JP4124408B2 - 画像処理システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は画像処理システムに関し、特に画像データに対する処理をホスト装置側又は出力装置側のいずれで行う際の選択を適切に行い高速化を図る画像処理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、フォント等の展開処理において、ホスト装置からコマンド/データをプリンタ等の出力装置に送り、出力装置側で処理を行っていた。しかし、最近ホスト装置の性能が急速に進歩して、上記展開処理を出力装置で行うよりもホスト装置で行う方が高速に処理される場合がある。その際、ホスト装置側で展開処理を行うプリンタも存在する。このように、印刷出力しようとするプリンタの処理能力に基づいてプリンタに転送するデータの形式を適宜切換える制御方法が特開平7−306760号公報(以下従来例1と称す)に提案されている。また、その他として、特開平7−334318号公報(以下従来例2と称す)には、ホスト装置の性能とプリンタの性能とを比較し、展開処理を高速に行える側を選択するプリンタドライバが提案されている。更に、特開平10−198529号公報(以下従来例3と称す)に提案されている画像処理装置は、データの処理時間ではなくデータの転送量と転送能力を元に処理の分散判断を行っている。また、特開平11−203064号公報(以下従来例4と称す)に提案されている画像処理装置は、ホスト側のデータの処理時間とデータ転送量の予測値を元に処理の分散判断を行っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来例1、2、4ではプリンタ側の処理能力が予め設定されていることを前提にしているため、画像データによってはプリンタ側の処理能力及びホスト装置の転送能力が変わって最適な選択ができず、場合によってはかなりの処理時間を要してしまう結果となってしまう問題点がある。また、従来例3によれば、プリンタ側の処理性能を加味していないため、最適な処理分散を行うことができない。
【0004】
本発明はこれらの問題点を解決するためのものであり、処理能力、転送能力に応じて処理配分と転送量を最適化し、画像データの処理にかかる時間を最小にすることで高速に処理することができる画像処理システムを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記問題点を解決するために、本発明の画像処理システムは、ホスト装置と、出力装置と、ホスト装置から出力装置へ画像データを転送する画像データ転送手段とを有している。そして、ホスト装置が、画像データとして、グラフィックデータ、文字データ、イメージデータに分類し、ホスト装置の処理能力、出力装置の処理能力、画像データ転送手段における転送能力に応じて、分類したグラフィックデータ、文字データ、イメージデータをホスト装置又は出力装置のいずれかで処理するかを決定する処理分散手段を有することに特徴がある。よって、処理量を適切に分散でき、出力処理の効率化を図ることが可能となる。また、ホスト装置が出力装置の処理能力を取得する処理能力取得手段を有することにより、またホスト装置が画像データ転送手段の転送能力を取得する転送能力取得手段を有することにより、出力装置の処理能力を動的に問い合わせることで予め出力装置の処理能力を保持する必要もなく、かつ出力装置が新規に追加、又は変更された場合でもホスト装置側の変更を必要としない汎用性の高い画像処理システムを提供できる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の画像処理システムは、ホスト装置と、出力装置と、ホスト装置から出力装置へ画像データを転送する画像データ転送手段とを有している。そして、ホスト装置が、画像データとして、グラフィックデータ、文字データ、イメージデータに分類し、ホスト装置の処理能力、出力装置の処理能力、画像データ転送手段における転送能力に応じて、分類したグラフィックデータ、文字データ、イメージデータをホスト装置又は出力装置のいずれかで処理するかを決定する処理分散手段を有している。
【0009】
【実施例】
図1は本発明の一実施例に係る画像処理装置を用いた画像処理システムの構成を示すブロック図である。同図において、本実施例の画像処理装置を用いた画像処理システムは、主に、本実施例の画像処理装置を担うホスト装置100と、当該ホスト装置100とデータ転送経路300を介して接続された、レーザプリンタやインクジェットプリンタ等の印刷装置、ディスプレイ等の表示装置を含む出力装置200とを含んで構成されている。ホスト装置100において、パーソナルコンピュータに代表されるホスト装置100で実行可能なグラフィックアプリケーションやDTPアプリケーションによる画像データが画像データ入力部101に入力される。そして、入力された画像データは、画像データ分類部11により、グラフィックデータ、文字データ、イメージデータに分類され、分類された各データは、それぞれグラフィックデータメモリ12、文字データメモリ13、イメージデータメモリ14に一時記憶される。そして、各メモリに保存された各データは処理分散部102に入力される。処理分散部102は、ホスト装置100の処理能力、データ転送経路300の転送能力、出力装置200の処理能力に応じて、グラフィックデータ、文字データ、イメージデータをホスト装置100または出力装置200のいずれかで処理するかを決定する。出力装置200の処理能力は、処理能力取得部106を通して、出力装置200にある処理能力送信部204に問い合わせ、その結果得られる。あるいは、出力装置200の処理能力が得られない場合、予め処理能力・転送能力記憶部107に設定された値を用いて計算する。そして、処理分散部102によってグラフィックデータをホスト装置100で処理することになった場合は、グラフィック処理装置103で処理され、処理結果がデータ転送経路300を通して出力装置200に渡され、画像メモリ205に描画される。一方、処理分散部102によってグラフィックデータを出力装置200で処理されることになった場合は、グラフィックデータがデータ転送経路300を通して出力装置200に渡され、出力装置200のグラフィック処理装置201で処理され、画像メモリ205に描画される。ここで、ホスト装置100にあるグラフィック処理部103と出力装置200にあるグラフィック処理部201は同一のものを用いている。文字データも同様に、ホスト装置100の文字処理部104または出力装置200の文字処理部202のいずれかで処理され、画像メモリ205に描画される。イメージデータも同様に、ホスト装置100のイメージ処理部105または出力装置200のイメージ処理部203いずれかで処理され、画像メモリ205に描画される。なお、出力装置200における演算処理をグラフィックアクセラレータ等の専用ASICで行い、データ転送経路300ではLANで用いられるEtherNetや印刷装置で多用されているセントロニクス(IEEE1284)、USBが用いられている。
【0010】
一般的なPDLに見られるグラフィック処理の入力データは任意の閉図形を表現する座標集合であり、一般的な文字処理の入力データはフォントID、文字IDであり、イメージ処理の入力データは領域指定とRGBやCMYKの色集合であり、それぞれの出力データは共通で、出力装置に応じたビット数を持つ画像用メモリへの描画結果である。
【0011】
次に、図1の処理分散部102における処理分散方法について説明する。画像データが入力され、1ページ分の画像メモリが生成終了するまでのトータル処理時間Tは、ホスト処理時間Th、転送時間Tt、出力装置Tpの合計である。
【0012】
T=Th+Tt+Tp
【0013】
もちろん、その他の要因により多少変化するが、ほぼこの3処理がTを決定する主な要因である。また、以下では、処理量をP(Pが大きいと処理量が多いことを表わす)、処理能力をC(Cが大きいと処理能力が高いことを表わす)で表わし、T=P/Cという関係となる。本実施例では最も単純な例として、転送能力が大きい場合、つまりTtがTh,Tpに比べて小さいとする。また、双方の処理量Ph,Ppも同一とする。ホスト装置側の処理時間Th=Ph/Chと出力装置側の処理時間Tp=Pp/Cpとの比較した場合、Ph=Ppから単純にChとCpの大小でTh,Tpの大小がわかる。Chはホスト装置100の計算能力パラメータとして予め指定された定数である。この定数は計算能力にほぼ比例した数値であればよく、例えばCPUのクロック数や、搭載メモリ量、ホスト装置100自身による計算能力パラメータ測定プログラム(ベンチマークプログラム)によって得られる定数でも構わない。
【0014】
また、Cpは図1の処理能力取得部106、処理能力送信部204によって得られる定数パラメータである。このパラメータは出力装置固有の数値なのでホスト装置100が出力装置200に出力することが確定した時点で1度だけCpを問い合わせる。図2に示す動作フローからわかるように、Ch>Cpであれば、選択可能な全ての処理(グラフィック、文字、イメージ)をホスト装置側で行い(ステップS101;YES、ステップS102)、Ch<Cpであれば選択可能な全ての処理を出力装置側で処理することになる(ステップS101;NO、ステップS103)。
【0015】
ここで、転送能力が小さい場合について説明する。処理量は同一(Ph=Pp)とする。ここで、転送量をSで表わし、ホスト側で処理を行った場合の転送量をSh、出力装置側で処理を行う場合の転送量をSpとする。また、転送レートをRで表わす。全処理時間Ttは以下の式で表わせる。
【0016】
TT=Th+Tt+Tp=Ph/Ch+Sh/R+Pp/Cp
【0017】
このように転送能力が小さい場合、図3に示す処理動作フローに従って、処理分散部102では、先ずホスト装置側で処理を行った場合の予想転送量Shを計算する。正確に予測する方法があればそれを使用し、なければ、一般的なデータの統計による定数パラメータを用いても構わない。これによりホスト装置側で処理を行った場合の全処理時間TThを計算する。出力装置側での処理は行わないのでTp=0とする。
【0018】
TTh=Ph/Ch+Sh/R
【0019】
同様に、出力装置側でのTTpを計算する(ステップS201)。
【0020】
TTp=Sp/R+Pp/Cp
【0021】
TTh<TTpならば全てホスト装置側で処理を行い(ステップS202;YES、ステップS203)、TTh>TTpなら全て出力装置側で処理を行う(ステップS202;NO、ステップS204)。
【0022】
このように、グラフィック処理部103による処理量PGhとグラフィック処理部201による処理量PGpが異なる場合の実施例を説明する。ワークメモリが制限されているが、使用可能なリソースが制限されている場合に発生しやすい。文字データ処理量、イメージデータ処理量は同一とする。また、上記実施例と同様に転送能力は高く、Ttは無視するものとする。この場合の処理動作フローを図4に示すように、処理分散部102は、ホスト装置側でグラフィック処理を行った場合予想処理量PGhを計算する。正確に予測する方法があればそれを使用し、なければ、一般的なデータの統計による定数パラメータを用いても構わない。これにより、ホスト装置側で処理を行った場合の全処理時間TThを計算する。出力装置側での処理は行わないのでTp=0とする。
【0023】
TTh=PGh/Ch
【0024】
同様に出力装置側でグラフィック処理を行った場合の予想処理量PGpを計算し、出力装置側でのTTpを計算する(ステップS301)。
【0025】
TTp=PGp/CP
【0026】
TTh<TTpならグラフィック処理をホスト装置側で処理を行い(ステップS302;YES、ステップS303)、TTh>TTpならグラフィック処理を出力装置側で処理を行う(ステップS302;NO、ステップS304)。
【0027】
なお、文字データ処理、イメージデータ処理も同様の方法で決定できる。
【0028】
更に、出力装置の処理能力が不明な場合について説明する。この出力装置の処理能力が不明な場合とは、ホスト装置と出力装置間で双方向通信が確立していない場合や転送方法の制約により片方向通信しか使えない状況がこれにあたる。
【0029】
図5に示す処理フローに従って説明すると、Cpが図1の処理能力・転送能力記憶部107に予め設定されていればその値を読み出す(ステップS401;YES、ステップS402)。設定されていなければ予め決められたデフォルト値を用いる(ステップS401;NO、ステップS403)。この値は出力機器として使用可能な機器の平均値、最大値、最小値いずれかでも構わない。更に、Rが図1の処理能力・転送能力記憶部107に予め設定されていればその値を読み出す(ステップS404;YES、ステップS405)。設定されていなければ予め決められたデフォルト値を用いる(ステップ404;NO、ステップS406)。この値は出力機器と接続するための転送方法として使用可能な転送レートの平均値、最大値、最小値いずれかでも構わない。
【0030】
これにより得られたCp,Rを用いて、上記実施例のように各図形の処理実行個所を決定する。
【0031】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲内の記載であれば多種の変形や置換可能であることは言うまでもない。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の画像処理システムは、ホスト装置と、出力装置と、ホスト装置から出力装置へ画像データを転送する画像データ転送手段とを有している。そして、ホスト装置が、画像データとして、グラフィックデータ、文字データ、イメージデータに分類し、ホスト装置の処理能力、出力装置の処理能力、画像データ転送手段における転送能力に応じて、分類したグラフィックデータ、文字データ、イメージデータをホスト装置又は出力装置のいずれかで処理するかを決定する処理分散手段を有することに特徴がある。よって、処理量を適切に分散でき、出力処理の効率化を図ることが可能となる。
【0033】
また、ホスト装置が出力装置の処理能力を取得する処理能力取得手段を有することにより、またホスト装置が画像データ転送手段の転送能力を取得する転送能力取得手段を有することにより、出力装置の処理能力を動的に問い合わせることで予め出力装置の処理能力を保持する必要もなく、かつ出力装置が新規に追加、又は変更された場合でもホスト装置側の変更を必要としない汎用性の高い画像処理システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る画像処理装置を用いた画像処理システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本実施例の画像処理装置における処理動作の一部を示すフローチャートである。
【図3】本実施例の画像処理装置における処理動作の一部を示すフローチャートである。
【図4】本実施例の画像処理装置における処理動作の一部を示すフローチャートである。
【図5】本実施例の画像処理装置における処理動作の一部を示すフローチャートである。
【符号の説明】
11;画像データ分類部、12;グラフィックデータメモリ、
13;文字データメモリ、14;イメージデータメモリ、
100;ホスト装置、101;画像データ入力部、102;処理分散部、
103,201;グラフィック処理部、104,202;文字処理部、
105,203;イメージ処理部、106;処理能力取得部、
107;処理能力・転送能力記憶部、200;出力装置、
204;処理能力送信部、205;画像メモリ、300;データ転送経路。
Claims (3)
- ホスト装置と、出力装置と、前記ホスト装置から前記出力装置へ画像データを転送する画像データ転送手段とを有する画像処理システムにおいて、
前記ホスト装置が、前記画像データとして、グラフィックデータ、文字データ、イメージデータに分類し、前記ホスト装置の処理能力、前記出力装置の処理能力、前記画像データ転送手段における転送能力に応じて、分類したグラフィックデータ、文字データ、イメージデータを前記ホスト装置又は前記出力装置のいずれかで処理するかを決定する処理分散手段を有することを特徴とする画像処理システム。 - 前記ホスト装置が前記出力装置の処理能力を取得する処理能力取得手段を有する請求項1記載の画像処理システム。
- 前記ホスト装置が前記画像データ転送手段の転送能力を取得する転送能力取得手段を有する請求項1記載の画像処理システム。
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