JP4114048B2 - エポキシ樹脂組成物及びその製法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐熱性及び靱性、並びに接着性及び/又は難燃性が改善されたエポキシ樹脂組成物及びその製法に関する。
【0002】
【従来の技術】
エポキシ樹脂は接着性、耐熱性、機械的性質の良さから接着剤、電気・電子材料、構造材料分野で幅広く使用されているが、現在でも、各分野で高性能化が要求されている。たとえば輸送機器分野における接着剤においては、高接着強度・高耐熱性だけでなく、環境条件が変わっても性能を保持できる高信頼性が求められている。また、電気・電子材料分野、特にガラス基材積層板においては、薄肉多層化の進行のため、マトリックス樹脂の低線膨張係数化、高弾性率化、強靭化が求められている。さらにこれらの分野に共通して、環境に負荷をかけない難燃化が要求されるとともに、個々の性能の向上はもとより、それらのバランスの良さが求められてきている。
【0003】
ところが、架橋密度を高くして耐熱性を向上させると、靭性が低下するなど、各種物性を同時に向上させることは困難であった。靭性を向上させる方法として液状ゴムの添加が古くから行われてきたが、耐熱性が優れた架橋密度の高いエポキシ樹脂では靭性改善の効果が小さく、また耐熱性が低下するという問題があった。
【0004】
一方、エポキシ樹脂と(メタ)アクリレートのそれぞれを同時に硬化させて得られる相互貫入高分子網目(IPN:Interpenetrating Polymer Network)構造は耐熱性の向上、靭性の向上に寄与することが明らかになっているが、耐熱性が向上する系では靭性の向上は小さく、耐熱性と靭性を両立すべき点については、さらなる改良の余地があった。
【0005】
また、近年、ポリマーマトリックス中に層状珪酸塩を加える試みが報告されているが(例えば、特許文献1を参照)、耐熱性、靱性、接着性、難燃性についても満足できるものではなかった。しかも、ポリマーマトリックスとしてIPNを用いる点についてはこれまでに報告例はない。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−335680号公報(請求項1)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このため本発明者らは、エポキシ樹脂の耐熱性と靭性を同時に向上させ、また接着性、難燃性を改良する方法について検討を行った。その結果、上記IPNをマトリックスとし、そこに有機親和性を有する層状珪酸塩を分散させることによって得られるナノコンポジットが所望の特性を有することを見出すに至った。
【0008】
従って本発明の目的は、耐熱性、靭性に優れ、かつ接着性、難燃性が改良されたエポキシ樹脂組成物及びその製法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、以下のするエポキシ樹脂組成物を提供する。
項1 エポキシ樹脂(A)、エポキシ樹脂用硬化剤(B)、(メタ)アクリレート(C)、及び(メタ)アクリレート用硬化剤(D)から得られる相互貫入高分子網目を形成するマトリックス並びに有機親和性を有する層状珪酸塩を含有し、該マトリックス100重量部に対し該有機親和性を有する層状珪酸塩が0.1〜50重量部配合されており、層状珪酸塩の層間にマトリックスがインターカレートし、広角X線回折により測定したマトリックス中の層状珪酸塩の層間隔が原料の有機親和性を有する層状珪酸塩の層間隔に対し2Å以上増加しているか、及び/又は、層状珪酸塩の層が剥離し層構造が崩れていることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
項2 エポキシ樹脂用硬化剤(B)が、イミダゾール系硬化剤、酸無水物系硬化剤、3級アミン系硬化剤、及びジシアンジアミドからなる群から選ばれる少なくとも1つである項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
項3 (メタ)アクリレート用硬化剤(D)が、有機過酸化物又はアゾ系ラジカル重合開始剤である項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
項4 有機親和性を有する層状珪酸塩が、陽イオン界面活性剤で処理したスメクタイト系粘土鉱物である項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
項5 陽イオン界面活性剤が四級アンモニウム塩酸塩である項4に記載のエポキシ樹脂組成物。
項6 層状珪酸塩がモンモリロナイトである項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
項7 広角X線回折により測定したマトリックス中の層状珪酸塩の層間隔が少なくとも30Å以上であるか、及び/又は、層状珪酸塩の層が剥離し層構造が崩れて層状珪酸塩の各層がマトリックス中に分散されている項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
項8 エポキシ樹脂(A)及び(メタ)アクリレート(C)の混合物中に有機親和性を有する層状珪酸塩を添加して層状珪酸塩を均一に分散させる工程、これにエポキシ樹脂用硬化剤(B)及び(メタ)アクリレート用硬化剤(D)を添加し硬化と同時に層状珪酸塩の層間隔を増加させる、及び/又は、層状珪酸塩の各層を剥離させる工程を含有するエポキシ樹脂組成物の製法。
項9 項8に記載の製法により製造されるエポキシ樹脂組成物。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のエポキシ樹脂組成物について詳細に説明する。
【0011】
本発明のエポキシ樹脂組成物のマトリックス原料として使用されるエポキシ樹脂(A)は、エポキシ基を2個以上有し、イミダゾールや酸無水物などの硬化剤により硬化して樹脂状物を形成しうるものである。例えばグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂等が例示される。さらには様々な方法で変性したエポキシ樹脂を使用することもできる。グリシジルエーテル型エポキシ樹脂としては、エピクロルヒドリンと、ビスフェノール類などの多価フェノール類や多価アルコールとの縮合によって得られるものが挙げられ、具体的には、ビスフェノールA型、臭素化ビスフェノールA型、水添ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールS型、ビスフェノールAF型、ビフェニル型、ナフタレン型、フルオレン型、フェノールノボラック型、オルソクレゾールノボラック型、トリス(ヒドロキシフェニル)メタン型、テトラフェニロールエタン型などが例示される。グリシジルエステル型エポキシ樹脂としては、エピクロルヒドリンとフタル酸誘導体や脂肪酸などのカルボン酸との縮合によって得られるものが例示される。グリシジルアミン型エポキシ樹脂としては、エピクロルヒドリンとアミン類、シアヌル酸類、ヒダントイン類との反応によって得られるものが例示される。また、上記のエポキシ樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1つを使用することもできる。エポキシ樹脂(A)は、液状か或いは溶融温度が100℃以下の固体のものが好ましい。また、常温で固体のエポキシ樹脂(A)の形状については、特に制限はなく、例えば、ペレット状のものが例示される。
【0012】
本発明のエポキシ樹脂組成物のマトリックス原料として使用される(メタ)アクリレート(C)は、アクリレート基を2個以上有し、有機過酸化物やアゾ系ラジカル発生剤などで硬化して樹脂状物を形成するものであればよく、種々の分子量のアクリレート類又はメタアクリレート類が挙げられる。アクリレート類としては、例えば、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレートやトリメチロールプロパントリアクリレート等が挙げられる。メタアクリレート類としては、例えば、ポリエチレングリコールジメタアクリレート、ポリプロピレングリコールジメタアクリレートやトリメチロールプロパントリメタアクリレートが挙げられる。また、上記の(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1つを使用することもできる。
【0013】
(メタ)アクリレート(C)の使用量は、エポキシ樹脂(A)100重量部に対して、通常、1〜200重量部程度、好ましくは、10〜100重量部程度であればよい。(メタ)アクリレート(C)は液状のものが好ましい。
【0014】
本発明で使用されるエポキシ樹脂用硬化剤(B)は、エポキシ樹脂に広く使用されているものであれば特に限定されず、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2-ヘプタデシルイミダゾール、2-フェニルイミダゾールなどのイミダゾール系硬化剤;ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸などの酸無水物系硬化剤;ノボラック型フェノール樹脂などのポリフェノール系硬化剤、ベンジルジメチルアミン、2,4,6‐トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、N,N'‐ジメチルピペラジン、ジアザビシクロウンデセンなどの3級アミン系硬化剤:ジシアンジアミドなどを例示することができる。また、上記のエポキシ樹脂用硬化剤からなる群から選ばれる1つを、あるいは目的に応じて2つ以上組み合わせて使用することもできる。エポキシ樹脂用硬化剤(B)の使用量は、硬化剤の種類に応じて、適宜選択可能である。
【0015】
本発明で使用される(メタ)アクリレート用硬化剤(D)は、(メタ)アクリレートに広く使用されているものであれば特に限定はなく、ベンゾイルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、1−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエートなどの有機過酸化物類、また2,2'-アゾビスイソブチロニトリル、4,4'-アゾビス(4-シアノペンタン酸)、2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)などのアゾ系ラジカル重合開始剤を例示することができる。また、上記の(メタ)アクリレート用硬化剤からなる群から選ばれる少なくとも1つを使用することもできる。(メタ)アクリレート用硬化剤(D)の使用量は、(メタ)アクリレート(C)100重量部に対して、通常、0.1〜5重量部程度、好ましくは、0.1〜2重量部程度であればよい。
【0016】
本発明のエポキシ樹脂組成物の原料として使用される有機親和性を有する層状珪酸塩は、層状珪酸塩を親有機化処理することにより調製される。用いる層状珪酸塩は、珪酸マグネシウム、珪酸アルミニウムなどを主構成成分とするものである。具体的にはモンモリロナイト、マグネシアンモンモリロナイト、テツモンモリロナイト、バイデライト、アルミニアンバイデライト、ノントロナイト、アルミニアンノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スティブンサイトなどのスメクタイト系粘土鉱物や、バーミキュライト、ハロサイト、マイカ、膨潤性フッ素マイカなどがあり、天然のものでも合成されたものでもよい。これらの層状珪酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種を用いることができる。中でもスメクタイト系層状珪酸塩の使用が好ましい。
【0017】
これら層状珪酸塩の親有機化処理に用いられる処理剤としては、陽イオン界面活性剤が挙げられ、好ましくは、一般式(1):
【0018】
【化1】
Figure 0004114048
【0019】
(式中、R1はカルボキシル基で置換されていてもよいアルキル基、R2、R3及びR4は、同一又は異なって、それぞれ水素原子;カルボキシル基、カルボン酸エステル基、及びアミノ基からなる群から選ばれる基で置換されていてもよいアルキル基;又はアラルキル基を表し、Xはハロゲン原子を表す)で表される四級アンモニウム塩が挙げられる。
【0020】
上記R1〜R4がアルキル基の場合、該アルキル基としては、直鎖又は分岐鎖の炭素数1〜20のアルキル基が挙げられる。
【0021】
上記R2〜R4のアルキル基上の置換基であるカルボン酸エステルとしては、該カルボン酸エステルの酸素原子に結合する基が、アルキル基、アラルキル基等である化合物が挙げられる。該アルキル基としては、直鎖又は分岐鎖の炭素数1〜20のアルキル基が挙げられる。該アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。
【0022】
上記R2〜R4がアラルキル基の場合、該アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。Xで表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
【0023】
化合物(1)の具体例としては、ヘキシルアンモニウムクロライド、オクチルアンモニウムクロライド、2−エチルヘキシルアンモニウムクロライド、ラウリルアンモニウムクロライド、ステアリルアンモニウムクロライド、ジメチルジオクチルアンモニウムクロライド、トリオクチルアンモニウムクロライド、ジメチルジステアリルアンモニウムクロライド、トリメチルステアリルアンモニウムクロライド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ステアリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ラウリン酸アンモニウムクロライドなどの四級アンモニウム塩を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これらの四級アンモニウム塩からなる群から選ばれる少なくとも1種を用いることができる。
【0024】
上記の四級アンモニウム塩は、いずれも公知の方法により製造される。
【0025】
有機親和性を有する層状珪酸塩は、層状珪酸塩の層間の交換性陽イオンを上記の陽イオン界面活性剤で交換したものであり、層間に陽イオン界面活性剤を含んで膨潤している。そのため、樹脂とのなじみがよく、層間隔も12〜25Å程度と大きくひらいているので樹脂中に分散しやすい。
【0026】
有機親和性を有する層状珪酸塩の形状は、樹脂中への分散性を考慮して、粉末状又は微粒子状のものが好ましい。その平均粒子径は、通常、0.1〜200μm程度であればよく、好ましくは、0.1〜50μm程度である。
【0027】
有機親和性を有する層状珪酸塩の添加量は、アクリレート樹脂硬化剤(D)の種類により変化するが、エポキシ樹脂及び(メタ)アクリレートの合計量100重量部に対し、通常、0.1〜50重量部程度、好ましくは1〜20重量部程度、より好ましくは1〜15重量部程度であればよい。より具体的には、BPO等の有機過酸化物類を用いた場合は、エポキシ樹脂及び(メタ)アクリレートの合計量100重量部に対し、好ましくは1〜20重量部程度である。また、AIBN等のアゾ系ラジカル重合開始剤を用いた場合は、エポキシ樹脂及び(メタ)アクリレートの合計量100重量部に対し、好ましくは5〜10重量部程度である。
【0028】
有機親和性を有する層状珪酸塩の調製方法(イオン交換反応)は、公知の方法を用いて行えばよい。例えば、層状珪酸塩を水、テトラヒドロフラン、アルコール類などの溶媒で膨潤させた後、陽イオン界面活性剤を加え撹拌し、層状珪酸塩の層間の金属イオンを陽イオン界面活性剤に置換する。その後、未置換の陽イオン界面活性剤を十分に洗浄し、濾過、乾燥させる。
【0029】
上記調製方法に用いられる溶媒としては、重合に関与しない溶媒であれば特に限定されるものではない。例えば、水;トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;i−ブタノール等の脂肪族アルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のアルキレングリコールモノアルキルエーテル等が挙げられる。これら溶媒は、1種類のみを用いてもよく、また、2種以上を適宜混合して用いてもよい。
【0030】
上記の調製方法をより具体的に例示する。
【0031】
撹拌した水中に、水に対し1重量%程度の層状珪酸塩を徐々に加えて分散させる。必要に応じ分散液をホモジナイザーや超音波分散機にかけ、或いは終夜放置して層状珪酸塩の分散・劈開を促進させる。5%陽イオン界面活性剤(ジメチルジステアリルアンモニウムクロライド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド等)溶液及び層状珪酸塩の分散液を60℃程度に加温する。加温した層状珪酸塩の分散液の撹拌中に、5%陽イオン界面活性剤溶液を徐々に加え反応させる。添加終了後、さらに60℃にて1時間程度撹拌する。沈殿物を吸引ろ過によりろ過し、有機親和性を有する層状珪酸塩の脱水ケーキを得、温水で該脱水ケーキを3回程度洗浄する。得られた脱水ケーキを60℃で乾燥し、粉砕して、有機親和性を有する層状珪酸塩の粉末を得る。
【0032】
本発明のエポキシ樹脂組成物の製法は、エポキシ樹脂(A)及び(メタ)アクリレート(C)の混合物中に有機親和性を有する層状珪酸塩を添加して層状珪酸塩を均一に分散させる工程(第1工程)、これにエポキシ樹脂用硬化剤(B)及び(メタ)アクリレート用硬化剤(D)を添加し硬化と同時に層状珪酸塩の層間隔を増加させる、及び/又は、層状珪酸塩の各層を剥離させる工程(第2工程)を含有する。
【0033】
詳しくは、第1工程において、エポキシ樹脂と(メタ)アクリレートを上述の任意の割合で混合し、該混合物に有機親和性を有する層状珪酸塩を適等量添加する。温度を20〜80℃程度に保ち2〜20時間程度混合して層状珪酸塩を十分に分散させる。第2工程において、第1工程で得られた分散物に、エポキシ樹脂用硬化剤および(メタ)アクリレート用硬化剤を適当量配合し混合し、混合物を所定の金型に注型して、80〜150℃程度で2〜24時間程度反応し硬化させる。
【0034】
本発明により製造されるエポキシ樹脂組成物は、圧縮成形、トランスファー成形、積層成形、ハンドレイアップ成形、レジントランスファ成形、レジンインジェクション成形、フィラメントワインディング法、引抜き成形、注型法等の公知の成形法を用いて種々の形状にすることができる。
【0035】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、層状珪酸塩の平均層間隔がエポキシ樹脂(A)及び(メタ)アクリレート(C)からなる相互貫入高分子網目(IPN)を形成するマトリックス中で有意な程度に増加していることを特徴とする。具体的には、広角X線回折により測定したマトリックス中の層状珪酸塩の層間隔が原料の有機親和性を有する層状珪酸塩の層間隔に対し2Å以上増加しているか、及び/又は、層状珪酸塩の層が剥離し層構造が崩れていること、より具体的には、広角X線回折により測定したマトリックス中の層状珪酸塩の層間隔が少なくとも30Å以上であるか、及び/又は、層状珪酸塩の層が剥離し層構造が崩れて層状珪酸塩の各層がマトリックス中に分散されている。
【0036】
上記広角X線回折の測定は、マックサイエンス社製XGM18CEを用い、40KV、120mA、CuKα線(λ:1.54Å)の条件で広角X線回折角(2θ)を測定した。これを、ブラッグの式(2):
2dsinθ=nλ (2)
(式中、dは面(001)の層間隔、θは回折角、nは正の整数、λは波長を表す)
にあてはめて層状珪酸塩の平均層間隔(d001)を算出した。
【0037】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、層状珪酸塩を添加しない場合と比べてガラス転移点(Tg)が上昇し耐熱性が向上する。これは、本発明のエポキシ樹脂組成物は、マトリックス中に層状珪酸塩の層が剥離、分散されており、層状珪酸塩の各層にマトリックス樹脂が拘束されているためであると考えられる。
【0038】
また、本発明のエポキシ樹脂組成物は、破壊靱性も層状珪酸塩を添加しない場合と比べて向上する。これは、クラックの進展がナノ粒子によって迂回もしくはさえぎられるためであると考えられる。
【0039】
また、本発明のエポキシ樹脂組成物は、接着性及び/又は難燃性も層状珪酸塩を添加しない場合と比べて向上する。これは、引張せん断接着強さが向上するのは、ナノコンポジット化することで引張弾性率が高くなるためであり、難燃性が向上するのは、試料中の熱分解ガスの拡散をナノ粒子がおさえるためであると考えられる。
【0040】
本発明のエポキシ樹脂組成物には必要に応じ、種々の添加剤を配合することができる。このような添加剤の例としては、酸化防止剤、安定剤、紫外線吸収剤、硬化促進剤、離型剤、接着付与剤、難燃剤、難燃助剤、顔料、無機充填剤などを例示することができる。
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、耐熱性及び靭性、並びに接着性、難燃性等が改善されたエポキシ樹脂組成物を提供することができる。
【0042】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
[実施例1]
20.2gのビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製エピコート828)と9gのポリエチレングリコールジアクリレート(新中村化学工業(株)製NKエステルA-200;平均分子量約300)と2.3gのジメチルジステアリルアンモニウムクロライド処理モンモリロナイト(C38‐MMTと略:クニミネ工業(株)製クニピアFを親有機化処理したもの(無機物含量65重量%(熱重量分析(TG)により算出)なのでクニピアFとして1.5gに相当、樹脂量に対して5重量%))を混合して減圧下、80℃で4時間激しく攪拌した。室温まで冷却後、そこに、0.8g(エポキシ樹脂に対して4重量%)の2‐エチル‐4‐メチルイミダゾール(2E4MZ:ジャパンエポキシレジン(株)製)と27mg(アクリレートに対して0.3重量%)のベンゾイルパーオキシド(BPO)を加えて、減圧下で30分激しく攪拌した。この後、100℃に熱した金型(100×10×4mm)に注型して100℃で20時間硬化、150℃で4時間、後硬化した。2段階硬化を選択した理由は、硬化初期には低温で硬化させてできるだけ内部ひずみを小さくするためと、高温で硬化を完結させるためである。これを実施例1とする。
[実施例2]
実施例1の中でBPOの代わりに18mg(アクリレートに対して0.2重量%)の2,2'‐アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を用いた例を実施例2とした。
[比較例1]
40.4gのビスフェノールA型エポキシ樹脂と1.6gの2E4MZ(エポキシ樹脂に対して4重量%)ならびに54mgのBPO(アクリレートに対して0.3重量%)を溶かした18gのポリエチレングリコールジアクリレートを減圧下で30分間激しく混合して配合した。この後、100℃に熱した金型(100×10×4mm)に注型して100℃で20時間の前硬化、150℃で4時間後硬化した。これを比較例1とする。
[比較例2]
比較例1の中でBPOの代わりに36mg(アクリレートに対して0.2重量%)の2,2'‐アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を用いた例を比較例2とした。
【0043】
これらの配合組成を他の実施例、比較例と共に表1に示した。
【0044】
【表1】
Figure 0004114048
【0045】
上記の実施例及び比較例で得られる硬化物について、X線回折、動的粘弾性測定、破壊靱性試験を行い、別途、鋼材を被着材として引張せん断接着試験を行った。また配合系を3倍にスケールアップして、150×150×3mmの型に注型し硬化させたものを、50×50mmに切り出し、コーンカロリーメータ試験に供した。
[X線回折]
マックサイエンス社製XGM18CEを用い、40KV,120mA、CuKα線(λ:1.54Å)の条件で広角X線散乱を測定した。実施例1、2のX線回折結果を図1に示した。図1からθを求め、ブラッグの式:2dsinθ=nλ(式中、dは面(001)の層間隔、θは回折角、nは正の整数、λは波長を表す)にあてはめて層状珪酸塩の層間隔(d001)を算出した。未処理のモンモリロナイトおよびジメチルジステアリルアンモニウムクロライド処理モンモリロナイト(C38‐MMT)の結果もまとめて表2に示した。
【0046】
【表2】
Figure 0004114048
【0047】
実施例1のBPO系硬化物では回折ピークはほとんど見られず、C38‐MMTの各層は樹脂中にナノ分散していることが分かる。実施例2のAIBN系硬化物では弱い回折ピークが5.9°付近にみられ、C38‐MMT単独の回折ピークは約7°であったことから、C38‐MMTの層間が広くなったことを示している。これは、マトリックス樹脂がC38‐MMTの層間に挿入されたためと考えられる。表2より、未処理MMTの層間距離は12Åであるのに対し、C38‐MMTのそれは25Åに増加している。これは陽イオン界面活性剤が層間に挿入され膨潤していることを示している。樹脂中での層間距離は実施例1では60Å以上、実施例2では31Åと大きくなり、明らかにマトリックス樹脂が層間に挿入され、ナノ分散状態にあることを示している。
[熱重量分析(TG)]
有機変性モンモリロナイトの無機物含量を測るために、セイコーインスツルメンツ(株)社製SDM5200を用いて、試料量10mg、昇温速度10℃/min、窒素雰囲気下で熱重量分析を行った。600℃における残炭率をもって無機物含量とした。
[動的粘弾性試験]
試料を30×4×0.7mmの薄片に切り出し、セイコーインスツルメンツ(株)社製DMS200にて、昇温2℃/min、周波数1Hz、引張モードにて動的粘弾性測定を行ない、貯蔵弾性率(E’)と損失正接(tanδ)の温度依存性を調べた。tanδのピーク温度をガラス転移温度(Tg)とした。実施例2と比較例2の硬化物の動的粘弾性測定結果を図2に示した。
【0048】
比較例1のガラス転移温度(Tg)が108℃であったのに対し、実施例1では125℃と17℃高くなった。また、図2より、比較例2のTgが153℃であったのに対し、実施例2は164℃と11℃高くなった。これらのことは、C38‐MMTの層間に、マトリックスが挿入したことにより、MMT粒子に分子が拘束されていることを示している。
[破壊靭性試験]
ASTM E399に従い、短冊状の試験片にダイヤモンドカッターで4mmの予亀裂を入れ、そこにかみそりの刃を押し込んで、鋭い切り欠きを入れた。支点間距離40mm、試験速度10mm/min、3点曲げ法により、破壊靱性試験を行った。
【0049】
比較例1の破壊靭性値が0.75 MPa・m1/2であったのに対し、実施例1では1.02 MPa・m1/2となり、36%大きくなっている。ナノコンポジット化により靭性が向上していることが分かる。
[引張せん断接着試験]
鋼板を被着材とした引張せん断接着試験をJIS K6850に従って測定した。つかみ具距離100mm、試験速度5mm/minで行った。
【0050】
比較例1の引張せん断接着強さは14.8MPaであったのに対し、実施例1では19.5MPaとなり32%大きくなっている。ナノコンポジット化により接着性が向上していることが分かる。
[コーンカロリーメータ試験]
(株)東洋精機製作所製 コーンカロリーメータIIIC3型を用い、ISO5660 part1に準じて、50×50×3mmの試料を用い、輻射熱量:50kWm-2の条件で発熱速度の経時変化を測定した。実施例1と比較例1、及び実施例2と比較例2の発熱速度曲線を図3と図4にそれぞれ示した。最大発熱速度は比較例1が2280KW/m2、比較例2が2560 KW/m2であったのに対し、実施例1では1750 KW/m2と77%に、実施例2では1180 KW/m2となり、46%に減少している。また、発熱速度曲線が長時間側にずれており燃焼がゆっくりおこっていることを示している。これらの結果から、ナノコンポジット化により燃焼が抑制され、難燃性が向上していることが分かる。
さらに、下記の実施例及び比較例で得られる硬化物について検討を行った。
[実施例3]
実施例1においてジメチルジステアリルアンモニウムクロライド処理モンモリロナイトを3.2g(無機物含量65重量%なのでクニピアFとして2.1gに相当、樹脂量に対して7重量%)に増やした以外は同様にして硬化物を調製し、動的粘弾性測定と破壊靭性試験を行った。配合割合を表1に示した。Tgは135℃となり比較例1に比べて27℃向上し、破壊靭性値は1.05MPa・m1/2となり、36%向上した。
[実施例4]
実施例2においてジメチルジステアリルアンモニウムクロライド処理モンモリロナイトを3.2g(無機物含量65重量%なのでクニピアFとして2.1gに相当、樹脂量に対して7重量%)に増やした以外は同様にして硬化物を調製し、動的粘弾性測定と破壊靭性試験を行った。配合割合を表1に示した。Tgは165℃となり比較例2に比べて12℃向上した。
[実施例5]
実施例1においてジメチルジステアリルアンモニウムクロライド処理モンモリロナイトを4.6g(無機物含量65重量%なのでクニピアFとして3.0gに相当、樹脂量に対して10重量%)に増やした以外は同様にして硬化物を調製し、動的粘弾性測定破壊靭性試験を行った。配合割合を表1に示した。Tgは128℃となり比較例1に比べて20℃向上し、破壊靭性値は1.01 MPa・m1/2となり31%向上した。
[実施例6]
実施例2においてジメチルジステアリルアンモニウムクロライド処理モンモリロナイトを4.6g(無機物含量65重量%なのでクニピアFとして2.1gに相当、樹脂量に対して10重量%)に増やした以外は同様にして硬化物を調製し、動的粘弾性測定破壊靭性試験を行った。配合割合を表1に示した。Tgは157℃となり比較例2に比べて4℃向上した。破壊靭性値は比較例2が0.84 MPa・m1/2であったのに対し、0.98 MPa・m1/2となり17%向上した。
[実施例7]
実施例1において、2.3gのジメチルジステアリルアンモニウムクロライド処理モンモリロナイトの代わりに2.1gのラウリン酸アンモニウムクロライド処理したモンモリロナイト(C12‐MMTと略:クニミネ工業(株)製クニピアFを親有機化処理したもの(無機物含量71重量%なのでクニピアFとして1.5gに相当、樹脂量に対して5重量%)を用いた以外は同様にして硬化物を調製し、動的粘弾性測定、破壊靭性値および引っ張りせん断接着強さを測定した。配合割合を表1に示した。Tgは119℃と比較例1に比べて11℃高く、破壊靭性値は1.06MPa・m1/2と比較例1に比べて41%、引張せん断接着強さは19.4MPaとなり比較例1に比べて31%それぞれ向上した。
[実施例8]
実施例2において2.3gのジメチルジステアリルアンモニウムクロライド処理モンモリロナイトの代わりに2.1gのラウリン酸アンモニウムクロライド処理したモンモリロナイト(C12‐MMTと略:クニミネ工業(株)製クニピアFを親有機化処理したもの(無機物含量71重量%なのでクニピアFとして1.5gに相当、樹脂量に対して5重量%)を用いた以外は同様にして硬化物を調製し、動的粘弾性測定、破壊靭性値および引っ張りせん断接着強さを測定した。配合割合を表1に示した。Tgは157℃と比較例2に比べて4℃高く、破壊靭性値は0.87 MPa・m1/2と比較例2に比べて4%向上し、引張せん断接着強さは18.1MPaとなり比較例2の16.5MPaに比べて9%向上した。
[実施例9]
実施例2において、ポリエチレングリコールジアクリレートを、新中村化学工業(株)製NKエステルA-200(平均分子量:約300)の代わりに分子量の大きなNKエステルA-400(平均分子量:約500)を用いた以外は同様にして硬化物を調製し、破壊靭性値を測定した。配合割合を表1に示した。破壊靭性値は1.17 MPa・m1/2となり比較例3に比べて160%向上した
[比較例3]
比較例2においてポリエチレングリコールジアクリレートを、新中村化学工業(株)製NKエステルA-200(平均分子量:約300)の代わりに分子量の大きなNKエステルA-400(平均分子量:約500)に用いた以外は同様にして硬化物を調製し、破壊靭性値を測定した。配合割合を表1に示した。破壊靭性値は0.45 MPa・m1/2であった。
[実施例10]
11.2gのビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製エピコート828)と9gのポリエチレングリコールジアクリレート(新中村化学工業(株)製NKエステルA-200)と1.4gのジメチルジステアリルアンモニウムクロライド処理モンモリロナイト(C38‐MMTと略:クニミネ工業(株)製クニピアFを親有機化処理したもの(無機物含量65重量%なのでクニピアFとして0.9gに相当、樹脂量に対して3重量%))を混合して減圧下、80℃で4時間激しく攪拌した。室温まで冷却後、そこに、9.7gのヘキサヒドロ無水フタル酸ならびに0.06gの2E4MZと27mgのBPOを加えて、減圧下で30分激しく攪拌した。この後、100℃に熱した金型(100×10×4mm)に注型して100℃で20時間硬化、150℃で4時間、後硬化した。この硬化物について破壊靱性試験をおこなった。配合割合を表1に示した。破壊靭性値は1.27 MPa・m1/2であり、比較例4の0.81MPa・m1/2に比べて57%向上した。
[実施例11]
実施例10において、27mgのBPOの代わりに18mgのAIBNを用いた以外は同様にして硬化物を調製し破壊靭性試験を行った。配合割合を表1に示した。破壊靭性値は1.06 MPa・m1/2であり比較例5の0.80MPa・m1/2に比べて31%向上した。
[実施例12]
実施例10において、1.4gのジメチルジステアリルアンモニウムクロライド処理モンモリロナイトを2.3g(無機物含量65重量%なのでクニピアFとして1.5gに相当、樹脂量に対して5重量%)に増やした以外は同様にして硬化物を調製し、破壊靭性試験を行った。配合割合を表1に示した。破壊靭性値は1.37 MPa・m1/2となり、比較例4に比べて69%向上した。
[実施例13]
実施例12において、27mgのBPOの代わりに18mgのAIBNを用いた以外は同様にして硬化物を調製し破壊靭性試験を行った。配合割合を表1に示した。破壊靭性値は1.12MPa・m1/2であり、比較例5に比べて40%向上した。
[実施例14]
実施例11において、1.4gのジメチルジステアリルアンモニウムクロライド処理モンモリロナイトを4.6g(無機物含量65重量%なのでクニピアFとして2.1gに相当、樹脂量に対して10重量%)に増やした以外は同様にして硬化物を調製し、破壊靭性試験を行った。配合割合を表1に示した。破壊靭性値は1.30 MPa・m1/2となり、比較例5に比べて63%向上した。
[比較例4]
22.4gのビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製エピコート828)と19.6gのヘキサヒドロ無水フタル酸、0.1gの2E4MZならびに54mgのBPOを溶かした18gのポリエチレングリコールジアクリレート(新中村化学工業(株)製NKエステルA-200)を減圧下で30分間激しく混合して配合した。この後、100℃に熱した金型(100×10×4mm)に注型して100℃で20時間硬化、150℃で4時間、後硬化した。この硬化物について破壊靱性試験をおこなった。配合割合を表1に示した。破壊靭性値は0.81MPa・m1/2であった。
[比較例5]
比較例4において、54mgのBPOの代わりに36mgのAIBNを用いた以外は同様にして硬化物を調製し、破壊靭性試験を行った。配合割合を表1に示した。破壊靭性値は0.80MPa・m1/2であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1と実施例2のX線回折図である。
【図2】実施例2と比較例2の動的粘弾性測定結果を示す図である。
【図3】実施例1と比較例1のコーンカロリーメータ試験結果を示す図である。
【図4】実施例2と比較例2のコーンカロリーメータ試験結果を示す図である。

Claims (6)

  1. エポキシ樹脂(A)、エポキシ樹脂用硬化剤(B)、(メタ)アクリレート(C)、及び(メタ)アクリレート用硬化剤(D)から得られる相互貫入高分子網目を形成するマトリックス並びにジメチルジステアリルアンモニウムクロライド処理モンモリロナイト又はラウリン酸アンモニウムクロライド処理モンモリロナイトを含有し、該マトリックス100重量部に対し該ジメチルジステアリルアンモニウムクロライド処理モンモリロナイト又はラウリン酸アンモニウムクロライド処理モンモリロナイトが0.1〜50重量部配合されており、モンモリロナイトの層間にマトリックスがインターカレートし、広角X線回折により測定したマトリックス中のモンモリロナイトの層間隔が原料のジメチルジステアリルアンモニウムクロライド処理モンモリロナイト又はラウリン酸アンモニウムクロライド処理モンモリロナイトの層間隔に対し2Å以上増加しているか、及び/又は、モンモリロナイトの層が剥離し層構造が崩れていることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
  2. エポキシ樹脂用硬化剤(B)が、イミダゾール系硬化剤、酸無水物系硬化剤、3級アミン系硬化剤、及びジシアンジアミドからなる群から選ばれる少なくとも1つである請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
  3. (メタ)アクリレート用硬化剤(D)が、有機過酸化物又はアゾ系ラジカル重合開始剤である請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
  4. 広角X線回折により測定したマトリックス中のモンモリロナイトの層間隔が少なくとも30Å以上であるか、及び/又は、モンモリロナイトの層が剥離し層構造が崩れてモンモリロナイトの各層がマトリックス中に分散されている請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
  5. エポキシ樹脂(A)及び(メタ)アクリレート(C)の混合物中にジメチルジステアリルアンモニウムクロライド処理モンモリロナイト又はラウリン酸アンモニウムクロライド処理モンモリロナイトを添加してモンモリロナイトを均一に分散させる工程、これにエポキシ樹脂用硬化剤(B)及び(メタ)アクリレート用硬化剤(D)を添加し硬化と同時にモンモリロナイトの層間隔を増加させる、及び/又は、モンモリロナイトの各層を剥離させる工程を含有するエポキシ樹脂組成物の製法。
  6. 請求項に記載の製法により製造されるエポキシ樹脂組成物。
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