JP4123579B2 - 等速ジョイントの組立方法 - Google Patents

等速ジョイントの組立方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4123579B2
JP4123579B2 JP20487198A JP20487198A JP4123579B2 JP 4123579 B2 JP4123579 B2 JP 4123579B2 JP 20487198 A JP20487198 A JP 20487198A JP 20487198 A JP20487198 A JP 20487198A JP 4123579 B2 JP4123579 B2 JP 4123579B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pockets
balls
circumferential direction
inner ring
ring
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP20487198A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000081049A5 (ja
JP2000081049A (ja
Inventor
重興 嘉山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NSK Ltd filed Critical NSK Ltd
Priority to JP20487198A priority Critical patent/JP4123579B2/ja
Publication of JP2000081049A publication Critical patent/JP2000081049A/ja
Publication of JP2000081049A5 publication Critical patent/JP2000081049A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4123579B2 publication Critical patent/JP4123579B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D3/00Yielding couplings, i.e. with means permitting movement between the connected parts during the drive
    • F16D3/16Universal joints in which flexibility is produced by means of pivots or sliding or rolling connecting parts
    • F16D3/20Universal joints in which flexibility is produced by means of pivots or sliding or rolling connecting parts one coupling part entering a sleeve of the other coupling part and connected thereto by sliding or rolling members
    • F16D3/22Universal joints in which flexibility is produced by means of pivots or sliding or rolling connecting parts one coupling part entering a sleeve of the other coupling part and connected thereto by sliding or rolling members the rolling members being balls, rollers, or the like, guided in grooves or sockets in both coupling parts
    • F16D3/223Universal joints in which flexibility is produced by means of pivots or sliding or rolling connecting parts one coupling part entering a sleeve of the other coupling part and connected thereto by sliding or rolling members the rolling members being balls, rollers, or the like, guided in grooves or sockets in both coupling parts the rolling members being guided in grooves in both coupling parts
    • F16D2003/22303Details of ball cages
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/80Technologies aiming to reduce greenhouse gasses emissions common to all road transportation technologies
    • Y02T10/86Optimisation of rolling resistance, e.g. weight reduction 

Landscapes

  • Arrangement And Driving Of Transmission Devices (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば独立懸架式サスペンションに駆動輪を支持する為の転がり軸受ユニットに一体的に組み込み、トランスミッションから駆動輪に駆動力を伝達するのに利用する等速ジョイントの組立方法に関する
【0002】
【従来の技術】
自動車のトランスミッションと、独立懸架式サスペンションにより支持した駆動輪との間には等速ジョイントを設けて、デファレンシャルギヤと駆動輪との相対変位や車輪に付与された舵角に拘らず、エンジンの駆動力を駆動輪に、全周に亙り同一角速度で伝達自在としている。この様な部分に使用される等速ジョイントとして従来から、例えば実開昭57−145824〜5号公報、同59−185425号公報、同62−12021号公報等に記載されたものが知られている。
【0003】
この様な従来から知られた等速ジョイント1は、例えば図7〜9に示す様に、内輪2と外輪3との間の回転力伝達を6個のボール4、4を介して行なう様に構成している。上記内輪2は、トランスミッションにより回転駆動される一方の軸5の軸方向外端部に固定する。又、上記外輪3は、駆動輪を結合する他方の軸6の軸方向内端部に固定する。上記内輪2の外周面2aには、断面円弧形の内側係合溝7、7を6本、円周方向等間隔に、それぞれ円周方向に対し直角方向に形成している。又、上記外輪3の内周面3aで、上記各内側係合溝7、7と対向する位置には、やはり断面円弧形の外側係合溝8、8を6本、円周方向に対し直角方向に形成している。
【0004】
又、上記内輪2の外周面2aと外輪3の内周面3aとの間には、断面が円弧状で全体が円環状の保持器9を挟持している。この保持器9の円周方向6箇所位置で、上記内側、外側両係合溝7、8に整合する位置には、それぞれポケット10、10を形成し、各ポケット10、10の内側にそれぞれ1個ずつ、合計6個のボール4、4を保持している。これらのボール4、4は、それぞれ上記各ポケット10、10に保持された状態で、上記内側、外側両係合溝7、8に沿い転動自在である。
【0005】
上記各ポケット10、10は図9に示す様に、円周方向に長い矩形とし、次述する軸交角αの変化に伴って、円周方向に隣り合うボール4、4同士の間隔が変化した場合でも、この変化を吸収できる様にしている。即ち、上記内側係合溝7、7の底面7a、7a同士の位置関係、並びに上記各外側係合溝8、8の底面8a、8a同士の位置関係は、図10に一点鎖線で示す様に、地球儀の経線の如き関係になっている。上記内輪2の中心軸と外輪3の中心軸とが一致している(軸交角α=180°)場合に上記各ボール4、4は、図10に二点鎖線で示した、地球儀の赤道に対応する位置の近傍に存在する。これに対して、上記内輪2の中心軸と外輪3の中心軸とが不一致になる(軸交角α<180°)と、等速ジョイント1の回転に伴って上記各ボール4、4が、図10の上下方向に往復変位(地球儀の北極方向と南極方向とに交互に変位)する。この結果、円周方向に隣り合うボール4、4同士の間隔が拡縮するので、上記各ポケット10、10を、それぞれ円周方向に長い矩形として、上記間隔の拡縮を行なえる様にしている。尚、上記内側係合溝7、7の底面7a、7aと上記各外側係合溝8、8の底面8a、8aとは、前述の説明から明らかな通り、互いに同心ではない。従って、上記経線に相当する線は、これら各係合溝7、8毎に、互いに少しずれた位置に存在する。
【0006】
更に、図7に示す様に、前記一方の軸5と他方の軸6との変位に拘らず、上記各ボール4、4を、これら両軸5、6の軸交角α、即ち、上記一方の軸5の中心線aと他方の軸6の中心線bとの交点oで両線a、bのなす角度αを二等分する、二等分面c内に配置している。この為に、上記内側係合溝7、7の底面7a、7aは、上記中心線a上で、上記交点oからhだけ離れた点dを中心とする球面上に位置させ、上記外側係合溝8、8の底面8a、8aは、上記中心線b上で、上記交点oからhだけ離れた点eを中心とする球面上に位置させている。但し、前記内輪2の外周面2a、外輪3の内周面3a、並びに前記保持器9の内外両周面は、それぞれ上記交点oを中心とする球面上に位置させて、上記内輪2の外周面2aと保持器9の内周面との摺動、並びに外輪3の内周面3aと保持器9の外周面との摺動を自在としている。
【0007】
上述の様に構成する等速ジョイント1の場合、上記一方の軸5により内輪2を回転させると、この回転運動は6個のボール4、4を介して外輪3に伝達され、他方の軸6が回転する。両軸5、6同士の位置関係(上記軸交角α)が変化した場合には、上記各ボール4、4が内側、外側両係合溝7、8に沿って転動し、上記一方の軸5と他方の軸6との変位を許容する。
【0008】
等速ジョイントの基本的な構造及び作用は上述の通りであるが、この様な等速ジョイントと、車輪を懸架装置に対して回転自在に支持する為の車輪用転がり軸受ユニットとを一体的に組み合わせる事が、近年研究されている。即ち、自動車の車輪を懸架装置に回転自在に支持する為には、外輪と内輪とを転動体を介して回転自在に組み合わせた車輪用転がり軸受ユニットを使用する。この様な車輪用転がり軸受ユニットと上述の様な等速ジョイントとを一体的に組み合わせれば、これら車輪用転がり軸受ユニットと等速ジョイントとを、全体として小型且つ軽量に構成できる。この様な車輪用転がり軸受ユニットと等速ジョイントとを一体的に組み合わせた、所謂第四世代のハブユニットと呼ばれる車輪用転がり軸受ユニットとして従来から、特開平7−317754号公報に記載されたものが知られている。
【0009】
図11は、この公報に記載された従来構造を示している。車両への組み付け状態で、懸架装置に支持した状態で回転しない外輪11は、外周面にこの懸架装置に支持する為の第一の取付フランジ12を、内周面に複列の外輪軌道13、13を、それぞれ有する。上記外輪11の内側には、第一、第二の内輪部材14、15を組み合わせて成るハブ16を配置している。このうちの第一の内輪部材14は、外周面の軸方向外端寄り(図11の左寄り)部分に車輪を支持する為の第二の取付フランジ17を、同じく軸方向内端寄り(図11の右寄り)部分に第一の内輪軌道18を、それぞれ設けた円筒状に形成している。これに対して、上記第二の内輪部材15は、軸方向外端部(図11の左端部)を、上記第一の内輪部材14を外嵌固定する為の円筒部19とし、軸方向内端部(図11の右端部)を等速ジョイント1aの外輪3Aとし、中間部外周面に第二の内輪軌道20を設けている。そして、上記各外輪軌道13、13と上記第一、第二の内輪軌道18、20との間にそれぞれ複数個ずつの転動体21、21を設ける事により、上記外輪11の内側に上記ハブ16を、回転自在に支持している。
【0010】
又、上記第一の内輪部材14の内周面と上記第二の内輪部材15の外周面との互いに整合する位置には、それぞれ係止溝22、23を形成すると共に、止め輪24を、これら両係止溝22、23に掛け渡す状態で設けて、上記第一の内輪部材14が上記第二の内輪部材15から抜け出るのを防止している。更に、上記第二の内輪部材15の軸方向外端面(図11の左端面)外周縁部と、上記第一の内輪部材14の内周面に形成した段部25の内周縁部との間に溶接26を施して、上記第一、第二の内輪部材14、15同士を結合固定している。
【0011】
更に、上記外輪11の両端開口部と上記ハブ16の中間部外周面との間には、ステンレス鋼板等の金属製で略円筒状のカバー27a、27bと、ゴム、エラストマー等の弾性材製で円環状のシールリング28a、28bとを設けている。これらカバー27a、27b及びシールリング28a、28bは、上記複数の転動体21、21を設置した部分と外部とを遮断し、この部分に存在するグリースが外部に漏出するのを防止すると共に、この部分に雨水、塵芥等の異物が侵入する事を防止する。又、上記第二の内輪部材15の中間部内側には、この第二の内輪部材15の内側を塞ぐ隔板部29を設けて、この第二の内輪部材15の剛性を確保すると共に、この第二の内輪部材15の先端(図11の左端)開口からこの第二の内輪部材15の内側に入り込んだ異物が、前記等速ジョイント1a部分にまで達する事を防止している。尚、この等速ジョイント1aは、前述の図7〜9に示した等速ジョイント1と同様に構成している。
【0012】
上述の様に構成する車輪用転がり軸受ユニットを車両に組み付ける際には、第一の取付フランジ12により外輪11を懸架装置に支持し、第二の取付フランジ17により駆動輪である車輪を第一の内輪部材14に固定する。又、エンジンによりトランスミッションを介して回転駆動される、図示しない駆動軸の先端部を、等速ジョイント1aを構成する内輪2の内側にスプライン係合させる。自動車の走行時には、この内輪2の回転を、複数のボール4、4を介して第二の内輪部材15を含むハブ16に伝達し、上記車輪を回転駆動する。
【0013】
上述の様な第四世代のハブユニットをより小型化する為には、上記等速ジョイント1aを構成する複数個のボール4、4の外接円の直径を小さくする事が有効である。そして、この外接円の直径を小さくする為、上記各ボール4、4の直径を小さくし、しかも上記等速ジョイント1aにより伝達可能なトルクを確保する為には、上記ボール4、4の数を増やす必要がある。又、この様な事情によりボール4、4の数を増やした場合でも、これら各ボール4、4を保持する保持器9の耐久性を確保する為には、この保持器9に設けた複数のポケット10、10同士の間に存在する柱部30、30(図8、9、12〜15参照)の円周方向に亙る長さ寸法を確保する必要がある。何となれば、これら各柱部30、30の円周方向に亙る長さ寸法が不十分であると、上記保持器9の強度が不足し、長期間に亙る使用に伴って、上記各ポケット10、10の周縁部から亀裂等の損傷が発生する可能性が生じる為である。但し、これら各柱部30、30の長さ寸法を大きくする事は、ボール4、4との干渉防止の面から規制を受ける。即ち、第一として上記各ポケット10、10の円周方向に亙る長さは、上記等速ジョイント1aをジョイント角(内輪2の中心軸と外輪3Aの中心軸との位置関係が直線状態からずれた角度。図7に示した軸交角αの補角。)を付した状態で回転させた場合に、上記各ボール4、4が上記保持器9の円周方向に変位できる大きさである必要がある。又、第二として上記長さは、上記等速ジョイント1aを組み立てるべく、内輪2と外輪3Aと保持器9とを組み合わせた後、この保持器のポケット10、10内に、上記各ボール4、4を組み込める大きさでなければならない。
【0014】
この様な点を考慮しつつ、上記ボール4、4の数を6個よりも多くし、上記各柱部30、30の長さ寸法を大きくする構造として、特開平9−177814号公報には、図12〜15に示す様な等速ジョイント1bが記載されている。この公報に記載された等速ジョイント1bは、内輪2と外輪3との間の回転力伝達を8個のボール4、4を介して行なう様に構成している。そして、この公報に記載された構造の場合には、保持器9aの円周方向8個所に、円周方向に亙る長さ寸法が大きいポケット10a、10aと長さ寸法が短いポケット10b、10bとを互いに等間隔に(分割ピッチ角を互いに等しくして)、且つ交互に配置している。これら2種類のポケット10a、10bのうち、長さ寸法が短いポケット10b、10bは、ジョイント角を最大にしての上記等速ジョイント1bの使用状態でも、これら各ポケット10b、10bの長さ方向両端部内側面とこれら各ポケット10b、10b内に保持されたボール4、4の転動面とが干渉しない大きさにしている。これに対して、長さ寸法が長いポケット10a、10aは、上記各ポケット10b、10b内に上記各ボール4、4を組み込むべく、上記内輪2の中心軸と上記外輪3の中心軸とを、上記使用状態でのジョイント角の最大値を越えて傾斜させた状態でも、上記各ポケット10a、10aの長さ方向両端部内側面と、既にこれら各ポケット10a、10a内に組み込んであるボール4、4とが干渉しない大きさにしている。
【0015】
上述の様に構成される、前記特開平9−177814号公報に記載された等速ジョイントによれば、長さ寸法が長いポケット10a、10aにボール4、4を組み込んだ後、長さ寸法が短いポケット10b、10b内にボールを組み込む事により、総てのポケット10a、10b内にボール4、4を組み込める。即ち、これら各ポケット10a、10b内にボール4、4を組み込む際には、図15に示す様に、上記内輪2の中心軸と上記外輪3の中心軸とを、上記使用状態でのジョイント角の最大値を越えて傾斜させた状態で行なう。長さ寸法が長いポケット10a、10aにボール4、4を組み込む際には、これら各ポケット10a、10aの端部と、上記内輪2の外周面に形成した内側係合溝7、7の端部とが、上記ボール4、4の1個分以上整合する。従って、これら各ポケット10a、10a内へのボール4、4の組み込みを確実に行なえる。次いで、長さ寸法が短い4個のポケット10b、10b内にボール4、4を組み込むべく、上記内輪2の中心軸と上記外輪3の中心軸とを図15に示す様に傾斜させると、既に上記長さ寸法が長いポケット10a、10a内に組み込んであるボール4、4が、図14に鎖線矢印で示す様に、長さ寸法が短いポケット10b、10bに近づく方向に、上記各ポケット10a、10a内で変位する。そして、上記長さ寸法が短い各ポケット10b、10bの中央部と、上記内輪2の外周面に形成した内側係合溝7、7の端部とが整合する。従って、これら各ポケット10b、10b内へのボール4、4の組み込みを確実に行なえる。
【0016】
この様に、上記各ポケット10a、10b内にボール4、4を組み込む状態に就いて、図16により説明する。この図16は、上記公報に記載された等速ジョイントに組み込む保持器9aのポケット10a、10bの配置並びにそれぞれの長さを模式的に示している。4個ずつ合計8個設けられたポケット10a、10bは、円周方向に亙って45度刻みで互いに等間隔で配置している。斜格子で示すと共に符号▲1▼〜▲8▼を付した円弧状部分は、上記各ポケット10a、10bの位置及びその長さを表している。即ち、これら各円弧状部分の円周方向中央位置が、上記各ポケット10a、10bの長さ方向中央位置に対応する。又、上記各円弧状部分の長さが、これら各ポケット10a、10bの長さに対応して変化する、これら各ポケット10a、10b内でのボール4、4(図12〜15)の円周方向に亙る変位量を表している。即ち、長さ寸法が長いポケット10a、10a内に組み込んだボール4、4は、円周方向中央位置を中心として円周方向両側に、それぞれγ0 ずつ変位自在である。これに対して、長さ寸法が短いポケット10b、10b内に組み込んだボール4、4は、円周方向中央位置を中心として円周方向両側に、それぞれγ1 ずつ変位自在である。尚、この図16及び後述する図6に記載した角度γ0 、γ1 は、明瞭化の為、誇張して表している。又、同心円状に配置された異なる部分に描いた上記符号▲1▼〜▲8▼を付した円弧状部分にボール4、4を組み込む作業は、直径方向内側から外側に向け、順次行なう。同一円弧上に描いた円弧状部分へのボール4、4の組み込みは、同時には行なわないが、組み込み手順の前後は問わない。
【0017】
上述の様に表せる、上記公報に記載された保持器9aにボール4、4を組み込む際には、先ず、符号▲1▼▲3▼▲5▼▲7▼を付した、長さ寸法が長いポケット10a、10aにボール4、4を、順次1個ずつ組み込む。次いで、符号▲2▼▲4▼▲6▼▲8▼を付した、長さ寸法が短い4個のポケット10b、10b内にボールを、順次1個ずつ組み込む。この組み込み作業の為、上記内輪2の中心軸と上記外輪3の中心軸とを図15に示す様に傾斜させると、既に上記長さ寸法が長いポケット10a、10a内に組み込んであるボール4、4が、図16に矢印で示す様に、長さ寸法が短いポケット10b、10bに近づく方向に、上記各ポケット10a、10a内で変位する。但し、これら各ポケット10a、10aの長さは大きい為、上記長さ寸法が短い各ポケット10b、10bと、上記内輪2の外周面に形成した内側係合溝7、7の端部とが、ボール4の1個分以上整合するよりも前に、上記各ポケット10a、10aの長さ方向端部内面と既に上記各ポケット10a、10a内に組み込んである各ボール4、4の転動面とが干渉する事はない。従って、上記内輪2の中心軸と外輪3の中心軸とを大きく傾斜させる事ができて、上記長さが短い各ポケット10b、10b内へのボール4、4の組み込みを行なえる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
上述した特開平9−177814号公報に記載された等速ジョイントの場合には、円周方向に亙る長さ寸法が異なる2種類のポケット10a、10bを、円周方向に亙って交互に且つ等間隔で配置している。この為、単一種類のポケットを使用した場合に比べれば、円周方向に隣り合うポケット同士の間に存在する柱部の円周方向に亙る長さ寸法を大きくできるが、未だ十分に大きくできるとは言えない。
【0019】
即ち、上記公報に記載された従来構造の等速ジョイントの組立方法の場合には、保持器のポケット10a、10bの周方向長さを長短2種類として、特にこれら各ポケット10a、10b内にボール4を組み込む際に、保持器9aを円周方向に変位(旋回)させる事を考慮してはいない。これに対して本発明者は、ポケット内にボールを組み込む際に、既に他のポケット内に組み込んであるボールが当該ポケットの円周方向端縁を押し、保持器を円周方向に旋回させる様に構成する事により、長短2種類のポケットのうち、長い方のポケットを短くして、柱部の円周方向に亙る長さ寸法を大きくし、保持器の強度及び耐久性の向上を図れるものと考えた。
【0020】
但し、長短2種類のポケットの長さを無規制に定めても、ポケット内へのボールの組み込みを行なえなくなったり、或は柱部の寸法を十分に確保できず、保持器の耐久性向上を十分に図れない。
本発明は、この様な事情に鑑み、上記柱部の長さ寸法をより大きくして保持器の強度を向上させ、小型でしかも優れた耐久性を有する等速ジョイントの組立方法を実現すべく発明したものである。
【0021】
【課題を解決する為の手段】
本発明の組立方法の対象となる等速ジョイントは、前述した従来の等速ジョイントと同様に、内輪と、この内輪の外周面の円周方向等間隔位置に存在する8個所に、それぞれ円周方向に対し直角方向に形成された断面円弧形の内側係合溝と、上記内輪の周囲に設けられた外輪と、この外輪の内周面で上記各内側係合溝と対向する位置に、円周方向に対し直角方向に形成された断面円弧形の外側係合溝と、上記内輪の外周面と外輪の内周面との間に挟持され、上記内側、外側両係合溝に整合する位置にそれぞれ円周方向に長い8個のポケットを形成した保持器と、これら各ポケットの内側に1個ずつ保持された状態で内側、外側両係合溝に沿う転動を自在とされた、8個のボールとから成る。そして、これら各ボールを、上記内輪の中心軸と上記外輪の中心軸との軸交角を二等分し、これら両中心軸を含む平面に対し直交する二等分面内に配置している。
【0022】
特に、本発明の組立方法の対象となる等速ジョイントは、上記8個のポケットとして、円周方向の長さ寸法が互いに異なる2種類のポケットを円周方向に亙って交互に、且つ、円周方向に亙る配列ピッチ角を配列ピッチ角の大きい部分と同じく小さい部分とをそれぞれ2個所1組とし、配列ピッチ角の大きい部分と同じく小さい部分とを円周方向に亙り交互に配置した状態で設けている。そして、上記各ポケット内にボールを組み込むべく、上記内輪の中心軸と上記外輪の中心軸とを大きく変位させた場合に、既に他のポケット内に組み込まれているボールが円周方向に亙って変位する角度のうちの最大値をγ0 とし、完成後の等速ジョイントの上記内輪の中心軸と上記外輪の中心軸とを、使用状態で最も大きく変位させた場合に、上記各ポケット内に組み込まれているボールが円周方向に亙って変位する角度のうちの最大値をγ1 とし、上記保持器の外径をDc とし、上記保持器の外周面側での上記2種類のポケットの円周方向の長さである円弧長さの差を△Lとした場合に、(γ0 −γ1 )・Dc /2<△L<(γ0 −γ1 )・Dc を満たすものである。
本発明の等速ジョイントの組立方法は、この様な構成を有する等速ジョイントの上記保持器に設けられた各ポケットのうちで、円周方向の長さ寸法が長いポケットへのボールの組み込み作業を、円周方向の長さ寸法が短いポケット内に既に組み込まれたボールにより、当該ポケットの円周方向端部内側面を押して上記保持器を円周方向に旋回させて行なう。
【0023】
【作用】
上述の様に構成する本発明の等速ジョイントの組立方法によれば、円周方向に亙る長さが大きいポケットのポケット長さを小さくできて、柱部の円周方向に亙る長さを大きくできる。
又、本発明の組立方法により組み立てられる等速ジョイントは、各ポケット内へのボールの組み込みを可能にし、しかも円周方向に隣り合うポケット同士の間に存在する柱部の寸法を十分に確保して、保持器の耐久性向上を十分に図れる。この結果、等速ジョイントを小型化して、この等速ジョイントの外輪と車輪支持用の転がり軸受ユニットの内輪を一体化した所謂第四世代のハブユニットの実用化に寄与できる。
【0024】
【発明の実施の形態】
図1〜5は、本発明の実施の形態の1例として、本発明を第四世代のハブユニットを構成する等速ジョイントに適用した状態を示している。懸架装置に支持した状態で回転しない外輪11は、外周面にこの懸架装置に支持する為の第一の取付フランジ12を、内周面に複列の外輪軌道13、13を、それぞれ有する。上記外輪11の内径側には、ハブ本体31と内輪32とから成るハブ33を、この外輪11と同心に配置している。このハブ33の外周面で上記各外輪軌道13、13に対向する部分には、それぞれ第一、第二の内輪軌道18、20を設けている。これら両内輪軌道18、20のうち、第一の内輪軌道18は、上記ハブ本体31の中間部外周面に直接形成している。又、このハブ本体31の中間部のうち、上記第一の内輪軌道18を形成した部分よりも軸方向内端寄り(図1の右端寄り)部分に、上記内輪32を外嵌している。上記第二の内輪軌道20は、この内輪32の外周面に形成している。そして、上記各外輪軌道13、13と上記第一、第二の内輪軌道18、20との間に、それぞれ複数個ずつの転動体21、21を転動自在に設ける事により、上記外輪11の内側に上記ハブ33を、回転自在に支持している。
【0025】
図示の例の場合には、上述の様に、上記第一の内輪軌道18を上記ハブ本体31の外周面に直接形成する事により、この第一の内輪軌道18の直径を、上記内輪32の外周面に形成した第二の内輪軌道20の直径よりも小さくしている。又、この様に第一の内輪軌道18の直径を第二の内輪軌道20の直径よりも小さくした事に伴い、上記第一の内輪軌道18と対向する軸方向外側(自動車への組み付け状態で幅方向外側となる側を言い、図1の左側)の外輪軌道13の直径を、軸方向内側(自動車への組み付け状態で幅方向中央側となる側を言い、図1の右側)の外輪軌道13の直径よりも小さくしている。更に、上記軸方向外側の外輪軌道13を形成した、外輪11の軸方向外半部の外径を、上記内側の外輪軌道13を形成した部分である、上記外輪11の軸方向内半部の外径よりも小さくしている。又、図示の例では、この様に第一の内輪軌道18及び軸方向外側の外輪軌道13の直径を小さくした事に伴い、これら第一の内輪軌道18と軸方向外側の外輪軌道13との間に設ける転動体21、21の数を、上記第二の内輪軌道20と軸方向内側の外輪軌道13との間に設ける転動体21、21の数よりも少なくしている。
【0026】
又、上記ハブ本体31の軸方向外端部外周面には、このハブ本体31に車輪を支持固定する為の第二の取付フランジ17を、このハブ本体31と一体に設けており、この第二の取付フランジ17に、上記車輪を結合する為の複数本のスタッド34の基端部を固定している。図示の例の場合にこれら複数本のスタッド34のピッチ円直径は、上述の様に外輪11の軸方向外半部の外径を、同じく内半部の外径よりも小さくした分だけ(上記各スタッド34の頭部35が上記外輪11の軸方向外端部外周面と干渉しない程度に)小さくしている。尚、上記ハブ本体31の外周面のうちで、上記第一の内輪軌道18を形成した部分よりも軸方向内方に存在する部分の直径は、この第一の内輪軌道18に対応する転動体21、21の内接円の直径よりも小さくしている。この理由は、車輪用転がり軸受ユニットの組み立て時に、外輪11の軸方向外端部内周面に形成した外輪軌道13の内径側に複数の転動体21、21を組み付けると共に、上記外輪11の軸方向外端部内周面にシールリング36を内嵌固定した状態で、この外輪11の内径側に上記ハブ本体31を挿入自在とする為である。又、上記ハブ本体31の中間部外周面で、上記第一の内輪軌道18と上記内輪32を外嵌した部分との間部分には、全周に亙り凹溝状の肉盗み部37を形成して、上記ハブ本体31の軽量化を図っている。
【0027】
又、上記ハブ本体31に外嵌した内輪32が軸方向内端側にずれ動くのを防止して、上記各外輪軌道13、13と上記第一、第二の内輪軌道18、20との間にそれぞれ複数個ずつ転動自在に設けた、上記各転動体21、21に付与した予圧を適正値に保持すべく、上記ハブ本体31の外周面軸方向内端寄り部分に全周に亙り形成した係止凹溝38に、止め輪39を係止している。この止め輪39は、それぞれが半円弧状である、1対の止め輪素子により構成している。この様な止め輪39は、上記各転動体21、21に適正な予圧を付与すべく、上記内輪32を上記ハブ本体31に対して軸方向外方に押圧しつつ、その内周縁部を上記係止凹溝38に係合させる。上記内輪32を軸方向外方に押圧している力を解除した状態でも上記各転動体21、21に適正な予圧を付与したままにすべく、上記止め輪39として、適切な厚さ寸法を有するものを選択使用する。即ち、上記止め輪39として、厚さ寸法が僅かずつ異なるものを複数種類用意し、上記係止凹溝38の溝幅等、転がり軸受ユニットの構成各部材の寸法との関係で適切な厚さ寸法を有する止め輪39を選択し、上記係止凹溝38に係合させる。従って、この止め輪39を係止凹溝38に係止すれば、上記押圧している力を解除しても、上記内輪32が軸方向内端側にずれ動くのを防止して、上記各転動体21、21に適切な予圧を付与したままに保持できる。
【0028】
又、上記止め輪39を構成する1対の止め輪素子が直径方向外方に変位し、この止め輪39が上記係止凹溝38から不用意に抜け落ちる事を防止すべく、この止め輪39の周囲に、間座40の一部を配置している。この間座40は、上記ハブ本体31の軸方向内端部分に設けた、等速ジョイント用の外輪41により構成する、本発明の組立方法の対象である等速ジョイント1c内に、雨水、塵芥等の異物が入り込むのを防止する為のブーツ42の軸方向外端部を外嵌支持する為のものである。又、前記外輪11の軸方向外端部内周面と上記ハブ本体31の軸方向中間部外周面との間には前記シールリング36を、上記外輪11の軸方向内端部内周面と前記内輪32の軸方向内端部外周面との間には組み合わせシールリング43を、それぞれ設けて、前記複数の転動体21、21を設置した空間44の両端開口部を塞いでいる。
【0029】
更に、上記ハブ本体31の軸方向内端部で、上記内輪32と上記ブーツ42の軸方向外端部とを外嵌した部分は、上述の様に、等速ジョイント1cの外輪となる外輪41としている。この外輪41の内周面には、それぞれ断面形状が円弧形である8本の外側係合溝8、8を、それぞれ円周方向に対し直角方向(図1の左右方向)に形成している。又、上記外輪41の内側には、この外輪41と共にツェッパ型の上記等速ジョイント1cを構成する為の、内輪2を配置している。そして、この内輪2の外周面に8本の内側係合溝7、7を、それぞれ円周方向に対し直角方向に形成している。そして、これら各内側係合溝7、7と上記各外側係合溝8、8との間に、これら各係合溝7、8毎に1個ずつ、合計8個のボール4を、保持器9bのポケット10a、10b内に保持した状態で転動自在に設けている。更に、上記内輪2の中心部には、スプライン孔45を軸方向に亙り形成している。自動車への組み付け状態でこのスプライン孔45には、図示しない駆動軸の端部をスプライン係合させ、上記内輪2及び上記8個のボール4、4を介して、上記ハブ本体31を回転駆動自在とする。
【0030】
上記保持器9bには、前述の図12〜16に示した従来構造の場合と同様に、円周方向の長さ寸法が互いに異なる2種類のポケット10a、10bを、円周方向に亙って交互に設けている。即ち、円周方向に亙る長さが大きいポケット10a、10aを90度置きに配置し、円周方向に関して、これら長さが大きいポケット10a、10a同士の中間位置に、円周方向に関する長さが小さいポケット10b、10bを配置している。但し、図示の例では、上記従来構造の場合とは異なり、上記各ポケット10a、10bの円周方向に亙る配列ピッチは一定ではない。この点に就いて、これら各ポケット10a、10bの円周方向に関する長さと共に、以下に詳述する。尚、これら各ポケット10a、10bの円周方向に関する長さは、上記保持器9bの外周面側の開口端縁部に於ける円弧長さで表す。
【0031】
先ず、上記各ポケット10a、10b内にボール4、4を組み込むべく、前記内輪2の中心軸a(図7参照)と上記外輪41の中心軸b(図7参照)とを大きく変位させた場合に、既に他のポケット10a、10b内に組み込まれているボール4、4が円周方向に亙って変位する角度のうちの最大値をγ0 (rad )とする。この角度の最大値γ0 は、後に記載する式に基づく計算によっても、或は実測によっても、容易に求める事ができる。尚、図示の例では、上記外輪41の開口周縁部に凹部46を、全周に亙り形成している。上記各ポケット10a、10b内にボール4、4を組み込む際には、上記凹部46が、図4に示す様に、これら各ボール4、4と上記外輪41の開口周縁部との干渉を防止する。従って、図示の例の場合には、上記両中心軸a、b同士の変位量が比較的小さくても、上記各ポケット10a、10b内へのボール4、4の組み込み作業を行なえる。従って、上記角度の最大値γ0 も、従来構造に比べれば小さい。
【0032】
又、上記凹部46は、ボール組み込み用治具を構成するシャフト47(図5)と、前記外側係合溝8、8の開口端縁部とが当接する事を防止して、ボール組み込み作業の円滑化に寄与する。即ち、上記各ポケット10a、10b内にボール4、4を組み込む際には、上記ボール組み込み用治具のシャフト47を上記内輪2のスプライン孔45内に挿入し、この内輪2を揺動変位させる。この際、上記シャフト47の外周面が、円周方向に亙って凹凸部を構成する、上記外側係合溝8、8の開口端縁部に当接すると、上記シャフト47を操作する作業者に違和感を与える。これに対して本例の場合には、上記凹部46を設ける事により、上記開口端縁部と上記シャフト47の外周面とが当接する事を防止している。即ち、上記外輪41に対して上記シャフト47を大きく傾斜させた場合にこのシャフト47の外周面は、上記凹部46の開口周縁部に当接する。この開口周縁部は全周に亙って滑らかに連続するので、上記シャフト47を操作する作業者に違和感を与える事はなく、作業の円滑化に寄与する。
【0033】
又、等速ジョイント1cを完成した後、上記内輪2の中心軸aと上記外輪41の中心軸bとを、使用状態で最も大きく変位させた場合に、上記各ポケット10a、10b内に組み込まれているボール4、4が円周方向に亙って変位する角度のうちの最大値をγ1 (rad )とする。この角度の最大値γ1 も、後に記載する式に基づく計算によっても、或は実測によっても、容易に求める事ができる。更に、前記保持器9bの外径をDc (図3)とする。
【0034】
本発明の組立方法の対象となる等速ジョイントの場合には、上述の様な条件で、上記保持器9bの外周面側での上記2種類のポケット10a、10bの円周方向の長さである円弧長さの差を△Lとした場合に、(γ0 −γ1 )・Dc /2<△L<(γ0 −γ1 )・Dc を満たす様に、上記保持器9b及び上記各ポケット10a、10bの大きさを規制している。この様な条件を満たす事により、本発明の組立方法により組み立てられる等速ジョイントの場合には、上記各ポケット10a、10b内へのボール4、4の組み込みを可能にしつつ、円周方向に隣り合うポケット10a、10b同士の間に存在する柱部30、30の、円周方向に亙る長さを大きくできる。この点に就いて、更に詳しく説明する。
【0035】
先ず、上記各ポケット10a、10b内にボール4、4を組み込む状態に就いて、図6により説明する。尚、この図6は、前述した図16と同様に、保持器9bのポケット10a、10bの配置並びにそれぞれの円周方向長さを模式的に表している。この図6の各部が表す意味は、上記図16と同様である。尚、図6に記載した実線矢印は、何れかのポケット10a、10bにボール4、4を組み込むべく、内輪2の中心軸と外輪41の中心軸とを大きく変位させた場合に、既に別のポケット10a、10bに組み込まれたボール4、4が、(同心円状に内径側から外径側に順次記載したボール4、4の組み込み行程で、当該矢印と同一円弧上に存在するポケット10a、10bへの組み込み行程で)保持器9bの円周方向に関して変位する方向を示している。又、破線矢印は、何れかのポケット10a、10bにボール4、4を組み込むべく、内輪2の中心軸と外輪41の中心軸とを大きく変位させた場合に、既に別のポケット10a、10bに組み込まれたボール4、4が当該ポケット10a、10bの円周方向端部内面を押して、上記保持器9bを回転させる方向を表している。又、上記各矢印の長さは、それぞれ変位量を表している。但し、この図6に於いて、各ポケット10a、10bの円周方向長さに対してボール4、4が占有する空間は、前述した図16と同様に無いものとして、ボール4、4が変位可能となる長さで表している。この図6で示す様に、本発明の場合には、各ポケット10a、10bの円周方向に亙る配列ピッチ角は一定でない。即ち、配列ピッチ角が45°+(γ0 −γ1 )/2である場所と、45°−(γ0 −γ1 )/2である場所とを、それぞれ2個所1組とし、45°+(γ0 −γ1 )/2である場所と、45°−(γ0 −γ1 )/2である場所とを、円周方向に亙って交互に配置している。そして2個所1組としたそれぞれの場所の中間に位置する▲1▼▲3▼▲5▼▲7▼のポケットを、円周方向に亙る長さが小さいポケット10b、10bとしている。又、これら各ポケット10b、10bの間に位置する▲2▼▲4▼▲6▼▲8▼部分のポケットを、円周方向に亙る長さが大きいポケット10a、10aとしている。
【0036】
本発明の等速ジョイント1cを構成する保持器9bに設けた各ポケット10a、10b内にボール4、4を組み込むには、先ず、円周方向4個所位置に存在する、円周方向に亙る長さが小さいポケット10b、10bのうち、図6の▲1▼▲5▼部分のポケット10b、10b内に、前述の図15に示す様にして、順次ボール4、4を1個ずつ組み込む。次いで、図6の▲2▼▲6▼部分の、円周方向に亙る長さが大きいポケット10a、10a内に、やはり前述の図15に示す様にして、順次ボール4、4を1個ずつ組み込む。この際、内輪2の中心軸と外輪3の中心軸とを大きく折り曲げ方向に変位させる事に伴って、既に上記▲1▼▲5▼部分のポケット10b、10b内に組み込んだボール4、4が、上記▲2▼▲6▼部分のポケット10a、10aに近づく方向で、円周方向に変位する。そして、この変位の途中で、これら各ボール4、4の転動面と上記▲1▼▲5▼部分のポケット10b、10bの円周方向端部内側面とが当接する。これら両面同士が当接した後、更に上記内輪2の中心軸と外輪3の中心軸とを折り曲げると、上記各ボール4、4が保持器9bを円周方向に押して、この保持器を、図6で▲2▼▲6▼部分のポケット10a、10aに対応する(▲2▼▲6▼部分に斜格子を描いた円弧上に記載した)破線矢印で示す様に、円周方向に(γ0 −γ1 )だけ回転させる(簡略化の為に、製造誤差等を考慮して設定する余裕量△γ分は、省略して考える)。上記▲2▼▲6▼部分のポケット10a、10aは円周方向に亙る長さ寸法が大きいので、この様に保持器9bが円周方向に回転した場合でも、これら各ポケット10a、10aと内側、外側両係合溝7、8(図1)とは、ボール4を組み込める分だけ整合する。従って、上記▲2▼▲6▼部分のポケット10a、10aにボール4、4を組み込む事ができる。
【0037】
次いで、残りのポケット10a、10aである、図6の▲4▼▲8▼部分のポケット10a、10a内に、やはり前述の図15に示す様にして、順次ボール4、4を1個ずつ組み込む。この際、内輪2の中心軸と外輪3の中心軸とを大きく折り曲げ方向に変位させる事に伴って、既に上記▲1▼▲5▼部分のポケット10b、10b内に組み込んだボール4、4が、上記▲4▼▲8▼部分のポケット10a、10aに近づく方向で、円周方向に変位する。そして、この変位の途中で、これら各ボール4、4の転動面と上記▲1▼▲5▼部分のポケット10b、10bの円周方向端部内側面とが当接する。これら両面同士が当接した後、更に上記内輪2の中心軸と外輪3の中心軸とを折り曲げると、上記各ボール4、4が保持器9bを円周方向に押して、この保持器9bを、図6で▲4▼▲8▼のポケット10a、10aに対応する破線矢印で示す様に、円周方向に回転させる。この際、既に上記▲2▼▲6▼部分のポケット10a、10a内に組み込んであるボール4、4が、上記▲4▼▲8▼部分のポケット10a、10aに対し遠近動する事はない。従って、上記▲2▼▲6▼部分に既に組み込んであるボール4、4に対して上記保持器9bは、円周方向に亙り相対変位する。但し、上記▲2▼▲6▼部分のポケット10a、10aは円周方向に亙る長さ寸法が大きいので、これら▲2▼▲6▼部分のポケット10a、10a内に組み込んだボール4、4がこれら各ポケット10a、10aの円周方向端部内側面と当接する事はない。従って、上記保持器9bは、上記▲1▼▲5▼部分のポケット10b、10b内に組み込んだボール4、4により、図6の反時計方向に(γ0 −γ1 )だけ回転する。この様に保持器9bが円周方向に回転した場合でも、これら各ポケット10a、10aと内側、外側両係合溝7、8とは、ボール4を組み込める分だけ整合する。従って、上記▲4▼▲8▼部分のポケット10a、10aにボール4、4を組み込む事ができる。
【0038】
最後に、残りの、図6の▲3▼▲7▼部分のポケット10b、10b内に、やはり前述の図15に示す様にして、順次ボール4、4を1個ずつ組み込む。この際、内輪2の中心軸と外輪3の中心軸とを大きく折り曲げ方向に変位させる事に伴って、既に上記▲2▼▲4▼▲6▼▲8▼部分のポケット10a、10a内に組み込んだボール4、4が、上記▲3▼▲7▼部分のポケット10b、10bに近づく方向で、円周方向に変位する。但し、これら▲2▼▲4▼▲6▼▲8▼部分のポケット10a、10aは円周方向に亙る長さ寸法が大きいので、これら▲2▼▲4▼▲6▼▲8▼部分のポケット10a、10a内に組み込んだボール4、4がこれら各ポケット10a、10aの円周方向端部内側面と当接する事はない。又、既に▲1▼▲5▼部分のポケット10b、10bに組み込まれているボールは、これら両ポケット10b、10bが上記中心軸同士の折り曲げ方向に対し直角方向に存在するので、殆ど円周方向に変位しない。従って、上記内輪2の中心軸と外輪3の中心軸とを十分に折り曲げて、上記▲3▼▲7▼部分のポケット10b、10b内にボール4、4を組み込める。尚、本例の構造を組み立てるべく、▲1▼(又は▲5▼)部分のポケット10a、10a内に最初のボール4を組み込む際に、円周方向に隣り合うポケット10b、10b内に同時にボール4を組み込む事もできる。この様に、最初にボール4、4を2個組み込めば、内輪2及び外輪3に対する保持器9bの円周方向位置を規制して、続く残りのボール4、4の組み込み作業時に、この保持器9bの円周方向に亙る位置決めに気を使う必要がなくなる。
【0039】
次に、前述の様に構成し、上述の様に各ポケット10a、10b内にボール4、4を組み込む保持器9bを設けた本発明の組立方法により組み立てられる等速ジョイントが、この保持器9bの強度を確保できる理由に就いて説明する。前述の図12〜16に示した従来構造の様に、ポケット10a、10b内にボール4、4を組み込む際に、既に別のポケット10a、10b内に組み込んであるボール4が当該ポケット10a(10b)の円周方向端部内側面を押して保持器9aを円周方向に変位(旋回)させない場合に就いて、上記各ポケット10a、10bに要求される円周方向長さを考える。尚、以上の説明からも明らかな通り、ツェッパ型の等速ジョイントを構成する保持器のポケットに要求される円周方向長さは、当該ポケット内に保持するボールの外径と、このボールの円周方向に亙る変位量との和である。総てのポケットに就いて、ボールの外径は一定であるので、以下の説明ではこれを省略し、各ポケットがその内側に保持したボールの円周方向に亙る変位を許容すべき量を、当該ポケットの円周方向長さとして、便宜的に表す。
【0040】
先ず、図12〜16に示した従来構造の場合、円周方向に亙る長さが大きいポケット10a、10aの長さは、最低限「γ0 ・Dc 」となる。又、円周方向に亙る長さが小さいポケット10b、10bの長さは、最低限「γ1 ・Dc 」となる。従って、これら2種類のポケット10a、10bの円周方向に亙る長さの差△Lは、「γ0 ・Dc −γ1 ・Dc 」=「(γ0 −γ1 )Dc 」となる。
【0041】
これに対して、本発明の様に、ポケット10a、10b内にボール4、4を組み込む際に、既に別のポケット10a、10b内に組み込んであるボール4が当該ポケット10a(10b)の円周方向端部内側面を押して保持器9aを円周方向に変位(旋回)させる場合、円周方向に亙る長さが大きいポケット10a、10aの長さは、「(γ0 +γ1 )Dc /2」となる。又、円周方向に亙る長さが小さいポケット10b、10bの長さは、「γ1 ・Dc 」となる。従って、これら2種類のポケット10a、10bの円周方向に亙る長さの差△Lは、「(γ0 +γ1 )Dc /2−γ1c 」=「(γ0 −γ1 )Dc /2」となる。長さが小さいポケット10b、10bの長さは、従来例も本発明の場合も同じであるから、上記差△Lが小さい分{(γ0 −γ1 )Dc /2分}だけ、前記柱部30、30の長さを大きくできる。即ち、全体で2(γ0 −γ1 )Dc 分、柱部30、30の長さを大きくできる。
【0042】
即ち、円周方向に亙る長さが小さいポケット10b、10b内でのボール4、4の円周方向に亙る偏位角は、等速ジョイント使用時に於ける最大ジョイント角から定まり、従来品も本発明品も何れも2γ0 で等しい。従って、円周方向に隣り合うポケット10a、10b同士の間に存在する柱部30、30の円周方向に亙る長さを大きくする為には、円周方向に亙る長さが大きいポケット10a、10aの長さをいかに小さくするかにかかっている。従来構造の場合には、上記各ポケット10a、10b内にボール4、4を組み込む際に保持器9aを旋回させる事を考慮していないので、上記円周方向に亙る長さが大きいポケット10a、10aの長さをあまり小さくできない。これに対して本発明の場合には、保持器9bの旋回を利用する事により、円周方向に亙る長さが大きいポケット10a、10aのポケット長さを小さくできる。特に、ボール4、4の組み込み時に上記保持器9bの旋回を最大限に使えば、上記各ポケット10a、10aの長さが最も小さくなり、柱部30、30の長さを最も大きくできる。この様に、柱部30、30の長さを最も大きくできる時の、長さが大きいポケット10a、10aと長さが小さいポケット10b、10bとの円弧長さの差が、上述した様に、(γ0 −γ1 )・Dc /2である。
【0043】
但し、実際の場合には、上記各ポケット10a、10bへのボール4、4の組み込み時のボール4、4の組み込み易さ、構成各部品の寸法のばらつき、ピッチ誤差等を考慮して、上記長さが大きいポケット10a、10a内に保持されたボール4、4の偏位角を、(γ0 +γ1 )より多少多めに確保する。但し、上記各柱部30、30の長さを大きくする為に、上記長さが大きいポケット10a、10a内に保持したボール4、4の偏位角は、(γ0 +γ1 )にできるだけ近い値にする(ばらつきに伴う余裕分をできるだけ小さくする)事が望ましい。
【0044】
円周方向に亙る長さが大きいポケット10a、10aのボール偏位角の最大値は、これら各ポケット10a、10b内にボール4、4を組み込む際に保持器の旋回を利用しないのであれば2γ0 である。そこで、本発明の条件として、上記長さが大きいポケット10a、10a内に保持したボール4、4の偏位角は、(γ0 +γ1 )を越え、2γ0 未満とした。尚、角度γ0 、γ1 を計算により求める場合は、下記の式による。
γ0 =BA − tan-1( tanBA ・ cosθ0
A =360°/ボール4、4の数(8個)=45°
θ0 :ボール4、4の組み込み時に於ける保持器9a、9bの傾斜角度(ジョイント角の1/2)
γ1 =Bn − tan-1( tanBn ・ cosθ1
θ1 :使用状態での最大ジョイント角を付与した状態での保持器9a、9bの傾斜角度(ジョイント角の1/2)
n =46.2°(ジョイント角2θ1 =46°とした場合。この場合に於ける保持器9a、9bの傾斜角度θ1 は23°)
【0045】
上述の様に構成する本例の等速ジョイントを組み込んだ車輪用転がり軸受ユニットにより、車輪を懸架装置に対して回転自在に支持する作用は、前述した従来の等速ジョイントを組み込んだ車輪用転がり軸受ユニットの場合と同様である。又、本発明の組立方法により組み立てられる等速ジョイントを組み込んだ車輪用転がり軸受ユニットの場合には、上記等速ジョイント1cを構成する内側、外側両係合溝7、8の数を8本とし、上記ボール4、4の数を8個としているので、車輪用転がり軸受ユニットの使用に伴う、ハブ33と内輪2との間でのトルク伝達時に、上記等速ジョイント1cを構成する各ボール4、4毎に加わる負荷の大きさを、前述の図7〜8に示した従来構造の場合よりも小さくできる。従って、その分だけ、上記各ボール4、4の外径を小さくして、環状に配置したこれら各ボール4、4の外接円の直径、並びに上記複数の外側係合溝8、8の外接円の直径を小さくできる。そして、この様に外側係合溝8、8の外接円の直径を小さくした分、車輪用転がり軸受ユニットの外径寸法を小さくして、装置全体の小型・軽量化を図れる。
【0046】
特に、本発明の組立方法により組み立てられる等速ジョイントを組み込んだ車輪用転がり軸受ユニットの場合には、保持器9bに設けた各ポケット10a、10b内へのボール4、4の組み込みを可能にし、しかも円周方向に隣り合うポケット10a、10b同士の間に存在する柱部30、30の寸法を十分に確保して、上記保持器9bの耐久性向上を十分に図れる。この結果、等速ジョイント1cを小型化して、この等速ジョイント1cの外輪41と車輪支持用の転がり軸受ユニットを構成するハブ本体31とを一体化した、所謂第四世代のハブユニットの実用化に寄与できる。
【0047】
特に、図示の例の様に、上記各外側係合溝8、8の外半部を前記第二の内輪軌道20の内径側に配置すれば、車輪用転がり軸受ユニットの外径寸法だけでなく軸方向寸法も小さくして、装置全体の小型・軽量化をより有効に図れる。この様な本例の構造は、転がり軸受ユニット本体を構成する第二の内輪軌道20を、上記各外側係合溝8、8よりも大径にせざるを得ず、上記転がり軸受ユニット本体の外径寸法が大きくなる。この様な本例の構造では、上記ボール4、4の数を6個から8個に増やして、その分ボール4、4の外径を小さくし、上記転がり軸受ユニットの外径寸法を小さくできる本発明の効果が、特に大きくなる。
【0048】
更に、図示の例の場合には、前述した様に、軸方向外側の転動体列を構成する各転動体21、21のピッチ円直径を小さくする事により、外輪11の軸方向外半部の外径を小さくできる。そして、この外輪11の軸方向外半部の外径を小さくした分だけ、ハブ本体31の外周面に設けた第二の取付フランジ17に固定した複数のスタッド34のピッチ円直径を小さくできる。従って、上記ハブ本体31の軸方向寸法を大きくする事なく、上記スタッド34を支持固定する上記第二の取付フランジ17の外径を小さくして、車輪用転がり軸受ユニットの小型・軽量化を、更に有効に図れる。
【0049】
尚、上述の様に、軸方向外側の転動体列を構成する各転動体21、21のピッチ円直径を軸方向内側の転動体列を構成する各転動体21、21のピッチ円直径よりも小さくする事に伴い、軸方向外側の転動体列部分の基本動定格荷重が内側の転動体列部分の基本動定格荷重よりも小さくなる。従って、両列に加わる荷重が同じであれば、軸方向外側の転動体列部分の寿命が軸方向内側の転動体列部分の寿命よりも短くなる。これに対して、一般的な自動車では、軸方向外側の転動体列部分に加わる荷重は内側の転動体列部分に加わる荷重よりも小さい。この為、上記両列部分の寿命をほぼ同じにする設計が容易になって、無駄のない設計が可能になる。尚、図示の例では、転動体21、21として玉を使用しているが、重量の嵩む自動車用の転がり軸受ユニットの場合には、転動体としてテーパころを使用する場合もある。本発明の組立方法の対象となる等速ジョイントは、勿論、この様に転動体としてテーパころを使用する転がり軸受ユニットにも組み込む事が可能である。
【0050】
【発明の効果】
本発明の組立方法により組み立てられる等速ジョイントは、以上に述べた通り構成され作用するので、回転力伝達用のボールの数を8個とする事により外径を小さくできる構造で、しかもこれら各ボールを保持する為の保持器の剛性を高めてこの保持器の耐久性向上を図れる。従って、第四世代のハブユニットと呼ばれる、等速ジョイントを一体的に組み込んだ車輪用転がり軸受ユニットの小型・軽量化を、十分な耐久性を確保しつつ実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の対象となる等速ジョイントを組み込んだ車輪用転がり軸受ユニットの1例を示す断面図。
【図2】等速ジョイントに組み込む保持器の断面図。
【図3】図2のA−A断面図。
【図4】等速ジョイントの保持器を、ボールの組み込みが可能な程度にまで外輪に対して傾斜させた状態を示す断面図。
【図5】等速ジョイントの保持器をボールの組み込みが可能な程度にまで外輪に対して傾斜させた状態で、組み込み用治具のシャフトと外輪との関係を示す断面図。
【図6】 本発明の対象となる等速ジョイントに組み込む保持器の模式図。
【図7】従来の等速ジョイントの第1例を、ジョイント角を付与した状態で示す断面図。
【図8】同じくジョイント角を付与しない状態で示す、図7のB−B断面に相当する図。
【図9】保持器の一部を外周側から見た図。
【図10】内側、外側両係合溝の底面の位置関係を示す模式図。
【図11】等速ジョイントを一体的に組み込んだ車輪用転がり軸受ユニットの1例を示す断面図。
【図12】従来の等速ジョイントの第2例を、ジョイント角を付与しない状態で示す断面図。
【図13】図12のC−C断面図。
【図14】従来構造の第2例に組み込む保持器の断面図。
【図15】保持器にボールを組み込むべく、内輪と外輪とを所定方向に変位させた状態を示す断面図。
【図16】従来構造の第2例に組み込む保持器の模式図。
【符号の説明】
1、1a、1b、1c 等速ジョイント
2 内輪
2a 外周面
3、3A 外輪
3a 内周面
4 ボール
5 軸
6 軸
7 内側係合溝
7a 底面
8 外側係合溝
8a 底面
9、9a、9b 保持器
10、10a、10b ポケット
11 外輪
12 第一の取付フランジ
13 外輪軌道
14 第一の内輪部材
15 第二の内輪部材
16 ハブ
17 第二の取付フランジ
18 第一の内輪軌道
19 円筒部
20 第二の内輪軌道
21 転動体
22 係止溝
23 係止溝
24 止め輪
25 段部
26 溶接
27a、27b カバー
28a、28b シールリング
29 隔板部
30 柱部
31 ハブ本体
32 内輪
33 ハブ
34 スタッド
35 頭部
36 シールリング
37 肉盗み部
38 係止凹溝
39 止め輪
40 間座
41 外輪
42 ブーツ
43 組み合わせシールリング
44 空間
45 スプライン孔
46 凹部
47 シャフト

Claims (1)

  1. 内輪と、この内輪の外周面の円周方向等間隔位置に存在する8個所に、それぞれ円周方向に対し直角方向に形成された断面円弧形の内側係合溝と、上記内輪の周囲に設けられた外輪と、この外輪の内周面で上記各内側係合溝と対向する位置に、円周方向に対し直角方向に形成された断面円弧形の外側係合溝と、上記内輪の外周面と外輪の内周面との間に挟持され、上記内側、外側両係合溝に整合する位置にそれぞれ円周方向に長い8個のポケットを形成した保持器と、これら各ポケットの内側に1個ずつ保持された状態で内側、外側両係合溝に沿う転動を自在とされた、8個のボールとから成り、
    これら各ボールを、上記内輪の中心軸と上記外輪の中心軸との軸交角を二等分し、これら両中心軸を含む平面に対し直交する二等分面内に配置しており、
    上記8個のポケットとして、円周方向の長さ寸法が互いに異なる2種類のポケットを円周方向に亙って交互に、且つ、円周方向に亙る配列ピッチ角を配列ピッチ角の大きい部分と同じく小さい部分とをそれぞれ2個所1組とし、配列ピッチ角の大きい部分と同じく小さい部分とを円周方向に亙り交互に配置した状態で設けており、
    上記各ポケット内にボールを組み込むべく、上記内輪の中心軸と上記外輪の中心軸とを大きく変位させた場合に、既に他のポケット内に組み込まれているボールが円周方向に亙って変位する角度のうちの最大値をγ0 とし、完成後の等速ジョイントの上記内輪の中心軸と上記外輪の中心軸とを、使用状態で最も大きく変位させた場合に、上記各ポケット内に組み込まれているボールが円周方向に亙って変位する角度のうちの最大値をγ1 とし、上記保持器の外径をDc とし、上記保持器の外周面側での上記2種類のポケットの円周方向の長さである円弧長さの差を△Lとした場合に、(γ0 −γ1 )・Dc /2<△L<(γ0 −γ1 )・Dc を満たす等速ジョイントの組立方法であって、
    上記保持器に設けられた各ポケットのうちで、円周方向の長さ寸法が長いポケットへのボールの組み込み作業を、円周方向の長さ寸法が短いポケット内に既に組み込まれたボールにより、当該ポケットの円周方向端部内側面を押して上記保持器を円周方向に旋回させて行なう事を特徴とする等速ジョイントの組立方法。
JP20487198A 1998-06-26 1998-07-21 等速ジョイントの組立方法 Expired - Lifetime JP4123579B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20487198A JP4123579B2 (ja) 1998-06-26 1998-07-21 等速ジョイントの組立方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10-180667 1998-06-26
JP18066798 1998-06-26
JP20487198A JP4123579B2 (ja) 1998-06-26 1998-07-21 等速ジョイントの組立方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2000081049A JP2000081049A (ja) 2000-03-21
JP2000081049A5 JP2000081049A5 (ja) 2005-06-09
JP4123579B2 true JP4123579B2 (ja) 2008-07-23

Family

ID=26500119

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20487198A Expired - Lifetime JP4123579B2 (ja) 1998-06-26 1998-07-21 等速ジョイントの組立方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4123579B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10304156B4 (de) * 2003-02-03 2011-10-20 Gkn Driveline International Gmbh Gegenbahngelenk mit verbessertem Käfig
JP4575888B2 (ja) * 2006-02-24 2010-11-04 東拓工業株式会社 地中埋設管用ヘッド部材
JP5484769B2 (ja) * 2009-04-09 2014-05-07 Ntn株式会社 摺動式等速自在継手およびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000081049A (ja) 2000-03-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6368223B1 (en) Rolling bearing unit and constant velocity joint for wheels
JP3941214B2 (ja) 等速ジョイント
JP4206716B2 (ja) 転がり軸受装置
JP7017970B2 (ja) 旋回軸受
JPH1162951A (ja) 車輪用転がり軸受ユニット
JP3032054B2 (ja) アンギュラコンタクト円筒ころ軸受
JPH11182537A (ja) 車輪用転がり軸受ユニット
US4138169A (en) Two row rolling bearing assembly having single piece inner ring and two piece outer ring
JP4067191B2 (ja) 等速ジョイント及び等速ジョイント付転がり軸受ユニット
JPH083336B2 (ja) ころ軸受
JP4123579B2 (ja) 等速ジョイントの組立方法
JP2000065049A (ja) 自動車用ハブユニット及びその組立方法
JP2000065049A5 (ja)
JP3941239B2 (ja) 等速ジョイント
JP4352535B2 (ja) 車輪駆動用車軸ユニット
JP3767168B2 (ja) 等速ジョイント及び等速ジョイント付車輪用転がり軸受ユニット
JP2000145805A (ja) 等速ジョイント及び等速ジョイント付自動車用ハブユニット
JP7491050B2 (ja) 車輪用軸受装置
JPH11218147A (ja) 等速ジョイント
JP2000065083A (ja) 等速ジョイント
JP2000038003A (ja) 車輪用転がり軸受ユニット
JP4026206B2 (ja) 車輪用転がり軸受ユニット
JP2000094902A (ja) 自動車用ハブユニット及びその組立方法
JPH08226439A (ja) 複列玉軸受
JP7440349B2 (ja) 車輪支持用転がり軸受ユニット

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040830

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040830

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070207

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070213

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070412

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071016

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071113

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080415

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080428

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110516

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120516

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130516

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130516

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140516

Year of fee payment: 6

EXPY Cancellation because of completion of term