JP4119858B2 - 溶融亜金属めっき鋼板の製造方法 - Google Patents
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しかしながら、従来技術(1)はアッシュやトップドロスをかき回すだけでかえって表面欠陥が悪くなる。また、従来技術(2)は新たな設備投資や従来工程の変更など多大な問題があり、製造コストの上昇は免れない。さらに、従来技術(3)も遮蔽板の中にアッシュやトップドロスが入り込めばかえって表面欠陥が増える結果となる。しかも、いずれの従来技術もアッシュやトップドロスを避けようとしているが、ポット内にはどうしても発生してしまい、このため溶融金属のめっきに伴う鋼板の表面欠陥の発生を確実に防止することはできない。
前述したように、帯状の鋼板への溶融金属めっきは、被めっき鋼板を加熱焼鈍した後上部が焼鈍炉に接続し、下端が溶融金属めっき浴に浸漬されたスナウトの内部を通り、溶融金属めっき浴中に浸漬され、浴中のポットロールにより進行方向を変えて上方に引上げる方式で行われるため、鋼板がスナウト部を通ってめっき浴に浸漬された際、鋼板表面もしくはめっき浴面上にダスト、スカム、ドロス、焼鈍炉耐火煉瓦の破片、粉末等の異物の付着を避けがたく、これによって必然的にめっき表面欠陥、合金化反応異状等の問題を招くことになる。
溶融亜鉛めっきの場合、めっき浴中に懸濁浮遊する異物(「ドロス」、主としてFe-Zn合金、Al-Zn合金などの微粒子)が鋼板表面に当たり、欠陥の元になることが多くある。そこで発明者等は、新たな設備投資をすることなく、表面欠陥を低減させる効果的な手段について鋭意、検討を積み重ねた結果、スナウト(めっき浴表面)部、すなわち浸漬配置されたスナウトの内部におけるめっき浴表面に生ずるドロスなどの上記異物を対象としてこれを集中的に除去すればよいこと、また、そのためにはこのスナウト部のめっき浴表面に比重の軽い材料からなる多孔質固形物(以下、単に固形物と略称することがある)を浮遊させ、該固形物にドロスなどの異物を吸着させ、清浄な浴にすればよいことがわかった。かかる知見に基づき、鋼板の溶融亜鉛めっきを想定して該固形物を用いた異物(不純物)の吸着除去の手法に関してより具体的に開示する。
本発明で使用する多孔質固形物は、亜鉛めっき浴より低比重であること、鋼板に接触することで鋼板表面が傷つきにくいこと、長期使用に耐えるため耐溶融亜鉛侵食性に優れることなどが求められる。このような固形物としては、形状は表面に凹凸や角がなく略球体状であるもの、材質は窒化珪素などのセラミックスか、浴組成に近いFe2Al5などの金属間化合物の表面にWCやWC-Coなどの溶射コーティング、さらにその上にCr酸化物の封孔処理をしたものが例示できる。材質は亜鉛と反応しないセラミックス(SiO2,Al2O3,ZrO2,BN等)が好ましい。Cr酸化物の封孔処理は、クロム酸溶液に浸漬して乾燥(+熱乾燥)、スプレー塗装などによって行うことができる。
この固形物の使用量(数)ついては、スナウト部めっき浴表面の2割以上は覆う量を用いることにより優れた効果がある。望ましくは5割以上とするのがよい。ただし、全体の9割以上覆う量になると懸濁浮遊する異物除去効率が飽和すること、鋼板と固形物の接触頻度が多くなって疵が発生する恐れがあることから、上限は9割とする。
固形物の大きさも小さすぎると異物除去効果が小さく、また大きすぎると効率が落ちるので、実用上は略球状で、直径10〜100mmのものが望ましい。ここで直径は、長径(最大の直径)とする。
次に、固形物はその表面が少なくとも多孔質に富んだ性状すなわち多数の微細孔を有しているもので、具体的には孔を全く有しない同じ体積の固形体の表面積の2倍以上(本発明では比表面積を呼ぶ)であることが必要であり、望ましくは5以上の比表面積を有しているものがよい。この比表面積の測定方法としては、分子吸着法、BET法、tプロット法などが挙げられるが、分子吸着法が奨励される。比表面積が2以上の固形物を使用するのは、その表面張力により浮遊、懸濁している異物を吸着し浴から効果的に除去できるためである。そして、固形物としてもともとかかる比表面積を有しているものをそのまま選択使用することは勿論のこと、通常の固形物を個々に加工、表面処理してその比表面積を2以上に高めたものでもよい。
さらに、固形物の表面に微細孔を積極的に形成するより優れた方法として、多数の小球を集合、合体させて大球になしたものを本発明の固形物とすることがあげられる。図1(A)〜(C)は微細孔の形成方法による同径の球状体固形物1の比評面積の状態変化を示す概念図である。(A)は微細孔を有しない単純な球状固形物1を示している。(B)はこの固形物1の表面に加工によって球状の微細孔2を形成した状態を示す。さらに、(C)は前記(B)の微細孔と同じ径を有する多数の小球3を集合、合体させて一つの固形物となしたものであり、各小球3間に出来た空間(隙間)により多数の微細孔2を積極的に形成させた状態を示している。
従って、(B)の固形物1の微細孔2は表面部分に一定数のみにしか存在しない(加工によるため強度などの問題から限界がある)が、(C)の固形物1の微細孔2は多数の小球3が合体することに伴って形成された空間であるため、その比表面積を容易に高めることが可能であると共に内部にも微細孔2を形成させることができ、異物の吸着量が大でその使用寿命が長いなどの利点があり、特に好ましい固形物の形態といえる。
また、本発明の固形物において、比表面積が同じでも、その粒径を大小取り混ぜた方が、めっき浴中の異物の吸着効率がよくなるので、できれば直径の差が2以上の異径物を混在させる方がよい。この異径固形物の混在比率は、小さい直径の固形物量が大きい直径の固形物量の1〜10倍が好ましい。
固形物の表面は使用期間の長期化を図るため、めっき浴との反応性が低いものが望ましい。具体的には亜鉛めっきの場合、炭化物、酸化物、窒化物、硼化物などが望ましい。たとえば0.1ミクロン厚さ以上の窒化硼素などが例示できる。このような表面処理は、スプレー方式等の簡単な方法で行うことができる。このような処理により、耐久性を向上させることができる。
(実施例)
図2は本発明の効果を実証するために準備した溶融亜鉛めっき装置であって、4は溶融亜鉛めっき浴5を満たしためっき槽5で、帯状の鋼板6の通板経路に沿って、スナウト7、シンクロール8、サポートロール9などが配設されており、また図示していないがめっき浴5から出た鋼板6の所定位置にはめっき付着量を制御するための気体絞り装置が設けられている。10はメッキ浴5の表面に発生したトップドロス、11はその浴底に沈んだボトムドロスである。1はスナウト7内のめっき浴に添加された本発明による多孔質固形物で、この部分の浴表面を覆った状態で浮遊している様子を示している。
この溶融亜鉛めっき装置を用いて、0.7mm(厚さ)×1222mm(幅)の鋼板をラインスピード85mpmにて通板し、Zn−0.1〜0.2%Al、浴温460℃なる溶融亜鉛めっき浴に浸漬し、めっきした後所定のめっき厚さにした溶融亜鉛めっき鋼板を合金化処理した後の表面外観を観察した。試験には表1に示す固形物をスナウト部に添加した。この表1の固形物タイプ(A〜C)は図1で説明した3タイプに相当するものである。欠陥は50cm×50cmあたりの欠陥数を目視で評価した。通板を24時間後さらに同一の試験を行った。表2に、1回目及び2回目にそれぞれ得られた亜鉛めっき鋼板の外観評価結果を示す。
また、比表面積2以上の固形物を用いた場合でも、比較例No.2のようにスナウト部浴表面の被覆割合を本発明の下限未満である20%で行った場合や比較例No.8のように同被覆割合を本発明の上限を超える95%で行った場合は、30〜90%の範囲内にその被覆割合を調整した本発明例に比べて欠陥が多く、問題があることが知れる。
そしてまた、本発明例におけるNo.4とNo.3との比較(特に2回目における欠陥数)から、表面処理を行ったもの、すなわち表面皮膜を有するもの(No.4)の方が、これが無いもの(No.3)よりも、欠陥が少なく、表面処理によりその効果が長く維持されることも判明する。
以上述べたように、本発明によって、新たな設備投資をすることなく現設備のままで、しかも比較的容易な方法により、浴面異物による表面欠陥を防止することが出来、表面外観の優れた溶融亜鉛めっき鋼板など、浴面異物による欠陥の極めて少ない優れた表面品質各種の溶融金属めっき鋼板を得ることができる。
なお、本発明では、被めっき材を鋼板に特定して説明したが、他の金属(金属板)を対象とした溶融金属めっきにおいてもその適用が十分可能である。
10:トップドロス 11:ボトムドロス
Claims (4)
- 溶融金属めっき浴に鋼板を連続的に通板して溶融金属めっき鋼板を製造する際に、鋼板が浸入するスナウト部のめっき浴表面に、比表面積が2以上の多孔質固形物を、スナウト部のめっき浴表面を30〜90%覆うように浮遊させて、めっき浴中の不純物を吸着除去することを特徴とする溶融金属めっき鋼板の製造方法。
- 該固形物が略球状であって、直径が10〜100mmである請求項1記載の製造方法。
- 該固形物が、2倍以上の直径差を有する2種以上の固形物を混合したものである請求項1又は2記載の製造方法。
- 該固形物が、炭化物、酸化物、硼化物、もしくはそれらのサーメット材で覆われている請求項1〜3記載の製造方法。
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