JP3541374B2 - コンバイン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は穀稈を連続的に刈取って脱穀すると共に、脱穀部からの穀粒を穀粒タンクに取出すコンバインに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、特開平3−47015号公報に示す如く、穀粒タンクの穀粒を取出す排出オーガを設けると共に、前記排出オーガ出口側を方向転換させる旋回部材を設け、前記タンクの穀粒を排出オーガによってトラックの荷台またはコンテナなどに搬出する技術があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来技術は、本機側の運転操作部と排出オーガ側の両方で排出オーガの手動操作を行う場合、本機側の作業者と、排出オーガ側の補助作業者の夫々の操作が、一方の操作によってもう一方の操作が制限されることなく、行われるから、本機側または排出オーガ側の一方の操作により、もう一方が不利になるような排出オーガの制御が行われる不具合がある。また、前記旋回部材を自動的に作動させて排出オーガを本機の収納位置に旋回させる自動収納スイッチを本機側に設ける場合、作業者が運転席に戻る間に穀粒の排出を終了させ、排出オーガの収納と収穫作業の再開をスムーズに行えるが、穀粒の排出が終了する直前のとき、排出オーガから穀粒が少量ずつ排出されるから、穀粒の排出が終了したか否かを穀粒の排出位置から離れた運転席からでは作業者が誤認することがあり、穀粒が少量ずつ排出されているにも係わらず排出オーガが収納方向に移動して穀粒を飛散させる不具合がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
然るに、本発明は、穀粒タンクの穀粒を搬出する排出オーガを昇降及び旋回させて移動させる昇降部材及び旋回部材を設け、本機側のオーガ位置操作部材の手動操作によって排出オーガを移動させる一方、排出オーガ側のオーガ位置操作部材の手動操作によって排出オーガを移動させると共に、本機側のオーガ位置操作部材と、排出オーガ側のオーガ位置操作部材とが、逆操作のときは、排出オーガの移動制御を中止し、さらに本機側に設ける自動スイッチの操作により排出オーガを旋回させるとき、排出オーガの駆動用のオーガクラッチを自動的に切にするもので、排出オーガの移動操作を至便に行い得る。また排出オーガ側と本機側とで逆の操作を行うことによって排出オーガの移動を停止させ得、本機側の作業者と排出オーガ側の補助作業者とで排出作業を行うとき、例えば補助作業者の不適正な操作を本機側の作業者によって容易に阻止し得ると共に、本機側の作業者の不適正な操作により、排出オーガ側にいる補助作業者が、排出オーガに接触する等の不具合をなくし得る。また例えば穀粒タンクの穀粒をトラック荷台などに搬出させているとき、穀粒の排出が完了する前にトラック荷台から本機側に作業者が戻り、排出オーガを本機側に収納する操作と収穫作業を再開する操作をスムーズに行い得ると共に、排出オーガの自動収納操作によって排出オーガの穀粒搬出が停止され、排出オーガの自動収納に途中で穀粒が飛散する不具合をなくし得るものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳述する。図1は穀粒排出オーガの制御回路図、図2は全体側面図、図3は同平面図であり、図中(1)は左右に走行クローラ(2)(2)を装設するトラックフレーム、(3)は前記トラックフレーム(1)に固定支持する機台、(4)はフィードチェン(5)を左側に張架し扱胴(6)を内蔵してなる脱穀部、(7)は機台(3)前方に昇降可能に支持させて刈刃及び穀稈搬送機構などを備える刈取部、(8)は前記フィードチェン(5)終端に連結させる排藁チェン(9)の終端を臨ませる排藁カッター部、(10)はコンバインの各部を駆動するエンジン、(11)は揚穀筒(12)を臨ませて脱穀部(4)から取出す穀粒を貯留する穀粒タンク、(13)は運転席(14)及び運転操作部(15)を備える運転台であり、前記刈取部(7)で連続的に穀稈を刈取ると共に、この刈取穀稈を前記脱穀部(4)で脱穀処理するように構成している。
【0008】
図4に示す如く、前記穀粒タンク(11)は底部に穀粒横送りオーガ(16)を、また後部に前記横送りオーガ(16)からの穀粒を縦送りする縦排出オーガ(17)を、さらに上部に前記縦排出オーガ(17)からの穀粒を機外に取出す上部排出オーガ(18)を備え、縦軸である前記オーガ(17)のオーガ筒(19)を中心に該穀粒タンク(11)を外方に回動自在に設けるもので、前記横送りオーガ(16)と縦排出オーガ(17)との駆動伝達ケース(20)の下端軸部(21)を機台(3)に、また縦排出オーガ(17)のオーガ筒(19)中間を前記脱穀部(4)側方の支柱(22)に筒受部材(23)を介して回動自在に支持させ、穀粒タンク(11)の前部側を外方に開放可能に構成している。
【0009】
図5にも示す如く、前記上部排出オーガ(18)のオーガ筒(24)を前記縦排出オーガ(17)のオーガ筒(19)に上下方向に回動自在に連結支持させている。前記縦排出オーガ筒(19)の上端に軸受部材(25)と受継フランジ(26)及びサイドフレーム(27)を介して前記上部排出オーガ筒(24)の基端を上下回動自在に取付けるもので、前記軸受部材(25)に軸(28)を介し基端を支持する油圧昇降シリンダ(29)のピストンロッド(30)先端を軸(31)を介して受継フランジ(26)及びサイドフレーム(27)に連結させ、前記昇降シリンダ(29)のピストンロッド(30)伸縮操作により前記フランジ(26)を中心として上部排出オーガ筒(24)先端を上下回動させ、該オーガ筒(24)の投出口(32)を昇降させると共に、前記縦排出オーガ筒(19)に大径ギヤ(33)を一体形成し、脱穀部(4)外側に固定させる旋回部材である旋回モータ(34)の出力軸(35)に小径ギヤ(36)を設け、前記モータ(34)によって各ギヤ(33)(36)を介して縦排出オーガ筒(19)を回転させ、上部排出オーガ筒(24)を水平方向に旋回させて方向転換させる一方、電磁クラッチ型旋回ブレーキ(37)を前記モータ(34)に取付け、前記ブレーキ(37)によって出力軸(35)を制動して上部排出オーガ筒(24)の方向転換を阻止するように構成している。
【0010】
さらに、図6に示す如く、前記タンク(11)前側の横送りオーガ(16)前端側に入力プーリ(38)を取付け、エンジン(10)の駆動力を伝える駆動プーリ(39)にベルト(40)を介して入力プーリ(38)を連結させ、連動連結させている各オーガ(16)(17)(18)を入力プーリ(38)によって駆動してタンク(11)の穀粒を搬出すると共に、前記ベルト(40)のテンションローラで形成するオーガクラッチ(41)を設け、クラッチモータ(42)にオーガクラッチ(41)を連結させ、前記クラッチモータ(42)制御によるオーガクラッチ(41)の入切操作によって各オーガ(16)(17)(18)を駆動または停止させるように構成している。
【0011】
また、図4に示す如く、脱穀部(4)上側で機体の対角線方向に上部排出オーガ筒(24)を上向きVノッチ付きのオーガレスト(43)によって収納支持させると共に、上部排出オーガ(18)の旋回動作を規制するストッパ(44)(45)を縦排出オーガ筒(19)と支柱(22)に設け、上部排出オーガ(18)の旋回動作の機械的限界位置を前記ストッパ(44)(45)によって設定するように構成している。
【0012】
さらに、図1に示す如く、昇降シリンダ(29)及び旋回モータ(34)を自動制御して上部排出オーガ(18)をオーガレスト(43)位置に復帰させる自動収納スイッチ(46)と、昇降シリンダ(29)及び旋回モータ(34)を自動制御して上部排出オーガ(18)を穀粒排出位置に移動させる自動セットスイッチ(47)と、昇降シリンダ(29)を手動制御して上部排出オーガ筒(24)先端の投出口(32)を昇降させるオーガ上昇及び下降スイッチ(48)(49)と、旋回モータ(34)を手動制御して上部排出オーガ(18)を旋回させるオーガ左旋回及び右旋回スイッチ(50)(51)と、昇降シリンダ(29)または旋回モータ(34)の作動速度を手動操作によって変更させる速度切換スイッチ(52)と、昇降シリンダ(29)の上昇作動速度を手動操作によって変更させる上昇時間切換スイッチ(53)と、運転操作部(15)の走行変速レバー(54)が走行変速中立位置であることを検出する走行中立スイッチ(55)と、クラッチモータ(42)を手動制御してオーガクラッチ(41)を入切動作させるオーガクラッチ入及び切スイッチ(56)(57)を備え、マイクロコンピュータで形成する運転席コントローラ(58)に前記各スイッチ(46)〜(57)を接続させると共に、運転操作部(15)の左操作コラム(59)に前記コントローラ(58)を取付け、運転席(14)の作業者が各スイッチ(46)〜(57)操作を行うように構成している。
【0013】
また、自動収納スイッチ(46)オン操作を表示する自動収納ランプ(60)と、自動セットスイッチ(47)オン操作を表示する自動セットランプ(61)と、オーガクラッチ(41)入動作を表示するオーガクラッチランプ(62)を、前記コントローラ(58)に接続させると共に、上部排出オーガ(18)の旋回位置(旋回角度)を検出させるポテンショメータ型旋回位置センサ(63)と、上部排出オーガ(18)のセット位置(穀粒排出位置)を手動設定する位置調節ボリューム(64)と、昇降シリンダ(29)及び旋回モータ(34)の動作速度の基準パルス幅を機種などに応じて変更するパルス調節ボリューム(65)を、前記コントローラ(58)に接続させるもので、図5の如く、旋回モータ(34)の出力軸(35)上に前記旋回位置センサ(63)を取付けている。
【0014】
さらに、上昇及び下降回路(66)(67)を介して昇降シリンダ(29)を、左右旋回回路(68)(69)を介して旋回モータ(34)を、オーガクラッチ入切回路(70)(71)を介してクラッチモータ(42)を、また旋回ブレーキ(37)及び警報用ブザー(72)を、前記コントローラ(58)に接続させる。
【0015】
また、前記上部排出オーガ筒(24)先端の投出口(32)に取付ける手動操作部であるオーガ先端コントローラ(73)を備え、該コントローラ(73)を運転席コントローラ(58)に接続させると共に、運転席コントローラ(58)の手動操作用の各スイッチ(48)(49)(50)(51)(56)(57)と同一操作を行うオーガ上昇及び下降スイッチ(74)(75)、並びにオーガ左旋回及び右旋回スイッチ(76)(77)、並びにオーガクラッチ入及び切スイッチ(78)(79)を、オーガ先端コントローラ(73)に設けるもので、例えばトラック荷台またはコンテナ上側に投出口(32)を位置させているとき、該部で作業者によって各スイッチ(74)〜(79)操作を行い、トラック荷台またはコンテナの角隅部などに穀粒を投入させるように構成している。
【0016】
また、無線によって遠隔操作を行う遠隔コントローラ(80)を備え、該コントローラ(80)からの電波信号を受信入力させる受信回路(81)を運転席コントローラ(58)に接続させると共に、運転席コントローラ(58)の手動操作用の各スイッチ(48)(49)(50)(51)(56)(57)と同一操作を行うオーガ上昇及び下降スイッチ(82)(83)、並びにオーガ左旋回及び右旋回スイッチ(84)(85)、並びにオーガクラッチ入及び切スイッチ(86)(87)を、遠隔コントローラ(80)に設けるもので、例えば運転席(14)或いはトラック荷台またはコンテナから離れた場所に作業者が位置し、該遠隔部で作業者によって各スイッチ(82)〜(87)操作を行い、上部排出オーガ(18)の昇降及び左右旋回並びにオーガクラッチ(41)の入切を作業者の遠隔手動操作によって夫々行うように構成している。
【0017】
さらに、図7に示す如く、上部排出オーガ(18)の旋回範囲を270度に設定したもので、オーガレスト(43)の収納位置を旋回角度零度とし、最大旋回位置であるセット限界位置を旋回角度270度とし、投出口(32)が機体上方に位置する排出不可能域と、左側及び後側及び右側の各排出域によって上部排出オーガ(18)の旋回範囲を形成すると共に、収納位置またはセット限界位置に上部排出オーガ(18)が旋回移行するとき、高速旋回する定速動作域から減速動作域及び遅速動作域に移動して2段階に旋回速度が減速され、上部排出オーガ(18)の旋回慣性力を段階的に小さくして旋回動作を停止させるように構成している。
【0018】
さらに、図8のフローチャートに示す如く、旋回位置センサ(63)出力が図7のように設定された正常値であり、上部排出オーガ(18)先端の各スイッチ(75)〜(79)手動操作、操作コラム(59)の各スイッチ(48)〜(51)(56)(57)手動操作、リモートコントロール用の各スイッチ(82)〜(87)遠隔手動操作のいずれも行われていない場合、自動収納スイッチ(46)が操作されることにより、旋回位置センサ(63)出力が収納位置ではないとき、昇降シリンダ(29)及び旋回モータ(34)を自動制御して前記オーガ(18)をオーガレスト(43)に支持させる収納動作を自動的に行わせ、この自動収納のとき並びに前記オーガ(18)が収納位置のときはオーガクラッチ(41)が入操作されても切動作されて切保持されると共に、前記の手動操作が行われていない場合で自動セットスイッチ(47)が操作されることにより、位置調節ボリューム(64)と旋回位置センサ(63)の出力に差があり、旋回位置センサ(63)出力が収納位置またはセット限界位置に到達していないとき、昇降シリンダ(29)及び旋回モータ(34)を自動制御し、位置調節ボリューム(64)のセット位置に前記オーガ(18)を移行させるセット動作を自動的に行わせ、また前記オーガ(18)がセット位置またはセット限界位置のとき、オーガクラッチ入切スイッチ(56)(57)手動操作によりオーガクラッチ(41)の入動作または切動作を行わせるもので、前記の自動収納動作及び自動セット動作時、前記オーガ(18)が収納位置またはセット位置に対して所定以上離れているときは定速動作域として連続動作によって高速で旋回モータ(34)を作動させ、また前記オーガ(18)が収納位置またはセット位置に接近したときは減速動作域及び遅速動作域としてパルス動作によって段階的に減速して旋回モータ(34)を作動させるように構成している。なお、自動収納動作時に自動収納スイッチ(46)オン操作によって自動収納が中止されると共に、自動セット動作時に自動セットスイッチ(47)がオン操作されることによって自動セットが中止されるように構成している。
【0019】
上記から明らかなように、穀粒タンク(11)の穀粒を搬出する排出オーガ(18)を昇降及び旋回させて移動させる昇降部材である昇降シリンダ(29)及び旋回部材である旋回モータ(34)を設けると共に、本機側のオーガ位置操作部材であるスイッチ(48)(49)(50)(51)の手動操作によって排出オーガ(18)を移動させる一方、排出オーガ(18)側のオーガ位置操作部材であるスイッチ(74)(75)(76)(77)の手動操作によって排出オーガ(18)を移動させるコンバインにおいて、前記旋回モータ(34)を自動的に作動させて排出オーガ(18)を本機の収納位置に旋回させる自動収納スイッチ(46)を本機側に設け、自動収納スイッチ(46)の操作により排出オーガ(18)を旋回させるとき、排出オーガ(18)の駆動用のオーガクラッチ(41)を自動的に切にする。そして、例えば穀粒タンク(11)の穀粒をトラック荷台などに搬出させているとき、穀粒の排出が完了する前にトラック荷台から本機側に作業者が戻り、排出オーガ(18)を本機側に収納する操作と収穫作業を再開する操作をスムーズに行える共に、排出オーガ(18)の自動収納操作によって排出オーガ(18)の穀粒搬出が停止され、排出オーガ(18)の自動収納の途中で穀粒が飛散する不具合をなくす。
【0020】
さらに、穀粒タンク(11)の穀粒を取出す排出オーガ(18)を設け、前記排出オーガ(18)出口側を方向転換させる旋回部材である旋回モータ(34)を設けると共に、排出オーガ(18)の駆動停止または旋回などの手動操作を行う手動操作部であるオーガ先端コントローラ(73)を排出オーガ(18)の先端部に取付け、運転操作部(15)と排出オーガ(18)先端部の両方で排出オーガ(18)の手動操作を行うコンバインにおいて、排出オーガ(18)を穀粒排出位置にワンタッチ操作で自動的にセットする自動セットスイッチ(47)を設け、例えば収穫作業によって穀粒タンク(11)が満杯になって穀粒を排出する作業を行うとき、穀粒排出位置以外の場所に支持されている排出オーガ(18)が自動セットスイッチ(47)の操作だけで穀粒排出位置にセットされ、排出オーガ(18)セット操作の簡略化並びにセット制御構造の簡略化を行えると共に、自動セットスイッチ(47)の操作によって排出オーガ(18)が穀粒排出位置に旋回し始めることによって穀粒タンク(11)の穀粒排出場所に走行移動する運転を行え、収穫場所から穀粒排出場所に移動し乍ら排出オーガ(18)をセットし、排出オーガ(18)自動セット機能の向上などを行えるように構成している。
【0021】
また、操作コラム(59)の各スイッチ(48)〜(51)手動操作が行われたとき、前記の自動収納及びセット動作が中止され、旋回位置センサ(63)が収納位置またはセット位置に到達していないとき、図7の定速及び減速及び遅速の各動作域の速度で旋回モータ(34)を作動させ、定速動作域において各スイッチ(50)(51)がオフになるまで連続動作によって高速で旋回モータ(34)を作動させる高速手動動作が行われると共に、前記オーガ(18)が収納位置のときはオーガクラッチ(41)が入操作されても切動作されて切保持される一方、前記高速手動動作が行われたときまたはセット限界位置のとき、オーガクラッチ入切スイッチ(56)(57)手動操作によりオーガクラッチ(41)の入動作または切動作を行わせるように構成している。
【0022】
また、上部排出オーガ(18)先端の各スイッチ(75)〜(79)手動操作、またはリモートコントロール用の各スイッチ(82)〜(87)遠隔手動操作のいずれかが行われた場合、旋回位置センサ(63)が収納位置またはセット位置に到達していないとき、操作コラム(59)側のスイッチ(48)〜(51)逆操作によって制御が中止される以外は、図7の遅速動作域と同一のパルス動作によって旋回モータ(34)の低速手動動作が行われると共に、前記オーガ(18)が収納位置のときはオーガクラッチ(41)が入操作されても切動作されて切保持される一方、前記低速手動動作が行われたときまたはセット限界位置のとき、オーガクラッチ入切スイッチ(56)(57)手動操作によりオーガクラッチ(41)の入動作または切動作を行わせるように構成している。
【0023】
上記のように、穀粒タンク(11)の穀粒を搬出する排出オーガ(18)を昇降及び旋回させて移動させる昇降部材である昇降シリンダ(29)及び旋回部材である旋回モータ(34)を設けると共に、本機側のオーガ位置操作部材である上昇及び下降スイッチ(48)(49)と左旋回及び右旋回スイッチ(50)(51)の手動操作によって排出オーガ(18)を移動させる一方、排出オーガ(18)側のオーガ位置操作部材である上昇及び下降スイッチ(74)(75)と左旋回及び右旋回スイッチ(76)(77)の手動操作によって排出オーガ(18)を移動させるコンバインにおいて、排出オーガ(18)側と本機側とで逆の操作が行われたときに排出オーガ(18)制御が自動的に中止されるように構成する。そして、排出オーガ(18)側と本機側とで逆の操作を行うことによって排出オーガ(18)の移動を停止させ、本機側の作業者と排出オーガ(18)側の補助作業者とで排出作業を行うとき、例えば補助作業者の不適正な操作を本機側の作業者によって容易に阻止させると共に、本機側の作業者の不適正な操作により、排出オーガ(18)側にいる補助作業者が、排出オーガ(18)に接触する等の不具合をなく。なお、排出オーガ(18)を旋回移動時の逆方向の操作による停止は、補助作業者の保護に特に有利である。
【0024】
さらに、図1、図9から明らかなように、穀粒タンク(11)の穀粒を取出す上部排出オーガ(18)を設けると共に、前記排出オーガ(18)出口側を方向転換及び昇降させる旋回モータ(34)及び昇降シリンダ(29)を設けるコンバインにおいて、前記上部排出オーガ(18)を穀粒排出位置に自動的にセットする自動操作スイッチである自動セットスイッチ(47)と、前記上部排出オーガ(18)の昇降及び旋回を手動操作する手動スイッチである上昇及び下降スイッチ(48)(49)と左右旋回スイッチ(50)(51)を設けると共に、自動セットスイッチ(47)によって上部排出オーガ(18)を自動セットした後の手動用各スイッチ(48)(49)(50)(51)操作による上部排出オーガ(18)の昇降及び旋回を低速(パルス動作)で行わせる制御手段である運転席コントローラ(58)を設けるもので、オーガレスト(43)に支持されている上部排出オーガ(18)を穀粒排出位置に各スイッチ(48)〜(51)の手動操作によって移行させる場合、各スイッチ(48)〜(51)操作によって連続動作による高速運転で昇降シリンダ(29)及び旋回モータ(34)が作動制御されると共に、図9のフローチャートに示す如く、自動セットスイッチ(47)操作によって上部排出オーガ(18)が穀粒排出位置にセットされたとき、それ以後に各スイッチ(48)〜(51)の手動昇降及び旋回操作が行われると、図7の遅速動作域と同一のパルス動作によって低速で昇降シリンダ(29)及び旋回モータ(34)が作動制御され、昇降シリンダ(29)及び旋回モータ(34)の低速運転によって上部排出オーガ(18)先端の穀粒排出位置を微調整し、トラック荷台の前部乃至後部などに上部排出オーガ(18)の投出口(32)を移動させるように構成している。
【0025】
また、前記の上部排出オーガ(18)微調整によって穀粒を排出した後、自動収納スイッチ(46)操作によって上部排出オーガ(18)の自動収納動作が行われたとき、手動用の各スイッチ(48)〜(51)による昇降シリンダ(29)及び旋回モータ(34)の低速運転制御が解除され、各スイッチ(48)〜(51)による昇降シリンダ(29)及び旋回モータ(34)制御が通常の高速運転(連続動作)によって行われるように構成している。
【0026】
さらに、図10のフローチャートに示す如く、上部排出オーガ(18)が旋回角度零度の収納位置と旋回角度270度のセット限界位置の間を旋回移動するのに必要な時間よりも若干長い30秒を旋回モータ(34)の連続運転時間として設定し、旋回モータ(34)制御によって上部排出オーガ(18)の旋回を開始したとき、旋回モータ(34)の連続運転による連続旋回時間のカウントを開始させ、30秒経過するまで旋回モータ(34)動作が連続して続行されることにより、30秒経過後に旋回モータ(34)を自動的に停止させ、上部排出オーガ(18)の旋回支点部の故障または該オーガ(18)の衝突などによる旋回モータ(34)の過負荷運転を中止させ、作業者に警報し、旋回モータ(34)を保護して焼損などを防ぐと共に、自動セットスイッチ(47)操作などによって旋回モータ(34)を作動させたとき、連続旋回時間のカウント開始後で30秒経過するまでに位置調節ボリューム(64)が操作されると、連続旋回時間のカウントを停止させ、位置調節ボリューム(64)値が変化しなくなって一定時間経過し、位置調節ボリューム(64)が同一値を一定時間継続したとき、再び30秒の旋回時間のカウントを開始させるもので、上部排出オーガ(18)の旋回動作が自動セットスイッチ(47)操作によって30秒以上行われても、排出オーガ(18)支点部の故障などによって旋回モータ(34)が過負荷動作しているものではないから、30秒経過による旋回モータ(34)の誤停止及び誤警報となる制御動作を未然に防ぎ、旋回モータ(34)を保護する安全な構造でかつ旋回操作性の向上などを行えるように構成している。
【0027】
【発明の効果】
以上実施例から明らかなように本発明は、穀粒タンク(11)の穀粒を搬出する排出オーガ(18)を昇降及び旋回させて移動させる昇降部材(29)及び旋回部材(34)を設け、本機側のオーガ位置操作部材(48)(49)(50)(51)の手動操作によって排出オーガ(18)を移動させる一方、排出オーガ(18)側のオーガ位置操作部材(74)(75)(76)(77)の手動操作によって排出オーガ(18)を移動させると共に、本機側のオーガ位置操作部材(48)(49)(50)(51)と、排出オーガ(18)側のオーガ位置操作部材(74)(75)(76)(77)とが、逆操作のときは、排出オーガ(18)の移動制御を中止し、さらに本機側に設ける自動スイッチ(46)の操作により排出オーガ(18)を旋回させるとき、排出オーガ(18)の駆動用のオーガクラッチ(41)を自動的に切にするもので、排出オーガ(18)の移動操作を至便に行い得る。また排出オーガ(18)側と本機側とで逆の操作を行うことによって排出オーガ(18)の移動を停止させることができ、本機側の作業者と排出オーガ(18)側の補助作業者とで排出作業を行うとき、例えば補助作業者の不適正な操作を本機側の作業者によって容易に阻止できると共に、本機側の作業者の不適正な操作により、排出オーガ(18)側にいる補助作業者が、排出オーガ(18)に接触する等の不具合をなくすことができる。また例えば穀粒タンク(11)の穀粒をトラック荷台などに搬出させているとき、穀粒の排出が完了する前にトラック荷台から本機側に作業者が戻り、排出オーガ(18)を本機側に収納する操作と収穫作業を再開する操作をスムーズに行うことができると共に、排出オーガ(18)の自動収納操作によって排出オーガ(18)の穀粒搬出が停止され、排出オーガ(18)の自動収納の途中で穀粒が飛散する不具合をなくすことができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】穀粒排出オーガの制御回路図。
【図2】全体の側面図。
【図3】同平面図。
【図4】穀粒タンクの側面図。
【図5】穀粒排出オーガの部分説明図。
【図6】穀粒タンクの正面図。
【図7】旋回位置センサ出力線図。
【図8】排出オーガ制御のフローチャート。
【図9】動作切換制御のフローチャート。
【図10】オーガ旋回警報のフローチャート。
【符号の説明】
(11) 穀粒タンク
(18) 上部排出オーガ
(29) 昇降シリンダ(昇降部材)
(34) 旋回モータ(旋回部材)
(41) オーガクラッチ
(46) 自動収納スイッチ
(48) 上昇スイッチ(オーガ位置操作部材)
(49) 下降スイッチ(オーガ位置操作部材)
(50) 左旋回スイッチ(オーガ位置操作部材)
(51) 右旋回スイッチ(オーガ位置操作部材)
(74) 上昇スイッチ(オーガ位置操作部材)
(75) 下降スイッチ(オーガ位置操作部材)
(76) 左旋回スイッチ(オーガ位置操作部材)
(77) 右旋回スイッチ(オーガ位置操作部材)
Claims (1)
- 穀粒タンク(11)の穀粒を搬出する排出オーガ(18)を昇降及び旋回させて移動させる昇降部材(29)及び旋回部材(34)を設け、本機側のオーガ位置操作部材(48)(49)(50)(51)の手動操作によって排出オーガ(18)を移動させる一方、排出オーガ(18)側のオーガ位置操作部材(74)(75)(76)(77)の手動操作によって排出オーガ(18)を移動させると共に、本機側のオーガ位置操作部材(48)(49)(50)(51)と、排出オーガ(18)側のオーガ位置操作部材(74)(75)(76)(77)とが、逆操作のときは、排出オーガ(18)の移動制御を中止し、さらに本機側に設ける自動スイッチ(46)の操作により排出オーガ(18)を旋回させるとき、排出オーガ(18)の駆動用のオーガクラッチ(41)を自動的に切にすることを特徴とするコンバイン。
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- 2002-03-08 JP JP2002062873A patent/JP3541374B2/ja not_active Expired - Fee Related
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