JP4122935B2 - インクジェット印刷用記録材およびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録方式に適したインクジェット印刷用記録材に関し、さらに詳しくは、屋内外用のポスターや広告看板などに用いられる、蓄光性を有するインクジェット印刷用記録材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、蓄光性を有する表示物としては、基材上に蓄光性を有する画像を直接設けたもの、基材表面が一様に蓄光性を有する蓄光部材の不要箇所を隠蔽することにより蓄光画像を形成したものなどが知られている。しかし、これらの表示物は単純な蓄光画像しか形成することができず、意匠性に乏しいものであった。
【0003】
一方、コンピューターの性能向上およびコンピューターの普及と共に、ハードコピー技術が急速に発達している。ハードコピーの記録方式としては、昇華転写記録方式、電子写真方式、インクジェット方式などが知られている。
【0004】
インクジェット方式によるプリンターは、ノズルから記録紙に向けてインク液滴を高速で噴射する方式である。カラー化、小型化が容易であり、印字騒音が低いことから、オフィスや家庭におけるパーソナルコンピューターの端末として、近年、急速に普及しつつある。さらに、銀塩写真に迫る記録品質の向上、大型化の容易さから、大型看板、電飾看板などの分野への応用が期待されている。
【0005】
蓄光性を有するシート上にインクジェット方式により印刷することにより意匠性に優れる印刷物を得るために、蓄光顔料を含有する蓄光層上にインク受容層を設けたインクジェット印刷用記録シートが提案されている(例えば、特許文献1、2および3参照)。
【0006】
これらのインクジェット印刷用記録シートは、インク受容層が透明であれば、蓄光性に問題はないが、インク受容層に顔料を含有させて凹凸を形成した場合には、インク受容層が不透明となるため、蓄光しにくくなるばかりでなく、夜間での発光も劣るという問題がある。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−141884号公報
【特許文献2】
特開2001−293943号公報
【特許文献3】
特開2002−55637号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、インクジェット記録方式に適したインクジェット印刷用記録材、さらに詳しくは、屋内外用のポスターや広告看板などに用いられる、蓄光性を有するインクジェット印刷用記録材およびその製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、屋内外で展示可能な蓄光性を有するインクジェット印刷用記録材を検討した結果、基材上に設けた多孔質構造のインク受容層に所定量の蓄光顔料を含有させることにより、意匠性の高い展示物を作成可能なインクジェット印刷用記録材が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
かくして、本発明は、基材上に粒子と樹脂とから主に構成された多孔質構造のインク受容層を設けたインクジェット印刷用記録材であって、粒子の50〜100重量%が蓄光顔料であることを特徴とするインクジェット印刷用記録材を提供する。
【0011】
また、本発明は、上記のインクジェット印刷用記録材を製造する方法であって、基材上に水、粒子および樹脂から主に構成される塗布液を塗布量60〜200g/mで塗布した後、温度100〜160℃、風速5〜30m/秒の熱風で初期乾燥してインク受容層を形成することを特徴とするインクジェット印刷用記録材の製造方法を提供する。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明のインクジェット印刷用記録材に用いられる基材は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエステル系、ポリスチレン系、ポリプロピレン系、ナイロン系、ポリカーボネート系、ノルボルネン系、ビニロン系、アクリル系などのプラスチックフィルムまたはシートや、これらの材料に無機顔料、発泡剤を混合した不透明樹脂フィルム、ポリエステル布、ポリエステル/綿混合布、綿布、不織布、パルプ、樹脂含浸紙、キャストコート紙、レジンコート紙、ガラス、およびこれらの任意の2種類以上のものを貼り合わせたものが挙げられる。
【0013】
これらの中でも、耐熱性に優れるポリエステルフィルムが好ましく、より好ましくは柔軟性に優れる内部に空洞を含有する不透明な(好ましくは白色の)ポリエステルフィルムである。これらのポリエステルフィルムは、強度や耐溶剤性の点から、少なくとも1軸方向に延伸されていることが特に好ましい。
【0014】
上記の不透明なポリエステルフィルムは、不透明度として、全光線透過率で30%以下であることが好ましい。不透明性が不十分な場合は、壁などに貼り付けた際に裏地が見えるという問題が発生する。
【0015】
ポリエステルフィルムとは、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸またはそのエステルと、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコールなどのグリコールとを重縮合させて得られるポリエステル樹脂から製造されるフィルムである。
【0016】
フィルム内部に空洞を発現させる方法としては、特に限定されるものではないが、ポリエステル樹脂に非相溶性の熱可塑性樹脂を混合し、溶融押出した未延伸シートを少なくとも1軸方向に延伸することにより、フィルム内部に微細な空洞を多数形成させる方法が好ましい。
【0017】
非相溶性の熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリスチレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスルホン樹脂、セルロース樹脂などが挙げられる。特に、ポリスチレン樹脂や、ポリメチルペンテン樹脂、ポリプロピレン樹脂などのポリオレフィン樹脂が好ましい。
【0018】
ポリエステル樹脂と非相溶性の熱可塑性樹脂とからなる未延伸シートは、例えば、各樹脂のチップを混合し押出機内で溶融混練した後、押出して固化することによって得られる方法や、あらかじめ混練機によって両樹脂を混練したものをさらに押出機より溶融押出して固化する方法や、ポリエステル樹脂の重合工程において非相溶性の熱可塑性樹脂を添加し、攪拌分散して得たチップを溶融押出して固化する方法などによっても得られる。固化して得られた未延伸シートは、通常、無配向もしくは弱い配向状態のものである。また、非相溶性の熱可塑性樹脂は、ポリエステル樹脂中に、球状、楕円球状、糸状などの様々な形状で分散した形態をとって存在する。
【0019】
ポリエステル樹脂に混合される非相溶性の熱可塑性樹脂の含有量は、目的とする空洞含有量によって異なるが、樹脂組成物全体に対して、好ましくは3〜40重量%、さらに好ましくは6〜35重量%である。非相溶性の熱可塑性樹脂の含有量が3重量%未満では、空洞の形成量を多くすることに限界があり、目的の柔軟性や軽量性や描画性が得られない。逆に、非相溶性の熱可塑性樹脂の含有量が40重量%を越えると、ポリエステルフィルムの有する耐熱性や強度、特に腰の強さが不十分となりやすい。
【0020】
上記のポリエステルフィルムには、必要に応じて、隠蔽性や描画性を向上させるために無機粒子を含有させることができる。この無機粒子としては、特に限定されるものではないが、二酸化チタン、二酸化ケイ素、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、カオリン、タルクなどが挙げられる。
【0021】
また、樹脂組成物には、用途に応じて、着色剤、紫外線吸収剤剤、蛍光剤、帯電防止剤、減粘剤、酸化防止剤などを添加することもできる。
【0022】
空洞含有ポリエステルフィルムは、単層フィルムであっても、2層以上の複合フィルムであってもかまわない。
【0023】
本発明の記録材における基材は、表層と中心層とを積層した、いわゆる複合フィルムとすることもできる。その方法は、特に限定されるものではないが、生産性を考慮すると、表層と中心層との原料は別々の押出機から押出し、1つのダイスに導いて未延伸シートを得た後、少なくとも1軸に配向させる、いわゆる共押出法による積層が最も好ましい。
【0024】
延伸方法としては、チューブラ法延伸、同時二軸延伸、逐次二軸延伸などが挙げられが、平面性、寸法安定性、厚みムラなどから、逐次二軸延伸が好ましい。逐次二軸による延伸の具体例としては、長手方向にポリエステル樹脂のガラス転移温度の+0〜30℃で、2.0〜5.0倍にロール延伸し、引き続いて、120〜150℃で倍率を1.2〜5.0倍にテンターで幅方向に延伸する。さらに、延伸後に220℃〜融点未満の温度で、3〜8%緩和させながら熱固定を行なう方法が挙げられる。
【0025】
基材は、白色であることが好ましく、色調としては、JIS−Z8730による明度指数L*が80〜100、かつ色座標a*およびb*が−5.0〜5.0であることが好ましい。なお、明度指数L*は、値が大きいほど明るく、値が小さいほど暗く、また、色座標a*は、値が大きいほど赤色を帯び、値が小さいほど緑色を帯び、色座標b*は、値が大きいほど黄色を帯び、値が小さいほど青色を帯びる。
【0026】
本発明においては、このような基材上にインク受容層を設けることによりインクジェット印刷用記録材が得られるが、基材とインク受容層の密着性を向上させるために、基材とインク受容層との間にアンカー層を設けてもよい。
【0027】
アンカー層を構成する樹脂としては、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリエステルウレタン系、アクリル系、メラミン系などの樹脂およびそれらの混合物などが挙げられる。
【0028】
アンカー層には、滑り性の改善やインク受容層との密着力向上を目的として、各種の粒子を含有させてもよい。この粒子としては、例えば、シリカ、カオリナイト、タルク、炭酸カルシウム、ゼオライト、アルミナ、硫酸バリウム、カーボンブラック、酸化亜鉛、酸化チタンなどの無機粒子、アクリル系、ナイロン系、スチレン系、ポリエステル系、ベンゾグアナミン・ホルマリン縮合物などの有機粒子が挙げられる。さらに、アンカー層には、各種の目的で、界面活性剤、帯電防止剤、蛍光染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤などを添加してもよい。
【0029】
アンカー層を設ける方法としては、グラビアコート方式、キスコート方式、ディップ方式、スプレーコート方式、カーテンコート方式、エアナイフコート方式、ブレードコート方式、リバースロールコート方式などの通常用いられている方法が適用できる。また、フィルムの成膜工程でアンカー層を設けるインラインコート方式と、成膜後にアンカー層を設けるオフラインコート方式があるが、コスト的に有利であることから、インラインコート方式が好ましい。
【0030】
本発明のインクジェット印刷用記録材におけるインク受容層は、粒子と樹脂とから主に構成された多孔質構造を形成する必要がある。多孔質構造のインク受容層を形成する方法は、特に限定されるものではないが、粒子と樹脂とから主に構成され、樹脂に対して粒子を多く含有する塗布液を調製し、この塗布液を基材上に塗布し、乾燥する方法が挙げられる。
【0031】
粒子としては、蓄光顔料を主体とすること、具体的には、粒子の50〜100重量%が蓄光顔料であることが必要である。より好ましくは粒子の70〜100重量%が蓄光顔料である。蓄光顔料の比率が50重量%未満である場合には、夜間の発光量が著しく低下する。
【0032】
蓄光顔料としては、例えば、バリウム、ストロンチウム、カドミウム、カルシウム、亜鉛などの金属の硫化物や蛍光染料を縮合性合成樹脂の初期縮合物とともに溶解し、縮合を進めて樹脂中に色素を固定させるなどして得られる顔料や、一般式(1):
【0033】
【化1】
(A1-x)O・a(G1−z) (1)
【0034】
[式中、Aはアルカリ土類金属のMg、Ca、Sr、Baおよび2価の遷移金属Znから選択される1種であり、Dは活性化剤Euであり、Eは共活性化剤であるランタノイドのDyおよびSbであり、Oは酸素であり、Gは母結晶体のAlであり、Hは基質結晶体のBまたはGaであり、x、y、zおよびaは、
0.0001≦x≦0.5
0.0001≦y≦0.5
0.0001≦z≦0.5
0.5≦a≦3.0
の範囲内である]
で示されるアルカリ土類金属のアルミン酸塩が挙げられる。具体的には、イージーブライト製の蓄光顔料が挙げられる。
【0035】
蓄光顔料の粒径は、平均粒径として、1〜30μmが好ましい。蓄光顔料の粒径が1μm未満の場合には、多孔質構造が弱くなるばかりか、インク吸収速度が遅くなり、さらには、蓄光および発光特性が低下する。逆に、蓄光顔料の粒径が30μmを越える場合には、表面の凹凸が大きくなり、品位が低下するばかりか、顔料粒子の真円性が低下し、印刷品位が低下する。
【0036】
蓄光顔料以外の粒子としては、シリカ、カオリナイト、タルク、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、ゼオライト、アルミナ、硫酸バリウム、カーボンブラック、酸化亜鉛、硫酸亜鉛、炭酸亜鉛、二酸化チタン、サチンホワイト、ケイ酸アルミニウム、ケイ藻土、ケイ酸カルシウム、水酸化アルミニウム、加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウムなどの無機粒子、アクリルまたはメタアクリル系、塩化ビニル系、酢酸ビニル系、ナイロン、スチレン/アクリル系、スチレン/ブタジエン系、ポリスチレン/アクリル系、ポリスチレン/イソプレン系、ポリスチレン/イソプレン系、メチルメタアクリレート/ブチルメタアクリレート系、メラミン系、ポリカーボネート系、尿素系、エポキシ系、ウレタン系、フェノール系、ジアリルフタレート系、ポリエステル系などの樹脂粒子が挙げられる。これらの中で、蓄光および発光を阻害しにくい屈折率が1.5以下の粒子が好ましい。
【0037】
粒子を結着する樹脂としては、公知のものを用いることができ、ポリプロピレン系、ポリエチレン系、ポリエチレンオキシド系、ポリビニルアルコール系、ポリビニルピロリドン系、ポリ塩化ビニル系、ポリエステル系、ポリカーボネート系、アルキッド系、ポリウレタン系、メチルメタアクリレート系、セルロース系、酢酸ビニル系などが好適であるが、耐水性を低下させない非水溶性樹脂を用いることが好ましく、アクリル系、ウレタン系の樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体が好ましい。
【0038】
本発明において、非水溶性樹脂とは、常温の水に対して溶解せず、かつ、常温の水を樹脂固体に対して10重量%以上吸水しない樹脂のことであり、より好ましくは5重量%以上吸収しない樹脂のことである。吸水性の評価としては、樹脂の固体を常温で24時間浸漬したときの体積の変化で測定することができる、具体的には、実質的に非吸水性の支持体、例えば、アルミ箔、ガラスなどの上に樹脂層を数十μmの厚みで塗布し、乾燥し、18℃のイオン交換水中に24時間浸漬した後の厚みの変化から測定できる。
【0039】
水系インクがアニオン系の場合には、カチオン性樹脂を混合することが好ましい。カチオン性樹脂としては、公知のものを用いることができ、例えば、カチオン変性ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリエステル、カチオン変性ポリアミド、ジアリルアミン重合体、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合体、カチオン変性界面活性剤など、カチオン変性したものならば限定せずに用いることができる。カチオン性樹脂の混合量としては、樹脂成分中の2〜20重量%が好ましい。カチオン性樹脂の混合量が2重量%未満の場合には、インクの定着性が不良である。逆に、カチオン性樹脂の混合量が20重量%を越える場合には、インク受容層の強度や耐水性が低下する。
【0040】
粒子と樹脂との混合比率は、表面強度、印刷特性との兼ね合いから調節する必要がある。粒子の細孔容積が高い場合や粒子の粒径が小さい場合には、樹脂の比率を上げる必要があり、逆に、粒子の細孔容積が低い場合や粒子の粒径が大きい場合には、樹脂の比率を低くする必要がある。好ましい比率は、粒子と樹脂との重量比で1.5/1〜10/1である。この重量比が1.5/1未満の場合には、インク受容層が多孔質構造を形成しにくくなり、にじみなどが発生する。逆に、重量比が10/1を越える場合には、インク受容層の塗膜強度が低下する。
【0041】
本発明において、多孔質構造とは、内部に多数の空隙が存在し、表面から内部にかけて連通していることである。
【0042】
インク受容層には、コート時のレベリング性の向上、塗布液の脱泡を目的として、界面活性剤を添加することもできる。界面活性剤は、カチオン系、アニオン系、ノニオン系および非イオン性などいずれのものでもよい。しかし、シリコン系またはフッ素系界面活性剤が好ましい。シリコン系界面活性剤としては、ジメチルシリコン、アミノシラン、アクリルシラン、ビニルベンジルシラン、ビニルベンジシルアミノシラン、グリシドシラン、メルカプトシラン、ジメチルシラン、ポリジメチルシロキサン、ポリアルコキシシロキサン、ハイドロジエン変性シロキサン、ビニル変性シロキサン、ビトロキシ変性シロキサン、アミノ変性シロキサン、カルボキシル変性シロキサン、ハロゲン化変性シロキサン、エポキシ変性シロキサン、メタクリロキシ変性シロキサン、メルカプト変性シロキサン、フッ素変性シロキサン、アルキル基変性シロキサン、フェニル変性シロキサン、アルキレンオキシド変性シロキサンなどが挙げられる。フッ素系界面活性剤としては、四フッ化エチレン、パーフルオロアルキルアンモニウム塩、パーフルオロアルキルスルホン酸アミド、パーフルオロアルキルスルホン酸ナトリウム、パーフルオロアルキルカリウム塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、パーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキルアミノスルホン酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルアルキル化合物、パーフルオロアルキルアルキルベタイン、パーフルオロアルキルハロゲン化物などが挙げられる。これらの界面活性剤は、インク受容層のインク吸収性能が極度の低下しない程度に添加するのが好ましい。
【0043】
インク受容層には、各種の添加剤をインク吸収性能および他の物性を損なわない程度に添加してもよい。例えば、蛍光染料、蛍光増白剤、可塑剤、紫外線吸収剤、顔料分散剤、抑泡剤、消泡剤、防腐剤などが挙げられる。
【0044】
インク受容層には、各種の架橋剤を本発明の目的を阻害しない範囲で添加してもよい。架橋剤としては、尿素系、エポキシ系、メラミン系、イソシアネート系などが挙げられる。
【0045】
本発明において、粒子と樹脂とを含有する塗布液は、固形分が20〜60重量%、粘度が30〜300cpsである。この様な物性の塗布液を調製するためには、粒子の細孔、粒径、粒子と樹脂との比率を調節することにより達成できる。受容層の塗布量が多い場合には、固形分が低い、あるいは粘度が低いことにより乾燥時に樹脂が基材側に移動し、インク受容層の表面強度が弱くなる場合がある。逆に、固形分が高い、あるいは粘度が高いときには、塗布直後や初期乾燥時のレベリング性の不良や脱泡性の不良によりコート外観が不良になる場合がある。
【0046】
インク受容層を設ける方法は、特に限定されるものではないが、グラビアコート方式、キスコート方式、ディップ方式、スプレイコート方式、カーテンコート方式、エアナイフコート方式、ブレードコート方式、リバースロールコート方式、バーコート方式、リップコート方式など通常用いられている方法が適用できる。粒子を含有する塗布液を均一に塗布できることから、グラビアコート方式、特にマイクログラビアコート方式が好ましい。
【0047】
インク受容層の塗布量は、特に限定されるものではないが、20〜100g/mであることが好ましい。インク受容層の塗布量が20g/m未満の場合には、インク受容層中の蓄光顔料の絶対量が低下し、蓄光性の性能が不足する場合がある。逆に、インク受容層の塗布量が100g/mを越える場合には、記録材を所定のサイズにカットする際に、記録材のインク受容層の端面から粉落ちが発生しやすくなる。
【0048】
本発明において、インク受容層は粒子と樹脂とを含有する塗布液を基材上に塗布した後に乾燥して形成する必要があるが、塗布後の初期の乾燥条件により多孔質構造が変化するので、注意が必要である。
【0049】
インク受容層を設けるには、基材上に水、粒子および樹脂から主に構成される塗布液を塗布量60〜200g/mで塗布し、温度100〜160℃、風速5〜30m/秒の熱風で初期乾燥させる方法が好ましい。初期乾燥が強すぎる(乾燥温度が160℃を越えるか、および/または風速が30m/秒を越える)場合には、インク受容層の多孔質構造に大きなクラックが発生しやすくなる。逆に、初期乾燥が弱い(乾燥温度が100℃未満であるか、および/または風速が5m/秒未満)場合には、インク受容層の多孔質構造の強度が弱くなりやすいばかりか、印刷特性も不良となりやすい。
【0050】
インク受容層を設けていない反対面には、必要に応じて、帯電防止層、粘着層、筆記層などの各種の加工を行ってもよい。
【0051】
本発明のインクジェット印刷用記録材に対して用いられるインクは、特に限定されるものではなく、一般的に用いられている水系染料インク、水系顔料インク、油性染料インク、油性顔料インク、溶剤染料インク、溶剤顔料インクなどが好適である。
【0052】
かくして得られたインクジェット印刷用記録材は、蓄光性を有しており、意匠性に優れる記録物を作成することが可能である。
【0053】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
まず、実施例で用いた測定・評価方法を以下に示す。
【0054】
(1)印刷特性
顔料インクを用いたインクジェットプリンター(ミマキエンジニアリング製、JV2−130)により、写真調の画像、イラスト調の画像を印刷したものを目視で以下の判断基準で評価した。
◎:鮮やかで、発色性に非常に優れる
○:鮮やかで、発色性に優れる
△:若干発色性が劣るが、実用上問題のないレベル
×:くすみがある、あるいは発色性が乏しい
【0055】
(2)蓄光性
暗室下で24時間ブラックライトを照射した後に、目視で観察する。
○:明確に発色しており、意匠性に優れる
△:発色がやや劣るが画像が認識できる
×:画像が認識できない
【0056】
(3)耐候性
上記(1)で印刷した記録物と、この記録物を屋外で3カ月間放置した記録物とについて、記録物の画像の変化を目視で比較した。
○:差がない
△:若干の変化あるが、問題ないレベル
×:明白に差がある
【0057】
(4)表面強度
ラミネートフィルム(東洋インキ製、S−124K)を受容層側に貼り付け、荷重5kgfでローラーを3往復させた後に24時間放置して測定サンプルを調製した。次いで、300mm/分の条件で180度剥離で剥離力を測定した。
【0058】
実施例1
下記の塗布液を調製し、空洞含有白色ポリエステルフィルム(東洋紡績製、K232;厚さ100μm)に100g/m(乾燥後の重量で45g/m)になるように塗布し、120℃で10m/秒の熱風を30秒、160℃で風速10m/秒の熱風を30秒間吹き付けて乾燥させ、インクジェット印刷用記録材を得た。
水 44.66重量%
蓄光顔料 39.29重量%
(イージブライト製、EZCB03−S;平均粒径6μm)
非水溶性ウレタン樹脂 15.23重量%
(三井武田ケミカル製、W−635;固形分35重量%)
カチオン性樹脂 0.72重量%
(センカ製、ユニセンスCP103;固形分39重量%)
フッ素系界面活性剤 0.10重量%
(DIC製、F−144D)
【0059】
実施例2
インク受容層形成用塗布液を下記の塗布液に変更したこと以外は実施例1と同様にして、インクジェット印刷用記録材を得た。
水 44.66重量%
蓄光顔料 27.50重量%
(イージブライト製、EZCB03−S;平均粒径6μm)
シリカ 11.79重量%
(富士シリシア製、サイリシア770;平均粒径6.7μm)
非水溶性ウレタン樹脂 15.23重量%
(三井武田ケミカル製、W−635;固形分35重量%)
カチオン性樹脂 0.72重量%
(センカ製、ユニセンスCP103;固形分39重量%)
フッ素系界面活性剤 0.10重量%
(DIC製、F−144D)
【0060】
実施例3
インク受容層形成用塗布液を下記の塗布液に変更したこと以外は実施例1と同様にして、インクジェット印刷用記録材を得た。
水 44.66重量%
蓄光顔料 19.64重量%
(イージブライト製、EZCB03−S;平均粒径6μm)
シリカ 19.64重量%
(富士シリシア製、サイリシア770;平均粒径6.7μm)
非水溶性ウレタン樹脂 15.23重量%
(三井武田ケミカル製、W−635;固形分35重量%)
カチオン性樹脂 0.72重量%
(センカ製、ユニセンスCP103;固形分39重量%)
フッ素系界面活性剤 0.10重量%
(DIC製、F−144D)
【0061】
実施例4
乾燥後の塗布量が25g/mになるようにしたこと以外は実施例1と同様にして、インクジェット印刷用記録材を得た。
【0062】
実施例5
乾燥後の塗布量が95g/mになるようにしたこと以外は実施例1と同様にして、インクジェット印刷用記録材を得た。
【0063】
実施例6
インク受容層形成用塗布液を下記の塗布液に変更したこと以外は実施例1と同様にして、インクジェット印刷用記録材を得た。
水 34.32重量%
蓄光顔料 33.67重量%
(イージブライト製、EZCB03−S;平均粒径6μm)
非水溶性ウレタン樹脂 30.47重量%
(三井武田ケミカル製、W−635;固形分35重量%)
カチオン性樹脂 1.44重量%
(センカ製、ユニセンスCP103;固形分39重量%)
フッ素系界面活性剤 0.10重量%
(DIC製、F−144D)
【0064】
実施例7
インク受容層形成用塗布液を下記の塗布液に変更したこと以外は実施例1と同様にして、インクジェット印刷用記録材を得た。
水 47.48重量%
蓄光顔料 40.82重量%
(イージブライト製、EZCB03−S;平均粒径6μm)
非水溶性ウレタン樹脂 11.08重量%
(三井武田ケミカル製、W−635;固形分35重量%)
カチオン性樹脂 0.52重量%
(センカ製、ユニセンスCP103;固形分39重量%)
フッ素系界面活性剤 0.10重量%
(DIC製、F−144D)
【0065】
比較例1
インク受容層形成用塗布液を下記の塗布液に変更したこと以外は実施例1と同様にして、インクジェット印刷用記録材を得た。
水 44.66重量%
シリカ 39.29重量%
(富士シリシア製、サイリシア770;平均粒径6.7μm)
非水溶性ウレタン樹脂 15.23重量%
(三井武田ケミカル製、W−635;固形分35重量%)
カチオン性樹脂 0.72重量%
(センカ製、ユニセンスCP103;固形分39重量%)
フッ素系界面活性剤 0.10重量%
(DIC製、F−144D)
【0066】
比較例2
インク受容層形成用塗布液を下記の塗布液に変更したこと以外は実施例1と同様にして、インクジェット印刷用記録材を得た。
水 44.66重量%
蓄光顔料 11.79重量%
(イージブライト製、EZCB03−S;平均粒径6μm)
シリカ 27.50重量%
(富士シリシア製、サイリシア770;平均粒径6.7μm)
非水溶性ウレタン樹脂 15.23重量%
(三井武田ケミカル製、W−635;固形分35重量%)
カチオン性樹脂 0.72重量%
(センカ製、ユニセンスCP103;固形分39重量%)
フッ素系界面活性剤 0.10重量%
(DIC製、F−144D)
【0067】
実施例1〜7および比較例1〜2で得られた記録材の評価結果を表1に示す。
【0068】
【表1】
Figure 0004122935
【0069】
【発明の効果】
本発明のインクジェット印刷用記録材は、基材上に粒子と樹脂とから主に構成された多孔質構造のインク受容層において、粒子の50〜100重量%が蓄光顔料であるので、屋内外で展示可能な蓄光性を有し、ポスターや広告看板などに好適である。

Claims (9)

  1. 基材上に粒子と樹脂とから主に構成された多孔質構造のインク受容層を設けたインクジェット印刷用記録材であって、当該樹脂が非水溶性樹脂とカチオン性樹脂とから主に構成され、粒子の50〜100重量%が蓄光顔料であり、蓄光顔料がインク受容層にのみ存在することを特徴とするインクジェット印刷用記録材。
  2. インク受容層の塗布量が20〜100g/mであることを特徴とする請求項1記載のインクジェット印刷用記録材。
  3. 非水溶性樹脂がエチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂およびアクリル樹脂からなる群から選択されることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載のインクジェット印刷用記録材。
  4. 粒子と樹脂との重量比が1.5/1〜10/1であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のインクジェット印刷用記録材。
  5. 粒子の平均粒径が1〜30μmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載のインクジェット印刷用記録材。
  6. 蓄光顔料がアルカリ土類金属のアルミン酸塩であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載のインクジェット印刷用記録材。
  7. 基材が少なくとも1軸に延伸されたポリエステルフィルムであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載のインクジェット印刷用記録材。
  8. ポリエステルフィルムが空洞含有白色ポリエステルフィルムであることを特徴とする請求項7記載のインクジェット印刷用記録材。
  9. 基材と多孔質構造のインク受容層との間にアンカー層を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項記載のインクジェット印刷用記録材。
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