JP2004354196A - 測色計測定値管理システム及びその測色計測定値管理方法、色管理情報提供システム及びその色管理情報提供方法 - Google Patents
測色計測定値管理システム及びその測色計測定値管理方法、色管理情報提供システム及びその色管理情報提供方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】出力物の色彩や濃度を測定する測色計の測定値の誤差を適正に管理することで、複数の拠点に設置された出力装置のキャリブレーションを適切に行うことを可能にする測色計測定値管理システム及びその測色計測定値管理方法、色管理情報提供システム及びその色管理情報提供方法を提供する。
【解決手段】補正式導出部1cは、格納部1aに格納された基準となる測色計S0による測色計補正用カラーチャート(以下、チャート)Pの測定値(以下、基準値)と受信部1bにより受信された測色計S1〜S3によるチャートPの測定値とから、測色計S1〜S3による測定値を基準値に近似させる複数の補正式を導出する。選択部1dは、それら複数の補正式により補正された測色計S1〜S3によるチャートPの測定値と基準値との差から、それが最小となるものを最も補正精度の良い補正式として選択する。登録部1eは、その補正式を登録する。
【選択図】 図1
【解決手段】補正式導出部1cは、格納部1aに格納された基準となる測色計S0による測色計補正用カラーチャート(以下、チャート)Pの測定値(以下、基準値)と受信部1bにより受信された測色計S1〜S3によるチャートPの測定値とから、測色計S1〜S3による測定値を基準値に近似させる複数の補正式を導出する。選択部1dは、それら複数の補正式により補正された測色計S1〜S3によるチャートPの測定値と基準値との差から、それが最小となるものを最も補正精度の良い補正式として選択する。登録部1eは、その補正式を登録する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、拠点毎に配置された複数の測色計の測定値の誤差を把握し、その誤差を補正する補正式を導出することで、前記複数の測色計の測定値の管理を行うための測色計測定値管理システム及びその測色計測定値管理方法と、拠点毎に設置された複数の画像出力装置のキャリブレーションを行うべく、前記拠点毎に配置され、前記画像出力装置から出力される出力物の測定を行う複数の測色計の測定値の誤差を把握し、その誤差を補正する補正式を導出して、その補正式により前記画像出力装置から出力される出力物の前記測色計による測定値を補正して、その補正された測定値に基づいて、前記画像出力装置から出力される出力物の前記測色計による測定値の前記各拠点間での誤差を算出して、これを色管理情報として提供する色管理情報提供システム及びその色管理情報提供方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、印刷物の仕上がりを事前に確認するためにカラープルーフを出力するカラープルーフ作成装置等の出力装置においては、出力されるカラープルーフの色校正を行う目的で、遠隔地にある複数の拠点に設置された出力装置において同一の出力物を出力することが要求されることがある。
【0003】
このような場合には、各拠点において出力装置から出力される出力物の色彩や濃度を一致させるべく、これら出力装置のキャリブレーションを行う必要が生じる。
【0004】
具体的には、この際、各拠点においては、出力装置から出力される出力物の色彩や濃度(例えば、CIE L*a*b*表色系におけるL*、a*、b*値や、XYZ表色系におけるX、Y、Zの三刺激値)を測色計(例えば、色差計)により測定して、その測定値に基づいて、出力物の色彩や濃度を基準値に近似させるように出力装置を調整する作業が行われる。
【0005】
しかしながら、各拠点においては、通常、別個の測色計が使用されるために、例えば測色計の機種や製造元等が異なる場合には、これら機種や製品等の違いにより、その測定値が必ずしも一致しないという問題が生じる。因みに、このように異なる機種の測色計間において、その測定値の誤差を補正する手法については、これまでにも様々な提案が成されているが(例えば、特許文献1参照)、何れにしても、各拠点においては、測色計の機種や製品に応じた調整作業を行う必要が生じ、大変な手間がかかることになる。
【0006】
また、各拠点において、同一機種の測色計を使用する場合であっても、当該測色計に備えられたフィルタの違いや、当該測色計におけるモード等の設定の違いから、同様に、その測定値が必ずしも一致しないという問題が生じる。因みに、このような場合には、上述のように異なる機種の測色計間において、その測定値の誤差を補正する手法によっては、これを解消することは困難である。
【0007】
【特許文献1】
特開平11−132849号公報
(段落〔0015〕‐〔0050〕、第1図乃至第5図)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
即ち、このような状況の下、各拠点において、出力装置から出力される出力物の色彩や濃度を測色計により測定して、その測定値を基に出力装置の調整を行っても、測色計の測定値の誤差は適正に補正されていないために、出力装置のキャリブレーションを適正に行うことは困難であった。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、拠点毎に配置された複数の測色計の測定値の誤差を把握し、その誤差を補正する補正式を導出することで、前記複数の測色計の測定値の管理を適正に行うことができる測色計測定値管理システム及びその測色計測定値管理方法と、拠点毎に設置された複数の画像出力装置のキャリブレーションを行うべく、前記拠点毎に配置され、前記画像出力装置から出力される出力物の測定を行う複数の測色計の測定値の誤差を把握し、その誤差を補正する補正式を導出して、その補正式により前記画像出力装置から出力される出力物の前記測色計による測定値を補正して、その補正された測定値に基づいて、前記画像出力装置から出力される出力物の前記測色計による測定値の前記各拠点間での誤差を算出して、これを色管理情報として提供することで、拠点毎に設置された複数の画像出力装置のキャリブレーションを適正に行うことを可能にする色管理情報提供システム及びその色管理情報提供方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、拠点毎に配置された複数の測色計の測定値の誤差を把握し、その誤差を補正する補正式を導出することで、前記複数の測色計の測定値の管理を行うための測色計測定値管理システムであって、前記拠点毎に配置され、前記測色計により測定された色見本の測定値を送信する色見本測定値送信手段を有する複数の端末装置と、基準となる測色計により測定された前記色見本の測定値を予め基準値として格納する色見本測定値格納手段と、前記色見本測定値送信手段から送信された測定値を受信する色見本測定値受信手段と、前記色見本測定値受信手段により受信された測定値を前記色見本測定値格納手段に格納された基準値に近似させる補正を行う補正式を決定する決定手段と、前記決定手段により決定された補正式を、前記色見本測定値受信手段により受信された測定値を測定した前記測色計の測定値の誤差を補正する補正式として登録する補正式登録手段と、を有する管理サーバーと、を備えたことを特徴とする。
【0011】
上記課題を解決するために、請求項8記載の発明は、拠点毎に配置された複数の測色計の測定値の誤差を把握し、その誤差を補正する補正式を導出することで、前記複数の測色計の測定値の管理を行うための測色計測定値管理方法であって、前記複数の測色計の測定値の管理を行う管理サーバーにて、基準となる測色計により測定された色見本の測定値を予め基準値として格納する色見本測定値格納ステップと、前記複数の端末装置の各々にて、前記測色計により測定された前記色見本の測定値を送信する色見本測定値送信ステップと、前記管理サーバーにて、前記色見本測定値送信ステップにおいて送信された測定値を受信する色見本測定値受信ステップと、前記色見本測定値受信ステップにおいて受信された測定値を前記色見本測定値格納ステップにおいて格納された基準値に近似させる補正を行う補正式を決定する決定ステップと、前記決定ステップにおいて決定された補正式を、前記色見本測定値受信ステップにおいて受信された測定値を測定した前記測色計の測定値の誤差を補正する補正式として登録する補正式登録ステップと、を含むことを特徴とする。
【0012】
上記課題を解決するために、請求項15記載の発明は、拠点毎に設置された複数の画像出力装置のキャリブレーションを行うべく、前記拠点毎に配置され、前記画像出力装置から出力される出力物の測定を行う複数の測色計の測定値の誤差を把握し、その誤差を補正する補正式を導出して、その補正式により前記画像出力装置から出力される出力物の前記測色計による測定値を補正して、その補正された測定値に基づいて、前記画像出力装置から出力される出力物の前記測色計による測定値の前記各拠点間での誤差を算出して、これを提供する色管理情報提供システムであって、前記拠点毎に配置され、前記測色計により測定された前記出力物の測定値を送信する出力物測定値送信手段と、前記測色計により測定された色見本の測定値を送信する色見本測定値送信手段と、を有する複数の端末装置と、基準となる測色計により測定された前記出力物の測定値を予め基準値として格納する出力物測定値格納手段と、前記基準となる測色計により測定された前記色見本の測定値を予め基準値として格納する色見本測定値格納手段と、前記出力物測定値送信手段から送信された測定値を受信する出力物測定値受信手段と、前記色見本測定値送信手段から送信された測定値を受信する色見本測定値受信手段と、前記色見本測定値受信手段により受信された測定値を前記色見本測定値格納手段に格納された基準値に近似させる補正を行う補正式を決定する決定手段と、前記決定手段により決定された補正式を、前記色見本測定値受信手段により受信された測定値を測定した前記測色計の測定値の誤差を補正する補正式として登録する補正式登録手段と、前記補正式登録手段により登録された補正式に基づき補正された前記出力物測定値受信手段により受信された測定値と、前記出力物測定値格納手段に格納された基準値との誤差を算出する算出手段と、前記算出手段により算出された誤差を、前記出力物測定値受信手段により受信された測定値の対象となった前記出力物の前記測色計による測定値の前記各拠点間での誤差として登録する誤差登録手段と、を有する管理サーバーと、を備えたことを特徴とする。
【0013】
上記課題を解決するために、請求項23記載の発明は、拠点毎に設置された複数の画像出力装置のキャリブレーションを行うべく、前記拠点毎に配置され、前記画像出力装置から出力される出力物の測定を行う複数の測色計の測定値の誤差を把握し、その誤差を補正する補正式を導出して、その補正式により前記画像出力装置から出力される出力物の前記測色計による測定値を補正して、その補正された測定値に基づいて、前記画像出力装置から出力される出力物の前記測色計による測定値の前記各拠点間での誤差を算出して、これを提供する色管理情報提供方法であって、前記測色計による測定値の前記各拠点間での誤差を提供する管理サーバーにて、基準となる測色計により測定された前記出力物の測定値を予め基準値として格納する出力物測定値格納ステップと、前記基準となる測色計により測定された色見本の測定値を予め基準値として格納する色見本測定値格納ステップと、前記複数の端末装置の各々にて、前記測色計により測定された前記色見本の測定値を送信する色見本測定値送信ステップと、前記管理サーバーにて、前記色見本測定値送信ステップにおいて送信された測定値を受信する色見本測定値受信ステップと、前記色見本測定値受信ステップにおいて受信された測定値を前記色見本測定値格納ステップにおいて格納された基準値に近似させる補正を行う補正式を決定する決定ステップと、前記決定ステップにおいて決定された補正式を、前記色見本測定値受信ステップにおいて受信された測定値を測定した前記測色計の測定値の誤差を補正する補正式として登録する補正式登録ステップと、前記複数の端末装置の各々において、前記測色計により測定された前記出力物の測定値を送信する出力物測定値送信ステップと、前記管理サーバーにおいて、前記出力物測定値送信ステップにおいて送信された測定値を受信する出力物測定値受信ステップと、前記補正式登録ステップにおいて登録された補正式に基づき補正された前記出力物測定値受信ステップにおいて受信された測定値と、前記出力物測定値格納ステップにおいて格納された基準値との誤差を算出する算出ステップと、前記算出ステップにおいて算出された誤差を、前記出力物測定値受信手段により受信された測定値の対象となった前記出力物の前記測色計による測定値の前記各拠点間での誤差として登録する誤差登録ステップと、を含むことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る測色計測定値管理システム及びその測色計測定値管理方法、色管理情報提供システム及びその色管理情報提供方法の好適な一実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。尚、本発明に係る色管理情報提供システム及びその色管理情報提供方法は、本発明に係る測色計測定値管理システム及びその測色計測定値管理方法を包含するもの(具体的には、後述する管理サーバー1における本発明の「出力物測定値格納手段」としての格納部1a、本発明の「出力物測定値受信手段」としての受信部1b、本発明の「誤差送信手段」としての送信部1f、本発明の「誤差登録手段」としての登録部1e、算出部1gと、後述する端末装置2aにおける本発明の「出力物測定値送信手段」としての送信部2ab、本発明の「誤差受信手段」としての受信部2ac、本発明の「誤差表示手段」としての表示部2adが追加され、また、後述する〔出力物測定値送信ステップ〕〜〔誤差表示ステップ〕までが追加されたもの)であるため、以下においては、本発明に係る色管理情報提供システム及びその色管理情報提供方法について説明する。
【0015】
[色管理情報提供システムの構成]
まず、本実施形態における色管理情報提供システムの構成について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0016】
(色管理情報提供システムの概略構成)
図1に、当該色管理情報提供システムのシステム構成を示す。図1に示すように、当該色管理情報提供システムは、遠隔地にある複数の拠点毎に設置された出力装置C1〜C3から出力される出力物の色彩や濃度をそれぞれ測定する測色計S1〜S3間の測定値の誤差、より詳細には、測色計S1〜S3による測定値と基準となる測色計S0による測定値との誤差を管理すると共に、その誤差を補正する補正式を導出して、その補正式により出力装置C1〜C3から出力される出力物の測色計S1〜S3による測定値を補正して、その補正された測定値に基づいて、出力装置C1〜C3から出力される出力物の測色計S1〜S3による測定値の各出力装置C1〜C3間での誤差を算出して、これを色管理情報として提供する管理サーバー1と、測色計S1〜S3のそれぞれに対応して配置され、測色計S1〜S3の測定値を管理サーバー1に送信すると共に、上述した出力装置C1〜C3から出力される出力物の測色計S1〜S3による測定値の各出力装置C1〜C3間での誤差に関する情報を受信する複数の端末装置2a〜2cと、を含み構成される。
【0017】
尚、端末装置2a〜2cは、測色計S1〜S3の個数に応じて任意の個数が配置されて良い。また、出力装置C1〜C3や測色計S1〜S3は、互いに異なる製品や機種であっても良い。また、出力装置C1〜C3は、カラープルーフ作成装置の他にも、プリンタ、複写機等の色彩や濃度の調整が可能な出力装置であれば良い。
【0018】
(管理サーバーの詳細構成)
ここで、管理サーバー1の詳細構成について説明する。管理サーバー1は、所謂、コンピュータ端末であって、モニタ等の表示手段と、キーボードやマウス等の入力手段と、サーバーを含む装置本体と、を備えている。さらに、この装置本体は、基準となる測色計S0により測定された、出力装置C1〜C3から出力された出力物(本発明の「出力物」に対応し、以下、ターゲットと称する)及び測色計補正用カラーチャート(本発明の「色見本」に対応する)Pの色彩や濃度に関する測定値を予め基準値として格納する格納部1aと、端末装置2a〜2cから送信された測色計S1〜S3によるターゲット及び測色計補正用カラーチャートPの色彩や濃度に関する測定値を受信する受信部1bと、複数種類の演算手法により、この受信部1bにより受信された測色計S1〜S3による測色計補正用カラーチャートPの色彩や濃度に関する測定値を、格納部1aに格納された測色計補正用カラーチャートPの色彩や濃度に関する基準値に近似させる補正を行うための補正式を複数導出する補正式導出部1cと、この補正式導出部1cにより導出された複数の補正式に基づき補正された測色計S1〜S3による測色計補正用カラーチャートPの色彩や濃度に関する測定値と格納部1aに格納された測色計補正用カラーチャートPの色彩や濃度に関する基準値との差に基づいて、補正式導出部1cにより導出された複数の補正式の中から最も補正精度が高いものを選択する選択部1dと、この選択部1dにより選択された補正式に基づき補正された測色計S1〜S3によるターゲットの色彩や濃度に関する測定値と格納部1aに格納されたターゲットの色彩や濃度に関する基準値との誤差を算出する算出部1gと、選択部1dにより選択された最も補正精度が高い補正式及び算出部1gにより算出された誤差を登録する登録部1eと、この登録部1eに登録された最も補正精度が高い補正式に関する情報及び誤差に関する情報を端末装置2a〜2cに送信する送信部1fと、を含み構成されている。
【0019】
尚、格納部1aは、メモリ等の記憶手段により構成され、本発明の「色見本測定値格納手段」及び「出力物測定値格納手段」に対応する。また、受信部1b及び送信部1fは、ネットワークI/Fにより構成され、各々、本発明の「色見本測定値受信手段」及び「出力物測定値受信手段」、「補正式送信手段」及び「誤差送信手段」に対応する。また、補正式導出部1c、選択部1d、登録部1e、算出部1gは、CPU等の演算手段とメモリ等の記憶手段により構成され、各々、CPU等の演算手段がメモリ等の記憶手段に格納された所定の演算プログラムを実行することで、後述する処理を行う。これらは、各々、本発明の「補正式導出手段」、「選択手段」、「補正式登録手段」及び「誤差登録手段」、「算出手段」に対応する。因みに、補正式導出部1c及び選択部1dで、本発明の「決定手段」を構成する。
【0020】
(測色計補正用カラーチャートの構成)
ここで、上述した測色計補正用カラーチャートPの構成について説明する。測色計補正用カラーチャートPは、本発明の「色見本」に対応するものであって、具体的には、図2に示すように、例えばC、M、Y、Kの4色を各々多階調にて重ね合わせたものが規則的に配置され、これらが複数の測定点を構成する。即ち、基準となる測色計S0や測色計S1〜S3においては、互いに、同様の測定点を同様の測定順にて測定することとなる。因みに、同図に示すC、M、Y、Kの数値は、各色を255段階の階調に分けた場合の段階値を示している。尚、当該測色計補正用カラーチャートPは、経時的な色変動の少ない熱溶融型のハイエンドDDCP(Direct Digital Color Proofの略で、デジタルデータを高精度のプリンタに直接出力するシステム)により作成されることが好ましい。
【0021】
(端末装置の詳細構成)
ここで、端末装置2a〜2cの詳細構成について説明する。但し、当該端末装置2a〜2cは、何れも同様の構成となっているため、以下においては、端末装置2aを例に採り説明を行う。
【0022】
端末装置2aは、所謂、コンピュータ端末であって、測色計S1によるターゲット及び測色計補正用カラーチャートPの色彩や濃度に関する測定値を入力するための入力部2aaと、この入力部2aaによって入力された測色計S1の測定値を、ネットワークNを介して管理サーバー1へ送信する送信部2abと、管理サーバー1の送信部1fから送信された、最も補正精度が高い補正式に関する情報及び誤差(管理サーバー1の算出部1gにより算出された、選択部1dにより選択された補正式に基づき補正された測色計S1〜S3によるターゲットの色彩や濃度に関する測定値と格納部1aに格納されたターゲットの色彩や濃度に関する基準値との誤差)に関する情報を受信する受信部2acと、この受信部2acにより受信された最も補正精度が高い補正式に関する情報及び誤差に関する情報を表示する表示部2adと、を含み構成されている。
【0023】
尚、入力部2aaは、キーボードやマウス等の入力手段により構成される。また、送信部2ab及び受信部2acは、ネットワークI/Fにより構成され、各々、本発明の「色見本測定値送信手段」及び「出力物測定値送信手段」、「補正式受信手段」及び「誤差受信手段」に対応する。また、表示部2adは、モニタ等の表示手段により構成され、本発明の「補正式表示手段」及び「誤差表示手段」に対応する。
【0024】
尚、端末装置2aと測色計S1とは、通信ケーブル等の通信手段を介して接続可能に構成されている。
【0025】
[色管理情報提供システムの色管理方法]
ここで、上述した当該色管理情報提供システムにおいて行われる色管理情報提供方法について、図3、図4及び図7に示すフローチャートの流れに沿って説明する。但し、以下においては、測色計S1に関する測定値の補正を行う場合を例に挙げて説明を行う。
【0026】
〔出力物測定値格納ステップ〕
図3に示すように、まず、当該測色計測定値管理システムを統括して管理する管理者は、ターゲットを登録する作業を行う。具体的には、そのターゲットに対する測定点の位置や、その測定順に関する情報を、管理サーバー1において、キーボードやマウス等の入力手段により入力する(S01)。尚、此処に言う“ターゲット”とは、色調を調整する対象となる画像、即ち、印刷物において印刷される画像を出力装置C1〜C3により出力した出力物のことを指す。当該ターゲットは、出力装置C1〜C3毎に、ユーザから独自のものが送付されることとする他、予め、出力装置C1〜C3毎に、標準となるターゲットを用意しておき、これを用いることにしても良い。
【0027】
次に、管理者は、この入力した測定点の位置や測定順に従って、ターゲットの色彩や濃度を基準となる測色計S0により測定する(S02)。
【0028】
次に、管理者は、この基準となる測色計S0により測定されたターゲットの色彩や濃度の測定値を、管理サーバー1において、キーボードやマウス等の入力手段、又は、測定値の格納されたファイルの登録により入力する。これにより、ターゲットの色彩や濃度の測定値は、その測定点の位置や、測定順に関する情報と共に、格納部1aに基準値として格納される(S03)。
【0029】
〔色見本測定値格納ステップ〕
図4に示すように、次に、管理者は、上述した測色計補正用カラーチャートPの色彩や濃度を、所定の測定点の位置や測定順に従って、基準となる測色計S0により測定する(S04)。
【0030】
次に、管理者は、この基準となる測色計S0により測定された測色計補正用カラーチャートPの色彩や濃度の測定値を、管理サーバー1において、キーボードやマウス等の入力手段、又は、測定値の格納されたファイルの登録により入力する。但し、この際、測色計補正用カラーチャートPに対する測定点の位置や、その測定順に関する情報も入力する。これにより、測色計補正用カラーチャートPの色彩や濃度の測定値は、その測定点の位置や、測定順に関する情報と共に、格納部1aに基準値として格納される(S05)。
【0031】
〔色見本測定値送信ステップ〕
一方、当該測色計測定値管理システムを利用するユーザは、端末装置2aにおいて、測色計S1による測定値を登録する作業を行う。具体的には、まず、ユーザは、端末装置2aから管理サーバー1にアクセスすることで、例えばWeb上の所定のサイトに表示される画面にて、所定の事項、具体的には、測色計S1の測定対象物である測色計補正用カラーチャートPの郵送先に関する情報(送り先人の住所、氏名、電話番号等)等を入力する。
【0032】
一方、管理者は、管理サーバー1において、上述したWeb上の所定のサイトに表示される画面にて、それらの所定の事項を確認して、指定された郵送先に測色計補正用カラーチャートPを郵送する作業を行う。この際、当該測色計補正用カラーチャートPの返送先に関する情報(返送先人の住所、氏名、電話番号等)を紙面等により通知する。
【0033】
一方、ユーザは、測色計補正用カラーチャートPが到着すると、測色計S1と端末装置2aとを通信ケーブル等の通信手段により接続した上で、端末装置2aから管理サーバー1にアクセスして、上述したWeb上の所定のサイトに表示される画面にて、所定の測定ツールをダウンロードする作業を行う。尚、この所定の測定ツールとは、測色計S0により測色計補正用カラーチャートPの色彩や濃度の測定が行われた際の、当該測色計補正用カラーチャートPの測定点や測定順に関する情報や、その測定値の送信先が規定された情報等を含むものであって、当該測定ツールは、端末装置2aを介して測色計S1に伝達されて、測色計S1においては、測色計S0により測色計補正用カラーチャートPの色彩や濃度の測定が行われた際と同様の測定点を同様の測定順にて測定する(S06)。尚、この測定ツールに含まれる情報は、紙面等により通知されて、ユーザが、端末装置2a若しくは測色計S1において、マニュアル操作にて入力することとしても良い。
【0034】
このようにして、測色計S1により測色計補正用カラーチャートPの色彩や濃度が測定されると、さらに、ユーザは、端末装置2aから管理サーバー1にアクセスすることで、上述したWeb上の所定のサイトに表示される画面にて、入力部2aaにより測色計S1の測定値を入力する作業を行う。尚、この際、測色計S1の測定値は、端末装置2aにおいて、これを入力することなく、測色計S1から送信部2abを介して、直接、管理サーバー1へ送信されるように構成しても良い。
【0035】
さらに、ユーザは、測色計補正用カラーチャートPを指定された返送先に返送する作業を行う。
【0036】
〔色見本測定値受信ステップ〕
一方、管理サーバー1においては、受信部1bが、端末装置2aの送信部2abから送信された測定値、即ち、測色計S1による測色計補正用カラーチャートPの色彩や濃度に関する測定値を受信して、格納部1aに、これが格納される(S07)。
【0037】
〔決定ステップ(補正式導出ステップ)〕
次に、管理サーバー1においては、補正式導出部1cが、格納部1aに格納された、基準となる測色計S0による測色計補正用カラーチャートPの色彩や濃度に関する基準値と、測色計S1による測色計補正用カラーチャートPの色彩や濃度に関する測定値とに基づいて、複数種類の演算手法により、測色計S1による測色計補正用カラーチャートPの色彩や濃度に関する測定値を基準となる測色計S0による測色計補正用カラーチャートPの色彩や濃度に関する基準値に近似させる補正を行うための複数の補正式を導出する(S08)。尚、当該補正式導出部1cは、この際、例えばCIE(Commission Internationale de l‘Eclairage:国際照明委員会) L*a*b*表色系にて表現された測定値をXYZ(三刺激値)表色系にて表現される測定値へ変換した上で、上述した複数の補正式を導出することが好ましい。これは、XYZ(三刺激値)表色系においては、測定値を常に正の値で表現することができ、測定値の補正を行うことが容易になるからである。但し、測色計S1の構成によっては、測定値がXYZ(三刺激値)表色系にて算出されることがあり、このような場合には、上述した変換を行う必要はなくなる。
【0038】
(変換手法の詳細)
ここで、上述したCIE(Commission Internationale de l‘Eclairage:国際照明委員会) L*a*b*表色系からXYZ(三刺激値)表色系へ測定値を変換する手法の詳細について、具体的に説明する。
【0039】
L*a*b*表色系からXYZ(三刺激値)表色系への変換式
例えば、D50光源(印刷業界の標準色温度(5000K))とした場合、(L、a、b)と(X、Y、Z)との間には、
y=(L+16.0)/116.0
x=a/500.0+y
z=y−b/200.0
という関係式が成り立つ。
ここで、xs0、ys0、zs0>0.008856となる場合には、
xs0=x3
ys0=y3
zs0=z3とし、
また、xs0、ys0、zs0≦0.008856となる場合には、
xs0=〔x−(16.0/116.0)〕/7.787
ys0={y−(16.0/116.0)}/7.787
zs0=〔z−(16.0/116.0)〕/7.787
として、
X=xs0×0.98072
Y=ys0×1.00000
Z=zs0×1.18225
に代入すると、X、Y、Zの各要素が適正にL、a、bの値にて表現される。
【0040】
(複数の演算手法の具体例)
ここで、上述した補正式導出部1cにより用いられる複数の演算手法の具体例について説明する。
【0041】
補正式導出部1cは、例えば、特開平11−132849号公報(段落〔0015〕‐〔0050〕、第1図乃至第5図)に開示される演算手法を含む、以下に記載する種々の演算手法により複数の補正式を導出する。
【0042】
例1)回帰分析にて、2次関数の係数(α、β、γ)を求める手法
まず、X、Y、Zの要素毎に基準となる測色計S0による測色計補正用カラーチャートPの色彩や濃度に関する基準値と測色計S1による測色計補正用カラーチャートPの色彩や濃度に関する測定値との誤差を求め、図5(A)、(B)に示すように、測色計S1による測定値を横軸、基準となる測色計S0による測定値との誤差を縦軸として、各測定点毎にプロットしてグラフを作成し、各要素毎の測定値誤差の近似曲線を算出する。この近似曲線は、測色計S1による測定値をXu、Yu、Zu、基準となる測色計S0による測定値との誤差をDx(Xu)、Dy(Xu)、Dz(Zu)とすると、以下のように表すことができる。
【0043】
その1:近似曲線が原点を通るとしたもの(図5(A)に対応する)
Dx(Xu)=Xs−Xu=α(Xu+β)2
Dy(Yu)=Ys−Yu=α(Xu+β)2
Dz(Zu)=Zs−Zu=α(Xu+β)2
ここで、α、βは、同一のサンプル測定における係数である。
【0044】
その2:近似直線が必ずしも原点を通らないとしたもの(図5(B)に対応する)
Dx(Xu)=Xs−Xu=αXu2+βXu+γ
Dy(Yu)=Ys−Yu=αYu2+βYu+γ
Dz(Zu)=Zs−Zu=αZu2+βZu+γ
ここで、α、β、γは、同一のサンプル測定における係数である。
【0045】
上記近似曲線について、X、Y、Zの各要素毎に最小二乗法でα、β、γの値を求め、Xu=、Yu=、Zu=に続く、Xs、Ys、Zsの関数となる補正式を導出する。
【0046】
例2)回帰分析にて、3×3のマトリクス係数(a00〜a22)を求める手法
その1:切片なし
ここで、Xs、Ys、Zsは、基準となる測色計S0による測色計補正用カラーチャートPの色彩や濃度に関する基準値であり、Xu、Yu、Zuは、測色計S1による測色計補正用カラーチャートPの色彩や濃度に関する測定値である。また、a00〜a22は、同一のサンプル測定における係数である。
【0047】
その2:切片あり
ここで、Xs、Ys、Zsは、基準となる測色計S0による測色計補正用カラーチャートPの色彩や濃度に関する基準値であり、Xu、Yu、Zuは、測色計S1による測色計補正用カラーチャートPの色彩や濃度に関する測定値であり、a00〜a22は、同一のサンプル測定における係数であり、b1〜b3は、同一のサンプル測定における定数である。
【0048】
上記式の各々について、X、Y、Zの各要素毎に、回帰分析によりa00〜a22やb1〜b3の値を求め、以下に示す補正式を導出する。
【0049】
その1:切片なし
【0050】
その2:切片あり
【0051】
例3)回帰分析にて、1次関数の係数(α、β)を求める手法
まず、X、Y、Zの要素毎に基準となる測色計S0による測色計補正用カラーチャートPの色彩や濃度に関する基準値と測色計S1による測色計補正用カラーチャートPの色彩や濃度に関する測定値との誤差を求め、図6(A)、(B)に示すように、測色計S1による測定値を横軸、基準となる測色計S0による測定値との誤差を縦軸として、各測定点毎にプロットしてグラフを作成し、各要素毎の測定値誤差の近似直線を算出する。この近似直線は、測色計S1による測定値をXu、Yu、Zu、基準となる測色計S0による測定値との誤差をDx(Xu)、Dy(Xu)、Dz(Zu)とすると、以下のように表すことができる。
【0052】
その1:近似直線が原点を通るとしたもの(図6(A)に対応する)
Dx(Xu)=Xs−Xu=αXu
Dy(Yu)=Ys−Yu=αYu
Dz(Zu)=Zs−Zu=αZu
ここで、αは、同一のサンプル測定における係数である。
【0053】
その2:近似直線が必ずしも原点を通らないとしたもの(図6(B)に対応する)
Dx(Xu)=Xs−Xu=αXu+β
Dy(Yu)=Ys−Yu=αYu+β
Dz(Zu)=Zs−Zu=αZu+β
ここで、α、βは、同一のサンプル測定における係数である。
【0054】
上記近似直線について、X、Y、Zの各要素毎に最小二乗法でα、βの値を求め、以下に示す補正式を導出する。
その1:近似直線が原点を通るとしたもの(図6(A)に対応する)
Xu=Xs/(α+1)
Yu=Ys/(α+1)
Zu=Zs/(α+1)
その2近似直線が必ずしも原点を通らないとしたもの(図6(B)に対応する)
Xu=(Xs−β)/(α+1)
Yu=(Ys−β)/(α+1)
Zu=(Zs−β)/(α+1)
【0055】
〔決定ステップ(選択ステップ)〕
さらに、管理サーバー1においては、選択部1dが、これら複数の補正式により補正された測色計S1による測色計補正用カラーチャートPの色彩や濃度に関する各測定点における測定値と、基準となる測色計S0による測色計補正用カラーチャートPの色彩や濃度に関する各測定点における基準値とを、再度、CIEL*a*b*表色系にて表現される値へ変換した上で、それらの差であるΔE={(ΔL*)2+(Δa*)2+(Δb*)2}1/2値を測定点毎に算出して、それらの平均値、若しくは、最大値が最小となる補正式を最も補正精度の良い補正式として選択する。
【0056】
因みに、実際においては、上述した例2)と例3)とを比較した場合、基準となる測色計S0と測色計S1〜S3が異なる製品や機種である場合には、例3)による補正式の方が、補正精度が良くなる傾向にある。一方、基準となる測色計S0と測色計S1〜S3が同一の製品や機種である場合には、例2)による補正式の方が、補正精度が良くなる傾向にある。
【0057】
〔補正式登録ステップ〕
図4に戻って、次に、管理サーバー1においては、登録部1eが、選択部1dにより選択された最も補正精度の良い補正式を登録する(S09)。尚、この際、登録部1eは、選択部1dにより選択された最も補正精度の良い補正式を、基準となる測色計S0による基準値や測色計S1による測定値がXYZ(三刺激値)表色系にて表現されるものとして登録するものとする。これは、上述したように、XYZ(三刺激値)表色系においては、測定値を常に正の値で表現することができ、測定値の補正を行うことが容易になるからである。
【0058】
このように、当該測色計測定値管理システムにおいては、測色計S1〜S3の機種に依らず、測色計S1〜S3による測色計補正用カラーチャートPの色彩や濃度に関する測定値を基準となる測色計S0による測色計補正用カラーチャートPの色彩や濃度に関する基準値に近似させる補正を行うための複数の補正式を導出して、さらに、それらの中から最も補正精度の良い補正式を選択することができるので、管理者においては、測色計S1〜S3の測定値の誤差を適正に管理することができる。
【0059】
〔補正式送信ステップ〕
ここまでの工程が終了すると、管理サーバー1においては、送信部1fが端末装置2aに対して測色計S1の測定値の登録、より詳細には、測色計S1による測色計補正用カラーチャートPの色彩や濃度に関する測定値を基準となる測色計S0による測色計補正用カラーチャートPの色彩や濃度に関する基準値に補正する補正式の登録が完了した旨の通知を行う。
【0060】
この際、管理サーバー1においては、補正式導出部1cが測色計S1〜S3による測色計補正用カラーチャートPの色彩や濃度に関する測定値と基準となる測色計S0による測色計補正用カラーチャートPの色彩や濃度に関する基準値との誤差を判断して、例えば、その誤差が規定値よりも大きい場合には、送信部1fが登録部1により登録された最も補正精度の良い補正式に関する情報を端末装置2aに送信する。
【0061】
〔補正式受信ステップ〕、〔補正式表示ステップ〕
一方、端末装置2aにおいては、受信部2acが管理サーバー1の送信部1fから送信された当該測色計S1の登録が完了した旨の通知を受信すると共に、送信があった場合には、この最も補正精度の良い補正式に関する情報も受信して、表示部2adが、これら当該測色計S1の登録が完了した旨と当該測色計S1の測定値の基準値との誤差を最も補正精度良く補正する補正式に関する情報と、を表示する。
【0062】
ここまでの工程が終了すると、ユーザにおいては、管理サーバー1において、測色計S1の測定値の登録が完了したことを確認することができると共に、送信があった場合には、測色計S1の測定値の基準値との誤差を最も補正精度良く補正する補正式に関する情報を取得することができる。よって、以降、その補正式に基づいて測色計S1の測定値を補正することで、基準となる測色計S0による測定値との誤差を解消することができる。
【0063】
以上に説明した工程までが、本発明に係る測色計測定値管理システム及びその測色計測定値管理方法についての説明になるが、引き続いて、当該測色計測定値管理システム及びその測色計測定値管理方法を包含する本発明に係る色管理情報提供システム及びその色管理情報提供方法について説明する。但し、当該色管理情報提供システム及びその色管理情報提供方法においては、上述した〔補正式送信ステップ〕〜〔補正式表示ステップ〕までの工程は、省略することができる。
【0064】
〔出力物測定値送信ステップ〕
図7に示すように、さらに、ユーザは、出力装置C1のキャリブレーションを行うべく、出力装置C1により、上述したターゲットを出力して(S10)、測色計S1を用いて、そのターゲットの色彩や濃度を測定する(S11)。さらに、ユーザは、端末装置2aから管理サーバー1にアクセスすることで、上述したWeb上の所定のサイトに表示される画面にて、入力部2aaにより測色計S1の測定値を入力する作業を行う。尚、この際、測色計S1の測定値は、端末装置2aにおいて、これを入力することなく、測色計S1から送信部2abを介して、直接、管理サーバー1へ送信されるように構成しても良い。
【0065】
〔出力物測定値受信ステップ〕
一方、管理サーバー1においては、受信部1bが、端末装置2aの送信部2abから送信された測定値、即ち、測色計S1によるターゲットの色彩や濃度に関する測定値を受信する。その測定値は、登録部1eに登録される(S12)。
【0066】
〔算出ステップ〕、〔誤差登録ステップ〕
次に、管理サーバー1においては、算出部1gが、この測色計S1の測定値を、選択部1dにより選択された、最も補正精度の良い補正式によって補正する(S13)。これにより、測色計S1による測定値と、基準となる測色計S0による測定値との誤差は解消されることになる。その補正値は、登録部1eに登録される(S14)。
【0067】
さらに、算出部1gは、S03において、格納部1aに基準値として格納されたターゲットの色彩や濃度の測定値と、S13において、登録部1eに登録された測色計S1によるターゲットの色彩や濃度に関する測定値の補正値とを比較することで、その誤差を算出する。その誤差は、再度、CIE L*a*b*表色系にて表現される値へ変換され、ΔE={(ΔL*)2+(Δa*)2+(Δb*)2}1/2値として登録部1eに登録される(S15)。
【0068】
〔誤差送信ステップ〕
この際、算出部1gは、必要に応じて、診断レポートを作成して、送信部1fが、これを端末装置2aに送信する(S16)。
【0069】
尚、此処に言う“診断レポート”とは、本発明の「色管理情報」に対応するものであって、具体的には、格納部1aに基準値として格納されたターゲットの色彩や濃度の測定値と、S12において、登録部1eにより登録された測色計S1によるターゲットの色彩や濃度に関する測定値の誤差であるΔE値の各測定点における値を平均したものである平均値、各測定点における値の中で最大のものである最大値、標準偏差、或いは、L*a*b*空間での色差分布、グレーバランス(=C、M、Yの3色同値(例えば、C20%、M20%、Y20%)の評価)、これまでに登録された評価データからの推移(履歴管理)等が一覧表示された電子情報のことである。
【0070】
〔誤差受信ステップ〕、〔誤差表示ステップ〕
一方、端末装置2aにおいては、受信部2acが、これを受信して、表示部2adが、この診断レポートを表示する。
【0071】
ユーザは、この診断レポートの内容、具体的には、格納部1aに基準値として格納されたターゲットの色彩や濃度の測定値と、S12において、登録部1eにより登録された測色計S1によるターゲットの色彩や濃度に関する測定値の誤差であるΔE値に基づいて、出力装置C1の各種調整を行うことで、出力物の色や濃度を所望の値に近似させる作業を行う。
【0072】
尚、ここまでの工程を他の拠点に配置された測色計S2、S3及び出力装置C2、C3に関しても、同様に、各々のユーザが行うことで、全ての拠点に配置された出力装置C1〜C3に関して、その出力物の色彩や濃度を所定の値に近似させるキャリブレーションを適正に行うことができる。これにより、各拠点に設置された出力装置C1〜C3においては、同一の色彩や濃度を有する出力物を出力することが可能となる。
【0073】
以上に説明したように、本実施形態における測色計測定値管理システム及びその測色計測定値管理方法によれば、管理サーバー1の補正式導出部1cが、格納部1aに格納された基準となる測色計S0による測色計補正用カラーチャートPの色彩や濃度に関する基準値と、受信部1bにより受信された測色計S1〜S3による測色計補正用カラーチャートPの色彩や濃度に関する測定値とに基づいて、複数種類の演算手法により、測色計S1〜S3による測色計補正用カラーチャートPの色彩や濃度に関する測定値を基準となる測色計S0による測色計補正用カラーチャートPの色彩や濃度に関する基準値に近似させる補正を行うための複数の補正式を導出し、選択部1dが、これら複数の補正式により補正された測色計S1〜S3による測色計補正用カラーチャートPの色彩や濃度に関する測定値と、基準となる測色計S0による測色計補正用カラーチャートPの色彩や濃度に関する基準値との差であるΔE={(ΔL*)2+(Δa*)2+(Δb*)2}1/2値を算出して、その平均値、若しくは、最大値が最小となるものを最も補正精度の良い補正式として選択するので、管理者においては、測色計S1〜S3の測定値の誤差を適正に管理することができると共に、ユーザにおいては、各拠点において、その補正式に従って測色計S1〜S3の測定値の補正を行い、その補正された測定値に基づいて出力装置C1〜C3の調整を行うことで、複数の拠点に設置された出力装置C1〜C3のキャリブレーションを適切に行うことができる。
【0074】
また、本実施形態における色管理情報提供システム及びその色管理情報提供方法によれば、上述した効果が得られることに加えて、管理サーバー1の算出部1gが、格納部1aに格納された基準となる測色計S0によるターゲットの色彩や濃度に関する基準値と、受信部1bにより受信された測色計S1〜S3によるターゲットの色彩や濃度に関する測定値とに基づいて、測色計S1〜S3によるターゲットの色彩や濃度に関する測定値を、選択部1dが選択した最も補正精度の良い補正式により補正した補正値と、基準となる測色計S0によるターゲットの色彩や濃度に関する基準値との誤差であるΔE={(ΔL*)2+(Δa*)2+(Δb*)2}1/2値を算出して、登録部1eが、その誤差に関する情報を登録すると共に、送信部1fが、その誤差に関する情報を診断レポートとして端末装置2a〜2cに送信するので、管理者においては、測色計S1〜S3の測定値の誤差をより詳細に管理することができると共に、ユーザにおいては、各拠点において、その診断レポートに従って出力装置C1〜C3の調整を行うことで、複数の拠点に設置された出力装置C1〜C3のキャリブレーションを適切に行うことができる。
【0075】
尚、本発明に係る測色計測定値管理システム及びその測色計測定値管理方法、色管理情報提供システム及びその色管理情報提供方法は、以上に説明した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱することのない範囲内で、種々の変形が可能である。
【0076】
例えば、上述した実施形態における色管理情報提供システム及びその色管理情報提供方法においては、基準となる測色計S0及び測色計S1〜S3は、その測定値がCIE L*a*b*表示系、若しくは、XYZ表示系にて算出されることとしたが、この他にも、例えばCIE L*u*v*表示系等にて算出されることとしても良い。
【0077】
また、測色計補正用カラーチャートPは、DCCPにより出力されることが好ましい旨を記載したが、この他にも、例えばプリンタや複写機等の出力装置により出力することとしても良い。
【0078】
また、測色計補正用カラーチャートPは、1つのものを各拠点に配置された測色計S1〜S3に対して、各々、郵送することとしたが、この他にも、1つのものを測色計S1〜S3に巡回させる。或いは、同一の色彩及び濃度に管理された複数を測色計S1〜S3に対して、各々、郵送することとしても良い。
【0079】
また、測色計補正用カラーチャートPは、全ての階調を測定対象とするのではなく、例えば、人の皮膚の色に近い色を再現する領域部分に限って、その測定を行うことにしても良い。
【0080】
また、測色計補正用カラーチャートPは、C、M、Y、Kの少なくとも1つを含み、2以上を含む場合には、少なくとも1つの階調を段階的に変化させて、残りは一定とした複数色からなるカラーチャートであれば良い。
【0081】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明に係る測色計測定値管理システム及び測色計測定値管理方法によれば、管理サーバーにおいて、基準となる測色計により測定された測色計補正用カラーチャートの色彩や濃度に関する基準値と、各拠点に配置された測色計による測色計補正用カラーチャートの色彩や濃度に関する測定値とに基づいて、複数種類の演算手法により、各拠点に配置された測色計による測色計補正用カラーチャートの色彩や濃度に関する測定値を基準となる測色計による測色計補正用カラーチャートの色彩や濃度に関する基準値に補正する複数の補正式が導出され、さらに、これら複数の補正式により補正された各拠点の測色計による測色計補正用カラーチャートの色彩や濃度に関する測定値と、基準となる測色計による測色計補正用カラーチャートの色彩や濃度に関する基準値との誤差が算出され、その平均値が最小となるものが最も補正精度の良い補正式として選択されるので、管理者においては、各拠点の測色計の測定値の誤差を適正に管理することができると共に、ユーザにおいては、各拠点において、その補正式に従って測色計の測定値の補正を行い、その補正された測定値に基づいて出力装置の調整を行うことで、複数の拠点に設置された出力装置のキャリブレーションを適切に行うことができる。
【0082】
また、本発明に係る色管理情報提供システム及びその色管理情報提供方法によれば、上述した効果が得られることに加えて、管理サーバーにおいて、基準となる測色計により測定された出力物の色彩や濃度に関する基準値と、各拠点に配置された測色計による出力物の色彩や濃度に関する測定値とに基づいて、各拠点に配置された測色計による出力物の色彩や濃度に関する測定値を、最も補正精度の良い補正式により補正した補正値と、基準となる測色計による出力物の色彩や濃度に関する基準値との誤差が算出されて、その誤差に関する情報が色管理情報として各拠点に配置された端末装置に送信されるので、管理者においては、各拠点に配置された測色計の測定値の誤差をより詳細に管理することができると共に、ユーザにおいては、各拠点において、その色管理情報に従って出力装置の調整を行うことで、複数の拠点に設置された出力装置のキャリブレーションを適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る色管理情報提供システムのシステム構成を示す説明図である。
【図2】測色計補正用カラーチャートの構成を示す説明図である。
【図3】図1に示す色管理情報提供システムの管理サーバーにおいて、基準となる測色計によって測定されたターゲットの測定値が登録される流れを説明するためのフローチャートである。
【図4】図1に示す色管理情報提供システムにおいて、一拠点に配置された測色計によって測定された測色計補正用カラーチャートの測定値が登録されて、これを基準となる測色計によって測定された測色計補正用カラーチャートの測定値に近づけるための補正式が導出されて、その補正式が登録されるまでの流れを説明するためのフローチャートである。
【図5】図1に示す色管理情報提供システムの補正式導出部において、回帰分析により、補正式である2次関数の係数が求められる過程を説明するための説明図である。
【図6】図1に示す色管理情報提供システムの補正式導出部において、回帰分析により、補正式である1次関数の係数が求められる過程を説明するための説明図である。
【図7】図1に示す色管理情報提供システムにおいて、一拠点に配置された測色計によって測定されたターゲットの測定値が登録されて、その測定値と基準となる測色計によって測定されたターゲットの測定値との誤差が算出されて、その診断レポートが作成されるまでの流れを説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1 管理サーバー
1a 格納部
1b 受信部
1c 補正式導出部
1d 選択部
1e 登録部
1f 送信部
1g 算出部
2a〜2c 端末装置
2aa 入力部
2ab 送信部
2ac 受信部
2ad 表示部
C1〜C3 出力装置
N ネットワーク
P 測色計補正用カラーチャート
S0 基準となる測色計
S1〜S3 測色計
【発明の属する技術分野】
本発明は、拠点毎に配置された複数の測色計の測定値の誤差を把握し、その誤差を補正する補正式を導出することで、前記複数の測色計の測定値の管理を行うための測色計測定値管理システム及びその測色計測定値管理方法と、拠点毎に設置された複数の画像出力装置のキャリブレーションを行うべく、前記拠点毎に配置され、前記画像出力装置から出力される出力物の測定を行う複数の測色計の測定値の誤差を把握し、その誤差を補正する補正式を導出して、その補正式により前記画像出力装置から出力される出力物の前記測色計による測定値を補正して、その補正された測定値に基づいて、前記画像出力装置から出力される出力物の前記測色計による測定値の前記各拠点間での誤差を算出して、これを色管理情報として提供する色管理情報提供システム及びその色管理情報提供方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、印刷物の仕上がりを事前に確認するためにカラープルーフを出力するカラープルーフ作成装置等の出力装置においては、出力されるカラープルーフの色校正を行う目的で、遠隔地にある複数の拠点に設置された出力装置において同一の出力物を出力することが要求されることがある。
【0003】
このような場合には、各拠点において出力装置から出力される出力物の色彩や濃度を一致させるべく、これら出力装置のキャリブレーションを行う必要が生じる。
【0004】
具体的には、この際、各拠点においては、出力装置から出力される出力物の色彩や濃度(例えば、CIE L*a*b*表色系におけるL*、a*、b*値や、XYZ表色系におけるX、Y、Zの三刺激値)を測色計(例えば、色差計)により測定して、その測定値に基づいて、出力物の色彩や濃度を基準値に近似させるように出力装置を調整する作業が行われる。
【0005】
しかしながら、各拠点においては、通常、別個の測色計が使用されるために、例えば測色計の機種や製造元等が異なる場合には、これら機種や製品等の違いにより、その測定値が必ずしも一致しないという問題が生じる。因みに、このように異なる機種の測色計間において、その測定値の誤差を補正する手法については、これまでにも様々な提案が成されているが(例えば、特許文献1参照)、何れにしても、各拠点においては、測色計の機種や製品に応じた調整作業を行う必要が生じ、大変な手間がかかることになる。
【0006】
また、各拠点において、同一機種の測色計を使用する場合であっても、当該測色計に備えられたフィルタの違いや、当該測色計におけるモード等の設定の違いから、同様に、その測定値が必ずしも一致しないという問題が生じる。因みに、このような場合には、上述のように異なる機種の測色計間において、その測定値の誤差を補正する手法によっては、これを解消することは困難である。
【0007】
【特許文献1】
特開平11−132849号公報
(段落〔0015〕‐〔0050〕、第1図乃至第5図)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
即ち、このような状況の下、各拠点において、出力装置から出力される出力物の色彩や濃度を測色計により測定して、その測定値を基に出力装置の調整を行っても、測色計の測定値の誤差は適正に補正されていないために、出力装置のキャリブレーションを適正に行うことは困難であった。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、拠点毎に配置された複数の測色計の測定値の誤差を把握し、その誤差を補正する補正式を導出することで、前記複数の測色計の測定値の管理を適正に行うことができる測色計測定値管理システム及びその測色計測定値管理方法と、拠点毎に設置された複数の画像出力装置のキャリブレーションを行うべく、前記拠点毎に配置され、前記画像出力装置から出力される出力物の測定を行う複数の測色計の測定値の誤差を把握し、その誤差を補正する補正式を導出して、その補正式により前記画像出力装置から出力される出力物の前記測色計による測定値を補正して、その補正された測定値に基づいて、前記画像出力装置から出力される出力物の前記測色計による測定値の前記各拠点間での誤差を算出して、これを色管理情報として提供することで、拠点毎に設置された複数の画像出力装置のキャリブレーションを適正に行うことを可能にする色管理情報提供システム及びその色管理情報提供方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、拠点毎に配置された複数の測色計の測定値の誤差を把握し、その誤差を補正する補正式を導出することで、前記複数の測色計の測定値の管理を行うための測色計測定値管理システムであって、前記拠点毎に配置され、前記測色計により測定された色見本の測定値を送信する色見本測定値送信手段を有する複数の端末装置と、基準となる測色計により測定された前記色見本の測定値を予め基準値として格納する色見本測定値格納手段と、前記色見本測定値送信手段から送信された測定値を受信する色見本測定値受信手段と、前記色見本測定値受信手段により受信された測定値を前記色見本測定値格納手段に格納された基準値に近似させる補正を行う補正式を決定する決定手段と、前記決定手段により決定された補正式を、前記色見本測定値受信手段により受信された測定値を測定した前記測色計の測定値の誤差を補正する補正式として登録する補正式登録手段と、を有する管理サーバーと、を備えたことを特徴とする。
【0011】
上記課題を解決するために、請求項8記載の発明は、拠点毎に配置された複数の測色計の測定値の誤差を把握し、その誤差を補正する補正式を導出することで、前記複数の測色計の測定値の管理を行うための測色計測定値管理方法であって、前記複数の測色計の測定値の管理を行う管理サーバーにて、基準となる測色計により測定された色見本の測定値を予め基準値として格納する色見本測定値格納ステップと、前記複数の端末装置の各々にて、前記測色計により測定された前記色見本の測定値を送信する色見本測定値送信ステップと、前記管理サーバーにて、前記色見本測定値送信ステップにおいて送信された測定値を受信する色見本測定値受信ステップと、前記色見本測定値受信ステップにおいて受信された測定値を前記色見本測定値格納ステップにおいて格納された基準値に近似させる補正を行う補正式を決定する決定ステップと、前記決定ステップにおいて決定された補正式を、前記色見本測定値受信ステップにおいて受信された測定値を測定した前記測色計の測定値の誤差を補正する補正式として登録する補正式登録ステップと、を含むことを特徴とする。
【0012】
上記課題を解決するために、請求項15記載の発明は、拠点毎に設置された複数の画像出力装置のキャリブレーションを行うべく、前記拠点毎に配置され、前記画像出力装置から出力される出力物の測定を行う複数の測色計の測定値の誤差を把握し、その誤差を補正する補正式を導出して、その補正式により前記画像出力装置から出力される出力物の前記測色計による測定値を補正して、その補正された測定値に基づいて、前記画像出力装置から出力される出力物の前記測色計による測定値の前記各拠点間での誤差を算出して、これを提供する色管理情報提供システムであって、前記拠点毎に配置され、前記測色計により測定された前記出力物の測定値を送信する出力物測定値送信手段と、前記測色計により測定された色見本の測定値を送信する色見本測定値送信手段と、を有する複数の端末装置と、基準となる測色計により測定された前記出力物の測定値を予め基準値として格納する出力物測定値格納手段と、前記基準となる測色計により測定された前記色見本の測定値を予め基準値として格納する色見本測定値格納手段と、前記出力物測定値送信手段から送信された測定値を受信する出力物測定値受信手段と、前記色見本測定値送信手段から送信された測定値を受信する色見本測定値受信手段と、前記色見本測定値受信手段により受信された測定値を前記色見本測定値格納手段に格納された基準値に近似させる補正を行う補正式を決定する決定手段と、前記決定手段により決定された補正式を、前記色見本測定値受信手段により受信された測定値を測定した前記測色計の測定値の誤差を補正する補正式として登録する補正式登録手段と、前記補正式登録手段により登録された補正式に基づき補正された前記出力物測定値受信手段により受信された測定値と、前記出力物測定値格納手段に格納された基準値との誤差を算出する算出手段と、前記算出手段により算出された誤差を、前記出力物測定値受信手段により受信された測定値の対象となった前記出力物の前記測色計による測定値の前記各拠点間での誤差として登録する誤差登録手段と、を有する管理サーバーと、を備えたことを特徴とする。
【0013】
上記課題を解決するために、請求項23記載の発明は、拠点毎に設置された複数の画像出力装置のキャリブレーションを行うべく、前記拠点毎に配置され、前記画像出力装置から出力される出力物の測定を行う複数の測色計の測定値の誤差を把握し、その誤差を補正する補正式を導出して、その補正式により前記画像出力装置から出力される出力物の前記測色計による測定値を補正して、その補正された測定値に基づいて、前記画像出力装置から出力される出力物の前記測色計による測定値の前記各拠点間での誤差を算出して、これを提供する色管理情報提供方法であって、前記測色計による測定値の前記各拠点間での誤差を提供する管理サーバーにて、基準となる測色計により測定された前記出力物の測定値を予め基準値として格納する出力物測定値格納ステップと、前記基準となる測色計により測定された色見本の測定値を予め基準値として格納する色見本測定値格納ステップと、前記複数の端末装置の各々にて、前記測色計により測定された前記色見本の測定値を送信する色見本測定値送信ステップと、前記管理サーバーにて、前記色見本測定値送信ステップにおいて送信された測定値を受信する色見本測定値受信ステップと、前記色見本測定値受信ステップにおいて受信された測定値を前記色見本測定値格納ステップにおいて格納された基準値に近似させる補正を行う補正式を決定する決定ステップと、前記決定ステップにおいて決定された補正式を、前記色見本測定値受信ステップにおいて受信された測定値を測定した前記測色計の測定値の誤差を補正する補正式として登録する補正式登録ステップと、前記複数の端末装置の各々において、前記測色計により測定された前記出力物の測定値を送信する出力物測定値送信ステップと、前記管理サーバーにおいて、前記出力物測定値送信ステップにおいて送信された測定値を受信する出力物測定値受信ステップと、前記補正式登録ステップにおいて登録された補正式に基づき補正された前記出力物測定値受信ステップにおいて受信された測定値と、前記出力物測定値格納ステップにおいて格納された基準値との誤差を算出する算出ステップと、前記算出ステップにおいて算出された誤差を、前記出力物測定値受信手段により受信された測定値の対象となった前記出力物の前記測色計による測定値の前記各拠点間での誤差として登録する誤差登録ステップと、を含むことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る測色計測定値管理システム及びその測色計測定値管理方法、色管理情報提供システム及びその色管理情報提供方法の好適な一実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。尚、本発明に係る色管理情報提供システム及びその色管理情報提供方法は、本発明に係る測色計測定値管理システム及びその測色計測定値管理方法を包含するもの(具体的には、後述する管理サーバー1における本発明の「出力物測定値格納手段」としての格納部1a、本発明の「出力物測定値受信手段」としての受信部1b、本発明の「誤差送信手段」としての送信部1f、本発明の「誤差登録手段」としての登録部1e、算出部1gと、後述する端末装置2aにおける本発明の「出力物測定値送信手段」としての送信部2ab、本発明の「誤差受信手段」としての受信部2ac、本発明の「誤差表示手段」としての表示部2adが追加され、また、後述する〔出力物測定値送信ステップ〕〜〔誤差表示ステップ〕までが追加されたもの)であるため、以下においては、本発明に係る色管理情報提供システム及びその色管理情報提供方法について説明する。
【0015】
[色管理情報提供システムの構成]
まず、本実施形態における色管理情報提供システムの構成について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0016】
(色管理情報提供システムの概略構成)
図1に、当該色管理情報提供システムのシステム構成を示す。図1に示すように、当該色管理情報提供システムは、遠隔地にある複数の拠点毎に設置された出力装置C1〜C3から出力される出力物の色彩や濃度をそれぞれ測定する測色計S1〜S3間の測定値の誤差、より詳細には、測色計S1〜S3による測定値と基準となる測色計S0による測定値との誤差を管理すると共に、その誤差を補正する補正式を導出して、その補正式により出力装置C1〜C3から出力される出力物の測色計S1〜S3による測定値を補正して、その補正された測定値に基づいて、出力装置C1〜C3から出力される出力物の測色計S1〜S3による測定値の各出力装置C1〜C3間での誤差を算出して、これを色管理情報として提供する管理サーバー1と、測色計S1〜S3のそれぞれに対応して配置され、測色計S1〜S3の測定値を管理サーバー1に送信すると共に、上述した出力装置C1〜C3から出力される出力物の測色計S1〜S3による測定値の各出力装置C1〜C3間での誤差に関する情報を受信する複数の端末装置2a〜2cと、を含み構成される。
【0017】
尚、端末装置2a〜2cは、測色計S1〜S3の個数に応じて任意の個数が配置されて良い。また、出力装置C1〜C3や測色計S1〜S3は、互いに異なる製品や機種であっても良い。また、出力装置C1〜C3は、カラープルーフ作成装置の他にも、プリンタ、複写機等の色彩や濃度の調整が可能な出力装置であれば良い。
【0018】
(管理サーバーの詳細構成)
ここで、管理サーバー1の詳細構成について説明する。管理サーバー1は、所謂、コンピュータ端末であって、モニタ等の表示手段と、キーボードやマウス等の入力手段と、サーバーを含む装置本体と、を備えている。さらに、この装置本体は、基準となる測色計S0により測定された、出力装置C1〜C3から出力された出力物(本発明の「出力物」に対応し、以下、ターゲットと称する)及び測色計補正用カラーチャート(本発明の「色見本」に対応する)Pの色彩や濃度に関する測定値を予め基準値として格納する格納部1aと、端末装置2a〜2cから送信された測色計S1〜S3によるターゲット及び測色計補正用カラーチャートPの色彩や濃度に関する測定値を受信する受信部1bと、複数種類の演算手法により、この受信部1bにより受信された測色計S1〜S3による測色計補正用カラーチャートPの色彩や濃度に関する測定値を、格納部1aに格納された測色計補正用カラーチャートPの色彩や濃度に関する基準値に近似させる補正を行うための補正式を複数導出する補正式導出部1cと、この補正式導出部1cにより導出された複数の補正式に基づき補正された測色計S1〜S3による測色計補正用カラーチャートPの色彩や濃度に関する測定値と格納部1aに格納された測色計補正用カラーチャートPの色彩や濃度に関する基準値との差に基づいて、補正式導出部1cにより導出された複数の補正式の中から最も補正精度が高いものを選択する選択部1dと、この選択部1dにより選択された補正式に基づき補正された測色計S1〜S3によるターゲットの色彩や濃度に関する測定値と格納部1aに格納されたターゲットの色彩や濃度に関する基準値との誤差を算出する算出部1gと、選択部1dにより選択された最も補正精度が高い補正式及び算出部1gにより算出された誤差を登録する登録部1eと、この登録部1eに登録された最も補正精度が高い補正式に関する情報及び誤差に関する情報を端末装置2a〜2cに送信する送信部1fと、を含み構成されている。
【0019】
尚、格納部1aは、メモリ等の記憶手段により構成され、本発明の「色見本測定値格納手段」及び「出力物測定値格納手段」に対応する。また、受信部1b及び送信部1fは、ネットワークI/Fにより構成され、各々、本発明の「色見本測定値受信手段」及び「出力物測定値受信手段」、「補正式送信手段」及び「誤差送信手段」に対応する。また、補正式導出部1c、選択部1d、登録部1e、算出部1gは、CPU等の演算手段とメモリ等の記憶手段により構成され、各々、CPU等の演算手段がメモリ等の記憶手段に格納された所定の演算プログラムを実行することで、後述する処理を行う。これらは、各々、本発明の「補正式導出手段」、「選択手段」、「補正式登録手段」及び「誤差登録手段」、「算出手段」に対応する。因みに、補正式導出部1c及び選択部1dで、本発明の「決定手段」を構成する。
【0020】
(測色計補正用カラーチャートの構成)
ここで、上述した測色計補正用カラーチャートPの構成について説明する。測色計補正用カラーチャートPは、本発明の「色見本」に対応するものであって、具体的には、図2に示すように、例えばC、M、Y、Kの4色を各々多階調にて重ね合わせたものが規則的に配置され、これらが複数の測定点を構成する。即ち、基準となる測色計S0や測色計S1〜S3においては、互いに、同様の測定点を同様の測定順にて測定することとなる。因みに、同図に示すC、M、Y、Kの数値は、各色を255段階の階調に分けた場合の段階値を示している。尚、当該測色計補正用カラーチャートPは、経時的な色変動の少ない熱溶融型のハイエンドDDCP(Direct Digital Color Proofの略で、デジタルデータを高精度のプリンタに直接出力するシステム)により作成されることが好ましい。
【0021】
(端末装置の詳細構成)
ここで、端末装置2a〜2cの詳細構成について説明する。但し、当該端末装置2a〜2cは、何れも同様の構成となっているため、以下においては、端末装置2aを例に採り説明を行う。
【0022】
端末装置2aは、所謂、コンピュータ端末であって、測色計S1によるターゲット及び測色計補正用カラーチャートPの色彩や濃度に関する測定値を入力するための入力部2aaと、この入力部2aaによって入力された測色計S1の測定値を、ネットワークNを介して管理サーバー1へ送信する送信部2abと、管理サーバー1の送信部1fから送信された、最も補正精度が高い補正式に関する情報及び誤差(管理サーバー1の算出部1gにより算出された、選択部1dにより選択された補正式に基づき補正された測色計S1〜S3によるターゲットの色彩や濃度に関する測定値と格納部1aに格納されたターゲットの色彩や濃度に関する基準値との誤差)に関する情報を受信する受信部2acと、この受信部2acにより受信された最も補正精度が高い補正式に関する情報及び誤差に関する情報を表示する表示部2adと、を含み構成されている。
【0023】
尚、入力部2aaは、キーボードやマウス等の入力手段により構成される。また、送信部2ab及び受信部2acは、ネットワークI/Fにより構成され、各々、本発明の「色見本測定値送信手段」及び「出力物測定値送信手段」、「補正式受信手段」及び「誤差受信手段」に対応する。また、表示部2adは、モニタ等の表示手段により構成され、本発明の「補正式表示手段」及び「誤差表示手段」に対応する。
【0024】
尚、端末装置2aと測色計S1とは、通信ケーブル等の通信手段を介して接続可能に構成されている。
【0025】
[色管理情報提供システムの色管理方法]
ここで、上述した当該色管理情報提供システムにおいて行われる色管理情報提供方法について、図3、図4及び図7に示すフローチャートの流れに沿って説明する。但し、以下においては、測色計S1に関する測定値の補正を行う場合を例に挙げて説明を行う。
【0026】
〔出力物測定値格納ステップ〕
図3に示すように、まず、当該測色計測定値管理システムを統括して管理する管理者は、ターゲットを登録する作業を行う。具体的には、そのターゲットに対する測定点の位置や、その測定順に関する情報を、管理サーバー1において、キーボードやマウス等の入力手段により入力する(S01)。尚、此処に言う“ターゲット”とは、色調を調整する対象となる画像、即ち、印刷物において印刷される画像を出力装置C1〜C3により出力した出力物のことを指す。当該ターゲットは、出力装置C1〜C3毎に、ユーザから独自のものが送付されることとする他、予め、出力装置C1〜C3毎に、標準となるターゲットを用意しておき、これを用いることにしても良い。
【0027】
次に、管理者は、この入力した測定点の位置や測定順に従って、ターゲットの色彩や濃度を基準となる測色計S0により測定する(S02)。
【0028】
次に、管理者は、この基準となる測色計S0により測定されたターゲットの色彩や濃度の測定値を、管理サーバー1において、キーボードやマウス等の入力手段、又は、測定値の格納されたファイルの登録により入力する。これにより、ターゲットの色彩や濃度の測定値は、その測定点の位置や、測定順に関する情報と共に、格納部1aに基準値として格納される(S03)。
【0029】
〔色見本測定値格納ステップ〕
図4に示すように、次に、管理者は、上述した測色計補正用カラーチャートPの色彩や濃度を、所定の測定点の位置や測定順に従って、基準となる測色計S0により測定する(S04)。
【0030】
次に、管理者は、この基準となる測色計S0により測定された測色計補正用カラーチャートPの色彩や濃度の測定値を、管理サーバー1において、キーボードやマウス等の入力手段、又は、測定値の格納されたファイルの登録により入力する。但し、この際、測色計補正用カラーチャートPに対する測定点の位置や、その測定順に関する情報も入力する。これにより、測色計補正用カラーチャートPの色彩や濃度の測定値は、その測定点の位置や、測定順に関する情報と共に、格納部1aに基準値として格納される(S05)。
【0031】
〔色見本測定値送信ステップ〕
一方、当該測色計測定値管理システムを利用するユーザは、端末装置2aにおいて、測色計S1による測定値を登録する作業を行う。具体的には、まず、ユーザは、端末装置2aから管理サーバー1にアクセスすることで、例えばWeb上の所定のサイトに表示される画面にて、所定の事項、具体的には、測色計S1の測定対象物である測色計補正用カラーチャートPの郵送先に関する情報(送り先人の住所、氏名、電話番号等)等を入力する。
【0032】
一方、管理者は、管理サーバー1において、上述したWeb上の所定のサイトに表示される画面にて、それらの所定の事項を確認して、指定された郵送先に測色計補正用カラーチャートPを郵送する作業を行う。この際、当該測色計補正用カラーチャートPの返送先に関する情報(返送先人の住所、氏名、電話番号等)を紙面等により通知する。
【0033】
一方、ユーザは、測色計補正用カラーチャートPが到着すると、測色計S1と端末装置2aとを通信ケーブル等の通信手段により接続した上で、端末装置2aから管理サーバー1にアクセスして、上述したWeb上の所定のサイトに表示される画面にて、所定の測定ツールをダウンロードする作業を行う。尚、この所定の測定ツールとは、測色計S0により測色計補正用カラーチャートPの色彩や濃度の測定が行われた際の、当該測色計補正用カラーチャートPの測定点や測定順に関する情報や、その測定値の送信先が規定された情報等を含むものであって、当該測定ツールは、端末装置2aを介して測色計S1に伝達されて、測色計S1においては、測色計S0により測色計補正用カラーチャートPの色彩や濃度の測定が行われた際と同様の測定点を同様の測定順にて測定する(S06)。尚、この測定ツールに含まれる情報は、紙面等により通知されて、ユーザが、端末装置2a若しくは測色計S1において、マニュアル操作にて入力することとしても良い。
【0034】
このようにして、測色計S1により測色計補正用カラーチャートPの色彩や濃度が測定されると、さらに、ユーザは、端末装置2aから管理サーバー1にアクセスすることで、上述したWeb上の所定のサイトに表示される画面にて、入力部2aaにより測色計S1の測定値を入力する作業を行う。尚、この際、測色計S1の測定値は、端末装置2aにおいて、これを入力することなく、測色計S1から送信部2abを介して、直接、管理サーバー1へ送信されるように構成しても良い。
【0035】
さらに、ユーザは、測色計補正用カラーチャートPを指定された返送先に返送する作業を行う。
【0036】
〔色見本測定値受信ステップ〕
一方、管理サーバー1においては、受信部1bが、端末装置2aの送信部2abから送信された測定値、即ち、測色計S1による測色計補正用カラーチャートPの色彩や濃度に関する測定値を受信して、格納部1aに、これが格納される(S07)。
【0037】
〔決定ステップ(補正式導出ステップ)〕
次に、管理サーバー1においては、補正式導出部1cが、格納部1aに格納された、基準となる測色計S0による測色計補正用カラーチャートPの色彩や濃度に関する基準値と、測色計S1による測色計補正用カラーチャートPの色彩や濃度に関する測定値とに基づいて、複数種類の演算手法により、測色計S1による測色計補正用カラーチャートPの色彩や濃度に関する測定値を基準となる測色計S0による測色計補正用カラーチャートPの色彩や濃度に関する基準値に近似させる補正を行うための複数の補正式を導出する(S08)。尚、当該補正式導出部1cは、この際、例えばCIE(Commission Internationale de l‘Eclairage:国際照明委員会) L*a*b*表色系にて表現された測定値をXYZ(三刺激値)表色系にて表現される測定値へ変換した上で、上述した複数の補正式を導出することが好ましい。これは、XYZ(三刺激値)表色系においては、測定値を常に正の値で表現することができ、測定値の補正を行うことが容易になるからである。但し、測色計S1の構成によっては、測定値がXYZ(三刺激値)表色系にて算出されることがあり、このような場合には、上述した変換を行う必要はなくなる。
【0038】
(変換手法の詳細)
ここで、上述したCIE(Commission Internationale de l‘Eclairage:国際照明委員会) L*a*b*表色系からXYZ(三刺激値)表色系へ測定値を変換する手法の詳細について、具体的に説明する。
【0039】
L*a*b*表色系からXYZ(三刺激値)表色系への変換式
例えば、D50光源(印刷業界の標準色温度(5000K))とした場合、(L、a、b)と(X、Y、Z)との間には、
y=(L+16.0)/116.0
x=a/500.0+y
z=y−b/200.0
という関係式が成り立つ。
ここで、xs0、ys0、zs0>0.008856となる場合には、
xs0=x3
ys0=y3
zs0=z3とし、
また、xs0、ys0、zs0≦0.008856となる場合には、
xs0=〔x−(16.0/116.0)〕/7.787
ys0={y−(16.0/116.0)}/7.787
zs0=〔z−(16.0/116.0)〕/7.787
として、
X=xs0×0.98072
Y=ys0×1.00000
Z=zs0×1.18225
に代入すると、X、Y、Zの各要素が適正にL、a、bの値にて表現される。
【0040】
(複数の演算手法の具体例)
ここで、上述した補正式導出部1cにより用いられる複数の演算手法の具体例について説明する。
【0041】
補正式導出部1cは、例えば、特開平11−132849号公報(段落〔0015〕‐〔0050〕、第1図乃至第5図)に開示される演算手法を含む、以下に記載する種々の演算手法により複数の補正式を導出する。
【0042】
例1)回帰分析にて、2次関数の係数(α、β、γ)を求める手法
まず、X、Y、Zの要素毎に基準となる測色計S0による測色計補正用カラーチャートPの色彩や濃度に関する基準値と測色計S1による測色計補正用カラーチャートPの色彩や濃度に関する測定値との誤差を求め、図5(A)、(B)に示すように、測色計S1による測定値を横軸、基準となる測色計S0による測定値との誤差を縦軸として、各測定点毎にプロットしてグラフを作成し、各要素毎の測定値誤差の近似曲線を算出する。この近似曲線は、測色計S1による測定値をXu、Yu、Zu、基準となる測色計S0による測定値との誤差をDx(Xu)、Dy(Xu)、Dz(Zu)とすると、以下のように表すことができる。
【0043】
その1:近似曲線が原点を通るとしたもの(図5(A)に対応する)
Dx(Xu)=Xs−Xu=α(Xu+β)2
Dy(Yu)=Ys−Yu=α(Xu+β)2
Dz(Zu)=Zs−Zu=α(Xu+β)2
ここで、α、βは、同一のサンプル測定における係数である。
【0044】
その2:近似直線が必ずしも原点を通らないとしたもの(図5(B)に対応する)
Dx(Xu)=Xs−Xu=αXu2+βXu+γ
Dy(Yu)=Ys−Yu=αYu2+βYu+γ
Dz(Zu)=Zs−Zu=αZu2+βZu+γ
ここで、α、β、γは、同一のサンプル測定における係数である。
【0045】
上記近似曲線について、X、Y、Zの各要素毎に最小二乗法でα、β、γの値を求め、Xu=、Yu=、Zu=に続く、Xs、Ys、Zsの関数となる補正式を導出する。
【0046】
例2)回帰分析にて、3×3のマトリクス係数(a00〜a22)を求める手法
その1:切片なし
ここで、Xs、Ys、Zsは、基準となる測色計S0による測色計補正用カラーチャートPの色彩や濃度に関する基準値であり、Xu、Yu、Zuは、測色計S1による測色計補正用カラーチャートPの色彩や濃度に関する測定値である。また、a00〜a22は、同一のサンプル測定における係数である。
【0047】
その2:切片あり
ここで、Xs、Ys、Zsは、基準となる測色計S0による測色計補正用カラーチャートPの色彩や濃度に関する基準値であり、Xu、Yu、Zuは、測色計S1による測色計補正用カラーチャートPの色彩や濃度に関する測定値であり、a00〜a22は、同一のサンプル測定における係数であり、b1〜b3は、同一のサンプル測定における定数である。
【0048】
上記式の各々について、X、Y、Zの各要素毎に、回帰分析によりa00〜a22やb1〜b3の値を求め、以下に示す補正式を導出する。
【0049】
その1:切片なし
【0050】
その2:切片あり
【0051】
例3)回帰分析にて、1次関数の係数(α、β)を求める手法
まず、X、Y、Zの要素毎に基準となる測色計S0による測色計補正用カラーチャートPの色彩や濃度に関する基準値と測色計S1による測色計補正用カラーチャートPの色彩や濃度に関する測定値との誤差を求め、図6(A)、(B)に示すように、測色計S1による測定値を横軸、基準となる測色計S0による測定値との誤差を縦軸として、各測定点毎にプロットしてグラフを作成し、各要素毎の測定値誤差の近似直線を算出する。この近似直線は、測色計S1による測定値をXu、Yu、Zu、基準となる測色計S0による測定値との誤差をDx(Xu)、Dy(Xu)、Dz(Zu)とすると、以下のように表すことができる。
【0052】
その1:近似直線が原点を通るとしたもの(図6(A)に対応する)
Dx(Xu)=Xs−Xu=αXu
Dy(Yu)=Ys−Yu=αYu
Dz(Zu)=Zs−Zu=αZu
ここで、αは、同一のサンプル測定における係数である。
【0053】
その2:近似直線が必ずしも原点を通らないとしたもの(図6(B)に対応する)
Dx(Xu)=Xs−Xu=αXu+β
Dy(Yu)=Ys−Yu=αYu+β
Dz(Zu)=Zs−Zu=αZu+β
ここで、α、βは、同一のサンプル測定における係数である。
【0054】
上記近似直線について、X、Y、Zの各要素毎に最小二乗法でα、βの値を求め、以下に示す補正式を導出する。
その1:近似直線が原点を通るとしたもの(図6(A)に対応する)
Xu=Xs/(α+1)
Yu=Ys/(α+1)
Zu=Zs/(α+1)
その2近似直線が必ずしも原点を通らないとしたもの(図6(B)に対応する)
Xu=(Xs−β)/(α+1)
Yu=(Ys−β)/(α+1)
Zu=(Zs−β)/(α+1)
【0055】
〔決定ステップ(選択ステップ)〕
さらに、管理サーバー1においては、選択部1dが、これら複数の補正式により補正された測色計S1による測色計補正用カラーチャートPの色彩や濃度に関する各測定点における測定値と、基準となる測色計S0による測色計補正用カラーチャートPの色彩や濃度に関する各測定点における基準値とを、再度、CIEL*a*b*表色系にて表現される値へ変換した上で、それらの差であるΔE={(ΔL*)2+(Δa*)2+(Δb*)2}1/2値を測定点毎に算出して、それらの平均値、若しくは、最大値が最小となる補正式を最も補正精度の良い補正式として選択する。
【0056】
因みに、実際においては、上述した例2)と例3)とを比較した場合、基準となる測色計S0と測色計S1〜S3が異なる製品や機種である場合には、例3)による補正式の方が、補正精度が良くなる傾向にある。一方、基準となる測色計S0と測色計S1〜S3が同一の製品や機種である場合には、例2)による補正式の方が、補正精度が良くなる傾向にある。
【0057】
〔補正式登録ステップ〕
図4に戻って、次に、管理サーバー1においては、登録部1eが、選択部1dにより選択された最も補正精度の良い補正式を登録する(S09)。尚、この際、登録部1eは、選択部1dにより選択された最も補正精度の良い補正式を、基準となる測色計S0による基準値や測色計S1による測定値がXYZ(三刺激値)表色系にて表現されるものとして登録するものとする。これは、上述したように、XYZ(三刺激値)表色系においては、測定値を常に正の値で表現することができ、測定値の補正を行うことが容易になるからである。
【0058】
このように、当該測色計測定値管理システムにおいては、測色計S1〜S3の機種に依らず、測色計S1〜S3による測色計補正用カラーチャートPの色彩や濃度に関する測定値を基準となる測色計S0による測色計補正用カラーチャートPの色彩や濃度に関する基準値に近似させる補正を行うための複数の補正式を導出して、さらに、それらの中から最も補正精度の良い補正式を選択することができるので、管理者においては、測色計S1〜S3の測定値の誤差を適正に管理することができる。
【0059】
〔補正式送信ステップ〕
ここまでの工程が終了すると、管理サーバー1においては、送信部1fが端末装置2aに対して測色計S1の測定値の登録、より詳細には、測色計S1による測色計補正用カラーチャートPの色彩や濃度に関する測定値を基準となる測色計S0による測色計補正用カラーチャートPの色彩や濃度に関する基準値に補正する補正式の登録が完了した旨の通知を行う。
【0060】
この際、管理サーバー1においては、補正式導出部1cが測色計S1〜S3による測色計補正用カラーチャートPの色彩や濃度に関する測定値と基準となる測色計S0による測色計補正用カラーチャートPの色彩や濃度に関する基準値との誤差を判断して、例えば、その誤差が規定値よりも大きい場合には、送信部1fが登録部1により登録された最も補正精度の良い補正式に関する情報を端末装置2aに送信する。
【0061】
〔補正式受信ステップ〕、〔補正式表示ステップ〕
一方、端末装置2aにおいては、受信部2acが管理サーバー1の送信部1fから送信された当該測色計S1の登録が完了した旨の通知を受信すると共に、送信があった場合には、この最も補正精度の良い補正式に関する情報も受信して、表示部2adが、これら当該測色計S1の登録が完了した旨と当該測色計S1の測定値の基準値との誤差を最も補正精度良く補正する補正式に関する情報と、を表示する。
【0062】
ここまでの工程が終了すると、ユーザにおいては、管理サーバー1において、測色計S1の測定値の登録が完了したことを確認することができると共に、送信があった場合には、測色計S1の測定値の基準値との誤差を最も補正精度良く補正する補正式に関する情報を取得することができる。よって、以降、その補正式に基づいて測色計S1の測定値を補正することで、基準となる測色計S0による測定値との誤差を解消することができる。
【0063】
以上に説明した工程までが、本発明に係る測色計測定値管理システム及びその測色計測定値管理方法についての説明になるが、引き続いて、当該測色計測定値管理システム及びその測色計測定値管理方法を包含する本発明に係る色管理情報提供システム及びその色管理情報提供方法について説明する。但し、当該色管理情報提供システム及びその色管理情報提供方法においては、上述した〔補正式送信ステップ〕〜〔補正式表示ステップ〕までの工程は、省略することができる。
【0064】
〔出力物測定値送信ステップ〕
図7に示すように、さらに、ユーザは、出力装置C1のキャリブレーションを行うべく、出力装置C1により、上述したターゲットを出力して(S10)、測色計S1を用いて、そのターゲットの色彩や濃度を測定する(S11)。さらに、ユーザは、端末装置2aから管理サーバー1にアクセスすることで、上述したWeb上の所定のサイトに表示される画面にて、入力部2aaにより測色計S1の測定値を入力する作業を行う。尚、この際、測色計S1の測定値は、端末装置2aにおいて、これを入力することなく、測色計S1から送信部2abを介して、直接、管理サーバー1へ送信されるように構成しても良い。
【0065】
〔出力物測定値受信ステップ〕
一方、管理サーバー1においては、受信部1bが、端末装置2aの送信部2abから送信された測定値、即ち、測色計S1によるターゲットの色彩や濃度に関する測定値を受信する。その測定値は、登録部1eに登録される(S12)。
【0066】
〔算出ステップ〕、〔誤差登録ステップ〕
次に、管理サーバー1においては、算出部1gが、この測色計S1の測定値を、選択部1dにより選択された、最も補正精度の良い補正式によって補正する(S13)。これにより、測色計S1による測定値と、基準となる測色計S0による測定値との誤差は解消されることになる。その補正値は、登録部1eに登録される(S14)。
【0067】
さらに、算出部1gは、S03において、格納部1aに基準値として格納されたターゲットの色彩や濃度の測定値と、S13において、登録部1eに登録された測色計S1によるターゲットの色彩や濃度に関する測定値の補正値とを比較することで、その誤差を算出する。その誤差は、再度、CIE L*a*b*表色系にて表現される値へ変換され、ΔE={(ΔL*)2+(Δa*)2+(Δb*)2}1/2値として登録部1eに登録される(S15)。
【0068】
〔誤差送信ステップ〕
この際、算出部1gは、必要に応じて、診断レポートを作成して、送信部1fが、これを端末装置2aに送信する(S16)。
【0069】
尚、此処に言う“診断レポート”とは、本発明の「色管理情報」に対応するものであって、具体的には、格納部1aに基準値として格納されたターゲットの色彩や濃度の測定値と、S12において、登録部1eにより登録された測色計S1によるターゲットの色彩や濃度に関する測定値の誤差であるΔE値の各測定点における値を平均したものである平均値、各測定点における値の中で最大のものである最大値、標準偏差、或いは、L*a*b*空間での色差分布、グレーバランス(=C、M、Yの3色同値(例えば、C20%、M20%、Y20%)の評価)、これまでに登録された評価データからの推移(履歴管理)等が一覧表示された電子情報のことである。
【0070】
〔誤差受信ステップ〕、〔誤差表示ステップ〕
一方、端末装置2aにおいては、受信部2acが、これを受信して、表示部2adが、この診断レポートを表示する。
【0071】
ユーザは、この診断レポートの内容、具体的には、格納部1aに基準値として格納されたターゲットの色彩や濃度の測定値と、S12において、登録部1eにより登録された測色計S1によるターゲットの色彩や濃度に関する測定値の誤差であるΔE値に基づいて、出力装置C1の各種調整を行うことで、出力物の色や濃度を所望の値に近似させる作業を行う。
【0072】
尚、ここまでの工程を他の拠点に配置された測色計S2、S3及び出力装置C2、C3に関しても、同様に、各々のユーザが行うことで、全ての拠点に配置された出力装置C1〜C3に関して、その出力物の色彩や濃度を所定の値に近似させるキャリブレーションを適正に行うことができる。これにより、各拠点に設置された出力装置C1〜C3においては、同一の色彩や濃度を有する出力物を出力することが可能となる。
【0073】
以上に説明したように、本実施形態における測色計測定値管理システム及びその測色計測定値管理方法によれば、管理サーバー1の補正式導出部1cが、格納部1aに格納された基準となる測色計S0による測色計補正用カラーチャートPの色彩や濃度に関する基準値と、受信部1bにより受信された測色計S1〜S3による測色計補正用カラーチャートPの色彩や濃度に関する測定値とに基づいて、複数種類の演算手法により、測色計S1〜S3による測色計補正用カラーチャートPの色彩や濃度に関する測定値を基準となる測色計S0による測色計補正用カラーチャートPの色彩や濃度に関する基準値に近似させる補正を行うための複数の補正式を導出し、選択部1dが、これら複数の補正式により補正された測色計S1〜S3による測色計補正用カラーチャートPの色彩や濃度に関する測定値と、基準となる測色計S0による測色計補正用カラーチャートPの色彩や濃度に関する基準値との差であるΔE={(ΔL*)2+(Δa*)2+(Δb*)2}1/2値を算出して、その平均値、若しくは、最大値が最小となるものを最も補正精度の良い補正式として選択するので、管理者においては、測色計S1〜S3の測定値の誤差を適正に管理することができると共に、ユーザにおいては、各拠点において、その補正式に従って測色計S1〜S3の測定値の補正を行い、その補正された測定値に基づいて出力装置C1〜C3の調整を行うことで、複数の拠点に設置された出力装置C1〜C3のキャリブレーションを適切に行うことができる。
【0074】
また、本実施形態における色管理情報提供システム及びその色管理情報提供方法によれば、上述した効果が得られることに加えて、管理サーバー1の算出部1gが、格納部1aに格納された基準となる測色計S0によるターゲットの色彩や濃度に関する基準値と、受信部1bにより受信された測色計S1〜S3によるターゲットの色彩や濃度に関する測定値とに基づいて、測色計S1〜S3によるターゲットの色彩や濃度に関する測定値を、選択部1dが選択した最も補正精度の良い補正式により補正した補正値と、基準となる測色計S0によるターゲットの色彩や濃度に関する基準値との誤差であるΔE={(ΔL*)2+(Δa*)2+(Δb*)2}1/2値を算出して、登録部1eが、その誤差に関する情報を登録すると共に、送信部1fが、その誤差に関する情報を診断レポートとして端末装置2a〜2cに送信するので、管理者においては、測色計S1〜S3の測定値の誤差をより詳細に管理することができると共に、ユーザにおいては、各拠点において、その診断レポートに従って出力装置C1〜C3の調整を行うことで、複数の拠点に設置された出力装置C1〜C3のキャリブレーションを適切に行うことができる。
【0075】
尚、本発明に係る測色計測定値管理システム及びその測色計測定値管理方法、色管理情報提供システム及びその色管理情報提供方法は、以上に説明した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱することのない範囲内で、種々の変形が可能である。
【0076】
例えば、上述した実施形態における色管理情報提供システム及びその色管理情報提供方法においては、基準となる測色計S0及び測色計S1〜S3は、その測定値がCIE L*a*b*表示系、若しくは、XYZ表示系にて算出されることとしたが、この他にも、例えばCIE L*u*v*表示系等にて算出されることとしても良い。
【0077】
また、測色計補正用カラーチャートPは、DCCPにより出力されることが好ましい旨を記載したが、この他にも、例えばプリンタや複写機等の出力装置により出力することとしても良い。
【0078】
また、測色計補正用カラーチャートPは、1つのものを各拠点に配置された測色計S1〜S3に対して、各々、郵送することとしたが、この他にも、1つのものを測色計S1〜S3に巡回させる。或いは、同一の色彩及び濃度に管理された複数を測色計S1〜S3に対して、各々、郵送することとしても良い。
【0079】
また、測色計補正用カラーチャートPは、全ての階調を測定対象とするのではなく、例えば、人の皮膚の色に近い色を再現する領域部分に限って、その測定を行うことにしても良い。
【0080】
また、測色計補正用カラーチャートPは、C、M、Y、Kの少なくとも1つを含み、2以上を含む場合には、少なくとも1つの階調を段階的に変化させて、残りは一定とした複数色からなるカラーチャートであれば良い。
【0081】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明に係る測色計測定値管理システム及び測色計測定値管理方法によれば、管理サーバーにおいて、基準となる測色計により測定された測色計補正用カラーチャートの色彩や濃度に関する基準値と、各拠点に配置された測色計による測色計補正用カラーチャートの色彩や濃度に関する測定値とに基づいて、複数種類の演算手法により、各拠点に配置された測色計による測色計補正用カラーチャートの色彩や濃度に関する測定値を基準となる測色計による測色計補正用カラーチャートの色彩や濃度に関する基準値に補正する複数の補正式が導出され、さらに、これら複数の補正式により補正された各拠点の測色計による測色計補正用カラーチャートの色彩や濃度に関する測定値と、基準となる測色計による測色計補正用カラーチャートの色彩や濃度に関する基準値との誤差が算出され、その平均値が最小となるものが最も補正精度の良い補正式として選択されるので、管理者においては、各拠点の測色計の測定値の誤差を適正に管理することができると共に、ユーザにおいては、各拠点において、その補正式に従って測色計の測定値の補正を行い、その補正された測定値に基づいて出力装置の調整を行うことで、複数の拠点に設置された出力装置のキャリブレーションを適切に行うことができる。
【0082】
また、本発明に係る色管理情報提供システム及びその色管理情報提供方法によれば、上述した効果が得られることに加えて、管理サーバーにおいて、基準となる測色計により測定された出力物の色彩や濃度に関する基準値と、各拠点に配置された測色計による出力物の色彩や濃度に関する測定値とに基づいて、各拠点に配置された測色計による出力物の色彩や濃度に関する測定値を、最も補正精度の良い補正式により補正した補正値と、基準となる測色計による出力物の色彩や濃度に関する基準値との誤差が算出されて、その誤差に関する情報が色管理情報として各拠点に配置された端末装置に送信されるので、管理者においては、各拠点に配置された測色計の測定値の誤差をより詳細に管理することができると共に、ユーザにおいては、各拠点において、その色管理情報に従って出力装置の調整を行うことで、複数の拠点に設置された出力装置のキャリブレーションを適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る色管理情報提供システムのシステム構成を示す説明図である。
【図2】測色計補正用カラーチャートの構成を示す説明図である。
【図3】図1に示す色管理情報提供システムの管理サーバーにおいて、基準となる測色計によって測定されたターゲットの測定値が登録される流れを説明するためのフローチャートである。
【図4】図1に示す色管理情報提供システムにおいて、一拠点に配置された測色計によって測定された測色計補正用カラーチャートの測定値が登録されて、これを基準となる測色計によって測定された測色計補正用カラーチャートの測定値に近づけるための補正式が導出されて、その補正式が登録されるまでの流れを説明するためのフローチャートである。
【図5】図1に示す色管理情報提供システムの補正式導出部において、回帰分析により、補正式である2次関数の係数が求められる過程を説明するための説明図である。
【図6】図1に示す色管理情報提供システムの補正式導出部において、回帰分析により、補正式である1次関数の係数が求められる過程を説明するための説明図である。
【図7】図1に示す色管理情報提供システムにおいて、一拠点に配置された測色計によって測定されたターゲットの測定値が登録されて、その測定値と基準となる測色計によって測定されたターゲットの測定値との誤差が算出されて、その診断レポートが作成されるまでの流れを説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1 管理サーバー
1a 格納部
1b 受信部
1c 補正式導出部
1d 選択部
1e 登録部
1f 送信部
1g 算出部
2a〜2c 端末装置
2aa 入力部
2ab 送信部
2ac 受信部
2ad 表示部
C1〜C3 出力装置
N ネットワーク
P 測色計補正用カラーチャート
S0 基準となる測色計
S1〜S3 測色計
Claims (30)
- 拠点毎に配置された複数の測色計の測定値の誤差を把握し、その誤差を補正する補正式を導出することで、前記複数の測色計の測定値の管理を行うための測色計測定値管理システムであって、
前記拠点毎に配置され、前記測色計により測定された色見本の測定値を送信する色見本測定値送信手段を有する複数の端末装置と、
基準となる測色計により測定された前記色見本の測定値を予め基準値として格納する色見本測定値格納手段と、前記色見本測定値送信手段から送信された測定値を受信する色見本測定値受信手段と、前記色見本測定値受信手段により受信された測定値を前記色見本測定値格納手段に格納された基準値に近似させる補正を行う補正式を決定する決定手段と、前記決定手段により決定された補正式を、前記色見本測定値受信手段により受信された測定値を測定した前記測色計の測定値の誤差を補正する補正式として登録する補正式登録手段と、を有する管理サーバーと、を備えたことを特徴とする測色計測定値管理システム。 - 前記決定手段は、複数種類の演算手法により、前記色見本測定値受信手段により受信された測定値を前記色見本測定値格納手段に格納された基準値に近似させる補正を行う補正式を複数導出する補正式導出手段と、前記補正式導出手段により導出された複数の補正式に基づき補正された前記色見本測定値受信手段により受信された測定値と、前記色見本測定値格納手段に格納された基準値との差に基づいて、前記補正式導出手段により導出された複数の補正式の中から最も補正精度の高いものを選択して、これを前記色見本測定値受信手段により受信された測定値を前記色見本測定値格納手段に格納された基準値に近似させる補正を行う補正式とする選択手段と、を有することを特徴とする請求項1記載の測色計測定値管理システム。
- 前記選択手段は、前記補正式導出手段により導出された複数の補正式に基づき補正された、前記色見本測定値受信手段により受信された測定値と、前記色見本測定値格納手段に格納された基準値との差として、CIE L*a*b*表色系におけるΔE={(ΔL*)2+(Δa*)2+(Δb*)2}1/2値を、前記複数の補正式毎に求め、その値が最小となるものを、前記最も補正精度の高い補正式として選択することを特徴とする請求項2記載の測色計測定値管理システム。
- 前記測定値及び前記基準値は、前記色見本の複数の測定点における測定値であり、前記複数の補正式毎に求められたΔE値は、前記複数の測定点毎に求められたものであって、前記選択手段は、前記複数の測定点毎に求められた前記ΔE値の平均値が最小となる補正式を、前記最も補正精度の高い補正式として選択することを特徴とする請求項3記載の測色計測定値管理システム。
- 前記測定値及び前記基準値は、前記色見本の複数の測定点における測定値であり、前記複数の補正式毎に求められたΔE値は、前記複数の測定点毎に求められたものであって、前記選択手段は、前記複数の測定点毎に求められた前記ΔE値の最大値が最小となる補正式を、前記最も補正精度の高い補正式として選択することを特徴とする請求項3記載の測色計測定値管理システム。
- 前記補正式登録手段は、前記選択手段により選択された補正式を、前記色見本測定値受信手段により受信された測定値と、前記色見本測定値格納手段に格納された基準値とをXYZ表色系におけるX、Y、Zの三刺激値にて表現するものとして登録することを特徴とする請求項2乃至請求項5の何れか一項に記載の測色計測定値管理システム。
- 前記管理サーバーは、前記補正式登録手段により登録された補正式を、前記複数の端末装置の内、該当するものに送信する補正式送信手段をさらに備え、
前記複数の端末装置の各々は、前記補正式送信手段から送信された補正式を受信する補正式受信手段と、前記補正式受信手段により受信された補正式を表示する補正式表示手段と、をさらに備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか一項に記載の測色計測定値管理システム。 - 拠点毎に配置された複数の測色計の測定値の誤差を把握し、その誤差を補正する補正式を導出することで、前記複数の測色計の測定値の管理を行うための測色計測定値管理方法であって、
前記複数の測色計の測定値の管理を行う管理サーバーにて、基準となる測色計により測定された色見本の測定値を予め基準値として格納する色見本測定値格納ステップと、
前記複数の端末装置の各々にて、前記測色計により測定された前記色見本の測定値を送信する色見本測定値送信ステップと、
前記管理サーバーにて、前記色見本測定値送信ステップにおいて送信された測定値を受信する色見本測定値受信ステップと、前記色見本測定値受信ステップにおいて受信された測定値を前記色見本測定値格納ステップにおいて格納された基準値に近似させる補正を行う補正式を決定する決定ステップと、前記決定ステップにおいて決定された補正式を、前記色見本測定値受信ステップにおいて受信された測定値を測定した前記測色計の測定値の誤差を補正する補正式として登録する補正式登録ステップと、を含むことを特徴とする測色計測定値管理方法。 - 前記決定ステップは、複数種類の演算手法により、前記色見本測定値受信ステップにおいて受信された測定値を前記色見本測定値格納ステップにおいて格納された基準値に近似させる補正を行う補正式を複数導出する補正式導出ステップと、前記補正式導出ステップにおいて導出された複数の補正式に基づき補正された前記色見本測定値受信ステップにおいて受信された測定値と、前記色見本測定値格納ステップにおいて格納された基準値との差に基づいて、前記補正式導出ステップにおいて導出された複数の補正式の中から最も補正精度の高いものを選択して、これを前記色見本測定値受信ステップにおいて受信された測定値を前記色見本測定値格納ステップにおいて格納された基準値に近似させる補正を行う補正式とする選択ステップと、を含むことを特徴とする請求項8記載の測色計測定値管理方法。
- 前記選択ステップでは、前記補正式導出ステップにおいて導出された複数の補正式に基づき補正された、前記色見本測定値受信ステップにおいて受信された測定値と、前記色見本測定値格納ステップにおいて格納された基準値との差として、CIE L*a*b*表色系におけるΔE={(ΔL*)2+(Δa*)2+(Δb*)2}1/2値を、前記複数の補正式毎に求め、その値が最小となるものを、前記最も補正精度の高い補正式として選択することを特徴とする請求項9記載の測色計測定値管理方法。
- 前記測定値及び前記基準値は、前記色見本の複数の測定点における測定値であり、前記複数の補正式毎に求められたΔE値は、前記複数の測定点毎に求められたものであって、前記選択ステップでは、前記複数の測定点毎に求められた前記ΔE値の平均値が最小となる補正式を、前記最も補正精度の高い補正式として選択することを特徴とする請求項10記載の測色計測定値管理方法。
- 前記測定値及び前記基準値は、前記色見本の複数の測定点における測定値であり、前記複数の補正式毎に求められたΔE値は、前記複数の測定点毎に求められたものであって、前記選択ステップでは、前記複数の測定点毎に求められた前記ΔE値の最大値が最小となる補正式を、前記最も補正精度の高い補正式として選択することを特徴とする請求項10記載の測色計測定値管理方法。
- 前記補正式登録ステップでは、前記選択ステップにおいて選択された補正式を、前記色見本測定値受信ステップにおいて受信された測定値と、前記色見本測定値格納ステップにおいて格納された基準値とをXYZ表色系におけるX、Y、Zの三刺激値にて表現するものとして登録することを特徴とする請求項9乃至請求項12の何れか一項に記載の測色計測定値管理方法。
- 前記管理サーバーにて、前記補正式登録ステップにおいて登録された補正式を、前記複数の端末装置の内、該当するものに送信する補正式送信ステップと、
前記複数の端末装置の各々にて、前記補正式送信ステップにおいて送信された補正式を受信する補正式受信ステップと、前記補正式受信ステップにおいて受信された補正式を表示する補正式表示ステップと、をさらに含むことを特徴とする請求項8乃至請求項13の何れか一項に記載の測色計測定値管理方法。 - 拠点毎に設置された複数の画像出力装置のキャリブレーションを行うべく、前記拠点毎に配置され、前記画像出力装置から出力される出力物の測定を行う複数の測色計の測定値の誤差を把握し、その誤差を補正する補正式を導出して、その補正式により前記画像出力装置から出力される出力物の前記測色計による測定値を補正して、その補正された測定値に基づいて、前記画像出力装置から出力される出力物の前記測色計による測定値の前記各拠点間での誤差を算出して、これを提供する色管理情報提供システムであって、
前記拠点毎に配置され、前記測色計により測定された前記出力物の測定値を送信する出力物測定値送信手段と、前記測色計により測定された色見本の測定値を送信する色見本測定値送信手段と、を有する複数の端末装置と、
基準となる測色計により測定された前記出力物の測定値を予め基準値として格納する出力物測定値格納手段と、前記基準となる測色計により測定された前記色見本の測定値を予め基準値として格納する色見本測定値格納手段と、前記出力物測定値送信手段から送信された測定値を受信する出力物測定値受信手段と、前記色見本測定値送信手段から送信された測定値を受信する色見本測定値受信手段と、前記色見本測定値受信手段により受信された測定値を前記色見本測定値格納手段に格納された基準値に近似させる補正を行う補正式を決定する決定手段と、前記決定手段により決定された補正式を、前記色見本測定値受信手段により受信された測定値を測定した前記測色計の測定値の誤差を補正する補正式として登録する補正式登録手段と、前記補正式登録手段により登録された補正式に基づき補正された前記出力物測定値受信手段により受信された測定値と、前記出力物測定値格納手段に格納された基準値との誤差を算出する算出手段と、前記算出手段により算出された誤差を、前記出力物測定値受信手段により受信された測定値の対象となった前記出力物の前記測色計による測定値の前記各拠点間での誤差として登録する誤差登録手段と、を有する管理サーバーと、を備えたことを特徴とする色管理情報提供システム。 - 前記決定手段は、複数種類の演算手法により、前記色見本測定値受信手段により受信された測定値を前記色見本測定値格納手段に格納された基準値に近似させる補正を行う補正式を複数導出する補正式導出手段と、前記補正式導出手段により導出された複数の補正式に基づき補正された前記色見本測定値受信手段により受信された測定値と、前記色見本測定値格納手段に格納された基準値との差に基づいて、前記補正式導出手段により導出された複数の補正式の中から最も補正精度の高いものを選択して、これを前記色見本測定値受信手段により受信された測定値を前記色見本測定値格納手段に格納された基準値に近似させる補正を行う補正式とする選択手段と、を有することを特徴とする請求項15記載の色管理情報提供システム。
- 前記選択手段は、前記補正式導出手段により導出された複数の補正式に基づき補正された、前記色見本測定値受信手段により受信された測定値と、前記色見本測定値格納手段に格納された基準値との差として、CIE L*a*b*表色系におけるΔE={(ΔL*)2+(Δa*)2+(Δb*)2}1/2値を、前記複数の補正式毎に求め、その値が最小となるものを、前記最も補正精度の高い補正式として選択することを特徴とする請求項16記載の色管理情報提供システム。
- 前記測定値及び前記基準値は、前記色見本の複数の測定点における測定値であり、前記複数の補正式毎に求められたΔE値は、前記複数の測定点毎に求められたものであって、前記選択手段は、前記複数の測定点毎に求められた前記ΔE値の平均値が最小となる補正式を、前記最も補正精度の高い補正式として選択することを特徴とする請求項17記載の色管理情報提供システム。
- 前記測定値及び前記基準値は、前記色見本の複数の測定点における測定値であり、前記複数の補正式毎に求められたΔE値は、前記複数の測定点毎に求められたものであって、前記選択手段は、前記複数の測定点毎に求められた前記ΔE値の最大値が最小となる補正式を、前記最も補正精度の高い補正式として選択することを特徴とする請求項17記載の色管理情報提供システム。
- 前記補正式登録手段は、前記選択手段により選択された補正式を、前記色見本測定値受信手段により受信された測定値と、前記色見本測定値格納手段に格納された基準値とをXYZ表色系におけるX、Y、Zの三刺激値にて表現するものとして登録することを特徴とする請求項16乃至請求項19の何れか一項に記載の色管理情報提供システム。
- 前記管理サーバーは、前記補正式登録手段により登録された補正式を、前記複数の端末装置の内、該当するものに送信する補正式送信手段をさらに備え、
前記複数の端末装置の各々は、前記補正式送信手段から送信された補正式を受信する補正式受信手段と、前記補正式受信手段により受信された補正式を表示する補正式表示手段と、をさらに備えたことを特徴とする請求項15乃至請求項21の何れか一項に記載の色管理情報提供システム。 - 前記管理サーバーは、前記誤差登録手段により登録された誤差を、前記複数の端末装置の内、該当するものに送信する誤差送信手段をさらに備え、
前記複数の端末装置の各々は、前記誤差送信手段から送信された誤差を受信する誤差受信手段と、前記誤差受信手段により受信された誤差を表示する誤差表示手段と、をさらに備えたことを特徴とする請求項15乃至請求項21の何れか一項に記載の色管理情報提供システム。 - 拠点毎に設置された複数の画像出力装置のキャリブレーションを行うべく、前記拠点毎に配置され、前記画像出力装置から出力される出力物の測定を行う複数の測色計の測定値の誤差を把握し、その誤差を補正する補正式を導出して、その補正式により前記画像出力装置から出力される出力物の前記測色計による測定値を補正して、その補正された測定値に基づいて、前記画像出力装置から出力される出力物の前記測色計による測定値の前記各拠点間での誤差を算出して、これを提供する色管理情報提供方法であって、
前記測色計による測定値の前記各拠点間での誤差を提供する管理サーバーにて、基準となる測色計により測定された前記出力物の測定値を予め基準値として格納する出力物測定値格納ステップと、前記基準となる測色計により測定された色見本の測定値を予め基準値として格納する色見本測定値格納ステップと、
前記複数の端末装置の各々にて、前記測色計により測定された前記色見本の測定値を送信する色見本測定値送信ステップと、
前記管理サーバーにて、前記色見本測定値送信ステップにおいて送信された測定値を受信する色見本測定値受信ステップと、前記色見本測定値受信ステップにおいて受信された測定値を前記色見本測定値格納ステップにおいて格納された基準値に近似させる補正を行う補正式を決定する決定ステップと、前記決定ステップにおいて決定された補正式を、前記色見本測定値受信ステップにおいて受信された測定値を測定した前記測色計の測定値の誤差を補正する補正式として登録する補正式登録ステップと、
前記複数の端末装置の各々において、前記測色計により測定された前記出力物の測定値を送信する出力物測定値送信ステップと、
前記管理サーバーにおいて、前記出力物測定値送信ステップにおいて送信された測定値を受信する出力物測定値受信ステップと、前記補正式登録ステップにおいて登録された補正式に基づき補正された前記出力物測定値受信ステップにおいて受信された測定値と、前記出力物測定値格納ステップにおいて格納された基準値との誤差を算出する算出ステップと、前記算出ステップにおいて算出された誤差を、前記出力物測定値受信手段により受信された測定値の対象となった前記出力物の前記測色計による測定値の前記各拠点間での誤差として登録する誤差登録ステップと、を含むことを特徴とする色管理情報提供方法。 - 前記決定ステップは、複数種類の演算手法により、前記色見本測定値受信ステップにおいて受信された測定値を前記色見本測定値格納ステップにおいて格納された基準値に近似させる補正を行う補正式を複数導出する補正式導出ステップと、前記補正式導出ステップにおいて導出された複数の補正式に基づき補正された前記色見本測定値受信ステップにおいて受信された測定値と、前記色見本測定値格納ステップにおいて格納された基準値との差に基づいて、前記補正式導出ステップにおいて導出された複数の補正式の中から最も補正精度の高いものを選択して、これを前記色見本測定値受信ステップにおいて受信された測定値を前記色見本測定値格納ステップにおいて格納された基準値に近似させる補正を行う補正式とする選択ステップと、を含むことを特徴とする請求項23記載の色管理情報提供方法。
- 前記選択ステップでは、前記補正式導出ステップにおいて導出された複数の補正式に基づき補正された、前記色見本測定値受信ステップにおいて受信された測定値と、前記色見本測定値格納ステップにおいて格納された基準値との差として、CIE L*a*b*表色系におけるΔE={(ΔL*)2+(Δa*)2+(Δb*)2}1/2値を、前記複数の補正式毎に求め、その値が最小となるものを、前記最も補正精度の高い補正式として選択することを特徴とする請求項24記載の色管理情報提供方法。
- 前記測定値及び前記基準値は、前記色見本の複数の測定点における測定値であり、前記複数の補正式毎に求められたΔE値は、前記複数の測定点毎に求められたものであって、前記選択ステップでは、前記複数の測定点毎に求められた前記ΔE値の平均値が最小となる補正式を、前記最も補正精度の高い補正式として選択することを特徴とする請求項25記載の色管理情報提供方法。
- 前記測定値及び前記基準値は、前記色見本の複数の測定点における測定値であり、前記複数の補正式毎に求められたΔE値は、前記複数の測定点毎に求められたものであって、前記選択ステップでは、前記複数の測定点毎に求められた前記ΔE値の最大値が最小となる補正式を、前記最も補正精度の高い補正式として選択することを特徴とする請求項25記載の色管理情報提供方法。
- 前記補正式登録ステップでは、前記選択ステップにおいて選択された補正式を、前記色見本測定値受信ステップにおいて受信された測定値と、前記色見本測定値格納ステップにおいて格納された基準値とをXYZ表色系におけるX、Y、Zの三刺激値にて表現するものとして登録することを特徴とする請求項24乃至請求項27の何れか一項に記載の色管理情報提供方法。
- 前記管理サーバーにて、前記補正式登録ステップにおいて登録された補正式を、前記複数の端末装置の内、該当するものに送信する補正式送信ステップと、
前記複数の端末装置の各々にて、前記補正式送信ステップにおいて送信された補正式を受信する補正式受信ステップと、前記補正式受信ステップにおいて受信された補正式を表示する補正式表示ステップと、をさらに含むことを特徴とする請求項23乃至請求項28の何れか一項に記載の色管理情報提供方法。 - 前記管理サーバーにて、前記誤差登録ステップにおいて登録された誤差を、前記複数の端末装置の内、該当するものに送信する誤差送信ステップと、
前記複数の端末装置の各々にて、前記誤差送信ステップにおいて送信された誤差を受信する誤差受信ステップと、前記誤差受信ステップにおいて受信された誤差を表示する誤差表示ステップと、をさらに含むことを特徴とする請求項23乃至請求項29の何れか一項に記載の色管理情報提供方法。
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JP2003152188A JP2004354196A (ja) | 2003-05-29 | 2003-05-29 | 測色計測定値管理システム及びその測色計測定値管理方法、色管理情報提供システム及びその色管理情報提供方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009119860A (ja) * | 2007-10-23 | 2009-06-04 | Fujifilm Corp | 濃度算出装置、濃度設定装置、濃度算出プログラム、および濃度設定プログラム |
JP2013539859A (ja) * | 2010-09-18 | 2013-10-28 | ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー. | 光学測定装置較正 |
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2003
- 2003-05-29 JP JP2003152188A patent/JP2004354196A/ja not_active Withdrawn
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