JP4122590B2 - 不織布、プリプレグ及び積層板 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、吸湿時の耐熱性、寸法安定性に優れた不織布、さらにはこの不織布を加工してなるプリプレグ、及びこのプリプレグを用いて形成されるプリント配線板の材料として使用される積層板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、電子機器に収納される半導体素子等のチップを搭載するためプリント配線板が用いられているが、このプリント配線板を形成するにあたっては、銅張積層板が使用されており、また銅張積層板としては、ガラス布を基材とするプリプレグを用いて製造されるガラス布基材エポキシ樹脂銅張積層板が汎用されている。しかし、近年、軽量化、低誘電率化、レーザー加工性の向上などの要望からガラス布の代わりに有機繊維の基材で形成されるプリプレグを用いたプリント配線板が提案されている。その代表的な有機繊維として、高強力で耐熱性に優れるという特性を有するアラミド繊維が用いられている。また、高い剛性、吸湿化での耐熱性や電気絶縁性向上の目的のために全芳香族ポリエステルが使用されるようになってきている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、アラミド繊維を使用した場合、例えば高湿度化に放置したものを使用すると吸湿し、耐熱性や電気絶縁性が低いという問題があった。また、上記公報記載の全芳香族ポリエステルを使用した場合、単糸繊度が均一ではないため、板厚のばらつきが大きく、寸法変化がアラミド繊維を使用した場合に比べ、大きいこという問題点を有していた。
【0004】
本発明は上記の問題を解決し、プリプレグとした場合、吸湿時の耐熱性、板厚の均一性、寸法安定性のバランスを極めて良好にした不織布の取得およびそれを加工してなる積層板の取得を課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
【0006】
すなわち、本発明は(1)溶融粘度が30〜250Pa・sであり、下記構造単位(I)、(II)、(III)および(IV)からなる液晶性ポリエステルからなる繊度変動率10%未満の液晶性ポリエステル繊維を用いて形成することを特徴とする不織布、
【化4】
(ただし式中のR 1 は
【化5】
から選ばれた1種以上の基を示し、R 2 は
【化6】
から選ばれた1種以上の基を示す。ただし式中Xは水素原子または塩素原子を示す。)
(2)液晶性ポリエステルの溶融粘度が30〜50Pa・sであることを特徴とする上記(1)記載の不織布。
(3)液晶性ポリエステル繊維の単糸繊度が10デニール以下である上記(1)または(2)記載の不織布、
(4)構造単位(I)および(II)の合計が構造単位(I)、(II)および(III)の合計に対して30〜95モル%、構造単位(III)が構造単位(I)、(II)および(III)の合計に対して70〜5モル%であり、構造単位(I)と(II)のモル比[(I)/(II)]が75/25〜95/5であり、構造単位(IV)と構造単位(II)および(III)の合計とが実質的に等モルである上記(1)〜(3)のいずれかに記載の不織布、
(5)上記(1)〜(4)のいずれかに記載の不織布から形成してなることを特徴とするプリプレグ、
(6)上記(5)記載のプリプレグと金属箔を積層してなることを特徴とする積層板、
を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。本発明において「重量」とは「質量」を意味する。
【0008】
本発明で用いる液晶性ポリエステル繊維は、液晶性ポリエステル樹脂を紡糸することによって得られる。
【0009】
本発明に用いる液晶性ポリエステルとは、溶融時に異方性を形成し得るポリマーである。
【0011】
本発明に使用する液晶性ポリエステルは芳香族オキシカルボニル単位としてp−ヒドロキシ安息香酸からなる構造単位を含む液晶性ポリエステルである。
【0012】
中でも単糸繊度の均一性の目安である繊度変動率が本発明範囲のような低い繊維(均一な繊維)を得るためには、分子鎖に脂肪族鎖を導入した半芳香族液晶性ポリエステルを用いる。
【0013】
上記半芳香族液晶性ポリエステルは、エチレンジオキシ単位を必須成分とする液晶性ポリエステルであり、下記構造単位 (I) 、(II)、(III)および(IV)の構造単位からなるポリエステルである。
【0014】
【化7】
(ただし式中のR1 は
【化8】
から選ばれた一種以上の基を示し、R2 は
【化9】
から選ばれた一種以上の基を示す。また、式中Xは水素原子または塩素原子を示す。)
【0015】
なお、構造単位(II)および(III) の合計と構造単位(IV)は実質的に等モルであることが望ましい。
【0016】
上記構造単位(I) はp−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位であり、構造単位(II)は4,4´−ジヒドロキシビフェニル、3,3´,5,5´−テトラメチル−4,4´−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノン、フェニルハイドロキノン、メチルハイドロキノン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンおよび4,4´−ジヒドロキシジフェニルエーテルから選ばれた一種以上の芳香族ジヒドロキシ化合物から生成した構造単位を、構造単位(III) はエチレングリコールから生成した構造単位を、構造単位(IV)はテレフタル酸、イソフタル酸、4,4´−ジフェニルジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4´−ジカルボン酸、1,2−ビス(2−クロルフェノキシ)エタン−4,4´−ジカルボン酸および4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸から選ばれた一種以上の芳香族ジカルボン酸から生成した構造単位を各々示す。これらのうちR1が
【化10】
であり、R2が
【化11】
であるものが特に好ましい。
【0017】
上記構造単位(I)、(II)、(III)および(IV)の共重合量は任意である。しかし、本発明の特性を発揮させるためには次の共重合量であることが好ましい。
【0018】
すなわち、上記構造単位(I)、(II)、(III)、(IV)からなる共重合体の場合は、上記構造単位(I)および(II)の合計は構造単位(I)、(II)および(III)の合計に対して30〜95モル%が好ましく、40〜93モル%がより好ましい。また、構造単位(III)は構造単位(I)、(II)および(III)の合計に対して70〜5モル%が好ましく、60〜7モル%がより好ましい。また、構造単位(I)と(II)のモル比[(I)/(II)]は好ましくは75/25〜95/5であり、より好ましくは78/22〜93/7である。また、構造単位(IV)は構造単位(II)および(III)の合計と実質的に等モルであることが好ましい。
【0019】
一方、上記構造単位(II) を含まない場合は流動性の点から上記構造単位(I)は構造単位(I)および(III)の合計に対して40〜90モル%であることが好ましく、60〜88モル%であることが特に好ましく、構造単位(IV)は構造単位(III)と実質的に等モルであることが好ましい。
【0020】
また液晶性ポリエステルアミドとしては、上記構造単位(I)〜(IV)以外にp−アミノフェノールから生成したp−イミノフェノキシ単位を含有した異方性溶融相を形成するポリエステルアミドが好ましい。
【0021】
なお、上記好ましく用いることができる液晶性ポリエステル、液晶性ポリエステルアミドは、上記構造単位(I)〜(IV)を構成する成分以外に3,3’−ジフェニルジカルボン酸、2,2’−ジフェニルジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸などの脂肪族ジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸などの脂環式ジカルボン酸、クロルハイドロキノン、3,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、3,4’−ジヒドロキシビフェニル等の芳香族ジオール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂肪族、脂環式ジオールおよびm−ヒドロキシ安息香酸、2,6−ヒドロキシナフトエ酸などの芳香族ヒドロキシカルボン酸およびp−アミノ安息香酸などを液晶性を損なわない程度の範囲でさらに共重合せしめることができる。
【0022】
本発明で使用する液晶性ポリエステルは、ペンタフルオロフェノール中で対数粘度を測定することが可能である。その際、0.1g/dlの濃度で60℃で測定した値で0.5〜15.0dl/gが好ましく、1.0〜10.0dl/gが特に好ましい。
【0023】
また、本発明で使用する液晶性ポリエステルの溶融粘度は30〜250Pa・sである。繊度変動率を小さくする、または高強度の繊維を得るために溶融粘度を30Pa・s以上とする。
【0024】
なお、この溶融粘度は融点(Tm)+10℃の条件で、ずり速度1,000(1/秒)の条件下で高化式フローテスターによって測定した値である。
【0025】
ここで、融点(Tm)とは示差熱量測定において、重合を完了したポリマを室温から20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm1 )の観測後、Tm1 +20℃の温度で5分間保持した後、20℃/分の降温条件で室温まで一旦冷却した後、再度20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm2 )を指す。
【0026】
本発明において使用する上記液晶性ポリエステルの製造方法は、特に制限がなく、公知のポリエステルの重縮合法に準じて製造できる。
【0027】
例えば、上記液晶ポリエステルの製造において、次の製造方法が好ましく挙げられる。
【0028】
(1)p−アセトキシ安息香酸および4,4’−ジアセトキシビフェニル、ジアセトキシベンゼンなどの芳香族ジヒドロキシ化合物のジアシル化物と2,6−ナフタレンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸から脱酢酸縮重合反応によって製造する方法。
【0029】
(2)p−ヒドロキシ安息香酸および4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノンなどの芳香族ジヒドロキシ化合物と2,6−ナフタレンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸に無水酢酸を反応させて、フェノール性水酸基をアシル化した後、脱酢酸重縮合反応によって製造する方法。
【0030】
(3)p−ヒドロキシ安息香酸のフェニルエステルおよび4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノンなどの芳香族ジヒドロキシ化合物と2,6−ナフタレンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸のジフェニルエステルから脱フェノール重縮合反応により製造する方法。
【0031】
(4)p−ヒドロキシ安息香酸および2,6−ナフタレンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸に所定量のジフェニルカーボネートを反応させて、それぞれジフェニルエステルとした後、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノンなどの芳香族ジヒドロキシ化合物を加え、脱フェノール重縮合反応により製造する方法。
【0032】
(5)ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルのポリマー、オリゴマーまたはビス(β−ヒドロキシエチル)テレフタレートなど芳香族ジカルボン酸のビス(β−ヒドロキシエチル)エステルの存在下で(1)または(2)の方法により製造する方法。
【0033】
液晶性ポリエステルの重縮合反応は無触媒でも進行するが、酢酸第一錫、テトラブチルチタネート、酢酸カリウムおよび酢酸ナトリウム、三酸化アンチモン、金属マグネシウムなどの金属化合物を使用することもできる。
【0034】
また、液晶性ポリエステルの紡糸方法は、特に限定されず、通常のポリエステルの繊維の製造方法に準じて用いることができる。
【0035】
このような液晶性ポリエステル樹脂を紡糸して得られる液晶性ポリエステル繊維は、液晶性ポリエステル樹脂の融点よりも50℃程度低い温度で熱処理をして耐熱性を向上させることも可能である。
【0036】
液晶性ポリエステル繊維の繊度変動率(繊度ばらつき)は、10%未満であることが必須であり、好ましくは8%未満、より好ましくは5%未満である。繊度変動率が10%以上の場合、得られた不織布およびさらに加工して得られたプリプレグおよび積層板の強度ばらつき、寸法変化が大きくなるため好ましくない。
【0037】
なお、繊度変動率はJIS L1015に従い、デニールコンピューターを用いて測定することができる。
【0038】
液晶性ポリエステル繊維の繊度は、特に限定されないが、好ましくは0.1〜10デニール、より好ましくは0.5〜8デニールものを使用できる。上記範囲のものがもっとも繊維むらのない不織布が形成可能である。
【0039】
液晶性ポリエステル繊維の繊維長は、特に限定されないが不織布の強度および繊維分散の均一性から2〜60mmが好ましく、より好ましくは3〜10mmである。
【0040】
また、この液晶性ポリエステル繊維の含有量は不織布中、5重量%以上含有すればよいが、好ましくは10重量%以上、より好ましくは20重量%以上混合する。この液晶性ポリエステル繊維は、通常単独で使用するが他の2種以上の繊維を用いてもかまわない。
【0041】
この液晶性ポリエステル繊維以外に使用できる繊維は、不織布の用途によって異なるが、例えば、耐熱性の必要とされる用途に使用される場合には、酸化アクリル繊維、レーヨン系酸化繊維、炭素繊維、ガラス繊維、メタまたはパラ型アラミド繊維、ポリアミドイミド繊維、芳香族ポリエーテルアミド繊維、ポリベンズイミダゾール繊維、ノボロイド繊維、ポリベンズビスオキサゾール繊維などを使用できる。また、芯地などの衣料用途、電池セパレータ用途、気体または液体フィルター用途、自動車内装材用途などに使用する場合には、例えば、レーヨン繊維、ポリノジック繊維、キュプラ繊維などの再生繊維、アセテート繊維などの半合成繊維、ナイロン繊維、ビニロン繊維、ビニリデン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリエステル繊維、アクリル酸繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリクラール繊維などの合成繊維、綿繊維や麻繊維などの植物繊維、羊毛繊維、絹繊維などの動物繊維を使用できる。なお、単一の樹脂成分からなる必要はなく、芯鞘型、偏芯型、サイドバイサイド型、海島型、多重バイメタル型、オレンジ型などの融着性、巻縮発現性、あるいは分割性などの性質を有する複合繊維を使用しても良い。
【0042】
それ以外の繊維の繊度は、液晶性ポリエステル繊維同様、特に限定されないが、好ましくは0.1〜10デニール、より好ましくは0.5〜8デニールものが使用できる。
【0043】
液晶性ポリエステル繊維を使用しての不織布の形成方法は特に限定されず、カード法やエアレイ法などの乾式法、湿式法、スパンポンド法やメルトブロー法などの直接法等があるが、このうち液晶性ポリエステル繊維の分散性が均一になりやすい点から湿式法で形成するのが好ましい。この方法は、短くカットした液晶性ポリエステル繊維を水に分散してスラリーを調整し、これに水溶性エポキシ樹脂などの樹脂バインダーを添加した後、シート状に抄造して乾燥することによって原布を形成し、この後原布を一対のロール間に挟んで熱カレンダー工程を行うようにするものである。
【0044】
そして上記のように形成される不織布に樹脂を複合化することによってプリプレグが形成される。樹脂としては例えばポリブタジエン、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ケイ素樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などの熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂を使用することができるが、安価で接着性が良好なエポキシ樹脂を用いるのが好ましい。基材への樹脂の複合化は、不織布に液状の樹脂を含浸して乾燥することによって行うことができ、樹脂として熱硬化性樹脂を用いる場合は、乾燥の際の加熱によって樹脂を半硬化状態にしてプリプレグを得るようにするものである。この際、樹脂を溶剤に溶解して調整されるワニスを基材に含浸し乾燥させることによって、樹脂を半硬化状態にするのが一般的であるが、もちろん、この方法に限定されるものではない。
【0045】
また、プリプレグの樹脂の含有量はその全量に対して40〜70重量%になるように調整するのが好ましい。樹脂の含有量が上記範囲をはずれた場合、プリプレグ中で樹脂を均一に含有させることが難しく、厚みばらつきやボイドなどの不良を引き起こしやすい。
【0046】
本発明の積層板は、上記のようにして得られたプリプレグを複数枚積層し、この片面あるいは両面に銅箔等の金属箔を重ねて加熱加圧して形成されるものである。この際の加熱加圧条件は、プリプレグの樹脂の種類によって異なるが、エポキシ樹脂の場合では例えば温度を170℃前後、圧力1.5〜5.0Pa、時間を60〜120分にそれぞれにそれぞれ設定することができる。
【0047】
このようにして本発明の不織布は、吸湿時の耐熱性、寸法安定性を有し、しかも地合の均一なものや嵩高な不織布など、様々な不織布を形成できるため、プリプレグおよびそれを加工してなる積層板(例えばプリント基板等)以外に、例えば、耐熱又は耐薬品性フィルター用途、気体または液体フィルター用途、耐熱、耐薬品性、防護、あるいは通常の衣服用途、耐熱、耐薬品性、防護、あるいは通常の芯地用途、耐熱、耐薬品性、防護、あるいは通常の中入り綿用途、電池用セパレータ用途、電気絶縁材用途、耐熱、耐薬品性、あるいは通常のクリーニング剤用途、耐熱、耐薬品性、あるいは通常のマスク用途、内装材、マット、バッグなどの裏打ち材用途、ロープなどの被覆材用途、摩擦材などの石綿代替用途、FRP用補強材用途、タイヤなどのゴム補強材用途、建築材などのセメント補強用途、自動車用内装材用途、インソール用途、合成皮革用途、ワイパー用途、印刷材用途、ベッドカバー、テーブルクロス、カーテンなどの家庭用途、包装用途、手術用ガウン、ドレープ材などのメディカル用途など様々な用途に適用できる。なお、より各種用途に適合するように各種物理的または化学的処理を施したり、他の素材と複合しても良い。
【0048】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の骨子は以下の実施例にのみ限定されるものではない。
【0049】
参考例1 液晶性ポリエステルの製造
<LCP1>
p−ヒドロキシ安息香酸11.05kg、4,4’−ジヒドロキシビフェニル1.40kg、テレフタル酸1.25kg、固有粘度が約0.6dl/gのポリエチレンテレフタレート2.40kgおよび無水酢酸10.67kgを圧力容器に仕込み、重合を行った結果、芳香族オキシカルボニル単位80モル当量、芳香族ジオキシ単位7.5モル当量、エチレンジオキシ単位12.5モル当量、芳香族ジカルボン酸単位20モル当量からなる融点314℃、50Pa・s(324℃、オリフィス0.5φ×10mm、ずり速度1,000(1/秒))の液晶性ポリエステルを得た。
【0050】
<LCP2>
p−ヒドロキシ安息香酸9.07kgと6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸4、57kg及び無水酢酸8.73kgを攪拌翼、留出管を備えた反応容器に仕込み、重合を行った結果、芳香族オキシカルボニル単位100モル等量からなる融点283℃、50Pa・s(293℃、オリフィス0.5φ×10mm、ずり速度1,000(1/秒))の液晶性ポリエステルを得た。
【0051】
各評価については、次に述べる方法にしたがって測定した。
【0052】
(1)繊度変動率
JIS L1015に従い、デニールコンピュータ(サーチ(株)社製)で測定した。
【0053】
(2)吸湿時耐熱性
積層板を20×60mmに加工し、沸水中で3時間吸水処理を行った後、250℃のハンダ浴に10秒間浸漬して表面のフクレの有無を観察した。
【0054】
(3)寸法安定性
TMA(セイコー電子(株)社製)を用いて繊維30本をチャック間20mm、荷重1g、30℃→170℃(5℃/min)の条件で50→100℃の熱線膨張係数を測定した。
【0055】
(4)板厚均一性
積層板を50×50mmに切削加工し、各角から1cmのところをマイクロメータで測定し、その標準偏差を求めた。
【0056】
実施例1、比較例1〜2
参考例1の液晶性ポリエステルを融点+20℃で40mmφ押出機を用いて引取り速度50m/分で約5デニールの繊維を作成し、さらにその得られた繊維およびアラミド系繊維(テクノーラ(帝人社製))を5mm長にカットし、湿式法によって不織布を形成した。次にエポキシ樹脂ワニスを上記不織布に連続塗工して含浸させ、160℃で10分加熱することによって樹脂含有量が55重量%のプリプレグを得た。さらにこのプリプレグを8枚重ね合わせて積層板を得た。得られた積層板を各評価項目にそって表1に示すように評価した。
【0057】
表1からも明らかなように本発明の不織布によって得られた積層板は、比較例に比べ、吸湿時の耐熱性、寸法安定性、板厚均一性に優れていることがわかる。
【0058】
【表1】
【0059】
【発明の効果】
本発明の不織布、さらにはこの不織布を加工してなるプリント配線板の材料として使用されるプリプレグ、及びこのプリプレグを用いて形成される積層板は、吸湿時の耐熱性、寸法安定性、板厚均一性に優れていることからIC積層板などの電機・電子関連機器類を初めとする、精密機械関連機器、事務用機器、家庭用、自動車などその他各種用途に好適な材料である。
Claims (6)
- 液晶性ポリエステルの溶融粘度が30〜50Pa・sであることを特徴とする請求項1記載の不織布。
- 液晶性ポリエステル繊維の単糸繊度が10デニール以下である請求項1または2記載の不織布。
- 構造単位(I)および(II)の合計が構造単位(I)、(II)および(III)の合計に対して30〜95モル%、構造単位(III)が構造単位(I)、(II)および(III)の合計に対して70〜5モル%であり、構造単位(I)と(II)のモル比[(I)/(II)]が75/25〜95/5であり、構造単位(IV)と構造単位(II)および(III)の合計とが実質的に等モルである請求項1〜3のいずれかに記載の不織布。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の不織布から形成してなることを特徴とするプリプレグ。
- 請求項5記載のプリプレグと金属箔を積層してなることを特徴とする積層板。
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