JP4122842B2 - 測定器管理用情報提供システム及び測定器管理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の拠点に設置された出力装置のキャリブレーションを行う際に、各出力装置の出力物の色や濃度をより近似させるために、各拠点において使用される測定器の測定値の補正を行うための測定器管理用情報提供システム及び測定器管理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、カラープルーフ作成装置等の出力装置においては、色校正を行う上で遠隔地等、複数の拠点に設置された装置にて出力を行う際に、各出力装置の出力物の色や濃度をより近似させるために、これら出力装置のキャリブレーションを行う必要がある。
【0003】
このような場合、各拠点においては、出力装置から出力される出力物の色彩や濃度を測定器で測定して、その測定値を基に出力装置の調整を行い、これを基準値に近似させる作業が行われる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、各拠点において使用される測定器は別個であるため、例えば、測定器の機種や製造元等が異なる場合があり、これら機種や製品等の違いから、その測定値が必ずしも一致しない問題がある。例え測定器が同一の機種であった場合でも、測定器の持つフィルタやモード等の設定の違いから、更には、光源の違い等の人為的ミスから、測定値は一致しないことが多い。
【0005】
従って、このような状況の下で、各拠点において、出力装置から出力される出力物の色彩や濃度を測定して、その測定値を基に出力装置の調整を行っても、各測定器の測定値の誤差は補正されていないために、適切な出力装置のキャリブレーションを行うことは不可能であった。
【0006】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、色校正を行う上で、遠隔地等、複数の拠点に設置された装置にて出力を行う際に、各出力装置の出力物の色彩や濃度をより近似させるために、これら出力装置のキャリブレーションを行う各測定器の測定値の誤差を管理して、その誤差を基に各測定器の調整を行うことで、複数の拠点に配置された出力装置のキャリブレーションを適切に行うことを可能とする測定器管理用情報提供システム及び測定器管理方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1記載の測定器管理用情報提供システムは、標準となる色見本の色彩や濃度に関する基準値の管理を行う管理サーバーと、該管理サーバーにネットワークを介して接続され、前記標準となる色見本の色彩や濃度の測定を行うと共に、その測定結果及び自身の固有情報を前記ネットワークを介して前記管理サーバーへ送信する複数の測定器とから構成される測定器管理用情報提供システムであって、前記管理サーバーは、さらに、前記測定器より送信される測定結果及び固有情報に基づいて、前記測定結果と前記基準値との誤差を算出して、その結果を前記固有情報と共にWeb上の所定のサイトにて表示する手段を有することを特徴とする。
【0008】
上記課題を解決するために、請求項2記載の測定器管理用情報提供システムは、標準となる色見本の色彩や濃度に関する基準値の管理を行う管理サーバーと、該管理サーバーにネットワークを介して接続される複数の端末装置と、該端末装置に接続され、前記標準となる色見本の色彩や濃度の測定を行うと共に、その測定結果及び自身の固有情報を前記端末装置及び前記ネットワークを介して前記管理サーバーへ送信する複数の測定器とから構成される測定器管理用情報提供システムであって、前記管理サーバーは、さらに、前記測定器より送信される測定結果及び固有情報に基づいて、前記測定結果と前記基準値との誤差を算出して、その結果を前記固有情報と共にWeb上の所定のサイトにて表示する手段を有することを特徴とする。
【0009】
上記課題を解決するために、請求項3記載の測定器管理用情報提供システムは、標準となる色見本の色彩や濃度に関する基準値の管理を行う管理サーバーと、該管理サーバーにネットワークを介して接続され、前記標準となる色見本の色彩や濃度の測定を行うと共に、その測定結果及び自身の固有情報を前記ネットワークを介して前記管理サーバーへ送信する手段を有する複数の出力装置とから構成される測定器管理用情報提供システムであって、前記管理サーバーは、さらに、前記出力装置より送信される測定結果及び固有情報に基づいて、前記測定結果と前記基準値との誤差を算出して、その結果を前記固有情報と共にWeb上の所定のサイトにて表示する手段を有することを特徴とする。
【0010】
上記課題を解決するために、請求項9記載の測定器管理方法は、標準となる色見本の色彩や濃度に関する基準値の管理を行う管理サーバーと、該管理サーバーにネットワークを介して接続され、前記標準となる色見本の色彩や濃度の測定を行うと共に、その測定結果及び自身の固有情報を前記ネットワークを介して前記管理サーバーへ送信する複数の測定器とから構成される測定器管理用情報提供方法において、前記測定器により、前記標準となる色見本の色彩や濃度の測定を行うステップと、前記測定器から、前記出力物の測定結果及び自身の固有情報を前記ネットワークを介して前記管理サーバーへ送信するステップと、前記管理サーバーにて、前記出力物の測定結果と前記基準値との誤差を算出して、その算出結果を前記固有情報と共にWeb上の所定のサイトにて表示するステップとを含み構成されることを特徴とする。
【0011】
上記課題を解決するために、請求項10記載の測定器管理方法は、標準となる色見本の色彩や濃度に関する基準値の管理を行う管理サーバーと、該管理サーバーにネットワークを介して接続される複数の端末装置と、該端末装置に接続され、前記標準となる色見本の色彩や濃度の測定を行うと共に、その測定結果及び自身の固有情報を前記端末装置及び前記ネットワークを介して前記管理サーバーへ送信する複数の測定器とから構成される測定器管理用情報提供方法において、前記測定器により、前記標準となる色見本の色彩や濃度の測定を行うステップと、前記測定器から、前記出力物の測定結果及び自身の固有情報を前記端末装置及び前記ネットワークを介して前記管理サーバーへ送信するステップと、前記管理サーバーにて、前記出力物の測定結果と前記基準値との誤差を算出して、その算出結果を前記固有情報と共にWeb上の所定のサイトにて表示するステップとを含み構成されることを特徴とする。
【0012】
上記課題を解決するために、請求項11記載の測定器管理方法は、標準となる色見本の色彩や濃度に関する基準値の管理を行う管理サーバーと、該管理サーバーにネットワークを介して接続され、前記標準となる色見本の色彩や濃度の測定を行うと共に、その測定結果及び自身の固有情報を前記ネットワークを介して前記管理サーバーへ送信する手段を有する複数の出力装置とから構成される測定器管理用情報提供方法において、前記出力装置により、前記標準となる色見本の色彩や濃度の測定を行うステップと、前記出力装置から、前記出力物の測定結果及び自身の固有情報を前記ネットワークを介して前記管理サーバーへ送信するステップと、前記管理サーバーにて、前記出力物の測定結果と前記基準値との誤差を算出して、その算出結果を前記固有情報と共にWeb上の所定のサイトにて表示するステップとを含み構成されることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る測定器管理用情報提供システム及び測定器管理方法の様々な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0014】
[第一の実施形態]
(測定器管理用情報提供システムの構成)
まず、本実施形態における測定器管理用情報提供システムの構成について説明する。
【0015】
図1に、当該測定器管理用情報提供システムのシステム構成図を示す。同図に示すように、当該測定器管理用情報提供システムは、各測定器(測定器S1〜S3)毎にその固有情報(製品、機種等)に応じて、標準となる色見本Pの色彩や濃度に関する測定値(以下、基準値と称する)の管理を行う管理サーバー1と、この管理サーバー1にネットワークNを介して接続され、測定器S1〜S3の測定結果及び固有情報を管理サーバー1へ送信する複数の端末装置2a〜2cと、この端末装置2a〜2cに接続され、標準となる色見本Pの色や濃度の測定を行うと共に、その測定結果及び自身の固有情報を、端末装置2a〜2cへ送信する複数の測定器S1〜S3とから構成されている。尚、端末装置2a〜2c及び測定器S1〜S3は、出力装置C1〜C3の個数に応じて任意の個数が配置されても良く、また、測定器S1〜S3及び出力装置C1〜C3は、互いに異なる製品や機種であっても良い。
【0016】
ところで、此処に言う標準となる色見本Pとは、予め、その色彩及び濃度が管理サーバー1にて管理されている色見本のことを指し、この色見本Pは、後述するように、同一のものが各測定器(測定器S1〜S3)に巡回され、或いは、同一の色彩及び濃度に管理された複数が各測定器(測定器S1〜S3)に配布され、或いは、各測定器(測定器S1〜S3)に対応して、予め、同一製品及び同一機種であって、同一の固有設定が成された基準となる測定器によって、その色彩及び濃度が測定されたものが各測定器(測定器S1〜S3)にそれぞれ配布される。
【0017】
管理サーバー1は、より詳しくは、各測定器(測定器S1〜S3)毎に、その固有情報(製品、機種等)に応じて、標準となる色見本Pの色彩や濃度に関する基準値を格納する格納部1aと、端末装置2a〜2cから送信された測定器S1〜S3の測定値及び固有情報を登録する登録部1bと、この登録部1bに登録された測定値及び固有情報に基づいて、その測定値と測定値格納部1aに格納された基準値とを比較して、その誤差を算出する比較部1cと、この比較部1cによって算出された誤差を先の固有情報と共にWeb上の所定のサイトにて表示する表示部1dとから構成されている。
【0018】
尚、測定器S1〜S3は、何れも同様の構成となっているため、以下においては測定器S1を例に採り説明を行う。
【0019】
測定器S1は、標準となる色見本Pや出力装置(出力装置C1〜C3)により出力された出力物の色や濃度を測定する測定部S1aと、当該測定器S1の固有情報(具体的には、製品及び機種情報、固有設定情報等)を格納する格納部S1bと、測定部S1aにより測定された測定値及び格納部S1bに格納された当該測定器S1の固有情報を端末装置2a及びネットワークNを介して管理サーバー1へ送信する送信部S1cと、さらに、管理サーバー1の表示部1dによってWeb上の所定のサイトにて表示される当該測定器S1の測定値と基準値との誤差に関するデータを、先の所定のサイトからダウンロードして、これを表示する表示部S1dとから構成されている。但し、この表示部S1dは省略して、後述する端末装置2aにその役割を持たせても良い。
【0020】
端末装置2aは、所謂、パーソナルコンピュータであって、モニタ等の表示部と、キーボードやマウス等の操作部とを備え、測定器S1の測定値及び固有情報をネットワークNを介して管理サーバー1へ送信する役割を持っている。また、測定器S1に替わって、Web上の所定のサイトにて表示される測定器S1の測定値と基準値との誤差に関するデータを、先の所定のサイトからダウンロードして、これを表示する手段にもなっている。
【0021】
出力装置C1〜C3は、カラープルーフ作成装置、プリンタ、複写機等、色彩や濃度の調整が可能な出力装置であって、各拠点にそれぞれ配置されている。
【0022】
尚、測定器S1と端末装置2aは、通信手段を介して接続されている必要はなく、このような場合には、端末装置2aにおいて、測定器S1の測定値を手入力して、この測定器S1の測定値及び固有情報をネットワークNを介して管理サーバー1へ送信して、さらに、Web上の所定のサイトにて表示される測定器S1の測定値と基準値との誤差に関するデータを、先の所定のサイトからダウンロードして、これを表示することになる。
【0023】
(測定器管理用情報提供システムの管理方法)
次に、以上のように構成される当該測定器管理用情報提供システムの測定器管理方法について説明する。
【0024】
まず、各拠点において、標準となる色見本Pの色彩や濃度を測定器S1〜S3により測定する。この標準となる色見本Pとは、例えば、図2に示すようなものであって、同図においては、CMYKのカラーパッチを示している。当該色見本Pは、前述のように、同一のものを各測定器(測定器S1〜S3)、即ち、各拠点に巡回させたもの、或いは、同一の色彩及び濃度に管理された複数を各拠点に配布したもの、或いは、測定器S1〜S3毎に、予め、同一製品及び同一機種であって、同一の固有設定が成された基準となる測定器によって、その色彩及び濃度が測定されたものを各拠点にそれぞれ配布したものの何れかであることとし、この色見本Pの色彩や濃度の測定値は、予め、基準値として管理サーバー1の格納部1aに格納されているものとする。
【0025】
以下、図3に示すフローチャートを参照しつつ、測定器S1を例に採り説明を続ける。測定器S1の測定部S1aにより測定された(ステップ1)色見本Pの色や濃度の測定値は、当該測定器S1を端末装置2aに通信ケーブル等を介して接続して(ステップ2)、当該測定器S1の図示省略の操作部、或いは、端末装置2aの操作部により所定の操作を行うことで、格納部S1bに格納された当該測定器S1の固有情報(具体的には、製品及び機種情報、固有設定情報、配置場所情報等)と共に、送信部S1cから、端末装置2a及びネットワークNを介して、管理サーバー1へと送信される(ステップ3)。
【0026】
ここで、測定器S1の固有情報について説明する。まず、製品及び機種情報とは、当該測定器S1の製品情報(○○社製)と機種情報(△△‐□□)のことである。また、固有設定情報とは、例えば、濃度測定に必要なフィルタの設定に関する情報等のことであり、北米規格やヨーロッパ標準規格等に対応するものがある。さらに、配置場所情報とは、当該測定器S1が配置される拠点(親会社○○号機、工場△、系列会社□□等)に関する情報のことである。尚、この配置場所情報は、端末装置2aに格納されていても良い。
【0027】
一方、管理サーバー1においては、登録部1bによって、測定器S1から送信された色見本Pの測定値及び固有情報が受信/登録され(ステップ4)、比較部1cによって、測定器S1の固有情報を基に、格納部1aに格納された色見本Pの基準値、即ち、測定器S1と同一の製品及び機種の基準となる測定器によって測定された色見本Pの測定値と、測定器S1から送信された色見本Pの測定値との比較が行われ、その測定誤差が算出される(ステップ5)。さらに、表示部1dによって、この測定誤差は先の固有情報と共にWeb上の所定のサイトに表示される(ステップ6)。
【0028】
ここで、図4に、この測定誤差が先の固有情報と共にWeb上の所定サイトに表示された際の表示画面10を示す。因みに、同図においては、各測定器(測定器S1〜S3)の固有情報10aとして、各測定器の配置場所に関する情報(親会社1号機、2号機、工場A、工場B、系列印刷会社1)及び製品/機種に関する情報(○○社製、△△‐□□)が表示され、また、各拠点における測定器の各色(Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)、R(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)、W(ホワイト))濃度測定値と基準値との誤差:ΔE(濃度)10b、及び、その基準値10cとが表示されている。さらに、この他にも、基準値が格納された日(基準色登録日)10d、測定値が登録された日(更新日)10e、測定器の補正が行われた日(測定器補正日)10f、測定値と基準値との誤差:ΔEが予め設定された閾値を超えたか否かを判定する、判定結果10gも合わせて表示されている。尚、これらの情報の内、先の基準色登録日10d、更新日10e及び測定器補正日10fは、管理サーバー1の登録部1bにより登録/更新され、格納部1aに格納されるものとする。また、判定結果10gに関しては、比較部1cにより判定されるものとする。
【0029】
一方、測定器S1においては、図示省略の操作部によって所定の操作を行うことで、先のWeb上の所定のサイトにアクセスして(ステップ7)、先の表示画面10を表示部S1dに表示する(ステップ8)。但し、これらの操作は、端末装置2aの操作部及び表示部によって行うことにしても良い。このような場合には、端末装置2aのキーボードやマウス等の操作部によって先のWeb上の所定のサイトにアクセスして、先の表示画面10をモニタ等の表示部に表示することになる。
【0030】
そして、その測定誤差に基づいて、当該測定器S1の各種調整を行うことで、その測定値を基準となる測定器と同様の値に近似する(ステップ9)。尚、これら各種の調整は、先の測定誤差を当該測定器S1にダウンロードすることで自動的に行われるようにしても良い。
【0031】
以上をもって、測定器S1の測定値の補正は終了するが、この測定値S1を用いて、さらに、出力装置2aの出力物の色彩や濃度に関する補正を行う。
【0032】
まず、当該測定器S1を用いて、出力装置C1の出力物の色彩や濃度を測定する。そして、その測定値に基づいて出力装置C1の各種調整を行うことで、出力物の色や濃度を所望の値に近似させる。
【0033】
以上に説明した工程を、残りの出力装置C2〜C3に関しても同様に行うことで、全ての拠点に配置される出力装置(出力装置C1〜C3)に関して、その出力物の色彩や濃度を所望の値に近似する。これにより、各拠点に配置される出力装置(出力装置C1〜C3)から、同一の色彩や濃度の出力物を得ることが可能となる。
【0034】
[第二の実施形態]
(測定器管理用情報提供システムの構成)
まず、本実施形態における測定器管理用情報提供システムの構成について説明する。当該測定器管理用情報提供システムは、第一の実施形態における端末装置2a〜2c及び測定器S1〜S3が、それぞれ出力装置C1〜C3の内部に設けられ、これらが一体となって構成されたものである。即ち、出力装置C1〜C3のそれぞれには、ネットワークNを介して管理サーバー1と通信を行う図示省略の通信部と、先の測定器S1〜S3が内蔵されている。
【0035】
図5に、当該測定器管理用情報提供システムのシステム構成図を示す。同図に示すように、当該測定器管理用情報提供システムは、出力装置(出力装置C1〜C3)に内蔵される測定器(測定器S1〜S3)毎にその固有情報(製品、機種等)に応じて、標準となる色見本Pの色彩や濃度の測定値(以下、基準値と称する)の管理を行う管理サーバー1と、この管理サーバー1にネットワークNを介して接続され、標準となる色見本Pの色彩や濃度の測定を行うと共に、その測定結果及び自身の固有情報を、ネットワークNを介して管理サーバー1へ送信する測定器S1〜S3及びこれを内蔵する複数の出力装置C1〜C3とから構成されている。尚、出力装置C1〜C3及び測定器S1〜S3は任意の個数が配置されて良く、また、これらは互いに異なる製品や機種であっても良い。
【0036】
ところで、此処に言う標準となる色見本Pとは、予め、その色彩及び濃度が管理サーバー1にて管理されている色見本のことを指し、この色見本Pは、後述するように、同一のものが各出力装置(出力装置C1〜C3)に巡回され、或いは、同一の色彩及び濃度に管理された複数が各出力装置(出力装置C1〜C3)に配布され、或いは、各測定器(測定器S1〜S3)に対応して、予め、同一製品及び同一機種であって、同一の固有設定が成された基準となる測定器によって、その色彩及び濃度が測定されたものが各出力装置(出力装置C1〜C3)にそれぞれ配布される。
【0037】
管理サーバー1は、より詳しくは、出力装置(出力装置C1〜C3)に内蔵される測定器(測定器S1〜S3)毎に、標準となる色見本Pの色彩や濃度に関する基準値を格納する格納部1aと、測定器S1〜S3から送信された測定データ及び固有情報を登録する登録部1bと、この登録部1bに登録された固有情報及び測定値に基づいて、その測定値と測定値格納部1aに格納された基準値とを比較して、その誤差を算出する比較部1cと、この比較部1cによって算出された誤差を先の固有情報と共にWeb上の所定のサイトにて表示する表示部1dとから構成されている。
【0038】
また、出力装置C1〜C3は、カラープルーフ作成装置、プリンタ、複写機等、色彩や濃度の調整が可能な出力装置であって、各拠点にそれぞれ配置されている。
【0039】
出力装置C1〜C3及び測定器S1〜S3は、何れも同様の構成となっているため、以下においては出力装置C1及び測定器S1を例に採り説明を続ける。
【0040】
出力装置C1は、所定の出力物を出力する出力部と、この出力部から出力される出力物、さらには、標準となる色見本Pの色彩や濃度を測定する測定器S1とから構成されている。
【0041】
測定器S1は、出力装置C1に内蔵されると共に、当該出力装置C1により出力された出力物、さらに、標準となる色見本Pの色彩や濃度を測定する測定部S1aと、当該測定器S1の固有情報(具体的には、製品及び機種情報、固有設定情報等)を格納する格納部S1bと、測定部S1aにより測定された測定値及び格納部S1bに格納された当該測定器S1の固有情報を管理サーバー1へ送信する送信部S1cと、さらに、管理サーバー1の表示部1dによってWeb上の所定のサイトにて表示される当該測定器S1の測定値と基準値との誤差に関するデータを、先の所定のサイトからダウンロードして、これを表示する表示部S1dとから構成されている。但し、この表示部S1dは、出力装置C1の操作部(液晶パネル等)であっても良い。
【0042】
(測定器管理用情報提供システムの管理方法)
次に、以上のように構成される当該測定器管理用情報提供システムの測定器管理方法について説明する。
【0043】
まず、各拠点において、標準となる色見本Pの色彩や濃度を測定器S1〜S3により測定する。この標準となる色見本Pとは、例えば、図2に示すようなものであって、同図においては、CMYKのカラーパッチを示している。当該色見本Pは、前述のように、同一のものを各出力装置(出力装置C1〜C3)、即ち、各拠点に巡回させたもの、或いは、同一の色彩及び濃度に管理された複数を各拠点に配布したもの、或いは、測定器S1〜S3毎に、予め、同一製品及び同一機種であって、同一の固有設定が成された基準となる測定器によって、その色彩及び濃度が測定されたものを各拠点にそれぞれ配布したものの何れかであることとし、この色見本Pの色彩や濃度の測定値は、予め、基準値として管理サーバー1の格納部1aに格納されているものとする。
【0044】
以下、図6に示すフローチャートを参照しつつ、出力装置C1及び測定器S1を例に採り説明を続ける。測定器S1の測定部S1aにより測定された(ステップ1)色見本Pの色や濃度の測定値は、格納部S1bに格納された当該測定器S1の固有情報(具体的には、製品及び機種情報、固有設定情報、配置場所情報等)と共に、送信部S1cにより、ネットワークNを介して、管理サーバー1へと送信される(ステップ2)。
【0045】
ここで、測定器S1の固有情報について説明する。まず、製品及び機種情報とは、当該測定器S1の製品情報(○○社製)と機種情報(△△‐□□)のことである。また、固有設定情報とは、例えば、濃度測定に必要なフィルタの設定に関する情報等のことであり、北米規格やヨーロッパ標準規格等に対応するものがある。さらに、配置場所情報とは、当該測定器S1及び出力装置2aが配置される拠点(親会社○○号機、工場△、系列会社□□等)に関する情報のことである。
【0046】
一方、管理サーバー1においては、登録部1bによって、測定器S1から送信された色見本Pの測定値及び固有情報が受信/登録され(ステップ3)、比較部1cによって、測定器S1の固有情報を基に、格納部1aに格納された色見本Pの基準値、即ち、測定器S1と同一の製品及び機種の基準となる測定器によって測定された色見本Pの測定値と、測定器S1から送信された色見本Pの測定値との比較が行われ、その測定誤差が算出される(ステップ4)。さらに、表示部1dによって、この測定誤差は先の固有情報と共にWeb上の所定のサイトに表示される(ステップ5)。
【0047】
ここで、図4に、この測定誤差が先の固有情報と共にWeb上の所定サイトに表示された際の表示画面10を示す。因みに、同図においては、各測定器(測定器S1〜S3)の固有情報10aとして、各測定器の配置場所に関する情報(親会社1号機、2号機、工場A、工場B、系列印刷会社1)及び製品/機種に関する情報(○○社製、△△‐□□)が表示され、また、各拠点における測定器の各色(Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)、R(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)、W(ホワイト))濃度測定値と基準値との誤差:ΔE(濃度)10b、及び、その基準値10cとが表示されている。さらに、この他にも、基準値が格納された日(基準色登録日)10d、測定値が登録された日(更新日)10e、測定器の補正が行われた日(測定器補正日)10f、測定値と基準値との誤差:ΔEが予め設定された閾値を超えたか否かを判定する、判定結果10gも合わせて表示されている。尚、これらの情報の内、先の基準色登録日10d、更新日10e及び測定器補正日10fは、管理サーバー1の登録部1bにより登録/更新され、格納部1aに格納されるものとする。また、判定結果10gに関しては、比較部1cにより判定されるものとする。
【0048】
一方、出力装置C1の測定器S1においては、図示省略の操作部、例えば、出力装置C1の操作部(タッチパネル)によって所定の操作を行うことで、先のWeb上の所定のサイトにアクセスして(ステップ6)、先の表示画面10を表示部S1dに表示する(ステップ7)。尚、この表示部S1dは、出力装置C1の操作部(液晶パネル)であっても良い。
【0049】
そして、その測定誤差に基づいて測定器S1の調整を行うことで、その測定値を基準となる測定器と同様の値に近似する(ステップ8)。尚、これら各種の調整は、先の測定誤差を当該出力装置C1にダウンロードすることで自動的に行われるようにしても良い。
【0050】
以上をもって、測定器S1の測定値の補正は終了するが、この測定値S1を用いて、さらに、出力装置2aの出力物の色彩や濃度に関する補正を行う。
【0051】
まず、当該測定器S1によって、出力装置C1の出力物の色彩や濃度を測定する(ステップ9)。そして、その測定値に基づいて出力装置C1の各種調整を行うことで、出力物の色や濃度を所望の値に近似させる(ステップ10)。
【0052】
以上に説明した工程を、残りの出力装置C2〜C3に関しても同様に行うことで、全ての拠点に配置される出力装置(出力装置C1〜C3)に関して、その出力物の色彩や濃度を所望の値に近似させる。これにより、全ての拠点に配置される出力装置(出力装置C1〜C3)から、同一の色彩や濃度の出力物を得ることが可能となる。
【0053】
尚、以上に説明した本発明に係る測定器管理用情報提供システムの表示画面10の構成や色見本Pの構成は、測定器S1〜S2の種類(例えば、色彩計、濃度計、分光測色計等)に応じて適当に変化させるものとする。従って、図2及び図3に示した構成に限られるものではない。また、出力装置C1〜C3も、図1及び図3に示したカラープルーフ作成装置に限られるものではなく、例えばプリンタや複写機等の色彩や濃度の調整が可能な出力装置であっても良い。
【0054】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明に係る測定器管理用情報提供システム及び測定器管理方法によれば、色校正を行う上で、遠隔地等、複数の拠点毎で出力を行う際に、拠点毎の出力キャリブレーションを行う測定器の測定誤差を適切に管理することができるので、その測定誤差を基に全ての拠点における測定器の測定値の補正を行い、さらには、この測定器を用いて出力装置の各種調整を行うことで、各拠点において確実に同一の出力物を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る測定器管理用情報提供システムの一実施形態におけるシステム構成図である。
【図2】図1に示す測定器管理用情報提供システムにおいて、各拠点に配布される標準となる色見本の一構成例(CMYKのカラーパッチ)を表す図である。
【図3】図1に示す測定器管理用情報提供システムにおける測定器管理方法を説明するためのフローチャートである。
【図4】図1に示す測定器管理用情報提供システムの管理サーバーによりWeb上の所定のサイトに表示される表示画面の一構成例を表す図である。
【図5】図1に示す測定器管理用情報提供システムの他の実施形態におけるシステム構成図である。
【図6】図5に示す測定器管理用情報提供システムにおける測定器管理方法を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1…管理サーバー
1a…格納部
1b…登録部
1c…比較部
1d…表示部
2a〜2c…端末装置
10…表示画面
10a…配置場所に関する情報
10b…測定器の各色濃度測定値と基準値との誤差
10c…基準値
10d…基準色登録日
10e…更新日
10f…測定値補正日
10g…判定結果
C1〜C3…出力装置
N…ネットワーク
P…標準となる色見本
S1〜S3…測定器
S1a…測定部
S1b…格納部
S1c…送信部
S1d…表示部
Claims (16)
- 標準となる色見本の色彩や濃度に関する基準値の管理を行う管理サーバーと、該管理サーバーにネットワークを介して接続され、前記標準となる色見本の色彩や濃度の測定を行うと共に、その測定結果及び自身の固有情報を前記ネットワークを介して前記管理サーバーへ送信する複数の測定器とから構成される測定器管理用情報提供システムであって、
前記管理サーバーは、さらに、前記測定器より送信される測定結果及び固有情報に基づいて、前記測定結果と前記基準値との誤差を算出して、その結果を前記固有情報と共にWeb上の所定のサイトにて表示する表示手段を有することを特徴とする測定器管理用情報提供システム。 - 標準となる色見本の色彩や濃度に関する基準値の管理を行う管理サーバーと、該管理サーバーにネットワークを介して接続される複数の端末装置と、該端末装置に接続され、前記標準となる色見本の色彩や濃度の測定を行うと共に、その測定結果及び自身の固有情報を前記端末装置及び前記ネットワークを介して前記管理サーバーへ送信する複数の測定器とから構成される測定器管理用情報提供システムであって、
前記管理サーバーは、さらに、前記測定器より送信される測定結果及び固有情報に基づいて、前記測定結果と前記基準値との誤差を算出して、その結果を前記固有情報と共にWeb上の所定のサイトにて表示する表示手段を有することを特徴とする測定器管理用情報提供システム。 - 標準となる色見本の色彩や濃度に関する基準値の管理を行う管理サーバーと、該管理サーバーにネットワークを介して接続され、前記標準となる色見本の色彩や濃度の測定を行うと共に、その測定結果及び自身の固有情報を前記ネットワークを介して前記管理サーバーへ送信する手段を有する複数の出力装置とから構成される測定器管理用情報提供システムであって、
前記管理サーバーは、さらに、前記出力装置より送信される測定結果及び固有情報に基づいて、前記測定結果と前記基準値との誤差を算出して、その結果を前記固有情報と共にWeb上の所定のサイトにて表示する表示手段を有することを特徴とする測定器管理用情報提供システム。 - 前記固有情報は、前記測定器の製品及び機種に関する情報、前記測定器の固有設定情報、前記測定器の設置場所に関する情報の何れかを含むことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の測定器管理用情報提供システム。
- 前記基準値は、基準となる測定器によって測定した前記標準となる色見本の色彩や濃度の測定値であることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の測定器管理用情報提供システム。
- 前記基準となる測定器は、前記測定器と同一製品及び同一機種の測定器であって、しかも、前記測定器と同一の固有設定となっていることを特徴とする請求項5記載の測定器管理用情報提供システム。
- 前記測定器は、前記所定のサイトにアクセスして、前記算出結果を表示する表示手段をさらに有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の測定器管理用情報提供システム。
- 前記出力装置は、前記所定のサイトにアクセスして、前記算出結果を表示する表示手段をさらに有することを特徴とする請求項3記載の測定器管理用情報提供システム。
- 標準となる色見本の色彩や濃度に関する基準値の管理を行う管理サーバーと、該管理サーバーにネットワークを介して接続され、前記標準となる色見本の色彩や濃度の測定を行うと共に、その測定結果及び自身の固有情報を前記ネットワークを介して前記管理サーバーへ送信する複数の測定器とから構成される測定器管理用情報提供方法において、
前記測定器により、前記標準となる色見本の色彩や濃度の測定を行うステップと、前記測定器から、前記出力物の測定結果及び自身の固有情報を前記ネットワークを介して前記管理サーバーへ送信するステップと、前記管理サーバーにて、前記出力物の測定結果と前記基準値との誤差を算出して、その算出結果を前記固有情報と共にWeb上の所定のサイトにて表示するステップとを含み構成されることを特徴とする測定器管理方法。 - 標準となる色見本の色彩や濃度に関する基準値の管理を行う管理サーバーと、該管理サーバーにネットワークを介して接続される複数の端末装置と、該端末装置に接続され、前記標準となる色見本の色彩や濃度の測定を行うと共に、その測定結果及び自身の固有情報を前記端末装置及び前記ネットワークを介して前記管理サーバーへ送信する複数の測定器とから構成される測定器管理用情報提供方法において、
前記測定器により、前記標準となる色見本の色彩や濃度の測定を行うステップと、前記測定器から、前記出力物の測定結果及び自身の固有情報を前記端末装置及び前記ネットワークを介して前記管理サーバーへ送信するステップと、前記管理サーバーにて、前記出力物の測定結果と前記基準値との誤差を算出して、その算出結果を前記固有情報と共にWeb上の所定のサイトにて表示するステップとを含み構成されることを特徴とする測定器管理方法。 - 標準となる色見本の色彩や濃度に関する基準値の管理を行う管理サーバーと、該管理サーバーにネットワークを介して接続され、前記標準となる色見本の色彩や濃度の測定を行うと共に、その測定結果及び自身の固有情報を前記ネットワークを介して前記管理サーバーへ送信する手段を有する複数の出力装置とから構成される測定器管理用情報提供方法において、
前記出力装置により、前記標準となる色見本の色彩や濃度の測定を行うステップと、前記出力装置から、前記出力物の測定結果及び自身の固有情報を前記ネットワークを介して前記管理サーバーへ送信するステップと、前記管理サーバーにて、前記出力物の測定結果と前記基準値との誤差を算出して、その算出結果を前記固有情報と共にWeb上の所定のサイトにて表示するステップとを含み構成されることを特徴とする測定器管理方法。 - 前記固有情報は、前記測定器の製品及び機種に関する情報、前記測定器の固有設定情報、前記測定器の設置場所に関する情報の何れかを含むことを特徴とする請求項9乃至請求項11の何れか一項に記載の測定器管理方法。
- 前記基準値は、基準となる測定器によって前記標準となる色見本の色彩や濃度を測定することで得られることを特徴とする請求項9乃至請求項12の何れか一項に記載の測定器管理方法。
- 前記基準となる測定器は、前記測定器と同一製品及び同一機種の測定器であって、しかも、前記測定器と同一の固有設定が成されていることを特徴とする請求項13記載の測定器管理方法。
- 前記測定器から、前記所定のサイトにアクセスして、前記算出結果を表示するステップをさらに有することを特徴とする請求項9又は請求項10に記載の測定器管理方法。
- 前記出力装置から、前記所定のサイトにアクセスして、前記算出結果を表示するステップをさらに有することを特徴とする請求項11記載の測定器管理方法。
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