JP4113122B2 - トリアジン化合物、トリアジン構造単位を含むポリマー、及び方法 - Google Patents

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Description

本発明は、トリアジン化合物、トリアジン構造単位を含むポリマー、及びその製造方法に関する。さらに具体的には、本発明は、ポリマー又はモノマー上の求核基と反応し得るトリアジン化合物、1以上のトリアジン部分を含むポリマー、及びかかるポリマーの製造方法に関する。
合成したままの多くのポリマーは、求核性末端基、ポリマー連鎖中のペンダント基としての求核基、又はその両方を含んでいる。求核性末端基は、ポリマーを特定の用途で使用する場合、ポリマーの性質に悪影響を及ぼすことがある。例えば、ポリ(アリーレンエーテル)中にヒドロキシ末端基が存在すると、熱安定性の低下をもたらすことがある。同様に、ポリカーボネート中にヒドロキシ末端基が存在すると、特定の状況下では、色又は光学的色調の不良、高い表面帯電、粘着、射出成形後の吸塵、耐熱性や耐水性の不良、及び耐熱老化性の不良をもたらすことがある。求核性末端基、特にヒドロキシ末端基が封鎖されたポリマーは、対応する非末端封鎖ポリマーに比べて性質の改善を示すことがある。
ポリマー上の求核基の封鎖は、物理的性質を改善するためばかりでなく、元の求核基とは異なる反応性官能基をポリマー中に導入するためにも使用できる。例えば、適当なエポキシ、オルトエステル又はオレフィン含有封鎖剤による封鎖でエポキシ、オルトエステル又はオレフィン官能基を導入すれば、非混和性ポリマーブレンドの相溶化のためのコポリマー生成のような様々な用途に使用し得る反応性ポリマーを得ることができる。ポリマー上の求核基の封鎖は、二官能性又は三官能性封鎖剤を使用すると共に、2本以上の求核基末端連鎖が反応に関与する場合、ポリマーの連鎖延長又は枝分れをもたらすこともある。また、ポリマー上の求核基の封鎖は、求核基がペンダント基からなると共に、二官能性又は三官能性封鎖剤を使用する場合、架橋ポリマーをもたらすこともある。連鎖延長ポリマー、枝分れポリマー及び架橋ポリマーは、大抵、吹込み成形品の製造で有用な溶融強度の増大のような性質の改善を有する。
反応性トリアジン部分との反応で末端封鎖したポリマーは報告されている。ヒドロキシ末端ポリ(アリーレンエーテル)又はヒドロキシ末端ポリカーボネートのような求核基末端ポリマーは、米国特許第4927894号、同第5034527号、同第5115043号、同第5132373号、同第5210191号及び同第5264496号に開示されている通り、溶液中でのクロロトリアジンとの反応で末端封鎖されている。アミン末端ポリシロキサンのような求核基末端ポリマーは、米国特許第5324796号に開示されている通り、溶液中でのクロロトリアジンとの反応で末端封鎖されている。溶液反応でトリクロロトリアジン(塩化シアヌルとしても知られる)を用いるヒドロキシ末端ポリ(アリーレンエーテル)の枝分れは、White及びLoucksがACS Symposium Series、第282巻(Reactive Oligomers)、187頁(1985年)に開示している。連鎖中にトリアジン構造単位を含むポリカーボネート並びにそれから製造した枝分れポリカーボネート及び成形組成物は、米国特許第3957728号、同第3978159号及び同第4092243号に開示されている。これらの参考文献はいずれも、トリアジン構造単位の組込みを塩基の存在下での溶液反応で行うことを要求している。それに続くポリマーの回収では、通例、アンチソルベントによる沈殿及び回収したポリマーの乾燥が必要となる。溶剤の回収及び塩基から生じた塩の処理のための方法を用意しなければならない。封鎖された求核基を有するポリマーを塩基の必要又は大量の溶剤の回収の必要なしに溶融法で得るための方法が要望されている。
反応性エステルとのエステル交換反応に基づいて求核基末端ポリマーの末端封鎖を行うための溶融法が報告されている。例えば、米国特許第5696222号及び欧州特許出願公開第703261号では、ヒドロキシ末端ポリカーボネートが反応性エステルとのエステル交換反応で封鎖されている。1つの例示的方法では、溶融エステル交換法でポリカーボネートを合成するための反応体としてビスフェノール及びジフェニルカーボネート(DPC)が使用される。ヒドロキシ末端基を末端封鎖してDPC由来のフェニル封鎖末端基を生じさせるには、化学量論的に過剰量のDPCを用いて所望の末端封鎖度を得ると共に、減圧に付してフェノール副生物を除去することで反応平衡を移動させればよい。しかし、温度及び圧力が高い後の反応段階における高揮発性DPC反応体の蒸発損失を補うため、反応の開始時に過剰量のDPCを使用するか、或いは後の反応段階で追加のDPCを添加しなければならない。かかる過剰のDPCを使用すると高い末端封鎖度を得ることができるが、これらの非化学量論的条件では反応速度及び分子量が犠牲になる。さらに、後の段階でのDPCの添加は、高い温度及び低い圧力を含む後の反応条件下でのDPCの揮発度からみて有効性の点で制限されると共に、後の反応段階で失われるDPCはリサイクルする必要があればフェノール副生物から分離しなければならない。
もう1つの不都合は、ビスフェノール及びDPCのようなジアリールカーボネートから溶融ポリカーボネートを合成する典型的な場合、反応の初期に他のモノフェノールを添加するか、或いは後反応工程を使用するかしなければ、ポリマー上に非官能化アリール末端基のみが得られる可能性がある。モノフェノールの添加は末端基の種類を変化させ得るが、反応速度及びポリマーの分子量に悪影響を及ぼすこともある。また、添加するモノフェノールは反応条件下で揮発性を有することもある。また、後反応工程での末端封鎖剤は大抵は反応性脱離基を有する活性炭酸エステルであり、これは有毒化学物質ホスゲンを用いて製造しなければならず、したがって安価では容易に入手できない。
解決すべき課題は、安価であり、特に溶融法での合成中又は合成後に求核基含有モノマー又は求核基含有ポリマーと反応し、一実施形態では(例えば、脱揮で)容易に除去して適宜回収できる化学種を放出する封鎖剤を提供することにある。様々な実施形態では、例えば、ヒドロキシ基のような残留求核基の除去を通じて、或いはポリマーに結合した封鎖剤上における有益な置換基の存在を通じて、封鎖剤がある種の性質の改善をポリマー組成物に付与することも望ましい。別の実施形態では、後の反応のため求核基含有ポリマー中に官能基を導入するように封鎖剤を修正し得ることも望ましい。さらに別の実施形態では、封鎖剤が重合反応中で関与化学種として求核基含有モノマーと反応し得ることも望ましい。さらに別の実施形態では、所望の分子量が達成されるまで化学量論的条件に近い条件で重合を迅速に行い、次いで末端封鎖剤を添加することで末端封鎖度及び/又は分子量を迅速に所望レベルまで増大させるようなやり方で封鎖剤を使用し得ることも望ましい。さらに別の実施形態では、連鎖延長剤、枝分れ剤又は架橋剤を提供するように封鎖剤を修正し得ることも望ましい。鋭意実験を行った後、本発明者らはこれらの課題の解決策を発見した。
米国特許第4927894号 米国特許第5034527号 米国特許第5115043号 米国特許第5132373号 米国特許第5210191号 米国特許第5264496号 米国特許第5324796号 米国特許第3957728号 米国特許第3978159号 米国特許第4092243号 米国特許第5696222号 欧州特許出願公開第703261号 White及びLoucks、ACS Symposium Series、第282巻(Reactive Oligomers)、187頁(1985年)
一実施形態では、本発明は下記式(I)のトリアジン系封鎖剤からなる。
Figure 0004113122
式中、L1はアリールオキシ基とトリアジン環との結合に対してオルト、メタ又はパラ位にある1以上の電子求引基を含むアリールオキシ基であり、Z1及びZ2は各々独立に、ポリマー又はモノマー上の求核基との反応に対して本質的に不活性の基、或いはL1基よりもポリマー又はモノマー上の求核基との反応速度が遅い基である。
別の実施形態では、本発明は下記式(II)のトリアジン系封鎖剤からなる。
Figure 0004113122
式中、L1及びL2は各々独立に、アリールオキシ基とトリアジン環との結合に対してオルト、メタ又はパラ位にある1以上の電子求引基を含むアリールオキシ基であり、Z1は、ポリマー又はモノマー上の求核基との反応に対して本質的に不活性の基、或いはL1及びL2基のどちらよりも遅い速度でポリマー又はモノマー上の求核基と反応する基である。
別の実施形態では、本発明は下記式(III)のトリアジン系封鎖剤からなる。
Figure 0004113122
式中、L1、L2及びL3は各々独立に、アリールオキシ基とトリアジン環との結合に対してオルト、メタ又はパラ位にある1以上の電子求引基を含むアリールオキシ基である。
本発明の他の実施形態は、トリアジン部分で封鎖された求核基を有するポリマーからなる。本発明のさらに他の実施形態は、トリアジン系封鎖剤を含むポリマーをポリマーの合成方法からなる。
本発明の他の様々な特徴、態様及び利点は、以下の説明及び特許請求の範囲を参照することでさらに明らかとなろう。
本発明に関しては、ポリマーとは2以上のモノマー単位を含む化学種である。本発明に関しては、トリアジン系封鎖剤とは、第二の化学種上の求核基に対して反応性のある1以上の環内炭素原子を含むトリアジン化合物である。あの種の実施形態では、トリアジン系封鎖剤は末端封鎖剤である。一実施形態では、本発明は、置換反応或いはエステル交換反応やアミド交換反応のような交換反応でポリマー又はモノマー上の求核基と反応して、トリアジン含有ポリマーとトリアジン系化合物から導かれた1種以上の脱離基とを含む反応生成物を生成し得るトリアジン系化合物からなる。一実施形態では、トリアジン含有ポリマーは末端構造単位として1以上のトリアジン部分を含む末端封鎖ポリマーである。本発明に関する末端封鎖ポリマーには、求核基含有ポリマーと単官能性トリアジン系封鎖剤との反応から導かれ、又は求核基含有モノマーと単官能性トリアジン系封鎖剤との反応から導かれる、末端単位として1以上のトリアジン含有部分を含むものが包含される。前記モノマーは、別の反応で単官能性トリアジン系封鎖剤と予め反応させてもよいし、或いは重合反応中に単官能性トリアジン系封鎖剤と反応させてもよい。
別の実施形態では、トリアジン含有ポリマーには、末端部位以外のポリマー連鎖中に1以上のトリアジン含有部分を構造単位として含むものが包含される。かかる構造単位は、求核基含有ポリマーと二官能性又は三官能性トリアジン系封鎖剤との反応から導くことができる。これら2つの実施形態では、得られるポリマーは、2つの求核性末端基を有する1本のポリマー連鎖が二官能性又は三官能性トリアジン系封鎖剤と反応する場合には環状ポリマーからなり得ると共に、2本以上の求核基末端ポリマー連鎖が二官能性又は三官能性トリアジン系封鎖剤と反応する場合にはそれぞれ連鎖延長ポリマー又は枝分れポリマーからなり得る。末端部位以外のポリマー連鎖中に1以上のトリアジン含有部分を構造単位として含むトリアジン含有ポリマーは、求核基含有モノマーと二官能性又は三官能性トリアジン系封鎖剤との反応から導くこともできる。前記モノマーは、別の反応でかかるトリアジン系封鎖剤と予め反応させてもよいし、或いは重合反応中に二官能性又は三官能性トリアジン系封鎖剤と反応させてもよい。
本発明に関するトリアジン含有ポリマーは、末端単位として1以上のトリアジン含有部分を含むと共に、末端部位以外のポリマー連鎖中に1以上のトリアジン含有部分を構造単位として含むものも包含される。本発明に関しては、単官能性トリアジン系封鎖剤は主としてトリアジン環上の1つだけの反応部位で求核基と反応するものであり、二官能性トリアジン系封鎖剤は主としてトリアジン環上の2つだけの反応部位で求核基と反応するものであり、三官能性トリアジン系封鎖剤は主としてトリアジン環上の3つの反応部位で求核基と反応するものである。
求核基には当技術分野で公知のものが包含され、その具体例にはヒドロキシ、チオヒドロキシ、アミノ及びカルボキシ(又はカルボキシレート)がある。本発明に関しては、ヒドロキシ及びチオヒドロキシという用語は、脂肪族ヒドロキシ又はチオヒドロキシ基を包含すると共に、芳香族ヒドロキシ又はチオヒドロキシ基(これらは当技術分野で時にはそれぞれフェノール基及びチオフェノール基と呼ばれる)も包含する。
本発明の様々な実施形態でのトリアジン系化合物は、下記式(I)の2,4,6−三置換−1,3,5−トリアジンである単官能性トリアジン系封鎖剤を包含する。
Figure 0004113122
式中、L1はポリマー又はモノマー上の求核基との反応性を有する脱離基であり、Z1及びZ2は各々独立に、ポリマー又はモノマー上の求核基との反応に対して本質的に不活性である基、或いは脱離基L1よりもポリマー又はモノマー上の求核基との反応速度が遅い基である。様々な実施形態で、Z1及びZ2は同一である。他の実施形態では、Z1及びZ2は反応条件下で本質的に不活性であり、ポリマー又はモノマー上の求核基と反応しない。
本発明の他の実施形態でのトリアジン系化合物は、下記式(II)の2,4,6−三置換−1,3,5−トリアジンである二官能性トリアジン系封鎖剤を包含する。
Figure 0004113122
式中、L1及びL2は各々独立に、ポリマー又はモノマー上の求核基との反応性を有する脱離基であり、Z1は、ポリマー又はモノマー上の求核基との反応に対して本質的に不活性である基、或いは脱離基L1及びL2のどちらよりもポリマー又はモノマー上の求核基との反応速度が遅い基である。特定の実施形態では、L1及びL2は同一である。他の実施形態では、Z1は反応条件下で本質的に不活性であり、ポリマー又はモノマー上の求核基と反応しない。
本発明の他の実施形態でのトリアジン系化合物は、下記式(III)の2,4,6−三置換−1,3,5−トリアジンである三官能性トリアジン系封鎖剤を包含する。
Figure 0004113122
式中、L1、L2及びL3は各々独立に、ポリマー又はモノマー上の求核基との反応性を有する脱離基である。特定の実施形態では、L1、L2及びL3は同一である。
様々な実施形態で、(L1、L2及びL3として具体化される)Lは、ハロ、クロロ、或いはアリールオキシ基とトリアジン環との結合に対してオルト、メタ又はパラ位にある1以上の電子求引基を含むアリールオキシ基である。一実施形態では、Lは、アリールオキシ基とトリアジン環との結合に対してオルト又はパラ位にある1以上の電子求引基を含むアリールオキシ基である。別の実施形態では、Lは、カルボアルコキシ、カルボアリールオキシ、カルボアリール、ハロ、シアノ及びニトロ並びにこれらの混合物からなる群から選択される、アリールオキシ基とトリアジン環との結合に対してオルト又はパラ位にある1以上の電子求引基を含むアリールオキシ基である。別の実施形態では、Lは、o−カルボメトキシフェノキシ、o−カルボメトキシメチルフェノキシ、o−カルボエトキシフェノキシ、o−カルボプロポキシフェノキシ、o−クロロフェノキシ、o−カルボフェニルフェノキシ、o−カルボフェノキシフェノキシ、o−カルボベンゾキシフェノキシ及びo−ニトロフェノキシからなる群から選択される。
一実施形態では、脱離基Lは揮発性であり、脱揮によって脱離基化合物として反応混合物から除去することができる。反応混合物からの脱離基化合物の除去は、トリアジン構造単位を含むポリマー又はモノマーに有利な方向に平衡を移動させるためにも役立つ。所望ならば、脱離基化合物を回収し、リサイクルして再び使用することもできる。脱離基Lは、所望ならば、トリアジン系化合物又は脱離基化合物或いはその両方の分子量及び揮発度の調整を助けるため、アルキル、アリール、アルカリール、アラルキル、アルコキシ、アリールオキシ、シリル、ハロ又はフルオロ置換基のような置換基を有していてもよい。例えば、1以上の電子求引性置換基を含むアリールオキシ基は、所望ならば、トリアジン系化合物又は脱離基L或いはその両方の分子量及び揮発度の調整を助けるため、アルキル、アリール、アルカリール、アラルキル、アルコキシ、アリールオキシ、シリル、ハロ又はフルオロ置換基のような置換基を有していてもよい。
様々な実施形態で、(Z1及びZ2として具体化される)Zは、アルキル、アリール、アルカリール、アラルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルアミノ又はアリールアミノ基であり、その非限定的具体例には、置換アリールオキシ、アリールアリールオキシ、アリールフェノキシ、アルキルフェノキシ(例えば、2−アルキルフェノキシ、3−アルキルフェノキシ及び4−アルキルフェノキシ)、ジアルキルフェノキシ(例えば、2,6−ジアルキルフェノキシ、2,3−ジアルキルフェノキシ、2,5−ジアルキルフェノキシ、2,4−ジアルキルフェノキシ、3,4−ジアルキルフェノキシ及び3,5−ジアルキルフェノキシ)、シアノフェノキシ、ハロフェノキシ、ジハロフェノキシ(例えば、2,6−ジハロフェノキシ、2,3−ジハロフェノキシ、2,5−ジハロフェノキシ、2,4−ジハロフェノキシ、3,4−ジハロフェノキシ及び3,5−ジハロフェノキシ)、2,6−ジアルコキシカルボニルフェノキシ、トリアルキルフェノキシ(例えば、2,3,5−トリアルキルフェノキシ、2,3,6−トリアルキルフェノキシ、2,4,5−トリアルキルフェノキシ、3,4,5−トリアルキルフェノキシ及び2,4,6−トリアルキルフェノキシ)、トリハロフェノキシ(例えば、2,3,4−トリハロフェノキシ、2,3,5−トリハロフェノキシ、2,3,6−トリハロフェノキシ、2,4,5−トリハロフェノキシ、3,4,5−トリハロフェノキシ及び2,4,6−トリハロフェノキシ)並びにこれらの四置換類似体がある。アリールオキシ又はアリールアミノ基は、電子供与基(その具体例にはアルコキシがある)により、ポリマー又はモノマー上の求核基との反応に対して失活又は本質的に不活性化することもできる。即ち、例示的な実施形態では、(Z1及びZ2として具体化される)Zは、アルコキシフェノキシ、ジアルコキシフェノキシ及びトリアルコキシフェノキシを包含する。Zとして好適な本質的に不活性の基の他の例は、米国特許第5696222号中に見出すことができる。
トリアジン系封鎖剤は、求核基を含むポリマー又はモノマーとの反応でポリマー又はモノマーに組み込まれる官能基を含んでいてもよい。この種の例示的なトリアジン封鎖剤は、下記式(IV)〜(VI)で示される。
Figure 0004113122
Figure 0004113122
Figure 0004113122
式中、L1、L2及びZ1は上記に定義した通りであり、Fuは、ポリマー又はモノマー上の求核基との反応に対して本質的に不活性である基、或いは脱離基L1よりもポリマー又はモノマー上の求核基との反応速度が遅いる基を表す。式(V)の一実施形態では、各Fu基は同一である。式(VI)の一実施形態では、L1及びL2は同一である。官能基Fuの具体例には、ビニル、アリル、プロパルギルオキシ、下記式(VII、Fu1)で示されるようなオレフィン基、下記式(VIII、Fu2)で示されるようなエポキシ基、及び下記式(IX、Fu3)で示されるような環状オルトエステル基がある。
Figure 0004113122
Figure 0004113122
Figure 0004113122
式中、R1はアルキル又はアリールであり、R2は水素、アルキル又はアリールであり、Y1は窒素又は酸素であり、R3はC1-6アルキレン基であり、R4はC1-4第一若しくは第二アルキル基であるか、或いはC*と共に第二の五員環又は六員環を形成するアルキレン基であり、R5はC1-4第一若しくは第二アルキル基又はC6-10芳香族基であり、或いはR4及びR5はこれらを結合する原子と共に五員環、六員環又は七員環を形成し、R6は水素又はC1-4第一若しくは第二アルキルであり、mは0又は1であり、nは1〜2mであり、xはR4及びC*が環を形成する場合には0であり、それ以外では1である。
本発明に関しては、アルキル基は1〜約30の炭素原子を含むものであり、直鎖アルキル基、枝分れアルキル基及びシクロアルキル基を包含する。アルキル基は1以上の不飽和基を含み得る。アルキル基の若干の非限定的具体例には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、アリル、ブチル、第三ブチル、ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘキセニル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル、ドデセニル、ペンタデシル、ペンタデセニル、ヘキサデシル、オクタデシル、オレイル、ラウリル、パルミチル及びステアリルがある。シクロアルキル基は、通例、3〜約12の環内炭素原子を含むものである。シクロアルキル基の若干の非限定的具体例には、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メチルシクロヘキシル及びシクロヘプチルがある。アルキルアミノ基は、式R12N−のものを包含する。式中、R1及びR2は各々独立に、上記に定義したようなアルキル基であり、或いはR1及びR2は複素環系(その具体例にはピロリジル、ピペリジル及びモルホリニルがある)の一部である。本発明に関しては、アリール基(したがってアリールアミノ基及びアリールオキシ基)は、置換又は非置換のものであってよく、通例は4〜14の環内炭素原子を含む全炭素環系又は複素芳香環系である。アリール基の若干の非限定的具体例には、フリル、クロマニル、フェニル、ビフェニル、ナフチル及びアントラニルがある。置換アリール基は、置換アリール基を含むトリアジン含有部分が調製できるならば、置換位置について特に限定されない。即ち、フェニル基(したがってフェニルアミノ基及びフェニルオキシ基)の場合は、置換基はオルト、メタ又はパラ位に存在し得る。典型的なアラルキル基及びアルカリール基は、7〜約24の炭素原子を含むものである。これらには、特に限定されないが、ベンジル、エチルフェニル、フェニルブチル、フェニルプロピル、プロピルフェニル及びフェニルエチルがある。本発明の例示的な実施形態では、Fu1はアリルアルコールから導かれる場合にR1はメチレン、R2は水素であり、Fu1が4−ヒドロキシスチレンから導かれる場合にR1はフェニル、R2は水素であり、Fu1がシンナミルアルコールから導かれる場合にR1はエチレン、R2はフェニルであり、Fu1が2−又は4−アリルフェノールから導かれる場合にR1はそれぞれフェニル−2−メチレン又はフェニル−4−メチレン、R2は水素であり、Fu1がオイゲノールから導かれる場合にR1は2−メトキシフェニル−4−メチレン、R2は水素である。本発明の別の実施形態では、Fu2がグリシドールから導かれる場合にR1はメチレンである。本発明の別の実施形態では、R3がメチレン、エチレン、プロピレン、テトラメチレン、ペンタメチレン又はヘキサメチレンであり、R4がメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル又はsec−ブチルである。様々な実施形態で、環状オルトエステル部分は、mが0でnが1である場合に五員環であり、m及びnが共に1であるか、或いはmが0でnが2である場合に六員環である。式(IX)の環状オルトエステル部分の具体例には、下記式(X)及び(XI)のものがある。
Figure 0004113122
Figure 0004113122
式(X)は4−(2−メトキシ−2−メチル−1,3−ジオキソラニル)基である。一実施形態では、前記基は、グリセロールとオルト酢酸メチルの反応で得られる4−ヒドロキシメチル−2−メトキシ−2−メチル−1,3−ジオキソランから導くことができる(以後は時に4−オキシメチル−2−メトキシ−2−メチル−1,3−ジオキソラン基ともいう)。式(XI)は4−(1−メチル−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクチル)基であり、一実施形態では、メチロール誘導体はオルト酢酸エチルとペンタエリトリトールの反応で製造できる。
単官能性トリアジン系封鎖剤の非限定的な例示的実施形態には、L1がクロロ、o−カルボメトキシフェノキシ、o−カルボメトキシメチルフェノキシ、o−カルボエトキシフェノキシ、o−カルボプロポキシフェノキシ、o−クロロフェノキシ、o−カルボフェニルフェノキシ、o−カルボフェノキシフェノキシ、o−カルボベンゾキシフェノキシ及びo−ニトロフェノキシからなる群から選択され、Z1及びZ2が各々独立に、メチル、フェニル、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、t−ブトキシ、ベンジルオキシ、シクロヘキシルオキシ、メチルシクロヘキシルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ、オクタデシルオキシ、オレイルオキシ、フェノキシ、n−ブチルフェノキシ、イソブチルフェノキシ、t−ブチルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、n−ペンチルフェノキシ、4−t−アミルフェノキシ、n−ヘキシルフェノキシ、シクロヘキシルフェノキシ、4−クミルフェノキシ、4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノキシ、オクチルフェノキシ、4−tert−オクチルフェノキシ、ノニルフェノキシ、ドデシルフェノキシ、オクタデシルフェノキシ、ペンタデシルフェノキシ、ペンタデセニルフェノキシ、2−メトキシエチルフェノキシ、4−(4’−オキシフェニル)−2,2,4−トリメチルクロマン、2−(4’−オキシフェニル)−2,4,4−トリメチルクロマン、1−(1−メチル−1−フェニルエチル)−4−(1−メチル−1−(4’−オキシフェニル)エチル)ベンゼン、フェニルフェノキシ、ナフチルフェノキシ、1,3−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)−5−(1−メチル−1−(4’−オキシフェニル)エチル)ベンゼン、4−シアノフェノキシ、4−ハロフェノキシ、4−ブロモフェノキシ、メトキシフェノキシ、フェノキシフェノキシ、ベンジルオキシフェノキシ、n−ヘキシルオキシフェノキシ、ジメトキシフェノキシ、2,6−ジメチルフェノキシ、2,6−ジ−t−ブチルフェノキシ、3,5−ジ−t−ブチルフェノキシ、3,5−ジクミルフェノキシ、2,4−ジ−t−ブチルフェノキシ、2,5−ジ−t−ブチルフェノキシ、2,5−ジクミルフェノキシ、2,3−ジ−t−ブチルフェノキシ、ジブロモフェノキシ、2,6−ジブロモフェノキシ、2,6−ジクロロフェノキシ、2,6−(ジメトキシカルボニル)フェノキシ、2,3,6−トリメチルフェノキシ、2,4,6−トリメチルフェノキシ、トリブロモフェノキシ、2,4,6−トリブロモフェノキシ及び2,4,6−トリクロロフェノキシからなる群から選択される、式(I)の化合物が包含される。
4−(4’−オキシフェニル)−2,2,4−トリメチルクロマン基及び2−(4’−オキシフェニル)−2,4,4−トリメチルクロマン基は、それぞれ下記化合物(XII)及び(XIII)から導かれる。
Figure 0004113122
Figure 0004113122
1−(1−メチル−1−フェニルエチル)−4−(1−メチル−1−(4’−オキシフェニル)エチル)ベンゼン基及び1,3−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)−5−(1−メチル−1−(4’−オキシフェニル)エチル)ベンゼン基は、それぞれ下記化合物(XIV)及び(XV)から導かれる。
Figure 0004113122
Figure 0004113122
単官能性トリアジン系封鎖剤の例示的実施形態には、L1がクロロ、o−カルボメトキシフェノキシ、o−カルボメトキシメチルフェノキシ、o−カルボエトキシフェノキシ、o−カルボプロポキシフェノキシ、o−クロロフェノキシ、o−カルボフェニルフェノキシ、o−カルボフェノキシフェノキシ、o−カルボベンゾキシフェノキシ及びo−ニトロフェノキシからなる群から選択され、Z1が(もし存在するならば)メチル、フェニル、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、t−ブトキシ、ベンジルオキシ、シクロヘキシルオキシ、メチルシクロヘキシルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ、オクタデシルオキシ、オレイルオキシ、フェノキシ、n−ブチルフェノキシ、イソブチルフェノキシ、t−ブチルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、n−ペンチルフェノキシ、4−t−アミルフェノキシ、n−ヘキシルフェノキシ、シクロヘキシルフェノキシ、4−クミルフェノキシ、4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノキシ、オクチルフェノキシ、4−tert−オクチルフェノキシ、ノニルフェノキシ、ドデシルフェノキシ、オクタデシルフェノキシ、ペンタデシルフェノキシ、ペンタデセニルフェノキシ、2−メトキシエチルフェノキシ、4−(4’−オキシフェニル)−2,2,4−トリメチルクロマン、2−(4’−オキシフェニル)−2,4,4−トリメチルクロマン、1−(1−メチル−1−フェニルエチル)−4−(1−メチル−1−(4’−オキシフェニル)エチル)ベンゼン、フェニルフェノキシ、ナフチルフェノキシ、1,3−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)−5−(1−メチル−1−(4’−オキシフェニル)エチル)ベンゼン、4−シアノフェノキシ、4−ハロフェノキシ、4−ブロモフェノキシ、メトキシフェノキシ、フェノキシフェノキシ、ベンジルオキシフェノキシ、n−ヘキシルオキシフェノキシ、ジメトキシフェノキシ、2,6−ジメチルフェノキシ、2,6−ジ−t−ブチルフェノキシ、3,5−ジ−t−ブチルフェノキシ、3,5−ジクミルフェノキシ、2,4−ジ−t−ブチルフェノキシ、2,5−ジ−t−ブチルフェノキシ、2,5−ジクミルフェノキシ、2,3−ジ−t−ブチルフェノキシ、ジブロモフェノキシ、2,6−ジブロモフェノキシ、2,6−ジクロロフェノキシ、2,6−(ジメトキシカルボニル)フェノキシ、2,3,6−トリメチルフェノキシ、2,4,6−トリメチルフェノキシ、トリブロモフェノキシ、2,4,6−トリブロモフェノキシ及び2,4,6−トリクロロフェノキシからなる群から選択され、Fuがビニル、アリル、アリルオキシ、2−アリルフェノキシ、4−アリルフェノキシ、4−エテニルフェノキシ、シンナミルオキシ、4−アリル−2−メトキシフェノキシ、プロパルギルオキシ、グリシドキシ及び4−(2−メトキシ−2−メチル−1,3−ジオキソラニル)メトキシ又は4−オキシメチル−2−メトキシ−2−メチル−1,3−ジオキソランからなる群から選択される、式(IV)及び(V)の化合物も包含される。
二官能性トリアジン系封鎖剤の例示的実施形態には、L1及びL2が各々独立に、o−カルボメトキシフェノキシ、o−カルボメトキシメチルフェノキシ、o−カルボエトキシフェノキシ、o−カルボプロポキシフェノキシ、o−クロロフェノキシ、o−カルボフェニルフェノキシ、o−カルボフェノキシフェノキシ、o−カルボベンゾキシフェノキシ及びo−ニトロフェノキシからなる群から選択され、Z1がメチル、フェニル、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、t−ブトキシ、ベンジルオキシ、シクロヘキシルオキシ、メチルシクロヘキシルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ、オクタデシルオキシ、オレイルオキシ、フェノキシ、n−ブチルフェノキシ、イソブチルフェノキシ、t−ブチルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、n−ペンチルフェノキシ、4−t−アミルフェノキシ、n−ヘキシルフェノキシ、シクロヘキシルフェノキシ、4−クミルフェノキシ、4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノキシ、オクチルフェノキシ、4−tert−オクチルフェノキシ、ノニルフェノキシ、ドデシルフェノキシ、オクタデシルフェノキシ、ペンタデシルフェノキシ、ペンタデセニルフェノキシ、2−メトキシエチルフェノキシ、4−(4’−オキシフェニル)−2,2,4−トリメチルクロマン、2−(4’−オキシフェニル)−2,4,4−トリメチルクロマン、1−(1−メチル−1−フェニルエチル)−4−(1−メチル−1−(4’−オキシフェニル)エチル)ベンゼン、フェニルフェノキシ、ナフチルフェノキシ、1,3−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)−5−(1−メチル−1−(4’−オキシフェニル)エチル)ベンゼン、4−シアノフェノキシ、4−ハロフェノキシ、4−ブロモフェノキシ、メトキシフェノキシ、フェノキシフェノキシ、ベンジルオキシフェノキシ、n−ヘキシルオキシフェノキシ、ジメトキシフェノキシ、2,6−ジメチルフェノキシ、2,6−ジ−t−ブチルフェノキシ、3,5−ジ−t−ブチルフェノキシ、3,5−ジクミルフェノキシ、2,4−ジ−t−ブチルフェノキシ、2,5−ジ−t−ブチルフェノキシ、2,5−ジクミルフェノキシ、2,3−ジ−t−ブチルフェノキシ、ジブロモフェノキシ、2,6−ジブロモフェノキシ、2,6−ジクロロフェノキシ、2,6−(ジメトキシカルボニル)フェノキシ、2,3,6−トリメチルフェノキシ、2,4,6−トリメチルフェノキシ、トリブロモフェノキシ、2,4,6−トリブロモフェノキシ及び2,4,6−トリクロロフェノキシからなる群から選択される、式(II)の化合物が包含される。二官能性トリアジン系封鎖剤の例示的実施形態には、L1及びL2が各々独立に、クロロ、o−カルボメトキシフェノキシ、o−カルボメトキシメチルフェノキシ、o−カルボエトキシフェノキシ、o−カルボプロポキシフェノキシ、o−クロロフェノキシ、o−カルボフェニルフェノキシ、o−カルボフェノキシフェノキシ、o−カルボベンゾキシフェノキシ及びo−ニトロフェノキシからなる群から選択され、Fuがビニル、アリル、アリルオキシ、2−アリルフェノキシ、4−アリルフェノキシ、4−エテニルフェノキシ、シンナミルオキシ、4−アリル−2−メトキシフェノキシ、プロパルギルオキシ、グリシドキシ及び4−オキシメチル−2−メトキシ−2−メチル−1,3−ジオキソランからなる群から選択される、式(VI)の化合物も包含される。
三官能性トリアジン系封鎖剤の例示的実施形態には、L1、L2及びL3が各々独立に、o−カルボメトキシフェノキシ、o−カルボメトキシメチルフェノキシ、o−カルボエトキシフェノキシ、o−カルボプロポキシフェノキシ、o−クロロフェノキシ、o−カルボフェニルフェノキシ、o−カルボフェノキシフェノキシ、o−カルボベンゾキシフェノキシ及びo−ニトロフェノキシからなる群から選択される、式(III)の化合物が包含される。一実施形態では、L1、L2及びL3は各々2−カルボメトキシフェノキシである。
本発明のトリアジン系化合物の製造方法には、当技術分野で公知の方法が包含される。様々な実施形態では、塩化シアヌル(2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン)を反応条件下でZ(存在する場合)、Fu(存在する場合)及びLの前駆体と接触させる。一実施形態では、Z、続いてFu、続いてLの順序で前駆体を順次に塩化シアヌルと接触させる。別の実施形態では、Fu、続いてZ、続いてLの順序で前駆体を順次に塩化シアヌルと接触させる。別の実施形態では、Z、続いてLの順序で前駆体を順次に塩化シアヌルと接触させる。前駆体の例には、アルコール、アミン、フェノール類及びアニリン類がある。反応条件は、一般に、溶媒の存在、及び塩化シアヌルと前駆体化合物の反応時に通例放出される塩酸に対する酸受容体の存在を含む。一実施形態では、酸受容体は水酸化ナトリウム水溶液からなり、反応は水と有機溶媒の二相混合物中で行われる。この場合、相間移動触媒が適宜存在していてもよい。相間移動触媒は当技術分野で公知であり、第四級アンモニウム化合物及び第四級ホスホニウム化合物がある。別の実施形態では、酸受容体は第三級アミンからなる。別の実施形態では、酸受容体は水素化ナトリウムからなり、反応は有機溶媒中で行われる。様々な実施形態で、塩の分離のための段階が包含される。
本発明の求核基含有ポリマーには、特に限定されないが、求核基を含む熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー樹脂、エラストマー樹脂及びオリゴマーのような、溶液条件、溶融条件又はスラリー条件下で加工し得る、当技術分野で公知のすべてのものが包含される。その具体例には、特に限定されないが、求核基を末端とするポリエーテル、ポリ(アリーレンエーテル)、ポリ(フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジメチルフェニレンエーテル)、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエステル、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエーテルケトン、ポリアリールエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン、ポリ(アリーレンスルフィド)、ポリ(フェニレンスルフィド)、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリ(アルキレンテレフタレート)、ポリアリーレート、液晶ポリエステル、ポリエステルカーボネート、ポリスルホン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレン−プロピレングリコール、酸化ポリオレフィン、シロキサン、アミン末端シロキサン、及びオイゲノール封鎖シロキサンのようなヒドロキシ末端シロキサンがある。その具体例には、ヒドロキシ含有シロキサン、アミン含有シロキサン、ヒドロキシアルキルアクリレート含有コポリマー、酸化ポリオレフィン及びフェノキシ樹脂のような、ポリマー連鎖中にペンダント基として求核基を有するポリマーも包含される。本発明に関しては、求核基含有モノマーは本発明の求核基含有ポリマーを製造するのに適したものを包含する。様々な実施形態で、本発明の求核基含有モノマーは、縮合重合反応に関与して本発明の求核基含有ポリマーを製造し得るものからなる。
一実施形態では、本発明はトリアジン構造単位を含むポリ(フェニレンエーテル)からなる。ポリ(フェニレンエーテル)(以後時には「PPE」ともいう)は、下記式(XVI)の構造単位の複数を含む公知のポリマーである。
Figure 0004113122
式中、前記単位の各々について独立に、各Q1は独立にハロゲン、第一又は第二低級アルキル(即ち、7以下の炭素原子を含むアルキル)、フェニル、ハロアルキル、アミノアルキル、炭化水素オキシ、或いはハロゲン原子と酸素原子とが2以上の炭素原子で隔てられているハロ炭化水素オキシであり、各Q2は独立に水素、ハロゲン、第一又は第二低級アルキル、フェニル、ハロアルキル、炭化水素オキシ、或いはQ1について定義したようなハロ炭化水素オキシである。特定の実施形態では、各Q1はアルキル又はフェニル(特にC1-4アルキル)であり、各Q2は水素である。
ホモポリマー及びコポリマーのポリ(フェニレンエーテル)が共に包含される。一実施形態では、ホモポリマーは2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル単位を含むものである。一実施形態では、好適なコポリマーは、2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル単位を(例えば)2,3,6−トリメチル−1,4−フェニレンエーテル単位と共に含むランダム又はブロックコポリマーを包含する。また、この種のポリマー中には、2,6−ジメチルフェノールのような1種以上のモノフェノールとビスフェノールである2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパンのような多官能性フェノールとの共重合で製造される二官能性フェノール含有ポリマーがある。典型的な多官能性フェノール、及びそれから製造されるポリ(フェニレンエーテル)ポリマーには、米国特許第5352745号中に記載されたものがある。また、ビニルモノマー又はポリスチレンやエラストマーのようなポリマーを公知の方法でポリフェニレンエーテル上にグラフトして得られる部分を含むポリフェニレンエーテル、並びに、トリアジン部分との反応のために利用できる少なくとも一部のヒドロキシ基が残留していることを条件として、低分子量ポリカーボネートやキノンや複素環式化合物やホルマールのようなカップリング剤を公知の方法で2本のポリフェニレンエーテル鎖のヒドロキシ基と反応させてさらに高分子量のポリマーとしたカップルドポリフェニレンエーテルも包含される。
ポリ(フェニレンエーテル)は、一実施形態では25℃のクロロホルム中で測定して約0.08dl/gを超える固有粘度(IV)を有し、別の実施形態では約0.25dl/gを超える固有粘度を有し、別の実施形態では約0.25〜0.6dl/gの範囲内の固有粘度を有し、さらに別の実施形態では約0.4〜0.6dl/gの範囲内の固有粘度を有する。固有粘度の異なるポリ(フェニレンエーテル)の混合物も、本発明の組成物中で使用するのに適している。かかる混合物には、0.12IV樹脂と0.46IV樹脂の組合せで例示されるような、低固有粘度及び高固有粘度ポリ(フェニレンエーテル)樹脂を共に含むものがある。
ポリフェニレンエーテルは、通例、2,6−キシレノール又は2,3,6−トリメチルフェノールのような1種以上のモノヒドロキシ芳香族化合物を含む反応体の酸化カップリングで製造される。かかるカップリングのためには、一般に触媒系が使用される。かかる触媒系は、通例、銅、マンガン又はコバルト化合物のような1種以上の重金属化合物を通常は様々な他の物質と共に含んでいる。触媒及び方法の具体例は、米国特許第3306874号、同第3306875号、同第3914266号、同第4028341号、同第4054553号、同第4092294号、同第4477651号及び同第4517341号に開示されている。
若干の実施形態では、合成したままのポリ(フェニレンエーテル)は1以上のアミノアルキル含有末端基を含んでいる。通例、アミノアルキル基はヒドロキシ基に対してオルト位に位置している。かかる末端基を含むポリ(フェニレンエーテル)は、ジ−n−ブチルアミン又はジメチルアミンのような適当な第一級又は第二級モノアミンを酸化カップリング反応混合物の一成分として導入することで得られる。また、通例は特に銅−ハロゲン化物−第二級又は第三級アミン系中に副生物ジフェノキノンが存在する反応混合物から得られる4−ヒドロキシビフェニル末端基もしばしば存在する。一実施形態では、通例はポリマーの約90重量%をも占めるポリ(フェニレンエーテル)分子の実質的な部分が、前記アミノアルキル含有末端基及び4−ヒドロキシビフェニル末端基の1以上を含み得る。
様々な実施形態で、高いフェノール末端基レベルを得、流動性を高め、加工性を改善し、或いは他のブレンド成分との適当な均質性を得るため、低分子量PPEポリマーが望ましい場合がある。低分子量PPEポリマーは、様々な実施形態で(ポリスチレン標準に対し25℃のクロロホルム中で測定して)約1200〜約9700の数平均分子量(Mn)を有しており、他の実施形態ではMnは約2100〜約5900であり、さらに他の実施形態ではMnは約2100〜約3900である。上記の通り、これらの低分子量PPEポリマーは酸化重合で製造できる。別法として、低分子量PPEポリマーは、酸化剤の存在下におけるPPEとフェノール化合物の再分配のような他の公知方法でも製造できる。
本発明での使用のために想定されるポリ(フェニレンエーテル)が、構造単位又は副次的な化学的特徴の変化にかかわらず、求核基特に求核性末端基を有する、現在知られているもののすべてを包含することは、上記の説明から当業者には明らかであろう。
別の実施形態では、本発明はトリアジン構造単位を含むポリカーボネートからなる。様々な実施形態で、本発明のポリカーボネートは、1種以上のトリアジン系化合物から導かれる構造単位、1種以上の二価フェノール及びカーボネート前駆体を含んでなる。好適な二価フェノールには、下記式(XVII)で表されるものがある。
Figure 0004113122
式中、Dは二価芳香族基である。様々な実施形態で、Dは下記式(XVIII)の構造を有する。
Figure 0004113122
式中、A1はフェニレン、ビフェニレン、ナフチレンなどの芳香族基を表す。Eはアルキレン基又はアルキリデン基であり、特に限定されないが、メチレン、エチレン、エチリデン、プロピレン、プロピリデン、イソプロピリデン、ブチレン、ブチリデン、イソブチリデン、アミレン、アミリデン、イソアミリデンが挙げられる。Eがアルキレン基又はアルキリデン基である場合、芳香族結合、第三アミノ結合、エーテル結合、カルボニル結合、ケイ素含有結合、硫黄含有結合(特に限定されないが、スルフィド、スルホキシド、スルホンを包含する)又はリン含有結合(特に限定されないが、ホスフィニル、ホスホニルを包含する)のような、アルキレン又はアルキリデンと異なる部分で連結された2以上のアルキレン基又はアルキリデン基からなっていてもよい。さらにEは、特に限定されないが、シクロペンチリデン、シクロヘキシリデン、3,3,5−トリメチルシクロヘキシリデン、メチルシクロヘキシリデン、2−[2.2.1]−ビシクロヘプチリデン、ネオペンチリデン、シクロペンタデシリデン、シクロドデシリデン、アダマンチリデンを包含する脂環式基、スルフィド、スルホキシド又はスルホンのような硫黄含有結合、ホスフィニル又はホスホニルのようなリン含有結合、エーテル結合、カルボニル基、第三窒素基、或いはシラン又はシロキシのようなケイ素含有結合からなり得る。R7は、水素、或いはアルキル、アリール、アラルキル、アルカリール又はシクロアルキルのような一価炭化水素基を表す。様々な実施形態で、R7の一価炭化水素基は、例えばジクロロアルキリデンのように、ハロゲン置換(特に、フルオロ置換又はクロロ置換)されたものからなり得る。Y2は、特に限定されないがハロゲン(フッ素、臭素、塩素、ヨウ素)を始めとする無機原子、特に限定されないがニトロを始めとする無機基、特に限定されないがアルキル、アリール、アラルキル、アルカリール又はシクロアルキルのような一価炭化水素基を始めとする有機基、或いはOR8(式中、R8はアルキル、アリール、アラルキル、アルカリール又はシクロアルキルのような一価炭化水素基である)のようなオキシ基からなり得る。Y2は、ポリカーボネートを製造するために使用する反応体及び反応条件に対して不活性であると共に、これらによって影響されないものでありさえすればよい。文字「m」は、0から、置換のために利用可能なA1上の位置の数までの整数を表し、「p」は、0から、置換のために利用可能なE上の位置の数までの整数を表し、「t」は1以上に等しい整数を表し、「s」は0又は1であり、「u」は0を含む整数を表す。
上記式(XVIII)で表されるように2以上のY2置換基が存在する場合、これらは同一でも異なるものでもよい。2以上のR7置換基が存在する場合、これらは同一でも異なるものでもよい。式(XVIII)中の「s」が0であり、「u」が0でない場合、芳香環はアルキリデン又は他の橋かけ基の介在なしに直接に結合する。芳香族残基の2以上の環内炭素原子がY2及びヒドロキシル基で置換される場合、芳香族残基A1上のヒドロキシル基とY2の位置はオルト位、メタ位又はパラ位で種々異なっていてもよく、各基はビシナルな関係でも、非対称な関係でも対称な関係のいずれにあってもよい。
式(XVII)の二価フェノールの若干の非限定的具体例には、米国特許第4217438号中に名称又は式(一般式若しくは特定式)で開示されているジヒドロキシ置換芳香族炭化水素が包含される。本発明の様々な実施形態で、二価フェノールは、6−ヒドロキシ−1−(4’−ヒドロキシフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、4,4’−(3,3,5−トリメチルシクロヘキシリデン)ジフェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(一般にビスフェノールA又は「BPA」として知られる)、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−イソプロピルフェニル)プロパン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−5−ニトロフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,6−ジメチル−3−メトキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2−クロロフェニル)エタン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキシルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルプロパン、ヒドロキノン、レゾルシノール、C1-3アルキル置換レゾルシノールを包含する。
好適な二価フェノールには、下記式(XIX)で表されるもの(この化合物は3−(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,3−トリメチルインダン−5−オールである)及び下記式(XX)で表されるもの(この化合物は1−(4−ヒドロキシフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン−5−オールである)のような、インダン構造単位を含むものも包含される。
Figure 0004113122
Figure 0004113122
好適な二価フェノールには、下記式(XXI)で表されるもののような、スピロビインダン構造単位を含むものも包含される。
Figure 0004113122
式中、各R20は独立に一価炭化水素基及びハロゲン基から選択され、各R21、R22、R23及びR24は独立にC1-6アルキルであり、各R25及びR26は独立にH又はC1-6アルキルであり、各nは独立に0〜3の値を有する正の整数から選択される。R20で表される一価炭化水素基には、上記に既に定義したような、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基及びアルカリール基が包含される。様々な実施形態で、R20で表されるハロゲン基はフッ素、塩素及び臭素である。
式(XXI)の二価フェノール化合物中に2以上のR20置換基が存在する場合、これらは同一でも異なるものでもよい。芳香核残基上でのヒドロキシル基及びR20の相対位置は、オルト位又はパラ位に変化し得る。各ヒドロキシ基の位置は、独立に各芳香環上のどの非置換部位にあってもよい。一実施形態では、各ヒドロキシ基は独立に各芳香環の5位又は6位及び5’位又は6’位にある。別の実施形態では、各ヒドロキシ基は各芳香環の6位及び6’位にある。
様々な実施形態で、各R20は独立に塩素、臭素、及び炭素原子数1〜約5の低級アルキル基から選択され、各R21、R22、R23及びR24は独立にC1-6アルキルであり、各R25及びR26は独立にH又はC1-6アルキルであり、各nは独立に0〜3である。若干の実施形態では、各R20は独立に塩素及び炭素原子数1〜約3の低級アルキル基から選択され、各R21、R22、R23及びR24は独立にC1-2アルキルであり、各R25及びR26は独立にH又はC1-2アルキルであり、各nは独立に0〜2である。他の実施形態では、各R21、R22、R23及びR24はメチルであり、各R25及びR26はHであり、各nは0である。
一実施形態では、本発明で使用するのに適したポリカーボネート製造用のスピロ二価フェノールは、6,6’−ジヒドロキシ−3,3,3’,3’−テトラメチル−1,1’−スピロビインダン(時には「SBI」として知られる)である。この場合、式(XXI)中のnは0であり、ポリマー分子の残部との結合は芳香環上の特定位置にある。
様々な実施形態で、ポリカーボネートを製造するためのカーボネート前駆体は、1種以上のハロゲン化カルボニル、炭酸エステル又はハロギ酸エステルを包含する。本発明で使用し得るハロゲン化カルボニルは、塩化カルボニル、臭化カルボニル及びこれらの混合物である。本発明で使用し得る典型的な炭酸エステルには、特に限定されないが、ジフェニルカーボネート、ジ(ハロフェニル)カーボネート、ジ(クロロフェニル)カーボネート、ジ(ブロモフェニル)カーボネート、ジ(トリクロロフェニル)カーボネート、ジ(トリブロモフェニル)カーボネート、ジ(アルキルフェニル)カーボネート、ジ(トリル)カーボネート、ジ(ナフチル)カーボネート、ジ(クロロナフチル)カーボネート、フェニルトリルカーボネート、クロロフェニルクロロナフチルカーボネート、ジ(メチルサリチル)カーボネート及びこれらの混合物を始めとするジアリールカーボネートが包含される。本発明での使用に適したハロギ酸エステルは、特に限定されないが、ヒドロキノン、ビスフェノールA、3−(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,3−トリメチルインダン−5−オール、1−(4−ヒドロキシフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン−5−オール、4,4’−(3,3,5−トリメチルシクロヘキシリデン)ジフェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘキサンなどのビスクロロギ酸エステルを始めとする二価フェノールのビスハロギ酸エステルと、ヒドロキノン、ビスフェノールA、3−(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,3−トリメチルインダン−5−オール、1−(4−ヒドロキシフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン−5−オール、4,4’−(3,3,5−トリメチルシクロヘキシリデン)ジフェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘキサンなどを含むオリゴマーのような、ビスクロロギ酸エステル末端ポリカーボネートオリゴマーと、特に限定されないが、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール及びポリエチレングリコールのビスハロギ酸エステルを始めとするグリコール類のビスハロギ酸エステルとを包含する。ハロギ酸エステルの混合物も使用できる。特定の実施形態では、ホスゲンとして知られる塩化カルボニルが使用される。別の特定の実施形態では、ジフェニルカーボネートが使用される。
ポリカーボネートを製造するための条件には、特に限定されないが、溶液法、界面法、溶融法、エステル交換法、固相法及び再分配法並びにこれらの組合せがある。これらの方法のあるものでは、大抵、カーボネート前駆体としてホスゲンが使用される。溶液法では、トリエチルアミン又はピリジンのような塩基を化学量論な量で使用することがある。界面法を使用する場合には、各種の相間移動触媒を適宜添加してもよい。好適な相間移動触媒には、特に限定されないが、トリエチルアミンのような第三級アミン、臭化テトラブチルアンモニウムのようなアンモニウム塩、又は塩化ヘキサエチルグアニジニウムがある。
一実施形態では、ポリカーボネートは溶融エステル交換法で製造される。この方法では、ホスゲンや溶媒の使用が必要でなく、大抵は最終ポリマー中の環状及び線状低分子量オリゴマーのような低分子量夾雑物の生成が最小限に抑えられる。1つの具体例では、ポリカーボネートモノマーがジアリールカーボネートのようなカーボネート源、及びアルカリ金属水酸化物又は水酸化第四級アンモニウム或いはこれらの混合物のような少量の触媒と混合され、反応混合物上のヘッドスペースの圧力を周囲圧力から約1トルまで低下させながら一連の段階を通して温度を上昇させるというプロトコルに従って減圧下で加熱される。かかる段階の時間及び温度は、発泡などによる材料の機械的損失を回避するようなものである。若干の実施形態では、ジアリールカーボネートはジフェノールカーボネートであり、フェノール及び過剰のジフェノールカーボネートを塔頂から除去して重合プロセスを完了させることができる。所望ならば、当技術分野で公知であるか、或いは本発明で開示されている末端封鎖剤、カップリング剤又は枝分れ剤の1種以上を反応に含めてもよい。次いで、生成物である高分子ポリマーを融液として単離することができ、ペレット化に先立ってこの融液に安定剤や離型剤のような他の添加剤を配合することもできる。好適なカーボネート源、触媒及び反応条件は、例えば、米国特許第5880248号及びKirk−Othmer Encyclopedia of Chemical Technology、第4版、第19巻、584〜600頁(援用によって本明細書の内容の一部をなす)中に見出すことができる。
様々な実施形態で、本発明のポリカーボネートは、ポリスチレン標準に対しゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定して約5000〜約100000の範囲内の重量平均分子量を有し、他の実施形態では約10000〜約65000の範囲内の重量平均分子量を有し、さらに他の実施形態では約18000〜約55000の範囲内の重量平均分子量を有する。他の実施形態では、本発明のポリカーボネートは、ポリスチレン標準に対しゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定して約30000〜約55000の範囲内の重量平均分子量を有する。
本発明の一実施形態では、トリアジン含有ポリマーのポリマー連鎖のほとんど全部が、それに結合した1以上の求核基を有している。一実施形態では、ポリマー連鎖のほとんど全部が1以上の求核性末端基を有している。本発明の別の実施形態では、ポリマー連鎖の一部のみが1以上の求核性末端基を有している。本発明の一実施形態では、ポリマーの求核基(例えば、求核性末端基)のほとんど全部が1種以上のトリアジン系封鎖剤との反応で封鎖されている。若干の実施形態では、ポリマー連鎖のほとんど全部がポリマー上の2以上の末端部位に結合したトリアジン系構造単位を有している。本発明の別の実施形態では、ポリマーの求核基(例えば、求核性末端基)の一部のみが1種以上のトリアジン系封鎖剤との反応で封鎖されている。他の実施形態では、ポリマー連鎖の一部のみがポリマー上の2以上の末端部位に結合したトリアジン系構造単位を有している。若干の実施形態では、モノマー又はポリマーの求核基(特に求核性末端基)と反応させるため、トリアジン系封鎖剤を1種以上の他の非トリアジン系封鎖剤と組み合わせて使用することもできる。
いかなる他の官能基がトリアジン系封鎖剤上に存在し得るか、並びに反応条件及びポリマー又はモノマー上の求核基の種類のような他の要因に応じ、単官能性を有する(即ち、1つのL基を含む)ように設計されたトリアジン系封鎖剤がトリアジン環上の2以上の部位では多少低い程度で求核基と反応し得る状況が存在し得ることが当業者には理解されよう。この場合、トリアジン置換基Zが脱離基Lより遅い速度でポリマー又はモノマー上の求核基と反応しさえすればよい。同様に、二官能性を有する(即ち、2つのL基を含む)ように設計されたトリアジン系封鎖剤がトリアジン環上の3以上の部位では多少低い程度で求核基と反応し得る。この場合、トリアジン置換基Zが脱離基Lより遅い速度でポリマー又はモノマー上の求核基と反応しさえすればよい。トリアジン環上の(アリールオキシのような)置換基は、立体障害を受けている場合、置換又は交換のような反応をますます受け難くなることはよくある事実である。1つの具体例では、2,6−二置換アリールオキシ部分は、それに対応する一置換アリールオキシ又は非置換アリールオキシ類似体よりも求核基との反応を受け難いことが多い。
本発明の様々な実施形態で、ポリマーはトリアジン含有部分を末端単位として含んでいても、末端部位以外のポリマー連鎖中の構造単位として含んでいても、これらの両タイプの構造単位として含んでいてもよい。最後の実施形態では、両方のタイプの構造単位の混合物は、求核基含有ポリマーと1種又は2種以上のトリアジン系封鎖剤(例えば、単官能性トリアジン系封鎖剤と二官能性トリアジン系封鎖剤の混合物)との反応で導くことができる。
二官能性トリアジン系封鎖剤を用い、2以上のポリマー連鎖上の末端求核基との反応で求核基末端ポリマーの連鎖延長を行うことができる。かかる実施形態では、トリアジン含有ポリマーの数平均分子量が通例増加し、一実施形態ではその増加が500ダルトン以上であり、別の実施形態では1000ダルトン以上であり、さらに別の実施形態では2000ダルトン以上であり、さらに別の実施形態では2500ダルトン以上である。かかる実施形態の他の例では、トリアジン含有ポリマーの固有粘度が通例増加し、一実施形態ではその増加が0.05IV単位以上であり、別の実施形態では0.1IV単位以上であり、さらに別の実施形態では0.2IV単位以上である。IV単位は通常デシリットル/グラムである。
三官能性トリアジン系封鎖剤を用い、2以上のポリマー連鎖上の末端求核基との反応で求核基末端ポリマーを枝分れさせてもよい。かかる実施形態では、1以上の粘度値が通例変化する。詳しくは、トリアジン含有ポリマーに関し、(DIN 54811で測定される)溶融粘度が増加し、又は(ISO 1133で測定される)メルトフローレートが減少し、又は(ISO 1133で測定される)メルトボリュームレートが減少し、一実施形態ではその変化がポリマーの初期値に比べて5%以上であり、別の実施形態では10%以上であり、さらに別の実施形態では15%以上であり、さらに別の実施形態では20%以上であり、さらに別の実施形態では50%以上である。
当業者には、二官能性又は三官能性トリアジン系封鎖剤が2以上のポリマー連鎖上の求核基と反応するか否かは、少なくとも部分的には封鎖剤の化学量論的添加量に依存し得ることが認められよう。例えば、化学量論的に過剰量の二官能性トリアジン系封鎖剤を使用すると、連鎖延長されるポリマー連鎖に加え、ポリマー連鎖の若干部分がトリアジン部分による末端封鎖のみを受けることがある。一実施形態では、化学量論的に大過剰量の二官能性トリアジン系封鎖剤を使用した場合、末端求核基を含む連鎖の実質的な部分(ほとんど全部を含む)が単に末端封鎖のみを受けることがある。別の例では、化学量論的に過剰量の三官能性トリアジン系封鎖剤を使用すると、枝分れするポリマー連鎖に加え、ポリマー連鎖の若干部分がトリアジン部分による連鎖延長又は末端封鎖のみを受けることがある。一実施形態では、本発明は、その生成物と共に、二官能性トリアジン系封鎖剤を用いて末端封鎖及び連鎖延長を受けた連鎖の混合物を含むポリマーを得る方法を包含する。他の実施形態では、本発明は、その生成物と共に、三官能性トリアジン系封鎖剤を用いて連鎖延長及び枝分れを受けた連鎖の混合物又は末端封鎖、連鎖延長及び枝分れを受けた連鎖の混合物を含むポリマーを得る方法も包含する。
別の実施形態では、トリアジン系封鎖剤との反応で封鎖された求核基を有するポリマーは、封鎖ポリマーの1以上の点からポリマー連鎖を成長させるための重合促進剤として使用できる。一実施形態では、二官能性又は三官能性トリアジンとの反応で末端封鎖された求核基を有するポリマー、或いは三官能性トリアジンで連鎖延長されたポリマーは、封鎖ポリマーの1以上の点からポリマー連鎖を成長させるための重合促進剤として使用できる。特定の実施形態では、1以上のL基を有する1以上のトリアジン構造単位を含むポリカーボネートは、1種以上の二価フェノール及びカーボネート前駆体との反応で使用することで、トリアジン部分を介して元のポリカーボネート連鎖に結合した新しいポリカーボネート連鎖を成長させることができる。
求核基を含むポリマー又はモノマーは、公知の方法を用いてトリアジン系封鎖剤と混合し反応させることができる。代表的な方法には、特に限定されないが、溶液法、界面法、溶融法、スラリー法、固相法及びこれらの組合せがある。用いる方法は、バッチ法でも、半連続法でも、連続法でもよい。トリアジン系封鎖剤の使用量は、一般に、ポリマー又はモノマーに含まれる求核基のレベル、及び最終生成物中に組み込むべきトリアジン系化合物の所望レベルに依存する。一実施形態では、トリアジン系封鎖剤の使用量はポリマー又はモノマーに含まれる求核基のモル数を基準にして約5〜約400モル%の範囲内にあり、別の実施形態では約20〜約200モル%の範囲内にあり、別の実施形態では約40〜約150モル%の範囲内にあり、さらに別の実施形態では約60〜約120モル%の範囲内にある。
本発明の一実施形態では、求核基を含むポリマー又はモノマーを1種以上の触媒の存在下でトリアジン系封鎖剤と反応させる。好適な触媒には、エステル交換反応を行わせることが知られているものが包含される。様々な実施形態で、かかる触媒は酸性、中性又は塩基性触媒からなる。かかる分類は、しばしば、触媒を水のような極性電離溶媒に溶解した場合における通常の酸−塩基指示薬と触媒の反応に基づいている。一実施形態では、塩基性触媒が使用される。好適な塩基性触媒には、アルカリ金属(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム及びセシウム)、並びにこれらの対応する炭酸塩、水酸化物、水素化物、ホウ水素化物、フェナート、ビスフェナート(即ち、ビスフェノールの塩)、カルボン酸塩(例えば、酢酸塩や安息香酸塩)、フッ化物及び酸化物がある。上述の化合物群のアルカリ金属の代わりに、第II族及び第III族元素(例えば、カルシウム、マグネシウム及びアルミニウムの金属や化合物)も使用できる。他の塩基には、トリアルキルスズ又はトリアリールスズ水酸化物、酢酸塩、フェナートなどがある。特定の実施形態では、触媒の例には、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム及びセシウムの金属、水素化リチウム、アルミニウムトリイソプロポキシド並びにトリフェニルスズヒドロキシドがある。
他の実施形態では、触媒は金属酸化物、金属酢酸塩、チタン化合物及びスズ化合物からなる。好適な金属酸化物には、三酸化アンチモン、酸化ゲルマニウム、三酸化ヒ素、酸化鉛、酸化マグネシウム、及び酸化亜鉛がある。好適な金属酢酸塩には、酢酸コバルト、酢酸亜鉛、酢酸カドミウム及び酢酸マンガンがある。好適なチタン化合物には、テトラブチルチタネート及びテトライソプロピルチタネートのようなチタン酸塩がある。好適なスズ化合物には、ジブチルスズオキシド、ジブチルスズメトキシド及びジブチルスズジラウレートがある。
他の特定の実施形態では、触媒の具体例には、1種以上の含窒素塩基性化合物、含リン塩基性化合物、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、或いはホウ酸又はホウ酸エステルがある。かかる触媒の混合物も使用できる。
様々な実施形態で、含窒素塩基性化合物には、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム及び水酸化トリメチルベンジルアンモニウムのようなアルキル、アリール又はアルカリール第四級アンモニウム水酸化物、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルベンジルアミン及びトリフェニルアミンのような、R3N(式中、Rはアルキル又はアリール或いはこれらの混合物である)で表される第三級アミン、R2NH(式中、Rは上記に定義した通りである)で表される第二級アミン、RNH2(式中、Rは上記に定義した通りである)で表される第一級アミン、アンモニア、或いはホウ水素化テトラメチルアンモニウム、ホウ水素化テトラブチルアンモニウム、テトラフェニルホウ酸テトラブチルアンモニウム、テトラフェニルホウ酸テトラメチルアンモニウム、並びにヘキサアルキルグアニジニウム塩及びα,ω−ビス(ペンタアルキルグアニジニウム)アルカン塩(例えば、ヘキサエチルグアニジニウムハライド、α,ω−ビス(ペンタアルキルグアニジニウム)アルカンハライド、及びヘキサエチルグアニジニウムクロリド)のような塩基性塩がある。様々な実施形態で、含リン塩基性化合物には、第四級ホスホニウム水酸化物及び第四級ホスホニウムカルボン酸塩(例えば、酢酸テトラブチルホスホニウム)がある。
様々な実施形態で、アルカリ金属化合物には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸リチウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸リチウム、ホウ水素化ナトリウム、ホウ水素化カリウム、ホウ水素化リチウム、ホウ石炭酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸リチウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸水素二リチウム、ビスフェノールAの二ナトリウム塩、ビスフェノールAの二カリウム塩、ビスフェノールAの二リチウム塩、石炭酸ナトリウム、石炭酸カリウム及び石炭酸リチウムがある。
様々な実施形態で、アルカリ土類金属化合物には、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム、水酸化ストロンチウム、炭酸水素カルシウム、炭酸水素バリウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸水素ストロンチウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸ストロンチウム、酢酸カルシウム、酢酸バリウム、酢酸マグネシウム、酢酸ストロンチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸マグネシウム及びステアリン酸ストロンチウムがある。
様々な実施形態で、ホウ酸又はホウ酸エステル化合物には、一般式B(OH)n(OH)3-n(式中、Rはアルキル又はアリールであり、nは1、2又は3である)で表されるホウ酸及びホウ酸エステルがあり、ホウ酸エステルには、ホウ酸トリメチル、ホウ酸トリエチル、ホウ酸トリブチル、ホウ酸トリヘキシル、ホウ酸トリヘプチル、ホウ酸トリフェニル、ホウ酸トリトリル及びホウ酸トリナフチルがある。
触媒は、いずれの場合にもポリマーの繰返し単位1モル当たりについて、或いはポリカーボネートの場合には芳香族ジヒドロキシ化合物1モル当たりについて、一実施形態では約10-8〜約0.1モルの総レベルで存在し、別の実施形態では約10-8〜約0.06モルの総レベルで存在し、別の実施形態では約10-8〜約0.02モルの総レベルで存在し、別の実施形態では約10-7〜約0.02モルの総レベルで存在し、別の実施形態では約10-6〜約0.02モルの総レベルで存在し、別の実施形態では約10-5〜約0.02モルの総レベルで存在し、別の実施形態では約10-4〜約0.02モルの総レベルで存在し、さらに別の実施形態では約10-3〜約0.02モルの総レベルで存在し得る。
様々な実施形態で、含窒素塩基性化合物の使用量は、いずれの場合にもポリマーの繰返し単位1モル当たりについて、或いはポリカーボネートの場合には芳香族ジヒドロキシ化合物1モル当たりについて、一実施形態では約10-6〜約10-1モルであり、別の実施形態では約10-5〜約10-2モルである。アルカリ金属又はアルカリ土類金属化合物の使用量は、いずれの場合にもポリマーの繰返し単位1モル当たりについて、或いはポリカーボネートの場合には芳香族ジヒドロキシ化合物1モル当たりについて、一実施形態では約10-8〜約10-6モルであり、別の実施形態では約10-7〜約10-4モルであり、さらに別の実施形態では約10-7〜約10-5モルである。ホウ酸又はホウ酸エステルの量は、いずれの場合にもポリマーの繰返し単位1モル当たりについて、或いはポリカーボネートの場合には芳香族ジヒドロキシ化合物1モル当たりについて、一実施形態では約10-8〜約10-1モルであり、別の実施形態では約10-7〜約10-2モルであり、さらに別の実施形態では約10-6〜約10-4モルである。
1種以上の反応体との混合又は反応混合物中への導入に先立ち、触媒は液体状態にあればよく、例えば固体触媒の場合には、融解するか、或いは液体溶媒又は常時固体の低融点溶媒中に溶解すればよい。様々な実施形態で、溶媒はフェノール及び置換フェノール類からなる。使用できる置換フェノール類には、1以上の置換基R(式中、Rは炭素原子数1〜10のアルキル、炭素原子数1〜10のアルコキシ、炭素原子数6〜10のアリール、クロロ、ブロモ又はこれらの混合物からなる)を含むものがある。溶媒の具体例には、o−ベンジルフェノール、o−ブロモフェノール、m−ブロモフェノール、m−クロロフェノール、p−クロロフェノール、2,4−ジブロモフェノール、2,6−ジクロロフェノール、3,5−ジメトキシフェノール、o−エトキシフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール、o−イソプロピルフェノール、m−メトキシフェノール、m−プロピルフェノール、p−プロピルフェノールなどがある。他の実施形態では、溶媒はエーテル型のもの、例えばテトラヒドロフラン及び各種のグライム(例えば、エチレングリコールジメチルエーテル)であってもよい。亜リン酸トリフェニルや亜リン酸トリス(ノニルフェニル)のような液状亜リン酸エステル、及びリン酸トリメチルやリン酸トリエチルのようなリン酸エステルも、希釈剤として有用である。一実施形態では、触媒と共に使用される溶媒又は希釈剤は、トリアジン系封鎖剤から導かれる脱離基化合物に対応している。触媒の組合せ及び溶媒の組合せも使用できる。様々な実施形態で、塩基性触媒を使用する場合、エステル交換反応の開始前に触媒の存在下で反応体を加熱するのを避けるため、触媒を上述の溶融反応体と同時に重合系に導入することができる。
一実施形態では、ポリマー又はモノマーとトリアジン系封鎖剤の混合及び反応はあらゆるタイプの溶融加工装置で実施され、その具体例にはメルトミキサー及び押出機がある。別の実施形態では、ポリマーが室温で低粘度の液体である場合、ポリマー又はモノマーとトリアジン系封鎖剤の混合は、適宜ポリマー又はモノマー、トリアジン化合物或いはその両方に対する溶媒の存在下で、通例は加熱しながらあらゆるタイプの混合装置で実施できる。様々な実施形態で、トリアジン系封鎖剤とポリマー又はモノマーの混合順序は、トリアジン化合物を反応装置に加えた後に反応させるべきポリマー又はモノマーを加えることからなるか、或いはトリアジン化合物とポリマー又はモノマーを混合してから反応装置に加えることからなるか、或いはポリマー又はモノマーの後でトリアジン化合物を反応装置に加えること(例えば、最初の供給口でポリマー又はモノマーを供給した押出機の下流側供給口でトリアジン化合物を加えること)からなり得る。様々な実施形態で、押出機へのトリアジン化合物の供給は、液体又は融液注入で行うか、或いはサイドフィーダーを用いて行うことができる。また、様々な実施形態で、トリアジン系封鎖剤はトリアジン化合物それ自体としてポリマー又はモノマーと混合するか、或いは溶媒中でのトリアジン化合物の溶液又はスラリーとして混合するか、或いは他の物質との混合物として、例えばポリマー又はモノマー(例えば、トリアジン化合物を求核基封鎖剤として作用させるポリマー)中でのトリアジン化合物の濃縮物として混合すればよい。ポリマー又はモノマーをトリアジン系封鎖剤と反応させるために用いられる方法は、有利には脱離基化合物の脱揮のための段階を含んでいてもよい。例えば、ポリマー又はモノマーをトリアジン系封鎖剤と反応させるために使用するメルトミキサー、押出機又は水平撹拌型重合タンクは、脱揮段階を含み得る。押出機の場合、脱揮段階は押出機反応域の下流側にある1以上の押出機バレルセグメントで減圧することを含んでいてもよい。所望ならば、公知方法を用いて脱離基化合物を回収し、リサイクルしてもよい。一実施形態では、脱離基化合物はトリアジン系封鎖剤を製造する反応で使用するためにリサイクルされる。一実施形態では、押出プロセスの場合、後続の供給口又は追加の成形及び押出プロセスを用いて、例えば酸化防止剤、帯電防止剤、不活性充填材、紫外線吸収剤及び安定剤、加水分解安定剤、耐衝撃性改良剤、離型剤、色安定剤、難燃剤などの一般に知られる添加剤を添加してもよい。いかなる方法を使用するにせよ、求核基封鎖ポリマーは、所望ならばペレットへのポリマーの加工を含む標準的な方法を用いて単離される。一実施形態では、求核基を含むポリマーは、加工助剤を混合物に添加する溶融法でトリアジン系封鎖剤と反応させる。加工助剤の例には、公知可塑剤及び混和性ポリマー(例えば、ポリ(フェニレンエーテル)と混和し得るポリスチレン)がある。
特定の実施形態では、トリアジン系封鎖剤は溶融ポリカーボネート合成のいずれかの段階でポリカーボネート又はポリカーボネートモノマーと混合できる。特定の実施形態では、所望の分子量が達成されるまで化学量論的条件に近い条件でポリカーボネート重合を迅速に行い、次いで末端封鎖剤を添加することでポリカーボネートの末端封鎖度及び/又は分子量を迅速に所望レベルまで増大させるようなやり方でトリアジン系封鎖剤を使用できる。トリアジン含有部分で末端封鎖したポリカーボネートは、改善された衝撃強さ、改善されたメルトフローレート、改善された光学的性質、及び改善された金属付着性の1以上のような有益な性質を有することが多い。
様々な実施形態で、本発明のトリアジン含有ポリマーはさらに当技術分野で公知の添加剤を含むことができ、かかる添加剤は公知の方法で添加できる。例示的な添加剤には、特に限定されないが、顔料、染料、耐衝撃性改良剤、UV遮断剤、放射線遮断剤、難燃剤、充填材、熱安定剤、色安定剤、流動助剤、エステル交換抑制剤、帯電防止剤、加水分解安定性向上剤、耐薬品性向上剤、寸法安定性向上剤、耐候性向上剤、光沢向上剤、撥水剤、汚染防止助剤、金属フレーク、密着性向上剤及び離型剤がある。
トリアジン構造単位を含むポリマーからなる物品が、本発明のもう1つの実施形態である。様々な実施形態で、物品は、トリアジン構造単位を含むポリマー又は所望ならば当技術分野で公知のポリマー添加剤と混合した前記ポリマーから実質的になっている。
一実施形態では、物品はトリアジン構造単位を含むポリカーボネートから製造される。かかる物品は、低い吸水性、良好な加工性及び低い複屈折のような有利な性質を有し得ると共に、光学製品を製造するため有利に使用できる。光学製品用の最終用途には、特に限定されないが、ディジタルオーディオディスク、ディジタルバーサタイルディスク、光メモリディスク、コンパクトディスク、ASMOデバイスなど、コンタクトレンズや眼鏡用レンズや望遠鏡用レンズやプリズムのような光学レンズ、光ファイバー、光磁気ディスク、情報記録媒体、情報転送媒体、ビデオカメラ用ディスク、スチルカメラ用ディスクなどがある。
他の実施形態では、本発明の物品は、通例は互いに隣接しながら重ね合わされて接触した2以上の層からなる多層物品である。様々な実施形態で、多層物品は、1種以上の熱可塑性ポリマー、熱硬化性ポリマー、セルロース系材料、ガラス、セラミック又は金属からなる基板層と、その上に配置された1以上の被膜層とを含んでなり、前記被膜層はトリアジン含有ポリマー(特に、トリアジン構造単位を含むポリカーボネート)からなる。適宜、多層物品はさらに、基板層とトリアジン含有ポリマーからなる被膜層との間に中間層、例えば接着中間層(又は結合層)を含んでいてもよい。本発明の多層物品には、特に限定されないが、基板層とトリアジン含有ポリマーからなる被膜層とを含んでなるもの、基板層と、前記基板層の各側に配置された、前記ポリマーからなる被膜層とを含んでなるもの、及び基板層と、トリアジン含有ポリマーからなる1以上の被膜層と、基板層と被膜層との間に配置された1以上の中間層とを含んでなるものがある。中間層は、透明であってもよいし、及び/又は添加剤(例えば、着色剤又は金属フレークのような装飾材料)を含んでいてもよい。所望ならば、例えば耐摩耗性又は耐引っかき性を与えるため、トリアジン含有ポリマーからなる被膜層上にオーバーコート層を含んでいてもよい。一実施形態では、基板層、トリアジン含有ポリマーからなる被膜層、及び中間層又はオーバーコート層は、互いに隣接しながら重ね合わされて接触している。実施形態では、トリアジン含有ポリマー層は、通常のUV遮断剤、熱安定剤、流動促進剤、潤滑剤、染料、顔料などを始めとして、ポリマーと共に使用するための当技術分野で公知の常用添加剤を含むこともできる。一実施形態では、トリアジン含有ポリマーはポリカーボネート(例えば、ビスフェノールAポリカーボネート)である。
本発明の組成物を用いて製造できる代表的な物品には、航空機、自動車、トラック、軍用乗物(自動車、航空機及び水上輸送乗物を含む)及びオートバイの外部及び内部部材(パネル、クォーターパネル、ロッカーパネル、装備品、フェンダー、ドア、デッキの蓋、トランクの蓋、フード、ボンネット、屋根、バンパー、フェーシア、グリル、ミラーハウジング、支柱のアップリケ、被覆材、車体のサイドモール、ホイールカバー、ハブキャップ、ドアハンドル、スポイラー、窓枠、前照灯ベゼル、前照灯、尾灯、尾灯ハウジング、尾灯ベゼル、ナンバープレートの囲い、ルーフラック及び歩み板を含む)、屋外乗物や装置用の囲い、ハウジング、パネル及び部品、電気装置や電気通信装置用の囲い、屋外用家具、ボート及び船舶用設備(装備品、囲い及びハウジングを含む)、船外発動機ハウジング、測深機ハウジング、個人用船舶、ジェットスキー、プール、温泉、ホットタブ、階段、階段の覆い、建築及び建設用途(窓ガラス、屋根、窓、床、装飾用の窓装備品又は処理材を含む)、写真や絵画やポスターや類似の展示品用の処理ガラスカバー、光学レンズ、眼科レンズ、補正用眼科レンズ、インプラント用眼科レンズ、壁パネル及びドア、保護グラフィック、屋外用及び屋内用看板、自動金銭出納機(ATM)用の囲い、ハウジング、パネル及び部品、芝生用や園芸用トラクター、芝刈り機、及び芝生用や園芸用道具を始めとする道具用の囲い、ハウジング、パネル及び部品、窓及びドア装備品、スポーツ設備及び玩具、スノーモービル用の囲い、ハウジング、パネル及び部品、レクリエーション用乗物のパネル及び部材、遊園地の設備、プラスチック−木材の組合せから製造された物品、ゴルフコースマーカー、ユーティリティピットカバー、コンピューターハウジング、デスクトップコンピューターハウジング、ポータブルコンピューターハウジング、ラップトップコンピューターハウジング、パームヘルドコンピューターハウジング、モニターハウジング、プリンターハウジング、キーボード、ファックス装置ハウジング、コピー機ハウジング、電話機ハウジング、携帯電話ハウジング、ラジオ送信機ハウジング、ラジオ受信機ハウジング、照明器具、照明装置、ネットワークインターフェース装置ハウジング、変圧器ハウジング、空気調和機ハウジング、公共輸送機関用の被覆材又は座席、列車、地下鉄又はバス用の被覆材又は座席、メーターハウジング、アンテナハウジング、衛星放送アンテナ用被覆材、被覆ヘルメット及び個人用保護装置、被覆合成繊維織物又は天然繊維織物、被覆写真フィルム及び写真プリント、被覆塗装製品、被覆染色製品、被覆蛍光製品、被覆発泡製品並びに類似の用途がある。本発明はさらに、特に限定されないが、成形、絵付成形、ペイント炉内焼付け、ラミネーション及び/又は熱成形のような、前記物品上への追加の加工作業も想定している。
さらに多大の努力を払わなくても、本明細書中の説明を使用すれば、当業者は本発明を十二分に活用し得るものと考えられる。以下の実施例は、特許請求の範囲に記載した本発明を実施するに当たり、当業者に追加の指針を提供するために示されている。一部の例は特許請求の範囲に記載した本発明の様々な実施形態を例示するものであり、他の例は比較のためのものである。ここに示した実施例は、本願の教示に役立つ作業を代表するものにすぎない。したがって、これらの実施例は特許請求の範囲で定義された本発明を決して限定するものではない。
以下の実施例は、トリアジン系化合物の合成を例示する。
実施例1
2−クロロ−4,6−ビス(2,6−ジメチルフェノキシ)−1,3,5−トリアジンの合成:トルエン250ミリリットル(ml)中における塩化シアヌル27.7グラム(g)(0.15モル)、2,6−キシレノール36.6g(0.30モル)及び塩化テトラ−n−ブチルアンモニウム0.97g(0.003モル)の溶液を氷水浴中で冷却した。撹拌した溶液に、水25ml中における水酸化ナトリウム12.0g(0.3モル)の溶液をゆっくりと添加した。混合物を約20℃未満の温度に2時間維持し、次いで室温でさらに16時間撹拌した。得られた混合物を濾過した。集めた固体を水で洗浄した。濾液と洗液を合わせて分液漏斗に移し、水相を廃棄した。有機相を等量の10%塩酸水溶液、水及び飽和塩化ナトリウム溶液で順次に洗浄した。有機相を蒸発させて得られたオフホワイトの固体を、反応混合物の濾過で得られた固体と合わせた。これらの固体をトルエンとヘキサンの混合物から再結晶したところ、純粋な2−クロロ−4,6−ビス(2,6−ジメチルフェノキシ)−1,3,5−トリアジン(融点161〜162℃)が得られた。
実施例2
2−(2−カルボメトキシフェノキシ)−4,6−ビス(2,6−ジメチルフェノキシ)−1,3,5−トリアジンの合成:凝縮器、窒素入口、磁気撹拌機及び添加漏斗を備えた250mlの三つ口フラスコに、水素化ナトリウム(60%油中分散液3.0g、0.075モル)を仕込んだ。分散液をヘキサンで2回洗い、次いでデカントした。次に、フラスコに乾燥N−メチル−2−ピロリジノン(NMP)60ml及びサリチル酸メチル11.4g(0.075モル)を仕込んだ。得られた混合物を、それ以上の水素発生が認められなくなるまで撹拌した。この混合物に、最小量の乾燥NMP中における2−クロロ−4,6−ビス(2,6−ジメチルフェノキシ)−1,3,5−トリアジン(25g、0.07モル)の溶液を滴下した。この混合物を60℃で3時間加熱し、この時点で液体クロマトグラフィー分析を行ったところ、トリアジン出発原料がもはや存在しないことがわかった。この溶液を、少量の塩酸を含む200mlの氷水中に注ぎ込んだ。得られたスラリーを150mlずつのジクロロメタンで3回抽出した。抽出液を合わせ、等量の10%塩酸水溶液、5%水酸化ナトリウム水溶液、水及びブラインで順次に洗浄した。有機相を蒸発させて得られた油を高真空下で冷却浴中で乾燥したところ、凝固して発泡体になった。発泡体は50℃で融合してガラスになり、ガラスは85〜90℃で液化した。プロトン(1H)核磁気共鳴(NMR)スペクトルは、所望生成物である2−(2−カルボメトキシフェノキシ)−4,6−ビス(2,6−ジメチルフェノキシ)−1,3,5−トリアジンに合致していた。
実施例3
2−クロロ−4,6−ビス(2,4,6−トリブロモフェノキシ)−1,3,5−トリアジンの合成:2,6−キシレノールの代わりに2,4,6−トリブロモフェノールを使用する点を除き、実施例1の手順を実質的に繰り返す。生成物は、所望の2−クロロ−4,6−ビス(2,4,6−トリブロモフェノキシ)−1,3,5−トリアジンである。
実施例4
2−(2−カルボメトキシフェノキシ)−4,6−ビス(2,4,6−トリブロモフェノキシ)−1,3,5−トリアジンの合成:2−クロロ−4,6−ビス(2,6−ジメチルフェノキシ)−1,3,5−トリアジンの代わりに2−クロロ−4,6−ビス(2,4,6−トリブロモフェノキシ)−1,3,5−トリアジンを使用する点を除き、実施例2の手順を実質的に繰り返す。生成物は、所望の2−(2−カルボメトキシフェノキシ)−4,6−ビス(2,4,6−トリブロモフェノキシ)−1,3,5−トリアジンである。
実施例5
2,4−ビス(2−カルボメトキシフェノキシ)−6−(2,4,6−トリメチルフェノキシ)−1,3,5−トリアジンの合成:(米国特許第5229513号に記載されたようにして合成した)2,4−ジクロロ−6−(2,4,6−トリメチルフェノキシ)−1,3,5−トリアジン1当量をサリチル酸メチル約2当量と共に使用する点を除き、実施例2の手順を実質的に繰り返す。生成物は、所望の2,4−ビス(2−カルボメトキシフェノキシ)−6−(2,4,6−トリメチルフェノキシ)−1,3,5−トリアジンである。
実施例6
2−アリルオキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの合成:ジクロロメタン400ml中における塩化シアヌル91.8グラム(g)(0.49モル)の溶液をアリルアルコール28.91g(0.49モル)で処理し、混合物を約0〜5℃の氷水浴中で冷却した。氷水浴を取り除き、撹拌して温度を約0〜約10℃の間に保ちながら、50%水酸化ナトリウム水溶液45.79gを約30分かけて添加した。撹拌をさらに30分間続けた後、層を分離して有機層を水で2回洗浄し、溶液を硫酸マグネシウム上で乾燥した。溶液の濾過及び蒸発によって易動性の液体を得た。プロトン及び炭素核磁気共鳴(NMR)スペクトルは、所望生成物である2−アリルオキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンに合致していた。
実施例7
2−アリルオキシ−4,6−ビス(2−カルボメトキシフェノキシ)−1,3,5−トリアジンの合成:2−アリルオキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジン1当量をサリチル酸メチル約2当量と共に使用する点を除き、実施例2の手順を実質的に繰り返す。生成物は、所望の2−アリルオキシ−4,6−ビス(2−カルボメトキシフェノキシ)−1,3,5−トリアジンである。
実施例8
2,4−ジクロロ−6−グリシドキシ−1,3,5−トリアジンの合成:ジクロロメタン360ml中における塩化シアヌル73.76g(0.4モル)の溶液を約0〜5℃の氷水浴中で冷却し、グリシドール31.85g(0.43モル)を添加した。撹拌して温度を約0〜約10℃の間に保ちながら、50%水酸化ナトリウム水溶液34.49gを約30〜45分かけて添加した。撹拌をさらに3時間続けた後、層を分離して有機層を水で2回、ブラインで1回洗浄し、溶液を硫酸マグネシウム上で乾燥した。溶液の濾過及び蒸発によって白色固体を得、その試料をヘキサン−酢酸エチルとの摩砕でさらに精製した。プロトン及び炭素核磁気共鳴(NMR)スペクトルは、所望生成物である2,4−ジクロロ−6−グリシドキシ−1,3,5−トリアジンに合致していた。
実施例9
2,4−ビス(2−カルボメトキシフェノキシ)−6−グリシドキシ−1,3,5−トリアジンの合成:2,4−ジクロロ−6−グリシドキシ−1,3,5−トリアジン1当量をサリチル酸メチル約2当量と共に使用する点を除き、実施例2の手順を実質的に繰り返す。生成物は、所望の2,4−ビス(2−カルボメトキシフェノキシ)−6−グリシドキシ−1,3,5−トリアジンである。
実施例10
2,4−ジクロロ−6−(2−メトキシ−2−メチル−1,3−ジオキソラニル)メトキシ−1,3,5−トリアジンの合成:グリシドールの代わりに4−ヒドロキシメチル−2−メトキシ−2−メチル−1,3−ジオキソラン1当量を使用し、水酸化ナトリウム水溶液での処理前にトリエチルアミン及び相間移動触媒の両方を反応混合物に添加する点を除き、実施例8の手順を実質的に繰り返す。生成物は、所望の2,4−ジクロロ−6−(2−メトキシ−2−メチル−1,3−ジオキソラニル)メトキシ−1,3,5−トリアジンである。
実施例11
2,4−ビス(2−カルボメトキシフェノキシ)−6−(2−メトキシ−2−メチル−1,3−ジオキソラニル)メトキシ−1,3,5−トリアジンの合成:2,4−ジクロロ−6−(2−メトキシ−2−メチル−1,3−ジオキソラニル)メトキシ−1,3,5−トリアジン1当量をサリチル酸メチル約2当量と共に使用する点を除き、実施例2の手順を実質的に繰り返す。生成物は、所望の2,4−ビス(2−カルボメトキシフェノキシ)−6−(2−メトキシ−2−メチル−1,3−ジオキソラニル)メトキシ−1,3,5−トリアジンである。
実施例12
2−(2−カルボメトキシフェノキシ)−4−(2−メトキシ−2−メチル−1,3−ジオキソラニル)メトキシ−6−(2,4,6−トリメチルフェノキシ)−1,3,5−トリアジンの合成:2−クロロ−4−(2−メトキシ−2−メチル−1,3−ジオキソラニル)メトキシ−6−(2,4,6−トリメチルフェノキシ)−1,3,5−トリアジン1当量をサリチル酸メチル約1当量と共に使用する点を除き、実施例2の手順を実質的に繰り返す。生成物は、所望の2−(2−カルボメトキシフェノキシ)−4−(2−メトキシ−2−メチル−1,3−ジオキソラニル)メトキシ−6−(2,4,6−トリメチルフェノキシ)−1,3,5−トリアジンである。
実施例13
2−ブトキシ−4−(2−カルボメトキシフェノキシ)−6−グリシドキシ−1,3,5−トリアジンの合成:(米国特許第4895945号に記載されたようにして合成した)2−ブトキシ−4−クロロ−6−(2,4,6−トリメチルフェノキシ)−1,3,5−トリアジン1当量をサリチル酸メチル約1当量と共に使用する点を除き、実施例2の手順を実質的に繰り返す。生成物は、所望の2−ブトキシ−4−(2−カルボメトキシフェノキシ)−6−グリシドキシ−1,3,5−トリアジンである。
実施例14
2−(2−カルボメトキシフェノキシ)−4,6−ジグリシドキシ−1,3,5−トリアジンの合成:(米国特許第4895945号に記載されたようにして合成した)2−クロロ−4,6−ジグリシドキシ−1,3,5−トリアジン1当量をサリチル酸メチル約1当量と共に使用する点を除き、実施例2の手順を実質的に繰り返す。生成物は、所望の2−(2−カルボメトキシフェノキシ)−4,6−ジグリシドキシ−1,3,5−トリアジンである。
実施例15
2−(2−カルボメトキシフェノキシ)−4−グリシドキシ−6−(2,4,6−トリメチルフェノキシ)−1,3,5−トリアジンの合成:2−クロロ−4−グリシドキシ−6−(2,4,6−トリメチルフェノキシ)−1,3,5−トリアジン1当量をサリチル酸メチル約1当量と共に使用する点を除き、実施例2の手順を実質的に繰り返す。生成物は、所望の2−(2−カルボメトキシフェノキシ)−4−グリシドキシ−6−(2,4,6−トリメチルフェノキシ)−1,3,5−トリアジンである。
実施例16
2−クロロ−4−(4−エテニルフェノキシ)−6−(2,4,6−トリメチルフェノキシ)−1,3,5−トリアジンの合成:ジクロロメタン300ml中における2,4−ジクロロ−6−(2,4,6−トリメチルフェノキシ)−1,3,5−トリアジン25.57g(0.09モル)の溶液を、ジクロロメタン約40ml中に溶解した(p−アセトキシスチレンの加水分解で製造した)p−ヒドロキシスチレン11.8g(0.098モル)で処理した。混合物を氷水浴中で冷却し、10%水酸化ナトリウム水溶液36.8gを撹拌下で約5分かけて添加した。撹拌をさらに30分間続けた後、氷水浴を取り除き、撹拌をさらに約2時間続けた。混合物をブラインで処理し、層を分離し、静置後、有機層をブラインで2回、水で1回洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥した。濾過及び蒸発によって白色固体が得られ、そのプロトンNMRスペクトルは、所望生成物である2−クロロ−4−(4−エテニルフェノキシ)−6−(2,4,6−トリメチルフェノキシ)−1,3,5−トリアジンに合致していた。
実施例17
2−(2−カルボメトキシフェノキシ)−4−(4−エテニルフェノキシ)−6−(2,4,6−トリメチルフェノキシ)−1,3,5−トリアジンの合成:2−クロロ−4−(4−エテニルフェノキシ)−6−(2,4,6−トリメチルフェノキシ)−1,3,5−トリアジン1当量をサリチル酸メチル約1当量と共に使用する点を除き、実施例2の手順を実質的に繰り返す。生成物は、所望の2−(2−カルボメトキシフェノキシ)−4−(4−エテニルフェノキシ)−6−(2,4,6−トリメチルフェノキシ)−1,3,5−トリアジンである。
実施例18
2,4,6−トリス(2−カルボメトキシフェノキシ)−1,3,5−トリアジンの合成:ジクロロメタン400ml中における塩化シアヌル13.8グラム(g)(0.075モル)の溶液をサリチル酸メチル35.7g(0.2346モル)及びAdogen 464 0.7gで処理し、混合物を氷水浴中で約6℃に冷却した。氷水浴を取り除き、50%水酸化ナトリウム水溶液48.8gを撹拌下で10分かけて添加した。撹拌を約16時間続けた後、層を分離して有機層を2%水酸化ナトリウム水溶液で4回、水で2回、ブラインで1回洗浄し、溶液を硫酸マグネシウム上で乾燥した。溶液の濾過及び蒸発により、約58〜63℃の融点を有するオフホワイトの固体が得られた。プロトン及び炭素核磁気共鳴(NMR)スペクトルは、所望生成物である2,4,6−トリス(2−カルボメトキシフェノキシ)−1,3,5−トリアジンに合致していた。
以下の実施例は、トリアジン系構造単位を含むポリマーの合成を例示する。ポリカーボネートの性質は下記のようにして測定した。重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、ジクロロメタン中で濃度1ミリグラム/mlのポリマー溶液を用い、ポリスチレン標準に対してゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した。遊離ヒドロキシ末端基濃度(時には遊離OH含有量ともいう)は、ジクロロメタン溶液中でポリマーと四塩化チタンとから生成した錯体のUV/可視分析で測定した。ポリカーボネートの末端封鎖度(%)は、下記の式を用いて遊離OH含有量及びMn値から計算した。
Figure 0004113122
式中、Wfree OHはppm単位で表した遊離OH基の濃度である。
実施例19
溶融法で製造したBPAポリカーボネートを、活性化トリアジンを用いて末端封鎖した。BPAポリカーボネートは、最初、18300のMw、7520のMn、670ppmの遊離OH含有量、及び84.6%の末端封鎖度を有していた。バッチ式反応管に、窒素下でBPAポリカーボネート25g及び2−(2−カルボメトキシフェノキシ)−4,6−ビス(2,6−ジメチルフェノキシ)−1,3,5−トリアジン0.511g(1.084×10-3モル)を仕込んだ。混合物を300℃の温度に加熱し、20分間撹拌した。溶融混合段階の後、系を減圧して約50パスカルの圧力にした。このような条件下で、反応を20分間続けた。反応段階の後、ポリマーを反応管から取り出し、再沈殿で精製した。ポリカーボネートの末端封鎖度は84.6%から92.4%に増加し、遊離OH含有量は670ppmから290ppmに減少した。封鎖ポリマー中に導入された末端封鎖基の量は、精製ポリマー生成物の1H NMR(CDCl3)スペクトル中での2.05ppm(s,12H,ArCH3)ピークを積分して求めたところ、BPAのモル数を基準にして0.64モル%(又は1.1質量%)と計算された。結果を表1に示す。
実施例20
バッチ式反応管に、窒素下でBPAポリカーボネート25g及び2−(2−カルボメトキシフェノキシ)−4,6−ビス(2,6−ジメチルフェノキシ)−1,3,5−トリアジン1.250g(2.651×10-3モル)を仕込んだ。反応管に、水酸化ナトリウム触媒水溶液(4.67×10-3モル濃度)100マイクロリットルを添加した。混合物を300℃の温度に加熱し、20分間撹拌した。溶融混合段階の後、系を減圧して約50パスカルの圧力にした。このような条件下で、反応を60分間続けた。反応段階の後、ポリマーの試料を反応管から採取した。採取したポリカーボネート試料の末端封鎖度は84.6%から99.1%に増加し、遊離OH含有量は670ppmから39ppmに減少した。結果を表1に示す。
比較例21
反応管に末端封鎖剤を仕込まなかった点を除き、実施例19を繰り返した。結果を表1に示す。
比較例22
2−(2−カルボメトキシフェノキシ)−4,6−ビス(2,6−ジメチルフェノキシ)−1,3,5−トリアジンを使用する代わりに、DPC0.2322g(1.084×10-3モル)を反応管に仕込んだ点を除き、実施例19を繰り返した。結果を表1に示す。
比較例23
2−(2−カルボメトキシフェノキシ)−4,6−ビス(2,6−ジメチルフェノキシ)−1,3,5−トリアジンを使用する代わりに、サリチル酸メチルフェニルカーボネート0.2951g(1.084×10-3モル)を反応管に仕込んだ点を除き、実施例19を繰り返した。結果を表1に示す。
Figure 0004113122
実施例24
2−(2−カルボメトキシフェノキシ)−4,6−ビス(2,6−ジメチルフェノキシ)−1,3,5−トリアジンの代わりに2−(2−カルボメトキシフェノキシ)−4−グリシドキシ−6−(2,4,6−トリメチルフェノキシ)−1,3,5−トリアジンを使用する点を除き、実施例19のプロセスを実質的に繰り返す。所望ならばペレットへの加工を含めて単離した後、ポリカーボネートは4−グリシドキシ−6−(2,4,6−トリメチルフェノキシ)−1,3,5−トリアジン末端基を含む。
実施例25
2−(2−カルボメトキシフェノキシ)−4,6−ビス(2,6−ジメチルフェノキシ)−1,3,5−トリアジンの代わりに2−(2−カルボメトキシフェノキシ)−4−(2−メトキシ−2−メチル−1,3−ジオキソラニル)メトキシ−6−(2,4,6−トリメチルフェノキシ)−1,3,5−トリアジンを使用する点を除き、実施例19のプロセスを実質的に繰り返す。所望ならばペレットへの加工を含めて単離した後、ポリカーボネートは4−(2−メトキシ−2−メチル−1,3−ジオキソラニル)メトキシ−6−(2,4,6−トリメチルフェノキシ)−1,3,5−トリアジン末端基を含む。
実施例26
2−(2−カルボメトキシフェノキシ)−4,6−ビス(2,6−ジメチルフェノキシ)−1,3,5−トリアジンの代わりに2−アリルオキシ−4,6−ビス(2−カルボメトキシフェノキシ)−1,3,5−トリアジンを使用する点を除き、実施例19のプロセスを実質的に繰り返す。所望ならばペレットへの加工を含めて単離した後、ポリカーボネートは2−アリルオキシ−1,3,5−トリアジン構造単位を含む。
実施例27
2−(2−カルボメトキシフェノキシ)−4,6−ビス(2,6−ジメチルフェノキシ)−1,3,5−トリアジンの代わりに2,4,6−トリス(2−カルボメトキシフェノキシ)−1,3,5−トリアジンを使用する点を除き、実施例19のプロセスを実質的に繰り返す。所望ならばペレットへの加工を含めて単離した後、ポリカーボネートは1,3,5−トリアジン構造単位を含む。
実施例28
2−(2−カルボメトキシフェノキシ)−4,6−ビス(2,6−ジメチルフェノキシ)−1,3,5−トリアジンの代わりに2−(2−カルボメトキシフェノキシ)−4−(4−エテニルフェノキシ)−6−(2,4,6−トリメチルフェノキシ)−1,3,5−トリアジンを使用する点を除き、実施例19のプロセスを実質的に繰り返す。所望ならばペレットへの加工を含めて単離した後、ポリカーボネートは4−(4−エテニルフェノキシ)−6−(2,4,6−トリメチルフェノキシ)−1,3,5−トリアジン末端基を含む。
実施例29
少なくとも一部の連鎖が1以上のヒドロキシ末端基を含むポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)を、融液中で2−(2−カルボメトキシフェノキシ)−4,6−ビス(2,6−ジメチルフェノキシ)−1,3,5−トリアジンと混合する。混合物を混合して加熱し、圧力を低下させてサリチル酸メチルの少なくとも一部を除去する。所望ならばペレットへの加工を含め、生成物を単離する。ポリマーは4,6−ビス(2,6−ジメチルフェノキシ)−1,3,5−トリアジン末端基を含む。
実施例30
2−(2−カルボメトキシフェノキシ)−4,6−ビス(2,6−ジメチルフェノキシ)−1,3,5−トリアジンの代わりに2−(2−カルボメトキシフェノキシ)−4−グリシドキシ−6−(2,4,6−トリメチルフェノキシ)−1,3,5−トリアジンを使用する点を除き、実施例29のプロセスを実質的に繰り返す。所望ならばペレットへの加工を含めて単離した後、ポリマーは4−グリシドキシ−6−(2,4,6−トリメチルフェノキシ)−1,3,5−トリアジン末端基を含む。
実施例31
2−(2−カルボメトキシフェノキシ)−4,6−ビス(2,6−ジメチルフェノキシ)−1,3,5−トリアジンの代わりに2−(2−カルボメトキシフェノキシ)−4−(2−メトキシ−2−メチル−1,3−ジオキソラニル)メトキシ−6−(2,4,6−トリメチルフェノキシ)−1,3,5−トリアジンを使用する点を除き、実施例29のプロセスを実質的に繰り返す。所望ならばペレットへの加工を含めて単離した後、ポリマーは4−(2−メトキシ−2−メチル−1,3−ジオキソラニル)メトキシ−6−(2,4,6−トリメチルフェノキシ)−1,3,5−トリアジン末端基を含む。
実施例32
2−(2−カルボメトキシフェノキシ)−4,6−ビス(2,6−ジメチルフェノキシ)−1,3,5−トリアジンの代わりに2−(2−カルボメトキシフェノキシ)−4−(4−エテニルフェノキシ)−6−(2,4,6−トリメチルフェノキシ)−1,3,5−トリアジンを使用する点を除き、実施例29のプロセスを実質的に繰り返す。所望ならばペレットへの加工を含めて単離した後、ポリマーは4−(4−エテニルフェノキシ)−6−(2,4,6−トリメチルフェノキシ)−1,3,5−トリアジン末端基を含む。
実施例33
少なくとも一部の連鎖が1以上のヒドロキシ末端基を含み、約0.25未満のIVを有するポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)を、トルエン溶液中で2−アリルオキシ−4,6−ビス(2−カルボメトキシフェノキシ)−1,3,5−トリアジンと混合する。混合物に、混合及び加熱からなる工程を施す。公知方法を用いて生成物を単離する。ポリマーは2−アリルオキシ−1,3,5−トリアジン構造単位を含む。
実施例34
2−アリルオキシ−4,6−ビス(カルボメトキシフェノキシ)−1,3,5−トリアジンの代わりに2,4,6−トリス(2−カルボメトキシフェノキシ)−1,3,5−トリアジンを使用する点を除き、実施例33のプロセスを実質的に繰り返す。混合物に、混合及び加熱からなる工程を施す。公知方法を用いて生成物を単離する。ポリマーは1,3,5−トリアジン構造単位を含む。
以上、典型的な実施形態で本発明を例示し説明したが、本発明の技術的思想から決して逸脱することなしに様々な修正や置換を行うことができるので、本発明は示された細部に限定されるものではない。したがって、日常的な実験を用いるだけで、当業者は本明細書中に開示した本発明の追加の修正や同等物に想到することができ、かかる修正や同等物のすべてが特許請求の範囲で規定される本発明の技術的思想及び技術的範囲に含まれるものと考えられる。本明細書中に引用された米国特許及び欧州特許出願のすべてが、援用によって本明細書の内容の一部をなす。

Claims (10)

  1. 下記式(I)のトリアジン系封鎖剤。
    Figure 0004113122
    式中、L1はクロロ、またはアリールオキシ基とトリアジン環との結合に対してオルト、メタ又はパラ位にある1以上の電子求引基を含むアリールオキシ基であり、Z1、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、t−ブトキシ、ベンジルオキシ、シクロヘキシルオキシ、メチルシクロヘキシルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ、オクタデシルオキシ、オレイルオキシ、フェノキシ、置換アリールオキシ、アリールアリールオキシ、アリールフェノキシ、アルキルフェノキシ、2−アルキルフェノキシ、3−アルキルフェノキシ、4−アルキルフェノキシ、n−ブチルフェノキシ、イソブチルフェノキシ、t−ブチルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、n−ペンチルフェノキシ、4−t−アミルフェノキシ、n−ヘキシルフェノキシ、シクロヘキシルフェノキシ、フェニルフェノキシ、ナフチルフェノキシ、4−クミルフェノキシ、4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノキシ、オクチルフェノキシ、4−tert−オクチルフェノキシ、ノニルフェノキシ、ドデシルフェノキシ、オクタデシルフェノキシ、ペンタデシルフェノキシ、ペンタデセニルフェノキシ、メトキシフェノキシ、フェノキシフェノキシ、ベンジルオキシフェノキシ、n−ヘキシルオキシフェノキシ、2−メトキシエチルフェノキシ、ジアルキルフェノキシ、2,6−ジアルキルフェノキシ、2,6−ジメチルフェノキシ、2,6−ジ−t−ブチルフェノキシ、2,4−ジアルキルフェノキシ、2,4−ジ−t−ブチルフェノキシ、2,5−ジアルキルフェノキシ、2,5−ジ−t−ブチルフェノキシ、2,5−ジクミルフェノキシ、3,5−ジアルキルフェノキシ、3,5−ジ−t−ブチルフェノキシ、3,5−ジクミルフェノキシ、2,3−ジアルキルフェノキシ、2,3−ジ−t−ブチルフェノキシ、ジメトキシフェノキシ、トリアルキルフェノキシ、2,3,6−トリアルキルフェノキシ、2,3,6−トリメチルフェノキシ、2,4,6−トリアルキルフェノキシ、2,4,6−トリメチルフェノキシ、トリハロフェノキシ、トリブロモフェノキシ、2,4,6−トリハロフェノキシ、2,4,6−トリブロモフェノキシ及び2,4,6−トリクロロフェノキシからなる群から選択され、Z2は、ビニル、アリル、アリルオキシ、2−アリルフェノキシ、4−アリルフェノキシ、4−エテニルフェノキシ、シンナミルオキシ、4−アリル−2−メトキシフェノキシ及びプロパルギルオキシからなる群から選択される。
  2. 下記式(I)のトリアジン系封鎖剤。
    Figure 0004113122
    式中、L1はクロロであり、Z1及びZ2は同一であって、ビニル、アリル、アリルオキシ、2−アリルフェノキシ、4−アリルフェノキシ、4−エテニルフェノキシ、シンナミルオキシ、4−アリル−2−メトキシフェノキシ及びプロパルギルオキシからなる群から選択される。
  3. 下記式(II)のトリアジン系封鎖剤。
    Figure 0004113122
    式中、L1及びL2は各々クロロ、またはアリールオキシ基とトリアジン環との結合に対してオルト、メタ又はパラ位にある1以上の電子求引基を含むアリールオキシ基であり、Z1は、ビニル、アリル、アリルオキシ、2−アリルフェノキシ、4−アリルフェノキシ、4−エテニルフェノキシ、シンナミルオキシ、4−アリル−2−メトキシフェノキシ及びプロパルギルオキシからなる群から選択される。
  4. 下記式(III)のトリアジン系封鎖剤。
    Figure 0004113122
    式中、L1、L2及びL3は各々独立に、アリールオキシ基とトリアジン環との結合に対してオルト、メタ又はパラ位にある1以上の電子求引基を含むアリールオキシ基である。
  5. 1以上のビニル基、アリル基又はプロパルギル基、或いは下記式(VII、Fu1)のオレフィン基を含むトリアジン部分で封鎖された求核基を有するポリマー。
    Figure 0004113122
    式中、R1はアルキル又はアリールであり、R2は水素、アルキル又はアリールである。
  6. ポリマー又はモノマー中の求核基を封鎖する方法であって、ポリマー又はモノマーを請求項1記載のトリアジン系封鎖剤と混合して反応させることを含んでなる方法。
  7. ポリカーボネート中の末端ヒドロキシ基を封鎖する方法であって、ポリマーを下記式(I)のトリアジン系封鎖剤と混合して反応させることを含んでなる方法。
    Figure 0004113122
    式中、L1がo−カルボメトキシフェノキシであり、Z1及びZ2が各々独立に、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、t−ブトキシ、ベンジルオキシ、シクロヘキシルオキシ、メチルシクロヘキシルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ、オクタデシルオキシ、オレイルオキシ、フェノキシ、置換アリールオキシ、アリールアリールオキシ、アリールフェノキシ、アルキルフェノキシ、2−アルキルフェノキシ、3−アルキルフェノキシ、4−アルキルフェノキシ、n−ブチルフェノキシ、イソブチルフェノキシ、t−ブチルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、n−ペンチルフェノキシ、4−t−アミルフェノキシ、n−ヘキシルフェノキシ、シクロヘキシルフェノキシ、フェニルフェノキシ、ナフチルフェノキシ、4−クミルフェノキシ、4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノキシ、オクチルフェノキシ、4−tert−オクチルフェノキシ、ノニルフェノキシ、ドデシルフェノキシ、オクタデシルフェノキシ、ペンタデシルフェノキシ、ペンタデセニルフェノキシ、メトキシフェノキシ、フェノキシフェノキシ、ベンジルオキシフェノキシ、n−ヘキシルオキシフェノキシ、2−メトキシエチルフェノキシ、ジアルキルフェノキシ、2,6−ジアルキルフェノキシ、2,6−ジメチルフェノキシ、2,6−ジ−t−ブチルフェノキシ、2,4−ジアルキルフェノキシ、2,4−ジ−t−ブチルフェノキシ、2,5−ジアルキルフェノキシ、2,5−ジ−t−ブチルフェノキシ、2,5−ジクミルフェノキシ、3,5−ジアルキルフェノキシ、3,5−ジ−t−ブチルフェノキシ、3,5−ジクミルフェノキシ、2,3−ジアルキルフェノキシ、2,3−ジ−t−ブチルフェノキシ、ジメトキシフェノキシ、トリアルキルフェノキシ、2,3,6−トリアルキルフェノキシ、2,3,6−トリメチルフェノキシ、2,4,6−トリアルキルフェノキシ、2,4,6−トリメチルフェノキシ、トリハロフェノキシ、トリブロモフェノキシ、2,4,6−トリハロフェノキシ、2,4,6−トリブロモフェノキシ、2,4,6−トリクロロフェノキシ、ビニル、アリル、アリルオキシ、2−アリルフェノキシ、4−アリルフェノキシ、4−エテニルフェノキシ、シンナミルオキシ、4−アリル−2−メトキシフェノキシ、プロパルギルオキシ、グリシドキシ及び4−オキシメチル−2−メトキシ−2−メチル−1,3−ジオキソランからなる群から選択される。
  8. ポリカーボネート中の末端ヒドロキシ基を封鎖する方法であって、ポリマーを下記式(II
    )のトリアジン系封鎖剤と混合して反応させることを含んでなる方法。
    Figure 0004113122
    式中、L1及びL2が各々o−カルボメトキシフェノキシであり、Z1、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、t−ブトキシ、ベンジルオキシ、シクロヘキシルオキシ、メチルシクロヘキシルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ、オクタデシルオキシ、オレイルオキシ、フェノキシ、置換アリールオキシ、アリールアリールオキシ、アリールフェノキシ、アルキルフェノキシ、2−アルキルフェノキシ、3−アルキルフェノキシ、4−アルキルフェノキシ、n−ブチルフェノキシ、イソブチルフェノキシ、t−ブチルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、n−ペンチルフェノキシ、4−t−アミルフェノキシ、n−ヘキシルフェノキシ、シクロヘキシルフェノキシ、フェニルフェノキシ、ナフチルフェノキシ、4−クミルフェノキシ、4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノキシ、オクチルフェノキシ、4−tert−オクチルフェノキシ、ノニルフェノキシ、ドデシルフェノキシ、オクタデシルフェノキシ、ペンタデシルフェノキシ、ペンタデセニルフェノキシ、メトキシフェノキシ、フェノキシフェノキシ、ベンジルオキシフェノキシ、n−ヘキシルオキシフェノキシ、2−メトキシエチルフェノキシ、ジアルキルフェノキシ、2,6−ジアルキルフェノキシ、2,6−ジメチルフェノキシ、2,6−ジ−t−ブチルフェノキシ、2,4−ジアルキルフェノキシ、2,4−ジ−t−ブチルフェノキシ、2,5−ジアルキルフェノキシ、2,5−ジ−t−ブチルフェノキシ、2,5−ジクミルフェノキシ、3,5−ジアルキルフェノキシ、3,5−ジ−t−ブチルフェノキシ、3,5−ジクミルフェノキシ、2,3−ジアルキルフェノキシ、2,3−ジ−t−ブチルフェノキシ、ジメトキシフェノキシ、トリアルキルフェノキシ、2,3,6−トリアルキルフェノキシ、2,3,6−トリメチルフェノキシ、2,4,6−トリアルキルフェノキシ、2,4,6−トリメチルフェノキシ、トリハロフェノキシ、トリブロモフェノキシ、2,4,6−トリハロフェノキシ、2,4,6−トリブロモフェノキシ、2,4,6−トリクロロフェノキシ、ビニル、アリル、アリルオキシ、2−アリルフェノキシ、4−アリルフェノキシ、4−エテニルフェノキシ、シンナミルオキシ、4−アリル−2−メトキシフェノキシ、プロパルギルオキシ、グリシドキシ及び4−オキシメチル−2−メトキシ−2−メチル−1,3−ジオキソランからなる群から選択される。
  9. ポリカーボネート中の末端ヒドロキシ基を封鎖する方法であって、ポリマーを下記式(II
    I)のトリアジン系封鎖剤と混合して反応させることを含んでなる方法。
    Figure 0004113122
    式中、L1、L2及びL3が各々o−カルボメトキシフェノキシである。
  10. 1以上のo−カルボメトキシフェノキシ置換基を有する1種以上のトリアジン系封鎖剤の存在下での溶融エステル交換反応を含んでなる、ポリカーボネートの製造方法。
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