JP4114356B2 - カセットホルダー装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録再生装置などに使用されるテープカセットを記録再生可能な位置へ案内するカセットホルダー装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
カセットサイズの異なる複数のカセットを選択的に使用する装置においては、大型カセット及び小型カセットの大きさの差、特に奥行き方向の差を起因としてカセット取り出し時におけるユーザーの適切な掴み代の確保が問題となる。小型カセットに十分な掴み代を確保しようと設定すると、大型カセットではそれは飛び出しすぎてしまう。また大型カセットで十分な掴み代とすると小型カセットは掴み代が十分でないという問題を起こす。
【0003】
そこで、これらの問題を解決する方法として、特開平9−180327「カセット式記録再生装置」が提案されている。同公報の図1を用いて、以下この発明について説明する。同公報図1に示すように大きさ及び厚さの異なる複数種類のテープカセット1及び2を用いるカセット記録再生装置において、カセット排出機構の排出ストロークをテープカセットの厚みの差を利用して切り替える排出ストローク切り替え手段を備えたものである。そして、カセットイジェクト時でのカセット強制排出量を小型カセット1は大きく、大型カセット2は小さくするものである。
【0004】
この発明のカセット式記録再生装置は、大きさD1、D2及び厚みH1、H2が異なる2種類のテープカセット1、2をカセット排出手段である同じカセット排出レバー8を用いて排出するカセット排出機構16とこれらのテープカセット1、2の厚みH1、H2の差を利用してそのカセット排出レバー8によるカセット排出ストロークを切り替える排出ストローク切り替え手段17を備えている。
【0005】
そして同公報図1(A)に示すように厚みH1が小さい小型テープカセット1のイジェクト時には、カセット排出レバー8による小型テープカセット1のカセットステージ6に対する矢印a‘方向への排出ストロークS11を大きくして、カセットステージ6がカセット挿入位置P1へ復帰したイジェクト完了時点では小型テープカセット1の後端1bのフロントパネル3外への突出量L1を大きくし、その後に、その小型テープカセット1の後端1bを手で容易につまんでフロントパネル3外へ容易に抜き取ることができる。
【0006】
一方、同公報図1(B)に示すように、厚みH2が大きい大型テープカセット2のイジェクト時には、カセット排出レバー8による大型テープカセット2のカセットステージ6に対する矢印a‘方向への排出ストロークS12を小さくして、カセットステージ6がカセット挿入位置P1へ復帰したイジェクト完了時点では大型テープカセット2の後端2bのフロントパネル3外への突出量L5が過大にならないように、この突出量L5を十分小さくできるようにしたものである。
【0007】
カセットの圧着機構は、図示しないが、カセットステージ6に取り付けられており、フロントパネル3のカセット挿入口4を内側から開閉する開閉蓋12に構成されている。開閉蓋12の下端側で左右方向ほぼ中央部の両側には小型カセット1を圧着するための左右一対のカセット圧着部13が一体で成形されている。
【0008】
さらに開閉蓋12には大型カセット2を圧着するための左右一対のカセット圧着部14が一体成形されている。この開閉蓋12は、カセットローディング開始前では、開閉蓋バネ39によって閉蓋位置にある。カセットローディング時には小型及び大型テープカセット1、2をカセット挿入口4を通してカセットステージ6内に挿入する際にカセットによって開閉蓋を押し開く。そして、カセットを挿入基準位置まで挿入して停止する。この開閉蓋12をカセット圧着バネ37によってカセットの上面に圧接させる。これによりカセットはカセットステージ6に圧着されて保持される。このカセットと共にカセットステージ6が挿入位置P1からP2を経て装着位置P3に至る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決を図るための第1の課題は、従来のカセット排出機構が大型及び小型のカセット厚の差を利用した排出ストローク切り替え手段であるために、厚さの差のない同一厚さの大型及び小型カセットについては、適用が不可能であるという点である。
【0010】
本発明の第1の目的は、上記の問題点を解決するために成されたものであり、小型カセットを保持し案内する手段と大型カセットを保持する手段を独立に構成し、同じ厚さのカセットであっても大型カセットの移動ストロークを小型カセットの移動ストロークよりも少なくすることができるカセットホルダー装置を提供するものである。
【0011】
本発明が解決を図るための第2の課題は、フロントパネルのカセット挿入口を覆う開閉蓋がカセット押さえと共用しているためにカセットが記録再生位置にあるときには、フロントパネル部のカセット挿入口を覆うものがなく、ましてや2個目のカセットの挿入防止を行うことができないという点である。
【0012】
本発明の第2の目的は、上記の問題点を解決するために成されたものであり、記録再生位置にカセットがあってもフロントパネル部を覆いかつ2個目のカセットが間違って投入されないように挿入防止機構を設けたカセットホルダー装置を提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
第1の課題を解決するための、本発明の第1の手段は、小型カセットを保持して案内するカセットキャリアと大型カセットの係止手段を有したサブカセットキャリアを相対的に移動可能に設けて、かつ大型カセットの一時停止手段を構成した。そのために大型カセットを排出方向で一時強制停止させカセットの装置外への排出量を少なくすることができる
第2の課題を解決するための、本発明の第2の手段は、カセットの移動空間内に露出してカセットを一時停止させてカセットの排出量を小さくすると共に、記録再生位置にカセットがあるときに、その一時停止手段をカセット移動空間に露出させたので、その状態では他のカセットが挿入口から挿入できない、2重挿入禁止機構を設けた
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明は、小型カセットと大型カセットが選択的に装着できるカセットホルダー装置であって、前記小型カセットを挿入もしくは取り出し可能な第1の位置から記録再生可能な第2の位置へ案内するカセットキャリアと、前記大型カセットの係止手段を有し前記カセットキャリアに相対的に移動可能なサブカセットキャリアと、前記大型カセットが移動する空間内に一部が露出し前記大型カセットを前記挿入口から排出されない位置で一時停止させる停止位置と前記大型カセットが移動する空間外に全てが退避した退避位置とを移動可能なカセット一時停止手段とからなるカセットホルダー装置であって、カセット一時停止手段でカセット排出動作時に大型カセットを一時停止させ小型カセットの排出ストロークよりも小さくして、大型カセットが装置外へ排出される量を小さくするという作用を有するものである。
【0015】
本発明は、小型カセットと大型カセットが選択的に装着できるカセットホルダー装置であって、前記小型カセットを挿入もしくは取り出し可能な第1の位置から記録再生可能な第2の位置へ案内するカセットキャリアと、前記大型カセットの係止手段を有し前記カセットキャリアに相対的に移動可能なサブカセットキャリアと、前記小型カセットが移動する空間内に一部が露出し前記大型カセットを前記挿入口から排出されない位置で一時停止させる停止位置と前記小型カセットが移動する空間外に全てが退避した退避位置とを移動可能なカセット一時停止手段と、前記カセット一時停止手段を前記小型もしくは大型カセットが前記第2の位置にあるときに前記停止位置とする一時停止制御手段とからなるカセットホルダー装置であって、カセット一時停止手段で大型カセットの排出量を減らすと共に大型もしくは小型カセットが記録再生位置にある場合にこのカセット一時停止手段により挿入口の一部を覆い他のカセットが挿入できないという作用を有するものである。
【0016】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
【0017】
記録フォーマットが同じであるが記録時間の異なる複数のカセットを使用するシステムがいくつか存在する。本発明の実施例の場合もこの様なシステムの1つで、例えばサイズの異なる3つのカセットを使用する場合として以下説明を進める。3つのカセットは、サイズの大きいほうからLカセット、Mカセット、Sカセットと以下称する。
【0018】
まずこの3つのカセットは、記録時間に対応してテープ長が異なり、結果リールへのテープ巻径がそれぞれ異なる。そのため、2つのリールのリール間ピッチもまたそれぞれ異なる。Lカセット101は前方中央部に2個の共通の位置決め孔101b、101cを有している。他のカセットも同じ位置決め孔を有しており、この位置決め孔を共通位置にして3つのカセットを配置すると、図2に示すように、供給リール101gと巻き取りリール101h間に架張されたテープを引き出すための引き出しポストが挿入可能な開口部101a、102a、103aが3つのカセットでほぼ同じ位置となる。
【0019】
これらの3つのカセットは、いずれも同じ厚さで構成されている。しかし図からわかるように、Mカセット102はLカセット101の空間内にあり、Sカセット103はMカセット102の空間内にある。また、左右方向では、中心線Yを中心に左右同一幅である。この図では、前面に架張する磁気テープを覆うフロントリッドを図示していないが、このフロントリッドを閉じた状態にロックするフロントリッドロック爪は、各カセットの前方左右位置101d、101e、102d、102e、103d、103eにそれぞれ存在する。
【0020】
図3、図4にてLカセット101のフロントリッドロック機構を説明するが、基本的には、他のカセットSカセット103、Mカセット102も同様の構成である。図2のK−Kから見た図が、図3及び図4である。Lカセット101のフロントリッドロック爪104は、軸104bを中心に回動自在に支持されており、図示しないバネにより矢印L方向に付勢されている。その先端にある爪部104aがフロントリッド105の一部に係合してフロントリッド105を図3の状態にロックしている。
【0021】
これに対して、メカニズム側の解除爪106がM方向から進入してくると、フロントリッドロック爪104は、バネ(図示せず)に抗して時計方向に回動してLカセットの側壁部101fに一端が当接して停止する。つまり、Lカセット101は、フロントリッドロック爪104を解除爪106と側壁部101fに挟まれた位置で停止し、位置が規定される。図5は、その解除爪106を含めて、メカニズム側の構成を表わしているが、詳細はメカニズムの構成の中で説明する。
【0022】
この様な構成のLカセット101、Mカセット102、Sカセット103をユーザーが取り出し可能な位置(取り出し可能な第1の位置)から記録再生可能な位置(記録再生可能な第2の位置)へそれぞれ直接案内が可能なカセットホルダー機構の構成を図6以降説明する。
【0023】
図6は、このカセットホルダー機構の概観図で、主に全体の駆動機構を示している。機構は、左右に右側板107、左側板108と天面に天板109を備えてなる。左側板108に駆動源であるモータ110を含めて歯車機構111が構成されている事を除けば左側板108も右側板107と基本的には同じような構成を成している。
【0024】
後述するメインホルダーを案内するL字溝107aとスライド孔107b、107cを備える。天板109は、4本のネジ152によって、右側板107、左側板108に固定されている。Lカセット101、Mカセット102、Sカセット103は、N方向から挿入、または、取り出しが可能となっている。カセットを保持したメインホルダーは図示するP方向にまず水平に移動し、その後垂直に移動を行う。これによって、カセットを所定位置に強固に位置決めし、内包する磁気テープを引き出し、記録再生が可能な状態に移行することが出来る。
【0025】
無論、カセット取り出しは、矢印Pとは逆方向にまず上昇し、水平に後退後、Nの方向からユーザーが取り出すことが可能となる。
【0026】
カセットの取り出しや、挿入を行うカセット挿入案内機構112が図7である。図7の状態は、カセットが装置に装着される以前の状態である。挿入案内機構112には、Lカセット101の横幅G3の幅とLカセット101の厚さよりも若干大きい高さの開口部を有するフロントパネル113とその開口部を覆うブラインダパネル114補助ブラインダ115が、設けられている。またSカセット103の横幅G3を挟んで両サイドにSカセットガイド機構116、Mカセット102の横幅G2を挟んで両サイドにMカセットガイド機構117が配置されている。Sカセットガイド機構116及びMカセットガイド機構117は、左右に対称形状構成であり、それぞれ左右連動して上下に移動可能に構成されている。フロントパネル113は、中央部上下にくぼみ113a、113bを形成しているが、これは、カセットを掴みやすくするためのものである。
【0027】
図8は、Lカセット101、Mカセット102、Sカセット103を保持して記録再生位置と取り出し可能位置間を往復動するメインホルダー機構118である。メインホルダー機構118は、コの字形状のカセットキャリアであるホルダー119とホルダー119の右側板部119a、左側板部119bを連結するスイッチ基板120とからなる。ホルダー119には、Sカセット103の横幅G3を挟んで両サイドにSホルダーガイド機構121、Mカセット102の横幅G2を挟んで両サイドにMホルダーガイド機構122が構成されている。またLカセット101は、右側板部119a、左側板部119bによって案内されるが、Lカセット101に係合して前後に移動するサブホルダー機構123が右側板部119a、左側板部119bの近傍に設けられている。また、右側板部119a、左側板部119bにカセットを下方に押圧するカセット押さえ機構127が回動自在に構成されている。スイッチ基板120には、Sカセット103、Mカセット102、Lカセット101をそれぞれ検出可能なSカセット検知スイッチ124、Mカセット検出スイッチ125、Lカセット検出スイッチ126が、設けられている。
【0028】
次に図18〜20で駆動機構を説明する。図19に示す様に、モータ110の出力は、歯車機構111を介してウォーム軸142に伝えられる。ウォーム軸142は、両端を回転自在に支持され、中央部でウォーム歯車143を一体的に構成している。このウォーム歯車143にはラックが歯合している。このラックは、相手がウォームであるため、ウォームの進み角だけねじれ角を有したいわゆるハスバ歯形となっている。つまりラックはハスバラック145なのである。これで、ウォームとラックという組み合わせながら、スムーズに駆動力の伝達が可能である。このハスバラック145は、メインラック板(S)144に植設された2本のハスバラック軸239にガイドされてスライド自在に支持されている。
【0029】
そして、ラックバネ146により、ハスバラック145はA方向に付勢されている。メインラック板(S)144には、傾斜溝(F)144a、傾斜溝(R)144bと中央上部に同期軸147を回動自在に支持するための軸受け148を備えている。左側板108にはL字溝108aと2本のスライド孔108b、108cが構成されているが、スライド孔108cには、同期軸147が係合している。さらにL字溝108aには、ホルダー軸A150がメインラック板(S)144の傾斜溝(R)144bを貫通して係合している。
【0030】
図18に示すようにモータ軸に固着されたモータギア165、中継ギア166、出力ギア230、カサ歯車(A)167、カサ歯車(B)168と連結しており、モータ出力が伝達されていく。出力ギア230とカサ歯車(A)167は一体構成である。カサ歯車(A)167とカサ歯車(B)は90度の角度で噛み合っている。カサ歯車(B)168は、ウォーム軸142に圧入されており、ウォーム歯車143と一体的に回転する。同期軸147の両端には差動ギア(S)161と差動ギア(T)162が一体的に構成されている。
【0031】
そして、それぞれ、右側板107と左側板108に固定された、固定ラック(S)163と固定ラック(T)164に歯合している。ハスバラック145とともにメインラック板(S)144が移動すると、メインラック板(S)108に設けられた軸受け148 によって同期軸147が移動させられる。この時に同期軸147に差動ギア(S)161が一体的に構成されているために、固定ラック(S)163によって差動ギア(S)161と同期軸147は回転させながら移動する、つまり転動することとなる。その回転力は、差動ギア(T)162に伝達され、その回転力で、固定ラック(T)164に対して相対的に移動する力となり、同期軸147の差動ギア(T)162側を移動させる。その結果、同期軸147を支持するメインラック板(T)231を移動させる。このようにして、左右のメインラック板(S)144(T)231は同期して移動することが出来る。メインラック板(S)144とメインラック版(T)231は、蹴り出しプレート175のラック固定部175a、175cにネジ固定されているために、左右のメインラック板(S)144(T)231と蹴り出しプレート175と一体構成である。
【0032】
図21に示すようにサブホルダー機構123は、ホルダー119の底面に配置され、2本のホルダーガイドピン189によってホルダー119に対して前後にスライド自在に支持された中継部材であるサブホルダープレート181と、そのサブホルダープレート181に対してスライド自在に支持されたサブカセットキャリアであるLリッドロック解除爪レバー191からなる。サブホルダー181は、通常サブホルダーバネ180によって、U方向に付勢されている。また、Lリッドロック解除爪レバー191は、Lカセット101のフロントリッド105のロックを行うフロントリッドロック爪104に相対してロックを解除するロック解除爪191dをサブホルダープレート181及びホルダー119を貫通してカセット空間に露出している。そして、解除爪バネ190によってサブホルダープレート181に対してV方向に付勢されている。よって通常は、サブホルダープレート181は、ホルダーガイドピン189にガイド孔181bの一端が係止した図21の位置関係にある。同様にLリッドロック解除爪レバー191はロック解除爪191dが、サブホルダープレート181の爪規制孔181cの一端に係止した図21の位置関係にある。192は、Lカセットが挿入されたことを報知するL挿入検知スイッチ(カセット位置検知スイッチ)である。
【0033】
図12は、すでに記録再生位置にカセットがあるときに、他のカセットを間違って挿入しないようにするためのカセット2重挿入防止を説明する図である。なおカセット2重挿入防止機構は、後述するLカセットの一時停止機構と兼用である。
【0034】
図12はカセット挿入側から見た図であるが、すでに1つのカセットが記録再生可能位置にある場合の構成である。Sカセットガイド(S)128、(T)129、Mカセットガイド(S)133、(T)132は、バネによって、上方位置にある。これは、カセットが挿入されていない状態と同じである。ブラインダパネル114もまたカセットが挿入されていない状態と同様、バネによってカセット開口部を覆っている。しかし、図7でブラインダパネル114の中央の切り欠き部にあった補助ブラインダ115の位置には、挿入防止パネル204が位置している。この挿入防止パネル204は、図12、13,14のように上方に付勢された状態では図1にある様にLカセット101、Mカセット102、Sカセット103が移動する空間内に一部が露出している。そのため例えばLカセット101をフロントパネル部113から挿入することもできないし、逆に記録再生位置から排出されたLカセット101もこの挿入防止パネルでその排出が停止される。
【0035】
この構成をさらに詳細に図13及び14にて説明する。ガイド基板131にネジ固定されたパネルガイドプレート205は、挿入防止パネル204(カセット一時停止手段)の周囲を覆う構成であり、挿入防止パネル204を上下にスライド可能に支持している。挿入防止パネル204の中央部には、係合長孔204aが形成され、パネル駆動レバー206の一端に植設されたパネル駆動軸211に係合している。パネル駆動レバー206はパネルガイドプレート205の植設されたレバー軸209に回動自在に支持されており、他端に駆動アーム207(一時停止制御手段)の駆動ピン208に係止可能な当接部206aを有している。また、この駆動アーム207は、右側板107に植設されたアーム支軸212に回動自在に支持され、同じく右側板107に植設された2本のアームガイド軸210に位置規制されている。通常パネル駆動レバー206は、Z方向にバネによって付勢されており、挿入防止パネル204は図13に示すように上方に位置している。そのため、ブラインダパネル114にブラインダ軸115a、115bによって回動自在に支持された補助ブラインダ115は、挿入防止パネル204によって後方へ回動させられている。よって、図12の状態では、ブラインダパネル114の下方には補助ブラインダ115ではなく挿入防止パネル204が位置している。ブラインダパネル114は、パネル支軸によりフロントパネル113に回動自在に支持されている。そして図示しないバネによってX方向に付勢されている。また補助ブラインダ115も図示しないバネによってY方向に付勢されている。
【0036】
図15に、ブラインダ駆動機構を示す。右側板107に植設された軸によって、ブラインダ駆動レバー213と連結アーム214は、軸受け孔213a、214aを中心に回動自在に支持されている。連結アーム214は、一端がブラインダ駆動レバー214に係合し、他端の駆動ピン部214bがブラインダパネル114に当接している。この駆動機構によって、ブラインダパネル114と補助ブラインダ115をバネに抗して回動させ、カセット挿入口を開放する。
【0037】
以上の構成のカセットホルダー機構についてその動作を以下説明する。まず、カセットの移動軌跡について、図9及び図17で説明する。図9は、カセットが、取り出し可能位置と記録再生可能位置を側面から示した図である。(a)は、Sカセット103とMカセット102を便宜上重ねて表示したものである。Sカセット103s、Mカセット102s(実線で示す)はそれぞれのカセットをホルダー119に挿入した位置である。この状態からカセットを水平方向に寸法Aだけ移動し、寸法Tだけ垂直方向に移動した結果が想像線で示すSカセット103pとMカセット102pである。M1、M2で示す線は、各カセットの位置決め孔(Lカセット101では図2に示す101b、101c)を示すものである。この位置決め孔は記録再生位置では全てのカセットで共通であるため、今Lカセットの記録再生時での位置をM2の位置に合わせて101pとし、水平方向の移動量をA、垂直方向の移動量をTとすると、当然図(b)のように、カセット挿入位置は、実線で示す101sとなる。カセットは、取り出し時にカセット蹴り出し機構でホルダーの移動量よりも少しだけ多く水平移動を行う。その蹴り出し量を仮にHとおく。そうすると最も小さいカセットSカセット103は、カセット取り出し時には、(a)に示す想像線となり、フロントパネル113のくぼみ113a、113bの底面位置113cからJ1だけ突出した位置になる。Mカセット102は、長さJ2となり、Lカセット101は長さJ3となる。これは、それぞれカセットの大きさの差がそのまま長さ差になっている。最も小さいカセットであるSカセット103では、その長さJ1を取り出すに必要な最低限の長さを確保すると、Lカセット101での飛び出し長さJ3はカセットのサイズ差分だけ長くなり、非常に大きな飛び出し量となる。この様な大きな飛び出し量J3は、フロントパネル113の前の空間を非常に大きく必要とする。例えば、カセットを多数収納して、必要なカセットを自動的に選択して装置に送り込むいわゆる、カートマシンでは、待機すべきカセット201とフロントパネル113の距離をJ4としたときには、当然J4>J3という関係でなくてはならない。そのため、そのままカートマシンの大型化を招く事となる。
【0038】
また、実線で示す101sの位置がカセット吸い込みスタートの位置となるが、Lカセット101はJ3−Hだけ飛び出しているので、ユーザーが無理にカセットを挿入しても装置が破壊しないように防止するために設ける挿入方向のダンパーストロークも非常に大きくなりメカニズムの構成が非常に難しくなる。
【0039】
その様な問題を解決する為には、水平方向のストロークを減らすことが必要である。そこで、本発明では、(c)に示すようにLカセット101の蹴り出し完了位置をMカセット102と同じとした。これによって、Lカセット101を使用することによる寸法的なデメリットは解消される。これを実現するには、Lカセット101の場合だけ水平ストロークを他のカセットの水平ストロークAよりもCだけ短くしてBとしなければいけない。その様な基本的な考え方に沿って、Lカセット移動機構の考え方を示したのが図17である。この図では、中心線を挟んで上にMカセット102を下にLカセット101を重ねて表示した。水平移動のストロークについての説明なので、垂直移動は割愛した。図17の(a)は、図9の(a)と同じ、ホルダー119へカセットを挿入完了し挿入完了のスイッチが動作する位置である。図17の(g)は蹴り出し完了位置であり、Mカセット102kとLカセット101kの背面が同一面になっていることがわかる。図17の(f)は蹴り出し直前の位置で(a)と同じ位置関係である。今Lカセット101の蹴り出しストロークを11.5mm、Mカセット102の蹴り出しストロークを14mmとすると、(a)でのLカセット101cとMカセット102cの背面は相対的に2.5mmの差がある。その状態から、水平全ストロークAに対してBだけ移動後、Lカセット101は、その位置101dで停止する。Mカセット102は、全ストロークAだけ移動し102dから102eへと至る。LカセットはC=A−Bの区間は停止しているので、101eも101dと同じ位置である。この後垂直移動に移る。記録再生可能位置でのLカセット101とMカセット102の相対位置関係は、(c)の位置関係である。再びカセット取り出し指令に従ってカセットが上昇を完了した位置は、(c)の位置である。この位置からストロークDだけMカセット102、Lカセット101は後退し、102f、101fの位置となる。この位置で、再びLカセット101を停止させる。その停止間にMカセットは102fから102gへとストロークCだけ移動する。そのストローク移動が完了して(e)の位置関係になったら、Lカセット101の停止を解除する。よって以降再びMカセットと同様ストロークFだけ移動し、Lカセットは101hにMカセットは102hに至る。この移動ストローク間中に蹴り出し機構が作用して、Mカセット102は14mm、Lカセット101は11.5mmけりだされ、(g)の位置に至る。この位置でカセット取り出し操作は完了する。つまり、Mカセット102がAだけ水平移動する間にLカセット101を一時的にCだけ停止させる区間を設けるのである。これによって、Lカセット101は水平移動ストロークをB(=A−C)に減らすことが出来る。
【0040】
この様な考え方に沿ったカセットホルダー機構の動作を以下説明する。Mカセット102をカセット取り出し位置から記録再生位置に案内する場合について説明する。図7の状態で、Mカセット102を挿入する。この図7の状態では、駆動アーム207がホルダー駆動機構によって、図13のG方向に最大回動しているために、駆動ピン208がパネル駆動レバー206を反時計方向(Z方向と逆方向)に回動させ挿入防止パネル204をバネに抗して図16の如く押し下げている。よって、挿入防止パネル204はMカセット102の移動空間外(開口部の中央に位置しているので、Sカセット103、Lカセット101の移動空間外でもある)にありMカセット102の挿入の障害となることはない。つまり、挿入防止パネル204は、カセットの移動空間外の退避位置ある。また、フロントパネル113のカセット開口部には、ブラインダパネル114と補助ブラインダ115が位置している。特に補助ブラインダ115は、図16にあるように挿入防止パネル204の上方に位置してブラインダパネル114の切り欠き部114bを覆っている。
【0041】
Mカセット102の横幅は、G2である。よって、Mカセットガイド機構117に沿って案内されながら挿入することとなる。Sカセットガイド(S)128、Sカセットガイド(T)129は、Mカセットガイド(S)133、Mカセットガイド(T)132よりも少しだけ奥に位置している。よって、まずMカセット102は、Mカセットガイド(T)132、Mカセットガイド(S)133の挿入案内部132b、133bに案内されながら進入していくこととなる。
さらにMカセット102を挿入していくと、Mカセット102は、ブラインダパネル114に当接し、ブラインダパネル114を図15と同様(図15は、連結アーム214によって強制的に回動させられているが)パネル支軸114aを中心にバネに抗してMカセット102自身で回動させる。さらにMカセット102を挿入していくと、ホルダー119に至り、図8の左右のSホルダーガイド機構121をカセット自身でカセット下方に退避させながらMカセット102は進入していく。そうしてMカセット102は、図8にあるMホルダーガイド(T)196、Mホルダーガイド(S)235に案内されながらさらに挿入されていく。やがて、Mカセット102のフロントリッドの回動をロックしているリッドロック爪がMリッドロック解除爪レバー197の爪部197bに当接する。図4でLカセット101のフロントリッドロック爪104について説明したが、Mカセット102でも同様にフロントリッドロック爪がMカセット102の側壁部に当接することによって、Mカセット102の進入方向の位置を決める構造となっている。このMカセット102の挿入で、Mカセット102の上面部によりカセット押さえ機構127のカセット押さえ軸177が、アーム支軸178を中心に回動させられ、結果Mカセット102をホルダー119の底面に対して弾性的に付勢する。この付勢力でMカセット102をホルダー119が保持して以下一体的に移動させられていく。
【0042】
Mカセットが最終位置まで挿入されると、モータ110に通電されモータギア165、中継ギア166、カサ歯車(A)167、カサ歯車(B)168、ウォーム歯車143へと回転力が伝達される。ウォーム歯車143の回転によって、これに噛み合うハスバラック145をA方向(図19、図18)に移動させる。ハスバラック145とともに、ハスバラック軸239を介してメインラック板(S)144も一体的にA方向に移動させる。メインラック板(S)144に構成された軸受け148を介して同期軸147をもA方向に移動させる。メインラック板(S)144は、この同期軸147とラック板軸153が左側板108のスライド孔108b、108cに係合しているのでそのスライド孔に沿って水平に(A方向に)移動する。同期軸147は、差動ギア(S)161と固定ラック(S)163により回転しながらA方向へ進むことになり、いわゆる転動という動きをする。このため、同期軸147を介して、差動ギア(S)161の相対した位置にある差動ギア(T)に回転力を伝達する。差動ギア(T)161と固定ラック(T)により、差動ギア(T)側もA方向に前進する推力を得る。これが、メインラック板(T)231をA方向に移動させる力となる。よって、メインラック板(S)144とメインラック板(T)231は、同期してA方向に進むことが可能となる。
【0043】
メインラック板(T)231が少し進むと、その移動からブラインダ駆動レバー213を図15のE方向に回動させる変位を得て、連結アーム214の駆動ピン部214bを時計方向に回動させる。ブラインダパネル114はMカセット102によってすでに回動されているが、この駆動ピン214bによってさらにブラインダパネル114をパネル支軸114aを中心に回動させ、ブラインダパネル114はMカセット102から離間して保持されることとなる。
【0044】
さらにメインラック板(T)231が進み、Mカセット102が完全にブラインダパネル114や挿入防止パネル204位置を通過した後、メインラック板(T)231の移動に連動して、図13、14に示す駆動アーム207をG方向とは逆方向の反時計方向に回動させる。それによって、駆動ピン208によるパネル駆動レバー206のG方向への回動付勢力が開放され、パネル駆動レバー206は、図示しないバネによってZ方向に回動させられる。パネル駆動軸211によって挿入防止パネル204は上方へ移動させられ、挿入防止パネル204の一端がパネルガイドプレート205に当接して弾性的に付勢された状態で保持される。図では、補助ブラインダ115と挿入防止パネル204が接触しているが、この時点ではまだブラインダパネル114は、開放されているために図15のような関係にあり干渉は起きていない。
【0045】
連結アーム214にてカセット挿入空間から退避させられた位置に保持されていたブラインダパネル114は、水平移動完了ポイント前後で再びカセット開口部を覆う位置に復帰する。それはブラインダ駆動レバー213が駆動機構によって時計方向に回動させられて、連結アーム214を押圧することがなくなり、ブラインダパネル114は、バネによって時計方向に回動、カセット開口部を覆う図14の姿勢に復帰する。なお、この時に補助ブラインダ115は、挿入防止パネル204が図13、図14のようにバネで上方に付勢されているために、挿入防止パネル204に当接した位置で停止する。この状態をフロントパネル113の前面からから見ると図12となる。カセット開口部はブラインダパネル114と挿入防止パネル204、Sカセットガイド(S)128、Sカセットガイド(T)129、Mカセットガイド(S)133、Mカセットガイド(T)132によって覆われている。
【0046】
Mカセット102が、記録再生可能な位置にある時には、図12、図14の如く、カセット開口部はブラインダパネル114と挿入防止パネル204、Sカセットガイド(S)128、Sカセットガイド(T)129、Mカセットガイド(S)133、Mカセットガイド(T)132によって覆われている。そこで、例えばこのときにSカセット103をカセット開口部から挿入しようとすることを考えて見る。Sカセット103をその本来の位置であるG1の範囲で挿入すると、図1に示すように挿入防止パネル204に当接する。挿入防止パネル204は、パネルガイドプレート205にガイドされバネにより上方に付勢されているという簡単な構造であるが、図13のF方向からSカセット103挿入の力を受けても、挿入防止パネル204は、下降することはない。また、Sカセット103を側面から挿入しようとしてもこの挿入防止パネル204は中央に位置しているために同じように侵入は許されない。このように最も小さいSカセット103をいずれの姿勢でも挿入することはできない。
【0047】
挿入防止パネル204は、単に上方にバネ付勢しているだけなので、ユーザーが挿入防止パネル204を上方から押さえれば簡単に下げることができる。さらにブラインダパネル114もまたバネ付勢されているだけなので、簡単に開放させることができる。つまり、ユーザーが望めば、簡単にカセット開口部は開放させることができる。
【0048】
カセット取り出し指令が発せられると、モータ110が逆に回転して、歯車機構111を介してウォーム歯車143を回転させ、ハスバラック145を図18の矢印Aとは逆方向に移動させる。こうして、ホルダー119は左側板108のL字溝に沿って上昇を開始する。上昇動作を完了し、水平動作に入る前後で、ブラインダパネル114を再び、図15の示すように連結アーム214により強制的に開放させる。その状態で、ホルダー119を水平移動させて、後退させていく。挿入防止パネル204は、Mカセット102が挿入防止パネル204を通過する以前にMカセット102の移動空間外の退避位置に移動させられる。またブラインダパネル114もMカセット102がブラインダパネル114の下を通過した後のモータ停止直前に開放を解除してバネにより開口部を覆うことが可能になる。やがて、Mカセット102はカセット取り出し可能な位置に至り、モータは通電を停止し、駆動機構は停止する。
【0049】
次に最も大きなカセットであるLカセット101を挿入した場合について説明をする。これについても基本的な動作は、Mカセット102の場合と同じであるが、重複を避けるために、異なる部分を中心に説明を進める。
【0050】
まず、Lカセット101をカセット開口部に挿入する。Lカセットは、図7のG3に相当する幅を有しているので、Sカセットガイド機構116、Mカセットガイド機構117をも含んでしまう。よってSカセットガイド機構116及び、Mカセットガイド機構117をカセット自身で移動空間外の下方へ付勢して進入していく。この時にLカセット101は、フロントパネル113の側壁面113cに案内されて進入していく。さらにブラインダパネル114も回動させて、ホルダー119に至る。さらにLカセット101を挿入させていくと、Lカセット101のフロントリッドロック爪104がLリッドロック解除爪レバー191のロック解除爪191dに当接。ロック解除爪191dを解除爪バネ190に抗して後退させる。さらに進むとロック解除爪191dは、ホルダー119に形成された爪逃げ孔119cの端面部119kに当接してLカセット101の挿入は完了する。(図11)この時には、Mカセット102の場合と同様、フロントリッドロック爪104が解除爪106(ロック解除爪191d)に押されて側壁部101fに当接してLカセット101の進入方向の位置が規制される。この最終位置に至るとモータに通電の指令を発する。
【0051】
このLカセット101の進入でLカセット101の天面にカセット押さえ軸177が作用して、Lカセット101をホルダー119に押し付けている。図21に示すようにLカセット101のLリッドロック解除爪レバー191のロック解除爪191dはMリッドロック解除爪レバー197の爪部197bよりも前方にあるため、Lカセット101は、Mカセット102よりも前方にまで挿入ができる。その差は、図17における図(a)の位置関係である。Mカセット102とLカセット101はカセット奥行きの差が23mmあるにも関わらずカセットをホルダー119に挿入した状態では、カセットの背面は相対的に2.5mmとほぼ同じ位置となるまでLカセット101がMカセット102よりもたくさん挿入されていることがわかる。この差がほぼそれぞれのリッドロック解除爪の位置差である。その状態で、さらに水平移動を進めると、図11のサブホルダープレート181の係止部181aが右側板107や左側板108を固定している基板(図示せず)の一部のサブカセットキャリア停止手段であるホルダーストッパー(図示せず)に当接する。そのため、サブホルダー181はそれ以上の移動はできなくなる。サブホルダープレート181が停止後もホルダー119は水平移動を続ける。よって、サブホルダー181は2本のホルダーガイドピン189に案内されながら、その位置に停止してサブホルダーバネ180が引き伸ばされていく。
【0052】
この様に、ホルダー119は、左側板108L字溝108aの水平溝108eの範囲は水平移動を続けるが、サブホルダー181はその中途で停止させるため、Lカセット101も水平移動の途中で停止させられる。こうして、ホルダー119が水平溝108eを移動完了した位置では、ホルダーとともに移動するMカセット102のフロントリッドの前面部と途中で停止させられたLカセット101のフロントリッドの前面部はほぼ同一面となる。図17で説明すると、Mカセット102は、ホルダー119とともにストロークAだけ移動する。Lカセット101は、ストロークBだけ移動したところで、停止させられる。よって、Mカセット102がストロークAを移動完了した時には図(c)の様になる。最初にユーザーがLカセット101をMカセット102よりも多く挿入したその差だけ、Lカセット101を停止させるという考え方である。この後、ホルダー119が垂直移動に移ると、サブホルダープレート181の係止部181aはホルダーストッパーに当接したまま摺動しながら下降していく。その後、Lカセット101を高さ決めピンに圧着させる動作は、Mカセット102と同じなので、割愛する。このカセット装着動作での挿入防止パネル204の動きはMカセット102の時と全く同じで、挿入開始時には、図16のようにLカセット101の移動空間外に強制的に退避させられている。しかしLカセット101がこの挿入防止パネル204の上方を通過すると、挿入防止パネル204の一部がLカセット101の移動空間内に露出して図1、図13、14、15のように上方に移動した停止位置にバネにより復帰させられる。その状態のまま、Lカセット101は記録再生位置に至るので、記録再生状態では挿入防止パネル204がフロントパネル113開口部の中央の一部を覆うことになり、Mカセット102のときに説明したようにSカセット103を含めどのカセットも挿入することができない。つまり2重挿入防止機能を有するものである。
【0053】
カセット取り出し指令が発せられた後の動作も基本的には、Mカセット102の場合と同じであるが、サブホルダー180関連とLカセット101の動きが多少異なるのでその点を中心に説明する。
【0054】
垂直移動が完了して、水平動作に移ると、ホルダー119は水平溝108eに沿って後退をしていくが、サブホルダー181はサブホルダーバネ180によって、サブホルダーストッパーに当接を続けるが、やがてサブホルダー181もホルダー119と一体になって後退をする。サブホルダー181にLリッドロック解除レバー191はバネ付勢されかつ位置規制がされているために、Lリッドロック解除レバー191はサブホルダー181とともに停止した状態が一定区間続く。一方Lカセット101は、カセット押さえ軸177によってホルダー119に押圧されているため、その摩擦力でホルダー119とともに後退をする。よってLカセット101のフロントリッドロック爪104とロック解除爪191d間には相対的に距離ができる。
【0055】
やがて、Lカセット101は、その背面部が挿入防止パネル204に当接する。(図1)Lカセット101は摩擦力で移送されていたので、ホルダー119はその後も水平移動を続けるが、Lカセット101はこの挿入防止パネル204によって一時停止させられる。図17で説明すると、垂直移動が完了した(c)の図の位置から後退を開始し、Lカセット101は距離Dだけ後退した後、挿入防止パネル204によってMカセット102が(ホルダー119が)距離Cだけ移動する時間だけ停止させられる。実質は距離Cの移動が完了する直前に一時停止制御手段によって、駆動アーム207を時計方向に(G方向)回動、駆動ピン208を介してパネル駆動レバー206が反時計方向に(Z方向と逆方向)回動する。それによって、挿入防止パネル204は下降して、Lカセット101の移動空間外に退避する。結果Lカセット101は再びホルダー119とともに後退を始める。しかし、この一時停止でLカセット102の水平ストロークは短くなり、図17の(g)にあるように最終的にはMカセット102とその背面位置が同じとなる。
【0056】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、大型カセット(Lカセット)の挿入方向のストッパーとなる係止手段(Lリッドロック解除爪)を有したサブカセットキャリア(Lリッドロック解除爪レバー)が、小型カセット(SもしくはMカセット)を保持するカセットキャリア(ホルダー)に対して相対的に移動可能に構成してあるので、ホルダーを直接に駆動して水平方向に一定量移動させたときに、Lリッドロック解除爪レバーは、何らかの手段により水平方向の移動ストロークを容易に変えることができる。つまりLカセットとMカセット(Sカセット)に任意の移動ストロークを簡単に与えることができる。また、一時停止手段(挿入防止パネル)を設けたので、Lカセット101が摩擦力でカセットキャリアと共に排出されてきてもこの一時停止手段によりLカセット101を一時的に強制的に停止させるので、確実にLカセットの排出方向のストロークを短くすることができる。結果実施例でも説明したようにカセット排出完了位置では、両カセットの背面部の位置をほぼ同等にできるほど大きな改善をすることができる。さらに言えば、ストロークを自由に設定できるわけだから、Lカセットの飛び出し量を実施例よりもさらに小さくしてSカセットと同じにすることもできる。
【0057】
また、Lカセット101をこの一時停止機構で確実にストロークを減少させることができるので、Mカセット102やSカセット103の搬送手段であるホルダー119に保持して同様に搬送する構成とすることができる。もしこの一時停止機能がなければ、Lカセット101は、ホルダー119の下面にあるサブホルダープレート181と一体的に動く構成をとらざるを得ず、例えばサブホルダー181をホルダー119の上面に配置するなどの制限がでてくる。この一時停止機構でその必要もなく構成が実施例のように非常にシンプルになる。
【0058】
また、本発明によれば、一時停止手段(挿入防止パネル)をカセットが記録再生位置にあるときもカセットの移動空間にその一部を露出させているので、他のカセットを間違って挿入することを防止することができる。この2重挿入防止とLカセットの排出を一時的に停止させて水平移動ストロークの減少を図るという機能を兼用して設けているので、部品点数を少なくして合理的なメカニズムの設計が可能となっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】Lカセット排出時の一時停止中での挿入防止パネル構成図
【図2】S、M、Lカセットの平面図
【図3】Lカセットのリッドロック機構ロック状態図
【図4】Lカセットのリッドロック機構ロック解除状態図
【図5】Mカセット挿入時のホルダーガイド機構正面図
【図6】カセットホルダー装置主要部の構成図
【図7】カセット挿入開口部カセット未挿入状態図
【図8】カセットホルダー外観図
【図9】カセット移動軌跡説明図
【図10】カセット未挿入でのサブホルダー機構構成図
【図11】Lカセット挿入完了時のサブホルダー機構構成図
【図12】カセットが記録再生可能位置にあるときのフロントパネル部の正面図
【図13】カセットが記録再生可能位置にあるときのフロントパネル部の構成図
【図14】カセットが記録再生可能位置にあるときのフロントパネル部の構成図
【図15】駆動機構の左側面サイドの構成図
【図16】Lカセット排出時の一時停止中での挿入防止パネル構成図
【図17】カセット移動説明図
【図18】左右同期をとる駆動機構構成図
【図19】駆動機構構成図
【図20】左右のメインラック板構成図
【図21】カセット未挿入でのS/Mホルダーガイド機構構成図
【符号の説明】
101 Lカセット
102 Mカセット
103 Sカセット
119 ホルダー
123 サブホルダー機構
181 サブホルダープレート
204 挿入防止パネル
207 駆動アーム
Claims (4)
- 記録媒体を内蔵したカセットを装着して前記記録媒体に信号の記録または再生を行う装置であって、
小型カセットと大型カセットとを選択的に装着可能であり、
これらカセットを挿入する挿入口を前面に設け、
前記カセットを前記装置から取り出し可能な第1の位置及び記録再生可能な第2の位置へ保持しつつ案内するカセットキャリアと、前記大型カセットの係止手段を有し前記カセットキャリアに相対的に移動可能に設けられたサブカセットキャリアと、前記大型カセットが移動する空間内に一部が露出し前記大型カセットを前記挿入口から排出されない位置で一時停止させる停止位置と前記大型カセットが移動する空間外に全てが退避した退避位置とを移動可能なカセット一時停止手段とからなるカセットホルダー装置。 - 小型カセットと大型カセットが選択的に装着できるカセットホルダー装置であって、前記小型カセットを挿入もしくは取り出し可能な第1の位置から記録再生可能な第2の位置へ案内するカセットキャリアと、前記大型カセットの係止手段を有し前記カセットキャリアに相対的に移動可能なサブカセットキャリアと、前記大型カセットが移動する空間内に一部が露出し前記大型カセットを前記挿入口から排出されない位置で一時停止させる停止位置と前記大型カセットが移動する空間外に全てが退避した退避位置とを移動可能なカセット一時停止手段とからなるカセットホルダー装置。
- 小型カセットと大型カセットが選択的に装着できるカセットホルダー装置であって、前記小型カセットを挿入もしくは取り出し可能な第1の位置から記録再生可能な第2の位置へ案内するカセットキャリアと、前記大型カセットの係止手段を有し前記カセットキャリアに相対的に移動可能なサブカセットキャリアと、前記小型カセットが移動する空間内に一部が露出し前記大型カセットを前記挿入口から排出されない位置で一時停止させる停止位置と前記小型カセットが移動する空間外に全てが退避した退避位置とを移動可能なカセット一時停止手段と、前記カセット一時停止手段を前記小型もしくは大型カセットが前記第2の位置にあるときに前記停止位置とする一時停止制御手段とからなるカセットホルダー装置。
- 前記カセット一時停止手段は、前記挿入口の少なくとも一部を覆う位置に配置されている、請求項1から3に記載のカセットホルダー装置。
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