以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明を適用したネットワークシステム1の概略的な構成を表している。
ネットワークシステム1には、通信サービスの提供エリアを所望の大きさに分割したセル内にそれぞれ固定無線局である基地局2−1乃至2−4が設置されている。これらの基地局2−1乃至2−4には、移動無線局であるカメラ付ディジタル携帯電話機3−1乃至3−4が例えばW−CDMA(Wideband-Code Division Multiple Access)と呼ばれる符号分割多元接続方式によって無線接続されており、例えば2[GHz]の周波数帯域を使用して最大2[Mbps]のデータ転送速度で大容量データを高速にデータ通信することができる。
このようにカメラ付ディジタル携帯電話機3−1乃至3−4は、W−CDMA方式によって大容量データを高速にデータ通信できることにより、音声通話だけでなく電子メールの送受信、簡易ホームページの閲覧、画像の送受信等の多種に及ぶデータ通信を実行できる。
また、基地局2−1乃至2−4は、有線回線を介して公衆回線網4に接続されており、公衆回線網4には、インターネットサービスプロバイダのアクセスサーバ(図示せず)が接続されている。アクセスサーバには、図示せぬネットワーク(例えば、インターネット、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、その他の各種のネットワークを含む)を介してコンテンツサーバ(図示せず)などが接続される。
なお、基地局2−1乃至2−4は、以下において、それぞれを個々に区別する必要がない場合、基地局2と総称する。カメラ付ディジタル携帯電話機3−1乃至3−4は、以下において、それぞれを個々に区別する必要がない場合、カメラ付ディジタル携帯電話機3と総称する。
図2は、本発明に係る情報処理装置として適用可能なカメラ付ディジタル携帯電話機3の外観の構成を表している。なお、図2[A]は、カメラ付ディジタル携帯電話機3を約180度に見開いたときの正面から見た外観の構成を表しており、図2[B]は、カメラ付ディジタル携帯電話機3を見開いたときの側面から見た外観の構成を表している。
図2[A]および[B]に示されるように、カメラ付ディジタル携帯電話機3は、中央のヒンジ部11を境に第1の筐体12と第2の筐体13とがヒンジ結合されており、ヒンジ部11を介して矢印X方向に折り畳み可能に形成される。カメラ付ディジタル携帯電話機3の内部の所定の位置には、送受信用のアンテナ(後述する図4のアンテナ44)が設けられており、内蔵されたアンテナを介して基地局2との間で電波を送受信する。
第1の筐体12には、その表面に「0」乃至「9」の数字キー、発呼キー、リダイヤルキー、終話・電源キー、クリアキー、および電子メールキーなどの操作キー14が設けられており、操作キー14を用いて各種指示を入力することができる。
第1の筐体12には、操作キー14として上部に十字キーと確定キーが設けられており、ユーザが十字キーを上下左右方向に操作することにより当てられたカーソルを上下左右方向に移動させることができる。具体的には、第2の筐体13に設けられた液晶ディスプレイ17に表示されている電話帳リストや電子メールのスクロール動作、簡易ホームページのページ捲り動作および画像の送り動作などの種々の動作を実行する。
また、確定キーを押下することにより、種々の機能を確定することができる。例えば第1の筐体12は、ユーザによる十字キーの操作に応じて液晶ディスプレイ17に表示された電話帳リストの複数の電話番号の中から所望の電話番号が選択され、確定キーが第1の筐体12の内部方向に押圧されると、選択された電話番号を確定して電話番号に対して発呼処理を行う。
さらに、第1の筐体12には、十字キーと確定キーの左隣に電子メールキーが設けられており、電子メールキーが第1の筐体12の内部方向に押圧されると、メールの送受信機能を呼び出すことができる。十字キーと確定キーの右隣には、ブラウザキーが設けられており、ブラウザキーが第1の筐体12の内部方向に押圧されると、Webページのデータを閲覧することが可能となる。なお、十字キーと確定キーの左右隣に設けられた電子メールキーおよびブラウザキーは、液晶ディスプレイ17に表示される画面により例えば「Yes」や「No」などの種々の機能をもつことが可能であるため、それぞれ、soft1キーおよびsoft2キーと呼ばれる。
また、第1の筐体12には、操作キー14の下部にマイクロフォン15が設けられており、マイクロフォン15によって通話時のユーザの音声を集音する。また、第1の筐体12には、カメラ付ディジタル携帯電話機3の操作を行うサイドキー16が設けられている。
なお、第1の筐体12は、背面側に図示しないバッテリパックが挿着されており、終話・電源キーがオン状態になると、バッテリパックから各回路部に対して電力が供給されて動作可能な状態に起動する。
ところで、第1の筐体12には、第1の筐体12の下部の所定の位置に抜差自在なメモリカード(後述する図4のメモリカード46)を挿着するためのメモリカードスロット(図示せず)が設けられており、メモボタン(図示せず)が押下されるとメモリカードに通話中の相手の音声を記録したり、ユーザの操作に応じて電子メール、簡易ホームページ、CCDカメラで撮像した画像を記録することができる。
ここで、メモリカードは、NAND型フラッシュメモリカードやNOR型フラッシュメモリカードなどに代表されるフラッシュメモリカードの一種であり、小型薄型形状のプラスチックケース内に電気的に書換えや消去が可能な不揮発性メモリであるフラッシュメモリ素子を格納したものであり、10ピン端子を介して画像や音声、音楽等の各種データの書き込み及び読み出しが可能となっている。
また、メモリカードは、大容量化等による内蔵フラッシュメモリの仕様変更に対しても、使用する機器で互換性を確保することができる独自のシリアルプロトコルを採用し、高速性能を実現しているとともに、誤消去防止スイッチを設けて高い信頼性を確保している。
従って、カメラ付ディジタル携帯電話機3は、このようなメモリカードを挿着可能に構成されているために、メモリカードを介して他の電子機器との間でデータの共有化を図ることができる。
また、所定の機能を拡張するためのモジュール(チップ)をメモリカードに組み込み、メモリカードスロット(図示せず)にそれを装着させることにより、カメラ付ディジタル携帯電話機3の機能をさらに拡張させることができる。
例えば、非接触IC(Integrated Circuit)チップが組み込まれたメモリカードをカメラ付ディジタル携帯電話機3に装着することにより、非接触ICチップがカメラ付ディジタル携帯電話機3に内蔵されていない場合であっても、非接触ICチップが内蔵された場合と同様の電子決済機能などを有するように機能を拡張させることもできる。
一方、第2の筐体13には、その正面に液晶ディスプレイ17(メインディスプレイ)が設けられており、電波の受信状態、電池残量、電話帳として登録されている相手先名や電話番号及び送信履歴等の他、電子メールの内容、簡易ホームページ、CCD(Charge Coupled Device)カメラ(後述する図3のCCDカメラ20)で撮像した画像、外部のコンテンツサーバ(図示せず)より受信したコンテンツ、メモリカード(後述する図2のメモリカード46)に記憶されているコンテンツを表示することができる。また、液晶ディスプレイ17の上部の所定の位置にはスピーカ18が設けられており、これにより、ユーザは音声通話することが可能である。
また、第1の筐体12と第2の筐体13の内部の所定の位置には、カメラ付ディジタル携帯電話機3の状態を検知するための磁気センサ19a、19b、19c、および19dが設けられる。
図3は、本発明に係る情報処理装置として適用可能なカメラ付ディジタル携帯電話機3の他の外観の構成を表している。図3のカメラ付ディジタル携帯電話機3の状態は、図2のカメラ付ディジタル携帯電話機3の状態から矢印X方向に回動させた状態である。なお、図3[A]は、カメラ付ディジタル携帯電話機3を閉じたときの正面から見た外観の構成を表しており、図3[B]は、カメラ付ディジタル携帯電話機3を閉じたときの側面から見た外観の構成を表している。
第2の筐体13の上部には、CCDカメラ20が設けられており、これにより、所望の撮影対象を撮像することができる。CCDカメラ20の下部には、サブディスプレイ21が設けられており、現在のアンテナの感度のレベルを示すアンテナピクト、カメラ付ディジタル携帯電話機3の現在の電池残量を示す電池ピクト、現在の時刻などが表示される。
サブディスプレイ21の下部には、さらに、静電タッチパッド22が設けられる。静電タッチパッド22は、見かけ上一枚のタッチパッドになっているが、図示せぬセンサが複数個所に設けられており、ユーザがセンサの付近をタッチすると、センサがそれを検知し、巻戻し機能、早送り機能、音量ダウン動作、音量アップ動作、再生動作、および一時停止動作などが実行される。
図4は、本発明に係る情報処理装置として適用可能なカメラ付ディジタル携帯電話機3の内部の構成を表している。
図4に示されるように、カメラ付ディジタル携帯電話機3は、第1の筐体12及び第2の筐体13の各部を統括的に制御する主制御部31に対して、電源回路部32、操作入力制御部33、画像エンコーダ34、カメラインタフェース部35、LCD(Liquid Crystal Display)制御部36、多重分離部38、変復調回路部39、音声コーデック40、記憶部47、音楽制御部48、および通話時間処理部49がメインバス41を介して互いに接続されるとともに、画像エンコーダ34、画像デコーダ37、多重分離部38、変復調回路部39、音声コーデック40、および記録再生部45が同期バス42を介して互いに接続されて構成される。
電源回路部32は、ユーザの操作により終話・電源キーがオン状態にされると、バッテリパックから各部に対して電力を供給することによりカメラ付ディジタル携帯電話機3を動作可能な状態に起動する。
主制御部31は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、およびRAM(Random Access Memory)などからなり、CPUは、ROMに記憶されているプログラムまたは記憶部47からRAMにロードされた各種のアプリケーションプログラムに従って各種の処理を実行するとともに、種々の制御信号を生成し、各部に供給することによりカメラ付ディジタル携帯電話機3を統括的に制御する。RAMは、CPUが各種の処理を実行する上において必要なデータなどを適宜記憶する。
なお、主制御部31には、現在の日付と時刻を正確に計測するタイマが内蔵されている。
ここで、CPUが実行する種々のアプリケーションプログラムは、ROMや記憶部47に予めインストールしておくことができる。また、CPUが実行する種々のアプリケーションプログラムは、基地局2を介して通信によってカメラ付ディジタル携帯電話機3にダウンロードすることにより、記憶部47にインストールすることができる。さらに、CPUが実行する種々のアプリケーションプログラムは、メモリカード46に記録しておき、記録再生部45によって読み出して、記憶部47にインストールすることも可能である。
カメラ付ディジタル携帯電話機3は、主制御部31の制御に基づいて、音声通話モード時にマイクロフォン15で集音した音声信号を音声コーデック40によってディジタル音声信号に変換、圧縮し、これを変復調回路部39でスペクトラム拡散処理し、送受信回路部43でディジタルアナログ変換処理及び周波数変換処理を施した後にアンテナ44を介して送信する。
また、カメラ付ディジタル携帯電話機3は、音声通話モード時にアンテナ44で受信した受信信号を増幅して周波数変換処理及びアナログディジタル変換処理を施し、変復調回路部39でスペクトラム逆拡散処理し、音声コーデック40によって伸張し、アナログ音声信号に変換した後、変換されたアナログ音声信号をスピーカ18を介して出力する。
さらに、カメラ付ディジタル携帯電話機3は、データ通信モード時に電子メールを送信する場合、操作キー14の操作によって入力された電子メールのテキストデータを操作入力制御部33を介して主制御部31に送出する。主制御部31は、テキストデータを変復調回路部39でスペクトラム拡散処理し、送受信回路部43でディジタルアナログ変換処理及び周波数変換処理を施した後にアンテナ44を介して基地局2へ送信する。
これに対してカメラ付ディジタル携帯電話機3は、データ通信モード時に電子メールを受信する場合、アンテナ44を介して基地局2から受信した受信信号を変復調回路部39でスペクトラム逆拡散処理して元のテキストデータを復元した後、LCD制御部36を介して液晶ディスプレイ17に電子メールとして表示する。
その後カメラ付ディジタル携帯電話機3は、ユーザの操作に応じて受信した電子メールを記録再生部45を介してメモリカード46に記録することも可能である。
カメラ付ディジタル携帯電話機3は、画像信号を送信しない場合には、CCDカメラ20で撮像した画像信号をカメラインタフェース部45及びLCD制御部46を介して液晶ディスプレイ17に直接表示する。
カメラ付ディジタル携帯電話機3は、データ通信モード時に画像信号を送信する場合、CCDカメラ20で撮像された画像信号をカメラインタフェース部35を介して画像エンコーダ34に供給する。
画像エンコーダ34は、CCDカメラ20から供給された画像信号を、例えばMPEG(Moving Picture Experts Group)4などの所定の符号化方式によって圧縮符号化することにより符号化画像信号に変換し、変換された符号化画像信号を多重分離部38に送出する。このとき同時にカメラ付ディジタル携帯電話機3は、CCDカメラ20で撮像中にマイクロフォン15で集音した音声を音声コーデック40を介してディジタルの音声信号として多重分離部38に送出する。
多重分離部38は、画像エンコーダ34から供給された符号化画像信号と音声コーデック40から供給された音声信号とを所定の方式で多重化し、その結果得られる多重化信号を変復調回路部39でスペクトラム拡散処理し、送受信回路部43でディジタルアナログ変換処理及び周波数変換処理を施した後にアンテナ44を介して送信する。
これに対して、カメラ付ディジタル携帯電話機3では、データ通信モード時に、Webページのデータを受信することができる。
すなわち、カメラ付ディジタル携帯電話機3において、データ通信モードに、例えばWebページを要求するデータを送信すると、その要求に応じて、Webページのデータが基地局2を介して送信される。このWebページのデータは、アンテナ44を介して送受信回路部43および変復調回路部39で受信される。送受信回路部43および変復調回路部39は、受信したWebページのデータを主制御部31に送出する。
主制御部31は、Webページのデータを解釈し、その解釈に基づく画面(画像)を作成する。作成された画面は、主制御部31からLCD制御部36を介して液晶ディスプレイ17に供給されて表示される。すなわち、主制御部31のROMまたは記憶部47には、少なくともWebブラウザのアプリケーションプログラムがインストールされており、主制御部31のCPUは、RAM上でWebブラウザのアプリケーションプログラムを実行することで、Webブラウザとして機能し、Webページのデータの解釈などを行う。
また、カメラ付ディジタル携帯電話機3は、データ通信モード時に例えばWebページなどにリンクされた動画像ファイルのデータを受信する場合、アンテナ44を介して基地局2から受信した受信信号を変復調回路部39でスペクトラム逆拡散処理し、その結果得られる多重化信号を多重分離部38に送出する。
多重分離部38は、多重化信号を分離することにより符号化画像信号と音声信号とに分け、同期バス42を介して符号化画像信号を画像デコーダ37に供給すると共に音声信号を音声コーデック40に供給する。画像デコーダ37は、符号化画像信号をMPEG4などの所定の符号化方式に対応した復号化方式でデコードすることにより再生動画像信号を生成し、生成された再生動画像信号をLCD制御部36を介して液晶ディスプレイ17に供給する。これにより、例えば、Webページなどにリンクされた動画像ファイルに含まれる動画像データが表示される。
このとき同時に音声コーデック40は、音声信号をアナログ音声信号に変換した後、これをスピーカ18に供給し、これにより、例えば、Webページなどにリンクされた動画像ファイルに含まる音声信号が再生される。この場合も電子メールの場合と同様にカメラ付ディジタル携帯電話機3は、受信したWebページなどにリンクされたデータをユーザの操作により記録再生部45を介してメモリカード46に記録することが可能である。
記憶部47は、例えば、電気的に書換えや消去が可能な不揮発性メモリであるフラッシュメモリ素子などからなり、主制御部31のCPUにより実行される種々のアプリケーションプログラムや種々のデータ群を格納している。また、記憶部47は、必要に応じて、ユーザの操作に応じて受信した電子メールや、受信したWebページなどにリンクされた動画像ファイルに含まれる動画像データなどを記憶する。
音楽制御部48は、記憶部47に記憶されているオーディオデータの再生動作および一時停止動作や、巻戻し機能、早送り機能、音量ダウン動作、音量アップ動作などの実行を制御する。
通話時間処理部49は、図示せぬ表示更新タイマなどからなり、複数のカメラ付ディジタル携帯電話機3との間で行われるテレビ電話の際の通話時間を管理する。
まず、図5フローチャートを参照して、図4のカメラ付ディジタル携帯電話機3におけるテレビ電話処理について説明する。このテレビ電話処理は、ユーザにより操作キー14が操作されることによりテレビ電話処理を開始するとの指示がなされることにより、開始される。なお、カメラ付ディジタル携帯電話機3のLCD制御部36による液晶ディスプレイ17への表示制御処理(描画処理)は、図7のフローチャートを参照して後述する。
ステップS1において、主制御部31は、ユーザにより操作キー14が操作されることによりテレビ電話処理を開始するとの指示がなされたか否かを判定し、ユーザにより操作キー14が操作されることによりテレビ電話処理を開始するとの指示がなされたと判定するまで待機する。
ステップS1においてユーザにより操作キー14が操作されることによりテレビ電話処理を開始するとの指示がなされたと判定された場合、主制御部31はステップS2で、他のユーザが所有する他のカメラ付ディジタル携帯電話機3との間でテレビ電話処理を開始する。
ステップS3において、送受信回路部43は、主制御部31の制御に従い、アンテナ44を介して基地局2を経由して他のカメラ付ディジタル携帯電話機3から受信信号を受信し、受信された受信信号にディジタルアナログ変換処理および周波数変換処理を施すとともに、これらの処理後の受信信号を変復調回路部39に供給する。
ステップS4において、変復調回路部39は、主制御部31の制御に従い、送受信回路部43から供給されたディジタルアナログ変換処理および周波数変換処理後の受信信号にスペクトラム逆拡散処理を施し、その結果、多重化信号を取得し、取得された多重化信号を多重分離部38に供給する。
ステップS5において、多重分離部38は、主制御部31の制御に従い、変復調回路部39から供給された多重化信号を分離することにより、他のユーザ(通話相手)に関する符号化画像信号と音声信号とに分け、同期バス42を介して他のユーザ(通話相手)に関する符号化画像信号を画像デコーダ37に供給するとともに、他のユーザ(通話相手)に関する音声信号を音声コーデック40に供給する。
ステップS6において、画像デコーダ37は、主制御部31の制御に従い、他のユーザ(通話相手)に関する符号化画像信号を例えばMPEG4やH.263などの所定の符号化方式に対応した復号化方式でデコードすることにより、他のユーザ(通話相手)に関する再生動画像信号を生成し、生成された再生動画像信号を保持する。
なお、画像デコーダ37に保持された再生動画像信号は、後述する図7のステップS30においてLCD制御部36に供給される(すなわち、LCD制御部36が、保持された再生動画像信号を取得する)が、ステップS30において保持された再生動画像信号がLCD制御部36に供給される前に、次に表示するべき符号化画像信号がデコードされ、新たな再生動画像信号が生成された場合、現在保持されている再生動画像信号は破棄され、新たに生成された再生動画像信号が保持される。
このとき同時に、音声コーデック40は、主制御部31の制御に従い、他のユーザ(通話相手)に関する音声信号(ディジタル音声信号)をアナログ音声信号に変換した後、変換後のアナログ音声信号をスピーカ18に供給する。
ステップS7において、画像デコーダ37は、ステップS6のデコード処理において他のユーザ(通話相手)に関する再生動画像信号へのデコードが完了すると、他のユーザ(通話相手)の画像である相手画像が更新されたことを示す相手画像更新通知をLCD制御部36に供給する。
ステップS8において、CCDカメラ20は、主制御部31の制御に従い、所定の時間ごとに被写体であるユーザを撮像し、撮像されたユーザ(被写体)に関する動画像信号(再生動画像信号)をカメラインタフェース部35を介して画像エンコーダ34に供給する。なお、カメラ付ディジタル携帯電話機3の所有者であるユーザを「被写体」と定義する。また、画像エンコーダ34に供給された再生動画像信号は、画像エンコーダ34を経由して、後述する図7のステップS32でLCD制御部36に供給される(すなわち、LCD制御部36が、画像エンコーダ34を経由して、CCDカメラ20で撮像されたユーザ(被写体)に関する再生動画像信号を取得する)。
ステップS9において、画像エンコーダ34は、主制御部31の制御に従い、CCDカメラ20から供給されたユーザ(被写体)に関する動画像信号を、液晶ディスプレイ17に表示するために保持する(勿論、一度エンコードしてから保持するようにしてもよい)とともに、例えばMPEG(Moving Picture Experts Group)4などの所定の符号化方式によって圧縮符号化することにより符号化画像信号に変換し、変換されたユーザ(被写体)に関する符号化画像信号を多重分離部38に送出する。このとき同時にカメラ付ディジタル携帯電話機3は、CCDカメラ20で撮像中にマイクロフォン15で集音した音声を音声コーデック40を介してディジタルの音声信号として多重分離部38に送出する。
ステップS10において、画像エンコーダ34は、ステップS9のエンコード処理においてユーザ(被写体)に関する符号化画像信号へのエンコードが完了すると、ユーザ自身の画像である自分画像が更新されたことを示す自分画像更新通知をLCD制御部36に供給する。
ステップS11において、通話時間処理部49は、主制御部31の制御に従い、図示せぬ表示更新タイマなどを用いて、テレビ電話の通話時間が予め設定された所定の時間(例えば1秒間など)さらに経過したか否かを判定する。
ステップS11においてテレビ電話の通話時間が予め設定された所定の時間(例えば1秒間など)さらに経過したと判定された場合、通話時間処理部49はステップS12で、主制御部31の制御に従い、テレビ電話の通話時間が更新されたことを示す通話時間更新通知をLCD制御部36に供給する。なお、更新される通話時間に関するデータは、後述する図7のステップS34においてLCD制御部36に供給される。
ステップS13において、多重分離部38は、主制御部31の制御に従い、画像エンコーダ34から供給されたユーザ(被写体)に関する符号化画像信号と音声コーデック40から供給されたユーザに関する音声信号とを所定の方式で多重化する。
ステップS14において、主制御部31は、その結果得られる多重化信号を所定の大きさに分割し、分割された多重化信号を格納するRTP(Real time Transport Protocol)パケットを生成する。ステップS15において、主制御部31は、生成されたRTPパケットを図示せぬ送信バッファに逐次バッファリングする。
ステップS16において、主制御部31は、図示せぬ送信バッファにバッファリングされているRTPパケットを逐次読み出して変復調回路部39に供給する。変復調回路部39は、主制御部31の制御に従い、逐次供給されるRTPパケットをスペクトラム拡散処理し、スペクトラム拡散処理後のRTPパケットを送受信回路部43に供給する。送受信回路部43は、主制御部31の制御に従い、変復調回路部39から供給されたスペクトラム拡散処理後のRTPパケットにディジタルアナログ変換処理及び周波数変換処理を施した後、これらをアンテナ44を介して基地局2に送信する。
ステップS17において、主制御部31は、ユーザにより操作キー14が操作されることによりテレビ電話処理を終了するとの指示がなされたか否かを判定する。
ステップS17においてテレビ電話処理を終了するとの指示がなされていないと判定された場合、処理はステップS3に戻り、ステップS3以降の処理が繰り返される。これにより、ユーザによりテレビ電話処理を終了するとの指示がなされるまで、ユーザが所望する他のユーザ(テレビ電話の通話相手)とテレビ電話処理を実行することができる。
一方、ステップS17においてテレビ電話処理を終了するとの指示がなされたと判定された場合、テレビ電話処理は終了する。
なお、図5のステップS7、ステップS10、およびステップS12において、更新通知(相手画像更新通知、自分画像更新通知、および通話時間更新通知)は、順次、LCD制御部36に供給される。LCD制御部36は、これらの更新通知に従い、ステップS6でデコードした再生動画像信号(デコードした再生動画像信号を保持したもの)、ステップS9で保持された後に画像エンコーダ34から供給されたユーザ(被写体)に関する動画像信号、およびステップS12で保持した通話時間に関するデータに基づいて、テレビ電話通話時の液晶ディスプレイ17に表示される画面の表示制御処理(後述する図7の表示制御処理)を行う。
すなわち、液晶ディスプレイ17は、LCD制御部36の制御に従い、取得された2つの動画像信号に基づく画像をテレビ電話通話時画面に表示するとともに、テレビ電話の通話時間をテレビ電話通話時画面に表示する。
例えば図6のテレビ電話通話時画面に示されるように、表示領域Aに他のカメラ付ディジタル携帯電話機3から基地局2を介して受信された他のユーザ(通話相手)の画像である相手画像が表示され、表示領域Bにユーザ自身の画像である自分画像が表示され、表示領域Cにテレビ電話の通話時間が表示される。
次に、図7のフローチャートを参照して、図5のフローチャートを参照して説明したテレビ電話処理に並行して実行される、図4のカメラ付ディジタル携帯電話機のLCD制御部36におけるテレビ電話時での表示制御処理について説明する。
ステップS21において、主制御部31は、LCD制御部36を制御し、初期設定をさせる。すなわち、主制御部31は、LCD制御部36を制御し、相手画像の表示を更新するか否かを示す相手画像表示更新フラグ、自分画像の表示を更新するか否かを示す自分画像表示更新フラグ、および通話時間の表示を更新するか否かを示す通話時間表示更新フラグをOFFに設定させる。LCD制御部36は、主制御部31の制御に従い、相手画像の表示を更新するか否かを示す相手画像表示更新フラグ、自分画像の表示を更新するか否かを示す自分画像表示更新フラグ、および通話時間の表示を更新するか否かを示す通話時間表示更新フラグをOFFに設定する。
ステップS22において、LCD制御部36は、画像デコーダ37から供給される相手画像更新通知(他のユーザ(通話相手)の画像である相手画像が更新されたことを示す相手画像更新通知)を取得したか否かを判定する。
ステップS22において画像デコーダ37から供給される相手画像更新通知を取得したと判定された場合、LCD制御部36はステップS23で、主制御部31の制御に従い、相手画像(通話相手である他のユーザの画像)の表示を更新するか否かを示す相手画像表示更新フラグをONに設定する。
ステップS22において画像デコーダ37から供給される相手画像更新通知を取得していないと判定された場合、ステップS23の処理はスキップされる。すなわち、相手画像(通話相手である他のユーザの画像)の表示を更新するか否かを示す相手画像表示更新フラグは、OFFに設定されたまま維持される。
ステップS24において、LCD制御部36、画像エンコーダ34から供給される自分画像更新通知(ユーザ自身の画像である自分画像が更新されたことを示す自分画像更新通知)を取得したか否かを判定する。
ステップS24において画像エンコーダ34から供給される自分画像更新通知を取得したと判定された場合、LCD制御部36はステップS25で、主制御部31の制御に従い、自分画像(ユーザ自身の画像)の表示を更新するか否かを示す相手画像表示更新フラグをONに設定する。
ステップS24において画像エンコーダ34から供給される自分画像更新通知を取得していないと判定された場合、ステップS25の処理はスキップされる。すなわち、自分画像(ユーザ自身の画像)の表示を更新するか否かを示す自分画像表示更新フラグは、OFFに設定されたまま維持される。
ステップS26において、LCD制御部36、通話時間処理部49から供給される通話時間更新通知(テレビ電話の通話時間が更新されたことを示す通話時間更新通知)を取得したか否かを判定する。
ステップS26において通話時間処理部49から供給される通話時間更新通知を取得したと判定された場合、LCD制御部36はステップS27で、主制御部31の制御に従い、テレビ電話の通話時間の表示を更新するか否かを示す通話時間表示更新フラグをONに設定する。
ステップS26において通話時間処理部49から供給される通話時間更新通知を取得していないと判定された場合、ステップS27の処理はスキップされる。すなわち、テレビ電話の通話時間の表示を更新するか否かを示す通話時間表示更新フラグは、OFFに設定されたまま維持される。
ステップS28において、主制御部31は、内蔵された表示更新タイマを用いて、直前に行われた表示の更新から予め設定された所定の時間(例えば1/15秒間(約66ミリ秒間)など)が経過したか否かを判定する。
ステップS28において直前に行われた表示の更新から予め設定された所定の時間(1/15秒間(約66ミリ秒間)など)が経過していないと判定された場合、処理はステップ22に戻り、ステップS22以降の処理が繰り返し実行される。これにより、直前に行われた表示の更新から予め設定された所定の時間(1/15秒間(約66ミリ秒間)など)が経過するまで、相手画像更新通知、自分画像更新通知、および通話時間更新通知を逐次取得し、適宜、それぞれの表示更新フラグをONに設定することができる。
ステップS28において直前に行われた表示の更新から予め設定された所定の時間(1/15秒間(約66ミリ秒間)など)が経過したと判定された場合、LCD制御部36はステップS29で、主制御部31の制御に従い、LCD制御部36において相手画像表示更新フラグの設定状態がONであるか否かを判定する。
ステップS29においてLCD制御部36において相手画像表示更新フラグの設定状態がONであると判定された場合、LCD制御部36はステップS30で、主制御部31の制御に従い、画像デコーダ37から供給された他のユーザ(通話相手)に関する再生動画像信号を取得する。
ステップS29においてLCD制御部36において相手画像表示更新フラグの設定状態がONではないと判定された場合(すなわち、LCD制御部36において相手画像表示更新フラグの設定状態がOFFであると判定された場合)、ステップS30の処理はスキップされる。
ステップS31において、LCD制御部36、LCD制御部36において自分画像表示更新フラグの設定状態がONであるか否かを判定する。
ステップS31においてLCD制御部36において自分画像表示更新フラグの設定状態がONであると判定された場合、LCD制御部36はステップS32で、主制御部31の制御に従い、画像エンコーダ34から供給されたユーザ(被写体)に関する再生動画像信号を取得する。
ステップS31においてLCD制御部36において自分画像表示更新フラグの設定状態がONではないと判定された場合(すなわち、LCD制御部36において自分画像表示更新フラグの設定状態がOFFであると判定された場合)、ステップS32の処理はスキップされる。
ステップS33において、LCD制御部36、LCD制御部36において通話時間表示更新フラグの設定状態がONであるか否かを判定する。
ステップS33においてLCD制御部36において通話時間表示更新フラグの設定状態がONであると判定された場合、LCD制御部36はステップS34で、主制御部31の制御に従い、通話時間処理部49から供給された更新される通話時間に関するデータを取得する。
ステップS33においてLCD制御部36において通話時間表示更新フラグの設定状態がONではないと判定された場合(すなわち、LCD制御部36において通話時間表示更新フラグの設定状態がOFFであると判定された場合、)、ステップS34の処理はスキップされる。
ステップS35において、LCD制御部36、LCD制御部36において相手画像表示更新フラグ、自分画像表示更新フラグ、および通話時間表示更新フラグのうちのいずれかの表示更新フラグの設定状態がONであるか否かを判定する。
ステップS35においていずれかの表示更新フラグの設定状態がONであると判定された場合、LCD制御部36はステップS36で、表示更新フラグの設定状態がONであると判定されることでステップS29乃至S34の処理により取得された他のユーザ(通話相手)に関する再生動画像信号、ユーザ(被写体)に関する再生動画像信号、および更新される通話時間に関するデータのうちの少なくとも1つ以上に基づいて、液晶ディスプレイ17に表示されるテレビ電話通話時画面の表示を更新させる。
液晶ディスプレイ17は、LCD制御部36の制御に従い、取得された他のユーザ(通話相手)に関する再生動画像信号、ユーザ(被写体)に関する再生動画像信号、および更新される通話時間に関するデータの少なくとも1つ以上に基づいて、テレビ電話通話時画面の表示を更新する。すなわち、他のユーザ(通話相手)に関する再生動画像信号、ユーザ(被写体)に関する再生動画像信号、および更新される通話時間に関するデータのうち、例えば他のユーザ(通話相手)に関する再生動画像信号およびユーザ(被写体)に関する再生動画像信号が取得された場合、他のユーザ(通話相手)に関する再生動画像信号およびユーザ(被写体)に関する再生動画像信号に基づいて、テレビ電話通話時画面の表示が更新される。
その後、処理はステップS21に進み、ステップS21以降の処理が実行される。
これにより、ステップS21の処理により相手画像表示更新フラグ、自分画像表示更新フラグ、および通話時間表示更新フラグが再び初期設定され(OFFに設定され)、逐次取得される更新通知に基づいてそれぞれの表示更新フラグがONに設定され、表示更新処理が実行される。
ステップS35においていずれの表示更新フラグの設定状態もONではないと判定された場合、処理はステップS21に戻り、その後、ステップS21以降の処理が繰り返される。
図8[A]および[B]は、図7のフローチャートを参照して説明した表示制御処理を実行しない場合と実行した場合における、自分画像、相手画像、および通話時間の更新時と、それらの表示処理のタイミングチャートを表している。
図8[A]に示されるように、図7のフローチャートを参照して説明した表示制御処理を実行しない場合には、自分画像、相手画像、および通話時間が更新されるごとに表示処理が実行され、逐次、液晶ディスプレイ17に自分画像、相手画像、および通話時間の表示が更新される。
一方、図8[B]に示されるように、図7のフローチャートを参照して説明した表示制御処理を実行した場合、自分画像、相手画像、および通話時間が更新されるごとには表示処理が実行されず、表示更新タイマを用いて予め設定された所定の時間ごとに、自分画像、相手画像、および通話時間のうち、予め設定された所定の時間内に更新されたものについて、まとめて同時に表示が更新される(すなわち、同期されて表示が更新される)。
具体的には、表示更新タイマ時刻T0からT1の間においては、自分画像、相手画像、および通話時間のうち、自分画像および相手画像が予め設定された所定の時間内に更新されており、表示更新タイマ時刻T1に、自分画像、相手画像、および通話時間のうち、自分画像および相手画像の表示がまとめて同時に更新される(すなわち、同期されて表示が更新される)。
また、表示更新タイマ時刻T1からT2の間においては、自分画像、相手画像、および通話時間のうち、いずれについても予め設定された所定の時間内に更新されていないことから、表示更新タイマ時刻T2には、いずれの表示も更新されない。
これにより、図7のフローチャートを参照して説明した表示制御処理を実行することで、例えば図8[A]および[B]に示されるように、表示更新タイマ時刻T0乃至T6の間において、表示処理(表示更新処理)の回数を9回から5回に削減することができる。
次に、図9[A]および[B]のグラフは、図7のフローチャートを参照して説明した表示制御処理を実行しない場合と実行した場合における主制御部31内のCPUの使用率の実験結果を表している。なお、図9[A]および[B]のグラフの横軸は時間、縦軸は表示処理に要したCPU使用率を示している。
図9[A]に示されるように、図7のフローチャートを参照して説明した表示制御処理を実行しない場合、CPU使用率が10%乃至35%の間を遷移しているのに対して、図9[B]に示されるように、図7のフローチャートを参照して説明した表示制御処理を実行した場合、CPU使用率が10%乃至18%の間を遷移している。
このことは、図7のフローチャートを参照して説明した表示制御処理を実行しない場合に比べて、図7のフローチャートを参照して説明した表示制御処理を実行した場合では、CPU使用率のピークが約17%下がり、単位時間当たりのCPU使用率も低下していることを示している。
本発明の実施形態においては、相手画像更新通知、自分画像更新通知、および通話時間更新通知が取得される度に、それぞれ、相手画像表示更新フラグ、自分画像表示更新フラグ、および通話時間表示更新フラグをONに設定し、設定された手画像表示更新フラグ、自分画像表示更新フラグ、および通話時間表示更新フラグの設定状態に基づいて、予め設定された所定の時間ごとに相手画像、自分画像、および通話時間の表示を更新するようにしたので、テレビ電話を行う際に表示部に複数の表示内容を表示する場合に、複数の表示内容を同期させて表示を更新することができる。これにより、テレビ電話を行う際に、表示部(液晶ディスプレイ17)における表示内容の更新回数を削減することができる。その結果、表示処理に伴うCPU使用率を低下させることができ、通信品質の低下を抑制することができる。また、本発明に係る情報処理装置に適用可能なカメラ付ディジタル携帯電話機3における電力消費を抑制することができる。
従って、テレビ電話を利用する際の利便性を向上させることができる。
ところで、図7のフローチャートを用いて説明した表示制御処理においては、それぞれの更新通知が取得される度に、表示更新フラグをONに設定するようにしたが、例えば図示せぬ送信バッファの使用数(使用状況)が高い場合、送受信処理に比較的多くのCPU資源を割り当てる必要があるため、更新通知を取得したからといってその都度表示更新フラグをONに設定し、表示更新処理を実行してしまうと、表示処理にCPUの資源が占有されてしまい、結局、画像の送受信処理にCPUの資源を割り当てることができなくなってしまう。その結果、生成されたRTPパケットを破棄しなければならなくなり、画像と音声を通信規定に従って送信することができず、通信品質を低下させてしまう。
そこで、図示せぬ送信バッファの使用数(使用状況)が高いときには、それぞれの更新通知が取得されたとしても、その更新通知を破棄し、表示更新フラグをONに設定せず、表示の更新をしないようにしてもよい。以下、この方法を用いた表示制御処理について説明する。
図10のフローチャートを参照して、図4のカメラ付ディジタル携帯電話機3のLCD制御部36における他の表示制御処理について説明する。なお、図10のステップS41乃至S42、ステップS44、およびステップS46乃至S56の処理は、図7のステップS21乃至S22、ステップS24、およびステップS26乃至S36の処理と同様であり、その説明は繰り返しになるので省略する。
ステップS42において画像デコーダ37から供給される相手画像更新通知を取得したと判定された場合、カメラ付ディジタル携帯電話機3は、相手画像表示更新フラグ設定処理を実行する。この相手画像表示更新フラグ設定処理の詳細については、図11のフローチャートに示されている。
図11のフローチャートを参照して、図4のカメラ付ディジタル携帯電話機3における相手画像表示更新フラグ設定処理の詳細について説明する。
ステップS61において、主制御部31は、図示せぬ送信バッファの使用数が予め設定された所定の基準値(例えば送信バッファの最大値qmaxが40の場合、30など)よりも大きいか否かを判定する。
ステップS61において図示せぬ送信バッファの使用数が予め設定された所定の基準値よりも大きいと判定された場合、主制御部31は、図示せぬ送信バッファの使用数に基づいて、更新通知を取得したとしてもその更新通知を破棄する時間である更新通知破棄時間を算出する。
より具体的には、例えば図12[A]のグラフに示される曲線aなどになるように予め決められた[数1]を用いて、図示せぬ送信バッファの使用数に基づいて、更新通知を取得したとしてもその更新通知を破棄する時間である更新通知破棄時間を算出する。
ここで、記号t、q、fmax、およびqmaxは、それぞれ、更新通知破棄時間、図示せぬ送信バッファの使用数、フレームレートの最大値、および送信バッファの最大値を示している。
図12[A]および[B]の場合、fmaxが15で、かつ、qmaxが40であり、図示せぬ送信バッファの使用数qが30であるとき、更新通知破棄時間は0.21となり、また、図示せぬ送信バッファの使用数qが38であるとき、更新通知破棄時間は0.57となる。すなわち、図示せぬ送信バッファの使用数が高ければ高いほど、送受信処理により多くのCPU資源を割り当てる必要があることから、更新通知を取得したとしてもその更新通知を破棄する時間である更新通知破棄時間は長くなる。勿論、フレームレートが高い場合についても更新通知破棄時間が長くなるように、[数式1]を予め決定するようにしてもよい。
ステップS63において、主制御部31は、前回の相手画像更新通知を取得した取得時刻と、今回の相手画像更新通知を取得した取得時刻との差分を算出する。
ステップS64において、主制御部31は、算出された相手画像更新通知の取得時刻の差分が、算出された更新通知破棄時間以上であるか否かを判定する。
すなわち、例えば図12[A]および[B]に示されるようにfmaxが15、qmaxが40、かつ、図示せぬ送信バッファの使用数qが38であり、更新通知破棄時間が0.57である場合、算出された相手画像更新通知の取得時刻の差分が0.70であるときには、相手画像更新通知の取得時刻の差分が更新通知破棄時間以上であると判定される。
ステップS64において算出された相手画像更新通知の取得時刻の差分が算出された更新通知破棄時間以上であると判定された場合、LCD制御部36はステップS65で、主制御部31の制御に従い、相手画像(通話相手である他のユーザの画像)の表示を更新するか否かを示す相手画像表示更新フラグをONに設定する。
その後、処理は図10のステップS44に戻る。
ステップS64において算出された相手画像更新通知の取得時刻の差分が算出された更新通知破棄時間以上ではないと判定された場合(すなわち、算出された相手画像更新通知の取得時刻の差分が算出された更新通知破棄時間よりも小さいと判定された場合)、ステップS65の処理はスキップされる。すなわち、相手画像(通話相手である他のユーザの画像)の表示を更新するか否かを示す相手画像表示更新フラグは、OFFに設定されたまま維持される。
その後、処理は図10のステップS44に戻る。
一方、ステップS61において図示せぬ送信バッファの使用数が予め設定された所定の基準値(例えば送信バッファの最大値qmaxが40の場合、30など)よりも小さいと判定された場合、処理はステップS65に進み、ステップS65において相手画像表示更新フラグがONに設定される。
これにより、図示せぬ送信バッファの使用数が予め設定された所定の基準値(例えば送信バッファの最大値qmaxが40の場合、30など)より小さいと判定された場合、図示せぬ送信バッファの使用状況は低いことから、ステップS65において相手画像表示更新フラグをONに設定し、表示を更新するようにすることができる。
その後、処理は図10のステップS44に戻る。
以上のように、テレビ電話の際に図示せぬ送信バッファの使用数(使用状況)が予め設定された所定の基準値よりも小さい場合、相手画像更新通知が取得される度に相手画像表示更新フラグをONに設定することができる一方、図示せぬ送信バッファの使用数(使用状況)が予め設定された所定の基準値よりも高い場合、送信バッファの使用数などに基づいて更新通知破棄時間を算出し、相手画像更新通知の取得時刻の差分が算出された更新通知破棄時間以上であると判定されたとき、相手画像更新通知が取得される度に相手画像表示更新フラグをONに設定し、相手画像更新通知の取得時刻の差分が算出された更新通知破棄時間よりも小さいと判定されたとき、その更新通知を破棄し、相手画像表示更新フラグをONに設定しないようにすることができる。
図10に戻り、ステップS44において画像エンコーダ34から供給される自分画像更新通知を取得したと判定された場合、カメラ付ディジタル携帯電話機3は、自分画像表示更新フラグ設定処理を実行する。この自分画像表示更新フラグ設定処理の詳細については、図13のフローチャートに示されている。
図13のフローチャートを参照して、図4のカメラ付ディジタル携帯電話機3における自分画像表示更新フラグ設定処理の詳細について説明する。
ステップS71において、主制御部31は、図示せぬ送信バッファの使用数が予め設定された所定の基準値(例えば送信バッファの最大値qmaxが40の場合、30など)よりも大きいか否かを判定する。
ステップS71において図示せぬ送信バッファの使用数が予め設定された所定の基準値よりも大きいと判定された場合、主制御部31はステップS72で、図示せぬ送信バッファの使用数に基づいて、更新通知を取得したとしてもその更新通知を破棄する時間である更新通知破棄時間を算出する。なお、更新通知破棄時間の算出方法については、図11のステップS62において説明した算出方法と同様であり、その説明は繰り返しになるので省略する。
ステップS73において、主制御部31は、前回の自分画像更新通知を取得した取得時刻と、今回の自分画像更新通知を取得した取得時刻との差分を算出する。
ステップS74において、主制御部31は、算出された自分画像更新通知の取得時刻の差分が、算出された更新通知破棄時間以上であるか否かを判定する。
すなわち、例えば図12[A]および[B]に示されるようにfmaxが15、qmaxが40、かつ、図示せぬ送信バッファの使用数qが38であり、更新通知破棄時間が0.57である場合、算出された自分画像更新通知の取得時刻の差分が0.50であるとき、自分画像更新通知の取得時刻の差分が更新通知破棄時間以上ではないと判定される(すなわち、自分画像更新通知の取得時刻の差分が更新通知破棄時間よりも小さいと判定される)。
ステップS74において算出された自分画像更新通知の取得時刻の差分が算出された更新通知破棄時間以上であると判定された場合、LCD制御部36はステップS75で、主制御部31の制御に従い、自分画像(ユーザ自身の画像)の表示を更新するか否かを示す自分画像表示更新フラグをONに設定する。
その後、処理は図10のステップS46に戻る。
ステップS74において算出された自分画像更新通知の取得時刻の差分が算出された更新通知破棄時間以上ではないと判定された場合(すなわち、算出された自分画像更新通知の取得時刻の差分が算出された更新通知破棄時間よりも小さいと判定された場合)、ステップS75の処理はスキップされる。すなわち、自分画像(ユーザ自身の画像)の表示を更新するか否かを示す自分画像表示更新フラグは、OFFに設定されたまま維持される。
その後、処理は図10のステップS46に戻る。
一方、ステップS71において図示せぬ送信バッファの使用数が予め設定された所定の基準値(例えば送信バッファの最大値qmaxが40の場合、30など)よりも小さいと判定された場合、処理はステップS75に進み、ステップS75において自分画像表示更新フラグがONに設定される。
これにより、図示せぬ送信バッファの使用数が予め設定された所定の基準値(例えば送信バッファの最大値qmaxが40の場合、30など)より小さいと判定された場合、図示せぬ送信バッファの使用状況は低いことから、ステップS75において自分画像表示更新フラグをONに設定し、表示を更新するようにすることができる。
その後、処理は図10のステップS47に戻る。
以上のように、テレビ電話の際に図示せぬ送信バッファの使用数(使用状況)が予め設定された所定の基準値よりも小さい場合、自分画像更新通知が取得される度に自分画像表示更新フラグをONに設定することができる一方、図示せぬ送信バッファの使用数(使用状況)が予め設定された所定の基準値よりも高い場合、送信バッファの使用数などに基づいて更新通知破棄時間を算出し、自分画像更新通知の取得時刻の差分が算出された更新通知破棄時間以上であると判定されたとき、自分画像更新通知が取得される度に自分画像表示更新フラグをONに設定し、自分画像更新通知の取得時刻の差分が算出された更新通知破棄時間よりも小さいと判定されたとき、その更新通知を破棄し、自分画像表示更新フラグをONに設定しないようにすることができる。
本発明の実施形態においては、テレビ電話の際に図示せぬ送信バッファの使用数(使用状況)が低い場合、相手画像更新通知、自分画像更新通知、および通話時間更新通知が取得される度に、それぞれ、相手画像表示更新フラグ、自分画像表示更新フラグ、および通話時間表示更新フラグをONに設定し、一方、図示せぬ送信バッファの使用数(使用状況)が高い場合、送信バッファの使用数(使用状況)に応じてそれらの更新通知(相手画像更新通知と自分画像更新通知)を破棄し、設定された相手画像表示更新フラグ、自分画像表示更新フラグ、および通話時間表示更新フラグの設定状態に基づいて、予め設定された所定の時間ごとに相手画像、自分画像、および通話時間の表示を更新するようにしたので、テレビ電話を行う際に表示部(液晶ディスプレイ17)に複数の表示内容(例えば相手画像、自分画像、および通話時間など)を表示する場合に、複数の表示内容を同期させて表示を更新することができる。これにより、テレビ電話を行う際に、表示部における表示内容の更新回数をより削減することができる。その結果、表示処理に伴うCPU使用率をより低下させることができ、通信品質の低下をより抑制することができる。また、本発明に係る情報処理装置に適用可能なカメラ付ディジタル携帯電話機3における電力消費をさらに抑制することができる。
従って、テレビ電話を利用する際の利便性をより向上させることができる。
なお、本発明の実施形態においては、図示せぬ送信バッファの使用数が高い場合に更新通知(相手画像更新通知と自分画像更新通知)を破棄して表示更新を行わないようにしたが、このような場合に限定されず、CCDカメラ20から供給されたユーザ(被写体)に関する動画像信号を破棄するようにしてもよい。これにより、多重化信号を格納するRTPパケットを生成する際のRTPパケットの量を削減し、図示せぬ送信バッファの使用数自体を低く抑えることができる。
また、本発明の実施形態においては、CCDカメラ20で撮像されたユーザ(被写体)に関する動画像信号(再生動画像信号)を一旦画像エンコーダ34に供給して保持してから、エンコードが完了した後に所定のタイミングで、画像エンコーダ34から動画像信号をLCD制御部36に供給するようにしたが、このような場合に限られず、いずれの場所で生成された動画像信号を保持するようにしてもよく、例えば、CCDカメラ20で撮像されたユーザ(被写体)に関する動画像信号(再生動画像信号)を画像エンコーダ34を経由してLCD制御部36に逐次供給して保持してから、画像エンコーダ34におけるエンコード完了後の所定のタイミングで保持された動画像信号を読み出して表示制御処理を実行するようにしてもよい。また、ユーザ(被写体)に関する動画像信号(再生動画像信号)をCCDカメラ20から直接、画像エンコーダ34を介さずにLCD制御部36に供給して保持させるようにしてもよい。
なお、本発明の実施形態においては、内蔵された表示更新タイマを用いて、予め設定された所定の時間として例えば1/15秒間(約66ミリ秒間)に設定するようにしたが、このような場合に限られず、テレビ電話を行う際のフレームレートの最大値に基づいて表示更新する所定の時間を設定するようにしてもよい。すなわち、通信状況に応じて、フレームレートを7.5fpsにするのに伴い、予め設定された所定の時間として例えば1/7.5秒間(約130ミリ秒間)に設定するようにしてもよい。これにより、表示の更新の間隔を長くすることができ、その結果、カメラ付ディジタル携帯電話機3における電力消費を抑制することができる。なお、ユーザの好みや通信状況に応じて、適宜、予め設定された所定の時間を変更するようにしてもよい。
また、本発明の実施形態においては、2地点間におけるテレビ電話に適用するようにしたが、このような場合に限られず、3地点以上の間におけるテレビ電話にも適用することができる。この場合、液晶ディスプレイ17に表示される表示内容には、複数のユーザの画像が含まれることになる。そのため、本発明を適用することで、テレビ電話を行い際に、表示部における表示内容の更新回数をより削減することができる。その結果、表示処理に伴うCPU使用率をより低下させることができ、通信品質の低下をより抑制することができる。また、本発明に係る情報処理装置に適用可能なカメラ付ディジタル携帯電話機3における電力消費をさらに抑制することができる。
さらに、本発明は、テレビ電話を行う際に画像信号と音声信号だけでなく、テキストデータを送受信し、液晶ディスプレイ17に表示内容として相手画像や自分画像、通話時間に加えてテキストデータを表示する場合にも適用することができる。
なお、本発明は、カメラ付ディジタル携帯電話機3以外にも、PDA(Personal Digital Assistant)、パーソナルコンピュータ、携帯型音楽再生機、その他の情報処理装置にも適用することができる。
また、本発明の実施形態において説明した一連の処理は、ソフトウェアにより実行させることもできるが、ハードウェアにより実行させることもできる。
さらに、本発明の実施形態では、フローチャートのステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理の例を示したが、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別実行される処理をも含むものである。
1…ネットワークシステム、2(2−1乃至2−4)…基地局、3(3−1乃至3−4)…情報処理装置、11…ヒンジ、12…第1の筐体、13…第2の筐体、14…操作キー、15…マイクロフォン、16…サイドキー、17…液晶ディスプレイ、18…スピーカ、19a乃至19d…磁気センサ、20…CCDカメラ、21…サブディスプレイ、22…静電タッチパッド、31…主制御部、32…電源回路、33…操作入力制御部、34…画像エンコーダ、35…カメラI/F部、36…LCD制御部、37…画像デコーダ、38…多重分離部、39…変復調回路部、40…音声コーデック、41…メインバス、42…同期バス、43…送受信回路部、44…アンテナ、45…記録再生部、46…メモリカード、47…記憶部、48…音楽制御部、49…通話時間処理部。