JP4125159B2 - 電動コントロールバルブ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、電動コントロールバルブに関し、特に、CO2 冷媒を使用した冷凍サイクル装置等で使用される高耐圧型の電動コントロールバルブに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
冷凍サイクル装置等において可変絞り弁や流量制御弁として使用される電動弁として、弁ハウジングの内部に弁ポートを開閉する弁体を有し、前記弁ハウジングに、例えば、弁ハウジングに固定された下蓋部材に、ステンレス鋼等の非磁性体製のロータケースが固定され、ロータケース内にステッピングモータのロータが回転可能に配置され、ロータケースの外周にステッピングモータのステータコイルが取り付けられ、ロータの回転により弁体が開閉駆動される電動コントロールバルブが知られている(例えば、特許文献1、2)。
【0003】
また、上述のような電動コントロールバルブにおいて、ロータケースと下蓋部材とをTIG溶接によって接合したものがある(例えば、特許文献3、4)。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−217853号公報
【特許文献2】
特開平11−37311号公報
【特許文献3】
特開平11−22849号公報
【特許文献4】
特開2000−161520号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
電動コントロールバルブにおいて、密閉容器構造のキャンを形成するロータケース、下蓋部材の形状や肉厚は、使用される装置の設計圧力(流体圧)より計算され、気密性・耐圧性を向上させる為には、それらの肉厚や溶接強度を上げる必要がある。
【0006】
CO2 冷媒を使用した超臨界蒸気圧縮冷凍サイクル装置は、臨界を超えた状態で使用されるから、一般のハロカーボン(フロン)冷媒のものに比べて冷媒圧が高い。このため、超臨界蒸気圧縮冷凍サイクル装置で使用される電動コントロールバルブでは、ロータケース、下蓋の肉厚を設計圧力相当に厚くする必要があり、最適な圧力容器としてのキャン形状、ロータケースと下蓋部材との気密接合が必要となる。
【0007】
ハロカーボン冷媒による冷凍サイクル装置で使用される電動コントロールバルブでは、さほど高い耐圧性を必要としないから、ロータケースや下蓋部材の肉厚は比較的薄くてよく、TIG溶接やプラズマ溶接によって充分な気密接合強度を確保できるが、超臨界蒸気圧縮冷凍サイクル装置用の電動コントロールバルブでは、ロータケースや下蓋の肉厚が厚くなるため、TIG溶接やプラズマ溶接では、図12に溶着ビードAで示されているように、充分な深さの溶接部溶け込みが得られず、充分な気密接合強度を確保できない。なお、図12において、100は下蓋部材、101はロータケースである。
【0008】
TIG溶接やプラズマ溶接によって充分な深さの溶接部溶け込みを得ようとすると、多大な溶接熱量が必要になり、内部部品が熱影響を受けて変形、損傷する虞れが生じる。
【0009】
このことに対処して、ロータケース101と下蓋部材100との接合をレーザ溶接によって行うことが考えられる。レーザ溶接は、レーザビームの光熱的特性から、拡散のない高い指向性をもって厚肉の突き合わせ溶接を行うことができる。
【0010】
しかし、その反面、レーザ溶接は、図13にBで示されている溶着ビードの幅がTIG溶接等に比べて狭く、ロータケース101、下蓋部材100の加工精度等に起因するロータケース101と下蓋部材100との接合位置のばらつき等により、接合位置(被溶接位置)とレーザ溶接位置(溶接装置のレーザノズル位置)とに少しでも相対的なずれが生じると、溶着ビードBの適正位置がロータケース101と下蓋部材100との突き合わせ接合面Cよりずれ、十分な機械的強度、気密性を得る安定性に欠けるものになる。
【0011】
この発明は、上述の如き問題点を解消するためになされたもので、ロータケースと下蓋部材との溶接部が耐圧性に優れ、充分な気密接合強度を安定して確保した高耐圧性仕様の電動コントロールバルブを提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、この発明による電動コントロールバルブは、弁ポートを有する弁ハウジングと、前記弁ポートを開閉する弁体と、前記弁ハウジングに固定された下蓋部材と、前記下蓋部材上に固定されたキャン状のロータケースと、前記ロータケース内に回転可能に配置された電動モータのロータと、前記ロータケースの外周部に取り付けられた前記電動モータのステータコイルとを有し、前記ロータの回転により前記弁体が開閉駆動される電動コントロールバルブにおいて、前記ロータケースと前記下蓋部材とは、溶着ビードの中心部が前記ロータケースと前記下蓋部材との突き合わせ方向に直交する両者の突き合わせ接合面又はその延長面に対して等しい角度傾斜して逆方向から交わり、かつ溶接開始位置が180度異なる2周に亘るレーザ溶接により突き合わせ溶接され、各周の前記溶着ビードは前記レーザ溶接のダウンスロープとアップスロープ区間を含む重複溶接領域を有する
【0013】
この発明による電動コントロールバルブによれば、ロータケースと下蓋部材とは、溶着ビードの中心部がロータケースと下蓋部材との突き合わせ方向に直交する両者の突き合わせ接合面又はその延長面に対して等しい角度傾斜して逆方向から交わり、かつ溶接開始位置が180度異なる2周に亘るレーザ溶接により突き合わせ溶接され、各周の溶着ビードはレーザ溶接のダウンスロープとアップスロープ区間を含む重複溶接領域を有するから、突き合わせ接合面に対して一方の側に傾斜した1周の溶着ビードと、突き合わせ接合面に対して他方の側に傾斜したもう1周の溶着ビードとを含むものとすることができ、全体として溶け込み幅(溶着ビード幅)を拡大でき、厚肉の突き合わせ溶接を行えるレーザ溶接の利点を活かし、溶着ビード幅が狭いと云うレーザ溶接の課題が溶接部における確実な気密性が得られるとともに充分な耐圧強度が得られる2周溶接によって解決される。これにより、高耐圧性仕様で、厚肉のロータケースと下蓋部材でも、その両者が充分な気密接合強度をもって突き合わせ溶接された構造になる。
【0014】
特に、溶接開始位置が180度異なる2周に亘るレーザ溶接により突き合わせ溶接され、各周の溶着ビードはレーザ溶接のダウンスロープとアップスロープ区間を含む重複溶接領域を有するから、2周のレーザ溶接にて、溶接部における確実な気密性が得られるとともに充分な耐圧強度が得られる
【0015】
この発明による電動コントロールバルブでは、詳細な構成として、前記下蓋部材が、前記ロータケースの内周面が嵌合する筒状壁部を前記突き合わせ接合面の内側に有する。下蓋部材の筒状壁部は、ロータケースの内周面との嵌合により、下蓋部材に対するロータケースの径方向の取付位置を決定し、また、ロータケースと下蓋部材との突き合わせ溶接時にスパッタがロータケース内部へ飛散することを防止する障壁として作用する。
【0016】
上述の発明による電動コントロールバルブは、CO2 冷媒を使用したヒートポンプ給湯器等のCO2 冷媒冷凍サイクル装置用の冷媒流量制御弁として使用されて好適である。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に添付の図を参照してこの発明の実施形態を詳細に説明する。
図1はこの発明による電動コントロールバルブの一つの実施形態を示している。
【0018】
この発明による電動コントロールバルブは、全体を符号10により示されている。電動コントロールバルブ10は銅合金等により構成された弁ハウジング11を有している。
【0019】
弁ハウジング11には、弁室12と、弁室12に連通する入口ポート(下部ポート)13および出口ポート(横ポート)14が形成されている。入口ポート13には弁座部材15と下継手管(入口継手)16とが順に挿入固定されている。出口ポート14には横継手管(出口継手)17が挿入固定されている。
【0020】
弁座部材15は、ステンレス鋼、セラミック等の高硬度材により構成され、弁室12に連通する弁ポート18を貫通形成されている。弁ポート18は、図7にに示されているように、後述する弁体20のニードル部20Aとによって流量を計量するストレート孔部18Aと、ストレート孔部18Aより入口継手16側に連続する整流用のテーパ孔部18Bとを含み、ストレート孔部18Aの弁室12に対する開口端をC面取りによる拡径部18Cとされている。
【0021】
弁ハウジング11の上部には弁室12を隔てて入口ポート13と同軸上に弁体支持孔19が形成されている。弁体支持孔19には弁体20のステム部20Bが軸線方向(弁開閉方向)に摺動可能に嵌合している。
【0022】
弁体20はステンレス鋼、セラミック等の高硬度材により構成されている。弁体20の先端部にはニードル部20Aが形成されており、ニードル部20Aは弁ポート18のストレート孔部18Aと共働して流量制御を行う。
【0023】
弁ハウジング11の上部にはステッピングモータ取付用円筒部21が形成されている。この円筒部21の外周部には円環板状の下蓋部材22がろう付け固定されている。下蓋部材22は上側に円筒部23を有し、その上面が後述のステッピングモータ30のロータケース31との突き合わせ接合面23Aになっている。この下蓋部材22の突き合わせ接合面23Aの内側にはロータケース31の内周面が嵌合する筒状壁部24が形成されている。
【0024】
弁ハウジング11の上部には弁体20を開閉駆動するステッピングモータ30が取り付けられている。ステッピングモータ30は、ロータケース31と、ロータケース31内に設けられたロータ32と、ロータケース31の外周に装着されたステータコイル部材33を含む。
【0025】
ロータケース31は、円筒部31Aと、円筒部31Aと一体成形されて円筒部31Aの上端を閉じる半球状ドーム部31Bとを有するキャン状をなし、全体を同一肉厚のステンレス鋼等の非磁性体により構成されている。
【0026】
ロータケース31が半球状ドーム部31Bにより閉じられたキャン形状であることにより、球面による良好な圧力分散が行われ、設計圧力に対してロータケース31の全体の肉厚を最小にできる。
【0027】
ロータケース31は、円筒部31Aの下側の円環状開口縁31Cの内周面が下蓋部材22の筒状壁部24の外周面に同心状態で嵌合し、円環状開口縁31Cの先端面が下蓋部材22の突き合わせ接合面23Aに対向接合する突き合わせ接合面31Dとなっている。
【0028】
この下蓋部材22の筒状壁部24とロータケース31の円環状開口縁31Cとの嵌合により、下蓋部材22に対するロータケース31の径方向の取付位置がばつらきを含むことなく正しく決まる。
【0029】
下蓋部材22とロータケース31とは、この突き合わせ接合面23A、31Dのレーザ溶接による突き合わせ溶接によって気密に接合されている。この突き合わせ溶接については、電動コントロールバルブ10の全体構成の説明後に詳細に説明する。
【0030】
ロータケース31の円筒部31Aの内側にロータ32が回転可能に配置されている。ロータ32の外周部には多極着磁された多極マグネット34が装着されている。
【0031】
CO2 冷媒用の高耐圧性仕様のものでは、必要強度上、ロータケース31の肉厚が厚くなる。このため、ステータコイル部材33と多極マグネット34との径方向の空間距離が増加し、磁気ロスが大きくなるから、CO2 冷媒用の高耐圧性仕様のものでは、多極マグネット34をフェライト焼結磁石に代えて希土類の磁石を用いる。また、この希土類磁石をプラスチックボンド磁石とすることにより、軽量化を図ることができ、起動時のトルクを改善できる。
【0032】
ロータ32の中心部には筒状の雌ねじ部材35が固定されている。雌ねじ部材35には、固定金具36、カラー部材37、ばね38によって弁体20のステム部20Bの上端が相対回転可能に連結されている。
【0033】
弁ハウジング11の上部中央部には弁体20のステム部20Bが貫通する中空軸状の雄ねじ部材39が固定されている。雄ねじ部材39の外周面には雄ねじ39Aが形成されている。雄ねじ39Aは雌ねじ部材35の内周面に形成された雌ねじ35Aにねじ係合している。
【0034】
この構造では、ステッピングモータ駆動によってロータ32が回転すると、雌ねじ35Aと雄ねじ39Aとのねじ係合によってロータ32がロータケース31内を軸線方向(上下方向)に移動し、このロータ32の軸線方向移動によって弁体20が軸線方向(上下方向)に移動する。これにより、弁ポート18のストレート孔18Aに対してニードル部20Aが入出し、弁体20の軸線方向位置により決まる流量制御が行われる。
【0035】
半球状ドーム部31Bの内側にはストッパ保持ロッド40が垂下固定されている。ストッパ保持ロッド40には螺旋ガイド41が取り付けられており、螺旋ガイド41には可動ストッパ42が係合している。可動ストッパ42は、ロータ32に取り付けられたピン43によって蹴られることにより、ロータ32の回転に伴って螺旋ガイド41に案内されて旋回しつつ上下移動し、ストッパ保持ロッド40の下端のストッパ部44、あるいは螺旋ガイド41の上端のストッパ部45に当接することにより、弁閉方向、あるいは弁開方向のロータ31の回転を制限する。
【0036】
つぎに、下蓋部材22とロータケース31との突き合わせ溶接の参考例を図2を参照して説明する。ロータケース31と下蓋部材22は、該両者の突き合わせ接合面31D、23Aに対して直交する方向(軸線方向)に異なる位置に、2周に亘るレーザ溶接により突き合わせ溶接されている。図2において、符号W1は1周目の溶着ビードを、符号W2は2周目の溶着ビードを各々示している。
【0037】
この2周溶接は、レーザ溶接機のノズル軸線を突き合わせ接合面31D、23Aと平行な面に整合させ、ノズルを突き合わせ接合面31D、23Aに対して直交する方向に平行移動させて行う。
【0038】
この場合、1周目の溶着ビードW1と2周目の溶着ビードW2は、突き合わせ接合面31D、23Aに対して直交する方向に平行移動したものになり、1周目の溶着ビードW1と2周目の溶着ビードW2とが平行移動方向に一部重複するように軸線方向の偏倚量(ノズルの平行移動量)dを設定されている。
【0039】
したがって、1周目のレーザ溶接は溶着ビードW1の中心部(最深部)が突き合わせ接合面31D、23Aより(1/2)dだけ上方に位置し、2周目のレーザ溶接は溶着ビードW2が中心部(最深部)が突き合わせ接合面31D、23Aより(1/2)dだけ下方に位置するように行われる。
【0040】
そして、溶接部における確実な気密性が得られること、充分な耐圧強度が得られるよう、1周目、2周目の各々のレーザ溶接は、1周以上、例えば、図3、図4に示されているように、レーザ溶接機のノズルの前進行程(アップスロープ)、後退行程(ダウンスロープ)を含めて400度の回転角範囲に亘って行われている。なお、図3、図4において、▲1▼は1周目のレーザ溶接を、▲2▼は2周目のレーザ溶接を各々示している。また、1周目、2周目の各々のレーザ溶接は、各周の重複溶接領域が互いに180度回転変位した部位に生じるよう、溶接開始の回転角位置を互いに180度、回転変位した位置に設定されている。
【0041】
上述したように、ロータケース31と下蓋部材22とが、該両者の突き合わせ接合面31D、23Aに対して直交する方向に平行移動した位置に、2周に亘るレーザ溶接により突き合わせ溶接されているから、充分な深さの溶接部溶け込みが得られるレーザ溶接の特徴を活かした上で、1周目の溶着ビードW1と2周目の溶着ビードW2の全体によって広いビード幅が得られる。
【0042】
溶接部の溶け込み深さは、ロータケース31、下蓋部材22の肉厚に応じて適正値に定められるものであり、これは、レーザ溶接のレーザビーム強度(レーザ出力)の制御により任意の適正値に設定することができる。
【0043】
これにより、溶接位置誤差(ばらつき)に耐え、高耐圧性仕様で、厚肉のロータケース31と下蓋部材22でも、その両者が充分な気密接合強度をもって突き合わせ溶接される。
【0044】
また、溶接部の内側に位置する下蓋部材22の筒状壁部24は、レーザ溶接時にスパッタがロータケース内部に飛散することを防止する障壁として作用する。筒状壁部24が十分な厚さを有していることにより、ケース肉厚分(ロータケース31、下蓋部材22の肉厚)を溶かす溶接条件の設定範囲を拡大できる。
【0045】
図5、図6は、この発明による電動コントロールバルブの実施形態を示している。この実施形態では、レーザ溶接の各周溶接の溶着ビードW1、W2の中心部(最深部)が、図6に示すように、ロータケース31と下蓋部材22との突き合わせ接合面31D、23Aに対して各々異なる方向に傾斜している。すなわち、1周目のレーザ溶接は突き合わせ接合面31D、23Aに対して+θ度、一方の側(下側)に傾斜した1周目の溶着ビードW1と、突き合わせ接合面31D、23Aに対して−θ度、他方の側(上側)に傾斜した2周目の溶着ビードW2とを有し、1周目の溶着ビードW1と2周目の溶着ビードW2とが相互にクロスして一部重複している。この結果、溶着ビードの中心部W1、W2がロータケース31と下蓋部材22との突き合わせ方向に直交する両者の突き合わせ接合面31D、23A又はその延長面に対して等しい角度θ傾斜して逆方向から交わる。
【0046】
この2周溶接は、レーザ溶接機のノズル軸線Nが突き合わせ接合面31D、23Aと平行な面に対して+θ度、あるいは−θ度傾斜するように、ノズル50を突き合わせ接合面31D、23Aに対して傾斜移動させて行う。
【0047】
この実施形態でも、上述の参考例と同様に、溶接部における確実な気密性が得られること、充分な耐圧強度が得られるよう、1周目、2周目の各々のレーザ溶接は、1周以上、例えば、図3、図4に示されているように、レーザ溶接機のノズルの前進行程(アップスロープ)、後退行程(ダウンスロープ)を含めて400度の回転角範囲に亘って行われている。また、1周目、2周目の各々のレーザ溶接は、各周の重複溶接領域が互いに180度回転変位した部位に生じるよう、溶接開始の回転角位置を互いに180度、回転変位した位置に設定されている。
【0048】
したがって、充分な深さの溶接部溶け込みが得られるレーザ溶接の特徴を活かした上で、1周目の溶着ビードW1と2周目の溶着ビードW2の全体によって広いビード幅が得られるから、溶接位置誤差(ばらつき)に耐え、高耐圧性仕様で、厚肉のロータケース31と下蓋部材22でも、その両者が充分な気密接合強度をもって突き合わせ溶接される。
【0049】
そして、1周目、2周目の溶着ビードW1、W2が各々突き合わせ接合面31D、23Aに対して傾斜角±θをもって傾斜しているから、溶接位置誤差(ばらつき)に対する許容度が拡大する。
【0050】
傾斜角±θは、溶接部の肉厚によるが、0〜30度、好ましくは、5〜20度程度がよい。傾斜角が5度以下であると、溶着ビードの突き合わせ接合面に対する傾斜による溶接位置誤差の許容範囲の拡大効果があまり得られず、これに対し20度以上であると、図14に示されているように、ロータケース101と下蓋部材100との接合箇所における必要な溶け込み深さDが大きくなり、これに応じて溶接熱量を上げる必要が生じ、熱による内部部品への影響、残留応力による応力腐食割れ等の問題が生じる。
【0053】
図11は、この発明による電動コントロールバルブ10が使用されるCO2 冷媒を使用した冷凍サイクル装置の一つの実施形態を示している。
【0054】
この冷凍サイクル装置は、ヒートポンプ式給湯器であり、圧縮機71、凝縮器に相当するガスクーラ72、電動コントロールバルブ10、蒸発器73を含むCO2 冷媒循環路が構成され、ガスクーラ72を通る高温のCO2 冷媒と湯タンク74の冷水との間で熱交換が行われ、温水を作り出す。
【0055】
電動コントロールバルブ10は、ガスクーラ72と蒸発器73との間に設けられ、熱交換を終えた高圧のCO2 冷媒を絞り減圧して蒸発器73へ送り込む。従って、電動コントロールバルブ10には高圧のCO2 冷媒が流れるが、電動コントロールバルブ10は、上述したように、各部が高圧仕様になっているから、障害を起こすことがない。
【0056】
一般的に、CO2 サイクルでは、高圧冷媒で、高圧側と低圧側の圧力差が大きい。そのため、弁ポートを通過する流体の通過音も発生し易いものとなる。
【0057】
これを解決するために、本実施例では、電動コントロールバルブ10の下継手管(入口継手)16が高圧側のガスクーラ72に接続され、横継手管(出口継手)17が低圧側の蒸発器73に接続される。よって、高圧冷媒は、下継手管(入口継手)16より弁ポート18を通過して曲がり流路を含むことなくまっすぐに弁室12に流入するようになっている。これにより、高圧冷媒の流れは、滑らかに流れ、流体通過音が低減する。
【0058】
また、弁ポート18のストレート孔部18Aより下継手管(入口継手)16側に連続する整流用のテーパ孔部18Bがあり、ストレート孔部18Aの弁室12に対する開口端がC面取りによる拡径部18Cとされていること等により、流体の流れを滑らかにすることができる。それにより、流体通過音を低減することができる。
【0059】
また、図8に示されているように、弁座部材15が弁室12内に突出している上部外角部15AをR面加工したり、図9に示されているように、拡径部18CをR面加工しても、流体の流れを滑らかにすることができ、流体通過音を低減できる。また、図10に示されているように、弁ポート18のテーパ孔部18Bを長くし、テーパ角度をより緩やかにすることにより、弁ポート18を通過する流体の通過音の低減効果が高くなる。
【0060】
CO2 サイクル等の高圧冷媒では、フロン系に比べ高圧側と低圧側の圧力差がはるかに大きく、流れる冷媒の状態は、超臨界、液相、気液混合流などであることから、侵食、壊食などのエロージョンが起きやすい。それを解決するために、圧力を減圧させる(=絞り)作用を行うニードル弁(弁体20)、弁座部材15の材質をステンレス、セラミックス等の高硬度な材質を用いることにより、エロージョンで材料が受ける損傷を低減することができる。弁座部材15を弁ハウジング11(銅合金)とは別部材とすることで、安価に製作できる。
【0061】
【発明の効果】
以上の説明から理解される如く、この発明による電動コントロールバルブによれば、ロータケースと下蓋部材とは、溶着ビードの中心部がロータケースと下蓋部材との突き合わせ方向に直交する両者の突き合わせ接合面又はその延長面に対して等しい角度傾斜して逆方向から交わり、かつ溶接開始位置が180度異なる2周に亘るレーザ溶接により突き合わせ溶接され、各周の溶着ビードはレーザ溶接のダウンスロープとアップスロープ区間を含む重複溶接領域を有するから、突き合わせ接合面に対して一方の側に傾斜した1周の溶着ビードと、突き合わせ接合面に対して他方の側に傾斜したもう1周の溶着ビードとを含むものとすることができ、全体として溶け込み幅(溶着ビード幅)を拡大でき、厚肉の突き合わせ溶接を行えるレーザ溶接の利点を活かした上で、溶着ビード幅が狭いと云うレーザ溶接の課題が溶接部における確実な気密性が得られるとともに充分な耐圧強度が得られる2周溶接によって解決され、溶接位置誤差(ばらつき)に耐え、高耐圧性仕様で、厚肉のロータケースと下蓋部材でも、その両者が充分な気密接合強度を有した構造になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明による電動コントロールバルブの一つの実施形態を示す縦断面図である。
【図2】 参考例におけるロータケースと下蓋部材との突き合わせ溶接部の拡大断面図である。
【図3】 ロータケースと下蓋部材との突き合わせ溶接の溶接範囲を示す説明図である。
【図4】 ロータケースと下蓋部材との突き合わせ溶接の溶接範囲を示す線図である。
【図5】 この発明による電動コントロールバルブの他の実施形態を示す縦断面図である。
【図6】 施形態におけるロータケースと下蓋部材との突き合わせ溶接部の拡大断面図である。
【図7】 一つの実施形態における弁ポート部分の拡大断面図である。
【図8】 施形態における弁ポート部分の拡大断面図である。
【図9】 施形態における弁ポート部分の拡大断面図である。
【図10】 施形態における弁ポート部分の拡大断面図である。
【図11】 この発明による電動コントロールバルブが適用されるCO2 冷媒を使用した冷凍サイクル装置の一つの実施形態を示すブロック図である。
【図12】 従来のロータケースと下蓋部材との突き合わせ溶接部の拡大断面図である。
【図13】 ロータケースと下蓋部材との単周突き合わせ溶接部の拡大断面図である。
【図14】 ロータケースと下蓋部材との単周突き合わせ溶接部の拡大断面図である。
【符号の説明】
10 電動コントロールバルブ
11 弁ハウジング
12 弁室
15 弁座部材
16 下継手管(入口継手)
17 横継手管(出口継手)
18 弁ポート
20 弁体
22 下蓋部材
23 円筒部
23A 突き合わせ接合面
24 筒状壁部
30 ステッピングモータ
31 ロータケース
31D 突き合わせ接合面
33 ステータコイル部材

Claims (3)

  1. 弁ポートを有する弁ハウジングと、前記弁ポートを開閉する弁体と、前記弁ハウジングに固定された下蓋部材と、前記下蓋部材上に固定されたキャン状のロータケースと、前記ロータケース内に回転可能に配置された電動モータのロータと、前記ロータケースの外周部に取り付けられた前記電動モータのステータコイルとを有し、前記ロータの回転により前記弁体が開閉駆動される電動コントロールバルブにおいて、
    前記ロータケースと前記下蓋部材とは、溶着ビードの中心部が前記ロータケースと前記下蓋部材との突き合わせ方向に直交する両者の突き合わせ接合面又はその延長面に対して等しい角度傾斜して逆方向から交わり、かつ溶接開始位置が180度異なる2周に亘るレーザ溶接により突き合わせ溶接され、
    各周の前記溶着ビードは前記レーザ溶接のダウンスロープとアップスロープ区間を含む重複溶接領域を有する
    ことを特徴とする電動コントロールバルブ。
  2. 前記下蓋部材は、前記ロータケースの内周面が嵌合する筒状壁部を前記突き合わせ接合面の内側に有する請求項1記載の電動コントロールバルブ。
  3. CO2 冷媒を使用した冷凍サイクル装置用の冷媒流量制御弁である請求項1または2記載の電動コントロールバルブ。
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