JP4117948B2 - 水系ポリウレタン樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリオレフィンとの密着性、耐候性、耐加水分解性に優れたポリウレタン樹脂組成物を与えることのできるポリウレタン用ポリエステルポリオール組成物及びそれを用いたポリウレタン樹脂組成物、詳しくは、農業用フィルムや壁装材等のプラスチック製品用コーティング剤および/または接着剤として特に好適に用いることのできる、前記式(1)で表されるポリオールを必須の構成成分とするポリエステルポリオール組成物、それを用いたポリウレタン樹脂組成物およびその用途に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
ポリウレタン樹脂は、使用するポリオール成分、ポリイソシアネート成分、鎖延長剤等を適宜組み合わせることによって化学的および物理的特性を調整することができるので、塗料、接着剤、繊維、フォーム、レザー、各種成形品等として、軟質用途から硬質用途まで広く用いられている。
【0003】
これらの用途の中でも、農業用フィルムの用途や壁装材等の接着剤やコーティーング剤に用いる場合には、フィルム等への密着性に優れるものが要求されている。
【0004】
また、ポリウレタン樹脂の原料として用いられるポリオール成分としては、ポリエーテルポリオール、及びジカルボン酸を主体とするポリカルボン酸とジオールを主体とするポリオールとを縮合させたポリエステルポリオールがあり、ポリエステルポリオールを用いたポリウレタン樹脂は、耐薬品性および機械的特性に優れる特徴があるため広く用いられているが、ポリエステルポリオールは、耐加水分解性に劣り、ポリエステルポリオールとして保存中はもとより、ポリウレタン樹脂とした後にも加水分解して、特性が低下する欠点があった。
【0005】
ポリエステルポリオールの耐加水分解性を改善するため、ポリエステルポリオールのポリオール成分として、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオールを用いることが知られているが、耐加水分解性が未だ不十分であるばかりでなく、プラスチックへの密着性に劣り、実用上満足出来る性能が得られていなかった。
【0006】
従って、本発明の目的は、耐加水分解性に優れ、また、ポリイソシアネートと反応させることによって、ポリオレフィン等のプラスチックとの密着性に優れ、かつ耐候性、耐加水分解性に優れる、特に農業用フィルムあるいは壁装材用のコーティング剤や接着剤として好適に使用することのできる、ポリウレタン用ポリエステルポリオール組成物、それを用いたポリウレタン樹脂組成物およびその用途を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、種々検討を重ねた結果、ポリエステルポリオールを構成するポリオール成分として、2−メチル−1,1−シクロヘキサンジメタノールを用いることによって、上記目的を達成し得ることを知見した。
【0008】
本発明は、上記知見に基づきなされたもので、ポリエステルポリオール組成物を必須の構成成分として用いた水系ポリウレタン樹脂組成物であり、該ポリエステルポリオール組成物が、ポリオール成分とポリカルボン酸成分とによって得られるポリエステルポリオール組成物において、該ポリオール成分が、下記〔化2〕(前記〔化1〕と同じ)の式(1)で表される2−メチル−1,1−シクロヘキサンジメタノールを必須成分とするものであり、プラスチック製品用のコーティング剤または接着剤として使用することを特徴とする水系ポリウレタン樹脂組成物を提供するものである。
【0009】
【化2】
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の水系ポリウレタン樹脂組成物(以下、本発明のポリウレタン樹脂組成物ともいう)に用いるポリウレタン用ポリエステルポリオール組成物(以下、本発明のポリウレタン用ポリエステルポリオール組成物ともいう)、及びそれを用いたポリウレタン樹脂組成物並びにその用途をその好ましい実施形態について詳述する。
【0013】
先ず、本発明のポリウレタン用ポリエステルポリオール組成物について詳述する。
本発明のポリウレタン用ポリエステルポリオール組成物(以下、単に「ポリエステルポリオール組成物」ともいう)は、ポリオール成分とポリカルボン酸成分とによって得られるものであり、該ポリオール成分の必須成分として用いられる2−メチル−1,1−シクロヘキサンジメタノールは前記の式(1)で表される構造を有する化合物である。この2−メチル−1,1−シクロヘキサンジメタノールは、構造上の特徴としてグリコール成分のβ位にH基をもっていないため、耐加水分解性に優れるばかりでなく、脂環式基を有するためポリオレフィン等のプラスチックへの密着性に優れる特徴を有するものである。
【0014】
また、上記2−メチル−1,1−シクロヘキサンジメタノール(以下、「MCDM」と称することがある)の含有量は、全ポリオール成分中、好ましくは10重量%以上、更に好ましくは50重量%以上であるが、上記MCDMとともに、必要に応じて90重量%未満の範囲で、他のポリオール成分の一種または数種を用いることが出来る。他のポリオール成分としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、2−メチル−1,3−プロピレングリコール、2,2−ジメチル−1,3−プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−エチル−1,6−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール、1,8−オクタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−オクタデカンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等があげられる。また、カプロラクトン、12−ヒドロキシステアリン酸等のヒドロキシカルボン酸類を用いることもできる。
【0015】
ここで、上記MCDMの含有量が、全ポリオール成分中10重量%未満の場合には、耐加水分解性や低温保存時の安定性が不十分であり、また得られるポリウレタン樹脂組成物の物性を低下させるおそれがあるため好ましくない。
【0016】
また、本発明のポリエステルポリオール組成物を得るために使用されるポリカルボン酸成分としては、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバチン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメット酸、テトラヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸等のポリカルボン酸があげられる。
【0017】
上記MCDMを含むポリオール成分と上記ポリカルボン酸成分との縮合方法については特に制限を受けず、一般的なポリエステルの製造方法、即ち、生成する水を除去しながら反応させる縮合反応およびエステル交換反応等を採用することができ、この際に、ジブチル錫オキサイド、テトラアルキルチタネート、リチウムアミド、パラトルエンスルホン酸、硫酸等の慣用の触媒を用いることができる。
【0018】
このとき、上記ポリオール成分と上記ポリカルボン酸成分との使用比率は、ポリオール成分が過剰(カルボキシル基よりも水酸基が多くなる比率)となる比率であれば特に制限を受けないが、通常、該ポリカルボン酸成分のカルボキシル基に対して、ポリオール成分の水酸基が1.05〜10倍当量となる範囲で用いられる。
【0019】
本発明のポリエステルポリオール組成物は、上記MCDMを好ましくは10重量%以上含むポリオール成分と、ポリカルボン酸成分とを縮合させて得られる、末端に水酸基を有するポリエステルポリオールを主成分とする組成物であり、該ポリエステルポリオールの平均分子量(数平均)は特に制限を受けないが、一般には、200以上、好ましくは200〜10000、特に好ましくは300〜5000である。該平均分子量が200未満の場合は柔軟性が乏しくプラスチックへの密着性が低下するおそれがあり、また10000を超える場合は高粘度となり、取り扱いが困難になるばかりでなく、強度や耐溶剤性が低下する傾向にある。
【0020】
次に、本発明のポリウレタン樹脂組成物について詳述する。
本発明のポリウレタン樹脂組成物は、上述した本発明のポリウレタン用ポリエステルポリオール組成物を必須のポリオール成分として用いたものであり、該ポリオール成分とポリイソシアネートとを反応させる通常の方法によって製造することができる。この場合、上記ポリオール成分として、本発明のポリエステルポリオール組成物を単独で用いることも、必要に応じて他のポリオールと組み合わせて用いることも可能であり、さらに、鎖延長剤を用いて高分子量化することもできる。
【0021】
本発明のポリウレタン樹脂組成物におけるポリウレタン樹脂の具体的な製造方法としては、例えば、ポリオール成分をポリイソシアネートと反応させて末端にイソシアネート基または水酸基を有するプレポリマーを製造し、このプレポリマーを水分、ポリイソシアネート、ブロック化ポリイソシアネート等を硬化剤として硬化させる方法、前記プレポリマーを鎖延長剤と反応させて高分子量化する方法、ポリオール成分、ポリイソシアネートおよび鎖延長剤を一括で仕込んで反応させる方法等があげられる。これらの反応は必要に応じて有機溶媒中で行うこともできる。また、プレポリマーを、鎖延長剤を含む水中に加えて水系ウレタンとすることもできる。さらに、反応時または反応後の任意の段階に難燃剤、発泡剤、可塑剤、着色剤、酸化防止剤、紫外線防止剤、充填剤等の慣用の添加剤を配合することもできる。
【0022】
また、本発明のポリエステルポリオール組成物と組み合わせて使用することのできる上記の他のポリオールとしては、他のポリオールを用いたポリエステルポリオール類、ポリエーテルポリオール類、ポリカーボネートポリオール類、ポリブタジエンポリオール、ポリオレフィンポリオール等があげられ、該他のポリオールの使用量は、本発明のポリエステルポリオール組成物の含有量が全ポリオール成分の30重量%以上、特に50重量%以上となるような量であることが好ましい。
【0023】
上記ポリウレタン樹脂を製造するために使用される上記ポリイソシアネートとしては、脂肪族、脂環式および芳香族ポリイソシアネートがあげられ、具体的には2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートエステル、1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、3,3' −ジメトキシ−4,4' −ビフェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等があげられ、これらは単独でまたは数種を組み合わせて使用することができる。
【0024】
上記ポリイソシアネートは、前記のポリオール成分および鎖延長剤の活性水素の合計に対し、好ましくは0.8〜3倍当量、更に好ましくは1〜2倍当量となるように使用される。該イソシアネートの使用量が0.8倍当量未満の場合には過剰のポリオール成分等が残存することとなり、また3倍当量より多い場合には水を加えたときに尿素結合を多量に生成することとなり、いずれの場合もその特性を低下させるおそれがある。
【0025】
また、本発明のポリウレタン樹脂組成物を製造するために使用される鎖延長剤としては、通常用いられる鎖延長剤が用いられ、例えば、平均分子量200未満の低分子量ポリオール化合物および低分子ポリアミン化合物等があげられる。具体的には、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、3−メチルペンタンジオール、ジメチロールプロピオン酸、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等のポリオール類、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トレリンジアミン、キシリレンジアミン、ジアミノジフェニルアミン、ジアミノシクロヘキシルメタン、ピペラジン、2−メチルピペラジン、イソホロンジアミン、メラミン、コハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、フタル酸ジヒドラジド等のアミン類および水等があげられる。これらの鎖延長剤は単独でまたは数種を組み合わせて使用することができ、またその使用量は、目的とするポリウレタン樹脂の分子量にもよるが、通常は、プレポリマー経由でポリウレタン樹脂組成物を製造する場合のプレポリマーに対して0.5〜10重量%が用いられる。
【0026】
本発明のポリウレタン樹脂組成物は、プラスチック製品用コーティング剤または/および接着剤として使用されることが好ましい。本発明のポリウレタン樹脂組成物を使用する用途のプラスチック製品とは、合成樹脂類であり、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリ−3−メチルペンテン、ポリ−4−メチルペンテン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−プロピレンランダムおよびブロック共重合体等のα−オレフィン単独重合体および共重合体;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、塩化ゴム、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−エチレン共重合体、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−シクロヘキシルマレイミド共重合体等の含ハロゲン樹脂;非晶性またはシンジオタックポリスチレン、スチレン及び/またはシンジオタクチックポリスチレン、スチレン及び/またはα−メチルスチレンと他の単量体(例えば、無水マレイン酸、アクリロニトリル、メタクリル酸メチル、ブタジエン、フェニルマレイミド等)との共重合体(例えばHiPS樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、MBS樹脂、耐熱ABS樹脂、超耐熱ABS樹脂)等のスチレン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカプロラクトン等の直鎖ポリエステル;ポリカプロラクタム、ポリヘキサメチレンアジパミド等のポリアミド;直鎖状または分岐鎖状の芳香族ポリカーボネート;ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール;ポリオキシメチレン;ポリメチルメタクリレート;アクリル樹脂;ポリフェニレンオキシド;ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン;石油樹脂;クマロン樹脂;インデン樹脂;ポリウレタン;繊維素系樹脂などの熱可塑性樹脂およびこれらの混合物があげられる。
また、エチレン−プロピレン共重合エラストマー、エチレン−プロピレン−エチリデンノルボルネン共重合エラストマー等のエラストマーと上記熱可塑性樹脂との混合物であってもよい。
【0027】
また、本発明のポリウレタン樹脂組成物には、必要に応じて、フェノール系抗酸化剤、有機ホスファイトなどの有機リン系抗酸化剤、チオエーテル系抗酸化剤、紫外線吸収剤、またはヒンダードアミン系光安定剤等を加えることができる。
【0028】
フェノール系抗酸化剤としては、例えば、ステアリル−β−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ステアリル−β−(3−第三ブチル−4ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート、1,6−ヘキサメチレンビス[β−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、トリエチレングリコールビス[β−(3−第三ブチル−4ヒドロキシ−5メチルフェニル)プロピオネート]、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−(β−3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピオ[5.5]ウンデカン、1,3,5−トリス[β−(3,5−ジ第三ブチル−4ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル]イソシヌレート、テトラキス[メチレン−β−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、2,6−ジ第三ブチル−p−クレゾール、2,2' −メチレンビス(4−メチル−6−第三ブチルフェノール)、2,2' −メチレンビス(4−エチル−6−第三ブチルフェノール)、2,2' −エチリデンビス(4,6−ジ第三ブチルフェノール)、2,2' −エチリデンビス(4−第二ブチル−6−第三ブチルフェノール)、ビス[3,3−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)ブチリックアシド]グリコールエステル、4,4' −ブチリデンビス(6−第三ブチル−m−クレゾール)、4,4' −チオビス(6−第三ブチル−m−クレゾール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,3,5−トリス(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−第三ブチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート等があげられる。
【0029】
これらのフェノール系抗酸化剤は、ポリウレタン樹脂組成物100重量部に対して、好ましくは0.001〜5重量部、更に好ましくは0.05〜3重量部となるように使用される。
【0030】
有機リン酸系抗酸化剤としては、例えば、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(モノ、ジ混合ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ホスファイト、テトラ(C12〜15混合アルキル)・ビスフェノールAジホスファイト、テトラ(トリデシル)−4,4' −ブチリデンビス(3−メチル−6−第三ブチルフェノール)ジホスファイト、ヘキサ(トリデシル)−1,1,3−トリス(2−メチル−5−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタントリホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト)、ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ第三ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−α−クミルフェニル)ペンタエリスリトールホスファイト、2,2' −エチリデンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)フルオロホスファイト、2,2' −メチレンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)オクチルホスファイト、テトラキス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ビフェニレンジホスホナイト等があげられる。
【0031】
これらの有機リン系抗酸化剤は、ポリウレタン樹脂組成物100重量部に対して、好ましくは0.001〜5重量部、更に好ましくは0.01〜3重量部となるように使用される。
【0032】
チオエーテル系抗酸化剤としては、ジラウリル−、ジミリスチル−、ジステアリル−チオジプロピオネート等のジアルキルチオジプロピオネート類、ペンタエリスリトールテトラ(ドデシルチオプロピオネート)等のアルキル(C =8〜18)チオプロピオン酸のエステルがあげられる。
【0033】
これらのチオエーテル系抗酸化剤は、ポリウレタン樹脂組成物100重量部に対して、好ましくは0.001〜10重量部、更に好ましくは0.005〜5重量部となるように使用される。
【0034】
紫外線吸収剤としては、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、5,5' −メチレンビス(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)等の2−ヒドロキシベンゾフェノン類;(2' 2−ヒドロキシ−5' ―メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、(2' 2−ヒドロキシ−5' −第三オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2' −ヒドロキシ−3' ,5−ジ第三ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2' −ヒドロキシ−3' 5' −ジ第三ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2' −ヒドロキシ−3' −第三ブチル−5' −メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2' −ヒドロキシ−3' ,5' −ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2' −メチレンビス(4−第三オクチル−6−ベンゾトリアゾリル)フェノール等の2−(2' ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール類;フェニルサリシレート、レゾルシノールモノベンゾエート、2,4−ジ第三ブチルフェニル−3' ,5' −ジ第三ブチル−4' −ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等のベンゾエート類; 2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)1,3,5−トリアジン、2,4−ビス−(2,4−ジメチルフェニル)−6−(2−ヒドロキシ−4−オクトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシロキシ)1,3,5−トリアジン等のトリアジン系;2−エチル−2' −エトキシオキザニリド、2−エトキシ−4' −ドデシルオキザニリド等の置換オキザニリド類;エチル−α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート等のシアノアクリレート類があげられる。
【0035】
これらの紫外線吸収剤は、ポリウレタン樹脂組成物100重量部に対して、好ましくは0.05〜10重量部、更に好ましくは0.01〜5重量部となるように使用される。
【0036】
ヒンダードアミン系光安定剤としては、例えば、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルステアレート、1,2,2,6,6,−ペンタメチル−4−ピペリジルステアレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6,−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−ブチル−2−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4ピペリジノール/コハク酸ジエチル重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/ジブロモエタン重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−第三オクチルアミノ−s−トリアジン重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−モルホリノ−s−トリアジン重縮合物等があげられる。
【0037】
これらのヒンダードアミン系光安定剤は、樹脂の種類や用途に応じ、ポリウレタン樹脂組成物100重量部に対して、好ましくは0.001〜5重量部、更に好ましくは0.05〜3重量部となるように使用される。
【0038】
また、水系ポリウレタン樹脂組成物である本発明のポリウレタン樹脂組成物には、必要に応じて他の水系樹脂組成物を加えることも出来る。具体的には、水系アクリル樹脂組成物、水系エポキシ樹脂組成物、水系酢酸ビニル樹脂組成物等があげられる。この場合、本発明のポリウレタン樹脂組成物(水系ポリウレタン樹脂組成物)と他の水系樹脂組成物との比率(重量比)は特に制限を受けないが、通常は3:7〜10:1である。
【0039】
また、水系ポリウレタン樹脂組成物である本発明のポリウレタン樹脂組成物には、目的に応じてコロイダルシリカまたはコロイダルアルミナなどの無機コロイドゾル、防曇剤、着色剤、ワックス類、防腐剤、消泡剤、可塑剤、フィラー、溶剤、造膜助剤、分散剤、増粘剤、香料等の慣用の添加物を加えることもできる。
【0040】
上記コロイダルシリカは、平均粒子径が5〜200nmの範囲にあるものが好ましく、該平均粒子径がこの範囲を逸脱すると本発明の効果が十分に発揮されないおそれがある。さらに、水系ポリウレタン樹脂及びコロイダルシリカは、水系ポリウレタン樹脂(固形分)とコロイダルシリカとの重量比が1:0.01〜1:5となる割合で含有させることが好ましい。このコロイダルシリカの配合範囲を逸脱すると本発明の効果が十分に発揮されない。
【0041】
本発明のポリウレタン樹脂組成物は、ポリオレフィン等のプラスチックとの密着性に優れ、かつ耐候性、耐加水分解性に優れる。特に、本発明のポリウレタン樹脂組成物は、ポリオレフィンへの密着性に優れる特徴を有しているので、自動車、農ポリ、建材、情報記録関連機器、食品包装材等のポリオレフィン素材のようなプラスチック製品用のコーティング剤または接着剤として用いられる。とりわけ、該プラスチック製品が農業用フィルムまたは壁装材である場合に好適である。
【0042】
【実施例】
以下に実施例によって、本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例によって制限されるものではない。尚、特に断りのない限り「部」および「%」は、それぞれ「重量部」および「重量%」を意味する。尚、下記実施例6〜9が本発明の実施例であり、下記実施例1〜5は参考例である。
【0043】
〔ポリエステルポリオールの合成〕
過剰量のポリオール成分及びポリカルボン酸成分を220〜240℃で常法によって脱水縮合させ、その後過剰のポリオール成分を減圧下に留去することによって、末端に水酸基を有するポリエステルポリオールを製造した。下記表1及び表2に、用いたポリオール成分及びポリカルボン酸成分、得られたポリエステルポリオールの平均分子量(数平均)、酸価(AV)および水酸基価(OHV)を示す。尚、ポリエステルポリオール(No.1〜5)は、本発明のポリウレタン用ポリエステルポリオール組成物の実施例であり、ポリエステルポリオール(No.6〜8)は、比較例である。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】
〔ポリウレタン樹脂組成物の製造〕
以下に説明する実施例により、ポリウレタン樹脂組成物を製造した。
【0047】
実施例1
ポリエステルポリオールNo.1を1000部、イソフォロンジイソシアネート(IPDI)235部を反応容器にとり、窒素気流下にて、100℃にて、6時間反応させた。ついで混合溶液(トルエン/MEK=1/1)を固形分30.0%になるように加え、均一な溶液を得た。
【0048】
実施例2
ポリエステルポリオールNo.2を1000部、水添ジフェニルメタンジイソシアネート(H12MDI)149部を常法で反応させ、末端NCOのプレポリマーを得た。次いで、鎖延長剤として1,4−ブタンジオール3部および混合溶剤(トルエン/MEK=1/1)を固形分30.0%になるように加え、還流下で110℃、6時間反応を完結させた。
【0049】
実施例3
ポリエステルポリオールNo.3を1000部、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)178部を常法で反応させ、末端NCOのプレポリマーを得た。次いで、鎖延長剤として1,4−ブタンジオール1部および混合溶剤(トルエン/MEK=1/1)を固形分30.0%になるように加え、還流下で70℃、5時間反応を完結させた。
【0050】
実施例4
ポリエステルポリオールNo.4を1000部、イソフォロンジイソシアネート(IPDI)86部を常法で反応させ、末端NCOのプレポリマーを得た。次いで、鎖延長剤として1,4−ブタンジオール3部および混合溶剤(トルエン/MEK=1/1)を固形分30.0%になるように加え、還流下で100℃、6時間反応を完結させた。
【0051】
実施例5
ポリエステルポリオールNo.5を1000部、水添ジフェニルメタンジイソシアネート(H12MDI)140部を反応容器にとり、窒素気流下にて、110℃にて、6時間反応させた。ついで混合溶液(トルエン/MEK=1/1)を固形分30.0%になるように加え、均一な溶液を得た。
【0052】
実施例6(水系ポリウレタン樹脂組成物)
ポリエステルポリオールNo.2を200部、水添メタキシリレンジイソシアネート(H6XDI)30部、ジメチロールプロピオン酸0.5部を反応容器にとり、80〜100℃に保ちながら反応させ、プレポリマーを製造した。次いで、トリエチルアミン0.4部を加えて中和した後、アジピン酸ジヒドラジド2.5部を加え、ノニルフェニルポリエーテル乳化剤20部を含む水140部に滴下して樹脂固形分67.0%の水系ポリウレタン樹脂組成物を製造した。
【0053】
実施例7(水系ポリウレタン樹脂組成物)
ポリエステルポリオールNo.2を200部、イソホロンジイソシアネート(IPDI)85部、N−メチルジエタノールアミン20部を反応容器にとり、80〜100℃に保ちながら反応させ、プレポリマーを製造した。次いで、酢酸を15部を加えて中和した後、水を600部加えて樹脂固形分33.2%の水系ウレタン樹脂組成物を製造した。
【0054】
実施例8(水系ポリウレタン樹脂組成物)
ポリエステルポリオールNo.3を200部、水添ジフェニルメタンジイソシアネート(H12MDI)90部、ジメチロールプロピオン酸20部を反応容器にとり、80〜100℃に保ちながら反応させ、プレポリマーを製造した。次いで、トリエチルアミン12部を加えて中和した後、水を600部加えて樹脂固形分33.6%の水系ポリウレタン樹脂組成物を製造した。
【0055】
実施例9(水系ポリウレタン樹脂組成物)
ポリエステルポリオールNo.5を200部、イソホロンジイソシアネート(IPDI)90部、N−メチルジエタノールアミンを8部、ジメチロールプロピオン酸を18部を反応容器にとり、80〜100℃に保ちながら反応させ、プレポリマーを製造した。次いで、トリエチルアミンを15部を加えて中和した後、 エチレンジアミンを8部加えて、水を600部加えて樹脂固形分34.5%の水系ポリウレタン樹脂組成物を製造した。
【0056】
比較例1
ポリエステルポリオールNo.6を1000部、イソフォロンジイソシアネート(IPDI)235部を反応容器にとり、窒素気流下にて、100℃にて、6時間反応させた。ついで混合溶液(トルエン/MEK/DMF=1/1/1)を固形分30.0%になるように加え、均一な溶液を得た。
【0057】
比較例2
ポリエステルポリオールNo.7を1000部、水添ジフェニルメタンジイソシアネート(H12MDI)149部を常法で反応させ、末端NCOのプレポリマーを得た。次いで、鎖延長剤として1,4−ブタンジオール3部および混合溶剤(トルエン/MEK=1/1)を固形分30.0%になるように加え、還流下で110℃、6時間反応を完結させた。
【0058】
比較例3
ポリエステルポリオールNo.8を1000部、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)266部を常法で反応させ、末端NCOのプレポリマーを得た。次いで、鎖延長剤として1,4−ブタンジオール1部および混合溶剤(トルエン/MEK=1/1)を固形分30.0%になるように加え、還流下で70℃、5時間反応を完結させた。
【0059】
比較例4(水系ポリウレタン樹脂組成物)
ポリエステルポリオールNo.8を200部、水添ジフェニルメタンジイソシアネート(H12MDI)90部、ジメチロールプリピオン酸を20部を反応容器にとり、80〜100℃に保ちながら反応させ、プレポリマーを製造した。 次いで、トリエチルアミンを12部を加えて中和した後、水を600部加えて樹脂固形分33.6%の水系ウレタン樹脂組成物を製造した。
【0060】
比較例5(水系ポリウレタン樹脂組成物)
ポリエステルポリオールNo.7を200部、イソホロンジイソシアネート(IPDI)85部、N−メチルジエタノールアミン20部を反応容器にとり、80〜100℃に保ちながら反応させ、プレポリマーを製造した。次いで、酢酸15部を加えて中和した後、水を600部加えて樹脂固形分33.2%の水系ウレタン樹脂組成物を製造した。
【0061】
使用例1
前記表1及び表2に示すポリエステルポリオール組成物を原料にしたポリウレタン樹脂組成物を、PETフィルム及び、コロナ放電処理したPPフィルムに塗布し、乾燥の後、JIS K 5400に準拠し、塗膜の密着性を評価した。溶剤系ポリウレタン樹脂はトルエン/MEK=1:1に固形分10%に希釈して、又、水系ポリウレタン樹脂組成物は固形分20%に希釈してフィルムに塗布した。それらの結果を表3に示す。
【0062】
【表3】
【0063】
使用例2
次に厚さ0.165mmのポリエチレンテレフタレートの片面に下記配合の水系ポリウレン樹脂組成物をグラビアコーター(グラビアロール:160メッシュ)により塗布し、120℃で乾燥して塗膜を形成させた農業用防滴性フィルムを作成し、その性能を評価した。
その結果を表4に示す。
【0064】
〔配合〕
水系ポリウレタン樹脂組成物 固形分として 50重量部
コロイダルシリカ 固形分として 50重量部
[旭電化工業(株)製、商品名アデライトAT−30A、平均粒径15nm、水分散]
【0065】
(1)透明性
スガ試験機製、ヘイズメーターにてヘイズ値を測定して評価した。
○(良好):0〜3%、 △(やや劣る):3%超〜5%、×(劣る):5%超
(2)密着性
セロテープ(登録商標)による剥離テスト
○:はがれない、△:一部はがれ、×:全面はがれ
(3)初期防滴性および防滴持続性
水温40℃、外気温5〜10℃の水槽の上に傾斜30°でフィルムを展張し、初期防滴性および防滴持続性(10、20、30、40及び50日後)を次の基準に従って評価した。
初期防滴性;○:展張後30分未満に水滴の付着なく流れる、△:展張後30〜60分に水滴の付着なく流れる、×:展張後60分を超え90分以内に水滴の付着なく流れる
防滴持続性;○:フィルム全面が水滴の付着なく流れる、△:フィルムの約50%が水滴の付着なく流れる、×:フィルムのほぼ全面に水滴が付着する
(4)凍結後防滴性
埼玉県上尾市の実験ほ場において、フィルムを間口1m、高さ80cmのトンネル型ハウスに展張し、冬期の早朝時フィルム内面が凍結した後の防滴性を評価した。
○:全面が良好に流れる、△:約20%の面積に水滴付着、×:約50%以上に水滴付着
【0066】
【表4】
【0067】
使用例3
下記配合にてインフレーション加工法により0.1mm厚のフィルムを作成した。
【0068】
〔配合〕
低密度ポリエチレン(0.923g/cm2 、MFR=2.0) 100
トリス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ホスファイト 0.2
2−ヒドロキシベンゾフェノン 0.1
メチレンビスアマイド 0.2
DHT−4A 0.2
【0069】
次に、このポリエチレンフィルムの片面に、使用例2と同様の配合で各水系ウレタン樹脂組成物およびコロイダルシリカの混合物を130メッシュグラビアレコーダーにより塗布し、厚さ2μmの塗膜を形成した。ここで得られたフィルムを塗布面を外側にして屋外(埼玉県浦和市)暴露して、6ケ月後、12ケ月後および18ケ月後のサンプルについて表面状態を観察した。評価は目視により汚れや傷の発生状況を総合して10段階で評価(耐候性)し、1が暴露前とほとんど差のない状態を表し、数値が大きくなるに従って劣化が進行している状態を表す。また、これに加え、オリジナル(スタート時のフィルム)と12ケ月後のフィルムについてJIS K 7105に従い光線透過率を測定した。
【0070】
また、フィルムと塗布層との密着性を確認するため未暴露(スタート時)および暴露6ケ月後のフィルムの塗布面にセロテープを指で擦り付けて貼った後に強く引き剥がして評価した。評価基準は、○が完全に塗布層が残っていることを表し、△が部分的に剥離がみられることを表し、×がほぼ完全に剥離したことを表す。
さらに、未暴露のフィルムを使用して防曇性の試験を行った。試験方法は四方を木板で囲んだ曇観察用のフレームの天井傾斜面に塗布面を内側にして試験フィルムを張り、予め用意した水温約40℃の水槽上に乗せ、25℃の室温で48時間放置する。次いで、水浴を40℃に保持したまま室温を5℃に下げ、1時間後にフィルム内表面(水槽に面した側の表面)の曇の発生状態を目視により確認した。×(曇発生)、△(やや曇発生)および○(曇発生せず)の三段階で評価した。それらの結果を表5に表す。
【0071】
【表5】
【0072】
使用例4
前記表1及び表2に示すポリエステルポリオール組成物を原料にしたポリウレタン樹脂組成物を、ポリプロピレンシート/合板の間に塗布し、90℃で熱圧着し、室温で1 週間養生した後、常態及び60℃の温水に48時間浸水後のはく離接着強度を測定した。結果を表6に示す。
【0073】
【表6】
【0074】
前記表3〜表6の結果から、次のことが確認できた。
即ち、ポリウレタン樹脂組成物において、ポリオール成分としてMCDMを必須成分としない比較例の場合はフィルムに対する密着性に著しく劣っており、実用上不満足である。これ対し、ポリオール成分としてMCDMを必須成分とするポリエステルポリオール組成物とポリイソシアネートとから得られる水系ポリウレタン樹脂組成物は、PETやPPに対して優れた密着性を有していることが確認できた。
【0075】
また、農業用防滴フィルムにコロイダルシリカを含有させた水系ウレタン樹脂組成物を塗布した場合の結果から、ポリオール成分としてMCDMを必須成分としない比較例の場合は接着強度、防曇性は劣っており、実用上不満足である。これ対し、ポリオール成分としてMCDMを必須成分とするポリエステルポリオール組成物とポリイソシアネートとから得られるポリウレタン樹脂組成物は、優れた接着強度、防曇性を有していることが確認できた。
【0076】
さらに、ポリオレフィンシート/合板におけるはく離接着強度においても、ポリオーリ成分としてMCDMを必須成分としない比較例の場合ははく離接着強度は劣っており、実用上不満足である。これ対し、ポリオール成分としてMCDMを必須成分とするポリエステルポリオール組成物とポリイソシアネートとから得られるポリウレタン樹脂組成物は優れたはく離接着強度を有していることが確認できた。
【0077】
【発明の効果】
本発明のポリウレタン用ポリエステルポリオール組成物は、耐加水分解性に優れ、また、ポリイソシアネートと反応させることによって、ポリオレフィン等のプラスチックとの密着性に優れ、かつ耐候性、耐加水分解性に優れる、特に農業用フィルムあるいは壁装材用のコーティング剤や接着剤として好適に使用できるポリウレタン樹脂組成物を提供することができる。
また、本発明のポリウレタン樹脂組成物は、密着性およびはく離接着強度の優れた塗膜を与えることのできるものである。
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