JP4115658B2 - セルロース系ポリマーの製造方法 - Google Patents

セルロース系ポリマーの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はセルロース系ポリマーの製造方法に関し、詳しくは有機溶媒に可溶性のセルロース系ポリマーの粉体の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
セルロース系ポリマー、とりわけセルロースエステルは汎用合成樹脂に比べて、寸法安定性および耐熱性が高く、粘着性であるという特色を有している。そのためプラスチック、ラッカーなどの材料として利用されると共に、種々の成形品、例えばフイルムや繊維などに成形されている。セルロースエステルフイルムは代表的な写真感光材料の支持体であり、またその光学的等方性から液晶表示装置の部材(偏光板の保護フイルム、光学補償シートの支持体、カラーフィルターなど)としても使用されている。さらに、環境保護の観点から生分解性ポリマーのニーズは近年益々高まっており、その結果セルロース系ポリマーの重要性が再認識されてきている。
【0003】
このように、セルロースエステルに代表されるセルロース系ポリマーは今後も重要性が増してくると思われるが、それをフイルムなどに成形する際の溶液化には溶媒として塩化メチレン等の塩素系溶媒がこれまで多用されてきた。その理由は溶解性が高く、かつ低沸点で溶媒の除去が容易であるためである。しかしながら、塩素系溶媒は発癌性などの毒性がある物質であったり、オゾン層破壊に代表される環境有害物質であることから使用が非常に制限されてきている。塩化メチレンは後者の理由で大気への放出が厳しく制限されている。
【0004】
そこで、近年これらの問題を解決するための研究が活発に行われており、一部その技術が公開されている。例えば1,3−ジオキサンや1,3−ジオキソランなどの環状ジエーテルを用いる方法(特開平8−143708号、同8−323785号など)、トリフルオロエタノールなどのフルオロアルコールを用いる方法(特開平8−143709号、同11−60807号など)が公開されている。しかしながら前者の環状ジエーテルは必ずしも安全性が万全でなく、可燃性が高いなどの欠点を有している。また後者のフルオロアルコールはコストが高く、ポリマー成形用という大量使用の溶媒としては実用的でない。
【0005】
そこで、アセトン、エタノール、酢酸メチルもしくは酢酸エチルなど安全で安価な溶剤の使用が検討されているが、これらの溶媒にセルロースエステルなどのセルロース系ポリマーを、フイルム等の生産において必要とされる濃度で溶解することは単なる混合では困難である。そこで、溶解度を上げるための手段が種々検討されている。それらの方法を具体的にあげれば、(1)冷却溶解法(Makromol. Chem.,143, 105(1971))という方法を用いた方法(特開平9−95538号、同9−95544号など)、(2)超高圧をかける方法(特開平11−21379号)、(3)超音波を用いる方法(特開平11−71463号)、(4)アセトン、トリアセチン、メタノールもしくはエタノールと二酸化炭素との高圧下二成分系混合流体を用いる方法(特開平8−232115号、米国特許第5,512,231号、Journal of Supercritical Fluids,13,135(1998))、などである。
【0006】
上記(1)〜(4)の方法は、確かに溶解度の改良には効果的であるが、工業的製法という観点で見た場合には大きな問題がある。すなわち、(1)の方法において十分な溶解度を得るためには−70℃以下の極低温が必要であり、そのための設備化には高額な投資が必要である。(2)の方法において十分な溶解度を得るためには100MPa近い超高圧が必要であり、やはり設備的に工業的実用化は難しい。(3)の方法においては工業的規模で使用できる超音波発生装置を開発する必要があり、現時点では実用化はかなり困難である。(4)の方法においては、溶解させうるセルロース系ポリマーの量が不十分であること、および経時における溶液安定性が低く、一部ゲル化するなどの問題がある。
このように、環境等に有害な塩素系溶媒を用いずにセルロース系ポリマーを溶解して成形(フイルム化)する技術で、設備投資額が小さく工業的に実用可能な方法は未だ無いと言って良く、新しい方法の開発が強く望まれているのが現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
したがって本発明は、安全性が高く、環境負荷も小さく、更に設備投資的負荷を軽減できる(すなわち安価にできる)セルロース系ポリマー、とりわけセルロースエステルの粉体の製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決するため種々検討を重ねた結果、塩素系溶媒以外のある種のエステル系、ケトン系またはアルコール系溶媒を主成分とする有機溶媒にセルロース系ポリマーを分散攪拌し、その中に好ましい重量比率で液体二酸化炭素を加えて撹拌すると該ポリマーは高濃度で溶解し、一度溶解した該ポリマーは二酸化炭素を除去した後も析出することもなく有機溶媒に溶解していること、かつ有機溶媒を除去することにより得られる粉体は、この処理を受けていない該ポリマーに比べて優れた溶解性を示すことを見出した。本発明はこれらの新しい知見に基づきなされたものである。
【0009】
すなわち本発明は、
(1)セルロース系ポリマーの粉体を製造する方法において、該ポリマーを炭素数2〜8のエステル系溶媒、炭素数4〜10のケトン系溶媒または炭素数3〜6のアルコール系溶媒を主成分とする有機溶媒と二酸化炭素に曝して溶解させた後、二酸化炭素と有機溶媒を除去することを特徴とする該ポリマー粉体の製造方法、
(2)溶解させる時の温度および圧力が二酸化炭素の臨界温度および圧力以上であることを特徴とする(1)項記載の製造方法、及び
)セルロース系ポリマーが酢化度55.0%以上のセルロースアセテートであり、かつ、有機溶媒溶液中のポリマー濃度が10質量%以上であることを特徴とする(1)項記載の製造方法
を提供するものである。
【0010】
なお、上記本発明の好ましい態様として、以下の発明がある。
)セルロース系ポリマーがセルロースエステルであることを特徴とする(1)項記載の製造方法。
)セルロースエステルがアセチルセルロースであることを特徴とする()項記載の製造方法。
)アセチルセルロースの酢化度が58%以上であることを特徴とする()項記載の製造方法。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳しく説明する。
本発明に用いられるセルロース系ポリマーとしては例えば、セルロースエステル、セルロースエーテルなどが挙げられる。セルロースエステルについて詳しく述べれば、セルロースアセテート、セルロースブチレートもしくはセルロースプロピオネートなどの脂肪族カルボン酸エステル、フタル酸エステルなどの芳香族カルボン酸エステル、硝酸セルロース、硫酸セルロースもしくはリン酸セルロースなどの無機酸エステル、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートフタレートもしくは硝酸酢酸セルロースなどの混酸エステル、またはポリカプロラクトングラフト化セルロースアセテートなどのセルロースエステル誘導体があげられる。セルロースエーテルについて詳しく述べれば、メチルセルロース、エチルセルロース、ベンジルセルロースもしくはカルボキシメチルセルロースなどがあげられる。
【0012】
好ましいセルロース系ポリマーはセルロースエステルであり、特に好ましくはセルロースアセテート(アセチルセルロース)ある。
【0013】
セルロースエステルの平均置換度は好ましくは1〜3程度である。セルロースエステルの平均重合度は、好ましくは10から1000であり、より好ましくは50〜900、特に好ましくは200〜800である。
【0014】
セルロースアセテートの酢化度は、好ましくは30〜62.5%の範囲であり、より好ましくは55%以上である。特に好ましくは58%以上の酢化度のセルロースアセテートである。
【0015】
次に使用される有機溶媒について説明する。本発明に用いられる有機溶媒は塩化メチレンのような塩素系溶媒を実質的に含まない。「実質的に含まない」とは、有機溶媒中の塩素系溶媒の割合が5質量%未満(好ましくは2質量%未満、より好ましくは含有しない)であることを意味する。
本発明において、溶媒の「主成分」であるとは、該溶媒が単一溶媒(純度99質量%以上)であること、または2種類以上の溶媒の混合溶媒中で該溶媒が最も比率(溶媒中の質量%)が高いことを意味する。混合溶媒の場合、主成分以外の溶媒は本発明で規定する溶媒でもよいし、本発明で規定する溶媒以外の他の溶媒でもよい。混合溶媒の一部が水の場合、水の比率は5質量%以下が好ましく、特に好ましくは2質量%以下である。
本発明に用いられる有機溶媒が2種以上の有機溶媒の混合溶媒の場合、主成分の溶媒の比率は30質量%以上であることが好ましく、80質量%以上が特に好ましい。本発明で用いることのできる有機溶媒は、炭素数2〜8のエステル系溶媒、炭素数4〜10のケトン系溶媒、または炭素数3〜6のアルコール系溶媒であり、炭素数2〜4のエステル系溶媒、炭素数4〜6のケトン系溶媒、または炭素数3または4のアルコール系溶媒が好ましい。これらは環状構造を有していても良い。
【0016】
更に詳しく述べれば、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸ペンチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルもしくは酢酸ヘキシルなどのエステル系溶媒、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンもしくはメチルシクロヘキサノンなどのケトン系溶媒、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、n−ペンタノール、n−ヘキサノール、エトキシエタノールもしくはエチレングリコールなどのアルコール系溶媒があげられる。
【0017】
特に好ましい溶媒はエステル系溶媒の単独、または混合溶媒である。
【0018】
セルロース系ポリマーに対して用いられる有機溶媒量は、通常、溶解したポリマーの有機溶媒溶液中の濃度が1質量%以上になる量であり、好ましくは2〜80質量%、特に好ましくは10〜70質量%になる量である。また、用いられる二酸化炭素の量は質量比で有機溶媒量100に対して好ましくは0.1〜50であり、特に好ましくは0.5〜30である。
【0019】
本発明の方法によりセルロース系ポリマーの粉体および溶液を製造する際、可塑剤、劣化防止剤、紫外線吸収剤、または/およびライトパイピング防止染料を添加しても良い。可塑剤としてはリン酸エステルまたはカルボン酸エステルが主に用いられ、具体例を挙げればトリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、もしくはビフェニルジフェニルホスフェートなどのリン酸エステル、またはジエチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジエチルヘキシルフタレート、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸トリブチル、オレイン酸ブチル、もしくはセバチン酸ジブチルなどのカルボン酸エステルである。
【0020】
劣化防止剤の具体例は、特開平5−197073号に記載の化合物である。紫外線吸収剤の具体例は、特開平7−11056号に記載の化合物である。ライトパイピング防止染料は、フィルムベースを着色してライトパイピングを防止できる有機溶媒可溶性染料であり、具体的にはスピリットブラック(中央化学社製)やニグロシンベースEX(オリエント化学工業社製)があげられる。
【0021】
次にセルロース系ポリマーを分散した有機溶媒を二酸化炭素に曝す方法について説明する。反応装置は高圧に耐える、加熱可能な装置である必要がある。一般に用いられる装置はオートクレーブと呼ばれる装置で、用いる圧力および溶媒により多様な装置が市販されており入手が容易である。本発明に用いられる装置はステンレス製で内部圧30Mpa(約300気圧)まで耐えうる通常のオートクレーブで十分であるが、最適条件を見出す実験では体積可変型オートクレーブが便利であり好ましい。
【0022】
具体的操作手順を次に示し本発明を説明する。オートクレーブ中にまず溶解させたいセルロース系ポリマーを必要量入れ、装置の蓋を閉じる。次に装置内の酸素を除くため二酸化炭素か窒素ガスでパージし、引き続き使用する溶媒をポンプで装置内に必要量導入する。次に二酸化炭素を装置内に導入する方法であるが、次の3つの方法を用いるのが一般的である。
すなわち、1)導入する二酸化炭素の量を別容器にて秤量し、それをポンプでオートクレーブ中に導入する方法、2)二酸化炭素ガスの流速と導入時間から導入量を決める方法、および3)内圧から導入した二酸化炭素量を決める方法である。
【0023】
オートクレーブ中の内圧は、装置の容積と導入した溶媒量および二酸化炭素量、そして温度で決まる。目的の温度と圧力を達成するには使用する溶媒量および二酸化炭素に応じて適切な容積のオートクレーブを選ぶ必要がある。逆にオートクレーブの容積が限定される場合はそれにあった溶媒量と二酸化炭素量を使用する必要がある。使用する二酸化炭素量が少量の場合に高い内圧を得るには、体積可変型オートクレーブを使用するか、窒素ガス等の他の高圧ガスでの加圧等の補助手段を用いる。使用する圧力は0.1〜100MPaであるが、好ましくは7.4〜60MPaである。30MPa以上の圧力をかけるには特別な耐圧オートクレーブが必要であるので特に好ましくは一般的オートクレーブを使用できる8〜30MPaである。
【0024】
二酸化炭素を導入後、溶解するために用いられる温度は20〜300℃であり、好ましくは31〜200℃である。特に好ましくは40〜180℃である。
【0025】
溶解に要する時間は、通常100時間以下であり、好ましくは1分〜30時間である。特に好ましくは30分〜10時間である。
【0026】
本発明において好ましい溶解時の温度・圧力は二酸化炭素の臨界温度および圧力以上である。二酸化炭素の臨界点は31℃(7.4MPa)である。
【0027】
セルロース系ポリマーを有機溶媒と二酸化炭素に曝して該ポリマーの有機溶媒溶液を得る方法を述べる。二酸化炭素を導入し加熱した場合は、まず室温に戻し、激しく泡立たない程度にバルブを少しずつ開き、オートクレーブの内部圧力が大気圧になるまで二酸化炭素を放出させる。この際、冷却した別容器に二酸化炭素を捕集することが好ましい。内部圧が大気圧になったら、やや加温し、有機溶媒中の二酸化炭素を十分に除去する。このようにして該ポリマーを高濃度で含有する有機溶媒溶液を得ることができる。
【0028】
次に粉体を得る方法について述べるが、上記のようにして得たセルロース系ポリマーの有機溶媒溶液をバンド式乾燥機にかけ、溶媒を完全に除去した後、クラッシャー(粉砕機)により粉末化する方法、または該有機溶媒溶液をノズルから高圧噴射することによって微細粉末化する方法など、通常行われる方法で行うことができ、目的により適宜使い分けるのが一般的である。
【0029】
【実施例】
以下に実施例に基づき本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
【0030】
参考例1)
酢化度と重合度の異なるセルロースアセテートを20g秤量し、内容積200mlの体積可変型オートクレーブに入れ、次に表1に示した本発明で規定する有機溶媒80gを注いだ。蓋をして窒素ガスボンベを連結し、容器内酸素を除くためにパージした後、排気口のバルブを閉め、引き続き液化二酸化炭素を送液ポンプで20g注ぎ込んだ。次に外部の温度を100℃に、装置内部体積を調節して内圧を10.0MPaにして1時間攪拌した。その後室温まで冷やし、内部体積を元に戻し、次にバルブを開いて二酸化炭素を装置外に除いた。このようにして試料1〜5を作成した。
次に有機溶媒としてアセトン、トリアセチン、エタノール又はメタノールを用いる以外は上記と同様にして、比較試料1〜4を作成した。
【0031】
結果を表1にまとめて示したが、試料1〜5は全て透明で均一な溶液であった。これはセルロースアセテートが完全に溶解したことを示す。比較試料1〜4は一部のみ溶解した膨潤したスラリー状態であった。
【0032】
【表1】
Figure 0004115658
【0033】
(実施例
参考例1において得られた試料1〜5および比較試料1〜4について、バンド式乾燥機で溶媒を除去し、クラッシャーによる粉砕を行い、得られた粉体を試料6〜10および比較試料5〜8とした。これらの試料について、参考例1で用いたのと同じ溶媒への溶解度を大気圧下で調べた。その結果を表2に示したが、本発明の試料6〜10は溶媒への溶解性(10質量%以上)を示したが、比較試料5〜8は低い溶解度しか示さなかった。
【0034】
【表2】
Figure 0004115658
【0035】
参考例2
酢化度と重合度の異なるセルロースアセテートを20g秤量し、内容積200mlのオートクレーブに入れ、次に表3に示した有機溶媒90gを注いだ。蓋をして窒素ガスボンベを連結し、容器内酸素を除くためにパージした後、排気口と導入口のバルブを閉め、他の導入口のバルブを開け、液体二酸化炭素を送液ポンプで10g注ぎ込んだ後バルブを閉めた。次に再度窒素ガス導入口のバルブを開け、加圧ポンプで窒素ガスを10.0MPaになるまで注ぎ込んだ。次に外部の温度を90℃に調節して1時間攪拌した。内圧は13.5MPaであった。その後室温まで冷やし、バルブを開いて二酸化炭素と窒素ガスを装置外に除いた。このようにして試料11〜15を作成した。
次に有機溶媒としてアセトン、トリアセチン、エタノール又はメタノールを用いる以外は上記と同様の操作を行い、比較試料9〜12を作成した。
【0036】
結果を表3にまとめて示したが、試料11〜15は全て透明で均一な溶液であった。これはセルロースアセテートが完全に溶解したことを示す。比較試料9〜12は一部のみ溶解した膨潤したスラリー状態であった。
【0037】
【表3】
Figure 0004115658
【0038】
(実施例
参考例2において得られた試料11〜15および比較試料9〜12について、バンド式乾燥機で溶媒を除去し、クラッシャーによる粉砕を行い、得られた粉体を試料16〜20および比較試料13〜16とした。これらの試料について、参考例2で用いたのと同じ溶媒への溶解度を大気圧下で調べた。その結果を表4に示したが、本発明の試料16〜20は溶媒への溶解性(10質量%以上)を示したが、比較試料13〜16は低い溶解度しか示さなかった。
【0039】
【表4】
Figure 0004115658
【0040】
参考例3
酢化度と重合度の異なるセルロースアセテートを10g秤量し、内容積200mlのオートクレーブに入れ、次に表5に示した有機溶媒100gを注いだ。蓋をして二酸化炭素ガスボンベを連結し、容器内酸素を除くためにパージした後、排気口のバルブを閉め、引き続き内圧が7.0MPaになるまで注入ポンプを用いて二酸化炭素ガスをチャージした。導入された二酸化炭素は、溶媒によってややバラツキがあるが、約20gであった。次に外部の温度を90℃に調節して1時間攪拌した。内圧は約8.7MPaであった。その後50℃まで冷やし、バルブを開いて二酸化炭素を装置外に除いた。このようにして試料21〜25を作成した。
次に二酸化炭素ガスボンベの変わりに窒素ガスボンベを用いる以外は上記と同様の操作を行い、比較試料17〜20を作成した。
【0041】
試料21〜25、および比較試料17〜20のいずれも50℃では透明で均一な溶液であった。その後25℃に冷却し、25℃で2日間放置した。その結果を表5に示した。
試料21〜25は、透明で均一な溶液を維持したが、比較試料17〜20はすべて一部ゲル化して白濁した。
【0042】
【表5】
Figure 0004115658
【0043】
【発明の効果】
本発明によれば、安全で安価な有機溶媒への溶解性が優れたセルロース系ポリマーの粉体を製造することができ、さらに高濃度の安定なセルロース系ポリマーの有機溶媒溶液を製造することができる。これにより環境負荷や毒性の大きい塩化メチレンのような塩素系溶媒を用いることなく、フイルムなどの成形材料を安価に製造することが可能である。したがって本発明は、生分解性ポリマー等にセルロース系ポリマーを利用する可能性をも拡大するものである。

Claims (3)

  1. セルロース系ポリマーの粉体を製造する方法において、該ポリマーを炭素数2〜8のエステル系溶媒、炭素数4〜10のケトン系溶媒または炭素数3〜6のアルコール系溶媒を主成分とする有機溶媒と二酸化炭素に曝して溶解させた後、二酸化炭素と有機溶媒を除去することを特徴とする該ポリマー粉体の製造方法。
  2. 溶解させる時の温度および圧力が二酸化炭素の臨界温度および圧力以上であることを特徴とする請求項記載の製造方法。
  3. セルロース系ポリマーが酢化度55.0%以上のセルロースアセテートであり、かつ、有機溶媒溶液中のポリマー濃度が10質量%以上であることを特徴とする請求項記載の製造方法。
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