JP4113475B2 - 樹脂フィルム被覆金属板及びその製造方法並びにこれを用いた電子部品用外装容器 - Google Patents

樹脂フィルム被覆金属板及びその製造方法並びにこれを用いた電子部品用外装容器 Download PDF

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Description

本発明は、金属板の表面に樹脂フィルムが被覆された樹脂フィルム被覆金属板(ラミネート金属板)に係り、特に、電解コンデンサ素子を収納するためのコンデンサケース等電子部品の外装容器に使用される樹脂フィルム被覆金属板、及びその製造方法、並びにこれを用いた電子部品用外装容器に関する。
近年、電子機器の小型、高性能化とともに、電子部品、例えば電解コンデンサに対する要求は益々厳しいものとなっている。この電解コンデンサの中で、軽量性、成形加工性の面で、アルミニウム板またはアルミニウム合金板(以下、単に「アルミニウム板」と称す)製の容器を備えた電解コンデンサ(以下、「アルミ電解コンデンサ」と称す)が多用されている。
アルミ電解コンデンサは、一般に次のような工程を経て生産されている。まず、アルミ電解コンデンサを収納するケースのメーカにおいて、アルミニウム板に絞り加工等の成形加工が施されて有底円筒状のコンデンサケースが作製され、つぎに、プレス成形時に塗布されたプレス油がトリクレン等の有機溶剤により除去(脱脂)されてコンデンサケースが製造される。
その後、このコンデンサケースはコンデンサメーカに納入され、コンデンサメーカにて、このコンデンサケース内に電解液を含浸させたコンデンサ素子が収納される。その際、このコンデンサケースの内面や外面の一部、または前記コンデンサ素子に電圧を印加するリード線の一部に電解液が付着し易い。このため、コンデンサケースの外面の一部及びリード線の一部に付着した電解液は、コンデンサケースの開口部をゴム等で封口した後に洗い流される。そして、コンデンサケースの外面に、電気絶縁、及び内容物の表示を目的として、塩化ビニル樹脂またはポリオレフィン系樹脂等から構成される熱収縮チューブが被覆されて、アルミ電解コンデンサの製品が得られる。
近時では、電解コンデンサの更なる小型化に伴い、リード線を省略したチップ型の電解コンデンサ(チップコンデンサ)が開発されている。このような小型の電解コンデンサでは、熱収縮チューブの被覆が困難であり、生産性に悪影響を及ぼし易い。
また、環境問題におけるダイオキシンの発生防止策として、各種材料の脱塩化ビニル化が進められており、大型の電解コンデンサにおいても、従来の電解コンデンサの被覆フィルムとして用いられてきた塩化ビニル樹脂フィルムの省略が強く望まれている。
その対策として、予めアルミニウム板の表面を絶縁性のポリエステル系樹脂フィルムで被覆した積層体に絞りしごき加工を施して電子部品の外装容器を製造する方法、または、このように絞り加工を施して得られた容器をポリエステル系樹脂の融解開始温度〜加熱減量10質量%以下の温度範囲で熱処理する方法が、既に実用化されている(特許文献1参照)。これにより、熱収縮チューブの被覆を省略して絶縁性を向上させ、また、アルミニウム板と樹脂フィルムとの間の密着性が改善される。
また、絶縁性ポリエステル系樹脂フィルムを被覆する方法として、熱硬化性接着剤、例えば、エポキシ系接着剤を介してアルミニウム板にポリエステル系樹脂フィルムを積層する方法が、既に実用化されている(特許文献2参照)。
特開平5−326347号公報(第2頁左欄1〜5行、右欄27〜31行、第3頁左欄5〜9行) 特許第312040号明細書(第4頁右欄4〜12行、第5頁左欄38〜41行)
しかし、前記ポリエステル系樹脂フィルムを熱融着させる場合には、次のような問題点があった。すなわち、前記ポリエステル系樹脂フィルムを熱融着させる際、このポリエステル系樹脂フィルムが被覆される金属板の温度を、ポリエステル系樹脂フィルムの融点以上に高めてラミネートすることが必要である。
このような一連の工程を連続して行う際にはラインスピードに合わせて前記金属板及びポリエステル系樹脂フィルムの温度管理を適切に行う必要があるが、このとき、金属板の温度がポリエステル系樹脂フィルムの融点よりも高い温度のままでラミネートが行われると、前記ポリエステル系樹脂が完全に非晶質化されてしまう(結晶化度が低下する)おそれがある。
このように、金属板に被覆されたポリエステル系樹脂フィルムが非晶質化された状態になると、例えば電子部品の外装容器を製造した場合、この金属板を成形加工した後に行われる脱脂洗浄においてプレス油を除去する際に一般的に使用される塩素系の有機溶剤(トリクレン、パークロルエチレン等)により、あるいは、アルミ電解コンデンサの電解液に含まれるγ−ブチルラクトン(GBL)等の成分により、前記非晶質化されたポリエステル系樹脂フィルムが白濁化するといった問題が発生する。このように、ポリエステル系樹脂フィルムが白濁化したものでは、電子部品用外装容器としての商品価値が大幅に低下する。
また、逆に、前記金属板の温度が低い状態でポリエステル系樹脂フィルムのラミネートが行われると、ポリエステル系樹脂フィルムの密着性が不充分となるおそれがあり、これに比較的厳しい成形加工を施すと、部分的にポリエステル系樹脂フィルムが剥離するといった問題や、ポリエステル樹脂に亀裂が入るといった問題が生じる。
更に、例えば、ポリエステル系樹脂フィルムを被覆した金属板をコンデンサ外装容器として用いた場合などにおいて、ハンダ付け時に前記ポリエステル系樹脂フィルムに熱が加わると、直径1mm以下の局所的な円形の窪み(以下、「ディンプル」という。)が発生する。ディンプル部分の樹脂フィルムは他の部位に比べてその厚さが薄いので絶縁不良となるほか、外観不良となる。従って、製品の製造にあたり、ハンダ付け時にディンプルが発生するようなポリエステル系樹脂フィルムを被覆させた金属板を用いるのは適切ではない。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、成形加工後のトリクレン等の有機溶剤による洗浄や、電解液中のGBL等の成分との接触に起因する白濁化が抑えられるような、耐溶剤性に優れ、加熱された場合であってもディンプルが発生し難く、かつ、成形後に熱処理等を施さなくても樹脂フィルムとの密着性に優れる樹脂フィルム被覆金属板及びその製造方法並びにこれを用いた電子部品用外装容器を提供することを目的とする。
前記問題点を解決するために、本発明に係る樹脂フィルム被覆金属板は、金属板の少なくとも片面に、接着剤より構成される接着層を介して樹脂フィルムを被覆した樹脂フィルム被覆金属板であって、前記接着剤は、メラミン系硬化剤及びイソシアネート系硬化剤の中から選ばれた少なくとも1種で構成され、単位面積当たりの質量が0.05〜2g/m であり、前記樹脂フィルムは、20〜90%の結晶化度を有し、更に、前記接着層と接する面での前記樹脂フィルムの複屈折率が0.005未満であって、かつ、前記樹脂フィルム最表面から5μmの深さにおける前記樹脂フィルムの複屈折率が0.005以上、であるポリエステル系樹脂で構成される(請求項1)。
このように構成すれば、樹脂フィルム被覆金属板で、樹脂フィルムと金属板との間に、メラミン系硬化剤及びイソシアネート系硬化剤より選ばれた少なくとも1種より構成される接着層を設けるので、前記樹脂フィルムと金属板との密着性が向上し、更に、比較的低温でラミネート加工を施しても前記ポリエステル系樹脂フィルムの剥離や割れの発生を抑制することのできる樹脂フィルム被覆金属板が具現される。また、接着層と接する面での樹脂フィルムの複屈折率が0.005未満であるので、接着層と接する面での樹脂フィルムを非晶質化することができ、樹脂フィルムとの密着性を高めることができる。さらに、樹脂フィルム最表面から5μmの深さにおける樹脂フィルムの複屈折率が0.005以上であるので、樹脂フィルム最表面の樹脂フィルムを結晶質とすることができ、耐溶剤性を高めることができる。
また、本発明は、樹脂フィルムは、290℃温度条件下における溶融粘度が140Pa・s(パスカル・秒)以上である樹脂フィルム被覆金属板として構成されている(請求項2)。
このように構成すれば、樹脂フィルムの粘度が十分に高く、高温加工時において樹脂フィルム被覆金属板表面にディンプルが殆ど発生しない樹脂フィルム被覆金属板が具現できる。
また、本発明に係る樹脂フィルム被覆金属板は、金属板が、アルミニウムまたはアルミニウム合金で構成されている(請求項3)。
このように構成すれば、比較的低温でラミネート加工を施しても、アルミニウムまたはアルミニウム合金と接着剤が強固に化学結合し、さらに、この接着剤と樹脂フィルムが強固に化学結合するので、樹脂フィルムとの密着性を高くすることができ、ポリエステル系樹脂フィルムの剥離や割れの発生を抑制することのできる、樹脂フィルムでラミネートされたアルミニウム板またはアルミニウム合金板が具現される。
また、本発明に係る樹脂フィルム被覆金属板の製造方法は、金属板の少なくとも片面に、接着剤より構成される接着層を介して樹脂フィルムを被覆した樹脂フィルム被覆金属板の製造方法で、まず、前記樹脂フィルムを接着させるべき金属板の面に、メラミン系硬化剤及びイソシアネート系硬化剤の中から選ばれた少なくとも1種で構成された接着剤を、乾燥後の単位面積当たりの質量が0.05〜2g/m となるように、塗布または噴霧して、これを乾燥させ、接着剤層を形成する工程と、つぎに、前記接着剤層が形成された金属板を、前記樹脂フィルムの(融点−100℃)から(融点未満)の温度に加熱して接着層を形成する工程と、続いて、前記接着層が形成された金属板に、接着層を介して、前記樹脂フィルムを圧着させて、樹脂フィルム圧着金属板を形成する工程と、そして、前記樹脂フィルム圧着金属板を、前記樹脂フィルムの(融点−50℃)から(融点未満)の温度で再加熱した後、100℃/秒以上の冷却速度で冷却する工程とを含んで構成される(請求項4)。
このように構成すれば、前記樹脂フィルムの結晶化度が維持されるので、耐溶剤性、密着性及び成形加工性に優れた樹脂フィルム被覆金属板が得られる。
更に、本発明は、前記樹脂フィルム被覆金属板を用いて成形加工された電子部品用外装容器として構成される(請求項5)。
このように構成すれば、前記した効果を備える樹脂フィルム被覆金属板を用いて成形するので、耐溶剤性、密着性及び成形加工性に優れた電子部品用外装容器が得られる。
前記のような構成とした本発明によれば、以下の効果を奏する。すなわち、樹脂フィルム被覆金属板で、樹脂フィルムと金属板との間に、メラミン系硬化剤及びイソシアネート系硬化剤より選ばれた少なくとも1種より構成される接着層を設けることにより、前記樹脂フィルムと金属板との密着性が向上し、更に、比較的低温でラミネート加工を施しても前記樹脂フィルムの剥離や割れが抑制される。更に、前記樹脂フィルムの結晶化度と複屈折率を適切なものとしたので、耐溶剤性に優れ、かつ、金属板から剥離等し難い樹脂フィルム被覆金属板を得ることができる。
また、電子部品用外装容器の製作時の高温加工においてディンプルが殆ど発生せず、絶縁不良や外観不良となり難い樹脂フィルム被覆金属板を得ることができる。
更に、金属板をアルミニウム板またはアルミニウム合金板とすることで、比較的低温でラミネート加工を施した場合であってもポリエステル系樹脂フィルムの剥離や割れの発生を抑制することができる樹脂フィルム被覆アルミニウム板や樹脂フィルム被覆アルミニウム合金板を得ることができる。
また、本発明に係る樹脂フィルム被覆金属板の製造方法によれば、樹脂フィルムの結晶化度が維持されるので、耐溶剤性、密着性及び成形加工性に優れた樹脂フィルム被覆金属板を得ることができる。
さらに、本発明に係る樹脂フィルム被覆金属板を用いて成形することにより、成形加工性、耐溶剤性に優れた電子部品用外装容器を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明に係る1例の樹脂フィルム被覆金属板の構成を模式的に示す断面図である。図1に示すように、本発明に係る樹脂フィルム被覆金属板1は、金属板4の上に、接着剤より構成される接着層3を介して樹脂フィルム2が被覆されて構成される。
なお、図1では、金属板4の片面のみに樹脂フィルム2が被覆された構成を例示しているが、本発明はこの構成のみに限定されるものではなく、金属板4の両面に樹脂フィルム2を被覆して構成することも可能である。
以下、本発明に係る樹脂フィルム被覆金属板及びそれに必要とされる条件について説明する。
(金属板)
本発明で使用することができる金属板は、特に限定されるものではなく、電解コンデンサ等電子部品用外装容器として適切な強度と耐蝕性とを備えた金属板であれば使用することが可能である。このような金属板としては、例えば、アルミニウム板が挙げられ、その中で、純アルミ系のアルミニウム(JIS H4000、1100)や、Al−Mn系のアルミニウム合金(JIS H4000、3004)からなる板等が好適である。
また、本発明では、このようなアルミニウム板以外に、軟鋼板、ステンレス板、チタン板、銅板等の各種金属板を使用することができる。
(樹脂フィルム)
更に、本発明で使用することができる樹脂フィルムは、樹脂フィルム表面に、所望の模様を、にじみが生じることなく鮮明に印刷できる良好な印刷性を有し、しかも樹脂フィルム被覆金属板に成形加工を施した際に割れや剥離が発生することなく金属板の成形加工に充分に追従できる成形加工性を備え、なお且つ耐蝕性及び耐熱性に優れた、ポリエステル系樹脂で構成されている。
このようなポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリエチレンイソフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、及びこれらの各樹脂と、イソフタル酸、アジピン酸、セパシン酸等のジカルボン酸、及びネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、1−シクロヘキサンジメタール、4−シクロヘキサンジメタール等ジオールとの共重合ポリエステル樹脂が挙げられる。
(接着剤:メラミン系硬化剤及びイソシアネート系硬化剤の中から選ばれた少なくとも1種)
本発明では、接着剤としてメラミン系硬化剤またはイソシアネート系硬化剤を使用することができる。これらの接着剤は、樹脂フィルムのポリエステル系樹脂の末端に備わる水酸基(−OH)またはカルボキシル基(−COOH)と強固な結合を形成する。
例えば、ポリエステル系樹脂に含まれるカルボキシル基(−COOH)とメラミン系硬化剤に含まれるアミノ基(−NH2)とにより、アミド結合(−NHCO−)が形成され、またポリエステル系樹脂に含まれる水酸基(−OH)とイソシアネート系硬化剤に含まれるイソシアネート基(−NCO)とにより、ウレタン結合(−OCOHN)が形成されるので、これらの強固な化学結合により金属板とポリエステル系樹脂フィルムとの密着性を充分に高めることができる。
更に、前記金属板がアルミニウム板で構成される場合に、この表面の水酸基(−OH)とイソシアネート系硬化剤のイソシアネート基(−NCO)とからウレタン結合(−OCOHN)による強固な化学結合が形成される。
なお、前記金属板が、前処理としてクロメート処理が施されたアルミニウム板で構成される場合にも、その最表面には水酸基(−OH)が存在するため、前記と同様の化学反応により強固な化学結合が形成されて前記金属板とポリエステル系樹脂フィルムとの密着性を充分に高めることができる。
したがって、本発明にあっては、接着剤と、メラミン系硬化剤またはイソシアネート系硬化剤との化学反応を介して、前記金属板であるアルミニウム板と樹脂フィルムとが強固に結合され、且つ、後記する金属板への接着剤を介しての圧着により、密着性に優れる樹脂フィルム被覆金属板が得られる。
なお、前記メラミン系硬化剤及びイソシアネート系硬化剤をそれぞれ単独で用いても、あるいはこれら両者を適宜混合して使用しても前記接着強度の効果は変わらないため、本発明では、前記メラミン系硬化剤またはイソシアネート系硬化剤を使用する際の形態は必要に応じて適宜選択することができる。
(樹脂フィルムの結晶化度:20から90%)
本発明の樹脂フィルムの結晶化度が20%未満であると、前記有機溶剤(トリクレン)または有機成分(GBL)の接触によりこの樹脂フィルムが白濁化する。また、前記樹脂フィルムの結晶化度が90%を超えると、この樹脂フィルムと金属板であるアルミニウム板との密着性が阻害される。
このため、本発明では、前記樹脂フィルムの結晶化度を、20から90%に規制する。
(樹脂フィルムの複屈折率:接着層と接する面での複屈折率が0.005未満、樹脂フィルム最表面から5μmの深さにおける複屈折率が0.005以上)
本発明は前述のように、耐溶剤性および金属板と樹脂フィルムの密着性を同時に満足する樹脂フィルム被覆金属板を得ることを目的の一つとしている。このため、密着性を高めるために、接着層と接する面での樹脂フィルムを非晶質化する必要がある。また、耐溶剤性を高めるために、樹脂フィルムの最表面は結晶質である必要がある。
接着層と接する面での樹脂フィルムの複屈折率が0.005を超えると、樹脂フィルムの配向性が高まるので、完全非晶質から結晶質に移行し易くなり、樹脂フィルムと金属板との密着性が低下する。
このため、本発明では、接着層と接する面での樹脂フィルムの複屈折率を0.005未満とすることにより、金属板と樹脂フィルムの密着性を高めている。
一方、耐溶剤性に寄与するのは、樹脂フィルム最表面に近い部分(約5μm程度まで)である。従って、樹脂フィルム最表面から5μmの深さの複屈折率が0.005未満であると、樹脂フィルムの配向性は低下するので、樹脂フィルムは非結晶質に移行し易くなり、耐溶剤性が低下する。
このため、本発明では、樹脂フィルム最表面から5μmの深さにおける複屈折率を0.005以上とすることにより耐溶剤性を高めている。
(樹脂フィルムの溶融粘度:290℃温度条件下で140Pa・s以上)
この場合の溶融粘度は、樹脂フィルム被覆金属板の状態の樹脂フィルムを対象とし、当該樹脂フィルムを融点以上(本発明では290℃)に加熱し、溶融状態として粘度を規定するものである。この溶融粘度が高いと樹脂は流動し難く、溶融粘度が低いと流動し易くなる。このときの溶融粘度が140Pa・s未満の場合には、樹脂フィルムが流動・変形してディンプルが発生する。すなわち、溶融粘度が十分に高ければ電子部品用外装容器の作製時のハンダ付け等の高温加工においても樹脂フィルムが溶融時に流動・変形し難くなり、ディンプルの発生が抑制される。
このため、本発明では、樹脂フィルムは、290℃温度条件下における溶融粘度を140Pa・s以上とする。
なお、前記温度条件下における本発明で規定する溶融粘度を有し、ディンプルの発生し難い樹脂フィルムとしては、ポリエステル系樹脂である共重合PET(ポリエチレンテレフタレート)を用いて形成されたフィルムを好適に挙げることができる。
次に、本発明に係る樹脂フィルム被覆金属板の製造方法について説明する。
樹脂フィルム被覆金属板の製造方法は、(1)金属板に接着剤層を形成する工程と、(2)金属板に接着層を形成する工程と、(3)樹脂フィルム圧着金属板を形成する工程と、(4)樹脂フィルム圧着金属板の再加熱及び冷却工程とから構成される。なお、本発明の製造方法は、前記の工程のみに限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づく限りにおいて適宜変更することができ、例えば、前記した金属板の前処理工程、またはラミネート金属の洗浄等の後処理工程を付加することができる。
(1)金属板に接着剤層を形成する工程
前記樹脂フィルムを接着させるべき前記金属板の面に、前記接着剤を塗布または噴霧して、これを乾燥させ、接着剤層を形成する。
なお、本発明では、前記接着剤の塗布の仕方は、特に限定されるものではなく、従来公知の各種の塗布法を適宜使用することができる。例えば、本発明では、前記接着剤を従来公知のロールコーター法を用いて塗布することや、あるいは前記接着剤を有機溶剤で適宜希釈して従来公知の噴霧法を用いて塗布することにより前記金属板で前記樹脂フィルムを被覆すべき面の上に接着剤層を形成することができる。そして、このようにして前記金属板の上に形成された接着剤層は、その後乾燥されるが、このような乾燥工程を経た接着剤の単位面積当たりの質量は、0.05から5g/m2であることが好ましく、更に好ましくは0.1から2g/m2である。また、接着剤層の乾燥時間は、前記金属板及び接着剤の種類によって、適宜設定される。
更に、本発明では、金属板に樹脂フィルムをラミネートする一連の工程の前に、金属板と樹脂フィルムとの密着性や耐蝕性等を向上させるために、金属板に予め前処理を施すことができる。本発明は、この前処理方法について特に限定するものではなく、使用される金属板に適した各種の前処理方法を用いることができる。例えば、本発明に含まれる金属板がアルミニウム板である場合には、従来公知の一般的なリン酸クロメート処理、または、Zr、Ti等による反応型または塗布型のクロメート処理(ノンクロメート処理)、酸またはアルカリによるエッチング、あるいは陽極酸化処理等を必要に応じて適宜用いることができる。
(2)金属板に接着層を形成する工程
前記接着剤層が形成された金属板を、前記樹脂フィルムの(融点−100℃)から(融点未満)の温度に加熱して接着層を形成する。
前記接着剤を塗布した金属板を、樹脂フィルムの(融点−100℃)未満の温度で加熱すると、次工程で、前記接着剤を塗布した金属板に樹脂フィルムが充分に接着されず、次工程で施される再加熱処理で樹脂フィルムが収縮し、場合によっては樹脂フィルムが剥離することとなる。
また、前記接着剤を塗布した金属板を融点以上の温度に加熱すると樹脂フィルム全体が非晶質化(結晶化度が低下)し、前記したように樹脂フィルムが白濁化することとなる。
したがって、本発明に係る樹脂フィルム被覆金属板の製造方法では、接着剤を塗布した金属板は、樹脂フィルムの(融点−100℃)から(融点未満)の温度に加熱することを必要とする。
(3)樹脂フィルム圧着金属板を形成する工程
従来公知のラミネート法により、前記接着層が形成された金属板に、接着層を介して、前記樹脂フィルムを圧着させて、樹脂フィルム圧着金属板を形成する。例えば、前記接着層が形成された金属板を金属板供給手段から連続的に送り出し、このように送り出された金属板の片面または両面に、樹脂フィルム供給手段から送り出された前記樹脂フィルムを接触させ、少なくとも1対のラミネートロールの間で重ね合わせ、挟みつけて前記金属板に前記樹脂フィルムを圧着させる。
(4)樹脂フィルム圧着金属板の再加熱、冷却工程
前記樹脂フィルム圧着金属板を、前記樹脂フィルムの(融点−50℃)から(融点未満)の温度で再加熱した後、100℃/秒以上の冷却速度で冷却する。
なお、再加熱手段としては加熱ロール等が用いられ、冷却手段としては前記ラミネートロールと径が異なるラミネートロール等が用いられる。
前記接着剤を塗布した金属板に前記樹脂フィルムをラミネートした後、再加熱することにより前記樹脂フィルムと金属板との密着性が高められ、前記樹脂フィルムの耐剥離性が高められる。この再加熱温度が、樹脂フィルムの(融点−50℃)未満では、この密着性が向上せず、場合によっては前記樹脂フィルムがラミネートされた金属板の成形加工時に樹脂フィルムが剥離する。
また、前記再加熱温度が、樹脂フィルムの融点以上であると、金属板にラミネートされた樹脂フィルムが温度の上昇とともに非晶質化することとなる。
更に、前記樹脂フィルムがラミネートされた金属板を再加熱した後の冷却速度が、100℃/秒未満であると、樹脂フィルムが再結晶化する可能性があり、成形加工により樹脂フィルムの破断や亀裂を生じ易くなる。
このため、本発明に係る樹脂フィルム被覆金属板の製造方法では、前記金属板にポリエステル樹脂フィルムをラミネートした後、前記樹脂フィルムの(融点−50℃)から(融点未満)の温度で再加熱するとともに、100℃/秒以上の冷却速度で冷却することを必要とする。
以下に、本発明の実施例に基づいて本発明を具体的に説明する。
金属板に樹脂フィルムを種々条件で被覆し、本発明の必要条件を満たす実施例1から5、及び本発明の条件を満たさない比較例1から8の各種の樹脂フィルム被覆金属板の供試材を作製した。以下に、これら実施例または比較例の構成部材、作製条件を示す。
<アルミニウム板>
金属板は、前記実施例及び比較例ともにAA1100−調質H24(JIS H4000)で、板厚が0.30mmのアルミニウム板を用いた。そして、この金属板に予めリン酸クロメート処理の前処理を施した。その際のリン酸クロメート処理の目付け量は、クロム量換算で15mg/m2とした。
<樹脂フィルム>
樹脂フィルムは、前記実施例及び比較例ともに膜厚が20μmの共重合のポリエチレンテレフタレート樹脂(融点:230℃)を用いた。
<接着剤>
接着剤は、前記実施例1から5では、メラミン系硬化剤及びイソシアネート系硬化剤の両方またはいずれか一方、比較例2から8では、メラミン系硬化剤またはポリエステル系接着剤を用いた。そして、前記金属板への接着剤の塗布量を0.1g/m2とした。また、比較例1では、接着剤を用いずに前記樹脂フィルムを金属板(アルミニウム板)に圧着させたものも作製した。
<ラミネート条件>
ラミネート条件は、当該分野で従来公知のフィルムラミネート法を用いた。その際の金属板の加熱温度は、本発明の必要条件を満たしていない120℃(前記樹脂フィルムの融点−110℃)、本発明の必要条件を満たしている190℃(前記樹脂フィルムの融点−40℃)、本発明の必要条件を満たしている220℃(前記樹脂フィルムの融点−10℃)、本発明の必要条件を満たしていない250℃(前記樹脂フィルムの融点+20℃)の4水準で行った。
そして、このようにしてラミネートを行った後、再加熱温度を、本発明の必要条件を満たしていない170℃(前記樹脂フィルムの融点−60℃)及び本発明の必要条件を満たしている220℃(前記樹脂フィルムの融点−10℃)、本発明の必要条件を満たしていない250℃(前記樹脂フィルムの融点+20℃)の3水準で再加熱を行った。その後、冷却速度を、本発明の必要条件を満たしていない10℃/秒及び本発明の必要条件を満たしている150℃/秒の2水準で冷却を行った。
次に、このようにして得られた本発明の必要条件を満たしている実施例1から5及び本発明で規制した条件を満たしていない比較例1から8の各供試材について、以下の評価を実施した。
(1)樹脂フィルムの溶融粘度評価
樹脂フィルムの溶融粘度の測定は、各供試材を塩酸にて処理し、アルミニウム合金板などの金属板部分を溶解した。次に、残された樹脂フィルムをフローテスターCFT−500A(株式会社島津製作所製)を用いて、溶融温度290℃、剪断速度1000s-1の条件下で溶融粘度を測定した。なお、前記フローテスターとは、溶融した樹脂フィルムを細管に通して押し出す時の速度と圧力の測定値から、その粘度を算出する装置である。
(2)耐溶剤性評価
前記実施例及び比較例の各供試材を、沸騰したトリクレンに1分間浸漬し、自然乾燥した後、外観を以下のような基準にて目視評価した。
樹脂フィルムの剥離がなく良好なものを「○」、部分的あるいは全面で樹脂フィルムの剥離が見られたものを「×」とした。
(3)結晶化度評価
前記の各供試材から樹脂フィルムを剥離させ、示差熱分析計(DSC:differential scanning calorimetry、セイコーインスツルメンツ社製)によって得られたデータ(図2参照)から結晶化度を求めた。図2は、前記示差熱分析計で測定して得られた前記樹脂フィルムの温度と熱量との関係を模式的に示すグラフである。
なお、前記樹脂フィルムを前記樹脂フィルム被覆金属板から剥離させる方法は、希塩酸でアルミニウム板を溶解させることによって行った。
(4)密着性評価
前記の各供試材に、50%の冷間圧延を施した。その後、長さ100mm、幅20mmに切り出し、フィルムの180°剥離強度を測定した。
なお、密着性は、以下のような基準にて評価した。すなわち、剥離強度が、4.0N/20mm以上のものを「◎」、3.0から4.0N/20mm以上のものを「○」、2.0から3.0N/20mmのものを「△」、そして、剥離強度が2.0N/20mm以下のものを「×」とした。
(5)成形加工性評価
前記の各供試材に、樹脂フィルムが外表面になるようにして、しごき率を30%として絞りしごき加工を施し、10mmφ×20mm高さのコンデンサケースを作製し、このコンデンサケース側面の樹脂フィルムの状態を目視評価した。そして、前記コンデンサケースの全面で、樹脂フィルムに剥離が見られなかったものを「○」、部分的あるいは全面で剥離が見られたものを「×」とした。
(6)耐熱性評価
各条件で作製した供試材を250℃で2分間加熱し、樹脂フィルム表面(10cm2)に発生した局部的な窪み(ディンプル)の数をカウントし、同時に、光学式非接触3次元表面粗さ測定装置(Veeco社製)を用いて、ディンプルの形状を測定した。
深さが3μm以上、直径が0.1mm以上の局部的なディンプルの数が、5個以下のものを問題なしとして「◎」、6乃至20個のものを「○」、21個以上のものを問題ありとして「×」として評価した。
(7)樹脂フィルムの複屈折率評価
前記の各供試材を塩酸にて処理し、アルミニウム合金板などの金属板部分(接着層を含む)を溶解した。残された樹脂フィルムを熱硬化性樹脂(樹脂:Struers社製SpeciFix冷間埋込樹脂、硬化剤:Struers社製SpeciFix−20硬化剤)に埋め込み、これをミクロトームにより樹脂フィルムの断面を薄片状に切り出した。そして、透過偏光顕微鏡を用いて、樹脂フィルムの厚さ方向について、接着層と接する面及び最表面から5μmの深さにおける複屈折率を偏光顕微鏡OPTIPHOT2−POL(株式会社ニコン製)にて測定した。なお、複屈折率を測定する際の前記接着層と接する面としては、この接着層の表面から深さ1μm程度までのことをいい、その測定に当たっては1μm程度の深さを測定したものであればよい。また、前記最表面から5μmの深さとしては、5μmであることが最も望ましいが、±0.5μm程度の幅は許容されるものとする。
以上述べた実施例及び比較例の構成並びに各供試材の評価結果を表1に示す。
Figure 0004113475
表1に示すように、本発明の必要条件を満たす実施例1から5は、いずれも耐溶剤性及び密着性に優れた樹脂フィルム被覆金属板となっている。
一方、接着剤を用いなかった、本発明の必要条件を満たさない比較例1では、再加熱により樹脂フィルムが剥離した(密着性:×、成形加工性:×)。
また、加熱温度が本発明で規制した条件の下限値未満である比較例2では、再加熱により樹脂フィルムが剥離した(密着性:×)。
更に、加熱温度が本発明で規制した上限値超である比較例3では樹脂フィルム最表面から5μmの深さにおける複屈折率が本発明で規定する範囲から外れていた(樹脂フィルム最表面から5μmの深さにおける複屈折率:0.002)ために、樹脂フィルムが非晶質化し、その結果、満足すべき耐溶剤性を有するものが得られなかった(耐溶剤性:×(樹脂フィルムが白濁化))。
また、再加熱温度が本発明で規制した下限値未満である比較例4では接着層と接する面での複屈折率が本発明で規定する範囲から外れていた(接着層と接する面での複屈折率:0.025)ために、成形加工において樹脂フィルムの剥離が認められた(成形加工性:×)。
更に、再加熱温度が本発明で規制した上限値超である比較例5では樹脂フィルム最表面から5μmの深さにおける複屈折率が本発明で規定する範囲から外れていた(樹脂フィルム最表面から5μmの深さにおける複屈折率:0.001)ために、樹脂フィルムが非晶質化し、その結果、耐溶剤性を満足するものが得られなかった(耐溶剤性:×(樹脂フィルムが白濁化))。
そして、冷却速度が本発明で規制した下限値未満である比較例6では、樹脂が再結晶化し、接着層と接する面での複屈折率が本発明で規定する範囲から外れ(接着層と接する面での複屈折率:0.030)、成形加工において樹脂フィルムに亀裂を生じた(成形加工性:×(樹脂フィルムが剥離))。
また、接着剤を本発明の必要条件を満たさないポリエステル系接着剤とした比較例7では、接着剤を用いない比較例1と比較して密着性は向上するものの、成形加工において樹脂フィルムの剥離が認められた(成形加工性:×)。
また、樹脂フィルムの溶融粘度が本発明で規制した下限値未満であって、かつ、接着剤が本発明の必要条件を満たさないポリエステル系接着剤である比較例8では、成形加工において樹脂フィルムの剥離が認められた(成形加工性:×)。また、250℃で2分間加熱するとディンプルが多数発生した(耐熱性:×)。
更に、本発明の必要条件を満たしている実施例1から5に示す樹脂フィルム被覆金属板を用いて、チップコンデンサ用外装容器に成形加工した結果、樹脂フィルムの剥離も見られず、また、前記した耐溶剤性評価においても問題ないものであった。
以上、本発明の好ましい実施例として金属板にアルミニウム板を適用した例を説明したが、本発明はこの実施例のみに限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づく限りにおいて適宜変更することが可能である。例えば、本発明では金属板として、前記アルミニウム板以外に各種の軟鋼板やステンレス鋼板、あるいはチタン板や銅板を適用することができる。
金属板の片面にポリエステル系樹脂フィルムが形成された、本発明に係る1例の樹脂フィルム被覆金属板の構成を模式的に示す断面図である。 本発明に係る樹脂フィルム被覆金属板で結晶化度を求める際に用いた、示差熱分析計による測定結果である前記樹脂フィルムの温度と熱量との関係を模式的に示すグラフである。
符号の説明
1 樹脂フィルム被覆金属板
2 樹脂フィルム
3 接着層
4 金属板

Claims (5)

  1. 金属板の少なくとも片面に、接着剤より構成される接着層を介して樹脂フィルムを被覆した樹脂フィルム被覆金属板であって、
    前記接着剤は、メラミン系硬化剤及びイソシアネート系硬化剤の中から選ばれた少なくとも1種で構成され、単位面積当たりの質量が0.05〜2g/m であり、
    前記樹脂フィルムは、20〜90%の結晶化度を有し、更に、
    前記接着層と接する面での前記樹脂フィルムの複屈折率が0.005未満であって、かつ、
    前記樹脂フィルム最表面から5μmの深さにおける前記樹脂フィルムの複屈折率が0.005以上、
    であるポリエステル系樹脂で構成されることを特徴とする樹脂フィルム被覆金属板。
  2. 前記樹脂フィルムは、290℃温度条件下における溶融粘度が140Pa・s(パスカル・秒)以上であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂フィルム被覆金属板。
  3. 前記金属板が、アルミニウムまたはアルミニウム合金よりなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の樹脂フィルム被覆金属板。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の樹脂フィルム被覆金属板の製造方法であって、
    (1)前記樹脂フィルムを接着させるべき金属板の面に、メラミン系硬化剤及びイソシアネート系硬化剤の中から選ばれた少なくとも1種で構成された接着剤を、乾燥後の単位面積当たりの質量が0.05〜2g/m となるように、塗布または噴霧して、これを乾燥させ、接着剤層を形成する工程と、
    (2)前記接着剤層が形成された金属板を、前記樹脂フィルムの(融点−100℃)から(融点未満)の温度に加熱して接着層を形成する工程と、
    (3)前記接着層が形成された金属板に、接着層を介して、前記樹脂フィルムを圧着させて、樹脂フィルム圧着金属板を形成する工程と、
    (4)前記樹脂フィルム圧着金属板を、前記樹脂フィルムの(融点−50℃)から(融点未満)の温度で再加熱した後、100℃/秒以上の冷却速度で冷却する工程とを含むことを特徴とする樹脂フィルム被覆金属板の製造方法。
  5. 請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の樹脂フィルム被覆金属板を用いて成形加工されたことを特徴とする電子部品用外装容器。
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