JP4120770B2 - 再生装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はレーザ光等により光学的に情報を記録再生する再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図6は、ディスク記録再生装置の構成例を示すブロック図である。
このディスク記録再生装置は、ディスク31と、スピンドルモータ32と、ピックアップ33と、RFアンプ34と、EFM復調部35と、CD−ROMデコーダ36と、ATAPI37と、サーボプロセッサ38と、CPU39と、フラッシュ40と、ピックアップ、スピンドルドライバ41とを有し構成される。
【0003】
従来、光ディスクの情報を再生する機能を備えた上記光ディスク再生装置において、CAV(回転角速度一定)の再生を行う場合、サーボプロセッサ38は、スピンドルモータ32から出力されるスピンドルFG信号の間隔を一定に制御する。また、CDの規格において、ディスク31の情報は内周部から外周部へらせん状に線密度一定に記録する。このディスク31を角速度aで回転する場合、再生線速度はディスク31 の半径位置Rに応じて2π×R×aの速度となり、内周部から外周部に移動するに従い再生線速度は速くなる。例えばCDの場合は、内周部と外周部とではおよそ2. 5倍の速度差が生ずる。
【0004】
図7は通常のディスクの断面構成を示す図である。
図7に示す通常のディスク31は、反時計周りに、内周部から始まり外周部へ向かってデータトラック46があり、再生を行うと時計方向に回転され、ピックアップ33は内周部から外周部に向かって移動する(図7の47)。角速度一定のCAV再生を行うと線速度はディスク31の半径位置Rに比例して増加し、ディスク31に線速度一定で記録されたRF信号の周波数は増加する。このRF信号は再生信号である。
【0005】
図8は、DISK半径と再生速度との関係を示し、DISK半径R=25mmの時に再生速度が、4xCAV再生、12xCAV再生、14xCAV再生であるグラフが書かれており、角速度一定のCAV再生を行うと再生速度はディスク1の半径位置Rに比例して増加する。
【0006】
再生信号を復調するEFM復調部35は、比較的広い信号速度範囲でロック可能なPLL42を備え、再生クロックを復調し、EFM復調、CIRCデコード等の処理を行う。
【0007】
図9はPLLの構成を示すブロック図である。
PLL42は、VCO(Voltage Controlled Oscillator)45と位相比較器43と分周器44とを有し構成される。ここで、VCO45の特性が、CAV再生の信号スピードの内周部と外周部との速度差(およそ2. 5倍)をロック可能とすれば、CAV(回転角速度一定)でディスク31の内周部から外周部まで、PLL42内部にある分周器44の切り替え無しに再生できる。
【0008】
また、信号速度範囲がもっと広い範囲でロック可能な特性であれば、再生倍速を切り替えても何らCPU39による制御をせずに再生が可能となる。
【0009】
このようにVCO45の特性は、再生速度の変化、変更にとって大きな影響を与え、このVCO45の特性を調べることがこのEFM復調部35の性能にとって重要である。
【0010】
VCO45の特性は、RF信号の入力周波数に対しロック可能な範囲で示される。この範囲を調べる際に、再生速度をある倍速に設定しCAV再生を行うと線速が順次増加する。この時、内周部でロック可能な倍速に設定すると、内周部で再生が正常に行われたものが外周部に移動するに従い、ある所定の時間が経つとロックがはずれ、ロック可能な高速側限界を知ることができる。
【0011】
一方、低速側の限界を知るには、外周部において、ロック可能な倍速に設定して再生し、その後、シーク量を少しずつ増加して内周部にピックアップ33をジャンプして、そのジャンプの度に引き込み処理を行いVCO35のロックが出来るか否かを調べる必要があった。
【0012】
また、本発明の先願発明例として、DVDディスクをディスク再生装置にセットさせてDVDディスクが時計方向に回転された際、ディスク再生装置に装着されたピックアップの再生点はディスクの内周部から外周部に順次移動し、このディスク再生装置にDVDディスクを裏がけされたときにピックアップの再生点は外周部から内周部に移動する。その結果、アドレス情報の連続性が確保されないことになりアドレスの連続性からディスクが裏がけされたか否かを判定することを可能とする技術が特開平10−134499号公報の「ディスク記録再生装置および方法」に開示されている。
【0013】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、ピックアップ33のジャンプすることなしに継続的にVCO35の低速側の限界を知ることの出来る再生装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、本発明は以下の特徴を有することとする。
本発明にかかる再生装置は、
外周方向から内周方向に向かって反時計周りにデータトラックが生成された生成部と、前記生成部に記録されたデータフォーマット上のユーザデータエリアに物理的位置と時間情報とが対応した情報が記録された情報記録部とを有する光記録媒体を再生する再生装置であって、
ある信号速度範囲でロック可能なPLLを有し、
前記光記録媒体の再生を回転角速度一定で行う場合に、ピックアップを外周方向から内周方向に移動させ、前記PLLのロック信号をモニタし、ロック可能なVCOの低速側の限界を特定することを特徴とする。
【0015】
また、本発明にかかる再生装置において、
前記ユーザデータエリアには、PLLの発振周波数情報が記録されており、
前記光記録媒体の再生を回転角速度一定で行う場合に、前記発信周波数情報を基に、ロック可能なVCOの低速側の限界周波数を特定することを特徴とする。
【0016】
また、本発明にかかる再生装置において、
前記ユーザデータエリアには、前記光記録媒体のスピンドル回転周波数変化させるための回転速度変更情報が記録されており、
前記回転速度変更情報に応じてスピンドルモータの回転速度を変更し、該変更した回転速度でロック可能なVCOの低速側の限界を特定することを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら本発明にかかる実施の形態を詳細に説明する。図1は、ディスク記録再生装置の構成例を示すブロック図であり、このディスク記録再生装置は、ディスク1と、スピンドルモータ2と、ピックアップ3と、RFアンプ4と、EFM復調部5と、CD−ROMデコーダ6と、ATAPI7と、サーボプロセッサ8と、CPU9と、フラッシュ10と、ピックアップ、スピンドルドライバ11とを有し構成される。以下に各機能の処理動作の概要を説明する。なお以下の処理動作は一例でありこれに限定されるわけではい。
【0018】
ディスク1は、スピンドルモータ2により所定の速度で回転する。ピックアップ3は、内部にレーザダイオードとフォトダイオードとを内蔵しており、レーザダイオードが発生した記録再生用の光としてレーザ光をディスクに照射し、フォトダイオードでディスクからの反射光を受光する。RFアンプ4は、RF信号の周波数を増幅する。
【0019】
EFM復調部5は、再生信号を復調する。また比較的広い信号速度範囲でロック可能なPLL12を備え、再生クロックを復調し、EFM復調、CIRCデコード、サブコード復調等の処理を行う。
【0020】
CD−ROMデコーダ6は、エラーレートを出力する。ATAPI(AT Attachment Packet Interface)7は、ATAPI用の信号にデータを変換するインタフェースである。
【0021】
ピックアップ、スピンドルドライバ11は、フォーカス制御信号とトラッキング制御信号とに対応して、ピックアップ3をフォーカス方向またはトラッキング方向に駆動する。また、スピンドルモータ2を制御する。
【0022】
サーボプロセッサ8は、スピンドルモータ2から出力されるスピンドルFG信号の間隔を一定に制御する。
【0023】
図2はPLLの構成を示すブロック図である。
PLL12は、VCO(Voltage Controlled Oscillator)15と位相比較器13と分周器14とを有し構成される。ここで、VCO15の特性がCAV再生の信号スピードの内周部と外周部との速度差(およそ2. 5倍)をロック可能とすれば、CAV(回転角速度一定)でディスク1の内周部から外周部までPLL12内部にある分周器14の切り替え無しに再生できる。
【0024】
図3は本発明にかかるディスクの断面構成を示す図である。
このディスク1上のデータトラック16には、反時計周りに外周部から内周部へ向かいデータが記録されている。
【0025】
図4はディスク1のデータ領域の一例を示す図であり、このデータは、24バイト×98フレーム=2352バイトの容量を持っており、その振り分けとして同期(12バイト)、ヘッダ(4バイト)、データ領域18(2048バイト)、補助データ(288バイト)とする。またヘッダは、ブロックアドレス(3バイト)とモード(1バイト)とを有し、ブロックアドレスは、分(1バイト)、秒(1バイト)、ブロック(1バイト)を有してなる。データ領域18は、時間情報19と回転情報20とVCO情報21とその他情報とを有してなる。補助データは、EDC(4バイト)、EDC(8バイト)、ECC(276バイト)を有してなる。
【0026】
このディスク1のデータフォーマット上のデータ領域18に半径位置Rに応じた時間情報19を記録する。
【0027】
上記ディスク記録再生装置を用いて、反時計周りに外周部から始まり内周部へ向かって記録されたデータトラック16を生成した、図3に示すディスク1の再生を行うと時計方向に回転され、ピックアップ3は、外周部から内周部へ移動する(図3の17)。その際CAV再生を行うと線速度は図5に示すようにそのディスク1の半径位置Rに比例して減少し、再生信号であるRF信号の周波数は低下する。
【0028】
このディスク1を用いると、度々ディスク1 の内周部へピックアップ3をジャンプさせロックさせなくてもPLL12のロック信号をモニタしているだけでVCOの低速側の限界を知ることが出来る。
【0029】
このディスク1のデータフォーマット上のデータ領域18に、半径位置Rに応じた時間情報19を記録することによりディスク1を再生すると、通常ディスクにおいてどの位置から再生可能かを知ることが出来る。
【0030】
また、PLL12のロック信号を見なくてもCD−ROMデコーダ等から出力されるエラーレートを判断基準とすることも可能である。
【0031】
また、ディスク1のデータ領域18に、ロックしているVCOでの周波数を記録することによりVCOがどの周波数まで低速側でロックするか一目で知ることが出来る。
【0032】
また、ディスク1 のデータ領域18に回転情報を記録し、記録した情報をCPU9が認識し、その回転情報に応じてスピンドルモータ2の回転速度を変更するようにCPU9のファームウエアを対応させることで、任意の速度でのVCO15の特性を調べることが出来る。
【0033】
なお、本発明にかかる光記録媒体は、上述する実施形態に限定されるものではなく、種々変形実施可能である。例えば光記録媒体として、CD−ROM、DVD−ROM、CD−R、DVD−R、CD−RW、DVD−RW等が挙げられ、テストディスクとして用いることも可能である。
【0034】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、本発明によれば、CAV再生を行うとPLL12に入力されるRF信号の周波数が順次小さくなるので、PLL12内のVCO15の遅い方の限界特性を知ることが出来る。この時、ユーザデータエリア18に記録した時間情報を照らし合わせることにより、通常ディスクの内周のどの絶対時間位置あたりからロック可能か、あるいはエラーレートが許容範囲で再生可能かを簡便に知ることが出来る。
【0035】
また、本発明によれば、光記録媒体1のユーザデータエリア18に書かれた周波数情報によりCAV再生を行うとVCO15の低速側の限界周波数を知ることが出来る。
【0036】
また、本発明によれば、光記録媒体1のユーザデータエリア18に書かれた回転周波数情報により再生倍速を変更することで、広い範囲の周波数にわたってPLL12がロック状態、あるいはエラーレートが許容範囲で再生可能かを知ることが出来る。また、応用としてエラーレートの悪化を所定のしきい値で検知しながら周波数変更情報にある周波数に回転速度を変化させることにより速度変化を伴う低速側の限界周波数を知ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】ディスク記録再生装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】PLLの構成を示すブロック図である。
【図3】本発明にかかるディスクの断面構成を示す図である。
【図4】本発明にかかるディスクのデータ領域の一例を示す図である。
【図5】DISK半径と再生速度との関係を示す図である。
【図6】ディスク記録再生装置の構成例を示すブロック図である。
【図7】通常のディスクの断面構成を示す図である。
【図8】DISK半径と再生速度との関係を示す図である。
【図9】PLLの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 ディスク
2 スピンドルモータ
3 ピックアップ
4 RFアンプ
5 EFM復調部
6 CD−ROMデコーダ
7 ATAPI
8 サーボプロセッサ
9 CPU
10 フラッシュ
11 ピックアップ、スピンドルドライバ
12 PLL
13 位相比較器
14 分周器
15 VCO
16 データトラック
18 データ
19 時間情報
20 回転情報
21 VCO情報

Claims (3)

  1. 外周方向から内周方向に向かって反時計周りにデータトラックが生成された生成部と、前記生成部に記録されたデータフォーマット上のユーザデータエリアに物理的位置と時間情報とが対応した情報が記録された情報記録部とを有する光記録媒体を再生する再生装置であって、
    ある信号速度範囲でロック可能なPLLを有し、
    前記光記録媒体の再生を回転角速度一定で行う場合に、ピックアップを外周方向から内周方向に移動させ、前記PLLのロック信号をモニタし、ロック可能なVCOの低速側の限界を特定することを特徴とする再生装置。
  2. 前記ユーザデータエリアには、PLLの発振周波数情報が記録されており、
    前記光記録媒体の再生を回転角速度一定で行う場合に、前記発信周波数情報を基に、ロック可能なVCOの低速側の限界周波数を特定することを特徴とする請求項1記載の再生装置。
  3. 前記ユーザデータエリアには、前記光記録媒体のスピンドル回転周波数変化させるための回転速度変更情報が記録されており、
    前記回転速度変更情報に応じてスピンドルモータの回転速度を変更し、該変更した回転速度でロック可能なVCOの低速側の限界を特定することを特徴とする請求項1または2記載の再生装置。
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