JP4124113B2 - インサート成形方法 - Google Patents

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本発明は、インサート成形方法に関するものであり、特に多孔質体をインサート部品とするインサート成形に好適なインサート成形方法に関するものである。
一般に、型締め状態で金型面間にキャビティが形成される射出成形用金型装置は、キャビティ内に溶融樹脂を射出して所定形状の射出成形品を製造するために用いられるものであるが、近年では、このような射出成形用金型装置を用いて、例えば金属からなる三次元網目構造を有する薄板状をなす多孔質体と、この多孔質体の外周縁部から多孔質体の面方向に延びる樹脂部とが一体となった複合多孔質体を製造したいという要望がある。つまり、キャビティにインサート部品としての多孔質体をインサートし、この多孔質体に連なるように溶融樹脂を射出するインサート成形を行うことにより、前記複合多孔質体であるインサート成形品を製造したいという要望がある(例えば特許文献1参照)。
特開2003−127190号公報
ところで、この種のインサート成形用金型装置においては、型締め時に、金型面に配置された多孔質体をこれらの金型面によって、単に、型開閉方向に固定していただけ、若しくはエアーにより吸着させていただけであるので、キャビティにおける溶融樹脂の射出圧によって、多孔質体が金型面の表面に沿った方向に位置ずれする場合があった。したがって、多孔質体を複合多孔質体における所望の位置に配置することができない場合があった。
また、インサート部品としての多孔質体はその構造上表面粗さが粗いため、型締めする際に前記金型面が多孔質体の表面に一様に当接せず、したがって、前記金型面により多孔質体の表面を圧縮して固定する過程において、多孔質体の位置ずれが発生し易く、高精度な複合多孔質体を製造することが困難であるという問題があった。
さらに、要望される複合多孔質体は一般に、厚さが薄いシート状とされ、さらに多孔質体は三次元網目構造を有しているので、この多孔質体は強度が低く、したがって、前記従来のインサート成形では、キャビティにおける溶融樹脂の射出圧により多孔質体が容易に変形するなどして高精度な複合多孔質体を製造することが困難であるという問題があった。
本発明は、以上の課題に鑑みてなされたもので、インサート成形品としての複合多孔質体を高精度に製造することができるインサート成形方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明は以下の手段を提案している。
請求項1に係る発明は、型締め状態で金型面間に形成されるキャビティにインサート部品としての多孔質体をインサートし、この多孔質体に連なるように溶融樹脂を射出するインサート成形を行うことにより、多孔質体と樹脂部とが一体に形成されてなる複合多孔質体を製造するためのインサート成形用金型装置を用いたインサート成形方法であって、前記インサート成形用金型装置は、前記金型面に対して出没可能に支持された位置決め手段を備え、 該位置決め手段は、前記金型面に対して進出移動したときに当該金型面に配置された前記多孔質体の縁部のうち複数箇所に各別に対向するとともに、これらのうち少なくとも一つが前記多孔質体の縁部に接し、該多孔質体を前記金型面に沿った方向に位置決めする構成とされた複数の位置決め部を備え、前記複数の位置決め部を前記金型面に対して進出移動させた状態で、型締めによって前記多孔質体を前記金型面により固定した後、前記位置決め部のうち少なくとも一つを後退移動して第1のキャビティを形成し、該第1のキャビティに溶融樹脂を射出した後に、前記金型面に対して前進移動している前記位置決め部を後退移動して第2のキャビティを形成し、該第2のキャビティに溶融樹脂を射出することを特徴とする。
この発明に係るインサート成形方法によれば、キャビティに溶融樹脂を射出する際に、複数の位置決め部のうち少なくとも一つは金型面に対して進出移動させておくので、キャビティにおける溶融樹脂の射出圧により、多孔質体に金型面に沿った方向に移動しようとする力が作用しても、前記進出移動している位置決め部によってこの方向の位置ずれ発生が抑制される。
この発明に係るインサート成形方法によれば、複数の位置決め部のうちの一部を金型面から後退移動して、第1のキャビティを形成した後に、溶融樹脂をこの第1のキャビティに射出し、その後、進出移動している残りの位置決め部を後退移動して第2のキャビティを形成し、この第2のキャビティに溶融樹脂を射出するので、1回で射出する溶融樹脂の小容積化を図ることが可能になるとともに、この溶融樹脂の充填距離、すなわち射出時に溶融樹脂がキャビティ内を移動する距離を短くすること可能になるため、射出圧を低く設定しても溶融樹脂を多孔質体の縁部に沿わせて配設することができる。したがって、溶融樹脂の射出圧による多孔質体の変形発生や、金型面に沿った位置ずれ発生を抑制することができるとともに、この多孔質体の縁部に沿うように確実に溶融樹脂を行き渡らせることが可能になる。
また、金型面間において、射出時に金型面に対して後退移動させておく位置決め部の配設部分を一次成形用キャビティとする一方、射出時に金型面に対して前進移動させておく位置決め部の配設部分を二次成形用キャビティとすると、一次成形用キャビティ内で一次成形品を成形した後に、前記前進移動されている位置決め部を後退移動するとともに、二次成形用キャビティを形成し、その後、二次成形用キャビティ内で先に成形した一次成形品と一体に二次成形品を成形する方法を実現できる。この場合、複合多孔質体を構成する樹脂部が、色,材質などが異なる少なくとも2種類の材料からなる構成を製造することが可能になる。
さらに、金型面が多孔質体を型開閉方向に固定する型締めの過程において、前記複数の位置決め部のうち少なくとも一つを接触させておくことが可能になるので、この過程における多孔質体の金型面に沿った方向の位置ずれ発生を抑制することができる。
本発明に係るインサート成形方法によれば、インサート成形品としての複合多孔質体を高精度に製造することができる。
以下、本発明の一実施形態について、図を参照して説明するが、まず、このインサート成形方法によって製造するインサート成形品である複合多孔質体を、図6を参照しながら説明する。
この複合多孔質体10は、例えば金属からなる三次元網目構造を有する薄板状をなす多孔質体11と、この多孔質体11のそれぞれの外周縁部から多孔質体11の面方向に延びる樹脂部12とが一体に形成されたものであり、全体として矩形薄板状をなしている。
多孔質体11は矩形薄板状をなし、側部に開口する気孔が各方向に連通していることにより、通気性・吸水性を備え、軽量で表面積が大きいという特性を有している。
一方、樹脂部12は、多孔質体11と略同じ厚さを有する枠形薄板状をなし、図6(b)に示すように、多孔質体11の外周縁部に対して段差なく連ねられている。
なお、多孔質体11と樹脂部12とが一体になった矩形薄板状をなす複合多孔質体10は、その樹脂部12が固定あるいは狭持されるなどして各種装置に取り付けられることにより、例えば、フィルタ・ガス拡散部材・放熱部材・吸水部材などに用いられる。また、多孔質体11は、これを用いて製造する複合多孔質体10に要求される特性に応じて適宜選択されるものであり、金属不織布であってもよく、また金属製に限らず、結晶性の黒鉛や、結晶性でない無定形炭素を含むものとしての炭素質であってもよい。
ここで、金属製の多孔質体11を製造する方法としては、金属粉末を含むスラリーを薄く成形して乾燥させることによってグリーンシートを得た後、このグリーンシートを焼成する方法がある。
図5に、ドクターブレード法によってスラリーを薄く成形するためのグリーンシート製造装置を示す。
スラリーSは、例えばSUS316L等の金属粉末、有機バインダ(メチルセルロース)、溶媒(水)を混合したものであり、必要に応じて、加熱処理により気化する発泡剤(ヘキサン)や消泡剤(エタノール)等が添加される。
グリーンシート製造装置30において、まず、スラリーSが貯蔵されたホッパ31から、ローラ32によって搬送されるキャリアシート33上にスラリーSが供給されると、キャリアシート33上のスラリーSが、移動するキャリアシート33とドクターブレード34との間で延ばされ、所定の厚さに成形される。
成形されたスラリーSは、さらにキャリアシート33によって搬送され、加熱炉35を通過するとともに、この加熱炉35中で乾燥されることにより、SUS316L粉末が有機バインダによって接合された状態のグリーンシートGが形成される。なお、スラリーSに発泡剤が含まれる場合、キャリアシート33上に延ばされた状態のスラリーSを、乾燥前に、高湿度雰囲気下にて加熱処理し、発泡剤を発泡させて発泡スラリーとしてから、乾燥処理を行ってグリーンシートGを形成する。
最後に、このグリーンシートGは、キャリアシート33から取り外された後、図示しない真空炉にて脱脂・焼成されることにより、有機バインダが取り除かれ、金属粉末同士が焼結した多孔質体11となる。
このようにして得られた多孔質体11は、図1から図4に示すようなインサート成形用金型装置1を用いたインサート成形において、インサート部品としてキャビティ2にインサートされ、キャビティ2に溶融樹脂が射出されることにより、図6に示すような複合多孔質体10が製造される。
このインサート成形用金型装置1は、図1から図4に示すように、固定金型3及び可動金型4からなり、互いの金型面3a,4aが対向するように配設されるとともに、可動金型4が固定金型3に向かって進退可能に支持された構成の一対の金型と、金型面3a,4aの表面に沿った方向に多孔質体11を位置決めする位置決め手段8とを備える概略構成とされている。そして、図2から図4に示すように、可動金型4が固定金型3に向かって前進し型締め状態になると、金型面3a,4aの間に複合多孔質体10をインサート成形するためのキャビティ2が形成されるようになっている。
位置決め手段8は、図1(b)に示すように、それぞれが平面視コ字状に形成された第1,第2の位置決め部8a,8bと、これらの位置決め部8a,8bを可動金型面4aに対して出没可能に支持した例えば油圧,空圧シリンダーからなる図示しない駆動部と、第1,第2の位置決め部8a,8bと前記駆動部との間に配設された例えばスプリングやゴムなどからなる弾性部材8cとを備えている。なお、図1から図4では弾性部材8cとしてスプリングを図示している。
また、前記駆動部は、位置決め部8a,8bを各別に出没移動させる図示しない第1,第2の駆動部を備えており、これらの駆動部により第1,第2の位置決め部8a,8bが可動金型面4aに進出移動すると、図1(b)に示すように、これらの位置決め部8a,8bが全体として枠体を構成するようになっている。
以上のように構成された位置決め手段8により、多孔質体11は次の2つの方法によって金型面3a,4aの表面に沿った方向に位置決めされることになる。
まず、1つ目は、前記第1,第2の駆動部により位置決め部8a,8bを可動金型面4aに進出移動して枠体を構成した後に、多孔質体11をこの枠体の内側に位置する可動金型面4a上に配置する。これにより、多孔質体11の外周縁部が第1,第2の位置決め部8a,8bの内面の少なくとも一部に接することによって、図1に示すように、多孔質体11が金型面3a,4aの表面に沿った方向に位置決めされる。
次に、2つ目は、多孔質体11を可動金型面4a上に配置した後に、前記第1,第2の駆動部により第1,第2の位置決め部8a,8bを可動金型面4aに進出移動する。この際、第1,第2の位置決め部8a,8bの内面の少なくとも一部が多孔質体11の外周縁部に接することにより、図1に示すように、多孔質体11の前記位置決めがなされる。
ここで、キャビティ2に溶融樹脂7を供給するランナ5およびゲート6は、キャビティ2における第1の位置決め部8aの配設位置、および第2の位置決め部8bの配設位置にそれぞれ各別に形成されており、本実施形態においては、可動金型面4aに沿った方向において互いが対向する位置に形成されている。
以上のように構成されたインサート成形用金型装置1により、図6に示す複合多孔質体10を製造する方法について説明する。
まず、多孔質体11を可動金型面4a上に前述したように位置決め状態で配置する(図1参照)。そして、前述したように第1,第2の位置決め部8a,8bを多孔質体11の外周縁部に接触させた状態で、可動金型4を固定金型3に向かって前進移動させて型締めし、金型面3a,4aにより多孔質体11を型開閉方向に圧縮して固定するとともに、キャビティ2を形成する。ここで、この型締めの過程において、第1,第2の位置決め部8a,8bの先端面が固定金型面3aに当接した後は、可動金型4の前進移動に従って、徐々に弾性部材8cが縮小されることにより、第1,第2の位置決め部8a,8bの可動金型面4aからの突出長さが短くなる(図2参照)。
その後、前記第1の駆動部により第1の位置決め部8aのみを後退移動させ、この位置決め部8aの先端面と可動金型面4aとを面一とし、金型面3a,4a間における第1の位置決め部8aが位置していた部分に第1のキャビティが得られる。そして、この第1のキャビティと連通しているゲート6を介してランナ5から溶融樹脂7を射出する(図3参照)。
その後、第1のキャビティ内で溶融樹脂7が硬化する前に、第1の位置決め部8aと対向するように配置されている第2の位置決め部8bを前記第2の駆動部により後退移動させ、この位置決め部8bの先端面と可動金型面4aとを面一とし、金型面3a,4a間における第2の位置決め部8aが位置していた部分に第2のキャビティが得られる。そして、この第2のキャビティと連通しているゲート6を介してランナ5から溶融樹脂7を射出し(図4参照)、この溶融樹脂7を第1のキャビティ内に射出された溶融樹脂7と連続した状態で硬化させることにより、多孔質体11と樹脂部12とが段差なく連なり一体になったインサート成形品である複合多孔質体10が形成される。
その後、可動金型4を固定金型3から離間するように後退移動させるとともに、位置決め部8a,8bを可動金型面4aから突出するように前記各駆動部により再度進出移動させる。これにより、複合多孔質体10は可動金型4aの表面から良好に引離されてインサート成形用金型装置1から取除かれる。
以上により形成された複合多孔質体10は、溶融樹脂7を第1,第2のキャビティに射出した際、この溶融樹脂7は多孔質体11の側部に開口する気孔内に5μm〜1000μm程度の深さまで含浸して硬化することなり、これにより、多孔質体11と樹脂部12とはアンカー効果で強固に接合されることになる。例えば、樹脂部12の材料にポリプロピレンを用いた場合、成形温度180℃、80kNで型締めし、成形圧250kg/cmで射出成形すると、このような複合多孔質体10が得られる。
また、型締め時のキャビティ2の厚さ(型開閉方向の大きさ)は、多孔質体11よりも若干小さく設定されており、型締め時に金型面3a,4a間で多孔質体11を3〜90%圧縮することで、多孔質体11はキャビティ2に対して確実に固定されるとともに、多孔質体11の平坦度が向上される。
以上説明したように、本実施形態によるインサート成形方法によれば、第1のキャビティに溶融樹脂7を射出する際に、第2の位置決め部8bを可動金型面4aに対して進出移動させておくので、キャビティ2における溶融樹脂7の射出圧により、多孔質体11に金型面3a,4aに沿った方向に移動しようとする力が作用しても、第2の位置決め部8bによってこの方向の位置ずれ発生を抑制することができる。
また、第1の位置決め部8aを可動金型面4aから後退移動させて、第1のキャビティを形成した後に、溶融樹脂7をこの第1のキャビティに射出し、その後、進出移動している第2の位置決め部8bを後退移動させて第2のキャビティを形成し、この第2のキャビティに溶融樹脂7を射出するので、1回で射出する溶融樹脂7の小容積化を図ることが可能になるとともに、この溶融樹脂7の充填距離、すなわち射出時に溶融樹脂7がキャビティ内を移動する距離を短くすること可能になるため、射出圧を低く設定しても溶融樹脂7を多孔質体11の外周縁部に沿わせて配設することができる。したがって、溶融樹脂7の射出圧による多孔質体11の変形発生や、金型面3a,4aに沿った位置ずれ発生を抑制することができるとともに、この多孔質体11の外周縁部に沿うように確実に溶融樹脂7を行き渡らせることが可能になる。
さらに、第1,第2のキャビティに溶融樹脂7を各別に射出するので、例えば、第1のキャビティ内で一次成形品を成形した後に、第2の位置決め部8bを後退移動させて第2のキャビティを形成し、その後、この第2のキャビティ内で先に成形した一次成形品と一体に二次成形品を成形する方法を実現できる。この場合、複合多孔質体10を構成する樹脂部12が、色,材質などが異なる少なくとも2種類の材料からなる構成を製造することが可能になる。
また、金型面3a,4aが多孔質体11を型開閉方向に圧縮して固定する型締めの過程において、第1,第2の位置決め部8a,8bを可動金型面3aに対して進出移動させておくので、この型締めの過程における多孔質体11の金型面3a,4aに沿った方向の位置ずれ発生を抑制することができる。
なお、多孔質体11については、前述したように、これを用いて製造する複合多孔質体10に求められる特性に応じて適宜選択されるものであるが、多孔質体11の気孔径や気孔率が小さすぎると、溶融樹脂7が気孔中に適度に入り込めなくなってアンカー効果が不十分となり、樹脂部12との接合強度が十分に得られないおそれがある。
逆に、多孔質体11の気孔径や気孔率が大きすぎても、多孔質体11自体の強度が不足して、樹脂成形圧及び樹脂硬化時の圧縮に耐えられなくなって変形の生じるおそれや、溶融樹脂7が多孔質体11の気孔内の奥深くまで浸透しすぎてしまって、所望の形状を維持することができなくなるおそれがある。
それゆえ、多孔質体11については、気孔径が10μm〜2mm程度、気孔率が40〜98%程度に設定されていることが好ましい。
一方、樹脂部12についても、これを用いて製造する複合多孔質体10に求められる特性に応じて耐熱温度や硬度等が考慮されつつ適宜選択されるものであって、熱可塑性樹脂、エラストマー(ゴムを含む)など、射出成形可能な材質であればよい。
また、この樹脂部12は、図6(b)に示すように平坦であってもよいが、ねじ挿通孔用の穴や、装置に対する嵌合用の溝形状、強度向上のためのリブ形状、ボスなどを樹脂成形時に設けておいてもよい。
さらに、前記実施形態では、複合多孔質体10として、図6(b)に示すように、樹脂部12の厚さを多孔質体11の厚さと略同一にして、この樹脂部12を多孔質体11の外周縁部に対して段差なく連ねた構成を示したが、この段差を有する構成であってもよい。例えば、樹脂部12の厚さを多孔質体11の厚さより約0.01mm薄くし、多孔質体11の外周縁部に対して段差を付けて連ねた構成であってもよい。
さらにまた、樹脂部12は、図6(a)に示すように、多孔質体11の外周縁部すべてに連なる必要はなく、必要に応じて部分的に連なっていてもよいし、多孔質体11に予め穴を設けておいて、ここに溶融樹脂7を充填するように射出することにより、多孔質体11の外周縁部だけではなく中程にも樹脂部12が連なるようにしてもよいし、多孔質体12の少なくとも片面側に例えば格子状に連なるようにしてもよい。
また、前記実施形態では、位置決め手段8を可動金型4に配設した構成を示したが、固定金型3に配設してもよい。このような構成においても、前記実施形態と同様の作用効果を有する。
すなわち、この構成では、次のような製造方法が実現される。可動金型4が前進移動して型締めする過程において、固定金型3に配設された位置決め部8a,8bのうち少なくとも一方が多孔質体11の外周縁部に接することにより、徐々に多孔質体11が金型面3a,4aに沿った方向に位置決めされ、型締めが完了した際に、この位置決めが完了するとともに、多孔質体11が金型面3a,4aにより型開閉方向に圧縮されて固定されることになる。その後、前記実施形態と同様に、第1,第2のキャビティを順次形成して、これらのキャビティに各別に溶融樹脂7を射出する。
さらにこの構成では、複合多孔質体10を形成した後に、可動金型4を固定金型3から離間するように後退移動させ、その後、再度位置決め部8a,8bを固定金型面3a上に進出移動すると、可動金型4が固定金型3から後退移動した際に、複合多孔質体10が固定金型面3a上に取られる不具合、いわゆる「キャビ取られ」の発生が抑制される。
また、前記実施形態では、型締め時に、第1,第2の位置決め部8a,8bの先端面と固定金型面3aとを当接させ、第1,第2の位置決め部8a,8bを前記駆動部により可動金型面4aから後退移動させた方法を示したが、これに限らず、型締め時に第1,第2の位置決め部8a,8bの先端面と固定金型面3aとの間に間隙を形成しておいてもよい。さらにこの場合、前記第1,第2の駆動部を介さずに射出圧によって、弾性部材8cにより徐々に位置決め部8a,8bを各別に後退移動させるようにしてもよい。
さらに、位置決め部8a,8bは、前記実施形態に限らず、例えば、金型面3aまたは4aに出没可能に支持された1本以上のピン部材であってもよい。なお、このピン部材の断面形状は、円形状、矩形状、楕円形状などのいずれであってもよい。
さらにまた、第1,第2のキャビティに各別にランナ5からゲート6を介して溶融樹脂を射出した方法を示したが、このキャビティの数(位置決め部の数)は2つに限らずこれ以上であってもよい。
インサート成形品としての複合多孔質体を高精度に製造することができるインサート成形方法を提供する。
(a)は本発明の一実施形態として示したインサート成形方法の第1工程を示す図であり、(b)は(a)に示すインサート成形用金型装置の一部を示す断面平面図である。 本発明の一実施形態として示したインサート成形方法の第2工程を示す図である。 本発明の一実施形態として示したインサート成形方法の第3工程を示す図である。 本発明の一実施形態として示したインサート成形方法の第4工程を示す図である。 多孔質体を製造する方法の一例を示す模式図である。 (a)は複合多孔質体の平面図、(b)は複合多孔質体の断面側面図である。
符号の説明
1 インサート成形用金型装置
2 キャビティ
3 固定金型
3a 固定金型面
4 可動金型
4a 可動金型面
7 溶融樹脂
8 位置決め手段
8a 第1の位置決め部
8b 第2の位置決め部
10 複合多孔質体
11 多孔質体
12 樹脂部

Claims (1)

  1. 型締め状態で金型面間に形成されるキャビティにインサート部品としての多孔質体をインサートし、この多孔質体に連なるように溶融樹脂を射出するインサート成形を行うことにより、多孔質体と樹脂部とが一体に形成されてなる複合多孔質体を製造するためのインサート成形用金型装置を用いたインサート成形方法であって、前記インサート成形用金型装置は、前記金型面に対して出没可能に支持された位置決め手段を備え、 該位置決め手段は、前記金型面に対して進出移動したときに当該金型面に配置された前記多孔質体の縁部のうち複数箇所に各別に対向するとともに、これらのうち少なくとも一つが前記多孔質体の縁部に接し、該多孔質体を前記金型面に沿った方向に位置決めする構成とされた複数の位置決め部を備え、前記複数の位置決め部を前記金型面に対して進出移動させた状態で、型締めによって前記多孔質体を前記金型面により固定した後、前記位置決め部のうち少なくとも一つを後退移動して第1のキャビティを形成し、該第1のキャビティに溶融樹脂を射出した後に、前記金型面に対して前進移動している前記位置決め部を後退移動して第2のキャビティを形成し、該第2のキャビティに溶融樹脂を射出することを特徴とするインサート成形方法。
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