JP4123536B2 - 通電加熱式加圧焼結装置及びその使用方法 - Google Patents
通電加熱式加圧焼結装置及びその使用方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、通電加熱式加圧焼結装置及びその使用方法に関するものであり、より詳しくは、緻密化の度合いが均一な加圧焼結体を成形し得るようにした通電加熱式加圧焼結装置及びその使用方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
金属の粉末やセラミックの粉末などを加圧焼結する装置として、通電加熱式加圧焼結装置がある。
【0003】
該通電加熱式加圧焼結装置は、図3に示すように、内部に粉末1の成形空間を有する筒状のモールド2を設け、該モールド2の成形空間に上側のダイス3と下側のダイス4を嵌合し、上側のダイス3の上側に上側の電極5を接触配置させると共に、下側のダイス4の下側に下側の電極6を接触配置させ、上側の電極5と下側の電極6との間に電源7を接続し、更に、上側の電極5の上側に油圧シリンダなどの圧下装置8を設置すると共に、下側の電極6の下側にベース9を設置して、少くともモールド2の部分を真空チャンバ10内に収容するようにしたものである。
【0004】
尚、モールド2やダイス3,4は、素材としては、高温時の強度が高く、且つ、粉末1などが付着しにくい黒鉛などを用いるのが良い。
【0005】
又、下側の電極6の下側には、ベース9の代りに油圧シリンダや圧下スクリューなどの圧下装置を設置する場合もある。従って、圧下装置は、任意の構成とすることができる。
【0006】
斯かる構成では、先ず、モールド2の成形空間に金属やセラミックなどの粉末1を入れる。そして、真空チャンバ10内を真空状態、又は、不活性ガス雰囲気、或いは、水素ガスなどの還元ガス雰囲気とする。
【0007】
更に、電源7を用いて、上側の電極5と下側の電極6の間に電流を印加することにより、上側のダイス3と下側のダイス4を通してモールド2内の粉末1に電流を流させ、該電流によって上側のダイス3や下側のダイス4やモールド2内の粉末1にジュール発熱を起こさせ、粉末1を高温に加熱して軟化させる。
【0008】
この状態で、油圧シリンダなどの圧下装置8を伸長動させることにより、ベース9との間で上側のダイス3と下側のダイス4を近接動させ、上側のダイス3と下側のダイス4によって粉末1を加圧する。
【0009】
すると、粉末1は、高温状態で加圧されるため、焼結されて加圧焼結体となる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の通電加熱式加圧焼結装置には、以下のような問題があった。
【0011】
即ち、上側の電極5と下側の電極6は、図3に示すように、それぞれ上側のダイス3と下側のダイス4の全面に対して面接触されるようになっているが、このようにすると、モールド2内の粉末1における通電経路が成行きまかせとなるため、モールド2内の粉末1を均一に加熱させることが困難となり、結果として、緻密化の度合いが部分的に異なる不均一な加圧焼結体ができてしまうことになる。
【0012】
本発明は、上述の実情に鑑み、緻密化の度合いが均一な加圧焼結体を成形し得るようにした通電加熱式加圧焼結装置及びその使用方法を提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、内部に粉末の成形空間を有する筒状のモールドの成形空間に上側のダイスと下側のダイスを嵌合し、上側のダイスの上側と下側のダイスの下側に、電極を接触配置させ、モールドの上側と下側に電極を接触配置させると共に、通電される電極の対を選択可能な電源装置を設けたことを特徴とする通電加熱式加圧焼結装置にかかるものである。
【0014】
上記電源装置が、各対の電極に対して接続された同一の電源と、各対の電極と電源との接続状態を切換えるための電流切換部とで構成されても良い。
【0015】
或いは、上記電源装置が、各対の電極に対してそれぞれ個別に接続された電源と、各電源に切換信号を送る切換制御部とで構成されても良い。
【0016】
上記手段によれば、以下のような作用が得られる。
【0017】
電流切換部により、通電させる電極の対を任意に切換えさせるようにすると、モールド内の粉末における通電経路や加熱経路が、通電されている電極の対の間の部分に決まるので、通電させる電極の対をうまく切換えさせることにより、モールド内の粉末における通電経路や加熱経路を適宜選択及び変更して、モールド内の粉末を均一に加熱させることが可能となり、結果として、緻密化の度合いが均一な加圧焼結体を成形することができるようになる。
【0018】
又、対を成す上側の電極と下側の電極との間に、それぞれ個別に電源を接続し、各電源を、切換制御部からの切換信号によって適宜入り切りさせて、通電させる電極の対を切換えさせるようにしても同様となる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図示例と共に説明する。
【0020】
図1は、本発明の実施の形態であり、図3の場合において、更に、モールド2の上側と下側に、リング状の電極27,28を接触配置させたものである。尚、図1では、電源装置26を設けるようにしているが、図2と同様な電源装置25を設けるようにしても良い。又、図2中、16は電源、17は切換制御部、18は切換信号、19はスイッチ回路などの電流切換部である。更に、図3と同一の部分については同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0021】
ここで、電源装置26の構成は、対を成す電極5と電極6との間、対を成す電極27と電極28との間に、それぞれ個別に電源20,21を接続し、各電源20,21に切換信号23,24を送る切換制御部22を設けたものである。
【0022】
次に、作動について説明する。
【0023】
粉末1を加圧焼結して製造する過程については図3の場合と同様なので説明を省略する。
【0024】
電極5,6の対と下側の電極27,28の対に対し、各電源20,21を、切換制御部22からの切換信号23,24によって適宜入り切りさせて、通電させる電極5,6、又は、電極27,28の対を切換えさせるようにする。
【0025】
このように、本実施の形態では、図1に示す如く、リング状の電極27,28を介してモールド2に通電させて、モールド2を加熱させると、確実に粉末1を周縁部から加熱することができるようになる。
【0026】
そして、電極5,6の対と下側の電極27,28の対に対し、各電源20,21を、切換制御部22からの切換信号23,24によって適宜入り切りさせて、通電させる電極5,6、又は、電極27,28の対を切換えさせることにより、モールド2内の粉末1における通電経路や加熱経路を適宜選択及び変更して、モールド2内の粉末1を均一に加熱させることが可能となり、結果として、緻密化の度合いが均一な加圧焼結体を成形することができるようになる。
【0027】
尚、本発明は、上述の実施の形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の通電加熱式加圧焼結装置及びその使用方法によれば、緻密化の度合いが均一な加圧焼結体を成形することができるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態の概略側方断面図である。
【図2】 本発明の他の実施の形態の概略側方断面図である。
【図3】 従来例の概略側方断面図である。
【符号の説明】
1 粉末
2 モールド
3,4 ダイス
5,6,27,28 電極
16 電源
17,19 電流切換部
20,21 電源
22 切換制御部
18,23,24 切換信号
25,26 電源装置
Claims (3)
- 内部に粉末の成形空間を有する筒状のモールドの成形空間に上側のダイスと下側のダイスを嵌合し、上側のダイスの上側と下側のダイスの下側に、電極を接触配置させ、モールドの上側と下側に電極を接触配置させると共に、通電される電極の対を選択可能な電源装置を設けたことを特徴とする通電加熱式加圧焼結装置。
- 電源装置が、各対の電極に対して接続された同一の電源と、各対の電極と電源との接続状態を切換えるための電流切換部とで構成される請求項1記載の通電加熱式加圧焼結装置。
- 電源装置が、各対の電極に対してそれぞれ個別に接続された電源と、各電源に切換信号を送る切換制御部とで構成される請求項1記載の通電加熱式加圧焼結装置。
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JP01023397A JP4123536B2 (ja) | 1997-01-23 | 1997-01-23 | 通電加熱式加圧焼結装置及びその使用方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (2)
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JPH10204505A JPH10204505A (ja) | 1998-08-04 |
JP4123536B2 true JP4123536B2 (ja) | 2008-07-23 |
Family
ID=11744588
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Country Status (1)
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-
1997
- 1997-01-23 JP JP01023397A patent/JP4123536B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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JPH10204505A (ja) | 1998-08-04 |
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