いはセット位置のとき、オーガクラッチ操作部材(58)によるオーガクラッチ入切スイッチ(70)(71)のオン・オフによりオーガクラッチ(29)の入動作または切動作が行われる。
【0025】
また、上部排出オーガ(18)先端の操作ボックス(56)の操作レバー(57)で各スイッチ(67)〜(69)の手動操作が行われた場合、オーガ位置センサ(32)が収納位置或いはセット位置に到達していないとき、操作パネル(62)側のスイッチ(66)〜(69)の逆操作によって制御が中止される以外は、図14の遅速動作域と同一のパルス動作によって旋回モータ(30)の低速手動動作が行われると共に、前記オーガ(15)が収納位置のときはオーガクラッチ(26)が入操作されても切動作されて切保持される一方、前記低速手動動作が行われたとき或いはセット位置のとき、オーガクラッチ入切スイッチ(70)(71)手動操作によりオーガクラッチ(26)の入動作または切動作が行われる。
【0026】
一方、オートセットスイッチ(63)或いはオートリターンスイッチ(60)が操作されていない状態で、排出口回動操作部材(61)によって排出口セット或いは収納スイッチ(72)(73)が手動操作されたときには、前記回動モータ(45)により排出口(25)を手動回動させて排出口(25)の手動セット或いは収納動作が行われ、またオートセットスイッチ(63)或いはオートリターンスイッチ(60)の操作によって排出オーガ(15)が最大角(最上昇位置)まで上昇して旋回するセット動作中にあっては、排出オーガ(15)が最大角まで上昇したとき、排出口設定ボリウム(65)のセット位置或いは収納位置に排出口(25)を移行させる自動セット或いは収納動作が行われて、排出オーガ(15)の自動セット或いは収納作業時には排出口(25)の自動セット或いは収納作業も一連に同時に行われる。また、前記排出口(25)の自動及び手動による収納時にもオーガクラッチ(26)の入動作中にあっては自動的に切動作されて、オーガクラッチ(26)は切保持されるものである。
【0027】
上記からも明らかなように、穀物タンク(13)内の穀物を取出す排出オーガ(15)を穀物タンク(13)上方に水平方向に旋回自在に備えたコンバインにおいて、排出オーガ(15)先端の軸芯方向に回動自在に排出口(25)を連結させることによって、従来の如く機体を動かすことなく排出口(25)の前後方向の回動によって、排出作業中は排出オーガ(15)を停止させることなく穀物を前後方向に均一に排出してトラック荷台やコンテナなどに対する良好な穀物の貯留が行えるもので、排出オーガ(15)の旋回及び昇降動作も併用させることにより広範囲に穀物を良好に排出可能とさせることができる。
【0028】
また、排出オーガ(15)のオーガ筒(34)先端下側に排出口(25)の回動支点軸(35)を配設したことによって、回動支点軸(35)を邪魔とさせることのない排出オーガ(15)及び排出口(25)による良好な穀物の排出が行えると共に、排出口(25)の収納時には排出オーガ(15)の下側に沿って2つ折り状態に排出口(25)をコンパクトに収納することができる。
【0029】
さらに、排出口(25)の回動支点軸(35)に回動モータ(45)を連結させて、該回動モータ(45)によって排出口(25)の回動を行うことによって、排出口(25)のセット位置或いは収納位置までの回動や位置調節をモータの駆動制御によって容易且つ正確に可能とさせると共に、排出オーガ(15)の昇降及び旋回にも簡単に連係させて排出オーガ(15)と排出口(25)の一連の自動セット或いは収納の制御を容易に可能とさせることができる。
【0030】
また、排出オーガ(15)先端の軸芯方向に筒状の排出口(25)を回動自在に連結させると共に、排出オーガ(15)の最大旋回時に排出オーガ(15)のオーガ筒(34)及び排出口(25)の基端穀物受面(36a)より排出オーガ(15)のスパイラ(15b)先端部を前方に突出させたことによって、排出オーガ(15)のスパイラ(15b)をオーガ筒(34)より前方に臨ませて、排出オーガ(15)によって送られる籾など穀物がオーガ筒(34)内に堆積するのを解消させ、スムーズな排出を促進させて詰まりを防止すると共に、排出口(25)との間の穀物洩れや詰まりなども防止して常に良好な穀物排出を行うことができるものである。
【0031】
また、排出口(25)の筒部(38)をゴム材で形成すると共に、ゴム製筒部(38)内側に線体(40)を配設したことによって、排出口(25)を容易に加工形成すると共に、穀物を投入するトラック荷台やコンテナなどへ排出口(25)先端を当接させた場合にも破損させるなどの不都合もなく、また作業者などに当接させた場合にも支障なく、常に線体(40)で排出口(25)を適正形状に保って穀物の良好な排出を行うことができる。
【0032】
また、排出オーガ(15)の先端に排出口(25)を回動自在に連結させると共に、排出口(25)の回動位置を検出する排出口位置センサ(54)を設けたことによって、排出口(25)を回動制御する回動モータ(45)と位置センサ(54)との組合せで、排出口(25)のセット位置までの自動セット及び収納位置までの自動収納が容易に可能となると共に、誤操作などで排出口(25)が所定以上に回動するような場合にも位置センサ(54)で迅速且つ確実に検出して、破損などの不具合を未然に防止することができる。
【0033】
さらに、排出口(25)の先端投口(25a)を常に水平より下方向に臨ませるように位置センサで回動量を規制することによって、下端投口(25a)を水平とさせる排出口(25)の収納位置より一定の作業回動範囲(θ1)内にあっては、投口(25a)を常に下方向に臨ませる状態とさせて、穀物のスムーズな排出を促進させることができる。
【0034】
またさらに、排出口(25)の回動収納時には排出オーガ(15)の駆動を自動停止させることによって、排出口(25)の収納時或いは収納中に穀物を排出する不都合を解消させて、穀物詰まりなどの事故を未然に防止することができる。
【0035】
また、排出オーガ(15)の先端に排出口(25)を回動自在に連結させ、排出オーガ(15)の旋回や排出口(25)の回動などの動作を行う遠隔操作装置(56)を、排出口(25)の回動支点近傍に一体的に設けたことによって、例えばトラック荷台上で作業者が穀物の溜まり具合を見ながら排出オーガ(15)の旋回及び昇降操作や排出口(25)の回動操作を行って穀物を均一且つ効率良好に排出させるもので、排出口(25)が何れの位置に回動しても充分に作業者の手が届いて操作装置(56)を適確に操作可能とさせることができる。
【0036】
さらに、排出オーガ(15)と排出口(25)とを一連にセット位置から収納位置に操作する操作部材(60)を操作装置(56)に設けたことによって、本機より離れた例えばトラック荷台上よりの排出オーガ(15)と排出口(25)の収納作業を容易且つ確実に行わせて、排出オーガ(15)及び排出口(25)の収納操作の簡略化と作業能率の向上化を図ることができる。
【0037】
また、排出オーガ(15)の先端に排出口(25)を回動自在に連結させ、排出オーガ(15)を機体外側のセット位置まで自動旋回時には、排出口(25)も所定のセット位置まで自動回動させることによって、排出オーガ(15)をセット位置とさせたときには排出口(25)も常にセット位置とさせて、排出口(25)のセットし忘れによる穀物詰まりを防止すると共に、排出口(25)をその都度セット操作する手間の煩わしさを解消させて、操作の簡略化と作業性の向上を図ることができる。
【0038】
さらに、排出オーガ(15)を機体内側の収納位置まで自動旋回時には、排出口(25)も所定の収納位置まで自動回動させることによって、排出オーガ(15)収納時における排出口(25)のしまい忘れを防止すると共に、排出口(25)をその都度収納操作する手間の煩わしさを解消させることができる。
【0039】
さらに、排出オーガ(15)の自動旋回作業中における排出オーガ(15)の最大上昇時に、排出口(25)を自動回動させることによって、排出口(25)の自動セット或いは収納作業中に排出口(25)が機体やトラック荷台などに接触して損傷するなどの事故を防止して、排出口(25)の良好なセット或いは収納作業を可能とさせることができる。
【0040】
図15乃至図18に示すものは、排出口回動モータ(45)を排出部材(36)の左右側板(36c)間で左右方向に水平長手状に配設したもので、前記オーガ筒(34)の下面に固設するベース板(42)に、排出部材(36)に連結固定する支点軸(35)を筒軸(43)を介し回動自在に取付けると共に、前記モータ(45)を下側に固設するモータ台(46)をベース板(42)下面にボルト(47)を介し取外し自在に固定させ、支点軸(35)の左端側に固設する大径のベベルギヤ(77)を前記モータ(45)のモータ軸(48)に取付ける小径のベベルギヤ(78)に結合させて、前実施例同様回動モータ(45)の駆動で支点軸(35)を回動させるとき、支点軸(35)と一体に排出口(25)も前後方向に回動させるように構成したものである。また、この構成の場合オーガ筒(34)下方でオーガ軸(15a)を中心として左右バランス良好に回動モータ(45)を配設してコンパクトな構造とすると共に、前実施例の如くオーガ筒(34)を中心とした左右一側下方で前後方向に水平長手状にモータ(45)を配設する構造に比べ、排出部材(36)の左右側板(36)間巾を縮めて、排出口(25)を左右巾の小さな小形軽量のものに形成できる。
【0041】
また図19に示すものは、排出オーガ(15)のオーガ筒(34)下面に連結固定する支点軸(35)と、支点軸(35)の一端側に固設する大径ギヤ(50)と、大径ギヤ(50)に結合させる小径ギヤ(49)をモータ軸(48)に備える回動モータ(45)と、前記支点軸(35)回りに回動自在に支持する回動モータ(45)のモータ台板(79)と、モータ台板(79)に連結固定させる排出口(25)とを備え、回動モータ(45)によって小径ギヤ(50)を回転させるとき、ギヤ(49)(50)の結合によって支点軸(35)を中心にモータ台板(79)を回動させ、このモータ台板(79)が回転するとき排出口(25)も一体的に前後方向に回動して、排出口(25)のセット或いは収納作業など行うように構成したものである。
【0042】
【発明の効果】
以上実施例から明らかなように本発明は、穀物タンク(13)内の穀物を取出す排出オーガ(15)を穀物タンク(13)上方に昇降且つ旋回自在に備えたコンバインにおいて、排出オーガ(15)の先端に排出口(25)を回動自在に連結させ、排出オーガ(15)を機体外側の作業セット位置まで自動旋回させる時には、排出口(25)も所定の作業セット位置まで自動回動させるように設けたコンバインであって、前記排出口(25)は、排出オーガ(15)の先端下側に横方向の回動支点軸(35)を介して回動自在に取付ける排出部材(36)と、排出部材(36)の先端外周に固定する排出筒(38)とを備え、排出口回動モータ(45)の駆動で回動支点軸(35)を回動させるとき、回動支点軸(35)と一体に排出部材(36)及び排出筒(38)もオーガ軸(15a)の軸芯方向となる前後方向に回動させるように構成し、前記排出部材(36)は、排出オーガ(15)の先端開口部を臨ませる外周壁を前記回動支点軸(35)を中心とした円弧部(36a)に形成すると共に、該円弧部(36a)より一定寸法外側で円弧部(36a)に沿う内周面を有する排出口カバー(53)を排出オーガ(15)外側に連結固定させて、排出オーガ(15)に近接して排出オーガ(15)と略平行に折畳む排出口(25)の収納状態のとき、円弧部(36a)より開放される排出オーガ(15)の先端上方域を排出口カバー(53)で覆うように構成したものであるから、排出オーガ(15)を作業セット位置とさせたときには排出口(25)も常に作業セット位置とさせて、排出口(25)のセットし忘れによる穀物詰まりを防止すると共に、排出口(25)をその都度セット操作する手間の煩わしさを解消させて、操作の簡略化と作業性の向上を図ることができ、さらには、排出口(25)に塵埃や雨水などが侵入するのを防止することができるものである。
【0043】
また、排出オーガ(15)を機体内側の収納位置まで自動旋回させる時には、排出口(25)も所定の収納位置まで自動回動させるものであるから、排出オーガ(15)収納時における排出口(25)のしまい忘れを防止すると共に、排出口(25)をその都度収納操作する手間の煩わしさを解消させることができるものである。
【0044】
さらに、排出オーガ(15)の自動旋回作業中における排出オーガ(15)の最大上昇時に、排出口(25)を自動回動させるものであるから、排出口(25)の自動セット或いは収納作業中に排出口(25)が機体やトラック荷台などに接触して損傷するなどの事故を防止して、排出口(25)の良好なセット或いは収納作業を可能とさせることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 コンバインの全体側面図。
【図2】 コンバインの全体平面図。
【図3】 穀物タンク部の平面説明図。
【図4】 縦送りオーガ部の説明図。
【図5】 排出口の側面説明図。
【図6】 排出口回動部の側面説明図。
【図7】 排出口回動部の正面説明図。
【図8】 排出口回動部の平面説明図。
【図9】 遠隔操作ボックス部の側面説明図。
【図10】 遠隔操作ボックス部の他の取付構造の説明図。
【図11】 排出口の最大角回動説明図。
【図12】 オーガ制御回路図。
【図13】 フローチャート。
【図14】 旋回位置センサ出力線図。
【図15】 オーガ旋回モータの他の設置構造における排出口側面説明図。
【図16】 オーガ旋回モータの他の設置構造における排出口側面説明図。
【図17】 オーガ旋回モータの他の設置構造における排出口正面説明図。
【図18】 オーガ旋回モータの他の設置構造における排出口平面説明図。
【図19】 排出口の他の回動説明図。
【符号の説明】
(13) 穀物タンク
(15) 排出オーガ
(25) 排出口
Claims (3)
- 穀物タンク内の穀物を取出す排出オーガを穀物タンク上方に昇降且つ旋回自在に備えたコンバインにおいて、排出オーガの先端に排出口を回動自在に連結させ、排出オーガを機体外側の作業セット位置まで自動旋回させる時には、排出口も所定の作業セット位置まで自動回動させるように設けたコンバインであって、
前記排出口は、排出オーガの先端下側に横方向の回動支点軸を介して回動自在に取付ける排出部材と、排出部材の先端外周に固定する排出筒とを備え、回動モータの駆動で回動支点軸を回動させるとき、回動支点軸と一体に排出部材及び排出筒もオーガ軸の軸芯方向となる前後方向に回動させるように構成し、
前記排出部材は、排出オーガの先端開口部を臨ませる外周壁を前記回動支点軸を中心とした円弧部に形成すると共に、該円弧部より一定寸法外側で円弧部に沿う内周面を有する排出口カバーを排出オーガ外側に連結固定させて、排出オーガに近接して排出オーガと略平行に折畳む排出口の収納状態のとき、円弧部より開放される排出オーガの先端上方域を排出口カバーで覆うように構成したことを特徴とするコンバイン。 - 排出オーガを機体内側の収納位置まで自動旋回させる時には、排出口も所定の収納位置まで自動回動させるように設けたことを特徴とする請求項1記載のコンバイン。
- 排出オーガの自動旋回作業中における排出オーガの最大上昇時に、排出口を自動回動させるように設けたことを特徴とする請求項1又は2記載のコンバイン。
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