JP4118751B2 - 繊維集合体の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、繊維をバインダで結合することで得られる繊維集合体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
石油資源の代替として、木質材料が注目されるようになって以来、チップ、繊維などに細分された木質材料を用いて成形体を製造することが盛んに行われてきている。これらの木質成形体のうち、特に木質繊維材料を用いる成形体は、その繊維が延びる方向(配向)や絡ませ具合によって成形体の強度を向上させることができる(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−263519号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
木質成形体は、例えば、車両や建築の内装ボードとして使用することができる。近年では、生分解性を供えていることから環境にやさしい材料としての注目度も高く、他のプラスチック、ゴムなどを含有するボードや金属ボードの代替とすることも検討されてきている。この場合、成形体には、種々の物性が求められ、例えば、車両の外装部材として用いる場合は、曲げ剛性やヤング率、表面平滑性、軽量であること、などを挙げることができる。しかしながら、これらの物性は、例えば、剛性を高くするためには比重を増大させる、など両立が難しいことも多い。
【0005】
そこで、本発明では、簡単に厚み方向における繊維とバインダとの配合勾配を容易に調節して繊維集合体を製造する方法を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明では、繊維とバインダとを有し、繊維とバインダとの配合比がそれぞれ調整された複数のシート状の繊維層体を所定の順で積層した積層原体を形成する工程と、前記積層原体を加熱状態で加圧して一体化する一体化工程とを備える繊維集合体の製造方法を提供する。
この方法では、各繊維層体について、繊維とバインダとの配合比を調整できるため、これらを積層して作製する積層原体に、積層方向、すなわち厚み方向の所定の配合勾配を付与することができる。したがって、この積層原体を加熱状態で加圧することにより、所望の繊維とバインダとの配合勾配を備える繊維集合体を得ることができる。
この製造方法で、各繊維層体は、繊維からなる層体を形成した後、この層体に液状又は粉末状のバインダを付与することで形成されるため、各繊維層体について繊維とバインダのそれぞれについて単位面積あたりの量を容易に変更することができ、繊維とバインダとの配合比率を容易に所望の値に変えることができる。
この製造方法で、各繊維層体において、各繊維層体は同一の繊維を同一の目付けで含有し、各繊維層体のバインダは同一材料であることにより、バインダの付与量を変化させることで、各繊維層体の繊維とバインダとの配合比を変化させることができる。このため、簡単に所望の配合勾配を有する繊維集合体を得ることができる。
これらの製造方法で、繊維を所定の方向に配向させた繊維層体を用いることにより、繊維の配向方向における繊維集合体の強度を上げることができる。また、配向方向が異なるように複数の繊維層体を積層することにより、異方性を抑制して種々の方向に良好な強度を備える繊維集合体を得ることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1に示す繊維集合体1は、本発明の製造方法によって得られる繊維集合体の一実施形態である。繊維集合体1は、繊維がバインダによって結合されてなる成形体、いわゆる成形ボードである。繊維集合体1は、目視によって観察されない場合もあるが、2以上の繊維層を備えている。
【0008】
この繊維集合体1を製造する方法について、図2,3を参照しながら詳細に説明する。この方法は、繊維層体11,12,13を積層した積層原体を形成する工程と、この積層原体を加熱状態で加圧して一体化する一体化工程とを備える。
【0009】
(積層原体の形成工程)
積層原体10(図3参照)は、複数の繊維層体11〜13が積層されて成る積層体である。積層原体10は、典型的には、図2に示すようにシート状の繊維層体11〜13を個別に作製後、所定の順で重ねることで得られる。
ここで、繊維層体11,12,13は、所定量のバインダを含むシート状に集合した繊維の塊であり、適宜、マットとも呼ばれるものも含めて直方体状の繊維の塊、好適には、相対的に高さが小さく面積の大きい形状の繊維の塊である。
【0010】
繊維は、公知の合成樹脂繊維、半合成樹脂繊維などナイロン、ポリエステル、ウレタン、アクリル、レーヨンなど、あるいは、木綿、麻、絹、獣毛など、天然の繊維を挙げることができる。また、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維などを含んでいても良い。典型的には、少なくとも木質材料から得られる木質繊維を含む。木質繊維を単独で、あるいは、木質繊維に上記他の繊維を適宜混合して使用することが好ましく、木質繊維のみであると、環境への負荷が小さく、また軽量化が容易であるため、より好ましい。
【0011】
ここで、木質材料とは、針葉樹、広葉樹、熱帯樹などの木本類、あるいは、麻、稲、サトウキビなどの草本類等である。また、木質材料が物理的処理、化学的処理されたものや廃材も利用することができる。木質繊維は、これらを公知の方法で分解、開繊などすることで得られる。例えば、採取した草本類を所定期間だけ河川などの水場に浸して外皮を微生物によって分解、除去し、洗浄、乾燥後の木質材料をカード、フリース、エアレイなどの公知の開繊方法によって開繊することで繊維が得られる。また、木材等をディスクリファイナなどによる乾式開繊や、蒸煮や爆砕などによる湿式開繊によって得ることもできる。木質繊維は、より長い繊維であると得られる繊維集合体の強度を上げることができ、好ましい。また、自然環境の保護の点からは、栽培可能な草本類より採取されるものが好ましい。したがって、具体的には、靭皮植物のように、長い繊維が発達している植物から採取できる木質繊維が好ましく、ケナフ、ジュート、サイザル、イネ、サトウキビなど、栽培可能な1年草がより好ましい。特に、ケナフ繊維は、良質の長繊維として容易に、且つ大量に得ることができるため、好ましい。
【0012】
バインダは、所定の温度で加圧することで繊維を結合可能な種々の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂である。熱可塑性樹脂では、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン樹脂や、ポリエステル樹脂を使用することができる。また、加圧成形条件に耐えうる種々の生分解性樹脂も使用することができる。例えば、種々の脂肪族ポリエステルやポリ乳酸、ポリカプロラクトン等がある。
【0013】
また、熱硬化性樹脂としては、公知の接着剤などにも利用されている種々の材料を選択することができ、例えば、ポリオールとポリイソシアネートよりなるウレタンや、フェノール樹脂を用いることができる。また、木質材料中に存在し、パルプ工程などで除去されるリグニン成分を利用した接着材料も利用可能である。リグニンは、そのまま、あるいは、適宜フェノール部位を増加させた成分、すなわちフェノール化リグニンを用いることができる。フェノール部位を有する材、いわゆるフェノール系樹脂は、後述する製造方法において水系ディスパージョンに調製することによって親水性が付与された接着材料となるため、繊維として木質繊維を用いる場合、木質繊維と良好になじませることができ、好ましい。
【0014】
繊維層体11〜13は、公知の種々の繊維のシート体、マット体の作製方法によって作製することができる。典型的には、繊維を所定の目付けで堆積させた後、繊維同士を絡ませて締めたマット状あるいはシート状の繊維の塊とする。繊維を絡ませて締める方法は、木質繊維の場合は、ニードルパンチを用いることが好ましいが、繊維の性質に合わせて、スパンレースをはじめとする公知の不織布の製造技術を利用しても良い。また、熱可塑性樹脂など加熱により軟化して結合する繊維を含む場合は、加熱圧締を用いることができる。なお、加熱圧締は、バインダを繊維状に形成して、繊維に混合した混合繊維をウェブに形成した場合にも利用することができる。
【0015】
繊維層体11,12,13は、好ましくは、繊維の配向を所定の方向に揃えたものとすることが好ましい。繊維の配向は、例えば、開繊後の繊維に電界をかけて所定の方向を向くように堆積させたり、予め繊維の方向を一定にした繊維束を、その配向を保持させた状態で開繊したりすることによって一方向に集中させることができる。
【0016】
繊維層体11,12,13は、それぞれ同一の方法によって作製しても良いし、異なる方法で作製しても良い。繊維層体11,12,13を構成する繊維は、繊維層体ごとに異なっていても良いし、同一でも良い。同一であると、製造が容易であり、好ましい。また、複数の繊維層体11〜13の目付けは同一でも良いし、異なっていても良い。目付けは、得ようとする繊維集合体中の配合勾配に合わせて調節しても良い。すなわち、均一な配合勾配(バインダの繊維に対する相対濃度)の部分をより厚く形成するときは、繊維層体の目付けをより大きくし、均一な濃度勾配の部分をより薄く形成するときは、繊維層体の目付けをより小さくすることができる。
【0017】
バインダの繊維層体への付与方法は特に限定されず、バインダ液浴への繊維層体の含浸とすることができる。好ましくは、シート状の繊維層体へのローラやスプレーなどによる塗布である。スプレーによる分散であると、より少量のバインダをより均一且つ内部にまで浸透させることができるため、特に好ましい。
【0018】
塗布の場合のバインダは、液状又は粉状が好ましく、液状であると、繊維表面に安定に付着するため好ましい。液状バインダは、バインダ成分を溶質として溶解させた溶液でも良いし、バインダ成分を分散質として分散させた分散液でも良い。環境、特に繊維集合体を製造する場の環境が悪化を抑制するため、これらの液状媒体は水が好ましい。典型的なバインダは、水溶性が低く、有機溶媒が必要となる場合が多いため、典型的には、水を分散媒とするバインダ分散液(ディスパージョン)が好ましい。例えば、バインダとしてフェノール樹脂を用いる場合、例えば、群栄化学工業株式会社製のPL-6932を用いることができる。また、フェノール化リグニンを用いる場合、フェノール化リグニン固体粉末を水に投入して攪拌し、水分散体とすることができる。
【0019】
繊維層体11〜13におけるバインダ付与方法は、特に限定されず、同一でも良いし、異なっていても良い。また、バインダの種類は異なっていても良いが、少なくとも隣接する繊維層体、すなわち繊維層体11と12、あるいは繊維層体12と13との間で相溶性を有する材料同士を選択する。これにより、後述する成形工程で、バインダどうしが結合し、隣接する繊維層体どうしが一体化できる。好ましくは、バインダは同一のものを使用する。
【0020】
繊維層体11,12,13へのバインダの添加量は、後述する成形工程によって繊維材料同士を結合して繊維集合体に形成できる範囲であり、特に限定されない。得ようとする繊維集合体1の強度等の物性に応じて適宜変更することができる。一般に、バインダの量が多いほど強度、剛性などが向上するが、比重が大きくなる。また、コストが高くなったり、環境への負荷が大きくなったりしやすい。したがって、可能な範囲でバインダの量は少なくすることが好ましく、典型的には、繊維集合体1の状態で、バインダの重量が10重量%以上となるように付与する。
【0021】
繊維層体11,12,13間での配合勾配は、繊維層体11,12,13を同一の目付けの繊維塊で形成する場合、付与するバインダ量によって容易に調節することができる。例えば、高剛性や平滑性を付与したい表面部分を構成する繊維層体11,13について、中心部分を構成する繊維層体12よりバインダ量を多くすることができる。これにより、繊維層体11,13におけるバインダ濃度を繊維層体12におけるバインダ濃度より大きくすることができる。また、表面部分を低比重にして断熱性の良い表面を得ようとする場合は、繊維層体11,13のバインダ量を中心部分の繊維層体12より少なくしても良い。この場合、繊維層体11,13におけるバインダ濃度を繊維層体12におけるバインダ濃度より低くすることができる。
【0022】
繊維層体11,12,13は、ニードルパンチングや加熱圧締によって絡締した場合は、所定の形状を安定に保持するため、人間や機械によって移動させて任意の場所で繊維層体11,12,13を所定の順番で積み重ねて積層原体10を形成することができる。例えば、搬送コンベヤの上や保管倉庫などでも良い。また、図3に示すプレス20の対を成す型22,23の間に、直接、繊維層体11,12,13をこの順で搬送して積層しても良い。この場合、積層原体10は、プレス20への設置と同時に形成される。
なお、繊維層体に絡締処理を施さない場合は、例えば、繊維を堆積させたウェブに所定量のバインダを付与し、更にその上にウェブを堆積させて所定量のバインダを付与することを繰り返すことによって、最初のウェブを堆積させた位置に積層原体を形成することができる。
【0023】
繊維層体11〜13のうち少なくとも1つが所定の配向で繊維を含む場合、繊維の配向を考慮して積層することが好ましい。特に、2以上の繊維層体が繊維の配向が所定である場合、これらの配向が互いに所定の角度を成すように、好ましくは互いに直交するように積層することにより、得られる繊維集合体1の強度を種々の方向で高めることができる。あるいは、所定の配向の繊維を含む2以上の繊維層体について配向が同一方向となるように積層することにより、所定の方向の強度が増強した繊維集合体1を得ることができる。また、配向を有する繊維層体を、それぞれの配向方向が所定の角度を成すように設ける場合、少なくとも隣接する繊維層体どうしにおいて配向方向が異なるように積層すると、良好に異方性を解消あるいは低減できるため、好ましい。
【0024】
(一体化工程)
一体化工程は、バインダによって隣接する繊維層体11,12または繊維層体12,13を結合して1つの繊維集合体に形成する工程である。すなわち、一体化工程では、繊維層体11〜13に含まれるバインダが結合力を発揮する温度に加熱する。また、繊維層体どうしの接触面積を増大させるため、加圧する。少なくとも熱硬化性のバインダを用いた場合、この一体化工程は最終的な形状への本成形である。バインダが熱可塑性の場合、少なくとも繊維層体11〜13が一体化できる程度にして予備成形体に形成し、この後、公知の成形方法によって所望の形状に成形しても良い。
【0025】
一体化工程は、典型的には、図3に示すように、対を成す型によって、積層原体10を所定の圧力で加圧する。加熱方法は特に限定されず、バインダが熱硬化性である場合、例えば、型22,23の少なくとも一方を所定の温度に加熱しておいて、これを積層原体10に接触させることによって積層原体10をバインダの硬化温度以上に加熱することが好ましい。また、バインダが熱可塑性である場合、プレス20に設置する前に積層原体10を加熱してから、常温のプレス20によって加圧成形することが好ましい。積層原体10をバインダが溶融又は軟化する温度まで加熱する時期は、繊維層体11〜13を積層して積層原体10に形成してから加熱しても良いし、繊維層体11,12,13の状態で加熱した後、積層して積層原体10としても良い。繊維層体11〜13の状態で加熱する場合、積層原体10の内部までより均一な温度に加熱することができる。なお、繊維層体11〜13の少なくとも1つを加熱する方法によって積層原体10を加熱することも可能である。例えば、繊維層体11と13のみ、あるいは繊維層体12のみを加熱しておいても良い。
【0026】
加熱状態の積層原体10を、図3に示すように、所定の厚みあるいは形状に加圧することにより、積層原体10の各層体を一体化することができる。また、図3では、最終形状まで加圧することにより、繊維集合体1の成形を完了することができる。
【0027】
本製造方法では、繊維層体11,12,13ごとに繊維とバインダとの配合比を調節することができるため、繊維集合体1全体の配合勾配を簡単に制御することができる。したがって、各繊維層体11〜13について繊維に対するバインダの濃度を調節することによって、弾性、強度、剛性、重量、断熱性など所望の物性を備える繊維集合体1を得ることができる。
例えば、図2,3において繊維層体11,13のバインダの割合を大きくし、繊維層体12のバインダの割合を相対的に小さくすることにより、繊維集合体1の表面部分の強度、剛性、平滑性などを向上させるとともに、内部の比重を低下させて軽量化することができる。この繊維集合体1では、弾性率を高めることができる。この場合、特に、表面部分のバインダ含有率を10重量%以上30重量%以下とすることが好ましい。
また、繊維が所定の配向を有する繊維層体を用いることにより、繊維集合体1に効果的に強度を付与することができる。特に、隣接する繊維層体どうしの配向が互いに所定の角度を成すように積層した積層原体を作製し、これを加圧一体化することにより、繊維集合体1の異方性を抑制して、種々の方向での物性をより均一に向上させることができる。
【0028】
また、本実施形態のように、同一の繊維を同一の目付けに形成しておき、バインダの付与量を調節して配合比を変えると、製造工程を簡易化できる。特に、同一のバインダを用いることにより、より一層簡易化できる。また、より少ない材料数で構成された繊維集合体は、再生処理が容易であったり、生分解性材料のみで形成したりすることが容易である。
【0029】
本発明に係る繊維集合体の製造方法は、上記実施形態に限定されない。
また、繊維層体11〜13の数は、3つに限定されず、繊維集合体1に付与したい配合勾配に合わせて2以上の任意の数だけ用意することができる。これにより、種々の配合勾配の繊維集合体を得ることができる。例えば、繊維集合体1の表面部分の異方性を低減するため、5つの繊維層体を設け、両表面側2層を繊維が所定の配向で含まれている繊維層体とし、これらの配向が互いに直交するように積層して繊維集合体を得ることができる。また、低比重にするために中心部分については、特に配向を設けず、締めをゆるくした繊維層体を用いても良い。
【0030】
繊維層体の目付けも適宜変更することができる。これにより、繊維集合体で所望する繊維とバインダとの配合割合に合わせてより少ない繊維層体を用意して積層状態で成形することが可能となり、製造工程数(特に、バインダを付与する工程と積層する工程)を低減することができる。あるいは、繊維層体の目付けを小さくすることにより、繊維集合体の厚み方向により細かく刻んでより精密に配合勾配を設定することが可能となる。
【0031】
また、繊維層体は別々に作製できるため、繊維層体ごとに所望の繊維材料の種類、長さ、大きさやバインダの種類を選択しても良い。これにより、より広範な性質を制御することができる。
また、繊維層体のうち、隣接する複数の繊維層体について、同一の配合および濃度としても良いことはもちろんである。これにより、より均一なバインダ濃度勾配を備え、且つ配合比が一定の部分を形成することが容易である。
また、ニードルパンチや加熱圧締などの締めの工程を経た繊維層体は、バインダを付与する前の状態で安定であるため、この状態での保管が可能である。バインダの付与量は、製造時に決定することができるため、種々の性質の繊維集合体を安定して供給することが可能である。保管をする場合、絡締工程は、特に、ニードルパンチが好ましい。
【0032】
【発明の効果】
本発明では、簡単に厚み方向における繊維とバインダとの配合勾配を容易に調節して繊維集合体を製造する方法を提供することにより、種々の物性を備える繊維集合体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法によって得られる繊維集合体の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】本発明の製造方法の一実施形態において、複数の繊維層体を積層するようすを示す斜視図である。
【図3】図2の積層原体を加圧成形するようすを示す平面図である。
【符号の説明】
1 繊維集合体
10 積層原体
11,12,13 繊維層体
20 プレス
22,23 型

Claims (3)

  1. 繊維を所定の目付けで堆積させ繊維同士を絡ませて締めたマット状あるいはシート状の繊維の塊とした繊維からなる層体を形成する工程と、
    前記繊維からなる層体に対し、繊維とバインダとの配合比を調整して液状又は粉末状のバインダを付与してマット状あるいはシート状の繊維層体を形成する工程と、
    前記繊維とバインダとの配合比がそれぞれ調整された複数のマット状あるいはシート状の繊維層体を所定の順で積層した積層原体を形成する工程と、
    前記積層原体を加熱状態で加圧して一体化する一体化工程と
    を備えており、
    前記各繊維層体は同一の繊維を同一の目付けで含有し、該各繊維層体のバインダは同一材料である繊維集合体の製造方法。
  2. 繊維を所定の方向に配向させた繊維層体を用いる請求項1に記載の繊維集合体の製造方法。
  3. 表面部分を構成する繊維層体は、中心部分を構成する繊維層体よりバインダの配合比が大きい請求項1又は2に記載の繊維集合体の製造方法。
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