JP3542037B2 - コンバイン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は穀稈を連続的に刈取って脱穀すると共に、脱穀部からの穀粒を穀粒タンクに取出すコンバインに関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
従来、実開昭63−2445号公報に示す如く、穀粒タンクの穀粒を取出す排出オーガを設けると共に、前記排出オーガ出口側を方向転換させる旋回モータを設け、前記タンクの穀粒を排出オーガによってトラックの荷台またはコンテナなどに搬出する技術がある。しかし乍ら、前記従来技術は、旋回モータによって排出オーガ出口側を旋回させて穀粒を排出するとき、排出オーガが例えば機体の傾斜または旋回の慣性によって旋回するのを旋回ブレーキによって防いでいたが、発進及び停止させる機体の走行によって排出オーガに旋回力が発生することにより、旋回ブレーキ等が損傷したり耐久性が低下する不具合があると共に、排出オーガを本機に収納するとき、収納位置で旋回ブレーキが入になるから、本機側支持体の収納位置と排出オーガを収納方向に旋回させたときの停止位置を一致させる調整などが面倒である等の不具合がある。
【0003】
【課題を解決するための手段】
然るに、本発明は、穀粒タンクの穀粒を取出す排出オーガを穀粒排出位置または本機収納位置に方向転換させる旋回部材を設けると共に、前記排出オーガの方向転換を阻止する旋回ブレーキを設けるコンバインにおいて、前記排出オーガの旋回位置がオーガレストの収納部以外に位置していて旋回操作を中止したときに旋回ブレーキを入にすると共に、穀粒排出部から排出オーガがオーガレスト上方に戻ったとき、旋回ブレーキを切動作させ、また排出オーガをオーガレストに支持させていて機体が走行状態にあるときに前記旋回ブレーキを切にする一方、前記排出オーガの方向転換及び中止操作によって旋回ブレーキを入切するもので、前記排出オーガの旋回位置がオーガレストの収納部以外に位置していて旋回操作を中止したときに旋回ブレーキを入にするから、圃場枕地で機体が傾いた状態で穀粒排出作業を行っても、排出オーガが自重で旋回するのを防止し、排出オーガを穀粒排出位置に支持し乍ら排出オーガを駆動または停止させて穀粒排出作業をスムーズに行い得ると共に、穀粒排出部から排出オーガがオーガレスト上方に戻ったとき、旋回ブレーキを切動作させるから、排出オーガを収納方向に旋回させたときの停止位置が本機側支持体の収納位置に対して不適正であっても、排出オーガの位置修正を容易に行い得、排出オーガを適正な支持位置に収納し得、また排出オーガをオーガレストに支持させていて機体が走行状態にあるときに前記旋回ブレーキを切にするから、機体の走行によって排出オーガの旋回力が発生しても旋回ブレーキが損傷したり耐久性が低下するのを防止し得、しかも前記排出オーガの方向転換及び中止操作によって旋回ブレーキを入切するから、排出オーガの駆動または停止に関係なく排出オーガを旋回または停止維持させて穀粒排出作業性の向上などを図り得るものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳述する。図1は穀粒排出オーガの制御回路図、図2は全体側面図、図3は同平面図であり、図中(1)は左右に走行クローラ(2)(2)を装設するトラックフレーム、(3)は前記トラックフレーム(1)に固定支持する機台、(4)はフィードチェン(5)を左側に張架し扱胴(6)を内蔵してなる脱穀部、(7)は機台(3)前方に昇降可能に支持させて刈刃及び穀稈搬送機構などを備える刈取部、(8)は前記フィードチェン(5)終端に連結させる排藁チェン(9)の終端を臨ませる排藁カッター部、(10)はコンバインの各部を駆動するエンジン、(11)は揚穀筒(12)を臨ませて脱穀部(4)から取出す穀粒を貯留する穀粒タンク、(13)は運転席(14)及び運転操作部(15)を備える運転台であり、前記刈取部(7)で連続的に穀稈を刈取ると共に、この刈取穀稈を前記脱穀部(4)で脱穀処理するように構成している。
【0007】
図4に示す如く、前記穀粒タンク(11)は底部に穀粒横送りオーガ(16)を、また後部に前記横送りオーガ(16)からの穀粒を縦送りする縦排出オーガ(17)を、さらに上部に前記縦排出オーガ(17)からの穀粒を機外に取出す上部排出オーガ(18)を備え、縦軸である前記オーガ(17)のオーガ筒(19)を中心に該穀粒タンク(11)を外方に回動自在に設けるもので、前記横送りオーガ(16)と縦排出オーガ(17)との駆動伝達ケース(20)の下端軸部(21)を機台(3)に、また縦排出オーガ(17)のオーガ筒(19)中間を前記脱穀部(4)側方の支柱(22)に筒受部材(23)を介して回動自在に支持させ、穀粒タンク(11)の前部側を外方に開放可能に構成している。
【0008】
図5にも示す如く、前記上部排出オーガ(18)のオーガ筒(24)を前記縦排出オーガ(17)のオーガ筒(19)に上下方向に回動自在に連結支持させている。前記縦排出オーガ筒(19)の上端に軸受部材(25)と受継フランジ(26)及びサイドフレーム(27)を介して前記上部排出オーガ筒(24)の基端を上下回動自在に取付けるもので、前記軸受部材(25)に軸(28)を介し基端を支持する油圧昇降シリンダ(29)のピストンロッド(30)先端を軸(31)を介して受継フランジ(26)及びサイドフレーム(27)に連結させ、前記昇降シリンダ(29)のピストンロッド(30)伸縮操作により前記フランジ(26)を中心として上部排出オーガ筒(24)先端を上下回動させ、該オーガ筒(24)の投出口(32)を昇降させると共に、前記縦排出オーガ筒(19)に大径ギヤ(33)を一体形成し、脱穀部(4)外側に固定させる旋回部材である旋回モータ(34)の出力軸(35)に小径ギヤ(36)を設け、前記モータ(34)によって各ギヤ(33)(36)を介して縦排出オーガ筒(19)を回転させ、上部排出オーガ筒(24)を水平方向に旋回させて方向転換させる一方、電磁クラッチ型旋回ブレーキ(37)を前記モータ(34)に取付け、前記ブレーキ(37)によって出力軸(35)を制動して上部排出オーガ筒(24)の方向転換を阻止するように構成している。
【0009】
さらに、図6に示す如く、前記タンク(11)前側の横送りオーガ(16)前端側に入力プーリ(38)を取付け、エンジン(10)の駆動力を伝える駆動プーリ(39)にベルト(40)を介して入力プーリ(38)を連結させ、連動連結させている各オーガ(16)(17)(18)を入力プーリ(38)によって駆動してタンク(11)の穀粒を搬出すると共に、前記ベルト(40)のテンションローラで形成するオーガクラッチ(41)を設け、クラッチモータ(42)にオーガクラッチ(41)を連結させ、前記クラッチモータ(42)制御によるオーガクラッチ(41)の入切操作によって各オーガ(16)(17)(18)を駆動または停止させるように構成している。
【0010】
また、図4に示す如く、脱穀部(4)上側で機体の対角線方向に上部排出オーガ筒(24)を上向きVノッチ付きのオーガレスト(43)によって収納支持させると共に、上部排出オーガ(18)の旋回動作を規制するストッパ(44)(45)を縦排出オーガ筒(19)と支柱(22)に設け、上部排出オーガ(18)の旋回動作の機械的限界位置を前記ストッパ(44)(45)によって設定するように構成している。
【0011】
さらに、図1に示す如く、昇降シリンダ(29)及び旋回モータ(34)を自動制御して上部排出オーガ(18)をオーガレスト(43)位置に復帰させる自動収納スイッチ(46)と、昇降シリンダ(29)及び旋回モータ(34)を自動制御して上部排出オーガ(18)を穀粒排出位置に移動させる自動セットスイッチ(47)と、昇降シリンダ(29)を手動制御して上部排出オーガ筒(24)先端の投出口(32)を昇降させるオーガ上昇及び下降スイッチ(48)(49)と、旋回モータ(34)を手動制御して上部排出オーガ(18)を旋回させるオーガ左旋回及び右旋回スイッチ(50)(51)と、昇降シリンダ(29)または旋回モータ(34)の作動速度を手動操作によって変更させる速度切換スイッチ(52)と、昇降シリンダ(29)の上昇作動速度を手動操作によって変更させる上昇時間切換スイッチ(53)と、運転操作部(15)の走行変速レバー(54)が走行変速中立位置であることを検出する走行中立スイッチ(55)と、クラッチモータ(42)を手動制御してオーガクラッチ(41)を入切動作させるオーガクラッチ入及び切スイッチ(56)(57)を備え、マイクロコンピュータで形成する運転席コントローラ(58)に前記各スイッチ(46)〜(57)を接続させると共に、運転操作部(15)の左操作コラム(59)に前記コントローラ(58)を取付け、運転席(14)の作業者が各スイッチ(46)〜(57)操作を行うように構成している。
【0012】
また、自動収納スイッチ(46)オン操作を表示する自動収納ランプ(60)と、自動セットスイッチ(47)オン操作を表示する自動セットランプ(61)と、オーガクラッチ(41)入動作を表示するオーガクラッチランプ(62)を、前記コントローラ(58)に接続させると共に、上部排出オーガ(18)の旋回位置(旋回角度)を検出させるポテンショメータ型旋回位置センサ(63)と、上部排出オーガ(18)のセット位置(穀粒排出位置)を手動設定する位置調節ボリューム(64)と、昇降シリンダ(29)及び旋回モータ(34)の動作速度の基準パルス幅を機種などに応じて変更するパルス調節ボリューム(65)を、前記コントローラ(58)に接続させるもので、図5の如く、旋回モータ(34)の出力軸(35)上に前記旋回位置センサ(63)を取付けている。
【0013】
さらに、上昇及び下降回路(66)(67)を介して昇降シリンダ(29)を、左右旋回回路(68)(69)を介して旋回モータ(34)を、オーガクラッチ入切回路(70)(71)を介してクラッチモータ(42)を、また旋回ブレーキ(37)及び警報用ブザー(72)を、前記コントローラ(58)に接続させる。
【0014】
また、前記上部排出オーガ筒(24)先端の投出口(32)に取付ける手動操作部であるオーガ先端コントローラ(73)を備え、該コントローラ(73)を運転席コントローラ(58)に接続させると共に、運転席コントローラ(58)の手動操作用の各スイッチ(48)(49)(50)(51)(56)(57)と同一操作を行うオーガ上昇及び下降スイッチ(74)(75)、並びにオーガ左旋回及び右旋回スイッチ(76)(77)、並びにオーガクラッチ入及び切スイッチ(78)(79)を、オーガ先端コントローラ(73)に設けるもので、例えばトラック荷台またはコンテナ上側に投出口(32)を位置させているとき、該部で作業者によって各スイッチ(74)〜(79)操作を行い、トラック荷台またはコンテナの角隅部などに穀粒を投入させるように構成している。
【0015】
また、無線によって遠隔操作を行う遠隔コントローラ(80)を備え、該コントローラ(80)からの電波信号を受信入力させる受信回路(81)を運転席コントローラ(58)に接続させると共に、運転席コントローラ(58)の手動操作用の各スイッチ(48)(49)(50)(51)(56)(57)と同一操作を行うオーガ上昇及び下降スイッチ(82)(83)、並びにオーガ左旋回及び右旋回スイッチ(84)(85)、並びにオーガクラッチ入及び切スイッチ(86)(87)を、遠隔コントローラ(80)に設けるもので、例えば運転席(14)或いはトラック荷台またはコンテナから離れた場所に作業者が位置し、該遠隔部で作業者によって各スイッチ(82)〜(87)操作を行い、上部排出オーガ(18)の昇降及び左右旋回並びにオーガクラッチ(41)の入切を作業者の遠隔手動操作によって夫々行うように構成している。
【0016】
さらに、図7に示す如く、上部排出オーガ(18)の旋回範囲を270度に設定したもので、オーガレスト(43)の収納位置を旋回角度零度とし、最大旋回位置であるセット限界位置を旋回角度270度とし、投出口(32)が機体上方に位置する排出不可能域と、左側及び後側及び右側の各排出域によって上部排出オーガ(18)の旋回範囲を形成すると共に、収納位置またはセット限界位置に上部排出オーガ(18)が旋回移行するとき、高速旋回する定速動作域から減速動作域及び遅速動作域に移動して2段階に旋回速度が減速され、上部排出オーガ(18)の旋回慣性力を段階的に小さくして旋回動作を停止させるように構成している。
【0017】
さらに、図8のフローチャートに示す如く、旋回位置センサ(63)出力が図7のように設定された正常値であり、上部排出オーガ(18)先端の各スイッチ(75)〜(79)手動操作、操作コラム(59)の各スイッチ(48)〜(51)(56)(57)手動操作、リモートコントロール用の各スイッチ(82)〜(87)遠隔手動操作のいずれも行われていない場合、自動収納スイッチ(46)が操作されることにより、旋回位置センサ(63)出力が収納位置ではないとき、昇降シリンダ(29)及び旋回モータ(34)を自動制御して前記オーガ(18)をオーガレスト(43)に支持させる収納動作を自動的に行わせ、この自動収納のとき並びに前記オーガ(18)が収納位置のときはオーガクラッチ(41)が入操作されても切動作されて切保持されると共に、前記の手動操作が行われていない場合で自動セットスイッチ(47)が操作されることにより、位置調節ボリューム(64)と旋回位置センサ(63)の出力に差があり、旋回位置センサ(63)出力が収納位置またはセット限界位置に到達していないとき、昇降シリンダ(29)及び旋回モータ(34)を自動制御し、位置調節ボリューム(64)のセット位置に前記オーガ(18)を移行させるセット動作を自動的に行わせ、また前記オーガ(18)がセット位置またはセット限界位置のとき、オーガクラッチ入切スイッチ(56)(57)手動操作によりオーガクラッチ(41)の入動作または切動作を行わせるもので、前記の自動収納動作及び自動セット動作時、前記オーガ(18)が収納位置またはセット位置に対して所定以上離れているときは定速動作域として連続動作によって高速で旋回モータ(34)を作動させ、また前記オーガ(18)が収納位置またはセット位置に接近したときは減速動作域及び遅速動作域としてパルス動作によって段階的に減速して旋回モータ(34)を作動させるように構成している。なお、自動収納動作時に自動収納スイッチ(46)オン操作によって自動収納が中止されると共に、自動セット動作時に自動セットスイッチ(47)がオン操作されることによって自動セットが中止されるように構成している。
【0018】
また、操作コラム(59)の各スイッチ(48)〜(51)手動操作が行われたとき、前記の自動収納及びセット動作が中止され、旋回位置センサ(63)が収納位置またはセット位置に到達していないとき、図7の定速及び減速及び遅速の各動作域の速度で旋回モータ(34)を作動させ、定速動作域において各スイッチ(50)(51)がオフになるまで連続動作によって高速で旋回モータ(34)を作動させる高速手動動作が行われると共に、前記オーガ(18)が収納位置のときはオーガクラッチ(41)が入操作されても切動作されて切保持される一方、前記高速手動動作が行われたときまたはセット限界位置のとき、オーガクラッチ入切スイッチ(56)(57)手動操作によりオーガクラッチ(41)の入動作または切動作を行わせるように構成している。
【0019】
また、上部排出オーガ(18)先端の各スイッチ(75)〜(79)手動操作、またはリモートコントロール用の各スイッチ(82)〜(87)遠隔手動操作のいずれかが行われた場合、旋回位置センサ(63)が収納位置またはセット位置に到達していないとき、操作コラム(59)側のスイッチ(48)〜(51)逆操作によって制御が中止される以外は、図7の遅速動作域と同一のパルス動作によって旋回モータ(34)の低速手動動作が行われると共に、前記オーガ(18)が収納位置のときはオーガクラッチ(41)が入操作されても切動作されて切保持される一方、前記低速手動動作が行われたときまたはセット限界位置のとき、オーガクラッチ入切スイッチ(56)(57)手動操作によりオーガクラッチ(41)の入動作または切動作を行わせるように構成している。
【0020】
さらに、図1、図9、図10に示す如く、穀粒タンク(11)の穀粒を取出す上部排出オーガ(18)を設けると共に、前記上部排出オーガ(18)出口側を方向転換させる旋回モータ(34)を設けるコンバインにおいて、前記旋回モータ(34)が停止しているときに上部排出オーガ(18)の旋回を制動する旋回ブレーキ(37)を設けると共に、前記上部排出オーガ(18)が収納位置のオーガレスト(43)上に位置しているときに前記旋回ブレーキ(37)の制動を解除させる制御手段である運転席コントローラ(58)を設けるもので、図10に示す如く、各スイッチ(46)(47)(50)(51)操作によって旋回モータ(34)がオン作動しているとき、旋回ブレーキ(37)を切動作させて上部排出オーガ(18)を左右に旋回させると共に、旋回モータ(34)が停止することによって旋回ブレーキ(37)が入動作し、穀粒排出位置などに上部排出オーガ(18)を固定配置させるように構成している。
【0021】
また、旋回モータ(34)の停止によって旋回ブレーキ(37)が入動作している場合、走行変速レバー(54)が中立位置以外に位置して走行中立スイッチ(55)がオンになることにより、旋回ブレーキ(37)を切動作し、機体の走行発進時または停止時に発生する慣性力によって上部排出オーガ(18)を旋回させ、前記慣性力による排出オーガ(18)旋回動作によって旋回ブレーキ(37)などが破損するのを防ぐと共に、上部排出オーガ(18)が収納位置のオーガレスト(43)上方に位置しているとき、即ち、図9の収納位置の不感帯幅内で上方に上部排出オーガ(18)が到達したとき、旋回ブレーキ(37)を切動作させることにより、昇降シリンダ(29)の下降動作によって上部排出オーガ(18)がオーガレスト(43)の上向きVノッチに案内されて適正支持位置に収納保持されるもので、例えば収納位置の不感帯一側に片寄って上部排出オーガ(18)が停止しても、上部排出オーガ(18)を下降させるだけでオーガレスト(43)の案内によって略中央位置に適正姿勢で上部排出オーガ(18)が収納されるように構成している。このように、穀粒タンク(11)の穀粒を取出す排出オーガ(18)を方向転換させる旋回部材である旋回モータ(34)と、排出オーガ(18)の方向転換を阻止する旋回ブレーキ(37)を設けるコンバインの穀粒排出装置において、排出オーガ(18)が本機に収納可能になった状態で旋回ブレーキ(37)を非制動にするもので、排出オーガ(18)の制動によって旋回モータ(34)の過負荷を防止し、排出オーガ(18)の非制動によってオーガレスト(43)などの格納位置に排出オーガ(18)を容易に収納し、排出オーガ(18)の方向転換制御の簡略化並びに旋回モータ(34)の耐久性向上などを図る。
【0022】
上記から明らかなように、穀粒タンク(11)の穀粒を取出す排出オーガ(18)を方向転換させる旋回部材である旋回モータ(34)と、排出オーガ(18)の方向転換を阻止する旋回ブレーキ(37)を設けるコンバインにおいて、排出オーガ(18)の駆動力を継断させる操作に関係なく旋回ブレーキ(37)を制動または解除動作させ、旋回モータ(34)の操作によって旋回ブレーキ(37)を制動または解除の状態に自動的に切換え、排出オーガ(18)の駆動または停止に関係なく排出オーガ(18)を旋回または停止維持させ、従来不具合を解消して穀粒排出作業性の向上などを図ると共に、排出オーガ(18)が本機収納位置以外に移動しているときに旋回ブレーキ(37)がオンになるから、圃場枕地で機体が傾いた状態で穀粒排出作業を行っても、排出オーガ(18)が自重で旋回するのを防止し、排出オーガ(18)を穀粒排出位置に支持し乍ら排出オーガ(18)を駆動または停止させて穀粒排出作業をスムーズに行える。
【0023】
また、排出オーガ(18)が本機収納位置に移動しているときに旋回ブレーキ(37)がオフになるから、排出オーガ(18)を略収納位置上方から下降させるだけで本機収納部と排出オーガ(18)の位置ずれが補正され、排出オーガ(18)をスムーズに収納できると共に、走行時の機体振動などによって収納状態の排出オーガ(18)に揺振力が付加されても、旋回ブレーキ(37)のオフ維持によって旋回ブレーキ(37)が摩耗損傷するのを防止できると共に、排出オーガ(18)を本機収納位置のオーガレスト(43)に支持させて走行移動しているときに旋回ブレーキ(37)がオフになるから、、走行時の機体振動などによって収納状態の排出オーガ(18)に揺振力が付加されても、旋回ブレーキ(37)のオフ維持によって旋回ブレーキ(37)が摩耗損傷するのを防止し、旋回ブレーキ(37)の耐久性向上などを図れる。また、穀粒タンク(11)の穀粒を取出す排出オーガ(18)を方向転換させると共に、前記排出オーガ(18)の方向転換を阻止する旋回ブレーキ(37)を設けるコンバインにおいて、機体が走行状態にあるときに前記旋回ブレーキ(37)を切にする制御と、前記排出オーガ(18)の旋回位置が本機側支持体であるオーガレスト(43)の収納部に位置するときに旋回ブレーキ(37)を切にする制御とを、自動的に行わせる。そして、機体の走行によって排出オーガ(18)の旋回力が発生しても旋回ブレーキ(37)が損傷したり耐久性が低下するのを防ぐと共に、排出オーガ(18)を収納方向に旋回させたときの停止位置が本機側支持体の収納位置に対して不適正であっても、排出オーガ(18)の位置修正を容易に行え、排出オーガ(18)を適正な支持位置に収納させる。
【0024】
さらに、図11のフローチャートに示す如く、自動セットスイッチ(47)操作によって旋回モータ(34)をオン作動させることにより、位置調節ボリューム(64)のセット位置に対して上部排出オーガ(18)が所定以上離れているとき、図7の定速動作域と同一の連続動作によって旋回モータ(34)を高速旋回動作させると共に、上部排出オーガ(18)がセット位置に近づくことにより、図7の減速動作域と同一のパルス動作によって旋回モータ(34)を減速旋回動作させ、さらに上部排出オーガ(18)がセット位置に接近することにより、図7の遅速動作域と同一のパルス動作によって旋回モータ(34)を遅速旋回動作させ、上部排出オーガ(18)がセット位置に到達することによって旋回モータ(34)を停止させるもので、上部排出オーガ(18)位置とセット位置の差に比例させて複数段階に旋回速度を変化させ、上部排出オーガ(18)の動慣性力を段階的に低減させるから、セット位置から離れた位置での上部排出オーガ(18)旋回速度と、セット位置到達直前の上部排出オーガ(18)旋回速度の差を大きく形成し、上部排出オーガ(18)の旋回動作を機敏に行わせ、かつセット位置に上部排出オーガ(18)を正確に停止させ、上部排出オーガ(18)のオーバーラン防止などを容易に行え、図7の収納位置及びセット限界位置を検出するリミットスイッチが不要になるように構成している。
【0025】
さらに、図12のフローチャートに示す如く、オーガクラッチ入スイッチ(56)によってオーガクラッチ(41)を入操作した場合、上部排出オーガ(18)の投出口(32)が機体上方に位置する図7の排出不可能域に上部排出オーガ(18)が旋回位置しているとき、クラッチモータ(42)の自動制御によってオーガクラッチ(41)を自動的に切動作し、オーガクラッチ(41)を切保持して誤操作による穀粒排出を防ぐと共に、上部排出オーガ(18)の旋回位置が図7の左側及び後側及び右側の排出域であるとき、クラッチ入スイッチ(56)の入操作によってオーガクラッチ(41)が入動作し、各オーガ(16)(17)(18)を駆動して穀粒排出作業を行い、このときに自動収納スイッチ(46)がオン操作されると、オーガクラッチ(41)が自動的に切動作し、オーガクラッチ(41)が切れたときに自動収納動作が行われ、上部排出オーガ(18)がオーガレスト(43)支持位置に自動的に移動するように構成している。
【0026】
さらに、図9、図13に示す如く、ポテンショメータ型旋回位置センサ(63)、位置調節ボリューム(64)、パルス調節ボリューム(65)の断線チェックを自動的に行うもので、前記センサ(63)及び各ボリューム(64)(65)の電圧を入力させ、通常なりえない電圧または制御上オフセットしている電圧、例えば図9のストッパ(44)(45)による機械的限界位置以下の電圧のとき、断線と判断し、自動収納及びセットランプ(60)(61)を点滅させて警告し、自動収納または自動セットの自動制御での上部排出オーガ(18)の旋回動作を自動的に中止させるように構成している。
【0027】
そして、パルス調節ボリューム(65)の出力電圧が異常のとき、ダミー値(前記ボリューム(65)の最大電圧の約30パーセントの電圧値)により、左右旋回スイッチ(50)(51)操作による手動での上部排出オーガ(18)旋回動作を行わせると共に、前記断線が解除されたとき、運転席コントローラ(58)の電源スイッチ(図示省略)をオンの状態からオフにし、再びオンにすることにより、前記断線制御状態がリセットされ、正常制御動作が行われるように構成している。
【0028】
また、旋回位置センサ(63)または位置調節ボリューム(64)の出力電圧が異常のとき、左右旋回スイッチ(50)(51)操作による手動での上部排出オーガ(18)旋回動作を行わせると共に、前記断線が解除されたとき、前記断線制御状態が直ちにリセットされ、自動収納及びセットランプ(60)(61)を消灯させ、正常制御動作が行われるように構成している。
【0029】
【発明の効果】
以上実施例から明らかなように本発明は、穀粒タンク(11)の穀粒を取出す排出オーガ(18)を穀粒排出位置または本機収納位置に方向転換させる旋回部材(34)を設けると共に、前記排出オーガ(18)の方向転換を阻止する旋回ブレーキ(37)を設けるコンバインにおいて、前記排出オーガ(18)の旋回位置がオーガレスト(43)の収納部以外に位置していて旋回操作を中止したときに旋回ブレーキ(37)を入にすると共に、穀粒排出部から排出オーガ(18)がオーガレスト(43)上方に戻ったとき、旋回ブレーキ(37)を切動作させ、また排出オーガ(18)をオーガレスト(43)に支持させていて機体が走行状態にあるときに前記旋回ブレーキ(37)を切にする一方、前記排出オーガ(18)の方向転換及び中止操作によって旋回ブレーキ(37)を入切するもので、前記排出オーガ(18)の旋回位置がオーガレスト(43)の収納部以外に位置していて旋回操作を中止したときに旋回ブレーキ(37)を入にするから、圃場枕地で機体が傾いた状態で穀粒排出作業を行っても、排出オーガ(18)が自重で旋回するのを防止し、排出オーガ(18)を穀粒排出位置に支持し乍ら排出オーガ(18)を駆動または停止させて穀粒排出作業をスムーズに行うことができると共に、穀粒排出部から排出オーガ(18)がオーガレスト(43)上方に戻ったとき、旋回ブレーキ(37)を切動作させるから、排出オーガ(18)を収納方向に旋回させたときの停止位置が本機側支持体の収納位置に対して不適正であっても、排出オーガ(18)の位置修正を容易に行うことができ、排出オーガ(18)を適正な支持位置に収納でき、また排出オーガ(18)をオーガレスト(43)に支持させていて機体が走行状態にあるときに前記旋回ブレーキ(37)を切にするから、機体の走行によって排出オーガ(18)の旋回力が発生しても旋回ブレーキ(37)が損傷したり耐久性が低下するのを防止でき、しかも前記排出オーガ(18)の方向転換及び中止操作によって旋回ブレーキ(37)を入切するから、排出オーガ(18)の駆動または停止に関係なく排出オーガ(18)を旋回または停止維持させて穀粒排出作業性の向上などを図ることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】穀粒排出オーガの制御回路図。
【図2】全体の側面図。
【図3】同平面図。
【図4】穀粒タンクの側面図。
【図5】穀粒排出オーガの部分説明図。
【図6】穀粒タンクの正面図。
【図7】旋回位置センサ出力線図。
【図8】排出オーガ制御のフローチャート。
【図9】図7の部分説明出力線図。
【図10】旋回ブレーキ制御のフローチャート。
【図11】旋回速度制御のフローチャート。
【図12】オーガクラッチ制御のフローチャート。
【図13】断線チェック制御のフローチャート。
【符号の説明】
(11) 穀粒タンク
(18) 上部排出オーガ
(34) 旋回モータ(旋回部材)
(37) 旋回ブレーキ
(43) オーガレスト(本機側支持体)
Claims (1)
- 穀粒タンク(11)の穀粒を取出す排出オーガ(18)を穀粒排出位置または本機収納位置に方向転換させる旋回部材(34)を設けると共に、前記排出オーガ(18)の方向転換を阻止する旋回ブレーキ(37)を設けるコンバインにおいて、前記排出オーガ(18)の旋回位置がオーガレスト(43)の収納部以外に位置していて旋回操作を中止したときに旋回ブレーキ(37)を入にすると共に、穀粒排出部から排出オーガ(18)がオーガレスト(43)上方に戻ったとき、旋回ブレーキ(37)を切動作させ、また排出オーガ(18)をオーガレスト(43)に支持させていて機体が走行状態にあるときに前記旋回ブレーキ(37)を切にする一方、前記排出オーガ(18)の方向転換及び中止操作によって旋回ブレーキ(37)を入切することを特徴とするコンバイン。
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