JP2000096410A - 不織布、プリプレグ及び積層板 - Google Patents

不織布、プリプレグ及び積層板

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JP2000096410A JP25864098A JP25864098A JP2000096410A JP 2000096410 A JP2000096410 A JP 2000096410A JP 25864098 A JP25864098 A JP 25864098A JP 25864098 A JP25864098 A JP 25864098A JP 2000096410 A JP2000096410 A JP 2000096410A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 吸湿時の耐熱性、寸法安定性に優れた不織
布、さらにはこの不織布を加工してなるプリント配線板
の材料として使用されるプリプレグ、及びこのプリプレ
グを用いて形成される積層板の取得を課題とする。 【解決手段】 繊度変動率10%未満の液晶性ポリエス
テル繊維を用いて形成することを特徴とする不織布。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸湿時の耐熱性、
寸法安定性に優れた不織布、さらにはこの不織布を加工
してなるプリプレグ、及びこのプリプレグを用いて形成
されるプリント配線板の材料として使用される積層板に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、電子機器に収納される半導体
素子等のチップを搭載するためプリント配線板が用いら
れているが、このプリント配線板を形成するにあたって
は、銅張積層板が使用されており、また銅張積層板とし
ては、ガラス布を基材とするプリプレグを用いて製造さ
れるガラス布基材エポキシ樹脂銅張積層板が汎用されて
いる。しかし、近年、軽量化、低誘電率化、レーザー加
工性の向上などの要望からガラス布の代わりに有機繊維
の基材で形成されるプリプレグを用いたプリント配線板
が提案されている。その代表的な有機繊維として、高強
力で耐熱性に優れるという特性を有するアラミド繊維が
用いられている。また、高い剛性、吸湿化での耐熱性や
電気絶縁性向上の目的のために全芳香族ポリエステルが
使用されるようになってきている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、アラミ
ド繊維を使用した場合、例えば高湿度化に放置したもの
を使用すると吸湿し、耐熱性や電気絶縁性が低いという
問題があった。また、上記公報記載の全芳香族ポリエス
テルを使用した場合、単糸繊度が均一ではないため、板
厚のばらつきが大きく、寸法変化がアラミド繊維を使用
した場合に比べ、大きいこという問題点を有していた。
【0004】本発明は上記の問題を解決し、プリプレグ
とした場合、吸湿時の耐熱性、板厚の均一性、寸法安定
性のバランスを極めて良好にした不織布の取得およびそ
れを加工してなる積層板の取得を課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
【0006】すなわち、本発明は(1)繊度変動率10
%未満の液晶性ポリエステル繊維を用いて形成すること
を特徴とする不織布、(2)液晶ポリエステル繊維が半
芳香族液晶性ポリエステルであることを特徴とする上記
(1)記載の不織布、(3)液晶性ポリエステル繊維の
単糸繊度が10デニール以下である上記(1)または
(2)記載の不織布、(4)液晶性ポリエステルがエチ
レンジオキシ単位を含有する上記(1)〜(3)記載の
不織布、(5)液晶性ポリエステルが下記構造単位
(I)、(II)、(III)および(IV)からなる液晶性ポリエステ
ルである上記(1)〜(4)記載の不織布、
【化4】 (ただし式中のR1
【化5】 から選ばれた1種以上の基を示し、R2
【化6】 から選ばれた1種以上の基を示す。ただし式中Xは水素
原子または塩素原子を示す。) (6)構造単位(I) および(II)の合計が構造単位(I) 、
(II)および(III) の合計に対して30〜95モル%、構
造単位(III) が構造単位(I) 、(II)および(III)の合計
に対して70〜5モル%であり、構造単位(I) と(II)の
モル比[(I)/(II)]が75/25〜95/5であり、構
造単位(IV)と構造単位(II)および(III) の合計とが実質
的に等モルである上記(5)記載の不織布、(7)上記
(1)〜(6)記載の不織布から形成してなることを特
徴とするプリプレグ、(8)上記(7)記載のプリプレ
グと金属箔を積層してなることを特徴とする積層板を提
供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。本発明において「重量」とは「質量」を意味す
る。
【0008】本発明で用いる液晶性ポリエステル繊維
は、液晶性ポリエステル樹脂を紡糸することによって得
られる。
【0009】本発明に用いる液晶性ポリエステルとは、
溶融時に異方性を形成し得るポリマーであり、液晶ポリ
エステル、液晶ポリエステルアミド、液晶ポリカーボネ
ート、液晶ポリエステルエラストマーなどが挙げられ、
なかでも液晶ポリエステル、液晶ポリエステルアミドな
どが好ましく用いられる。
【0010】上記液晶性ポリエステルとしては、芳香族
オキシカルボニル単位、芳香族ジオキシ単位、芳香族ジ
カルボニル単位、エチレンジオキシ単位などから選ばれ
た構造単位からなる異方性溶融相を形成するポリエステ
ルを挙げることができ、液晶性ポリエステルアミドとし
ては、上記構造単位と芳香族イミノカルボニル単位、芳
香族ジイミノ単位、芳香族イミノオキシ単位などから選
ばれた構造単位からなる異方性溶融相を形成するポリエ
ステルアミドを挙げることができる。
【0011】本発明に好ましく使用できる液晶性ポリエ
ステルは芳香族オキシカルボニル単位としてp−ヒドロ
キシ安息香酸からなる構造単位を含む液晶性ポリエステ
ルである。
【0012】中でも単糸繊度の均一性の目安である繊度
変動率が本発明範囲のような低い繊維(均一な繊維)を
得るためには、分子鎖に脂肪族鎖を導入した半芳香族液
晶性ポリエステルがより容易に得られるので好ましい
が、加工方法等の工夫によって本発明の特定範囲の繊度
変動率の繊維が得ることが可能であれば、全芳香族液晶
性ポリエステルを用いることも可能である。
【0013】上記半芳香族液晶性ポリエステルとして
は、エチレンジオキシ単位を必須成分とする液晶性ポリ
エステルが好ましく使用できる。さらに好ましくは下記
構造単位(I) 、(III) 、(IV)あるいは(I) 、(II)、(II
I) 、(IV)の構造単位からなるポリエステルであり、最
も好ましいのは(I) 、(II)、(III) 、(IV)の構造単位か
らなるポリエステルである。
【0014】
【化7】 (ただし式中のR1
【化8】 から選ばれた一種以上の基を示し、R2
【化9】 から選ばれた一種以上の基を示す。また、式中Xは水素
原子または塩素原子を示す。)
【0015】なお、構造単位(II)および(III) の合計と
構造単位(IV)は実質的に等モルであることが望ましい。
【0016】上記構造単位(I) はp−ヒドロキシ安息香
酸から生成した構造単位であり、構造単位(II)は4,4
´−ジヒドロキシビフェニル、3,3´,5,5´−テ
トラメチル−4,4´−ジヒドロキシビフェニル、ハイ
ドロキノン、t−ブチルハイドロキノン、フェニルハイ
ドロキノン、メチルハイドロキノン、2,6−ジヒドロ
キシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンおよ
び4,4´−ジヒドロキシジフェニルエーテルから選ば
れた一種以上の芳香族ジヒドロキシ化合物から生成した
構造単位を、構造単位(III) はエチレングリコールから
生成した構造単位を、構造単位(IV)はテレフタル酸、イ
ソフタル酸、4,4´−ジフェニルジカルボン酸、2,
6−ナフタレンジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキ
シ)エタン−4,4´−ジカルボン酸、1,2−ビス
(2−クロルフェノキシ)エタン−4,4´−ジカルボ
ン酸および4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸
から選ばれた一種以上の芳香族ジカルボン酸から生成し
た構造単位を各々示す。これらのうちR1
【化10】 であり、R2
【化11】 であるものが特に好ましい。
【0017】上記構造単位(I)、(II)、(III)および(IV)
の共重合量は任意である。しかし、本発明の特性を発揮
させるためには次の共重合量であることが好ましい。
【0018】すなわち、上記構造単位(I)、(II)、(II
I)、(IV)からなる共重合体の場合は、上記構造単位(I)
および(II)の合計は構造単位(I)、(II)および(III)の合
計に対して30〜95モル%が好ましく、40〜93モ
ル%がより好ましい。また、構造単位(III)は構造単位
(I)、(II)および(III)の合計に対して70〜5モル%が
好ましく、60〜7モル%がより好ましい。また、構造
単位(I)と(II)のモル比[(I)/(II)]は好ましくは75
/25〜95/5であり、より好ましくは78/22〜
93/7である。また、構造単位(IV)は構造単位(II)お
よび(III)の合計と実質的に等モルであることが好まし
い。
【0019】一方、上記構造単位(II) を含まない場合
は流動性の点から上記構造単位(I)は構造単位(I)および
(III)の合計に対して40〜90モル%であることが
好ましく、60〜88モル%であることが特に好まし
く、構造単位(IV)は構造単位(III)と実質的に等モ
ルであることが好ましい。
【0020】また液晶性ポリエステルアミドとしては、
上記構造単位(I)〜(IV)以外にp−アミノフェノールか
ら生成したp−イミノフェノキシ単位を含有した異方性
溶融相を形成するポリエステルアミドが好ましい。
【0021】なお、上記好ましく用いることができる液
晶性ポリエステル、液晶性ポリエステルアミドは、上記
構造単位(I)〜(IV)を構成する成分以外に3,3’−ジ
フェニルジカルボン酸、2,2’−ジフェニルジカルボ
ン酸などの芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、アゼライ
ン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸などの脂肪族ジカ
ルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸などの脂環式ジカ
ルボン酸、クロルハイドロキノン、3,4’−ジヒドロ
キシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルス
ルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィ
ド、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、3,4’
−ジヒドロキシビフェニル等の芳香族ジオール、プロピ
レングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘ
キサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シ
クロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタ
ノール等の脂肪族、脂環式ジオールおよびm−ヒドロキ
シ安息香酸、2,6−ヒドロキシナフトエ酸などの芳香
族ヒドロキシカルボン酸およびp−アミノ安息香酸など
を液晶性を損なわない程度の範囲でさらに共重合せしめ
ることができる。
【0022】本発明で使用する液晶性ポリエステルは、
ペンタフルオロフェノール中で対数粘度を測定すること
が可能である。その際、0.1g/dlの濃度で60℃
で測定した値で0.5〜15.0dl/gが好ましく、
1.0〜10.0dl/gが特に好ましい。
【0023】また、本発明で使用する液晶性ポリエステ
ルの溶融粘度は0.5〜500Pa・sが好ましく、特に1
〜250Pa・sがより好ましい。また、繊度変動率を小さ
くする、または高強度の繊維を得るために溶融粘度を3
0Pa・s以上とすることが好ましい。
【0024】なお、この溶融粘度は融点(Tm)+10
℃の条件で、ずり速度1,000(1/秒)の条件下で
高化式フローテスターによって測定した値である。
【0025】ここで、融点(Tm)とは示差熱量測定に
おいて、重合を完了したポリマを室温から20℃/分の
昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(T
m1)の観測後、Tm1 +20℃の温度で5分間保持し
た後、20℃/分の降温条件で室温まで一旦冷却した
後、再度20℃/分の昇温条件で測定した際に観測され
る吸熱ピーク温度(Tm2 )を指す。
【0026】本発明において使用する上記液晶性ポリエ
ステルの製造方法は、特に制限がなく、公知のポリエス
テルの重縮合法に準じて製造できる。
【0027】例えば、上記液晶ポリエステルの製造にお
いて、次の製造方法が好ましく挙げられる。
【0028】(1)p−アセトキシ安息香酸および4,
4’−ジアセトキシビフェニル、ジアセトキシベンゼン
などの芳香族ジヒドロキシ化合物のジアシル化物と2,
6−ナフタレンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタ
ル酸などの芳香族ジカルボン酸から脱酢酸縮重合反応に
よって製造する方法。
【0029】(2)p−ヒドロキシ安息香酸および4,
4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノンなどの
芳香族ジヒドロキシ化合物と2,6−ナフタレンジカル
ボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳香族ジカ
ルボン酸に無水酢酸を反応させて、フェノール性水酸基
をアシル化した後、脱酢酸重縮合反応によって製造する
方法。
【0030】(3)p−ヒドロキシ安息香酸のフェニル
エステルおよび4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハ
イドロキノンなどの芳香族ジヒドロキシ化合物と2,6
−ナフタレンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル
酸などの芳香族ジカルボン酸のジフェニルエステルから
脱フェノール重縮合反応により製造する方法。
【0031】(4)p−ヒドロキシ安息香酸および2,
6−ナフタレンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタ
ル酸などの芳香族ジカルボン酸に所定量のジフェニルカ
ーボネートを反応させて、それぞれジフェニルエステル
とした後、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイド
ロキノンなどの芳香族ジヒドロキシ化合物を加え、脱フ
ェノール重縮合反応により製造する方法。
【0032】(5)ポリエチレンテレフタレートなどの
ポリエステルのポリマー、オリゴマーまたはビス(β−
ヒドロキシエチル)テレフタレートなど芳香族ジカルボ
ン酸のビス(β−ヒドロキシエチル)エステルの存在下
で(1)または(2)の方法により製造する方法。
【0033】液晶性ポリエステルの重縮合反応は無触媒
でも進行するが、酢酸第一錫、テトラブチルチタネー
ト、酢酸カリウムおよび酢酸ナトリウム、三酸化アンチ
モン、金属マグネシウムなどの金属化合物を使用するこ
ともできる。
【0034】また、液晶性ポリエステルの紡糸方法は、
特に限定されず、通常のポリエステルの繊維の製造方法
に準じて用いることができる。
【0035】このような液晶性ポリエステル樹脂を紡糸
して得られる液晶性ポリエステル繊維は、液晶性ポリエ
ステル樹脂の融点よりも50℃程度低い温度で熱処理を
して耐熱性を向上させることも可能である。
【0036】液晶性ポリエステル繊維の繊度変動率(繊
度ばらつき)は、10%未満であることが必須であり、
好ましくは8%未満、より好ましくは5%未満である。
繊度変動率が10%以上の場合、得られた不織布および
さらに加工して得られたプリプレグおよび積層板の強度
ばらつき、寸法変化が大きくなるため好ましくない。
【0037】なお、繊度変動率はJIS L1015に
従い、デニールコンピューターを用いて測定することが
できる。
【0038】液晶性ポリエステル繊維の繊度は、特に限
定されないが、好ましくは0.1〜10デニール、より
好ましくは0.5〜8デニールものを使用できる。上記
範囲のものがもっとも繊維むらのない不織布が形成可能
である。
【0039】液晶性ポリエステル繊維の繊維長は、特に
限定されないが不織布の強度および繊維分散の均一性か
ら2〜60mmが好ましく、より好ましくは3〜10m
mである。
【0040】また、この液晶性ポリエステル繊維の含有
量は不織布中、5重量%以上含有すればよいが、好まし
くは10重量%以上、より好ましくは20重量%以上混
合する。この液晶性ポリエステル繊維は、通常単独で使
用するが他の2種以上の繊維を用いてもかまわない。
【0041】この液晶性ポリエステル繊維以外に使用で
きる繊維は、不織布の用途によって異なるが、例えば、
耐熱性の必要とされる用途に使用される場合には、酸化
アクリル繊維、レーヨン系酸化繊維、炭素繊維、ガラス
繊維、メタまたはパラ型アラミド繊維、ポリアミドイミ
ド繊維、芳香族ポリエーテルアミド繊維、ポリベンズイ
ミダゾール繊維、ノボロイド繊維、ポリベンズビスオキ
サゾール繊維などを使用できる。また、芯地などの衣料
用途、電池セパレータ用途、気体または液体フィルター
用途、自動車内装材用途などに使用する場合には、例え
ば、レーヨン繊維、ポリノジック繊維、キュプラ繊維な
どの再生繊維、アセテート繊維などの半合成繊維、ナイ
ロン繊維、ビニロン繊維、ビニリデン繊維、ポリ塩化ビ
ニル繊維、ポリエステル繊維、アクリル酸繊維、ポリエ
チレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリクラール繊維な
どの合成繊維、綿繊維や麻繊維などの植物繊維、羊毛繊
維、絹繊維などの動物繊維を使用できる。なお、単一の
樹脂成分からなる必要はなく、芯鞘型、偏芯型、サイド
バイサイド型、海島型、多重バイメタル型、オレンジ型
などの融着性、巻縮発現性、あるいは分割性などの性質
を有する複合繊維を使用しても良い。
【0042】それ以外の繊維の繊度は、液晶性ポリエス
テル繊維同様、特に限定されないが、好ましくは0.1
〜10デニール、より好ましくは0.5〜8デニールも
のが使用できる。
【0043】液晶性ポリエステル繊維を使用しての不織
布の形成方法は特に限定されず、カード法やエアレイ法
などの乾式法、湿式法、スパンポンド法やメルトブロー
法などの直接法等があるが、このうち液晶性ポリエステ
ル繊維の分散性が均一になりやすい点から湿式法で形成
するのが好ましい。この方法は、短くカットした液晶性
ポリエステル繊維を水に分散してスラリーを調整し、こ
れに水溶性エポキシ樹脂などの樹脂バインダーを添加し
た後、シート状に抄造して乾燥することによって原布を
形成し、この後原布を一対のロール間に挟んで熱カレン
ダー工程を行うようにするものである。
【0044】そして上記のように形成される不織布に樹
脂を複合化することによってプリプレグが形成される。
樹脂としては例えばポリブタジエン、エポキシ樹脂、フ
ェノール樹脂、メラミン樹脂、ジアリルフタレート樹
脂、ケイ素樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニレンエー
テル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などの熱硬化性樹脂
や熱可塑性樹脂を使用することができるが、安価で接着
性が良好なエポキシ樹脂を用いるのが好ましい。基材へ
の樹脂の複合化は、不織布に液状の樹脂を含浸して乾燥
することによって行うことができ、樹脂として熱硬化性
樹脂を用いる場合は、乾燥の際の加熱によって樹脂を半
硬化状態にしてプリプレグを得るようにするものであ
る。この際、樹脂を溶剤に溶解して調整されるワニスを
基材に含浸し乾燥させることによって、樹脂を半硬化状
態にするのが一般的であるが、もちろん、この方法に限
定されるものではない。
【0045】また、プリプレグの樹脂の含有量はその全
量に対して40〜70重量%になるように調整するのが
好ましい。樹脂の含有量が上記範囲をはずれた場合、プ
リプレグ中で樹脂を均一に含有させることが難しく、厚
みばらつきやボイドなどの不良を引き起こしやすい。
【0046】本発明の積層板は、上記のようにして得ら
れたプリプレグを複数枚積層し、この片面あるいは両面
に銅箔等の金属箔を重ねて加熱加圧して形成されるもの
である。この際の加熱加圧条件は、プリプレグの樹脂の
種類によって異なるが、エポキシ樹脂の場合では例えば
温度を170℃前後、圧力1.5〜5.0Pa、時間を6
0〜120分にそれぞれにそれぞれ設定することができ
る。
【0047】このようにして本発明の不織布は、吸湿時
の耐熱性、寸法安定性を有し、しかも地合の均一なもの
や嵩高な不織布など、様々な不織布を形成できるため、
プリプレグおよびそれを加工してなる積層板(例えばプ
リント基板等)以外に、例えば、耐熱又は耐薬品性フィ
ルター用途、気体または液体フィルター用途、耐熱、耐
薬品性、防護、あるいは通常の衣服用途、耐熱、耐薬品
性、防護、あるいは通常の芯地用途、耐熱、耐薬品性、
防護、あるいは通常の中入り綿用途、電池用セパレータ
用途、電気絶縁材用途、耐熱、耐薬品性、あるいは通常
のクリーニング剤用途、耐熱、耐薬品性、あるいは通常
のマスク用途、内装材、マット、バッグなどの裏打ち材
用途、ロープなどの被覆材用途、摩擦材などの石綿代替
用途、FRP用補強材用途、タイヤなどのゴム補強材用
途、建築材などのセメント補強用途、自動車用内装材用
途、インソール用途、合成皮革用途、ワイパー用途、印
刷材用途、ベッドカバー、テーブルクロス、カーテンな
どの家庭用途、包装用途、手術用ガウン、ドレープ材な
どのメディカル用途など様々な用途に適用できる。な
お、より各種用途に適合するように各種物理的または化
学的処理を施したり、他の素材と複合しても良い。
【0048】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の骨子は以下の実施例にのみ限定されるも
のではない。
【0049】参考例1 液晶性ポリエステルの製造 <LCP1>p−ヒドロキシ安息香酸11.05kg、
4,4’−ジヒドロキシビフェニル1.40kg、テレ
フタル酸1.25kg、固有粘度が約0.6dl/gのポリ
エチレンテレフタレート2.40kgおよび無水酢酸1
0.67kgを圧力容器に仕込み、重合を行った結果、
芳香族オキシカルボニル単位80モル当量、芳香族ジオ
キシ単位7.5モル当量、エチレンジオキシ単位12.
5モル当量、芳香族ジカルボン酸単位20モル当量から
なる融点314℃、50Pa・s(324℃、オリフィス
0.5φ×10mm、ずり速度1,000(1/秒))の
液晶性ポリエステルを得た。
【0050】<LCP2>p−ヒドロキシ安息香酸9.
07kgと6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸4、57k
g及び無水酢酸8.73kgを攪拌翼、留出管を備えた
反応容器に仕込み、重合を行った結果、芳香族オキシカ
ルボニル単位100モル等量からなる融点283℃、5
0Pa・s(293℃、オリフィス0.5φ×10mm、ずり
速度1,000(1/秒))の液晶性ポリエステルを得
た。
【0051】各評価については、次に述べる方法にした
がって測定した。
【0052】(1)繊度変動率 JIS L1015に従い、デニールコンピュータ(サ
ーチ(株)社製)で測定した。
【0053】(2)吸湿時耐熱性 積層板を20×60mmに加工し、沸水中で3時間吸水
処理を行った後、250℃のハンダ浴に10秒間浸漬し
て表面のフクレの有無を観察した。
【0054】(3)寸法安定性 TMA(セイコー電子(株)社製)を用いて繊維30本
をチャック間20mm、荷重1g、30℃→170℃
(5℃/min)の条件で50→100℃の熱線膨張係数
を測定した。
【0055】(4)板厚均一性 積層板を50×50mmに切削加工し、各角から1cm
のところをマイクロメータで測定し、その標準偏差を求
めた。
【0056】実施例1、比較例1〜2 参考例1の液晶性ポリエステルを融点+20℃で40m
mφ押出機を用いて引取り速度50m/分で約5デニー
ルの繊維を作成し、さらにその得られた繊維およびアラ
ミド系繊維(テクノーラ(帝人社製))を5mm長にカ
ットし、湿式法によって不織布を形成した。次にエポキ
シ樹脂ワニスを上記不織布に連続塗工して含浸させ、1
60℃で10分加熱することによって樹脂含有量が55
重量%のプリプレグを得た。さらにこのプリプレグを8
枚重ね合わせて積層板を得た。得られた積層板を各評価
項目にそって表1に示すように評価した。
【0057】表1からも明らかなように本発明の不織布
によって得られた積層板は、比較例に比べ、吸湿時の耐
熱性、寸法安定性、板厚均一性に優れていることがわか
る。
【0058】
【表1】
【0059】
【発明の効果】本発明の不織布、さらにはこの不織布を
加工してなるプリント配線板の材料として使用されるプ
リプレグ、及びこのプリプレグを用いて形成される積層
板は、吸湿時の耐熱性、寸法安定性、板厚均一性に優れ
ていることからIC積層板などの電機・電子関連機器類
を初めとする、精密機械関連機器、事務用機器、家庭
用、自動車などその他各種用途に好適な材料である。
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Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】繊度変動率10%未満の液晶性ポリエステ
    ル繊維を用いて形成することを特徴とする不織布。
  2. 【請求項2】液晶ポリエステル繊維が半芳香族液晶性ポ
    リエステルであることを特徴とする請求項1記載の不織
    布。
  3. 【請求項3】液晶性ポリエステル繊維の単糸繊度が10
    デニール以下である請求項1または2記載の不織布。
  4. 【請求項4】液晶性ポリエステルがエチレンジオキシ単
    位を含有する請求項1〜3記載の不織布。
  5. 【請求項5】半芳香族液晶性ポリエステルが下記構造単
    位(I)、(II)、(III)および(IV)からなる液晶性ポリエス
    テルである請求項1〜4記載の不織布。 【化1】 (ただし式中のR1は 【化2】 から選ばれた1種以上の基を示し、R2は 【化3】 から選ばれた1種以上の基を示す。ただし式中Xは水素
    原子または塩素原子を示す。)
  6. 【請求項6】構造単位(I) および(II)の合計が構造単位
    (I) 、(II)および(III)の合計に対して30〜95モル
    %、構造単位(III) が構造単位(I) 、(II)および(III)
    の合計に対して70〜5モル%であり、構造単位(I) と
    (II)のモル比[(I)/(II)]が75/25〜95/5であ
    り、構造単位(IV)と構造単位(II)および(III) の合計と
    が実質的に等モルである請求項5記載の不織布。
  7. 【請求項7】請求項1〜6の不織布から形成してなるこ
    とを特徴とするプリプレグ。
  8. 【請求項8】請求項7のプリプレグと金属箔を積層して
    なることを特徴とする積層板。
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